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特開2023-177691中継装置、監視カメラシステム、データ中継方法および中継制御プログラム
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  • 特開-中継装置、監視カメラシステム、データ中継方法および中継制御プログラム 図1
  • 特開-中継装置、監視カメラシステム、データ中継方法および中継制御プログラム 図2
  • 特開-中継装置、監視カメラシステム、データ中継方法および中継制御プログラム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177691
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】中継装置、監視カメラシステム、データ中継方法および中継制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/24 20110101AFI20231207BHJP
   H04N 21/238 20110101ALI20231207BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20231207BHJP
   H04L 65/611 20220101ALI20231207BHJP
【FI】
H04N21/24
H04N21/238
H04N7/18 D
H04L65/611
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090489
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】土田 卓
【テーマコード(参考)】
5C054
5C164
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054DA06
5C054EA03
5C054HA18
5C164FA07
5C164SA11S
5C164SA25S
5C164SB21P
5C164SB41S
5C164YA21
5C164YA25
(57)【要約】
【課題】映像送信装置と映像送信装置が接続される中継装置との間で障害が発生した場合、および、映像送信装置が故障した場合でも、映像データの伝送を継続可能な中継装置を得ること。
【解決手段】中継装置3は、撮像装置1にそれぞれ接続される複数の外部インタフェース部13と、通信ネットワーク5に接続される通信部12と、複数の外部インタフェース部が同一のマルチキャストデータを受信している場合は、1つのマルチキャストデータを通信ネットワークへ中継する中継制御部11と、を備え、中継制御部は、一の外部インタフェース部において中継中のマルチキャストデータの受信が停止し、かつ停止したマルチキャストデータとマルチキャストアドレスが同一である他のマルチキャストデータを他の外部インタフェース部が受信している場合は、他のマルチキャストデータを通信ネットワークへ中継するよう、他の外部インタフェース部および通信部を制御する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置にそれぞれ接続される複数の外部インタフェース部と、
通信ネットワークに接続される通信部と、
前記複数の外部インタフェース部が同一のマルチキャストアドレスをもつマルチキャストデータを受信している場合は、いずれか1つの前記マルチキャストデータを前記通信ネットワークへ中継する中継制御部と、
を備え、
前記中継制御部は、
一の外部インタフェース部において中継中の一のマルチキャストデータの受信が停止し、かつ停止した一のマルチキャストデータとマルチキャストアドレスが同一である他のマルチキャストデータを他の外部インタフェース部が受信している場合は、前記他のマルチキャストデータを前記通信ネットワークへ中継するよう、前記他の外部インタフェース部および前記通信部を制御する
ことを特徴とする中継装置。
【請求項2】
前記中継制御部は、
前記外部インタフェース部がマルチキャストデータの受信を開始し、かつ、受信を開始したマルチキャストデータとマルチキャストアドレスが同一のマルチキャストデータを前記通信ネットワークに中継中の場合、受信を開始した前記マルチキャストデータを前記通信ネットワークに中継しないよう、前記外部インタフェース部および前記通信部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
前記中継制御部は、
前記外部インタフェース部がマルチキャストデータの受信を開始し、かつ、受信を開始したマルチキャストデータとマルチキャストアドレスが同一のマルチキャストデータを前記通信ネットワークに中継中ではない場合、受信を開始した前記マルチキャストデータを前記通信ネットワークに中継するよう、前記外部インタフェース部および前記通信部を制御する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の中継装置。
【請求項4】
撮像装置と、
前記撮像装置から映像データが含まれたマルチキャストデータを受信して通信ネットワークに中継する中継装置と、
前記通信ネットワークに接続され、前記マルチキャストデータを受信して前記映像データを表示する映像表示端末と、
を備え、
前記撮像装置は、同じ範囲を対象として撮影して前記映像データを出力し、
前記中継装置は、
前記撮像装置にそれぞれ接続される複数の外部インタフェース部と、
前記通信ネットワークに接続される通信部と、
前記複数の外部インタフェース部が同一のマルチキャストアドレスをもつマルチキャストデータを受信している場合は、いずれか1つの前記マルチキャストデータを前記通信ネットワークへ中継する中継制御部と、
を備え、
前記中継制御部は、
一の外部インタフェース部において中継中の一のマルチキャストデータの受信が停止し、かつ停止した一のマルチキャストデータとマルチキャストアドレスが同一である他のマルチキャストデータを他の外部インタフェース部が受信している場合は、前記他のマルチキャストデータを前記通信ネットワークへ中継するよう、前記他の外部インタフェース部および前記通信部を制御する
ことを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項5】
撮像装置にそれぞれ接続された複数の外部インタフェース部が、同一のマルチキャストアドレスを持つマルチキャストデータを受信している場合は、いずれか1つの前記マルチキャストデータを通信ネットワークへ中継するステップと、
一の外部インタフェース部において中継中の一のマルチキャストデータの受信が停止し、かつ停止した一のマルチキャストデータとマルチキャストアドレスが同一である他のマルチキャストデータを他の外部インタフェース部が受信している場合は、前記他のマルチキャストデータを前記通信ネットワークへ中継するステップと、
を含むことを特徴とするデータ中継方法。
【請求項6】
撮像装置にそれぞれ接続された複数の外部インタフェース部が、同一のマルチキャストアドレスを持つマルチキャストデータを受信している場合は、いずれか1つの前記マルチキャストデータを通信ネットワークへ中継するステップと、
一の外部インタフェース部において中継中の一のマルチキャストデータの受信が停止し、かつ停止した一のマルチキャストデータとマルチキャストアドレスが同一である他のマルチキャストデータを他の外部インタフェース部が受信している場合は、前記他のマルチキャストデータを前記通信ネットワークへ中継するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする中継制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、データパケットを中継する中継装置、監視カメラシステム、データ中継方法および中継制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔地の監視用途に用いられるネットワークカメラは、多くの場合1つ以上のネットワークスイッチを経由して映像監視端末へ映像パケットの伝送を行っている。
【0003】
そのため、ネットワーク上において伝送障害が発生したときには、映像監視端末への映像パケットの伝送が行えなくなるという問題がある。
【0004】
このような問題に対し、特許文献1に記載の映像中継装置は、途中の経路を二重化し、一方の経路で障害が発生した場合に映像データの伝送が途切れてしまうのを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-188920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術では、途中の経路で障害が発生した場合には対応できるが、映像データを送信する装置とこの装置が接続される中継装置との間で障害が発生した場合、および、映像データを送信する装置が故障した場合には対応できず、映像データの伝送が途切れるという問題があった。
【0007】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、映像データを送信する装置と映像データを送信する装置が接続される中継装置との間で障害が発生した場合、および、映像データを送信する装置が故障した場合であっても、映像データの伝送を継続することが可能な中継装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる中継装置は、撮像装置にそれぞれ接続される複数の外部インタフェース部と、通信ネットワークに接続される通信部と、複数の外部インタフェース部が同一のマルチキャストアドレスをもつマルチキャストデータを受信している場合は、いずれか1つのマルチキャストデータを通信ネットワークへ中継する中継制御部と、を備える。中継制御部は、一の外部インタフェース部において中継中の一のマルチキャストデータの受信が停止し、かつ停止した一のマルチキャストデータとマルチキャストアドレスが同一である他のマルチキャストデータを他の外部インタフェース部が受信している場合は、他のマルチキャストデータを通信ネットワークへ中継するよう、他の外部インタフェース部および通信部を制御する。
【発明の効果】
【0009】
本開示にかかる中継装置によれば、映像データを送信する装置と映像データを送信する装置が接続される中継装置との間で障害が発生した場合、および、映像データを送信する装置が故障した場合であっても、映像データの伝送を継続することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態にかかる中継装置を適用して実現される監視カメラシステムの構成例を示す図
図2】実施の形態にかかる中継装置のハードウェア構成および機能ブロック構成の一例を示す図
図3】中継装置によるデータ中継制御の処理手順の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示の実施の形態にかかる中継装置、監視カメラシステム、データ中継方法および中継制御プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
実施の形態.
図1は、実施の形態にかかる中継装置を適用して実現される監視カメラシステム100の構成例を示す図である。
【0013】
監視カメラシステム100は、ネットワークカメラである2台の撮像装置1と、映像表示端末2と、中継装置3とを備え、映像表示端末2および中継装置3は通信ネットワーク5に接続される。
【0014】
2台の撮像装置1は、中継装置3に接続される。2台の撮像装置1は同じ場所に設けられ、同じ範囲を撮影して映像データを中継装置3に送信する。すなわち、監視カメラシステム100は、中継装置3に映像データを送信する撮像装置1が二重化された構成である。
【0015】
映像表示端末2は、撮像装置1が撮像を行い得られる映像データを中継装置3および通信ネットワーク5を介して受信し、映像として表示するための端末である。例えば、映像表示端末2は、映像の配信開始操作をユーザから受け付けた場合、映像の配信開始要求を撮像装置1へ送信し、撮像装置1から映像データの配信を受ける。また、映像表示端末2は、映像の配信停止操作をユーザから受け付けた場合、映像の配信停止要求を撮像装置1へ送信する。
【0016】
中継装置3は、例えばネットワークスイッチである。中継装置3は、2台の撮像装置1の双方から映像データを受信した場合、受信した映像データの一方を中継対象データに設定して通信ネットワーク5に中継し、他方を中継停止データに設定して破棄する。また、中継装置3は、中継対象データに設定した映像データが受信できない状態となった場合、中継停止データに設定していた映像データの中継を開始する。なお、中継装置3には、撮像装置1に加えて、撮像装置1とは異なる装置、例えば、映像表示端末2と同様の装置が接続されてもよい。
【0017】
図1に示す構成の監視カメラシステム100は、例えば、河川、道路、駅などの監視に利用される。例えば、2台の撮像装置1を河川付近に設置し、映像表示端末2を監視所に設置し、2台の撮像装置1が出力する映像データの一方が中継装置3により通信ネットワーク5に中継される。通信ネットワーク5に中継された映像データを映像表示端末2が受信して映像として表示することで、監視所の監視員が河川の状態を確認できるようにする。
【0018】
図2は、実施の形態にかかる中継装置3のハードウェア構成および機能ブロック構成の一例を示す図である。
【0019】
図2に示すように、中継装置3は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、第1のインタフェース回路104および複数の第2のインタフェース回路105を含むハードウェアで構成される。第1のインタフェース回路104は中継装置3と通信ネットワーク5とを接続するための電子回路であり、第2のインタフェース回路105は中継装置3と撮像装置1とを接続するための電子回路である。なお、図2では第2のインタフェース回路105を2つ備える構成例を示したが、第2のインタフェース回路105を3つ以上備えてもよい。撮像装置1が接続されない第2のインタフェース回路105には、他の装置、例えば、通信ネットワーク5を介してデータ通信を行うための通信モジュールが接続されてもよい。第1のインタフェース回路104は第2のインタフェース回路105と同じ構成の電子回路であってもよいし、異なる構成の電子回路であってもよい。また、第1のインタフェース回路104を2つ以上としてもよい。
【0020】
CPU101、RAM102およびROM103は中継制御部11を構成する。ROM103には中継制御部11が実行する各処理が記述されたプログラムである中継制御プログラムが書き込まれる。CPU101は、ROM103に書き込まれた中継制御プログラムを読み出して実行することにより中継制御部11として動作する。なお、図2に示す例ではCPU101、RAM102およびROM103で中継制御部11を構成することとしたが、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせた処理回路で中継制御部11を構成してもよい。
【0021】
第1のインタフェース回路104は通信部12を構成する。第2のインタフェース回路105は外部インタフェース部13を構成する。
【0022】
中継制御部11は、外部インタフェース部13および通信部12による映像データの中継動作を制御する。詳細には、中継制御部11は、複数の外部インタフェース部13のそれぞれが撮像装置1から受信したパケットを解析し、同じ映像データが格納されたパケットを2つの第2のインタフェース回路105が受信している状態であるかを判断する。同じ映像データが格納されたパケットを2つの第2のインタフェース回路105が受信している状態の場合、中継制御部11は、同じ映像データが格納されたパケットの一方を通信部12が通信ネットワーク5へ送信し、他方を破棄するように制御する。
【0023】
通信部12は、通信ネットワーク5に接続され、通信ネットワーク5を介して他の装置との間で信号を送受信する。
【0024】
外部インタフェース部13は、撮像装置1が出力する映像データを取得する。
【0025】
次に、図3を用いて、中継装置3の動作例、具体的には、撮像装置1から受信した映像データを映像表示端末2に中継する動作の例について説明する。図3は、中継装置3によるデータ中継制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下で説明する処理手順に含まれる各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換および追加が可能である。
【0026】
中継装置3は、まず、マルチキャストデータの受信を開始したか否かを確認する(ステップS1)。具体的には、中継制御部11が、撮像装置1から送信される映像パケットの受信を外部インタフェース部13が開始したかを確認する。なお、映像パケットは映像データが格納されたパケットであり、宛先にマルチキャストアドレスが設定される。
【0027】
マルチキャストデータの受信を開始していない場合(ステップS1:No)、中継装置3は、ステップS1の確認動作を繰り返す。
【0028】
マルチキャストデータの受信を開始した場合(ステップS1:Yes)、中継装置3は、同一マルチキャストデータを受信中か否かを確認する(ステップS2)。具体的には、中継制御部11が、受信を開始したマルチキャストデータと同じマルチキャストデータを他の外部インタフェース部13が受信中か否かを確認する。「他の外部インタフェース部13」とは、マルチキャストデータの受信を開始した外部インタフェース部13以外の外部インタフェース部13である。別の表現を用いると、ステップS2において、中継制御部11は、複数の外部インタフェース部13で同じマルチキャストデータを受信する状態か否かを確認する。同じマルチキャストデータとは、同じマルチキャストアドレスが設定された映像パケットである。すなわち、中継制御部11は、外部インタフェース部13が受信を開始した映像パケットを解析し、受信を開始した映像パケットと同じマルチキャストアドレスが設定された映像パケットを他の外部インタフェース部13が受信中であるか否かを確認する。なお、図1および図2に示す2台の撮像装置1は、中継装置3に出力する映像パケットの宛先アドレスが同じマルチキャストアドレスとなるように予め設定されているものとする。
【0029】
同一マルチキャストデータを受信中ではない場合(ステップS2:No)、中継制御部11は、受信を開始したマルチキャストデータを、映像表示端末2への中継対象データに設定する(ステップS6)。例えば、中継制御部11は、マルチキャストデータの受信を開始した外部インタフェース部13に対し、マルチキャストデータを通信部12へ出力するよう指示する。この指示を受けた外部インタフェース部13は、受信したマルチキャストデータを通信部12に受け渡す処理を開始する。通信部12は、外部インタフェース部13から受け取ったマルチキャストデータを通信ネットワーク5へ送信する。なお、映像の配信を要求している映像表示端末2が存在しない場合、通信部12は、外部インタフェース部13から受け取ったマルチキャストデータを通信ネットワーク5へ送信しない。すなわち、映像の配信を要求している映像表示端末2が存在しない場合、中継対象データに設定されたマルチキャストデータが外部インタフェース部13から通信部12に受け渡されるが、通信部12で破棄されるよう、中継制御部11は外部インタフェース部13および通信部12を制御する。映像の配信を要求している映像表示端末2が存在しない場合、中継対象データに設定されたマルチキャストデータを通信部12に受け渡すことなく破棄するよう、中継制御部11が外部インタフェース部13を制御してもよい。ステップS6を実行後はステップS1に戻る。
【0030】
また、同一マルチキャストデータを受信中の場合(ステップS2:Yes)、中継制御部11は、受信を開始したマルチキャストデータを、映像表示端末2への中継を行わないデータである中継停止データに設定する(ステップS3)。例えば、中継制御部11は、マルチキャストデータの受信を開始した外部インタフェース部13に対し、マルチキャストデータを通信部12へ出力しないよう指示する。この指示を受けた外部インタフェース部13は、受信したマルチキャストデータを通信部12に受け渡さずに破棄する処理を開始する。
【0031】
ステップS3を実行した後の中継装置3は、2台の撮像装置1から同一マルチキャストデータを受信し、一方のマルチキャストデータを通信ネットワーク5に中継する状態となる。その後、中継装置3は、中継中のマルチキャストデータの受信が停止したか否かを確認する(ステップS4)。中継中のマルチキャストデータの受信が停止していない場合(ステップS4:No)、中継装置3は、ステップS4の確認動作を繰り返す。
【0032】
一方、中継中のマルチキャストデータの受信が停止した場合(ステップS4:Yes)、中継装置3は、中継停止中のデータを中継対象データに設定変更する(ステップS5)。具体的には、中継制御部11が、それまで中継停止データに設定していたマルチキャストデータを中継対象データに設定する。例えば、中継制御部11は、受信したマルチキャストデータを通信部12に受け渡さずに破棄する処理を実行している外部インタフェース部13に対し、受信したマルチキャストデータを通信部12へ出力するよう指示する。この指示を受けた外部インタフェース部13は、受信したマルチキャストデータを通信部12に受け渡す処理を開始する。ステップS5を実行後はステップS1に戻る。
【0033】
なお、本実施の形態では、同一のマルチキャストデータか否かをマルチキャストアドレスに基づいて判定することとしたが、他の方法で判定するようにしてもよい。例えば、各撮像装置1が、同じデータであることを示す情報(同じ情報)を映像パケットの定められた位置に挿入して送信し、この情報に基づいて中継制御部11が同一マルチキャストデータか否かを判定するようにしてもよい。他の判定方法として、中継装置3は、外部インタフェース部13のそれぞれに接続された撮像装置1の設定情報を予め取得して保持しておき、保持している設定情報に基づいて、同一のマルチキャストデータを受信したか否かを判定するようにしてもよい。撮像装置1の設定情報には、映像パケットに設定するマルチキャストアドレスなど、同一のマルチキャストデータか否かを判別可能な情報が含まれるものとする。撮像装置1の設定情報は、ユーザが手作業で中継装置3に登録してもよいし、撮像装置1が接続されたことを検出した場合に、外部インタフェース部13が撮像装置1から取得するようにしてもよい。
【0034】
以上説明したように、本実施の形態にかかる監視カメラシステム100は通信ネットワーク5に接続される映像表示端末2および中継装置3と、中継装置3に接続され、同じ範囲を撮影して同一のマルチキャストデータを出力する複数の撮像装置1と、を備える。中継装置3は、複数の撮像装置1から同一のマルチキャストデータを受信する状態の場合、受信したマルチキャストデータの1つを通信ネットワーク5経由で映像表示端末2へ中継し、残りのマルチキャストデータは中継せずに破棄する。また、中継装置3は、中継中のマルチキャストデータの受信が停止した場合、中継せずに破棄しているマルチキャストデータの中継を開始するよう設定変更し、映像表示端末2への中継処理を開始する。監視カメラシステム100によれば、映像表示端末2が表示する映像のマルチキャストデータを送信する撮像装置1と撮像装置1が接続される中継装置3との間で障害が発生した場合、および、マルチキャストデータを送信する撮像装置1が故障した場合においても、映像表示端末2へのマルチキャストデータの伝送を継続することが可能となり、システムの信頼性を向上できる。
【0035】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 撮像装置、2 映像表示端末、3 中継装置、5 通信ネットワーク、11 中継制御部、12 通信部、13 外部インタフェース部、100 監視カメラシステム、101 CPU、102 RAM、103 ROM、104 第1のインタフェース回路、105 第2のインタフェース回路。
図1
図2
図3