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特開2023-177694防水構造壁、貯水槽及び貯水槽の施工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177694
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】防水構造壁、貯水槽及び貯水槽の施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/02 20060101AFI20231207BHJP
   E04B 2/32 20060101ALI20231207BHJP
   E04C 1/00 20060101ALI20231207BHJP
   E04H 4/02 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
E04B2/02 134
E04B2/02 111
E04B2/32
E04C1/00 F
E04H4/02 C
E04H4/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090496
(22)【出願日】2022-06-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 展示日 令和4年4月15日 展示会名 エクステリア×ガーデンエキシビジョン2022 開催場所 幕張メッセホール4・5 千葉市美浜区中瀬2-1
(71)【出願人】
【識別番号】518282185
【氏名又は名称】松岡 洋良
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188765
【弁理士】
【氏名又は名称】赤座 泰輔
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100163164
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 敏之
(72)【発明者】
【氏名】松岡 洋良
(57)【要約】
【課題】簡便に施工することができる、防水構造壁、貯水槽及び貯水槽の施工方法を提供すること。
【解決手段】貯水槽の周囲を取り囲む防水構造壁100は、設置面200から立設された軽量パネル110を躯体とする。軽量パネル110は、その周方向の隣に配置される軽量パネル110と接合され、軽量パネル110の接合する突合せ面111に、それぞれ、上下方向に沿った切欠凹部112を備え、2つの軽量パネル110の突合せ面111を突き合わせることにより、対向する切欠凹部112から貫通孔113が形成される。貫通孔113内に、軽量パネル110を支持する支持部材140が設置面200から立設され、軽量パネル110同士と支持部材140とを接合する接合セメント成形物が充填され、防水構造壁100は、内側となる軽量パネル110の側面に、防水被覆層150が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水槽の周囲を取り囲む防水構造壁であって、
該貯水槽の周囲に沿って立設された軽量パネルを躯体とし、
該軽量パネルと、該貯水槽の周方向における隣に配置される該軽量パネルとが接合され、
2つの該軽量パネルの接合する突合せ面に、それぞれ、上下方向に沿った切欠凹部を備え、
2つの該軽量パネルの該突合せ面を突き合わせることにより、対向する該切欠凹部から貫通孔が形成され、
該貫通孔内に、該軽量パネルを支持する支持部材が設置面から立設され、該軽量パネル同士と該支持部材とを接合する接合セメント成形物が充填され、
該貯水槽の内側となる該軽量パネルの側面に、防水被覆層が設けられていることを特徴とする防水構造壁。
【請求項2】
2つの前記軽量パネルが接合する前記突合せ面の前記切欠凹部以外の部分どうしの間である当接部に、コーキング材が充填されたことを特徴とする請求項1に記載の防水構造壁。
【請求項3】
請求項2に記載の防水構造壁が設けられた貯水槽であって、
該貯水槽の前記設置面上に形成された底面と前記軽量パネルとが接続する接続部に、前記コーキング材が充填され、
前記防水被覆層が、該貯水槽の内側となる該軽量パネルの側面と該底面に、一体に形成されたことを特徴とする貯水槽。
【請求項4】
前記防水被覆層の伸び率(ASTM D-412)が100%以上であることを特徴とする請求項3に記載の貯水槽。
【請求項5】
前記防水被覆層の表面に、上塗保護層が設けられたことを特徴とする請求項3に記載の貯水槽。
【請求項6】
請求項3に記載の貯水槽の施工方法であって、
該貯水槽の周囲に沿った前記設置面に、前記支持部材を立設する立設工程と、
立設させた複数の該支持部材間に沿って前記軽量パネルをそれぞれ設置し、設置された該軽量パネル間に形成される前記貫通孔に該支持部材を挿通させ、該軽量パネル同士が接合する前記当接部を前記コーキング材で接着させ、該軽量パネルと前記底面とが接続する前記接続部を該コーキング材で接着させ、該軽量パネルを設置する設置工程と、
該貫通孔に、前記接合セメント成形物を形成する接合セメント組成物のスラリーを充填する充填工程と、
該充填工程の後に行われ、該貯水槽の内側となる該軽量パネルの側面と、該貯水槽の前記底面に、前記防水被覆層を形成するレジンを塗布する塗布工程と、
を有することを特徴とする貯水槽の施工方法。
【請求項7】
前記設置工程の後に、前記軽量パネル同士が接合する当接部に、前記貯水槽の内側から、コーキング材をしごき塗りによって補充する補充工程を有することを特徴とする請求項6に記載の貯水槽の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の技術分野は、施工が簡便な、防水構造壁、この防水構造壁を用いた貯水槽及びこの貯水槽の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、防水構造壁が使用された貯水槽として、特許文献1には、コンクリート壁からなる壁面部材と、壁面部材の壁面と底面との境界部を覆う被膜部材と、を備える水泳用プールが記載されている。また、特許文献2には、自然石を壁面部材に使用した水泳用プールが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-092048号公報
【特許文献2】国際公開WO2020/193635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の防水構造壁は、壁面部材に、コンクリート壁や自然石が使用され、全体が重量物で構成されているため、簡便に施工することができないという課題があった。
【0005】
本明細書の技術が解決しようとする課題は、上述の点に鑑みてなされたものであり、簡便に施工することができる、防水構造壁、貯水槽及び貯水槽の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書の実施形態に係る防水構造壁は、貯水槽の周囲を取り囲む防水構造壁であって、
該貯水槽の周囲に沿って立設された軽量パネルを躯体とし、
該軽量パネルと、該貯水槽の周方向における隣に配置される該軽量パネルとが接合され、
2つの該軽量パネルの接合する突合せ面に、それぞれ、上下方向に沿った切欠凹部を備え、
2つの該軽量パネルの該突合せ面を突き合わせることにより、対向する該切欠凹部から貫通孔が形成され、
該貫通孔内に、該軽量パネルを支持する支持部材が設置面から立設され、該軽量パネル同士と該支持部材とを接合する接合セメント成形物が充填され、
該貯水槽の内側となる該軽量パネルの側面に、防水被覆層が設けられているものとすることができる。
【0007】
本明細書の実施形態に係る防水構造壁によれば、貫通孔に、接合セメント成形物が充填されることにより、軽量パネル同士と支持部材とを接合することができ、貯水槽の防水構造壁を形成することができる。また、貯水槽の防水構造壁の内側となる軽量パネルの側面に、防水被覆層が設けられているため、貯水槽の防水構造壁の内側に防水性を付与することができる。このため、実施形態に係る防水構造壁は、簡便に施工することができる。
【0008】
また、上記防水構造壁において、2つの前記軽量パネルが接合する前記突合せ面の前記切欠凹部以外の部分どうしの間である当接部に、コーキング材が充填された構成とすることができる。
【0009】
これによれば、2つの軽量パネル同士が接合する当接部に、コーキング材が充填されているため、当接部の防水性を高めることができる。
【0010】
ここで、実施形態に係る貯水槽は、上記の防水構造壁が設けられた貯水槽であって、
該貯水槽の前記設置面上に形成された底面と前記軽量パネルとが接続する接続部に、前記コーキング材が充填され、
前記防水被覆層が、該貯水槽の内側となる該軽量パネルの側面と該底面に、一体に形成された構成とすることができる。
【0011】
これによれば、貯水槽の防水性を高めることができる。
【0012】
また、上記貯水槽において、前記防水被覆層の伸び率(ASTM D-412)が100%以上であるものとすることができる。
【0013】
これによれば、防水被覆層が貯水槽の熱膨張や外的要因による振動などによる変形に追従することができるため、貯水槽の防水性をより高めることができる。
【0014】
また、上記貯水槽において、前記防水被覆層の表面に、上塗保護層が設けられた構成とすることができる。
【0015】
これによれば、防水被覆層の劣化を抑制することができる。
【0016】
ここで、実施形態に係る貯水槽の施工方法は、上記の貯水槽の施工方法であって、
該貯水槽の周囲に沿った前記設置面に、前記支持部材を立設する立設工程と、
立設させた複数の該支持部材間に沿って前記軽量パネルをそれぞれ設置し、設置された該軽量パネル間に形成される前記貫通孔に該支持部材を挿通させ、該軽量パネル同士が接合する前記当接部を前記コーキング材で接着させ、該軽量パネルと前記底面とが接続する前記接続部を該コーキング材で接着させ、該軽量パネルを設置する設置工程と、
該貫通孔に、前記接合セメント成形物を形成する接合セメント組成物のスラリーを充填する充填工程と、
該充填工程の後に行われ、該貯水槽の内側となる該軽量パネルの側面と、該貯水槽の前記底面に、前記防水被覆層を形成するレジンを塗布する塗布工程と、
を有することを特徴とする。
【0017】
実施形態の貯水槽の施工方法によれば、軽量パネル間に貫通孔が形成され、この貫通孔に接合セメント組成物のスラリーを充填することによって、軽量パネル同士と支持部材を接合することができるため、施工性に優れるものとすることができる。
【0018】
また、上記貯水槽の施工方法において、前記設置工程の後に、前記軽量パネル同士が接合する当接部に、前記貯水槽の内側から、コーキング材をしごき塗りによって補充する補充工程を有することができる。
【0019】
これによれば、軽量パネル同士が接合する当接部に、隙間なく、コーキング材が充填されるため、当接部の防水性を高めることができる。
【発明の効果】
【0020】
本明細書の防水構造壁、貯水槽及び貯水槽の施工方法によれば、簡便に施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1の実施形態の防水構造壁を備える貯水槽としてのプールの一例の縦断面のイメージ図である。
図2】部分拡大図付きの図1のII-II線断面図である。
図3図2のIII-III線断面図である。
図4】防水構造壁を構成する軽量パネルの接合部を示す斜視図である。
図5】軽量パネルの接合部の施工途中の平断面図である。
図6】第2の実施形態の防水構造壁を備える貯水槽としてのプールの一例の縦断面のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本明細書の実施形態に係る、防水構造壁、防水構造壁を備える貯水槽及び貯水槽の施工方法について説明する。実施形態の防水構造壁は、貯水槽の周囲を囲む構造体としての壁に使用される。実施形態の貯水槽は、水泳や水浴びに使用されるプール、全身や足の浴用などに使用される浴槽、必要により魚などを飼育して観賞に使用される池や水を貯める用途などの水槽、などとして使用することができるものである。実施形態では、水泳や水浴びに使用されるプールを例として説明する。
【0023】
第1の実施形態の防水構造壁100を備える貯水槽としてのプール1は、図1に示すように、プール1の周囲を取り囲む防水構造壁100と、プール1の底となる底面201と、が設けられ、プール1の内側となる防水構造壁100の側面と底面201に、防水被覆層150が一体に形成されている。ここでプール1の向きは、図1に示すように、上下は、プール1が設置された状態の上下とし、前後左右は、便宜的に図2に示すように、プール1の長手方向を前後方向とし、短手方向を左右方向とする。なお、図示で使用する、Fは前、Bは後、Uは上、Dは下、Lは左、Rは右を示す。また、プール1の内部を基準に、内側又は外側と表現することがあり、プール1の中心を基準に、防水構造壁100が設置される方向を周方向と表現することがある。
【0024】
プール1の周囲を取り囲む防水構造壁100は、設置面200にコンクリートで打設された底面201から立設された複数の矩形状の軽量パネル110を躯体とし、軽量パネル110は設置面200に打設された支持部材140によって支持されている。
【0025】
軽量パネル110は、図2及び図4に示すように、隣り合う軽量パネル110の突合せ面111どうしが接合されてプール1の外周を閉塞する連続した防水構造壁100を形成する。
【0026】
図4に示すように、防水構造壁100を形成する軽量パネル110は、それぞれが接合される突合せ面111に、上下方向に沿った断面矩形状の切欠凹部112が形成され、周方向に隣り合う軽量パネル110の突合せ面111同士を突き合わせることにより、対向する切欠凹部112から上下方向の貫通孔113が形成される。なお、防水構造壁100として、プール1の角部にあたる部分の軽量パネル110の接合は、図2に示すように、一方の軽量パネル110の面(厚み方向に直交する面)の端部の突き合わせる部位に、上下方向に沿って切欠凹部112を設ける。
【0027】
貫通孔113には、設置面200に打設された支持部材140が挿通され、接合セメント組成物のスラリーが充填され、接合セメント組成物のスラリーが硬化して接合セメント成形物130が形成されることによって、軽量パネル110同士と支持部材140は、それぞれが接合される。
【0028】
軽量パネル110には、ビーズ発泡により成形が容易なポリスチレン発泡体(EPS(expandable polystyrene beads))を使用することができ、厚みが150~500mm、嵩比重が17~33kg/m3、発泡倍率が30~60倍であるものを使用することができる。軽量パネル110は、カッターナイフなどで容易に切断することができるため、軽量パネル110の大きさの調整を容易に行うことができる。このため、貯水槽としてのプール1は、その大きさを自由に設定することができる。なお、軽量パネル110の高さは、300~2000mmとすることができる。
【0029】
軽量パネル110の突合せ面111に形成される切欠凹部112は、突合せ面111同士を突き合わせて貫通孔113が形成されたときに、接合セメント成形物130を形成する接合セメント組成物のスラリーを容易に充填できる大きさとし、図5に示す、厚み方向の幅WIと面方向の深さDEは、それぞれ、30~100mmとすることができる。
【0030】
パネル間に使用する支持部材140は、一辺の長さが30~100mmの鉄製のL型アングルを使用することができる。支持部材140は、軽量パネル110を設置する設置面200に、長手方向(長さ方向)が設置面200に対して垂直となるように、かつ、図2及び図5に示すように、L型アングルの短手方向(水平方向)の断面における両端部を結ぶ仮想ラインが、軽量パネル110の接続方向と平行になるように、設置面200に打設して固定する。
【0031】
接合セメント組成物は、セメント、骨材及びその他添加剤が均一に混合された粉体状の材料である。セメント組成物が水と混錬されることにより流動性を有し、塗工や充填が可能なスラリー(塗料)となる。スラリーのセメントが水和反応によって硬化することにより、セメント組成物のスラリーは、硬化体としてのセメント成形物(接合セメント成形物130)となるものである。
【0032】
接合セメント組成物は、セメント系無収縮グラウト材に、セメント及び骨材をブレンドしたものを使用することができる。セメント系無収縮グラウト材のみだと、スラリーの流動性が高く、軽量パネル110間の隙間からスラリーが漏れ出すおそれがあるため、セメント及び骨材をブレンドすることによって、スラリーの流動性を低下させたものである。また、接合セメント組成物は、セメント系無収縮グラウト材の無収縮性が維持されており、貫通孔113に接合セメント組成物のスラリーが充填され硬化する際の収縮がほとんどない。このため、接合セメント組成物のスラリーから成形された接合セメント成形物130と貫通孔113との間に、収縮による隙間が生じることがほぼなく、プール1に張られた水が軽量パネル110からなる防水構造壁100に侵入することを防止することができる。セメント系無収縮グラウト材は、市販されているセメント系無収縮グラウト材であれば使用することができる。
【0033】
セメントは、JIS R 5210:2019に規定されるセメント類を使用することができ、骨材には、珪砂、寒水砂、砕石粉、セルベン(衛生陶器粉砕物)、シラスバルーンなどを用いることができる。
【0034】
接合セメント組成物の配合比率は、セメント系無収縮グラウト材:100質量部に対して、セメント類:20~100質量部、骨材:100~200質量部とし、接合セメント組成物のスラリーの100mm塩ビフロー試験値(JASS 15 M-103)が125~250mmとなるように、加水量を調整する。接合セメント組成物のスラリーが流動性に優れるためである。100mm塩ビフロー試験値が125mm未満である場合には、接合セメント組成物のスラリーの流動性が劣り、貫通孔113への充填性が劣るおそれがある。一方、100mm塩ビフロー試験値が250mmを超える場合には、スラリーの流動性が高く、軽量パネル110間の隙間からスラリーが漏れ出すおそれがある。より好ましくは、接合セメント組成物のスラリーの100mm塩ビフロー試験値が150~200mmとなるように、加水量を調整する。
【0035】
100mm塩ビフロー試験値(mm)(JASS 15 M-103「セルフレベリング材の品質基準」)の試験方法は、以下の通りである。厚さ5mmのみがき板ガラスの上に、内径50mm、高さ100mmの塩化ビニル製パイプ(内容積:196mL)を置き、セメント組成物のスラリーを充填した後、パイプを引き上げ、スラリーの広がりが静止してから、直角の2方向の直径を測定し、その平均をフロー試験値(mm)とする。
【0036】
なお、接合セメント組成物のスラリーが充填される前に、貫通孔113が形成される軽量パネル110同士の当接部114である突合せ面111のそれぞれと、軽量パネル110が立ち上がる軽量パネル110と底面201の接続部115のそれぞれは、予め、コーキング材120によって接着が施される。これにより、接合セメント組成物のスラリーが漏れるのを防ぐとともに、プール1として使用する際の防水性を高めることができる。
【0037】
コーキング材120は、軽量パネル110同士の当接部114と、軽量パネル110と底面201の接続部115と、をそれぞれ止水して接着させる材料である。コーキング材120は、その組成として、湿気硬化型のシリコーンコーキング材、ウレタンコーキング材、乾燥硬化型のアクリルコーキング材、ブチルゴムコーキング材などを使用することができる。これらの中でも、硬化の際の収縮が少ない湿気硬化型のコーキング材を好んで使用することができる。
【0038】
コーキング材120は、軽量パネル110同士が当接する当接部114に、貯水槽としてのプール1の内側から、しごき塗りによって補充することができる。これにより、軽量パネル110の当接部114は、隙間なく、コーキング材120が充填されるため、当接部114の防水性を高めることができる。なお、しごき塗りとは、当接部114に、材料(コーキング材120)を左官鏝で擦り付けるように押し込めて、薄く平滑に塗る方法である。
【0039】
貯水槽としてのプール1の内側となる軽量パネル110の側面と底面201には、防水性を付与する防水被覆層150を形成するレジン(樹脂)が塗布され、レジンから形成された防水被覆層150の表面には、上塗保護層160を形成する上塗材が塗布される。
【0040】
防水被覆層150は、貯水槽としてのプール1の内側に形成され、貯水槽としてのプール1に防水性を付与するものであり、伸び率(ASTM D-412)が100~1000%となる樹脂を使用することができる。伸び率が100~1000%であることにより、防水被覆層150は、貯水槽としてのプール1の熱膨張や外的要因による振動などによる変形に追従することができ、防水性を確保することができるためである。防水被覆層150の伸び率が100%未満である場合には、プール1の変形に追従することができず、防水被覆層150にクラックが生じ、防水性を確保することができないおそれがある。一方、防水被覆層150の伸び率が1000%を超える場合には、防水性を確保することはできるものの、防水被覆層150が可とう性を有して柔らかくなり、汚れが付着しやすくなるとともに、プール1の利用者に不快感を与えるおそれがある。より好ましくは、防水被覆層150の伸び率は、150~800%であり、さらに好ましくは、200~600%である。
【0041】
防水被覆層150を形成する樹脂として、ウレア樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂など、汎用の樹脂を用いることができる。これらの中でも、瞬時に硬化させることができる、ウレア樹脂、ウレタン樹脂がより好ましく、加水分解をし難い、ウレア樹脂をより好んで使用することができる。ウレア樹脂(ポリウレア)は、イソシアネート成分とアミン成分を吹付ガン先で混合させることにより生成する樹脂である。ウレタン樹脂(ポリウレタン)は、イソシアネート成分とポリオール成分を吹付ガン先で混合させることにより生成する樹脂である。また、防水被覆層150を形成する樹脂として、ウレア樹脂とウレタン樹脂の混合物を使用することもできる。なお、防水被覆層150を形成する樹脂は、顔料や着色骨材によって着色されたものを使用することができる。
【0042】
防水被覆層150の塗布量は、0.5~5kg/m2(膜厚:約0.5~5mm)とすることができる。十分な防水効果を発揮することができるためである。防水被覆層150の塗布量が0.5kg/m2未満である場合には、膜厚が薄く、外的要因により衝撃を受けた際に、防水被覆層150に割れや剥がれが生じ、防水性が保たれないおそれがある。一方、防水被覆層150の塗布量が5kg/m2を超える場合には、防水性は保たれるものの、過剰な膜厚となり、不経済となるおそれがある。より好ましくは、防水被覆層150の塗布量は、1~4kg/m2(膜厚:約1~4mm)であり、さらに好ましくは、2~3kg/m2(膜厚:約2~3mm)である。
【0043】
上塗保護層160は、防水被覆層150の紫外線劣化を防止するために塗布されるものである。上塗保護層160を形成する上塗材は、貯水槽としてのプール1の内側に塗られるため、耐水性に優れる汎用の塗料を使用することができる。上塗保護層160を形成する上塗材の樹脂組成として、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂などを使用することができる。これらの中でも、耐水性に優れる、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂を好んで使用することができ、汎用性の観点から、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂をより好んで使用することができる。
【0044】
上塗保護層160を形成する上塗材は、エナメル塗料、クリア塗料どちらであっても使用することができるが、防水被覆層150が顔料や着色骨材によって着色されたものである場合には、防水被覆層150に深みを与えることができるクリア塗料を好んで使用することができる。
【0045】
以下、実施形態の防水構造壁100を用いたプール1の施工方法について説明する。
【0046】
プール1の施工の前に、図1に示すように、プール1における配置箇所に合わせて、水を補給する補給口301、水の清浄のために水を吸い込む吸込口302、清浄した水をプール1に戻す吐出口309を配置する。吸込口302から吐出口309には循環配管303が形成され、吸込口302から吸い込まれた水は、循環配管303を通り、集毛器304、ポンプ305、ろ過器306、ボイラ307、滅菌器308の順に循環されて、清浄されて、吐出口309からプール1に戻される。水は、交換される際には、ポンプ305から排出される。
【0047】
実施形態のプール1の施工方法は、設置面200に底面201を打設しつつ支持部材140を立設する立設工程と、設置された支持部材140に沿って軽量パネル110を設置する設置工程と、軽量パネル110間の貫通孔113に接合セメント組成物のスラリーを充填する充填工程と、軽量パネル110の側面とプール1の底面201に、防水被覆層150を形成するレジンを塗布する塗布工程と、防水被覆層150の表面に、上塗保護層160を形成する上塗材を塗布する上塗工程の順に行なった。
【0048】
プール1の防水構造壁100の躯体となる軽量パネル110には、発泡倍率が50倍、嵩比重が20kg/m3、厚みが200mm、高さが500mmであるポリスチレン発泡体(EPS)を使用した。軽量パネル110に設けた切欠凹部112は、突合せ面111の厚み方向の中心に設け、厚み方向の幅WIを50mm、面方向の深さDEを60mmとした。
【0049】
立設工程では、プール1の外周に沿って、軽量パネル110を接続して設置する箇所に合わせて、設置面200に、支持部材140の下部側を埋設する埋設孔202(図1)を設け、支持部材140を埋設孔202から立設させた。軽量パネル110間に配置する支持部材140は、一辺の長さが50mmのL型アングルを使用した。支持部材140は、L型アングルの短手方向(水平方向)の断面における両端部を結ぶ仮想ラインが設置する軽量パネル110の接続方向と平行になるように配置し、プール1を設置する場所に対して長手方向が垂直となるようにそれぞれ設置した。その後、プール1の設置面200となる範囲に、コンクリートスラリーを打設した。コンクリートスラリーが硬化することによって、設置面200に、プール1の底面201が形成される。
【0050】
軽量パネル110の設置工程は、図2に示すように、プール1の外周壁となる軽量パネル110を、設置された支持部材140に合わせて配置する。配置された軽量パネル110は、突合せ面111の上下方向に沿って、切欠凹部112を設けているため、軽量パネル110が設置されたとき、軽量パネル110の突合せ面111のそれぞれの切欠凹部112から貫通孔113が形成される。支持部材140を挟んで2枚の軽量パネル110が設置されるため、支持部材140は、切欠凹部112から形成された貫通孔113に挿通される。
【0051】
貫通孔113の継ぎ目となる軽量パネル110間の当接部114である突合せ面111には、図5に示すように、シリコーン系のコーキング材120を塗布し、軽量パネル110間を接着させた。また、軽量パネル110と底面201との間の接続部115にも、コーキング材120を塗布し、軽量パネル110と底面201とを接着させた。これにより、軽量パネル110間の当接部114及び軽量パネル110と底面201との間の接続部115がコーキング材120で埋められ、プール1の周囲を取り囲む側面と底面の全ての接合部分がコーキング材120によって被覆される。貫通孔113の継ぎ目となる軽量パネル110間の突合せ面111には、貯水槽としてのプール1の内側から、コーキング材120をしごき塗りによって補充して、当接部114の防水性を高めた。
【0052】
コーキング材120が硬化した後に、図6に示すように、次の充填工程で充填される接合セメント組成物のスラリーがコーキング材120の接着の弱い箇所から流出するのを防ぐため、軽量パネル110間を跨いだ上端部の両幅に、貫通孔113の上端部側が開くのを防止する板状の支保工材121を当接させ、クランプ(図示せず)で固定した。
【0053】
充填工程では、貫通孔113に、接合セメント組成物のスラリーを充填した。接合セメント組成物のスラリーは、100mm塩ビフロー試験値が125~250mmとなるように、加水量を調整した。100mm塩ビフロー試験値が125~250mmである接合セメント組成物のスラリーは、適度な流動性を有しているため、貫通孔113への充填を容易にすることができる。このため、実施形態の貯水槽としてのプール1は、施工時の作業性に優れるものとすることができる。なお、実施形態では、接合セメント組成物のスラリーは、以下の配合のものを使用した。
【0054】
グラウト材 100質量部
普通ポルトランドセメント(JIS R 5210:2019) 50質量部
珪砂6号(平均粒径(d50):約0.37mm) 150質量部
混練水 39.1質量部
グラウト材には、プレユーロックススーパー(太平洋マテリアル株式会社製セメント系無収縮グラウト材)を使用した。
【0055】
接合セメント組成物のスラリーの100mm塩ビフロー試験値(JASS 15 M-103)は、172mmであった。接合セメント組成物のスラリーを貫通孔113に流し込み、接合セメント組成物のスラリーが硬化することによって、接合セメント成形物130が貫通孔113内に形成され、複数の軽量パネル110からなる防水構造壁100が、プール1の周囲に沿って形成される。
【0056】
充填工程の後、接合セメント組成物のスラリーが硬化して接合セメント成形物130が成型されたことを確認し、支保工材121などの副資材を外す。
【0057】
塗布工程では、貯水槽としてのプール1の内側となる軽量パネル110の側面と底面201に、防水被覆層150を形成するレジンを塗布する。実施形態では、防水被覆層150を形成するレジンに、イソシアネート成分とアミン成分を吹付ガン先で混合させて形成させるウレア樹脂を、顔料によって、青色に着色されたものを使用した。実施形態のウレア樹脂からなる防水被覆層150は、伸び率(ASTM D-412)が300%であり、塗布量は2.0kg/m2(膜厚:約2.0mm)とした。
【0058】
レジンから形成された防水被覆層150の表面には、上塗保護層160を形成する上塗材を塗布する。実施形態では、汎用のウレタン樹脂クリア塗料を用い、塗布量は、0.8kg/m2(膜厚:約0.8mm)とした。
【0059】
本明細書の実施形態に係る防水構造壁100によれば、貫通孔113に、接合セメント成形物130を成形する接合セメント組成物のスラリーが充填されることにより、軽量パネル110同士と支持部材140とを接合することができ、貯水槽の防水構造壁100を形成することができる。また、貯水槽の防水構造壁100の内側となる軽量パネル110の側面に、防水被覆層150を形成するレジンが塗布されることにより、貯水槽の防水構造壁100の内側に防水性を付与することができる。このため、実施形態に係る防水構造壁100は、貫通孔113に、接合セメント組成物のスラリーが充填されることにより、貯水槽の防水構造壁100を形成することができ、防水構造壁100の内側に、レジンが塗布されることにより、防水性を付与することができるため、簡便に施工することができる。
【0060】
なお、実施形態の貯水槽としてのプール1の防水構造壁100は、その構成を以下のような形態に変更しても実施することができる。
【0061】
実施形態の防水構造壁100は、貯水槽として、水泳や水浴びに使用されるプール1の防水構造壁100に用いたが、実施形態の防水構造壁100は、プール1以外に、全身や足の浴用などに使用される浴槽、必要により魚などを飼育して観賞に使用される池や水を貯める用途などの水槽、などの防水構造壁100にも用いることができる。
【0062】
実施形態の防水構造壁100では、軽量パネル110は、ビーズ発泡により成型が容易なポリスチレン発泡体(EPS)を使用したが、軽量パネル110は、軽量化されたパネルであれば使用することができる。軽量化されたパネルの材質として、高分子発泡体、無機質発泡体を使用することができる。高分子発泡体として、ポリスチレン発泡体、ポリウレタン発泡体、ポリフェノール発泡体、ポリオレフィン発泡体(ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体)などを使用することができる。無機質発泡体として、水酸化アルミニウム系発泡体(タルボセル)、セメント系発泡体(ALC( autoclaved lightweight aerated concrete ))などであっても使用することができる。
【0063】
実施形態の防水構造壁100では、軽量パネル110は、EPSの発泡倍率が50倍であるものを使用したが、発泡倍率は、30~60倍であれば、軽量パネル110のEPSとして使用することができる。発泡倍率が30倍未満のEPSである場合には、樹脂(ビーズ)を多く要し、不経済となるおそれがある。一方、発泡倍率が60倍を超えるEPSである場合には、強度が弱く、衝撃を受けた際に、塑性変形してしまうおそれがある。より好ましくは、EPSの発泡倍率は、40~55倍である。
【0064】
実施形態の軽量パネル110に設けた切欠凹部112は、断面が矩形状で、厚み方向の幅WIを50mm、面方向の深さDEを60mmとしたが、幅WIと深さDEは、それぞれ、30~100mmとすることができる。幅WIと深さDEが30~100mmであれば、切欠凹部112からなる貫通孔113に、接合セメント成形物130を形成する接合セメント組成物のスラリーを容易に充填することができるためである。幅WIと深さDEがそれぞれ30mm未満である場合には、貫通孔113が細く、接合セメント組成物のスラリーの充填性が劣るおそれがある。一方、幅WIと深さDEがそれぞれ100mmを超える場合には、接合セメント組成物のスラリーの充填性に優れるものの、接合セメント組成物の使用量が多くなり、不経済となるおそれがある。より好ましくは、幅WIと深さDEは、それぞれ40~90mmであり、さらに好ましくは、50~80mmである。なお、切欠凹部112は、接合セメント組成物のスラリーを容易に充填することができるものであれば、その断面は矩形状に限られず、例えば、半円状とすることもできる。
【0065】
実施形態の支持部材140には、一辺の長さが50mmのL型アングルを使用したが、一辺の長さが40~50mmのL型アングルを使用することができる。また、支持部材140は、これに限定されるものではなく、フラットバーであっても良いし、鉄筋、異形鉄筋、鉄骨など、接合セメント成形物130を補強するものであれば使用することができる。
【0066】
実施形態のプール1の防水構造壁100の軽量パネル110では、接合させる軽量パネル110同士を接合させ、コーキング材120を用いて軽量パネル110間を閉塞させたが、接合させる軽量パネル110間に隙間がある場合には、軽量パネル110と同じ材質のパネルをその隙間を埋める大きさに加工して、軽量パネル110間を閉塞させることができる。
【0067】
実施形態のプール1の防水構造壁100では、設置面200の埋設孔202に支持部材140を設置しつつ、設置面200に底面201を打設したが、底面201を打設した後に、支持部材140を設置することもできる。この場合、底面201の防水構造壁100の軽量パネル110を設置する箇所に、振動ドリルなどを用いて支持部材140を埋設する孔を設け、孔に支持部材140を立設させる。支持部材140の固定には、接合セメント成形物130を形成するものと同じセメント組成物のスラリーを使用することができる。
【0068】
実施形態のプール1の防水構造壁100では、塗布工程の前に、軽量パネル110同士が当接する当接部114に、プール1の内側から、コーキング材120をしごき塗りによって補充する補充工程を設けたが、当接部114の防水性が確保されていることを条件に、しごき塗りによる補充工程は省略することができる。
【0069】
実施形態のプール1の防水構造壁100では、プール1の内側となる軽量パネル110の側面と、プール1の底面201に、防水被覆層150を形成させたが、軽量パネル110の内側と外側の両側面と天面にも防水被覆層150を形成させることができる。
【0070】
実施形態のプール1の防水構造壁100では、軽量パネル110の厚みは、上下に亘って、同じ厚みの200mmとしたが、図6に示すように、軽量パネル110の厚みを、上側に比して下側を厚くしたものとすることができる。これによれば、水深に応じて軽量パネル110の厚みを増すことができ、水圧を効率よく受け止めることができる。なお、第2の実施形態として、図6に示すプール2では、軽量パネル110の高さが1200mmとし、上側の厚みが200mm、下側の厚みが300mmであるものを用いた。
【0071】
以下に、実施形態のプール1の防水構造壁100から把握されるその他の技術的思想について記載する。
【0072】
実施形態のプール1の防水構造壁100において、前記接合セメント成形物を形成する接合セメント組成物のスラリーの100mm塩ビフロー試験値(JASS 15 M-103)が125~250mmであるものとすることができる。
【0073】
これによれば、貫通孔に充填される接合セメント組成物のスラリーの100mm塩ビフロー試験値が125~250mmであるため、接合セメント組成物のスラリーは、適度な流動性を有し、貫通孔への充填を容易にすることができる。このため、施工時の作業性に優れるものとすることができる。
【0074】
また、実施形態のプール1の防水構造壁100において、前記接合セメント組成物は、セメント系無収縮モルタルが100質量部に対して、セメント類(JIS R 5210:2019)が20~100質量部、骨材が100~200質量部、を含有する組成物とすることができる。
【0075】
これによれば、接合セメント組成物のスラリーが適度な流動性を有しているため、貫通孔への充填を容易にすることができる。このため、施工時の作業性に優れるものとすることができる。
【0076】
また、実施形態のプール1の防水構造壁100において、軽量パネル110の厚みを、上側に比して下側を厚くしたものとすることができる。
【0077】
これによれば、水深に応じて軽量パネル110の厚みを増すことができ、水圧を効率よく受け止めることができる。
【符号の説明】
【0078】
1 プール
2 プール
100 防水構造壁
110 軽量パネル
111 突合せ面
112 切欠凹部
113 貫通孔
114 当接部
115 接続部
120 コーキング材
121 支保工材
130 接合セメント成形物
140 支持部材
150 防水被覆層
160 上塗保護層
200 設置面
201 底面
202 埋設孔
301 補給口
302 吸込口
303 循環配管
304 集毛器
305 ポンプ
306 ろ過器
307 ボイラ
308 滅菌器
309 吐出口
DE 深さ
WI 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6