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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177705
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】判定装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231207BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
G06Q50/10
B64C39/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090524
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】後藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山村 光卓
(72)【発明者】
【氏名】山本 万暉
(72)【発明者】
【氏名】杉本 卓也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】AEDなどの部材の取得を的確に補助する判定装置、取得補助方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】判定装置700は、外部装置の位置を示す装置位置情報を受信する受信部721と、受信部721が受信した装置位置情報に基づいて特定される、危急時に必要となる部材の位置と、装置位置情報が示す位置と、の間の距離を示す情報を算出する算出部722と、算出部722が算出した結果に基づいて、部材を取得する際に用いる補助方法を判定する判定部723と、判定部723の判定結果に応じた通知を行う通知部724と、を有する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置の位置を示す装置位置情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記装置位置情報に基づいて特定される、危急時に必要となる部材の位置と、前記装置位置情報が示す位置と、の間の距離を示す情報を算出する算出部と、
前記算出部が算出した結果に基づいて、前記部材を取得する際に用いる補助方法を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じた通知を行う通知部と、
を有する
判定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の判定装置であって、
前記判定部は、前記部材の位置と、前記装置位置情報が示す位置と、の間の距離に応じて、前記外部装置の操作者が前記部材を取りに行く際の補助を行う旨の判定と前記操作者とは異なる外部の配達者による配達を行う旨の判定のうちのいずれかの判定を行うことで、前記部材を取得する際に用いる補助方法を判定する
判定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の判定装置であって、
前記外部の配達者による配達は、前記装置位置情報が示す位置まで配達者自身が移動する配達と、無人機を用いた配達と、のうちの少なくとも一方を含んでいる
判定装置。
【請求項4】
請求項1に記載の判定装置であって、
前記装置位置情報に基づいて、予め記憶する情報の中から前記部材を検索する検索部を有し、
前記算出部は、前記検索部による検索により特定される前記部材の位置と、前記装置位置情報が示す位置と、の間の距離を示す情報を算出する
判定装置。
【請求項5】
請求項1に記載の判定装置であって、
前記通知部は、前記判定部による判定結果に応じた装置に対して判定結果に応じた通知を行う
判定装置。
【請求項6】
請求項5に記載の判定装置であって、
前記通知部は、前記部材の位置と、前記装置位置情報が示す位置と、の間の距離に応じて、異なる装置に対して通知を行う
判定装置。
【請求項7】
請求項1に記載の判定装置であって、
前記通知部は、前記判定部による判定結果に応じた装置に対して、判定結果に応じた装置の位置から危急時に必要となる部材の位置まで移動する際の移動経路を示す情報を送信する
判定装置。
【請求項8】
請求項1に記載の判定装置であって、
前記通知部は、前記判定部による判定結果に応じた装置に対して、危急時に必要となる部材の位置から前記外部装置の位置まで移動する際の移動経路を示す運搬経路情報を送信する
判定装置。
【請求項9】
情報処理装置が、
外部装置の位置を示す装置位置情報を受信し、
受信した前記装置位置情報に基づいて特定される、危急時に必要となる部材の位置と、前記装置位置情報が示す位置と、の間の距離を示す情報を算出し、
算出した結果に基づいて、前記部材を取得する際に用いる補助方法を判定し、
判定結果に応じた通知を行う
部材取得補助方法。
【請求項10】
情報処理装置に、
外部装置の位置を示す装置位置情報を受信し、
受信した前記装置位置情報に基づいて特定される、危急時に必要となる部材の位置と、前記装置位置情報が示す位置と、の間の距離を示す情報を算出し、
算出した結果に基づいて、前記部材を取得する際に用いる補助方法を判定し、
判定結果に応じた通知を行う
処理を実現するためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定装置、取得補助方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
AED(Automated External Defibrillator)などの救命機器や消火器など危急時に用いられる各種部材の取得を補助するための技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、通報者携帯端末から緊急通知を受け取ると、AED装置が存在する場所と急病人間の距離を算出すると共に、そのAED装置が使用可能であるかどうかを判定する救急センターサーバを有するシステムが記載されている。特許文献1によると、携帯端末事業者システムが取得した通報者端末の位置情報などを用いて、救急センターサーバが、AED装置が必要と判断された場合に通報者から最も近い場所にあるAED装置であり、且つAED管理者テーブルを参照して現在利用可能なAED装置を検索する。また、特許文献1には、通報者端末にAED設置場所を記したリンクアドレス通知メールを送信したり、通報者端末からのAED地図閲覧依頼に応じてAED設置場所案内地図データを作成したりする旨が開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、ドローンなどの配送手段を用いてAEDを配送するAED配送システムが記載されている。特許文献2によると、例えば、ドローンにはGPS(Global Positioning System)装置が備えらえており、設定された位置情報に基づきGPS装置を用いて目的地へAED装置を配送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-70311号公報
【特許文献2】特開2020-52683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されているような技術を用いることで、AEDなどの部材を必要としている現場から最も近い場所にある部材の位置を把握することが出来る。しかしながら、最寄りの部材の位置が現場から離れている場合などにおいては、仮に部材の位置を把握できたとしても、現場からの距離が離れているなどの理由により現場にいる人間が取りに行くことが必ずしも適切でない場合がある。このような場合に、特許文献1に記載の技術では対応できなかった。また、特許文献2に記載の技術を用いるとドローンに部材を運ばせることができる。しかしながら、部材と現場との間の距離を考慮せずに一律にドローンに運ばせることは、無駄に時間などを消費するおそれがあり適切な対応とはいいがたい。このように、特許文献1、2に記載の技術を用いたとしても、的確な部材取得の補助を行うことが難しいことがあった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上述した課題を解決する判定装置、取得補助方法、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するため本開示の一形態である判定装置は、
外部装置の位置を示す装置位置情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記装置位置情報に基づいて特定される、危急時に必要となる部材の位置と、前記装置位置情報が示す位置と、の間の距離を示す情報を算出する算出部と、
前記算出部が算出した結果に基づいて、前記部材を取得する際に用いる補助方法を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じた通知を行う通知部と、
を有する
という構成をとる。
【0009】
また、本開示の他の形態である取得補助方法は、
情報処理装置が、
外部装置の位置を示す装置位置情報を受信し、
受信した前記装置位置情報に基づいて特定される、危急時に必要となる部材の位置と、前記装置位置情報が示す位置と、の間の距離を示す情報を算出し、
算出した結果に基づいて、前記部材を取得する際に用いる補助方法を判定し、
判定結果に応じた通知を行う
という構成をとる。
【0010】
また、本開示の他の形態であるプログラムは、
情報処理装置に、
外部装置の位置を示す装置位置情報を受信し、
受信した前記装置位置情報に基づいて特定される、危急時に必要となる部材の位置と、前記装置位置情報が示す位置と、の間の距離を示す情報を算出し、
算出した結果に基づいて、前記部材を取得する際に用いる補助方法を判定し、
判定結果に応じた通知を行う
処理を実現するためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
上述したような各構成によると、上述した課題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の第1の実施形態における補助システムの構成例を示す図である。
図2】判定装置の構成例を示すブロック図である。
図3】AED位置情報の一例を示す図である。
図4】配達者情報の一例を示す図である。
図5】ドローン情報の一例を示す図である。
図6】AED格納部の構成例を示す図である。
図7】判定装置の動作例を示すフローチャートである。
図8図7で示すステップS150の処理例を示すシーケンス図である。
図9図7で示すステップS160の処理例を示すフローチャートである。
図10図7で示すステップS170の処理例を示すシーケンス図である。
図11】本開示の第2の実施形態における判定装置のハードウェア構成例を示す図である。
図12】判定装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施形態]
本開示の第1の実施形態について、図1から図10までを参照して説明する。図1は、補助システム100の構成例を示す図である。図2は、判定装置300の構成例を示すブロック図である。図3は、AED位置情報321の一例を示す図である。図4は、配達者情報322の一例を示す図である。図5は、ドローン情報323の一例を示す図である。図6は、AED格納部400の構成例を示す図である。図7から図10までは、判定装置300の動作例を示すフローチャートである。
【0014】
本開示の第1の実施形態においては、AED(Automated External Defibrillator)などの救命機器や消火器など危急時に用いられる各種部材の取得を補助する補助システム100について説明する。後述するように、本実施形態の場合、補助システム100は、通報装置200などから通報装置200の位置を示す装置位置情報を取得すると、通報装置200との間の距離が最も近くなるAEDなどの部材を検索する。また、補助システム100は、検索結果に基づいて、検索したAEDなどの部材の位置と通報装置200の位置との間の距離を示す情報を算出する。その後、補助システム100は、算出結果に基づいて、部材を取得する際に用いる補助方法を判定する。例えば、補助システム100は、予め定められた基準に基づいて、算出した距離が、近距離、中距離、遠距離のいずれに該当するか確認することで、各距離に応じた部材取得の補助方法を判定する。その後、補助システム100は、判定結果に応じた装置などに対して判定結果に応じた通知を行う。
【0015】
なお、本実施形態においては、取得を補助する部材の一例としてAEDをあげて説明する。しかしながら、補助システム100は、AED以外の部材取得を補助するよう構成してもよい。例えば、補助システム100は、消火器、タンカ、そのほか危急時に用いられる各種部材のいずれかまたは複数の取得補助を行うよう構成してよい。補助システム100は、上記例示した以外の、現場の人間が必要とする各種部材の取得補助を行うよう構成してもよい。
【0016】
また、補助システム100は、AEDなどの部材の位置と通報装置200の位置との間の距離として、AEDなどの部材と通報装置200との間の直線距離を算出してもよいし、道路などの通行状況に応じた通報装置200の位置からAEDなどの部材の位置まで移動する際の移動距離を算出してもよい。補助システム100は、AEDなどの部材の位置と通報装置200の位置との間の距離を示す情報として、通報装置200の位置からAEDなどの部材の位置まで移動する際にかかる移動時間などを算出してもよい。補助システム100は、上記例示した以外の距離を示す情報を算出してもよい。
【0017】
図1は、補助システム100の構成例を示している。図1を参照すると、例えば、補助システム100は、通報装置200と、判定装置300と、AEDを格納したAED格納部400と、配達者端末500と、ドローン600と、を含んでいる。例えば、補助システム100は、異なる場所に設置された複数のAED格納部400を有している。また、補助システム100は、複数の配達者端末500やドローン600を含むことができる。
【0018】
図1で示すように、通報装置200と判定装置300とは、有線または無線などを介して、互いに通信可能なよう接続することができる。また、判定装置300とAED格納部400とは、有線または無線などを介して、互いに通信可能なよう接続することができる。また、判定装置300と配達者端末500とは、有線または無線などを介して、互いに通信可能なよう接続することができる。また、判定装置300とドローン600とは、有線または無線などを介して、互いに通信可能なよう接続することができる。
【0019】
通報装置200は、AEDを必要とする可能性のある現場で通報を行う操作者が有する端末(外部装置)である。例えば、通報装置200は、GPS(Global Positioning System)機能などを有するスマートフォンなどの一般的な携帯端末であってよい。
【0020】
本実施形態の場合、通報装置200は、通報装置200の位置を示す装置位置情報を判定装置300に対して送信することができる。例えば、通報装置200は、警察や消防などに対する緊急通報時にGPS情報などの位置を示す情報を送信する既存のシステムを利用することなどにより、通報とともに判定装置300に対して装置位置情報を送信することができる。通報装置200は、そのほか通報装置200を操作する操作者の指示などに応じて、通報とは別の処理として装置位置情報を判定装置300に対して送信するよう構成してもよい。
【0021】
なお、通報装置200が送信する装置位置情報は、通報装置200の位置を示す任意の情報であってよい。例えば、装置位置情報は、通報装置200が有するGPS機能を用いて取得した緯度や経度の情報であってもよいし、通信を中継する基地局の位置からの相対的な距離など基地局の位置などに応じた情報などであってもよい。
【0022】
判定装置300は、通報装置200から受信した装置位置情報に基づいてAEDを検索するとともに、検索したAEDと通報装置200との間の距離などに応じて部材取得の補助方法を判定する情報処理装置である。また、判定装置300は、判定の結果に応じた通知を行うことができる。図2は、判定装置300の主な構成例を示している。図2を参照すると、判定装置300は、主な構成要素として、例えば、通信I/F(interface)部310と、記憶部320と、演算処理部330と、を有している。
【0023】
なお、図2では、1台の情報処理装置を用いて判定装置300としての機能を実現する場合について例示している。しかしながら、判定装置300は、例えば、クラウド上に実現されるなど、複数台の情報処理装置を用いて実現されてもよい。例えば、判定装置300は、図2で例示する機能のうちの一部の機能を有する複数の情報処理装置などにより実現されてもよい。また、判定装置300は、キーボードやマウスなどの操作入力部や画面表示部を有するなど、上記例示した以外の構成を有してもよい。
【0024】
通信I/F部310は、データ通信回路からなる。通信I/F部310は、ネットワークおよび通信回線を介して接続された通報装置200、AED格納部400、配達者端末500、ドローン600などとの間でデータ通信を行う。
【0025】
記憶部320は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置である。記憶部320は、演算処理部330における各種処理に必要な処理情報やプログラム324を記憶する。プログラム324は、演算処理部330に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現する。プログラム324は、通信I/F部310などのデータ入出力機能を介して外部装置や記録媒体から予め読み込まれ、記憶部320に保存されている。記憶部320で記憶される主な情報としては、例えば、AED位置情報321、配達者情報322、ドローン情報323などがある。
【0026】
AED位置情報321は、AEDやAEDを格納したAED格納部400の位置を示す情報、AEDやAED格納部400に対して所定の通知を行う際に必要となる情報、などを含んでいる。例えば、AED位置情報321は、操作入力部を用いて予め入力される、通信I/F部310などを介して外部装置などから取得する、などの方法により予め取得され、記憶部320に格納されている。
【0027】
図3は、AED位置情報321に含まれる情報の一例を示している。図3を参照すると、例えば、AED位置情報321では、AEDを識別するための識別情報であるAED識別情報と、AEDまたはAEDを格納したAED格納部400の位置を示す設置位置情報と、AEDに対して通知を行う際に必要となる情報であるAED通知用情報と、が関連づけられている。
【0028】
ここで、AED識別情報は、例えば、AEDまたはAED格納部400ごとに予め与えられる一意の情報である。また、設置位置情報は、AEDやAED格納部400が設置されている位置を示す情報である。例えば、設置位置情報は、緯度や経度などを示す情報であってもよいし、室内などにおける任意の箇所との間の相対的な位置関係を示す情報などであってもよい。また、AED通知用情報は、AED格納部400に対して所定の通知を行う際に用いる情報である。AED通知用情報には、AED格納部400に対する通知を行う際に用いる接続先情報などが含まれてよい。
【0029】
なお、図3はAED位置情報321の一例を示している。AED位置情報321は、図3で例示する以外の情報を含んでもよい。例えば、AED位置情報321は、設置位置情報が示す位置周辺の地図情報、関連するAEDまたはAED格納部400の外見的な特徴や設置位置付近の目印などを示す情報、AEDを利用可能な日時を示す情報などを含んでもよい。
【0030】
配達者情報322は、AEDを配達する配達者の連絡先などを示す情報を含んでいる。例えば、配達者情報322は、操作入力部を用いて予め入力される、通信I/F部310などを介して外部装置などから取得する、などの方法により予め取得され、記憶部320に格納されている。
【0031】
図4は、配達者情報322の一例を示している。図4を参照すると、配達者情報322では、例えば、配達者を識別するための識別情報である配達者識別情報と、配達者の連絡先を示す連絡先情報と、が関連付けられている。
【0032】
ここで、配達者識別情報は、例えば、配達者ごとに予め与えられる一意の情報である。また、連絡先情報は、メールアドレスなど配達者に連絡するために必要となる情報を含んでいる。
【0033】
なお、図4では、配達者が配達するAEDが予め定められていない場合について例示している。そのため、図4で例示する場合、配達者情報322に含まれる配達者のいずれがAEDを配達してもよい。一方で、例えば、AEDまたはAED格納部400ごとに配達する配達者が予め定められていてもよい。つまり、配達者情報322では、1つまたは複数のAEDごとに配達者が関連付けられていてもよい。例えば、上記のような場合、AEDを設置した場所の管理者や警備者などを配達者などとしてもよい。この場合、配達者情報322には、配達者が配達する対象となるAEDを示すAED識別情報などが含まれうる。なお、AEDまたはAED格納部400のうちの一部が予め配達者を定めていてもよい。
【0034】
また、配達者情報322は、図3で例示する以外の情報を含んでもよい。例えば、配達者情報322は、配達者が配達可能な日時を示す情報、配達者が対応可能なエリアを示す情報などを含んでもよい。
【0035】
ドローン情報323は、ドローン600に配達を指示する際に必要となる情報を含んでいる。例えば、ドローン情報323は、操作入力部を用いて予め入力される、通信I/F部310などを介して外部装置などから取得する、などの方法により予め取得され、記憶部320に格納されている。
【0036】
図5は、ドローン情報323の一例を示している。図5を参照すると、ドローン情報323では、例えば、ドローン600を識別するための識別情報であるドローン識別情報と、ドローン600が配置されている位置を示すドローン位置情報と、ドローン600に指示を送信するためのドローン連絡用情報と、が関連付けられている。
【0037】
ここで、ドローン識別情報は、例えば、ドローン600ごとに予め与えられる一意の情報である。また、ドローン位置情報は、ドローン600が配置されている位置を示す情報である。例えば、ドローン位置情報は、緯度や経度などドローン600が設置、配置されている位置を示す情報であってもよいし、そのほか任意の場所との相対的な位置関係を示す情報などであってもよい。また、ドローン連絡用情報は、ドローン600に対して移動先などを指示する際に用いる情報である。ドローン連絡用情報には、ドローン600と接続する際に用いる接続先情報などが含まれてよい。
【0038】
なお、図5では、ドローン600に対して移動先への移動を直接指示する場合のドローン情報323について例示している。しかしながら、ドローン情報323は、例えば、ドローン600を管理する管理者の情報を含んでいてもよい。例えば、ドローン情報323には、ドローン管理者識別情報やドローン管理者のメールアドレスなどの管理者連絡先情報などが含まれてもよい。また、ドローン情報323は、上記例示した以外の情報を含んでもよい。例えば、ドローン情報323には、ドローン600がAEDを予め備えているかどうかを示す情報、ドローン設置位置付近にすぐに取得可能なAEDが存在しているかどうかを示す情報、などが含まれてもよい。
【0039】
演算処理部330は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置とその周辺回路を有する。演算処理部330は、記憶部320からプログラム324を読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム324とを協働させて各種処理部を実現する。演算処理部330で実現される主な処理部としては、例えば、通報受信部331、位置情報受信部332、検索部333、距離算出部334、判定部335、通知部336などがある。
【0040】
通報受信部331は、通報装置200から通報を受信する。通報受信部331の構成は、既知のものであってよい。
【0041】
位置情報受信部332は、通報装置200の位置を示す装置位置情報を通報装置200から受信する。例えば、位置情報受信部332は、警察や消防などに対する緊急通報時にGPS情報などの位置を示す情報を送信する既存のシステムを利用することなどにより、装置位置情報を受信してよい。位置情報受信部332は、通報とは別に通報装置200から送信される装置位置情報を通報装置200の位置を示す情報として受信してもよい。
【0042】
検索部333は、位置情報受信部332が受信した装置位置情報に基づいて予め記憶する情報を検索する。例えば、検索部333は、AED位置情報321を参照して、装置位置情報が示す位置と最も近い位置に設置されているAEDを検索する。例えば、検索部333は、装置位置情報を受信した日時などに基づいて利用可能なAEDを特定するとともに、特定したAEDの中から最も近い位置に設置されているAEDを検索するなど、所定の条件を確認した上で最も近い位置に設置されているAEDを検索してもよい。
【0043】
距離算出部334は、検索部333が検索した結果に基づいて、検索したAEDの位置と通報装置200の位置との間の距離を示す情報を算出する。
【0044】
例えば、距離算出部334は、検索部333が検索したAEDの位置と装置位置情報が示す位置とに基づいて、AEDと通報装置200との間の直線距離を算出することで、距離を示す情報を算出する。距離算出部334は、任意の手段で地図情報などを参照することで、検索部333が検索したAEDの位置と装置位置情報が示す位置とに基づいて、道路などの通行状況に応じた通報装置200の位置からAEDの位置まで移動する際の移動距離を算出してもよい。
【0045】
なお、距離算出部334は、距離を示す情報として、通報装置200の位置からAEDの位置まで移動する際にかかる移動時間などを算出してもよい。距離算出部334は、上記例示した距離を示す情報のうちのいずれか、または、複数を算出することができる。
【0046】
判定部335は、距離算出部334が算出した結果に基づいて、AED取得の補助方法を判定する。つまり、判定部335は、AEDの位置と通報装置200の位置との間の距離などに応じたAED取得の補助方法を判定する。例えば、判定部335は、算出した距離が予め定められた範囲のうちのいずれに該当するか確認することなどに応じて、通報装置200の操作者などがAEDを取りに行く際の補助を行う旨の判定と操作者とは異なる外部の配達者による配達を行う旨の判定のうちのいずれかの判定を行う。
【0047】
例えば、判定部335は、予め定められた基準に基づいて、距離算出部334が算出した距離を示す情報が近距離、中距離、遠距離のいずれに該当するか確認することで、各距離に応じた部材取得の補助方法を判定する。例えば、距離を示す情報に基づいて通報装置200からAEDまで移動する移動時間が2分以内であると判断される場合、判定部335は、近距離であると判定する。これに応じて、判定部335は、「AED設置場所への誘導」という取得補助を行う旨を判定する。例えば、「AED設置場所への誘導」では、通報装置200の操作者を検索したAEDの位置まで誘導する取得補助が行われる。つまり、「AED設置場所への誘導」では、通報装置200の操作者など現場の人員が直接AEDを取得しようとする際の補助を行う。また、例えば、距離を示す情報に基づいて通報装置200からAEDまで移動する移動時間が2分を超え5分以内であると判断される場合、判定部335は、中距離であると判定する。これに応じて、判定部335は、「AED配達依頼」という取得補助を行う旨を判定する。例えば、「AED配達依頼」では、予め登録された外部の配達者を利用して検索したAEDを通報装置200の位置まで配達する取得補助が行われる。また、例えば、距離を示す情報に基づいて通報装置200からAEDまで移動する移動時間が5分を超えていると判断される場合、判定部335は、長距離であると判定する。これに応じて、判定部335は、「ドローン配達依頼」という取得補助を行う旨を判定する。例えば、「ドローン配達依頼」では、ドローン600を利用してドローン最寄りのAEDを通報装置200の位置まで配達する取得補助が行われる。
【0048】
例えば、以上のように、判定部335は、距離算出部334が算出した結果に基づいて、通報装置200とAEDとの間の距離に応じた取得補助の方法を判定する。なお、判定部335が判定を行う際の基準は上述した場合に限定されず、任意に設定してよい。例えば、判定部335は、通報装置200からAEDまでの距離が200m以内の場合に近距離と判断するなど、直線距離などの距離に応じた判断を行ってよい。また、例えば、判定部335は、通報装置200からAEDまでの距離が200m以内の場合に近距離と判断するとともに距離が200mを超えている場合に長距離と判断するなど、近距離と長距離の2つのうちのいずれに該当するか判断するよう構成してもよいし、4つ以上の候補のうちのいずれに該当するか判断するよう構成してもよい。また、判定部335は、距離などに応じて「AED設置場所への誘導」と「AED配達依頼」の両方の取得補助を行う旨を判定するなど、条件に応じた複数の取得補助を行うよう構成してもよい。
【0049】
通知部336は、判定部335の判定結果に応じた装置などに対して、判定結果に応じた通知を行う。例えば、通知部336は、通報装置200とAEDとの間の距離に応じた通知を行う。
【0050】
例えば、判定部335が「AED設置場所への誘導」という取得補助を行う旨を判定した場合、通知部336は、AED格納部400に対して所定の通知を行う。例えば、通知部336は、誘導対象となるAED格納部400に対して、後述する発光装置412を発光させたり発音装置413を発音させたりするための通知であるアラートトリガを通知する。これにより、通報装置200の操作者をAED格納部400の位置へと効果的に誘導することができる。
【0051】
また、例えば、判定部335が「AED配達依頼」という取得補助を行う旨を判定した場合、通知部336は、配達者情報322に含まれる各配達者に対して、検索したAEDを通報装置200の位置まで配達する旨の配達依頼を通知する。例えば、通知部336は、装置位置情報やAED位置情報321に基づいて、配達先となる通報装置200の位置や配達対象となるAEDの位置を示す情報とともに、配達依頼を各配達者端末500に対して通知することができる。また、通知部336は、AED格納部400に対して上述したアラートトリガを通知してもよい。これにより、配達者をAED格納部400の位置へと効果的に誘導することができる。
【0052】
なお、配達者情報322に配達者が配達可能な日時を示す情報や配達者が対応可能なエリアを示す情報などの条件を示す情報が含まれる場合、通知部336は、配達者情報322に含まれる各配達者のうち日時や通報装置200の位置などが上記条件を満たす配達者(配達者端末500)に対して配達依頼を通知してもよい。また、AEDと配達者とが関連付けられている場合、通知部336は、検索したAEDに関連付けられている配達者に対して配達依頼を通知するよう構成してもよい。このように、通知部336は、配達者情報322に含まれる配達者のうち所定の条件を満たす配達者に対して配達依頼を通知するよう構成してもよい。また、判定装置300は、配達依頼を通知した配達者端末500のうち配達を行う旨を受諾した配達者端末500から受諾通知を受け付けることができる。通知部336は、配達者端末500から受諾通知を受け付けた場合に、AED格納部400に対するアラートトリガの通知を行うよう構成してもよい。
【0053】
また、例えば、判定部335が「ドローン配達依頼」という取得補助を行う旨を判定した場合、通知部336は、ドローン情報323を参照して通報装置200に最も近い位置に配置されているドローン600を特定する。そして、通知部336は、特定したドローン600に対して、移動先である通報装置200までAEDを配達する旨のドローン配達指示を通知する。例えば、通知部336は、装置位置情報に基づくことで、配達先となる通報装置200の位置を示す情報とともに、ドローン配達指示を特定したドローン600に対して通知することができる。なお、ドローン600が予めAEDを備えていない場合などにおいて、通知部336は、AED位置情報321に基づいてドローン600が配達するAEDの位置などを特定するとともに、特定したAEDの位置を示す情報などをドローン配達指示とともにドローン600に対して通知してもよい。
【0054】
なお、通知部336は、特定したドローン600と通報装置200との間の距離が予め定められた閾値以下となる場合にのみ、ドローン配達指示を特定したドローン600に対して通知するよう構成してもよい。特定したドローン600と通報装置200との間の距離が予め定められた閾値を超える場合、通知部336は、通報装置200の付近に取得補助対象となるAEDが存在しない旨の通知を通報装置200に対して通知してもよい。
【0055】
以上が、通知部336の処理例である。なお、通知部336は、上記例示した以外の情報を通知してもよい。例えば、通知部336は、設置位置情報が示す位置周辺の地図情報、AEDまたはAED格納部400の外見的な特徴や設置位置付近の目印などを示す情報などを通報装置200や配達者端末500などに通知するよう構成してもよい。また、通知部336は、上記地図情報などとともに、AED設置場所までの経路を示す情報などを送信してもよい。例えば、通知部336は、通報装置200や配達者端末500などの位置からAED格納部400まで移動する際の移動経路などを地図上に重畳表示可能なよう上記地図情報などを送信してもよいし、地図情報とともに音声案内情報などを送信することで経路を示す情報を送信してもよい。また、通知部336は、配達者端末500から受諾通知を受け付けた場合などにおいて、AED設置場所から通報装置200までの経路を示す運搬経路情報などを配達者端末500などに対して送信してもよい。運搬経路情報は、上記例示した場合と同様に、地図上に重畳表示可能なよう送信されてもよいし、音声情報などで送信されてもよい。
【0056】
AED格納部400は、内部にAEDを格納している筐体である。例えば、AED格納部400は、公共施設、病院、各種店舗などに配置されている。図6は、AED格納部400の構成例を示している。図6を参照すると、AED格納部400は、例えば、受信装置411と発光装置412と発音装置413とを有している。
【0057】
受信装置411は、判定装置300との間で無線通信を行う。例えば、受信装置411は、判定装置300からアラートトリガなどを受信する。
【0058】
発光装置412は、アラートトリガに応じて発光する。また、例えば、発光装置412は、発光を開始してから予め定められた時間経過する、任意の手段でAED格納部400からAEDを持ちだした旨を検知する、などの条件に応じて、発光を停止することができる。
【0059】
発音装置413は、アラートトリガに応じて発音する。また、例えば、発音装置413は、発音を開始してから予め定められた時間経過する、任意の手段でAED格納部400からAEDを持ちだした旨を検知する、などの条件に応じて、発音を停止することができる。
【0060】
なお、AED格納部400の有する上述した構成のうちの少なくとも一部は、AED格納部400の代わりにAEDが有してもよい。上述した構成のうちの少なくとも一部をAEDが有する場合、AED格納部400はAEDが有する機能を有さなくてもよい。
【0061】
配達者端末500は、AEDを配達する配達者が有する端末である。例えば、配達者端末500は、スマートフォンなどの一般的な携帯端末であってよい。
【0062】
本実施形態の場合、配達者端末500は、判定装置300から配達依頼を受信する。配達者端末500は、配達依頼とともに、配達先となる通報装置200の位置や配達対象となるAEDの位置を示す情報などを受信してもよい。また、配達者端末500は、配達者の操作などに応じて、配達依頼に応じた配達を行う旨を受諾した旨を示す受諾通知を判定装置300に対して送信することができる。配達者端末500は、受諾通知とともに、配達者端末500の位置を示す情報などを判定装置300に対して送信してもよい。
【0063】
なお、配達者端末500を有する配達者は、歩く又は走るなど移動手段を用いずにAEDを配達してもよいし、自転車や自動車などの任意の移動手段を用いてAEDの配達を行ってもよい。ただし、本実施形態の場合、配達者端末500を有する配達者による配達は、例えば、後述するドローン600など無人航空機を用いた配達を含まないものとする。換言すると、例えば、配達者端末500を有する配達者は、配達者自身が移動することでAEDの配達を行うことができる。
【0064】
ドローン600は、判定装置300やドローン600の管理者などからの指示に応じて、指定された位置までAEDを配達する無人航空機である。例えば、ドローン600は、外部からの指示に応じて自律的に動作する無人航空機であってよい。ドローン600は、ドローン管理基地などの任意の箇所に配置されている。ドローン600は、配達対象となるAEDを予め備えていてもよいし、備えていなくてもよい。例えば、本実施形態の場合、ドローン600は、例えばドローン600を管理する管理者などが通報装置200の位置まで移動することなく、AEDの配達を行うことができる。
【0065】
以上が、補助システム100の構成例である。なお、補助システム100は、図1で例示する構成の他、発光装置や発音装置を備える誘導装置を道路脇などの任意の箇所に複数有してもよい。補助システム100が誘導装置を備える場合、判定装置300は、通報装置200からAEDまでの移動経路を検索するとともに、移動経路上に存在する誘導装置に対してアラートトリガを通知するよう構成してもよい。
【0066】
続いて、図7から図10までを参照して、判定装置300などの動作例について説明する。まず、図7を参照して、判定装置300の基本的な動作例について説明する。
【0067】
図7は、判定装置300の動作例を示すフローチャートである。図7を参照すると、位置情報受信部332は、通報装置200の位置を示す装置位置情報を通報装置200から受信する(ステップS110)。例えば、位置情報受信部332は、警察や消防などに対する緊急通報時にGPS情報などの位置を示す情報を送信する既存のシステムを利用することなどにより、通報とともに装置位置情報を受信してもよい。
【0068】
検索部333は、位置情報受信部332が受信した装置位置情報に基づいて予め記憶する情報を検索する(ステップS120)。例えば、検索部333は、AED位置情報321を参照して、装置位置情報が示す位置と最も近い位置に設置されているAEDを検索する。
【0069】
距離算出部334は、検索部333が検索した結果に基づいて、検索したAEDの位置と通報装置200の位置との間の距離を示す情報を算出する(ステップS130)。例えば、距離算出部334は、距離を示す情報として、検索したAEDと通報装置200との間の直線距離、移動距離、移動時間のうちのいずれか、または、複数を算出することができる。
【0070】
判定部335は、距離算出部334が算出した結果に基づいて、AED取得の補助方法を判定する(ステップS140)。つまり、判定部335は、AEDの位置と通報装置200の位置との間の距離などに応じたAED取得の補助方法を判定する。
【0071】
例えば、予め定められた基準に基づいて算出した距離を近距離であると判定する場合(ステップS140、近距離)、判定部335は、「AED設置場所への誘導」という取得補助を行う旨を判定する(ステップS150)。これに応じて、上記補助を行うための通知部336による通知などが行われる。また、予め定められた基準に基づいて算出した距離を中距離であると判定する場合(ステップS140、中距離)、判定部335は、「AED配達依頼」という取得補助を行う旨を判定する(ステップS160)。これに応じて、上記補助を行うための通知部336による通知などが行われる。また、予め定められた基準に基づいて算出した距離を長距離であると判定する場合(ステップS140、長距離)、判定部335は、「ドローン配達依頼」という取得補助を行う旨を判定する(ステップS170)。これに応じて、上記補助を行うための通知部336による通知などが行われる。
【0072】
以上が、判定装置300の動作例である。続いて、図8を参照して、ステップS150の処理についてより詳細に説明する。
【0073】
図8は、ステップS150の処理をより詳細に示すシーケンス図である。図8を参照すると、判定装置300の通知部336は、発光装置412を発光させたり発音装置413を発音させたりするための通知であるアラートトリガをAED格納部400に対して通知する(ステップS151)。
【0074】
発光装置412や発音装置413は、アラートトリガに応じて発光したり発音したりする(ステップS201)。発光や発音は、任意の条件を満たすまで続けられる(ステップS202、No)。一方、発光や発音を開始した後、予め定められた条件を満たすと(ステップS202、Yes)、発光装置412や発音装置413は、発光や発音を停止する(ステップS203)。
【0075】
以上が、ステップS150のより詳細な処理例である。続いて、図9を参照して、ステップS160の処理をより詳細に説明する。
【0076】
図9は、ステップS160の処理をより詳細に示すフローチャートである。図9を参照すると、判定装置300の通知部336は、配達者情報322に含まれる各配達者に対して、検索したAEDを通報装置200の位置まで配達する旨の配達依頼を通知する(ステップS161)。例えば、通知部336は、装置位置情報やAED位置情報321に基づいて、配達先となる通報装置200の位置や配達対象となるAEDの位置を示す情報とともに、達依頼を各配達者端末500に対して通知してもよい。
【0077】
判定装置300が配達依頼を通知した配達者端末500のうち配達を行う旨を受諾した配達者端末500から受諾通知を受け付けた場合(ステップS162、Yes)、通知部336は、アラートトリガをAED格納部400へと通知する「AED設置場所への誘導」を行う(ステップS163)。なお、ステップS163の処理は、図8を参照して説明した一連の処理と同様のものであってよい。
【0078】
以上が、ステップS160のより詳細な処理例である。続いて、図10を参照して、ステップS170の処理をより詳細に説明する。
【0079】
図10は、ステップS170の処理をより詳細に示すシーケンス図である。図10を参照すると、判定装置300の通知部336は、ドローン情報323を参照して通報装置200に最も近い位置に配置されているドローン600を特定する(ステップS171)。特定したドローン600と通報装置200との間の距離が所定の条件を満たさない場合(ステップS171、No)、判定装置300は処理を終了する。この場合、通報装置200の付近に取得補助対象となるAEDが存在しない旨の通知を通報装置200に対して通知してもよい。一方、特定したドローン600と通報装置200との間の距離が所定の条件を満たす場合(ステップS171、Yes)、通知部336は、特定したドローン600に対して、移動先である通報装置200までAEDを配達する旨のドローン配達指示を通知する(ステップS172)。例えば、通知部336は、装置位置情報に基づくことで、配達先となる通報装置200の位置を示す情報とともに、ドローン配達指示を特定したドローン600に対して通知することができる。
【0080】
ドローン600は、上述したドローン配達指示に応じて、ドローン600が予め備えるAEDを配達先まで配達する(ステップS301)。また、配達先で通報装置200の操作者などがAEDをドローン600から受け取ると(ステップS302、Yes)、ドローン600はドローン管理基地など元々設置されていた位置に戻る(ステップS303)。
【0081】
以上が、ステップS170の処理の詳細例である。
【0082】
このように、判定装置300は、距離算出部334と判定部335と通知部336を有している。このような構成によると、判定部335は、距離算出部334が算出したAEDの位置と通報装置200の位置との間の距離に応じた部材取得の補助方法を判定することができる。その結果、通知部336は、判定部335による判定の結果に応じた通知を行うことができる。これにより、AEDの取得をより的確に補助することができる。
【0083】
[第2の実施形態]
次に、図11図12を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。本発明の第2の実施形態では、情報処理装置である判定装置700の構成の概要について説明する。
【0084】
図11は、判定装置700のハードウェア構成例を示している。図1を参照すると、判定装置700は、一例として、以下のようなハードウェア構成を有している。
・CPU(Central Processing Unit)701(演算装置)
・ROM(Read Only Memory)702(記憶装置)
・RAM(Random Access Memory)703(記憶装置)
・RAM703にロードされるプログラム群704
・プログラム群704を格納する記憶装置705
・情報処理装置外部の記録媒体710の読み書きを行うドライブ装置706
・情報処理装置外部の通信ネットワーク711と接続する通信インタフェース707
・データの入出力を行う入出力インタフェース708
・各構成要素を接続するバス709
【0085】
また、判定装置700は、プログラム群704をCPU701が取得して当該CPU701が実行することで、図12に示す受信部721、算出部722、判定部723、通知部724としての機能を実現することが出来る。なお、プログラム群704は、例えば、予め記憶装置705やROM702に格納されており、必要に応じてCPU701がRAM703などにロードして実行する。また、プログラム群704は、通信ネットワーク711を介してCPU701に供給されてもよいし、予め記録媒体710に格納されており、ドライブ装置706が該プログラムを読み出してCPU701に供給してもよい。
【0086】
なお、図11は、判定装置700のハードウェア構成例を示している。判定装置700のハードウェア構成は上述した場合に限定されない。例えば、判定装置700は、ドライブ装置706を有さないなど、上述した構成の一部から構成されてもよい。
【0087】
受信部721は、外部装置の位置を示す装置位置情報を受信する。例えば、受信部721は、外部装置から装置位置情報を受信する。
【0088】
算出部722は、装置位置情報に基づいて所定の距離などの距離を示す情報を算出する。例えば、算出部722は、装置位置情報に基づいて、装置位置情報に基づいて特定される、危急時に必要となる部材の位置と、前記装置位置情報が示す位置と、の間の距離を示す情報を算出する。
【0089】
判定部723は、算出部722が算出した結果に基づいて、部材を取得する際の補助方法を判定する。例えば、判定部723は、算出した距離に応じた補助方法を判定する。
【0090】
通知部724は、判定部723の判定結果に応じた通知を行う。
【0091】
このように、判定装置700は、算出部722と判定部723と通知部724とを有している。このような構成によると、判定部723は、算出部722が算出した結果に基づいて、部材を取得する際の補助方法を判定することができる。その結果、通知部724は、判定部723の判定結果に応じた通知を行うことができる。これにより、AEDの取得をより的確に補助することができる。
【0092】
なお、上述した判定装置700などの情報処理装置は、当該情報処理装置に所定のプログラムが組み込まれることで実現できる。具体的に、本発明の他の形態であるプログラムは、判定装置700などの情報処理装置に、外部装置の位置を示す装置位置情報を受信し、受信した装置位置情報に基づいて特定される、危急時に必要となる部材の位置と、装置位置情報が示す位置と、の間の距離を示す情報を算出し、算出した結果に基づいて、部材を取得する際の補助方法を判定し、判定結果に応じた通知を行う処理を実現するためのプログラムである。
【0093】
また、上述した情報処理装置により実行される取得補助方法は、情報処理装置が、外部装置の位置を示す装置位置情報を受信し、受信した装置位置情報に基づいて特定される、危急時に必要となる部材の位置と、装置位置情報が示す位置と、の間の距離を示す情報を算出し、算出した結果に基づいて、部材を取得する際の補助方法を判定し、判定結果に応じた通知を行う、というものである。
【0094】
上述した構成を有する、プログラム(又は記録媒体)、又は、取得補助方法、の発明であっても、上記場合と同様の作用・効果を奏するために、上述した本発明の目的を達成することが出来る。
【0095】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における判定装置などの概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0096】
(付記1)
外部装置の位置を示す装置位置情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記装置位置情報に基づいて特定される、危急時に必要となる部材の位置と、前記装置位置情報が示す位置と、の間の距離を示す情報を算出する算出部と、
前記算出部が算出した結果に基づいて、前記部材を取得する際に用いる補助方法を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じた通知を行う通知部と、
を有する
判定装置。
(付記2)
付記1に記載の判定装置であって、
前記判定部は、前記部材の位置と、前記装置位置情報が示す位置と、の間の距離に応じて、前記外部装置の操作者が前記部材を取りに行く際の補助を行う旨の判定と前記操作者とは異なる外部の配達者による配達を行う旨の判定のうちのいずれかの判定を行うことで、前記部材を取得する際に用いる補助方法を判定する
判定装置。
(付記3)
付記2に記載の判定装置であって、
前記外部の配達者による配達は、前記装置位置情報が示す位置まで配達者自身が移動する配達と、無人機を用いた配達と、のうちの少なくとも一方を含んでいる
判定装置。
(付記4)
付記1に記載の判定装置であって、
前記装置位置情報に基づいて、予め記憶する情報の中から前記部材を検索する検索部を有し、
前記算出部は、前記検索部による検索により特定される前記部材の位置と、前記装置位置情報が示す位置と、の間の距離を示す情報を算出する
判定装置。
(付記5)
付記1に記載の判定装置であって、
前記通知部は、前記判定部による判定結果に応じた装置に対して判定結果に応じた通知を行う
判定装置。
(付記6)
付記5に記載の判定装置であって、
前記通知部は、前記部材の位置と、前記装置位置情報が示す位置と、の間の距離に応じて、異なる装置に対して通知を行う
判定装置。
(付記7)
請求項1に記載の判定装置であって、
前記通知部は、前記判定部による判定結果に応じた装置に対して、判定結果に応じた装置の位置から危急時に必要となる部材の位置まで移動する際の移動経路を示す情報を送信する
判定装置。
(付記8)
付記1に記載の判定装置であって、
前記通知部は、前記判定部による判定結果に応じた装置に対して、危急時に必要となる部材の位置から前記外部装置の位置まで移動する際の移動経路を示す運搬経路情報を送信する
判定装置。
(付記9)
情報処理装置が、
外部装置の位置を示す装置位置情報を受信し、
受信した前記装置位置情報に基づいて特定される、危急時に必要となる部材の位置と、前記装置位置情報が示す位置と、の間の距離を示す情報を算出し、
算出した結果に基づいて、前記部材を取得する際に用いる補助方法を判定し、
判定結果に応じた通知を行う
部材取得補助方法。
(付記10)
情報処理装置に、
外部装置の位置を示す装置位置情報を受信し、
受信した前記装置位置情報に基づいて特定される、危急時に必要となる部材の位置と、前記装置位置情報が示す位置と、の間の距離を示す情報を算出し、
算出した結果に基づいて、前記部材を取得する際に用いる補助方法を判定し、
判定結果に応じた通知を行う
処理を実現するためのプログラム。
【0097】
なお、上記各実施形態及び付記において記載したプログラムは、記憶装置に記憶されていたり、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていたりする。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0098】
以上、上記各実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることが出来る。
【符号の説明】
【0099】
100 補助システム
200 通報装置
300 判定装置
310 通信I/F部
320 記憶部
321 AED位置情報
322 配達者情報
323 ドローン情報
324 プログラム
330 演算処理部
331 通報受信部
332 位置情報受信部
333 検索部
334 距離算出部
335 判定部
336 通知部
400 AED格納部
411 受信装置
412 発光装置
413 発音装置
500 配達者端末
600 ドローン
700 判定装置
701 CPU
702 ROM
703 RAM
704 プログラム群
705 記憶装置
706 ドライブ装置
707 通信インタフェース
708 入出力インタフェース
709 バス
710 記録媒体
711 通信ネットワーク
721 受信部
722 算出部
723 判定部
724 通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12