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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177721
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】冷却装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20231207BHJP
   B41J 29/377 20060101ALI20231207BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
G03G21/00 530
B41J29/377 103
H04N1/00 E
H04N1/00 567Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090555
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梅野 秀之
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ06
2C061BB35
2C061CN02
2C061CN08
2C061CN13
2H270KA49
2H270SA09
2H270SB12
2H270SB13
2H270SB14
2H270SB15
2H270SB16
2H270SB24
5C062AA05
5C062AB17
5C062AB22
5C062AD06
5C062BA07
(57)【要約】
【課題】冷却風(部分冷却風)を効率的に利用しつつ、冷却対象部分を均等に冷却することが可能な冷却装置及び当該冷却装置を備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1の内部を流れる全体冷却風W1により、画像形成装置1の内部全体を冷却する全体冷却部(排気ファン20)と、冷却対象部分G1に冷却風(部分冷却風W2)を吹き付けて、冷却対象部分G1を冷却する部分冷却部30と、を備える。また、部分冷却部30は、全体冷却風W1の風上側の冷却風(部分冷却風W2)の風量よりも、全体冷却風W1の風下側の冷却風(部分冷却風W2)の風量が小さい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成装置の内部を冷却する冷却装置であって、
前記画像形成装置の内部を流れる全体冷却風により、前記画像形成装置の内部全体を冷却する全体冷却部と、
冷却対象部分に冷却風を吹き付けて、前記冷却対象部分を冷却する部分冷却部と、
を備え、
前記部分冷却部は、前記全体冷却風の風上側の前記冷却風の風量よりも、前記全体冷却風の風下側の前記冷却風の風量が小さいことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
前記部分冷却部は、前記全体冷却風が流れる方向において、前記冷却風の風量を調整する調整部を備えることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記部分冷却部は、前記全体冷却風が流れる方向に、前記冷却風を吹き出す複数の吹き出し口を有するダクトを備え、
前記ダクトは、内部が風量調整壁で分割されて、前記複数の吹き出し口の各々につながる複数の経路が形成され、
前記風量調整壁は、前記全体冷却風の風上側の前記吹き出し口から吹き出す前記冷却風の風量よりも、前記全体冷却風の風下側の前記吹き出し口から吹き出す前記冷却風の風量が小さくなるように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記部分冷却部は、前記全体冷却風が流れる方向に、前記冷却風を吹き出す複数の吹き出し口を有するダクトを備え、
前記ダクトは、内部が分割壁で分割されて、前記複数の吹き出し口の各々につながる複数の経路が形成され、
前記複数の経路は、前記全体冷却風の風上側の前記吹き出し口につながる経路の断面積よりも、前記全体冷却風の風下側の前記吹き出し口につながる経路の断面積が小さいことを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記部分冷却部は、前記全体冷却風が流れる方向に、前記冷却風を吹き出す複数の吹き出し口を有するダクトを備え、
前記ダクトは、内部が分割壁で分割されて、前記複数の吹き出し口の各々につながる複数の経路が形成され、
前記複数の吹き出し口は、前記全体冷却風の風上側の前記吹き出し口の開口面積よりも、前記全体冷却風の風下側の前記吹き出し口の開口面積が小さいことを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記部分冷却部は、前記全体冷却風が流れる方向に、前記冷却風を吹き出す複数の冷却ファンを備え、
前記調整部は、前記全体冷却風の風上側の前記冷却ファンよりも、前記全体冷却風の風下側の前記冷却ファンの回転速度が遅くなるように、前記複数の冷却ファンの回転速度を制御することを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。
【請求項7】
用紙に画像を形成する画像形成部と、
装置内部を冷却する請求項1に記載の冷却装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置及び当該冷却装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙に画像を形成する画像形成装置が知られている。従来の画像形成装置において、冷却対象部分(例えばトナー搬送経路等)に対し冷却風を吹き付ける冷却方式を搭載した構成として、分岐した冷却ダクトを備え、吸気した冷却風を分岐先の2か所から排気させることで、冷却ダクトの長手方向において均等な冷却を行う構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、装置本体内のエアーを装置本体外へ排出するファン又は装置本体外のエアーを装置本体内に導入するファンの少なくとも一方を備え、冷却ダクトの断面積が導入口から奥側に向かって狭くなるようにし、導入口から奥側に沿うように冷却ダクトに形成された複数の開口部から吹き出すエアーの風速を略均一にすることで、冷却ダクトの長手方向において均等な冷却を行う構成が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-194064号公報
【特許文献2】特開2002-14597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1、2記載の構成は、装置全体の冷却風(全体冷却風)の流れを考慮せずに冷却対象部分を均等風速(風量)で冷却する構成であるため、全体冷却風の風上から風下に冷却対象部分を冷却する冷却風(部分冷却風)が流れることで、冷却対象部分の風下側がより冷却される代わりに、風上側の冷却が不十分になり、冷却風(部分冷却風)を有効に利用できていないという課題がある。
【0005】
本発明は、冷却風(部分冷却風)を効率的に利用しつつ、冷却対象部分を均等に冷却することが可能な冷却装置及び当該冷却装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
用紙に画像を形成する画像形成装置の内部を冷却する冷却装置であって、
前記画像形成装置の内部を流れる全体冷却風により、前記画像形成装置の内部全体を冷却する全体冷却部と、
冷却対象部分に冷却風を吹き付けて、前記冷却対象部分を冷却する部分冷却部と、
を備え、
前記部分冷却部は、前記全体冷却風の風上側の前記冷却風の風量よりも、前記全体冷却風の風下側の前記冷却風の風量が小さいことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の冷却装置において、
前記部分冷却部は、前記全体冷却風が流れる方向において、前記冷却風の風量を調整する調整部を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の冷却装置において、
前記部分冷却部は、前記全体冷却風が流れる方向に、前記冷却風を吹き出す複数の吹き出し口を有するダクトを備え、
前記ダクトは、内部が風量調整壁で分割されて、前記複数の吹き出し口の各々につながる複数の経路が形成され、
前記風量調整壁は、前記全体冷却風の風上側の前記吹き出し口から吹き出す前記冷却風の風量よりも、前記全体冷却風の風下側の前記吹き出し口から吹き出す前記冷却風の風量が小さくなるように配置されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の冷却装置において、
前記部分冷却部は、前記全体冷却風が流れる方向に、前記冷却風を吹き出す複数の吹き出し口を有するダクトを備え、
前記ダクトは、内部が分割壁で分割されて、前記複数の吹き出し口の各々につながる複数の経路が形成され、
前記複数の経路は、前記全体冷却風の風上側の前記吹き出し口につながる経路の断面積よりも、前記全体冷却風の風下側の前記吹き出し口につながる経路の断面積が小さいことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の冷却装置において、
前記部分冷却部は、前記全体冷却風が流れる方向に、前記冷却風を吹き出す複数の吹き出し口を有するダクトを備え、
前記ダクトは、内部が分割壁で分割されて、前記複数の吹き出し口の各々につながる複数の経路が形成され、
前記複数の吹き出し口は、前記全体冷却風の風上側の前記吹き出し口の開口面積よりも、前記全体冷却風の風下側の前記吹き出し口の開口面積が小さいことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の冷却装置において、
前記部分冷却部は、前記全体冷却風が流れる方向に、前記冷却風を吹き出す複数の冷却ファンを備え、
前記調整部は、前記全体冷却風の風上側の前記冷却ファンよりも、前記全体冷却風の風下側の前記冷却ファンの回転速度が遅くなるように、前記複数の冷却ファンの回転速度を制御することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、
画像形成装置において、
用紙に画像を形成する画像形成部と、
装置内部を冷却する請求項1に記載の冷却装置と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、冷却風(部分冷却風)を効率的に利用しつつ、冷却対象部分を均等に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す正面図である。
図2】本実施形態に係る画像形成装置の制御構造を示す機能ブロック図である。
図3】全体冷却部及び部分冷却部の概略構成及び配置を示す側面図である。
図4】部分冷却部のダクトの概略構成を示す側面図である。
図5】変形例1に係る部分冷却部のダクトの概略構成を示す図である。
図6】変形例2に係る部分冷却部のダクトの概略構成を示す図である。
図7】変形例3に係る部分冷却部の概略構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
本実施形態に係る画像形成装置1は、図1及び図2に示すように、制御部11と、画像読取部12と、画像形成部13と、記憶部14と、操作パネル15(表示部151、操作部152)と、通信部16と、排気ファン20と、部分冷却部30と、を備えて構成されている。
【0017】
制御部11は、CPU、RAM、ROM等を備えて構成される。CPUは、操作部152から入力される操作信号又は通信部16により受信される指示信号に応じて、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、RAMに展開した各種プログラムとの協働により、画像形成装置1の動作を統括的に制御する。
【0018】
画像読取部12は、図示しない原稿台又は自動原稿搬送部(ADF:Auto Document Feeder)に載置された原稿の画像を走査露光装置の光学系により走査露光し、その反射光をラインイメージセンサーにより読み取り、これにより、画像信号を得る。この画像信号は、A/D変換、シェーディング補正、圧縮等の処理が施された後、画像データとして制御部11に入力される。なお、制御部11に入力される画像データとしては、画像読取部12で読み取ったものに限らず、例えば、通信部16を介して外部装置(図示省略)から受信したものであってもよい。
【0019】
画像形成部13は、画像処理された原画像の各画素の4色の画素値に応じて、C、M、Y及びKの4色からなる画像を用紙上に形成する。
画像形成部13は、図1に示すように、4つの書込部131、中間転写ベルト132、2次転写ローラー133、定着部134等を備えて構成されている。
【0020】
4つの書込部131は、中間転写ベルト132のベルト面に沿って直列(タンデム)に配置され、C、M、Y及びKの各色の画像を形成する。各書込部131は形成する画像の色が異なるだけで構成は同じであり、露光部131a、感光体131b、現像部131c、帯電部131d、クリーニング部131e及び1次転写ローラー131fを備えて構成されている。
【0021】
画像形成時、各書込部131では、帯電部131dにより感光体131bを帯電させた後、原画像に基づいて露光部131aにより出射した光束で感光体131b上を走査し、感光体131b上に静電潜像を形成する。感光体131b上に形成された静電潜像に現像部131cによりトナー等の色材を供給して現像すると、感光体131b上に画像(トナー像)が形成される。
4つの書込部131の感光体131b上にそれぞれ形成した画像を、それぞれの1次転写ローラー131fにより、中間転写ベルト132上に順次重ねて転写(1次転写)する。これにより、中間転写ベルト132上には各色からなる画像が形成される。中間転写ベルト132は、複数のローラーに巻き回されて回動する像担持体である。1次転写後、クリーニング部131eにより感光体131b上に残留する色材を除去する。
【0022】
画像形成部13では、回動する中間転写ベルト132上の画像が2次転写ローラー133の位置に至るタイミングに合わせて、手差しトレイT1又は給紙トレイT2から用紙を給紙する。2次転写ローラー133は、対をなす一方のローラーが中間転写ベルト132に圧接し、他方が中間転写ベルト132を巻き回す複数のローラーのうちの1つを構成している。2次転写ローラー133の圧接により、中間転写ベルト132から用紙上に画像を転写(2次転写)すると、定着部134に用紙を搬送して定着処理を施し、排紙ローラーR1により排紙トレイT3へと排紙する。定着処理は、定着ローラー134aにより用紙を加熱及び加圧して画像を用紙に定着させる処理である。用紙の両面に画像を形成する場合、反転経路135に用紙を搬送して用紙面を反転させた後、2次転写ローラー133の位置へ再度用紙を給紙する。
【0023】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(solid state drive)等により構成される不揮発性の記憶手段であり、各種プログラムや各種設定データ等を制御部11から読み書き可能に記憶する。
【0024】
操作パネル15は、ユーザーに対して各種情報を表示する表示部151と、ユーザーによる操作入力を受け付ける操作部152と、を備えて構成されている。
表示部151は、カラー液晶ディスプレイなどで構成され、制御部11から入力される表示制御信号に従って、操作画面等(各種設定画面、各種ボタン、各機能の動作状況等)を表示する。
操作部152は、表示部151の画面上に設けられるタッチパネルと、表示部151の画面周囲に配置される各種ハードキーと、を備えて構成されている。操作部152は、画面上に表示されたボタンが手指やタッチペン等で押下された場合、押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置に対応付けられた操作信号を制御部11に出力する。なお、タッチパネルは感圧式に限らず、例えば静電式や光式等であってもよい。また、操作部152は、ハードキーが押下された場合、押下されたキーに対応付けられた操作信号を制御部11に出力する。ユーザーは、操作部152を操作して、画質設定、倍率設定、応用設定、出力設定及び用紙設定等の画像形成に関する設定、用紙搬送指示、並びに装置の停止操作などを行うことができる。
【0025】
通信部16は、画像形成装置1を通信ネットワークに接続するインターフェースである。通信部16は、通信用IC及び通信コネクタなどを有し、制御部11の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークに接続されている外部装置と各種情報の送受信を行う。また、通信部16は、USBを介して各種情報の入出力を行うことも可能である。
【0026】
排気ファン(全体冷却部)20は、図3に示すように、画像形成装置1の背面側の上方及び下方に1つずつ設けられ、画像形成装置1内部の空気を外部に排出することで、画像形成装置1の内部に正面側から背面側への風の流れ(全体冷却風W1)を作り出すことにより、画像形成装置1の内部全体を冷却する。
部分冷却部30は、図3及び図4に示すように、画像形成装置1外部から風を引き込んで冷却対象部分G1に吹き付けるための冷却風(部分冷却風W2)を発生させる吸気ファン31と、吸気ファン31と接続され、全体冷却風W1が流れる方向に、吸気ファン31が発生させた冷却風(部分冷却風W2)を吹き出す複数の吹き出し口321を有するダクト32と、を備えて構成され、複数の吹き出し口321と対向する位置に配置された冷却対象部分G1(例えばトナー搬送経路等)に複数の吹き出し口321から吹き出した冷却風(部分冷却風W2)を吹き付けて、冷却対象部分G1を冷却する。部分冷却部30は、冷却対象部分G1の周囲に凹凸(他の部材)がある構成の場合に、排気ファン20による風(全体冷却風W1)では凹凸の陰に隠れた部分の冷却が難しいため、冷却対象部分G1の下方側から冷却風を吹き付けることを目的として設けられている。
なお、図3に示す例では、説明の都合上、排気ファン20及び部分冷却部30以外の構成の記載を適宜省略している。
【0027】
ダクト32は、内部が風量調整壁322で分割されて、複数の吹き出し口321の各々につながる複数の経路が形成されている。ダクト32は、既存の構成の中に追加されたものであり、内部構成物の隙間を通る構成であるため、屈曲した経路となっており、吸気ファン31から発生する冷却風量は小さくなっている。そのため、本実施形態では、図4に示すように、ダクト32の内部に風量調整壁322を配置することで、各吹き出し口321に向かう冷却風の風量を調整している。具体的には、全体冷却風W1の風上側(正面側)から風下側(背面側)に向かうにつれて、吹き出し口321から吹き出す冷却風(部分冷却風W2)の風量が小さくなるように、風量調整壁322が配置されている。すなわち、風量調整壁322が、全体冷却風W1の風上側の吹き出し口321から吹き出す冷却風の風量よりも、全体冷却風W1の風下側の吹き出し口321から吹き出す冷却風の風量が小さくなるように配置されていることで、部分冷却部30は、全体冷却風W1の風上側の冷却風の風量よりも、全体冷却風W1の風下側の冷却風の風量が小さくなっている。
上記のように、風量調整壁322は、全体冷却風W1が流れる方向において、吹き出し口321から吹き出す冷却風(部分冷却風W2)の風量を調整する本発明の調整部として機能する。
なお、本発明の冷却装置は、少なくとも排気ファン(全体冷却部)20と、部分冷却部30と、を備えて構成される。
【0028】
以上のように、本実施形態に係る冷却装置は、画像形成装置1の内部を流れる全体冷却風W1により、画像形成装置1の内部全体を冷却する全体冷却部(排気ファン20)と、冷却対象部分G1に冷却風を吹き付けて、冷却対象部分G1を冷却する部分冷却部30と、を備える。また、部分冷却部30は、全体冷却風W1の風上側の冷却風の風量よりも、全体冷却風W1の風下側の冷却風の風量が小さい。
したがって、本実施形態に係る冷却装置によれば、電源容量、配置スペース、コスト等の関係で風量が小さい部分冷却部30(吸気ファン31)を利用する場合であっても、冷却風(部分冷却風W2)の風量を効率的に利用することができるので、冷却対象部分G1を均等に冷却することができる。
【0029】
また、本実施形態に係る冷却装置によれば、部分冷却部30は、全体冷却風W1が流れる方向において、冷却風の風量を調整する調整部(風量調整壁322)を備える。
したがって、本実施形態に係る冷却装置によれば、簡易な構成で冷却風(部分冷却風W2)の風量を効率的に利用することができるので、簡便に冷却対象部分G1を均等冷却することができる。
【0030】
また、本実施形態に係る冷却装置によれば、部分冷却部30は、全体冷却風W1が流れる方向に、冷却風を吹き出す複数の吹き出し口321を有するダクト32を備える。また、ダクト32は、内部が風量調整壁322で分割されて、複数の吹き出し口321の各々につながる複数の経路が形成され、風量調整壁322は、全体冷却風W1の風上側の吹き出し口321から吹き出す冷却風の風量よりも、全体冷却風W1の風下側の吹き出し口321から吹き出す冷却風の風量が小さくなるように配置されている。
したがって、本実施形態に係る冷却装置によれば、簡易な構成で冷却風(部分冷却風W2)の風量を効率的に利用することができるので、簡便に冷却対象部分G1を均等冷却することができる。
【0031】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0032】
(変形例1)
例えば、上記実施形態では、ダクト32の内部に風量調整壁322を配置することで、各吹き出し口321に向かう冷却風の風量を調整するようにしているが、これに限定されるものではない。
例えば、図5に示すように、ダクト32Aの内部を分割壁323で分割して複数の吹き出し口321の各々につながる複数の経路324を形成するようにし、全体冷却風W1の風上側の吹き出し口321から風下側の吹き出し口321に向かうにつれて、各吹き出し口321につながる各経路324の断面積が小さくなるようにすることで、各吹き出し口321に向かう冷却風の風量を調整するようにしてもよい。なお、図5(A)はダクト32Aの平面図であり、図5(B)はダクト32Aの正面側から見た側面断面図であり、図5(C)はダクト32Aの外観斜視図である。
具体的には、変形例1に係る部分冷却部30Aは、ダクト32Aの内部が分割壁323により幅方向(左右方向)に均等に分割されるとともに、ダクト32Aの高さが幅方向で異なるようになっていて、全体冷却風W1の風上側(正面側)の吹き出し口321Lにつながる経路324Lの断面積が大きく、全体冷却風W1の風下側(背面側)の吹き出し口321Rにつながる経路324Rの断面積が小さくなるように、幅方向において全体冷却風W1の風上側の吹き出し口321L側(左側)から風下側の吹き出し口321R側(右側)に向かうにつれて(図5(B)中矢印D1参照)、ダクト32Aの高さが低くなる(経路324の断面積が小さくなる)ようになっている。
すなわち、複数の経路324は、全体冷却風W1の風上側の吹き出し口321Lにつながる経路324Lの断面積よりも、全体冷却風W1の風下側の吹き出し口321Rにつながる経路324Rの断面積が小さいことで、全体冷却風W1の風上側から風下側に向かうにつれて、各吹き出し口321から吹き出す冷却風(部分冷却風W2)の風量が小さくなるので、部分冷却部30Aは、全体冷却風W1の風上側の冷却風の風量よりも、全体冷却風W1の風下側の冷却風の風量が小さくなっている。
上記のように、分割壁323で分割された複数の経路324は、全体冷却風W1が流れる方向において、吹き出し口321から吹き出す冷却風(部分冷却風W2)の風量を調整する本発明の調整部として機能する。
【0033】
上記のように、部分冷却部30Aが、全体冷却風W1が流れる方向に、冷却風を吹き出す複数の吹き出し口321を有するダクト32Aを備え、ダクト32Aは、内部が分割壁323で分割されて、複数の吹き出し口321の各々につながる複数の経路324が形成され、複数の経路324は、全体冷却風W1の風上側の吹き出し口321Lにつながる経路324Lの断面積よりも、全体冷却風W1の風下側の吹き出し口321Rにつながる経路324Rの断面積が小さいことで、全体冷却風W1の風上側の冷却風の風量よりも、全体冷却風W1の風下側の冷却風の風量が小さくなるので、冷却風(部分冷却風W2)の風量を効率的に利用することが可能となり、冷却対象部分G1を均等に冷却することができる。
【0034】
(変形例2)
また、上記変形例1では、全体冷却風W1の風上側の吹き出し口321Lから風下側の吹き出し口321Rに向かうにつれて、各吹き出し口321につながる各経路324の断面積が小さくなるようにすることで、各吹き出し口321から吹き出す冷却風(部分冷却風W2)の風量を調整するようにしているが、これに限定されるものではない。
例えば、図6に示すように、ダクト32Bの内部を分割壁323で分割して複数の吹き出し口321の各々につながる複数の経路324を形成するようにし、各吹き出し口321につながる各経路324の断面積を異ならせる(ダクト32Aの高さを幅方向で異ならせる)代わりに、各吹き出し口321の開口面積を異ならせるようにしてもよい。なお、図6(A)はダクト32Bの平面図であり、図6(B)はダクト32Bの正面側から見た側面断面図である。
具体的には、変形例2に係る部分冷却部30Bは、全体冷却風W1の風上側の吹き出し口321Lの開口面積が大きく、全体冷却風W1の風下側の吹き出し口321Rの開口面積が小さくなるように、幅方向(左右方向)において全体冷却風W1の風上側の吹き出し口321L側から風下側の吹き出し口321R側に向かうにつれて(図6(A)中矢印D2参照)、吹き出し口321の開口面積が小さくなるようになっている。
すなわち、複数の吹き出し口321は、全体冷却風W1の風上側の吹き出し口321Lの開口面積よりも、全体冷却風W1の風下側の吹き出し口321Rの開口面積が小さいことで、全体冷却風W1の風上側から風下側に向かうにつれて、各吹き出し口321から吹き出す冷却風(部分冷却風W2)の風量が小さくなるので、部分冷却部30Bは、全体冷却風W1の風上側の冷却風の風量よりも、全体冷却風W1の風下側の冷却風の風量が小さくなっている。
上記のように、複数の吹き出し口321は、全体冷却風W1が流れる方向において、吹き出し口321から吹き出す冷却風(部分冷却風W2)の風量を調整する本発明の調整部として機能する。
【0035】
上記のように、部分冷却部30Bが、全体冷却風W1が流れる方向に、冷却風を吹き出す複数の吹き出し口321を有するダクト32Bを備え、ダクト32Bは、内部が分割壁323で分割されて、複数の吹き出し口321の各々につながる複数の経路324が形成され、複数の吹き出し口321は、全体冷却風W1の風上側の吹き出し口321Lの開口面積よりも、全体冷却風W1の風下側の吹き出し口321Rの開口面積が小さいことで、全体冷却風W1の風上側の冷却風の風量よりも、全体冷却風W1の風下側の冷却風の風量が小さくなるので、冷却風(部分冷却風W2)の風量を効率的に利用することが可能となり、冷却対象部分G1を均等に冷却することができる。
【0036】
(変形例3)
また、上記変形例1や上記変形例2の代わりに、全体冷却風W1が流れる方向に、冷却風(部分冷却風W2)を吹き出す複数の冷却ファン33を並べて配置するようにしてもよい。すなわち、変形例3に係る部分冷却部30Cは、少なくとも複数の冷却ファン33を備えて構成されている。この場合、制御部(調整部)11は、全体冷却風W1の風上側(正面側)の冷却ファン33Fよりも、全体冷却風W1の風下側(背面側)の冷却ファン33Bの回転速度が遅くなるように、複数の冷却ファン33の回転速度を制御する。すなわち、複数の冷却ファン33は、全体冷却風W1の風上側の冷却ファン33Fの回転速度が速く、全体冷却風W1の風下側の冷却ファン33Bの回転速度が遅くなる。これにより、全体冷却風W1の風上側から風下側に向かうにつれて冷却ファン33の回転速度が遅くなるので、全体冷却風W1の風上側から風下側に向かうにつれて、冷却風(部分冷却風W2)の風量を小さくすることが可能となり、冷却ファン33の駆動電力を最小限にしつつ、冷却対象部分G1を均等に冷却することができる。
なお、変形例3では、ダクト32を設けない構成を例示して説明しているが、ダクト32を設けるようにし、ダクト32内に複数の冷却ファン33を設ける構成としてもよい。
【0037】
上記のように、部分冷却部30Cが、全体冷却風W1が流れる方向に、冷却風を吹き出す複数の冷却ファン33を備え、調整部(制御部11)は、全体冷却風W1の風上側の冷却ファン33Fよりも、全体冷却風W1の風下側の冷却ファン33Bの回転速度が遅くなるように、複数の冷却ファン33の回転速度を制御することで、全体冷却風W1の風上側から風下側に向かうにつれて、冷却風(部分冷却風W2)の風量を小さくすることが可能となり、冷却ファン33の駆動電力を最小限にしつつ、冷却対象部分G1を均等に冷却することができる。
【0038】
その他、画像形成装置を構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 画像形成装置
11 制御部
12 画像読取部
13 画像形成部
131 書込部
131a 露光部
131b 感光体
131c 現像部
131d 帯電部
131e クリーニング部
131f 1次転写ローラー
132 中間転写ベルト
133 2次転写ローラー
134 定着部
135 反転経路
14 記憶部
15 操作パネル
151 表示部
152 操作部
16 通信部
20 排気ファン(全体冷却部:冷却装置)
30、30A、30B、30C 部分冷却部(冷却装置)
31 吸気ファン
32、32A、32B ダクト
321 吹き出し口
322 風量調整壁(調整部)
323 分割壁
324 経路
33 冷却ファン
G1 冷却対象部分
W1 全体冷却風
W2 部分冷却風
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7