(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177768
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】基板処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20231207BHJP
【FI】
H01L21/304 651Z
H01L21/304 648G
H01L21/304 648L
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090619
(22)【出願日】2022-06-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】カン,キ-ムン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヒュン ゴ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ヒョ ウォン
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AA09
5F157AB02
5F157AB13
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB45
5F157AB48
5F157AB51
5F157AB64
5F157AB90
5F157AC03
5F157AC15
5F157AC56
5F157BB23
5F157BB45
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5F157CE10
5F157CE11
5F157CF22
5F157CF42
5F157CF44
5F157DA21
5F157DB32
(57)【要約】 (修正有)
【課題】初期注入時に超臨界流体が基板と直接接触することを防止する基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置において、第2工程チャンバ4000は、内部に超臨界処理工程が遂行される処理空間4130が形成される高圧チャンバであるハウジング4000と、処理空間4130で基板Sを支持する基板支持部材4300と、処理空間4130に処理流体を供給する流体供給ユニット4500と、処理空間4130の雰囲気を排気する排気ユニット4600を含む。流体供給ユニット4500は、基板支持ユニット4300に支持された基板Sの処理面と対向し、処理面に処理流体を供給する供給ホールが形成されたカバープレート4530を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に超臨界処理工程が遂行される処理空間が形成される高圧チャンバと、
前記処理空間で基板を支持する基板支持ユニットと、
前記処理空間に処理流体を供給する流体供給ユニットと、及び
前記処理空間の雰囲気を排気する排気ユニットを含むが、
前記流体供給ユニットは、
前記基板支持ユニットに支持された基板の処理面と対向され、前記処理面に処理流体を供給する供給ホールが形成されたカバープレートを含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記カバープレートは半径が基板と類似であるか、またはさらに大きく提供されることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記供給ホールは前記処理面の中央と対向されることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記流体供給ユニットは、
前記カバープレートの上面と対向される前記高圧チャンバの上面に前記カバープレートの上面に向けて処理流体を供給する第1注入ラインと、及び
前記供給ホールに処理流体を供給する第2注入ラインを含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記流体供給ユニットを制御する制御部をさらに含むが、
前記制御部は、
前記処理空間の圧力が目的圧力に到逹する前までは前記第1注入ラインを通じて処理流体を供給し、前記処理空間の圧力が目的圧力に到逹した以後には前記第2注入ラインを通じて処理流体を供給するように前記流体供給ユニットを制御することを特徴とする請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第1注入ラインを前記第1注入ラインを基準で放射状で複数個が配置されることを特徴とする請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項7】
内部に超臨界処理工程が遂行される処理空間が形成される高圧チャンバと、
前記処理空間で基板を支持する基板支持ユニットと、
前記処理空間に処理流体を供給する流体供給ユニットと、及び
前記処理空間の雰囲気を排気する排気ユニットを含むが、
前記流体供給ユニットは
前記高圧チャンバの上面に提供される第1、2注入ラインと、及び
前記高圧チャンバの上面と前記基板支持ユニットとの間に配置され、前記第1注入ラインから供給される処理流体が基板の処理面を向けて一方向に直接噴射されることを遮断する、そして、前記第2注入ラインと連結されて基板の処理面に直接処理流体を供給することができる供給ホールを有するカバープレートを含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
前記流体供給ユニットを制御する制御部をさらに含むが、
前記制御部は、
前記処理空間の圧力が目的圧力に到逹する前までは前記第1注入ラインを通じて処理流体を供給し、前記処理空間の圧力が目的圧力に到逹した以後には前記第2注入ラインを通じて処理流体を供給するように前記流体供給ユニットを制御することを特徴とする請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記目的圧力は、
処理流体の臨界圧力であることを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記カバープレートは半径が基板と類似であるか、またはさらに大きく提供されることを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記供給ホールは前記処理面の中央と対向されることを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項12】
基板を処理する装置において、
チャンバの処理空間で基板を支持する基板支持ユニットと、
貫通孔が形成され、基板の処理面と対向されるように配置されるプレートと、
前記処理空間に処理流体を供給する流体供給ユニットを含むが、
前記流体供給ユニットは、
前記プレートの上面に処理流体を供給する第1注入ラインと、及び前記プレートの前記貫通孔に処理流体を供給する第2注入ラインを含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項13】
前記流体供給ユニットを制御する制御部をさらに含むが、
前記制御部は、
処理流体の初期注入口間で基板に処理流体が直接接触することを防止するために前記第1注入ラインを通じて処理流体が先ず供給されるように制御することを特徴とする請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記流体供給ユニットは、
処理流体を前記第1注入ラインを通じて前記基板の縁方向に先ず供給し、前記処理空間の圧力が目的圧力に到達されれば、前記第2注入ラインを通じて基板上面に直接供給することを特徴とする請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記処理空間の圧力を検出する検出器をさらに含み、
前記制御部は前記検出器から提供を受けた前記処理空間の圧力値によって前記第1注入ラインと前記第2注入ラインの処理流体供給を制御することを特徴とする請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記制御部は、
前記処理空間の内部圧力が臨界圧力に到逹すれば、前記第2注入ラインを通じて処理流体を供給することを特徴とする請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項17】
チャンバの処理空間に基板を搬入して基板支持ユニットに安着させる段階と、
前記処理空間に処理流体を供給する段階と、
前記処理空間から処理流体を排気する段階と、及び
前記チャンバから前記基板を搬出する段階と、を含むが、
前記処理流体を供給する段階は、
前記チャンバの上面に形成された第1注入ラインを通じて
前記基板の縁領域から処理流体が提供されるように第1注入ラインを通じて処理流体を供給する1次注入段階と、及び
前記基板の中央領域に処理流体が提供されるように第2注入ラインを通じて処理流体を供給する2次注入段階と、を含むことを特徴とする基板処理方法。
【請求項18】
前記1次注入段階で、
前記第1注入ラインは前記基板の処理面と対向されるように配置されたカバープレートの上面に向けて供給され、
前記2次注入段階で、
前記第2注入ラインは前記カバープレートに形成された供給ホールを通じて前記基板の中央領域に処理流体を供給することを特徴とする請求項17に記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記1次注入段階は、
前記処理空間の圧力が目的圧力に到逹する前まで遂行し、
前記2次注入段階は、
前記処理空間の圧力が目的圧力に到逹した以後から遂行することを特徴とする請求項18に記載の基板処理方法。
【請求項20】
前記目的圧力は、
処理流体の臨界圧力であることを特徴とする請求項19に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関するものであり、より詳細には、超臨界工程を遂行する基板処理装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体素子はウェハーのような基板から製造する。具体的に、半導体素子は蒸着工程、フォトリソグラフィ工程、蝕刻工程などを遂行して基板の上部面に微細な回路パターンを形成して製造される。
【0003】
前記の工程らを遂行しながら前記回路パターンが形成された基板の上部面に各種異物が付着用するもので、前記工程らの間に基板上の異物を除去する洗浄工程が遂行される。
【0004】
一般に、洗浄工程はケミカルを基板に供給して基板上の異物を除去するケミカル処理、純水を基板に供給して基板上に残留するケミカルを除去するリンス処理、そして、基板上に残留する純水を除去する乾燥処理を含む。
【0005】
基板の乾燥処理のために超臨界流体が使用される。一例によれば、基板上の純水を有機溶剤で置換した後、高圧チャンバ内で超臨界流体を基板の上部面に供給して基板上に残っている有機溶剤を超臨界流体に溶解させて基板から除去する。有機溶剤でイソプロピルアルコール(isopropyl alcohol:以下、IPA)が使用される場合、超臨界流体としては、臨界温度及び臨界圧力が相対的に低く、IPAがよく溶解される二酸化炭素(CO2が使用される。
【0006】
図11は、従来の超臨界流体を利用した基板処理装置を見せてくれる図面である。
【0007】
図11でのように、従来超臨界流体を利用した基板処理装置1は工程初期にチャンバ2内部圧力が低い状態で上部注入ライン3を通じて供給される超臨界流体は液化されることがある。よって、超臨界乾燥工程初期に基板(S)上部に供給される超臨界流体は液化されて重力によって基板(S)に落下されながら基板を損傷させることがある。また、基板の下に排気ポート4を通じて排気されるが、工程上IPA残留物及びパーティクルを含んだ不純物らが下部注入ライン5を汚染させる問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国特許公開第10-2016-0053337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、初期注入口間に超臨界流体が基板と直接接触されることを防止することができる基板処理装置及び方法を提供することを一目的とする。
【0010】
本発明は、チャンバの圧力によってガスを分離して供給することができる基板処理装置及び方法を提供することを一目的とする。
【0011】
本発明が解決しようとする課題が上述した課題らに限定されるものではなくて、言及されない課題らは本明細書及び添付された図面から本発明の属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一側面によれば、内部に超臨界処理工程が遂行される処理空間が形成される高圧チャンバと、前記処理空間で基板を支持する基板支持ユニットと、前記処理空間に処理流体を供給する流体供給ユニットと、及び前記処理空間の雰囲気を排気する排気ユニットを含むが、前記流体供給ユニットは前記基板支持ユニットに支持された基板の処理面と対向され、前記処理面に処理流体を供給する供給ホールが形成されたカバープレートを含む基板処理装置が提供されることができる。
【0013】
また、前記カバープレートは半径が基板と類似であるか、またはさらに大きく提供されることができる。
【0014】
また、前記供給ホールは前記処理面の中央と対向されることができる。
【0015】
また、前記流体供給ユニットは前記カバープレートの上面と対向される前記高圧チャンバの上面に前記カバープレートの上面に向けて処理流体を供給する第1注入ラインと、及び前記供給ホールに処理流体を供給する第2注入ラインを含むことができる。
【0016】
また、前記流体供給ユニットを制御する制御部をさらに含むが、前記制御部は前記処理空間の圧力が目的圧力に到逹する前までは前記第1注入ラインを通じて処理流体を供給し、前記処理空間の圧力が目的圧力に到逹した以後には前記第2注入ラインを通じて処理流体を供給するように前記流体供給ユニットを制御することができる。
【0017】
また、前記第1注入ラインを前記第1注入ラインを基準で放射状に複数個が配置されることができる。
本発明の他の側面によれば、内部に超臨界処理工程が遂行される処理空間が形成される高圧チャンバと、前記処理空間で基板を支持する基板支持ユニットと、前記処理空間に処理流体を供給する流体供給ユニットと、及び前記処理空間の雰囲気を排気する排気ユニットを含むが、前記流体供給ユニットは前記高圧チャンバの上面に提供される第1、2注入ラインと、及び前記高圧チャンバの上面と前記基板支持ユニットとの間に配置され、前記第1注入ラインから供給される処理流体が基板の処理面を向けて一方向に直接噴射されることを遮断する、そして、前記第2注入ラインと連結されて基板の処理面で直接処理流体を供給することができる供給ホールを有するカバープレートを含む基板処理装置が提供されることができる。
【0018】
また、前記流体供給ユニットを制御する制御部をさらに含むが、前記制御部は前記処理空間の圧力が目的圧力に到逹する前までは前記第1注入ラインを通じて処理流体を供給し、前記処理空間の圧力が目的圧力に到逹した以後には前記第2注入ラインを通じて処理流体を供給するように前記流体供給ユニットを制御することができる。
【0019】
また、前記目的圧力は処理流体の臨界圧力であることができる。
【0020】
また、前記カバープレートは半径が基板と類似であるか、またはさらに大きく提供されることができる。
【0021】
また、前記供給ホールは前記処理面の中央と対向されることができる。
【0022】
本発明の他の側面によれば、チャンバの処理空間で基板を支持する基板支持ユニットと、貫通孔が形成され、基板の処理面と対向されるように配置されるプレートと、前記処理空間に処理流体を供給する流体供給ユニットを含むが、前記流体供給ユニットは前記プレートの上面で処理流体を供給する第1注入ラインと、及び前記プレートの前記貫通孔で処理流体を供給する第2注入ラインを含む基板処理装置が提供されることができる。
【0023】
また、前記流体供給ユニットを制御する制御部をさらに含むが、前記制御部は処理流体の初期注入口間で基板に処理流体が直接接触することを防止するために前記第1注入ラインを通じて処理流体が先ず供給されるように制御することができる。
【0024】
また、前記流体供給ユニットは処理流体を前記第1注入ラインを通じて前記基板の縁方向に先ず供給し、前記処理空間の圧力が目的圧力に到達されれば前記第2注入ラインを通じて基板上面に直接供給することができる。
【0025】
また、前記処理空間の圧力を検出する検出器をさらに含み、前記制御部は前記検出器から提供を受けた前記処理空間の圧力値によって前記第1注入ラインと前記第2注入ラインの処理流体供給を制御することができる。
【0026】
また、前記制御部は前記処理空間の内部圧力が臨界圧力に到逹すれば、前記第2注入ラインを通じて処理流体を供給することができる。
【0027】
本発明の他の側面によれば、チャンバの処理空間に基板を搬入して基板支持ユニットに安着させる段階と、前記処理空間に処理流体を供給する段階と、前記処理空間から処理流体を排気する段階と、及び前記チャンバから前記基板を搬出する段階と、を含むが、前記処理流体を供給する段階は、前記チャンバの上面に形成された第1注入ラインを通じて前記基板の縁領域から処理流体が提供されるように第1注入ラインを通じて処理流体を供給する1次注入段階と、及び前記基板の中央領域に処理流体が提供されるように第2注入ラインを通じて処理流体を供給する2次注入段階を含む基板処理方法が提供されることができる。
【0028】
また、前記1次注入段階で前記第1注入ラインは前記基板の処理面と対向されるように配置されたカバープレートの上面に向けて供給され、前記2次注入段階で前記第2注入ラインは前記カバープレートに形成された供給ホールを通じて前記基板の中央領域に処理流体を供給することができる。
【0029】
また、前記1次注入段階は前記処理空間の圧力が目的圧力に到逹する前まで遂行し、前記2次注入段階は前記処理空間の圧力が目的圧力に到逹した以後から遂行することができる。
【0030】
また、前記目的圧力は処理流体の臨界圧力であることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の実施例によれば、初期注入口間に超臨界流体が基板と直接接触されることを遮断して基板損傷を防止することができる。
【0032】
本発明の実施例によれば、ハウジングの圧力によって超臨界流体を分離して供給することができる。
本発明の効果が上述した効果らに限定されるものではなくて、言及されない効果らは本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図5】
図2の第2工程チャンバの一実施例の断面図である。
【
図6】
図5に示された流体供給ユニットを説明するための凹部拡大図である。
【
図7A-D】a乃至dは、第2工程チャンバでの超臨界流体供給過程を見せてくれる図面らである。
【
図8】第2工程チャンバでの基板処理方法を説明するためのフローチャートである。
【
図9】第2工程チャンバの変形例を見せてくれる図面である。
【
図10】a及びbは、
図5に示されたカバープレートを見せてくれる斜視図らである。
【
図11】従来超臨界流体を利用した基板処理装置を見せてくれる図面である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の実施例はさまざまな形態で変形されることができるし、本発明の範囲が以下で敍述する実施例によって限定されられることで解釈されてはいけない。本実施例は当業界で平均的な知識を有した者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面での構成要素の形状などはより明確な説明を強調するために誇張されたものである。
【0035】
基板処理装置100は超臨界流体を工程流体で利用して基板(S)を処理する超臨界工程を遂行することができる。
【0036】
ここで、基板(S)は半導体素子や平板ディスプレイ(FPD:flat panel display)及びその他に薄膜に回路パターンが形成された品物の製造に利用される基板をすべて含む包括的な概念である。このような基板(S)の例としては、シリコンウェハーを始めとした多様なウェハー、硝子基板、有機基板などがある。
超臨界流体とは、臨界温度と臨界圧力を超過した超臨界状態に到逹すれば、形成される気体と液体の性質を同時に有する相(phase)を意味する。超臨界流体は分子密度は液体に近くて、粘性度は気体に近い性質を有して、これによって拡散力、浸透力、溶解力が非常にすぐれて化学反応に有利であり、表面張力がほとんどなくて微細構造に界面張力を加えない特性を有する。
【0037】
超臨界工程はこのような超臨界流体の特性を利用して遂行されるが、その代表的な例としては、超臨界乾燥工程と超臨界蝕刻工程がある。以下では、超臨界工程に関して超臨界乾燥工程を基準で説明することにする。但し、これは説明の容易のためのものに過ぎないので、基板処理装置100は超臨界乾燥工程以外の他の超臨界工程を遂行することができる。
【0038】
超臨界乾燥工程は超臨界流体で基板(S)の回路パターンに残留する有機溶剤を溶解して基板(S)を乾燥させる方式で遂行されることができるし、乾燥効率が優秀であるだけでなく、倒壊現象を防止することができる長所がある。超臨界乾燥工程に利用される超臨界流体としては、有機溶剤と混和性がある物質を使用することができる。例えば、超臨界二酸化炭素(scCO2:supercritical carbon dioxide)が超臨界流体で使用されることができる。
【0039】
【0040】
二酸化炭素は臨界温度が31.1℃であり、臨界圧力が7.38Mpaで比較的低くて超臨界状態で作りやすくて、温度と圧力を調節して相変化を制御すること容易で値段が安い長所がある。また、二酸化炭素は毒性がなくて人体に無害で、不燃性、非活性の特性を有して、超臨界二酸化炭素は水やその他の有機溶剤と比べて10~100倍ほど拡散係数(diffusion coefficient)が高くて浸透が早くて有機溶剤の置き換えが早くて、表面張力がほとんどなくて微細な回路パターンを有する基板(S)の乾燥に利用するのに有利な物性を有する。それだけでなく、二酸化炭素は多様な化学反応の副産物で生成されることを再活用することができる同時に超臨界乾燥工程に使った後、これを気体に転換させて有機溶剤を分離して再使用することが可能で環境汚染の側面でも負担が少ない。
【0041】
以下では本発明による基板処理装置100の一実施例に関して説明する。本発明の一実施例による基板処理装置100は超臨界乾燥工程を含んで洗浄工程を遂行することができる。
【0042】
図2は、基板処理装置100の一実施例の平面図であり、
図3は基板処理装置100の一実施例の断面図である。
【0043】
図2及び
図3を参照すれば、基板処理装置100はインデックスモジュール1000及び工程モジュール2000を含む。
【0044】
インデックスモジュール1000は外部から基板(S)の返送を受けて工程モジュール2000に基板(S)を返送し、工程モジュール2000は超臨界乾燥工程を遂行することができる。
【0045】
インデックスモジュール1000は設備前方端部モジュール(EFEM:equipment front end module)として、ロードポート1100及び移送フレーム1200を含む。
【0046】
ロードポート1100には基板(S)が収容される容器(C)が置かれる。容器(C)としては前面開放一体型ポッド(FOUP:front opening unified pod)が使用されることがある。容器(C)はオーバーヘッドトランスファー(OHT:overhead transfer)によって外部からロードポート1100に搬入されるか、またはロードポート1100から外部に搬出されることができる。
【0047】
移送フレーム1200はロードポート1100に置かれた容器(C)と工程モジュール2000の間に基板(S)を返送する。移送フレーム1200はインデックスロボット1210及びインデックスレール1220を含む。インデックスロボット1210はインデックスレール1220上で移動して基板(S)を返送することができる。
【0048】
工程モジュール2000は実際に工程を遂行するモジュールとして、バッファーチャンバ2100、移送チャンバ2200、第1工程チャンバ3000及び第2工程チャンバ4000を含む。
【0049】
バッファーチャンバ2100はインデックスモジュール1000と工程モジュール2000との間に返送される基板(S)が臨時にとどまる空間を提供する。バッファーチャンバ2100には基板(S)が置かれるバッファースロットが提供されることができる。例えば、インデックスロボット1210は基板(S)を容器(C)から引き出してバッファースロットにおくことができるし、移送チャンバ2200の移送ロボット2210はバッファースロットに置かれた基板(S)を引き出して、これを第1工程チャンバ3000や第2工程チャンバ4000に返送することができる。バッファーチャンバ2100には複数のバッファースロットが提供されて複数の基板(S)が置かれることができる。
【0050】
移送チャンバ2200はその周りに配置されたバッファーチャンバ2100、第1工程チャンバ3000及び第2工程チャンバ4000の間に基板(S)を返送する。移送チャンバ2200は移送ロボット2210及び移送レール2220を含むことができる。移送ロボット2210は移送レール2220上で移動して基板(S)を返送することができる。
【0051】
第1工程チャンバ3000と第2工程チャンバ4000は、洗浄工程を遂行することができる。この時、洗浄工程は第1工程チャンバ3000と第2工程チャンバ4000で順次に遂行されることができる。例えば、第1工程チャンバ3000では洗浄工程のうちでケミカル工程、リンス工程及び有機溶剤工程が遂行され、引き継いで第2工程チャンバ4000では超臨界乾燥工程が遂行されることができる。
このような第1工程チャンバ3000と第2工程チャンバ4000は、移送チャンバ2200の側面に配置される。例えば、第1工程チャンバ3000と第2工程チャンバ4000は移送チャンバ2200の他の側面にお互いに向かい合うように配置されることができる。
【0052】
また、工程モジュール2000には第1工程チャンバ3000と第2工程チャンバ4000が複数で提供されることができる。複数の工程チャンバ3000、4000は移送チャンバ2200の側面に一列で配置されるか、または鉛直方向に積層されて配置されるか、またはこれらの組合によって配置されることができる。
【0053】
勿論、第1工程チャンバ3000と第2工程チャンバ4000との配置は、上述した例で限定されないで、基板処理装置100のプップリントや工程効率などのような多様な要素を考慮して適切に変更されることができる。
【0054】
以下では、第1工程チャンバ3000に関して説明する。
【0055】
図4は、
図2の第1工程チャンバ3000の断面図である。
【0056】
第1工程チャンバ3000はケミカル工程、リンス工程及び有機溶剤工程を遂行することができる。勿論、第1工程チャンバ3000はこれら工程のうちで一部の工程のみを選択的に遂行することもできる。ここで、ケミカル工程は基板(S)に洗浄剤を提供して基板(S)上の異物を除去する工程であり、リンス工程は基板にリンス剤を提供して基板(S)上に残留する洗浄剤を洗滌する工程であり、有機溶剤工程は基板(S)に有機溶剤を提供して基板(S)の回路パターンの間に残留するリンス剤を表面張力が低い有機溶剤で置換する工程である。
【0057】
図4を参照すれば、第1工程チャンバ3000は支持部材3100、ノーズル部材3200及び回収部材3300を含む。
【0058】
支持部材3100は基板(S)を支持し、支持された基板(S)を回転させることができる。支持部材3100は支持プレート3110、支持ピン3111、チャックピン3112、回転軸3120及び回転駆動機3130を含むことができる。
【0059】
支持プレート3110は基板(S)と同一または類似な形状の上面を有して、支持プレート3110の上面には支持ピン3111とチャックピン3112が形成される。支持ピン3111は基板(S)を支持し、チャックピン3112は支持された基板(S)を固定することができる。
【0060】
支持プレート3110の下部には回転軸3120が連結される。回転軸3120は回転駆動機3130から回転力の伝達を受けて支持プレート3110を回転させる。これによって支持プレート3110に安着された基板(S)が回転することができる。この時、チャックピン3112は基板(S)が定位置を離脱することを防止することができる。
【0061】
ノーズル部材3200は基板(S)に薬剤を噴射する。ノーズル部材3200はノーズル3210、ノーズルバー3220、ノーズル軸3230及びノーズル軸駆動機3240を含む。
【0062】
ノーズル3210は支持プレート3110に安着された基板(S)に薬剤を噴射する。薬剤は洗浄剤、リンス剤または有機溶剤であることができる。ここで、洗浄剤としては過酸化水素(H2O2)溶液や過酸化水素溶液にアンモニア(NH4OH)、塩酸(HCl)または硫酸(H2SO4)を混合した溶液またはフッ酸(HF)溶液などが使用されることができる。また、リンス剤としては純水が使用されることができる。また、有機溶剤としては、イソプロピルアルコールを初めてエチルグリコール(ethyl glycol)、1-プロパノール(propanol)、テトラヒドロフラン(tetra hydraulic franc)、4-ヒドロキシ(hydroxyl)、4-メチル(methyl)、2-ペンタノン(pentanone)、1-ブタノール(butanol)、2-ブタノール、メタノール(methanol)、エタノール(ethanol)、n-プロピルアルコール(n-propyl alcohol)、ジメチルエーテル(dimethyl ether)の溶液やガスが使用されることができる。
【0063】
このようなノーズル3210はノーズルバー3220の一端底面に形成される。ノーズルバー3220はノーズル軸3230に結合され、ノーズル軸3230は昇降または回転できるように提供される。ノーズル軸駆動機3240はノーズル軸3230を昇降または回転させてノーズル3210の位置を調節することができる。
【0064】
回収部材3300は基板(S)に供給された薬剤を回収する。ノーズル部材3200によって基板(S)に薬剤が供給されれば、支持部材3100は基板(S)を回転させて基板(S)の全領域に薬剤が均一に供給されるようにできる。基板(S)が回転すれば、基板(S)から薬剤が飛散するが、飛散する薬剤は回収部材3300によって回収されることができる。
【0065】
回収部材3300は回収桶3310、回収ライン3320、昇降バー3330及び昇降駆動機3340を含むことができる。
【0066】
回収桶3310は支持プレート3110を囲む環形リング形状で提供される。回収桶3310は複数であることができるが、複数の回収桶3310は上部から見る時順に支持プレート3110から遠くなるリング形状で提供され、支持プレート3110から遠い距離にある回収桶3310であればあるほどその高さが高いように提供される。これによって回収桶3310の間の空間に基板(S)から飛散される薬剤が流入される回収口3311が形成される。
【0067】
回収桶3310の下面には回収ライン3320が形成される。回収ライン3320は回収桶3310に回収された薬剤を再生する薬剤再生システム(図示せず)に供給する。
【0068】
昇降バー3330は回収桶3310に連結されて昇降駆動機3340から動力の伝達を受けて回収桶3310を上下に移動させる。昇降バー3330は回収桶3310が複数である場合最外郭に配置された回収桶3310に連結されることができる。昇降駆動機3340は昇降バー3330を通じて回収桶3310を昇降させて複数の回収口3311のうちで飛散する薬剤が流入される回収口3311を調節することができる。
【0069】
以下では、第2工程チャンバ4000に関して説明する。
【0070】
第2工程チャンバ4000は超臨界流体を利用して超臨界乾燥工程を遂行することができる。勿論、前述したように、第2工程チャンバ4000で遂行される工程は、超臨界乾燥工程以外に他の超臨界工程であることもでき、延いては、第2工程チャンバ4000は超臨界流体の代わりに他の工程流体を利用して工程を遂行することもできるであろう。
【0071】
このような第2工程チャンバ4000は上述したように、移送チャンバ2200の一側面に配置されることができる。第2工程チャンバ4000が複数である場合には移送チャンバ2200の一側面に一列で配置されるか、または上下に積層されて配置されるか、またはこれらの組合によって配置されることができる。基板処理装置100ではロードポート1100、移送フレーム1200、バッファーチャンバ2100、移送モジュール2200が順次に配置されることができるが、第2工程チャンバ4000はこれと同一な方向に移送チャンバ2200の一側面に一列で配置されることができる。
【0072】
以下では、第2工程チャンバ4000の一実施例に関して説明する。
【0073】
図5は、
図2の第2工程チャンバ4000の一実施例の断面図であり、
図6は流体供給ユニットを説明するための凹部拡大図である。
【0074】
図5及び
図6を参照すれば、第2工程チャンバ4000はハウジング4100、支持部材4300、加熱部材4400、流体供給ユニット4500及び流体排気ユニット4600を含むことができる。
【0075】
ハウジング4100は超臨界乾燥工程が遂行される空間を提供する高圧チャンバである。ハウジング4100は超臨界乾燥工程が遂行される空間を提供する。ハウジング4100は臨界圧力以上の高圧を耐えることができる材質で提供される。ハウジング4100は上体(upper body)4110と下体(lower body)4120を有して、上体4110と下体4120はお互いに組合されて上述した処理空間4130を提供する。上体4110は下体4120の上部に提供される。上体4110はその位置が固定され、下体4120はシリンダーのような駆動部材4190によって昇下降されることができる。勿論、前述した例と異なりハウジング4100で下体4120はその位置が固定され、上体4110はシリンダーのような駆動部材4190によって昇下降される構造で提供されることもできるであろう。
【0076】
下体4120が上体4110から離隔されれば処理空間4130が開放され、この時基板(S)が搬入または搬出される。工程進行時には下体4120が上体4110に密着されて処理空間4130が外部から密閉される。ここで、基板(S)は第1工程チャンバ3000で有機溶剤工程を経って有機溶剤が残留する状態で第2工程チャンバ400に搬入されることができる。
【0077】
図示されなかったが、また他の例によれば、ハウジングは一面に開口が提供され、基板は開口を通じてハウジングに搬入されるか、またはハウジングから搬出されることができる。
【0078】
支持部材4300はハウジング4100の処理空間4130内で基板(S)を支持する。支持部材4300は下体4120に設置されて基板(S)を支持することができる。支持部材4300は基板(S)を持ち上げて支持する形態であることができる。支持部材4300は基板が置かれる据置台4310と据置台4310を下体4120の底面から離隔されるように支持するラグ4320らを含むことができる。また他の方式で、支持部材は上体4110に設置されて基板(S)を支持することができる。この場合、支持部材(図示せず)は基板(S)をぶら下げて支持する形態であることができる。
【0079】
ここで、基板(S)の上面は処理面であるパターン面であり、下面が非パターン面になるように支持部材4300に安着されることができる。
【0080】
加熱部材4400はハウジング4100の内部を加熱する。加熱部材4400は第2工程チャンバ4000内部に供給された超臨界流体を臨界温度以上に加熱して超臨界流体上に維持するか、または液化された場合に再び超臨界流体になるようにできる。加熱部材4400はハウジング4100の壁内に埋設されて設置されることができる。このような加熱部材4400は、例えば、外部から電源を受けて熱を発生させるヒーターで提供されることができる。
【0081】
流体供給ユニット4500はハウジング4100の処理空間4130に処理流体を供給する。一例によれば、処理流体は超臨界状態で処理空間4130に供給されることができる。これと異なり、処理流体はガス状態で処理空間4130に供給され、処理空間4130内で超臨界状態で相変化されることができる。以下では便宜上処理流体を超臨界流体で定義する。
【0082】
一例によれば、流体供給ユニット4500は第1注入ライン4510、第2注入ライン4520、そして、カバープレート4530を含むことができる。
【0083】
図10a及び
図10bは、カバープレートを見せてくれる斜視図である。
【0084】
図5、
図10a、
図10bを参照すれば、カバープレート4530は支持部材4300に支持された基板の処理面と対向されるように提供されることができる。カバープレート4530は円形の板形状で提供されることができる。カバープレートの半径は基板(S)と類似であるか、さらに大きく提供されることができる。カバープレート4530は基板の処理面に超臨界流体を供給する供給ホール4532を有する。カバープレート4530は半径が基板と類似であるか、またはさらに大きく提供されることができる。供給ホール4532は処理面の中央と対向される位置に形成されることができる。カバープレート4530は第1注入ライン4510を通じて供給される超臨界流体が基板(S)の処理面に直接的に噴射されることを防止することができる。
【0085】
再び
図5及び
図6を参照すれば、第1注入ライン4510と第2注入ライン4520は第2工程チャンバ4000の処理空間4130に超臨界流体を供給する。第1注入ライン4510と第2注入ライン4520それぞれは、超臨界流体を供給する供給ライン4550に連結されることができる。この時、供給ライン4550には超臨界流体の流量を調節するバルブが設置されることができる。
【0086】
第1注入ライン4510はカバープレート4530の上面と対向される上体4110の上面にカバープレート4530の上面に向けて超臨界流体を供給する。第1注入ライン4510は第2注入ライン4520周辺に放射状を配置されることができる。第2注入ライン4520は供給ホール4532に超臨界流体を供給する。一例によれば、第1注入ライン4510は上体4110に結合される。第2注入ライン4520は上体4110を貫通してカバープレート4530の供給ホール4532に連結されることができる。
【0087】
第2注入ライン4520は基板(S)の中央領域に超臨界流体を噴射することができる。第2注入ライン4520が連結される供給ホール4532は支持部材4300によって支持される基板(S)の中央から鉛直上方に位置することができる。これによって第2注入ライン4520から噴射される超臨界流体は基板(S)の中央領域に到逹して縁領域に広がりながら基板(S)の全領域に均一に提供されることができる。
【0088】
制御部4900は流体供給ユニット4500を制御する。制御部4900は処理空間4130の圧力が目的圧力に到逹する前までは第1注入ライン4510を通じて超臨界流体を供給し、処理空間4130の圧力が目的圧力に到逹した以後には第2注入ライン4520を通じて超臨界流体を供給するように流体供給ユニット4500を制御することができる。ハウジング4100内には圧力センサー4920が設置される。圧力センサー4920で測定されたデータは制御部4900に提供されることができる。
【0089】
制御部4900は先ず第1注入ライン4510を通じて超臨界流体を供給し、後で第2注入ライン4520に超臨界流体を供給できるように流体供給ユニット4500を制御する。超臨界乾燥工程は初期に第2工程チャンバ4000の内部が臨界圧力に達していない状態で進行されることができるために、第2工程チャンバ4000の内部に供給される超臨界流体は液化されることができる。よって、超臨界乾燥工程の初期に第2注入ライン4520に超臨界流体が供給される場合には超臨界流体が液化されて重力によって基板(S)の処理面に落下して基板(S)を損傷させることができる。よって、第1注入ライン4510を通じてカバープレート4530と上体4110との間の空間に超臨界流体が供給されるようにし、第2工程チャンバ4000の内部圧力が臨界圧力に到逹すれば、第2注入ライン4520を通じて直接的に基板の処理面に超臨界流体の供給を始めて、供給される超臨界流体が液化されて基板(S)に落下することを防止することができる。
【0090】
また、超臨界乾燥工程の初期に第1注入ライン4510を通じて超臨界流体が供給される場合には、ハウジング4100の内部気圧が低い状態であるので、供給される超臨界流体が早い速度で噴射されることができる。このように早い速度で噴射される超臨界流体が基板の処理面に直接的に到逹するようになれば、超臨界流体の物理的な圧力によって超臨界流体が基板(S)のうちで直接噴射される部分が撓めてリーニング現象が発生することがある。また、超臨界流体の噴射力によって基板(S)が搖れて基板(S)に残留する有機溶剤が流れて基板(S)の回路パターンに損傷が発生することもある。よって、第1注入ライン4510と基板との間に配置されたカバープレート4530は超臨界流体が基板(S)に直接噴射されることを遮断して超臨界流体の物理的力によって基板(S)に損傷が発生することを防止することができる。
【0091】
排気ポート4600は第2工程チャンバ4000から超臨界流体を排気する。排気ポート4600は超臨界流体を排気する排気ライン4650に連結されることができる。この時、排気ポート4600には排気ライン4650に排気する超臨界流体の流量を調節するバルブが設置されることができる。排気ライン4650を通じて排気される超臨界流体は大気中に放出されるか、または超臨界流体を再生する超臨界流体再生システム(図示せず)に供給されることができる。
【0092】
排気ポート4600はハウジング4100の下部壁に形成されることができる。超臨界乾燥工程の後期には第2工程チャンバ4000から超臨界流体が排気され、その内部圧力が臨界圧力以下に強圧されて超臨界流体が液化されることができる。液化された超臨界流体は重力によってハウジング4100の下部壁に形成された排気ポート4600を通じて排出されることができる。
【0093】
以上では、本発明による基板処理装置100が基板(S)に超臨界流体を供給して基板を処理することで説明したが、本発明による基板処理装置100が必ずこのような超臨界工程を遂行することで限定されるものではない。よって、基板処理装置100の第2工程チャンバ4000は供給ポート4500に超臨界流体を代わりに他の工程流体を供給して基板(S)を処理することもできるであろう。このような場合には、工程流体で超臨界流体の代わりに有機溶剤やその他の多様な成分のガス、プラズマガス、不活性ガスなどが使用されることができるであろう。
【0094】
一方、制御部4900は基板処理装置100の構成要素を制御することができる。例えば、制御部4900は加熱部材4400を制御してハウジング4100の内部温度を調節することができる。他の例を挙げると、制御部4900はノーズル部材2320、供給ライン4550や排気ライン4650に設置されたバルブを制御して薬剤や超臨界流体の流量を調節することができる。このような制御部4900はハードウェア、ソフトウェアまたは、これらの組合を利用してコンピューターまたはこれと類似な装置で具現されることができる。
【0095】
ハードウェア的に制御部4900は、ASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ(processors)、マイクロコントローラ(micro-controllers)、マイクロプロセッサー(microprocessors)やこれらと類似な制御機能を遂行する電気的な装置で具現されることができる。
【0096】
また、ソフトウェア的に制御部は一つ以上のプログラム言語で書かれたソフトウェアコードまたはソフトウェアアプリケーションによって具現されることができる。ソフトウェアはハードウェア的に具現された制御部によって実行されることができる。また、ソフトウェアはサーバーなどの外部機器から上述したハードウェア的な構成に送信されることで設置されることができる。
【0097】
以下では、本発明による基板処理方法に関して上述した基板処理装置100を利用して説明する。但し、これは説明の容易のためのことに過ぎないので、基板処理方法は上述した基板処理装置100以外にもこれと同一または類似な他の装置を利用して遂行されることができる。また、本発明による基板処理方法は、これを遂行するコードまたはプログラムの形態でコンピューター判読可能記録媒体に保存されることができる。
【0098】
図8は、第2工程チャンバでの基板処理方法を説明するためのフローチャートである。
【0099】
図7a乃至
図8を参照すれば、基板処理方法はハウジングの処理空間に基板を搬入して支持部材に安着させる段階(S100)と、処理空間に超臨界流体を供給する段階(S200)と、処理空間から超臨界流体を排気する段階(S300)と、及びハウジングから基板を搬出する段階(S400)を含む。ここで、超臨界流体を供給する段階(S200)は第1注入ラインを通じて超臨界流体を供給する1次注入段階(S210)、処理空間4130の圧力が目的圧力に到逹したかを比べる段階(S220)そして、基板の中央領域で処理流体が提供されるように第2注入ライン4520を通じて処理流体を供給する2次注入段階(S230)を含むことができる。
【0100】
超臨界流体供給段階(S200)で、流体供給ユニット4500は先ず第1注入ライン4510で超臨界流体を供給することができる。以後、第2注入ライン4520が超臨界流体を供給することができる。超臨界乾燥工程は初期に第2工程チャンバ4000の内部が臨界圧力に達していない状態で進行されることができる。第2工程チャンバ4000内部が臨界圧力未達時内部に供給される超臨界流体は液化されることができる。超臨界流体が液化されれば、重力によって基板(S)に落下して基板(S)を損傷させることができる。よって、第1注入ライン4510で先ず超臨界流体を供給する。第1注入ライン4510に通じて供給される超臨界流体はカバープレート4530の上面に隔てられて基板(S)の処理面と直接接触が遮られる。超臨界流体はカバープレート4530と上体4110の上面との間空間で処理空間外郭(基板の外郭領域)に移動するようになる。すなわち、カバープレート4530は第1注入ライン4510に供給される超臨界流体が基板(S)の処理面に直接噴射されることを防止する。
【0101】
第1注入ライン4510を通じた超臨界流体の供給は処理空間の圧力が目的圧力に到逹するまでなされる。処理空間の圧力が目的圧力(臨界圧力)に到達されれば(S220)、制御部4900は第1注入ライン4510を通じた超臨界流体の供給を中断し、第2注入ライン4520を通じて超臨界流体を供給する。第2注入ライン4520を通じて供給される超臨界流体はカバープレート4530の供給ホール4532を通じて基板上部の中央領域に噴射され、カバープレート4530と基板(S)の処理面との間の空間は超臨界流体で満たされるようになる。このように、第1注入ライン4510で第2注入ライン4520より先に超臨界流体を供給して超臨界流体が液化されて基板(S)に落下することを防止することができる。
【0102】
【0103】
図9を参照すれば、変形例による第2工程チャンバ4000はハウジング4100、支持部材4300a、加熱部材4400、流体供給ユニット4500及び流体排気ユニット4600を含み、これらは
図5に示された第2工程構成らと概して類似な構成と機能で提供されるので、以下では本実施例との差異を主として変形例を説明することにする。
【0104】
本変形例で、支持部材4300aはカバープレート4530に設置されて基板(S)を支持することができる。この場合、支持部材4300aは基板をぶら下げて支持する形態であることができる。支持部材4300aはカバープレート4530の底面から鉛直上方に延長され、その上端から水平方向に折曲される形態で提供されることができる。また他の例で、支持部材4300aはハウジング4100の両側側壁で突き出されるスロット形態で提供されることができる。
【0105】
支持部材4300aは基板(S)の縁領域を支持することができる。例えば、支持部材4300aにはその内部に基板(S)と同一または類似な形状で基板(S)の面積より小さなホールが形成されたプレートの形状で提供されることができる。または、支持部材4300aは基板(S)の縁領域のみを支持するスロットタイプで提供されることができる。このような形態の支持部材4300aに安着された基板(S)はその上面及び下面の大部分の領域が露出される。よって、第2工程チャンバ4000で超臨界乾燥工程が進行されるうちに基板(S)はその全領域が超臨界流体に露出されて乾燥されることがある。
【0106】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したことに過ぎないものであり、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者なら本発明の本質的な特性から脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能であろう。よって、本発明に開示された実施例らは本発明の技術思想を限定するためではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は下の請求範囲によって解釈されなければならないし、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれることで解釈されなければならないであろう。
【符号の説明】
【0107】
100 基板処理装置
1000 インデックスモジュール
1100 ロードポート
1200 移送フレーム
1210 インデックスロボット
1220 インデックスレール
2000 工程モジュール
2100 バッファーチャンバ
2200 移送チャンバ
2210 移送ロボット
2220 移送レール
3000 第1工程チャンバ
3100 支持部材
3110 支持プレート
3111 支持ピン
3112 チャックピン
3120 回転軸
3130 回転駆動機
3200 ノーズル部材
3210 ノーズル
3220 ノーズルバー
3230 ノーズル軸
3240 ノーズル軸駆動機
3300 回収部材
3310 回収桶
3311 回収口
3320 回収ライン
3330 昇降バー
3340 昇降駆動機
4000 第2工程チャンバ
4100 ハウジング
4110 開口
4150 ドア
4151 溝
4200 加圧部材
4210 加圧シリンダー
4220 加圧ロード
4230 加圧板
4300 支持部材
4400 加熱部材
4500 供給ポート
4550 供給ライン
4510 上部供給ポート
4520 下部供給ポート
4600 排気ポート
4650 排気ライン
4700 ドア駆動機
【手続補正書】
【提出日】2023-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に超臨界処理工程が遂行される処理空間が形成される高圧チャンバと、
前記処理空間で基板を支持する基板支持ユニットと、
前記処理空間に処理流体を供給する流体供給ユニットと、及び
前記処理空間の雰囲気を排気する排気ユニットを含み、
前記流体供給ユニットは、
前記基板支持ユニットに支持された基板の処理面と対向され、前記処理面に処理流体を供給する供給ホールが形成されたカバープレートを含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記カバープレートは半径が基板と類似であるか、またはさらに大きく提供されることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記供給ホールは前記処理面の中央と対向されることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記流体供給ユニットは、
前記カバープレートの上面と対向される前記高圧チャンバの上面に前記カバープレートの上面に向けて処理流体を供給する第1注入ラインと、及び
前記供給ホールに処理流体を供給する第2注入ラインを含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記流体供給ユニットを制御する制御部をさらに含み、
前記制御部は、
前記処理空間の圧力が目的圧力に到逹する前までは前記第1注入ラインを通じて処理流体を供給し、前記処理空間の圧力が目的圧力に到逹した以後には前記第2注入ラインを通じて処理流体を供給するように前記流体供給ユニットを制御することを特徴とする請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第1注入ラインは前記第2注入ラインを基準に放射状に複数個が配置されることを特徴とする請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項7】
内部に超臨界処理工程が遂行される処理空間が形成される高圧チャンバと、
前記処理空間で基板を支持する基板支持ユニットと、
前記処理空間に処理流体を供給する流体供給ユニットと、及び
前記処理空間の雰囲気を排気する排気ユニットを含み、
前記流体供給ユニットは
前記高圧チャンバの上面に提供される第1、2注入ラインと、及び
前記高圧チャンバの上面と前記基板支持ユニットとの間に配置され、前記第1注入ラインから供給される処理流体が基板の処理面を向けて一方向に直接噴射されることを遮断する、そして、前記第2注入ラインと連結されて基板の処理面に直接処理流体を供給することができる供給ホールを有するカバープレートを含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
前記流体供給ユニットを制御する制御部をさらに含み、
前記制御部は、
前記処理空間の圧力が目的圧力に到逹する前までは前記第1注入ラインを通じて処理流体を供給し、前記処理空間の圧力が目的圧力に到逹した以後には前記第2注入ラインを通じて処理流体を供給するように前記流体供給ユニットを制御することを特徴とする請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記目的圧力は、
処理流体の臨界圧力であることを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記カバープレートは半径が基板と類似であるか、またはさらに大きく提供されることを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記供給ホールは前記処理面の中央と対向されることを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項12】
基板を処理する装置において、
チャンバの処理空間で基板を支持する基板支持ユニットと、
貫通孔が形成され、基板の処理面と対向されるように配置されるプレートと、
前記処理空間に処理流体を供給する流体供給ユニットを含み、
前記流体供給ユニットは、
前記プレートの上面に処理流体を供給する第1注入ラインと、及び前記プレートの前記貫通孔に処理流体を供給する第2注入ラインを含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項13】
前記流体供給ユニットを制御する制御部をさらに含み、
前記制御部は、
処理流体の初期注入口間で基板に処理流体が直接接触することを防止するために前記第1注入ラインを通じて処理流体が先ず供給されるように制御することを特徴とする請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記流体供給ユニットは、
処理流体を前記第1注入ラインを通じて前記基板の縁方向に先ず供給し、前記処理空間の圧力が目的圧力に到達されれば、前記第2注入ラインを通じて基板上面に直接供給することを特徴とする請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記処理空間の圧力を検出する検出器をさらに含み、
前記制御部は前記検出器から提供を受けた前記処理空間の圧力値によって前記第1注入ラインと前記第2注入ラインの処理流体供給を制御することを特徴とする請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記制御部は、
前記処理空間の内部圧力が臨界圧力に到逹すれば、前記第2注入ラインを通じて処理流体を供給することを特徴とする請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項17】
チャンバの処理空間に基板を搬入して基板支持ユニットに安着させる段階と、
前記処理空間に処理流体を供給する段階と、
前記処理空間から処理流体を排気する段階と、及び
前記チャンバから前記基板を搬出する段階と、を含み、
前記処理流体を供給する段階は、
前記チャンバの上面に形成された第1注入ラインを通じて
前記基板の縁領域から処理流体が提供されるように第1注入ラインを通じて処理流体を供給する1次注入段階と、及び
前記基板の中央領域に処理流体が提供されるように第2注入ラインを通じて処理流体を供給する2次注入段階と、を含むことを特徴とする基板処理方法。
【請求項18】
前記1次注入段階で、
前記第1注入ラインは前記基板の処理面と対向されるように配置されたカバープレートの上面に向けて供給され、
前記2次注入段階で、
前記第2注入ラインは前記カバープレートに形成された供給ホールを通じて前記基板の中央領域に処理流体を供給することを特徴とする請求項17に記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記1次注入段階は、
前記処理空間の圧力が目的圧力に到逹する前まで遂行し、
前記2次注入段階は、
前記処理空間の圧力が目的圧力に到逹した以後から遂行することを特徴とする請求項18に記載の基板処理方法。
【請求項20】
前記目的圧力は、
処理流体の臨界圧力であることを特徴とする請求項19に記載の基板処理方法。