(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177770
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/101 20230101AFI20231207BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231207BHJP
【FI】
G06Q10/10 300
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090623
(22)【出願日】2022-06-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】505024431
【氏名又は名称】株式会社ブイキューブ
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】内藤 高史
(72)【発明者】
【氏名】平井 建丸
(72)【発明者】
【氏名】添田 悠生
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA12
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】現場にいる人と現場にいない人とが連携して記録画像を作成できるようにする。
【解決手段】情報処理装置1は、ネットワークNを介して接続された現場端末2から工事現場の撮像画像データを受信する画像データ受信部131と、現場端末2又は管理端末3から指示データを取得するデータ取得部132と、電子小黒板画像を作成する指示を含む指示データをデータ取得部132が取得した場合に、撮像画像データに重ねられる電子小黒板画像データを作成し、現場端末2及び管理端末3に電子小黒板画像データを送信することにより、撮像画像データ及び電子小黒板画像データを含む記録画像データに基づく記録画像を現場端末2及び管理端末3に表示させる表示処理部133と、を有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された現場端末から工事現場の撮像画像データを受信する画像データ受信部と、
前記現場端末、又は前記工事現場と異なる場所にいる管理者が使用する管理端末から指示データを取得するデータ取得部と、
電子小黒板画像を作成する指示を含む前記指示データを前記データ取得部が取得した場合に、前記撮像画像データに重ねられる電子小黒板画像データを作成し、前記現場端末及び前記管理端末に前記電子小黒板画像データを送信することにより、前記撮像画像データ及び前記電子小黒板画像データを含む記録画像データに基づく記録画像を前記現場端末及び前記管理端末に表示させる表示処理部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記表示処理部は、前記指示データが示す、前記電子小黒板画像データを表示する位置、前記電子小黒板画像データの大きさ、又は前記電子小黒板画像データの種類に基づく態様で前記撮像画像データに前記電子小黒板画像データを重ねた前記記録画像データを前記管理端末に送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示処理部は、前記記録画像データを記録する指示を含む前記指示データを前記データ取得部が取得した時点で前記管理端末に表示されている前記記録画像データを記憶部に記憶させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記データ取得部は、前記現場端末又は前記管理端末から前記電子小黒板画像に記載する文字を示す文字データを含む前記指示データを取得し、
前記表示処理部は、前記データ取得部が取得した前記文字データに基づく文字を含む前記電子小黒板画像データを作成する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
複数の前記電子小黒板画像データを記憶する記憶部をさらに有し、
前記データ取得部は、前記複数の電子小黒板画像データから、前記記録画像データの作成に用いる電子小黒板画像データを選択するための前記指示データを取得し、
前記表示処理部は、当該指示データにより特定される前記電子小黒板画像データを前記現場端末及び前記管理端末に送信する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記録画像データを作成する条件を記憶する記憶部をさらに有し、
前記表示処理部は、前記撮像画像データが前記条件を満たす画像を含んでいる場合に前記記録画像データを前記現場端末及び前記管理端末に表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記記録画像データを作成する対象となる工程の名称を記憶する記憶部をさらに有し、
前記表示処理部は、前記撮像画像データが前記工程の名称に対応する画像を含んでいる場合に、前記工程の名称に対応する文字を含む前記電子小黒板画像データを含む前記記録画像データを前記現場端末及び前記管理端末に表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示処理部は、前記電子小黒板画像データと、前記記録画像データにおいて前記電子小黒板画像データを重ねた位置を示す位置データとを前記現場端末に送信することにより、前記記録画像データと同じ位置に前記電子小黒板画像データが重ねられた前記撮像画像データを前記現場端末に表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する、
ネットワークを介して接続された現場端末から工事現場の撮像画像データを受信するステップと、
前記現場端末、又は前記工事現場と異なる場所にいる管理者が使用する管理端末から指示データを取得するステップと、
電子小黒板画像を作成する指示を含む前記指示データを取得した場合に、前記撮像画像データに重ねられる電子小黒板画像データを作成するステップと、
前記現場端末及び前記管理端末に前記電子小黒板画像データを送信することにより、前記撮像画像データ及び前記電子小黒板画像データを含む記録画像データに基づく記録画像を前記現場端末及び前記管理端末に表示させるステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
ネットワークを介して接続された現場端末から工事現場の撮像画像データを受信するステップと、
前記現場端末、又は前記工事現場と異なる場所にいる管理者が使用する管理端末から指示データを取得するステップと、
電子小黒板画像を作成する指示を含む前記指示データを取得した場合に、前記撮像画像データに重ねられる電子小黒板画像データを作成するステップと、
前記現場端末及び前記管理端末に前記電子小黒板画像データを送信することにより、前記撮像画像データ及び前記電子小黒板画像データを含む記録画像データに基づく記録画像を前記現場端末及び前記管理端末に表示させるステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末に画像を表示させるための情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施工現場において撮影された画像に、施工に関する情報が記載された電子小黒板の画像が重ねられた記録画像データを作成するシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシステムにおいては、電子小黒板が重ねられた画像を施工現場の人以外の人が確認することができなかったので、現場にいる人と現場にいない関係者(例えば管理部門の人)が連携して記録画像を作成することができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、現場にいる人と現場にいない人とが連携して記録画像を作成できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、ネットワークを介して接続された現場端末から工事現場の撮像画像データを受信する画像データ受信部と、前記現場端末、又は前記工事現場と異なる場所にいる管理者が使用する管理端末から指示データを取得するデータ取得部と、電子小黒板画像を作成する指示を含む前記指示データを前記データ取得部が取得した場合に、前記撮像画像データに重ねられる電子小黒板画像データを作成し、前記現場端末及び前記管理端末に前記電子小黒板画像データを送信することにより、前記撮像画像データ及び前記電子小黒板画像データを含む記録画像データに基づく記録画像を前記現場端末及び前記管理端末に表示させる表示処理部と、を有する。
【0007】
前記表示処理部は、前記指示データが示す、前記電子小黒板画像データを表示する位置、前記電子小黒板画像データの大きさ、又は前記電子小黒板画像データの種類に基づく態様で前記撮像画像データに前記電子小黒板画像データを重ねた前記記録画像データを前記管理端末に送信してもよい。
【0008】
前記表示処理部は、前記記録画像データを記録する指示を含む前記指示データを前記データ取得部が取得した時点で前記管理端末に表示されている前記記録画像データを記憶部に記憶させてもよい。
【0009】
前記データ取得部は、前記現場端末又は前記管理端末から前記電子小黒板画像に記載する文字を示す文字データを含む前記指示データを取得し、前記表示処理部は、前記データ取得部が取得した前記文字データに基づく文字を含む前記電子小黒板画像データを作成してもよい。
【0010】
前記情報処理装置は、複数の前記電子小黒板画像データを記憶する記憶部をさらに有し、前記データ取得部は、前記複数の電子小黒板画像データから、前記記録画像データの作成に用いる電子小黒板画像データを選択するための前記指示データを取得し、前記表示処理部は、当該指示データにより特定される前記電子小黒板画像データを前記現場端末及び前記管理端末に送信してもよい。
【0011】
前記情報処理装置は、前記記録画像データを作成する条件を記憶する記憶部をさらに有し、前記表示処理部は、前記撮像画像データが前記条件を満たす画像を含んでいる場合に前記記録画像データを前記現場端末及び前記管理端末に表示させてもよい。
【0012】
前記情報処理装置は、前記記録画像データを作成する対象となる工程の名称を記憶する記憶部をさらに有し、前記表示処理部は、前記撮像画像データが前記工程の名称に対応する画像を含んでいる場合に、前記工程の名称に対応する文字を含む前記電子小黒板画像データを含む前記記録画像データを前記現場端末及び前記管理端末に表示させてもよい。
【0013】
前記表示処理部は、前記電子小黒板画像データと、前記記録画像データにおいて前記電子小黒板画像データを重ねた位置を示す位置データとを前記現場端末に送信することにより、前記記録画像データと同じ位置に前記電子小黒板画像データが重ねられた前記撮像画像データを前記現場端末に表示させてもよい。
【0014】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、コンピュータが実行する、ネットワークを介して接続された現場端末から工事現場の撮像画像データを受信するステップと、前記現場端末、又は前記工事現場と異なる場所にいる管理者が使用する管理端末から指示データを取得するステップと、電子小黒板画像を作成する指示を含む前記指示データを取得した場合に、前記撮像画像データに重ねられる電子小黒板画像データを作成するステップと、前記現場端末及び前記管理端末に前記電子小黒板画像データを送信することにより、前記撮像画像データ及び前記電子小黒板画像データを含む記録画像データに基づく記録画像を前記現場端末及び前記管理端末に表示させるステップと、を有する。
【0015】
本発明の第3の態様のプログラムは、コンピュータに、ネットワークを介して接続された現場端末から工事現場の撮像画像データを受信するステップと、前記現場端末、又は前記工事現場と異なる場所にいる管理者が使用する管理端末から指示データを取得するステップと、電子小黒板画像を作成する指示を含む前記指示データを取得した場合に、前記撮像画像データに重ねられる電子小黒板画像データを作成するステップと、前記現場端末及び前記管理端末に前記電子小黒板画像データを送信することにより、前記撮像画像データ及び前記電子小黒板画像データを含む記録画像データに基づく記録画像を前記現場端末及び前記管理端末に表示させるステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、現場にいる人と現場にいない人とが連携して記録画像を作成できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】情報処理システムSの概要を説明するための図である。
【
図2】電子小黒板画像について説明するための図である。
【
図6】文字入力画面について説明するための図である。
【
図8】情報処理システムSにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を説明するための図である。情報処理システムSは、工事の記録として残される記録画像データを作成するために用いられる。記録画像データは、工事現場が撮影されて作成された撮像画像データと、工事の説明が記載された電子小黒板の画像データとを含んでおり、役所に提出する工事写真を含む書面を作成するために用いられる。
【0019】
図1に示す情報処理システムSは、情報処理装置1と、現場端末2と、管理端末3と、を備える。情報処理装置1は、ネットワークN(例えばインターネット)を介して現場端末2及び管理端末3とデータを送受信できるコンピュータである。情報処理装置1は、例えば、工事を施工する企業が管理するサーバ、又は工事記録画像データの作成を支援するサービスを提供する企業が管理するサーバである。
【0020】
現場端末2は、工事現場の作業者Tが使用する情報端末であり、例えばタブレット、眼鏡型端末、ゴーグル型端末又はスマートフォンである。現場端末2は、例えば無線通信回線W及びネットワークNを介して情報処理装置1との間でデータを送受信する。
【0021】
管理端末3は、工事現場と異なる場所にいる工事の管理者Uが使用する情報端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、眼鏡型端末、ゴーグル型端末又はスマートフォンである。管理端末3は、ネットワークNを介して情報処理装置1との間でデータを送受信する。本実施の形態においては、管理者Uが管理端末3を使用する場合を例示するが、管理端末3の使用者は任意である。
【0022】
以下、現場端末2及び管理端末3に記録画像が表示されるまでの手順の概要を説明する。作業者Tが現場端末2を用いて工事現場を撮影すると、現場端末2は撮像画像データを作成し、作成した撮像画像データを情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、受信した撮像画像データを管理端末3に送信することにより、作業者T及び管理者Uが同じ撮像画像を見えるようにする。
【0023】
情報処理装置1は、作業者T又は管理者Uの操作により、現場端末2又は管理端末3から電子小黒板画像を表示するための指示を受信すると、作業者T又は管理者Uにより内容が入力された電子小黒板画像データを撮像画像データに重ねることにより、記録画像データを作成する。情報処理装置1は、記録画像データを現場端末2及び管理端末3に送信することにより、現場端末2及び管理端末3が記録画像を表示することができる。
【0024】
[記録画像作成手順の概要]
図2は、電子小黒板画像について説明するための図である。
図2(a)は、現場端末2が作成した撮像画像が表示された画面の一例を示している。
図2(a)には、「黒板を表示」というボタンが表示されている。
図2(b)には、「黒板メニューを表示」というボタンと「登録」というボタンが表示されている。
【0025】
このようなボタンの画像を表示する方法は任意である。情報処理装置1が、このようなボタンの画像データを現場端末2及び管理端末3に送信し、現場端末2及び管理端末3が有するプロセッサが、ボタンの画像データをディスプレイに表示させてもよく、現場端末2及び管理端末3が有するプロセッサが、予めメモリに記憶したボタンの画像データをディスプレイに表示させてもよい。
【0026】
作業者T又は管理者Uが「黒板を表示」というボタンを選択すると、
図2(b)に示すように、撮像画像に電子小黒板画像が重ねて表示された暫定的な記録画像が表示される。「黒板メニューを表示」というボタンは、電子小黒板画像の態様を設定するために用いられるボタンである。作業者T又は管理者Uが当該ボタンを選択すると、電子小黒板画像の態様を設定するための黒板設定画面が表示される。
【0027】
図3は、黒板設定画面の一例を示す図である。黒板設定画面においては、電子小黒板画像の表示位置を変更するための「表示位置変更」ボタン、電子小黒板画像のサイズを変更するための「サイズ変更」ボタン、及び電子小黒板画像の種類を変更するための「種類変更」ボタンが表示されている。作業者T又は管理者Uが「表示位置変更」ボタンを押すと、表示されている電子小黒板画像の位置を作業者T又は管理者Uが移動させることができる。作業者T又は管理者Uが「サイズ変更」ボタンを押すと、電子小黒板画像のサイズを変更するためのサイズ変更画面が表示される。
【0028】
図4は、サイズ変更画面の一例を示す図である。
図4には、「1」から「6」までの数字が書かれたサイズボタンが表示されている。
図4においては、「3」に対応するサイズボタンが太線で表示されており、表示されている電子小黒板画像が「3」のサイズに対応していることを示している。作業者T又は管理者Uが他の数字のボタンを押すと、数字に対応するサイズの電子小黒板画像が表示される。作業者T又は管理者Uが「戻る」ボタンを押すと、
図3に示した黒板設定画面に戻る。
【0029】
黒板設定画面において作業者T又は管理者Uが「種類変更」ボタンを押すと、電子小黒板画像の種類を変更するための種類変更画面が表示される。情報処理装置1は、電子小黒板に含まれる項目名、項目数又はレイアウトの少なくともいずれかが異なる複数の種類の電子小黒板画像を記憶しており、作業者T又は管理者Uは、所望の電子小黒板画像を選択することができる。情報処理装置1は、予め記入された工事名、工種、測点、説明文の内容が異なる複数の種類の電子小黒板画像を記憶していてもよい。
【0030】
図5は、種類変更画面の一例を示す図である。種類変更画面においては、予め登録された複数の種類の電子小黒板画像のサムネイル画像が表示され、それぞれの電子小黒板画像の名前が表示されている。名前には、予め記入された工事名、工種、測点、説明文の内容を特定するための文字が含まれていてもよい。
【0031】
作業者T又は管理者Uは、種類変更画面において操作することにより、所望の電子小黒板画像を選択できる。
図5に示す例においては、電子小黒板画像の種類が10種類あり、作業者T又は管理者Uは、「前へ」又は「後へ」を押すことで、表示されていない種類の電子小黒板画像を見ることができる。また、作業者T又は管理者Uが「最新黒板」ボタンを押すと、最も直近に登録された電子小黒板画像が表示される。作業者T又は管理者Uが「戻る」ボタンを押すと、
図3に示した黒板設定画面に戻る。
【0032】
図3の黒板設定画面で作業者T又は管理者Uが「戻る」ボタンを押すと、
図2(b)の画面に戻る。この画面において、作業者T又は管理者Uが電子小黒板画像を選択すると、電子小黒板に文字を記入するための文字入力画面が表示される。
【0033】
図6は、文字入力画面について説明するための図である。
図6(a)は、文字を入力するための画面であり、作業者T又は管理者Uは、現場端末2又は管理端末3が有する文字を入力するためのユーザインターフェースを介して所望の文字を入力することができる。文字を入力するためのユーザインターフェースは、例えばキーボード、タッチパネル又は音声入力用マイクロホンである。現場端末2が眼鏡型端末である場合、現場端末2が有するマイクロホンに向かって作業者Tが単語又は文を声で発すると、現場端末2は、入力された単語又は文を音声認識処理により文字データに変換し、変換した文字データを情報処理装置1に送信する。
【0034】
作業者T又は管理者Uが文字を入力した後に「戻る」ボタンを押すと、
図6(b)の画面に遷移する。この画面において作業者T又は管理者Uが「登録」ボタンを押すと、
図6(c)に示す記録画像データが情報処理装置1に記憶される。
【0035】
以上のように作業者T又は管理者Uが記録画像データを作成する作業を行っている間、情報処理装置1は、同じ画面が現場端末2及び管理端末3に表示されるように電子小黒板画像データ、又は電子小黒板画像データを含む記録画像データを現場端末2及び管理端末3に送信する。また、この間に、情報処理装置1は、現場端末2から送信された音声データを管理端末3に送信し、管理端末3から送信された音声データを現場端末2に送信してもよい。情報処理装置1がこのように動作することで、作業者T及び管理者Uは、互いに会話をしながら、適切な撮像画像に、適切な位置・サイズ・種類の電子小黒板画像が重ねられた記録画像データを連携して作成することができる。
以下、情報処理装置1の構成及び動作を詳細に説明する。
【0036】
[情報処理装置1の構成]
図7は、情報処理装置1の構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。制御部13は、画像データ受信部131と、データ取得部132と、表示処理部133と、を有する。
【0037】
通信部11は、ネットワークNを介して現場端末2及び管理端末3との間でデータを送受信するための通信インターフェースを含む。通信部11は、現場端末2から受信した撮像画像データを画像データ受信部131に入力する。また、通信部11は、現場端末2又は管理端末3から受信した指示データをデータ取得部132に入力する。指示データは、電子小黒板画像を表示させるための指示、又は電子小黒板画像の表示位置、サイズ、若しくは種類等を設定するための指示等を含むデータである。
【0038】
また、通信部11は、現場端末2及び管理端末3に表示させるデータを送信する。通信部11は、例えば表示処理部133から入力される電子小黒板画像データ、又は撮像画像データに電子小黒板画像データが重ねられた記録画像データを現場端末2又は管理端末3に送信する。
【0039】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部12は、複数の種類の電子小黒板画像データを記憶している。さらに、記憶部12は、作成された記録画像データを記憶している。記憶部12は、記録画像データが作成された日時及び場所に関連付けて記録画像データを記憶してもよい。
【0040】
また、記憶部12は、記録画像データを作成する条件を記憶してもよい。記録画像データを作成する条件は、例えば、撮像画像に含まれているべき物体、撮像画像データが作成された日時、撮像画像データを作成した現場端末2の使用者等である。記憶部12は、記録画像データを作成する対象となる工程の名称を記憶してもよい。
【0041】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有する。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、画像データ受信部131、データ取得部132及び表示処理部133として機能する。
【0042】
画像データ受信部131は、通信部11を介して、ネットワークNを介して接続された現場端末2から工事現場の撮像画像データを受信する。画像データ受信部131は、受信した撮像画像データを表示処理部133に入力する。画像データ受信部131は、撮像画像データを記憶部12に記憶させてもよい。
【0043】
データ取得部132は、通信部11を介して、現場端末2及び管理端末3から指示データを取得する。具体的には、指示データは、
図2から
図6を参照しながら説明した、作業者T又は管理者Uが現場端末2又は管理端末3において行った操作の内容を示すデータである。
【0044】
より具体的には、指示データは、(1)電子小黒板画像データを表示する位置、電子小黒板画像データの大きさ、若しくは電子小黒板画像データの種類を示すデータ、(2)記録画像データを記録する指示を含むデータ、(3)電子小黒板画像に記載する文字を示す文字データを含むデータ、又は(4)複数の電子小黒板画像データから、記録画像データの作成に用いる電子小黒板画像データを選択するためのデータの少なくともいずれかである。データ取得部132は、受信した指示データを表示処理部133に入力する。
【0045】
表示処理部133は、撮像画像データに重ねられる電子小黒板画像データを作成する。表示処理部133は、通信部11を介して、作成した画像データを現場端末2及び管理端末3に送信することにより、撮像画像データ及び電子小黒板画像データを含む記録画像データに基づく記録画像を現場端末2及び管理端末3に表示させる。
【0046】
表示処理部133は、例えば、電子小黒板を作成する指示を含む指示データをデータ取得部132が取得した場合に、画像データ受信部131から取得した撮像画像データに電子小黒板画像データを重ねた記録画像データを作成する。表示処理部133は、複数の電子小黒板画像データから1つの電子小黒板画像データを選択するための指示データをデータ取得部132が取得した場合、当該指示データにより特定される電子小黒板画像データを含む記録画像データを作成する。
【0047】
表示処理部133は、作成した記録画像データを管理端末3に送信することにより、記録画像データに基づく記録画像を管理端末3に表示させる。表示処理部133は、現場端末2にも同じ記録画像データを送信することにより、記録画像データに基づく記録画像を現場端末2に表示させてもよい。
【0048】
表示処理部133は、記録画像データを作成する際に、データ取得部132が取得した指示データが示す、電子小黒板画像データを表示する位置、電子小黒板画像データの大きさ、又は電子小黒板画像データの種類に基づく態様で撮像画像データに電子小黒板画像データを重ねた記録画像データを現場端末2及び管理端末3に送信する。これにより、表示処理部133は、
図6(c)に示したように、作業者T又は管理者Uが指定した態様の電子小黒板画像が含まれる記録画像を現場端末2及び管理端末3に表示させることができる。
【0049】
表示処理部133は、記録画像を現場端末2又は管理端末3に表示させる際、データ取得部132が取得した文字データに基づく文字を含む電子小黒板画像データを含む記録画像データを作成する。表示処理部133は、データ取得部132が現場端末2及び管理端末3からほぼ同時に文字データを取得した場合、例えば、予め作業者T又は管理者Uにより設定された端末から取得された文字データを含む電子小黒板画像データを作成する。表示処理部133は、現場端末2及び管理端末3のうち、文字を入力する操作が先に行われた端末で入力された文字データを含む電子小黒板画像データを作成してもよい。
【0050】
文字の入力においては、作業者T又は管理者Uの一方が入力した文字を他方が訂正したいという場合がある。そこで、表示処理部133は、直近にデータ取得部132が取得した文字データに基づく文字を含む電子小黒板画像データを作成してもよい。この場合、表示処理部133は、例えば作業者Tが入力した文字を含む電子小黒板画像データを現場端末2及び管理端末3に送信した後に、入力された文字を管理者Uが修正する操作(例えば新たな文字の入力の操作)をした場合に、修正する操作をした後の文字を含む電子小黒板画像データを現場端末2及び管理端末3に送信する。このように表示処理部133が動作することで、作業者Tと管理者Uが連携して適切な記録画像データを作成することができる。
【0051】
また、表示処理部133は、記録画像データを記録する指示を含む指示データをデータ取得部132が取得した時点で管理端末3に表示されている記録画像データを記憶部12に記憶させてもよい。具体的には、表示処理部133は、
図6(b)に表示された画面において「登録」ボタンが押されたことを示す指示データをデータ取得部132が取得した場合に、
図6(b)に表示されている画面において操作を行うためのボタンを除去した状態の記録画像データ(すなわち、
図6(c)に示す記録画像データ)を記憶部12に記憶させる。この際、表示処理部133は、記憶させる記録画像データの名称を入力するための画面を現場端末2又は管理端末3に表示させ、入力された名称に関連付けて記録画像データを記憶部12に記憶させてもよい。
【0052】
ところで、不適切な撮像画像データを含む記録画像データが作成されてしまうと、記録画像データを作成し直す必要が生じてしまう。そこで、表示処理部133は、撮像画像データが、記憶部12に記憶された条件を満たす画像を含んでいる場合に記録画像データを作成してもよい。一例として、記憶部12に記憶された条件が「外壁の画像」である場合に、建物の外壁が含まれていない撮像画像が現場端末2及び管理端末3に表示されている時点で、電子小黒板画像データを作成するための操作が行われると、表示処理部133は「この撮像画像では記録画像データを作成できません」といった警告を現場端末2及び管理端末3に表示させる。表示処理部133は、例えば予め記憶部12に記憶された標準画像データ(例えば外壁の画像データ)と撮像画像とを比較することにより、記憶部12に記憶された条件を撮像画像が満たしているかどうかを判定することができる。
【0053】
記憶部12に記憶された条件が「日時」である場合に、当該日時の条件を満たさない日時に電子小黒板画像データを作成するための操作が行われると、表示処理部133は「この日時には記録画像データを作成できません」といった警告を現場端末2及び管理端末3に表示させる。記憶部12に記憶された条件が「現場端末2の使用者」である場合に、当該使用者以外の人が使用する現場端末2から電子小黒板画像データを作成するための指示データが取得されると、表示処理部133は「記録画像データの作成権限がありません」といった警告を現場端末2及び管理端末3に表示させる。このように表示処理部133が動作することで、所定の条件を満たす適切な記録画像データが作成される。
【0054】
表示処理部133は、撮像画像データが、記録画像データを作成する対象となる工程の名称に対応する画像を含んでいる場合に、工程の名称に対応する文字を含む電子小黒板画像データを含む記録画像データを作成してもよい。記憶部12には、工程の名称と工程に対応する標準的な画像データとが関連付けて記憶されており、表示処理部133は、当該画像データを参照することにより、撮像画像データが、記録画像データを作成する対象となる工程の名称に対応する画像を含んでいるか否かを判定することができる。
【0055】
一例として、記録画像データを作成する対象となる工程の名称として「外壁塗装工程」が含まれている場合、表示処理部133は、工程の名称に対応する外壁の画像が撮像画像データに含まれていることを検出したときは記録画像データを作成する。一方、表示処理部133は、撮像画像データに外壁の画像が含まれているとしても、記録画像データを作成する対象となる工程として「外壁塗装工程」が含まれていない場合には記録画像データを作成しない。
【0056】
表示処理部133は、撮像画像データを解析して、記録画像データを作成する対象となる工程に対応する物体の画像が含まれていることを検出した場合に、
図2(a)に示したように、電子小黒板画像を表示させる操作を行える画面を現場端末2又は管理端末3に表示させてもよい。表示処理部133がこのように動作することで、作業者T又は管理者Uが記録画像データの作成に慣れていない場合であっても、適切な撮像画像データを用いた記録画像データを作成することができる。
【0057】
表示処理部133は、撮像画像データに対応する工程の名称が工種の欄に記載された電子小黒板画像データを含む記録画像データを自動的に作成してもよい。また、表示処理部133は、撮像画像データを解析することにより、建物の撮影位置を特定し、特定した撮影位置に対応する文字(例えば撮影された建物の部位の名称)が測点の欄に記載された電子小黒板画像データを含む記録画像データを自動的に作成してもよい。表示処理部133がこのように動作することで、作業者T又は管理者Uが記録画像データの作成に要する時間を短縮することができる。
【0058】
[情報処理システムSにおける処理の流れ]
図8は、情報処理システムSにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
図8に示すシーケンス図においては、管理端末3を使用する管理者Uが電子小黒板画像の作成に関連する操作をする場合が例示されているが、管理端末3における動作の一部が現場端末2において行われてもよい。
【0059】
まず、作業者Tが工事現場において現場端末2を用いて撮影をすると、現場端末2は撮像画像データを作成し(S11)、作成した撮像画像データを情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、撮像画像データを管理端末3に送信することにより、管理端末3に撮像画像データを表示させる(S12)。管理端末3は、電子小黒板画像を作成するための指示データの入力をできる画面を表示し、指示データが入力されると(S13)、指示データを情報処理装置1に送信する。
【0060】
情報処理装置1は、管理端末3から受信した指示データに基づいて電子小黒板画像データを作成し、作成した電子小黒板画像データと撮像画像データとを含む記録画像データを作成する(S14)。情報処理装置1は、作成した記録画像データを現場端末2及び管理端末3に送信する。現場端末2及び管理端末3は、受信した記録画像データを表示する(S15、S16)。管理端末3において、表示された記録画像データを登録するための操作が行われると(S17においてYES)、管理端末3は登録のための指示データを情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、登録のための指示データを受信すると、その時点で現場端末2及び管理端末3に表示されていた記録画像データを記憶部12に保存する(S18)。
【0061】
[変形例]
以上の説明においては、表示処理部133が作成した記録画像データを現場端末2と管理端末3の両方に送信し、現場端末2及び管理端末3において同等の記録画像データを表示する場合を例示したが、表示処理部133は、電子小黒板画像データを現場端末2及び管理端末3に送信し、現場端末2及び管理端末3において、撮像画像データと電子小黒板画像データとを合成することにより記録画像データを作成してもよい。
【0062】
この場合、表示処理部133は、電子小黒板画像データと、記録画像データにおいて電子小黒板画像データを重ねた位置を示す位置データとを現場端末2に送信することにより、記録画像データと同じ位置に電子小黒板画像データが重ねられた撮像画像データを現場端末2に表示させる。表示処理部133は、同様に、電子小黒板画像データと位置データとを管理端末3に送信してもよい。表示処理部133は、現場端末2及び管理端末3のいずれか一方に、電子小黒板画像データと位置データを送信し、他方に記録画像データを送信してもよい。
【0063】
また、上記の説明においては現場端末2により工事現場が撮影され、現場端末2が撮像画像データを作成する場合を例示したが、現場端末2は、工事現場を撮影できる他のデバイスが作成した撮像画像データを取得して、取得した撮像画像データを情報処理装置1に送信してもよい。
【0064】
[情報処理システムSによる効果]
以上説明したように、画像データ受信部131は、現場端末2が作成した撮像画像データを取得し、電子小黒板を作成する指示を含む指示データをデータ取得部132が取得した場合に、表示処理部133は、撮像画像データに重ねられる電子小黒板画像データを作成し、現場端末2及び管理端末3に電子小黒板画像データを送信することにより、撮像画像データ及び電子小黒板画像データを含む記録画像データに基づく記録画像を現場端末2及び管理端末3に表示させる。情報処理装置1がこのように構成されていることで、現場端末2を利用する作業者Tと管理端末3を利用する管理者Uが、同じ撮像画像と電子小黒板画像を含む記録画像を見ることができるので、現場にいる人と現場にいない人とが連携して記録画像を作成できる。
【0065】
情報処理システムSにおいては、作業者Tと管理者Uが連携して電子小黒板画像データを含む記録画像データを作成することができるので、情報処理システムSは、作業者Tが電子小黒板画像の位置や大きさ等の設定をしたり、文字を入力したりする作業をしづらい工事現場に好適である。
【0066】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0067】
1 情報処理装置
2 現場端末
3 管理端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 画像データ受信部
132 データ取得部
133 表示処理部
N ネットワーク
S 情報処理システム