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特開2023-177796システム、画像形成装置、その制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177796
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】システム、画像形成装置、その制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20231207BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231207BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
G06F3/12 338
B41J29/38 206
G06F3/12 322
G06F3/12 378
H04N1/00 838
H04N1/00 127Z
H04N1/00 127B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090667
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】弁理士法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】羽田 学
(72)【発明者】
【氏名】久保田 勉
(72)【発明者】
【氏名】中下 綱人
(72)【発明者】
【氏名】田淵 英孝
(72)【発明者】
【氏名】越谷 元樹
(72)【発明者】
【氏名】小川 達也
(72)【発明者】
【氏名】福井 章智
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061HJ10
2C061HK05
2C061HN06
2C061HN15
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA14
5C062AA35
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC34
5C062AE15
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】
画像形成装置が出力する印刷物を自動配送装置を利用して受領するシステムにおいて、ユーザの状況・環境により認証作業の有無の設定をユーザが行える必要があった。
【解決手段】
認証情報を含む印刷ジョブを画像形成装置に送信する情報処理装置と、受信した前記印刷ジョブを実行し印刷物を出力する前記画像形成装置と、ロック機能を持つ印刷物格納部に前記印刷物を格納し配送する自動配送装置が互いにネットワークで接続されたシステムであって、前記情報処理装置は、前記認証情報に含まれる認証の要否の情報を設定する設定手段を有し、前記画像処理装置は、前記認証の要否の情報に基づき自動配送装置の印刷物格納部のロック機能を制御する制御手段を有することを特徴とする。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証情報を含む印刷ジョブを画像形成装置に送信する情報処理装置と、受信した前記印刷ジョブを実行し印刷物を出力する前記画像形成装置と、ロック機能を持つ印刷物格納部に前記印刷物を格納し配送する自動配送装置が互いにネットワークで接続されたシステムであって、
前記情報処理装置は、前記認証情報に含まれる認証の要否の情報を設定する設定手段を有し、
前記画像処理装置は、前記認証の要否の情報に基づき自動配送装置の印刷物格納部のロック機能を制御する制御手段を有する
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記認証情報は、認証コードをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記認証情報は、プリンタドライバの画面でユーザが設定することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記画像処理装置は、認証情報に基づき自動配送装置のロック機能のロック又はロック解除の制御することを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記自動配送装置は、配送先に到着した際、前記画像形成装置に対し、配送先に到達した旨の通知を行うことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記画像形成装置は、前記情報処理装置からポーリングされた時に、前記自動配送装置が配送先に到達した旨の通知を行うことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記画像形成装置は、前記自動配送装置から到着した旨の通知を受けた際、前記情報処理装置に対してプッシュ型情報通信でその旨を通知することを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記画像形成装置は、前記到達した旨の通知を受けた際、前記情報処理装置に認証コードの要求を通知する
ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記画像形成装置は、
前記印刷ジョブの前記認証情報を記憶し、前記要求に対して情報処理装置より受信した認証コードと、前記記憶している認証コードとを照合し、両者が合致した場合に、前記自動配送装置のロックを解除するよう制御する
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記画像形成装置に管理者はユーザに紐付けて認証方法を設定し、
前記情報処理装置は、ユーザの認証方法を前記画像形成装置から取得し、取得した認証方法に基づいて前記認証情報の設定手段を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
認証情報を含む印刷ジョブを画像形成装置に送信する情報処理装置と、ロック機能を持つ印刷物格納部に印刷物を格納し配送する自動配送装置とに、互いにネットワークで接続された画像形成装置であって、
前記情報処理装置から受信した前記印刷ジョブを実行し印刷物を出力手段と、
前記印刷ジョブに含まれる認証情報の認証の要否の情報に基づき前記自動配送装置の印刷物格納部のロック機能を制御する制御手段を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
認証情報を含む印刷ジョブを画像形成装置に送信する情報処理装置と、ロック機能を持つ印刷物格納部に印刷物を格納し配送する自動配送装置とに、互いにネットワークで接続された画像形成装置の制御方法であって、
前記情報処理装置から受信した前記印刷ジョブを実行し印刷物を出力工程と、
前記印刷ジョブに含まれる認証情報の認証の要否の情報に基づき前記自動配送装置の印刷物格納部のロック機能を制御する制御工程を有する
ことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
画像形成装置のコンピュータに、請求項12に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
画像形成装置で出力された印刷出力物をユーザに配送することのできるシステム、画像形成装置、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、スキャナ機能、複写機能、プリンタ機能、データ通信機能、およびサーバー機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)を持つ装置がある。ユーザは、コンピュータをはじめとする外部装置からの印刷出力ジョブを画像形成装置に出力して印刷指示を行った後、印刷出力物を取りに行く必要があり、ユーザには避けられない行為であった。一方で、工場においては予め決められたルートを辿って荷物を運搬する無人搬送車が利用されていた。また、自動運転機能を持った自動車の開発を端に、ある程度の地図情報を与えれば自分で学習して自立走行が可能な自動配送車が開発され、宅配分野を含めて自動配送装置による荷物の配送に利用されようとしている。
従来、画像形成装置から出力される印刷物、または画像形成装置で画像が形成された印刷物を、画像形成装置または後処理を施す後処理装置から受け取り、目的地まで配送する印刷物配送装置が知られている(特許文献1)。
また、印刷物配送装置で印刷物を受け取る際の認証方法に関する技術も知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-179674号
【特許文献2】特開2016-173731号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置から出力された印刷物を、自動配送装置を利用して受領する場合、ユーザの使用方法や使用する場所によっては認証を必要とする場合と、認証作業を省きたい場合とがある。
例えば、オフィスにおいても通常の会議資料や報告書などは同僚に見られても問題がないため認証する必要はない。しかし、人事等の機密情報等は一部の社員か印刷を指示した当人にしか目に触れさせたくない。
このように印刷部の種類や受け取り時の周辺環境により認証作業を行って受領する場合と、認証作業を省いて受領を行いたい場合がある。
本発明は、自動配送装置を用いた印刷物を配送するシステムであって、印刷を実行する際の印刷内容や周辺環境に従って、認証の要否をユーザにより設定可能とするシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、認証情報を含む印刷ジョブを画像形成装置に送信する情報処理装置と、受信した前記印刷ジョブを実行し印刷物を出力する前記画像形成装置と、ロック機能を持つ印刷物格納部に前記印刷物を格納し配送する自動配送装置が互いにネットワークで接続されたシステムであって、前記情報処理装置は、前記認証情報に含まれる認証の要否の情報を設定する設定手段を有し、前記画像処理装置は、前記認証の要否の情報に基づき自動配送装置の印刷物格納部のロック機能を制御する制御手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、自動配送する印刷物の印刷ジョブに対してユーザが認証の要否を選択できるため、印刷を実行する際の印刷内容や周辺環境に適応して印刷業務が行える。そのため、認証を必要としない印刷物が配送された際は受領の手間が簡素化され、認証を必要とする印刷物の場合には、セキュリティを確保して印刷ジョブを投入したユーザに印刷物を届けることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態における画像形成システムの構成を示す図。
図2】本発明の一実施形態におけるオフィスの概念図。
図3】本発明の一実施形態における画像形成装置の外観図。
図4】本発明の一実施形態における自動配送装置の外観図。
図5】本発明の一実施形態における画像形成装置のハードウェア構成図。
図6】本発明の一実施形態における自動配送装置のハードウェア構成図。
図7】従来の自動配送装置のハードウェア構成図。
図8】本発明の一実施形態における情報処理装置のプリンタドライバの操作画面。
図9】本発明の一実施形態における各装置の動作シーケンス図。
図10】本発明の一実施形態における情報処理装置のポップアップ画面。
図11】本発明の一実施形態の画像形成装置が行う処理のフローチャート。
図12】本発明の一実施形態の自動配送装置が行う処理のフローチャート。
図13】本発明の別の実施形態の管理者による認証設定処理のフローチャート。
図14】本発明の別の実施形態の情報処理装置における認証設定処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[実施形態1]
・全体構成
図1は本実施形態のシステム全体の概念図でオフィスにおける各装置の接続関係を示している。実際には情報処理装置である情報処理装置(Personal Computer)200は複数台と、画像形成装置100が互いに通信可能にネットワークNT(Network)に接続されている。前記ネットワークNTは、アクセスポイントAPにも接続されており、アクセスポイントAP経由で無線LAN接続された機器とも通信が可能である。自動配送装置300は無線LAN機能を持ち、画像形成装置100と通信が可能である。
(オフィスの概要)
図2は上記で説明したオフィスを具体的に表した概念図である。パーソナルコンピュータ(PC)である情報処理装置が複数並び、それを操作するユーザや、画像形成装置100、自動配送装置300がオフィスに配置されている。ユーザU1は情報処理装置200を利用し業務を行っている。これらの情報処理装置はネットワークを介して画像形成装置100と接続され、画像形成装置100は無線LANネットワークのアクセスポイントAPを介して自動配送装置300と接続されている。
【0009】
(画像形成装置)
図3は、本実施形態における画像形成装置100の外観図である。画像形成装置100は、プリント機能、スキャナ機能、コピー機能、FAX機能などの複数の機能を備えるMFP(Multifunction Peripheral)である。画像形成装置100は、印刷物を出力し、後述する自動配送装置300には配送する印刷物の受け渡しを行い、配送する場所や印刷物格納部をロックする情報等を与えると共に、自動配送装置300からの通知に基づいて指示を行う。
なお、画像形成装置100は、プリント機能と自動配送装置300に対する受け渡し等が可能な装置であればSFP(Single Function Peripheral)等であってもよい。
【0010】
(自動配送装置)
図4は、本実施形態における自動配送装置300の外観図である。自動配送装置300は、画像形成装置100が印刷出力した出力物を受け取り、それを装置内部の印刷物格納部306に収納し、画像形成装置100により指示された場所に自動で配送する。
自動配送装置300は2つの部分から構成される。
配送装置制御部301は配送する印刷物を画像形成装置100から受け取り印刷物格納部306に格納する、ユーザへ印刷物を受け渡す、画像形成装置100との通信、車両部302に必要な情報を与える等の制御を行う。配送装置制御部301には、表示装置や印刷物格納部306をロックするためのロック機能を持ち、画像形成装置100との通信により印刷物格納部306をロックしたりロック解除したり制御する。
車両部302は予め格納された地図情報に基づいて指示された場所に自動配送装置300を移動する。
【0011】
・画像形成装置のハードウェア構成
図5は、本実施形態における画像形成装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
画像形成装置100は、この画像形成装置100の動作を制御する制御部101と、ユーザインタフェースである操作パネル102と、原稿を読み取って画像データを生成する読取部103と、印刷処理を実行する印刷処理部104で構成される。更に、ユーザの個人認証を行うためのカードを読み取るためのカードリーダ部105、各種情報を記憶する記憶装置109、を備え、それらがバス106を介して接続されることにより相互に通信可能に構成される。また、有線ネットワークに接続し、外部装置と通信を行うためのLAN-I/F部107、無線ネットワークに接続し外部装置と通信を行うためのWLAN-I/F部108を備えている。
制御部101はCPU101aとメモリ101bとを備えており、各部の動作を制御するものである。
CPU101aは、記憶装置109に記憶されているプログラム109aを読み出し、メモリ101bに展開して実行する。プログラム109aは、制御部101を後述する各種処理部として機能させるためのプログラムである。
メモリ101bは、CPU101aがプログラムを実行することに伴う一時的なデータなどを記憶するものである。さらにCPU101aは外部装置から送信されてきたデータを解析し自動配送装置300に対して指示を与える。
操作パネル102は、例えば液晶パネルなどで構成され各種情報を表示する表示部102aと、その表示部102aに対する操作を検知することでユーザによる操作指示を入力する操作入力部102bで構成される。
画像形成装置100は、ユーザU1から配送依頼のある印刷ジョブを受信すると印刷データが全て印刷出力されると、CPU101aは、WLAN-I/F部108を介して自動配送装置300と通信を行い、出力した印刷物を自動配送装置300に引き渡す。並行して自動配送装置300へ配送する場所やユーザU1の情報等を送信する。
【0012】
・自動配送装置のハードウェア構成
図6は、本実施形態における自動配送装置300の一例を示すハードウェアブロック図である。自動配送装置300は、この自動配送装置300の動作を制御する配送装置制御部301と、予め格納された地図情報に基づいて、与えられた位置情報に移動する機能を持つ車両部302から構成される。
配送装置制御部301は、配送装置制御部301の動作を制御する制御部303と、ユーザに搬送してきた印刷物の内容を提示するパネル304と、車両部302と通信を行うための車両I/F部305を有する。また、配送装置制御部301は、画像形成装置100が出力した書類を受け取り収納するロック機能を有する印刷物格納部306を有し、画像処理装置100からの指示で格納部をロックまたはロック解除の状態制御を行うこともできる。また、印刷物格納部306に収納した書類が格納されているか空の状態なのかを検知するためのセンサである印刷物検出部307を備え、以上の各部はバス309を介して接続されることにより相互に通信可能に構成される。また、無線ネットワークに接続し、画像形成装置100や外部装置と通信を行うためのWLAN-I/F部308を有している。
【0013】
制御部303はCPU303aとメモリ303bとROM303cを備えており、自動配送装置300の各部の動作を制御するものである。
CPU303aは、ROM303cに記憶されているプログラムを読み出し、RAM303bに展開して実行する。プログラムは、制御部303を後述する各種処理部として機能させるためのプログラムである。
メモリ303bは、CPU303aがプログラムを実行することに伴う一時的なデータや地図情報などを記憶するものである。
ROM303cは、配送装置制御部301の動作プログラムを格納するためのROMである。
【0014】
ここで、比較のために従来の自動配送装置310のハードウェア構成図を図7に示す。
操作パネル312は、ユーザによる操作指示を入力する構成を備えている。操作パネル312は、例えば液晶パネルなどで構成され各種情報を表示する表示部312aと、その表示部312aに対する操作をユーザがすることが可能な操作入力部312bで構成される。
認証部311は磁気カードや顔認証等の認証するための装置が組み込まれている。
この操作入力部312bにて認証データを入力され、自動配送装置310の認証部311にて認証作業をすることで自動配送装置310の格納部のロック解除することが可能となっている。
【0015】
(プリンタドライバの画面)
図8にプリンタドライバプリの表示画面220を示す。図中の中央部分に用紙サイズやステイプルの有無、カラー/白黒印刷、片面/両面等の印刷設定をし、印刷部数を右上側の部数の欄に入力し[OK]ボタン227をクリックすれば情報処理装置200から画像形成装置100に印刷データが出力される。
ユーザU1が、印刷出力物を自動配送装置300により届けてもらう場合には、プリンタドライバの設定画面の左下側にある自動配達221のチェックボックスにチェックを入れる。さらに、他のユーザに印刷物を見られたくない場合には認証受取223のチェックボックスにチェックを入れ認証の要否を設定する。そして、認証情報である認証コードを[詳細設定]ボタン224をクリックして表示される画面(不図示)で認証コードを入力することにより設定する。印刷物を受け取るときにこの認証コードが必要となり印刷物を他のユーザに見られる心配がない。
ユーザU1が操作する情報処理装置200のプリンタドライバは、印刷ジョブを画像形成装置100に出力後、定期的に画像形成装置100に対してポーリングを行う。画像形成装置100は情報処理装置200のプリンタドライバからのポーリングを利用して、画像形成装置100から情報処理装置200に対して必要な情報の受け渡しを行う。具体的には、自動配送装置300が目的地付近に到着したという情報を、画像処理装置から受け取った場合に図10で示したポップアップ画面を表示し、ユーザU1に認証コードを入力させたりする。
【0016】
・配送依頼のある印刷ジョブの動作シーケンス
図9は画像形成装置100が情報処理装置200からの配送依頼のある印刷ジョブを受信したときの動作シーケンスの一例である。動作シーケンスは図の上部から下側にタイムシフトしている。
図9(a)が認証を要求した場合の動作シーケンスで、図9(b)が認証を不要とした場合の動作シーケンスを示している。
(a)認証を要求する場合
図9(a)の認証を要求するケースに関して各装置の動作について時系列で説明する。
まずT1で、ユーザU1は操作している情報処理装置200のプリンタドライバ画面220上にて自動配達のチェックボックス221及び認証受取223のチェックボックスにチェックをする。さらに、詳細設定224を押下して認証コードを設定し、印刷ジョブを送信する。その印刷ジョブを画像形成装置100はLAN-I/F部107で受信する。
続くT2で、画像処理装置100は受信したデータをCPU101aは解析し、ユーザフォルダ109bに「画像データ」「送信先情報処理装置情報」「認証情報(認証の要否、認証コード)」等の情報として一旦格納する。ユーザフォルダ109bに一旦格納されたデータは、メモリ101bを用いて情報が解析されて画像データは印刷用データに変換され、印刷処理部104で紙に印刷し印刷物が出力される。
T3で、画像形成装置100は、画像データ以外の「送信先情報処理装置情報」「認証情報(要否、コード)」等の情報もCPU101aにて解析され、送信先情報とロック情報としてWLAN-I/F部108を介して自動配送装置300に通知する。
【0017】
T4で、自動配送装置300は出力された印刷物を印刷物格納部306へ格納し、WLAN-I/F部308で受信したロック情報により印刷物格納部306が外部から開けられないようにロックを行う。
T5で、自動配送装置300は前もって用意されている地図情報をROM303cより読み込み、印刷ジョブ゛の送信先情報と照合し配送先の情報処理装置200の所在地を確認し配送を行う。
T6で、自動配送装置300は情報処理装置200の近傍に到達したことを地図情報で確認できたら配送先到達情報を画像形成装置100に対してWLAN-I/F部308で送信する。
【0018】
T7で、画像形成装置100は、自動配送装置300から送信されてきた配送先到達情報を受信すると、画像形成装置内のメモリ101bに到着フラグとして保持する。そして情報処理装置200からのポーリングを待って、LAN-I/F107経由で到着情報を受け渡すとともに、認証コードを要求する。なお、到着フラグとして画像形成装置内に保持するのではなく、情報処理装置200へメール送信するようなプッシュ型情報通信でもよい。
【0019】
T8で、情報処理装置200は、画像形成装置100から受信した到達情報により表示画面上に図10(a)のようなポップアップ画面を表示させユーザU1に認証コードを送信するように促す。ユーザU1が認証コードを入力し[実行]ボタンを押下することにより、情報処理装置200は、画像形成装置100へ認証コードを送信する。
T9で、画像形成装置100のCPU101aは、LAN-I/F107で受けとった認証コードが設定された認証コードと照合し合致するか確認する。
照合した結果、認証コードが合致した場合は自動配送装置300に対してWLAN-I/F108を介してロック解除の情報を送信する。
【0020】
T10で、自動配送装置300は画像形成装置100からのロック解除の情報をWLAN-I/F308で受信する。自動配送装置300のCPU303aは、ロック解除の情報を解析し、正しい情報であった場合には印刷物格納部306に対してロック解除の信号を発信する。ロック解除の信号を受けた印刷物格納部306は格納部のロックを解除しユーザU1が印刷物を受領できるように開放する。
T11で、印刷物検出部307で印刷物がユーザU1に持ち出されたかが検知されたかどうか判断し、印刷物が持ち出されたと判断された場合は、T12の次のステップに進み、持ち出されていない場合は、ここで待機する。
T12で、自動配送装置300はホームポジション(例えば画像形成装置100の横)に移動し次の配送指示を待つ。
【0021】
(b)認証が不要の場合
次に、認証を不要とした場合の動作シーケンスについて図9(b)を参照し説明する。
まず、T21で、ユーザU1は操作している情報処理装置200のプリンタドライバ画面220上にて、自動配達221のチェックボックスにチェックし、認証受取223のチェックボックスにはチェックがない印刷ジョブを投入する。情報処理装置200は、該印刷ジョブを画像形成装置100に送信し、画像形成装置100はLAN-I/F部107でそれを受信する。
T22で、画像処理装置100は受信したデータをCPU101aにより解析し、ユーザフォルダ109bの「画像データ」「送信先情報処理装置情報」「認証情報(要否、コード)」等の情報として一旦格納する。ユーザフォルダ109bの一旦格納されたデータは、メモリ101bを用いて情報を解析されて画像データは画像データに変換され、印刷処理部104で紙に印刷される。
T23で、画像形成装置100は、画像データ以外の「送信先情報処理装置情報」「認証情報(要否、コード)」等の情報もCPU101aにて解析され、送信先情報とロック情報としてWLAN-I/F部108を介して自動配送装置300に通知する。この場合、認証情報の認証の要否が無であるので、ロック情報も無しが通知される。
【0022】
T24で、自動配送装置300は画像形成装置よりロック情報が無しが送られてきたため印刷物格納部306のロックを解除する。
T25で、前もって用意されている地図情報をROM303cより読み込み、印刷ジョブの送信先情報と照合し送付先の情報処理装置200の所在地を確認し配送を行う。
T26で、印刷物検出部307により印刷物が持ち去られたことを検知する。
その後T27で、自動配送装置300は、ホームポジションへ移動する。
【0023】
・印刷配送処理フロー(画像処理装置)
以下、ユーザU1が情報処理装置200から印刷ジョブを投入したのちの画像処理装置100における処理フローについて図11を参照して説明する。
S1301で、CPU101aは情報処理装置200より送信されてきた印刷ジョブ(図9のT1)を解析する。印刷ジョブには、画像データ以外にジョブの送付元の情報・配送情報・配送時の認証情報(認証の要否、認証コード)も含まれこれらも解析し一時保存する。
S1302で、CPU101aは配送情報から配送の有無を判断する。配送が依頼されている場合にはS1303へ進み、配送依頼がない場合にはS1314へ進み印刷を実行し印刷物を出力し、処理を終了する。
S1303で、配送依頼が設定されているジョブであるため自動配送装置300をスタンバイ状態から稼働状態へと移行させるよう自動配送装置300へ起動指示の通知を行う。
【0024】
S1304で、自動配送装置300の起動を確認できた画像形成装置100は自動配送装置300に対しての印刷物の出力を開始する(T2)。
S1305で、印字出力が終了した画像形成装置100は、ユーザフォルダに一時格納していたジョブ情報から認証の要否を判断する。認証有りと判断された場合には(S1305で有)、S1306へ進み、認証無しと判断された場合には(S1305で無)、S1313に進む。
S1313では、自動配送装置300に対してロック情報としてロック無しの通知および印刷ジョブの送信元情報を送信し(T23)、処理を終了する。
一方、S1306で、自動配送装置300に対してロック情報としてロック有りの通知および印刷ジョブの送信元情報を送信し(T3)、S1307へ進む。なお、次のS1307へ行く前に認証回数のカウンタNを0にリセットしておく。
【0025】
S1307で、画像形成装置100は自動配送装置300からの目標地点への到達通知を受信するまで待機し、到達通知を受信したら(T6)、到着フラグを画像形成装置100内のメモリ101bにセットする。
S1308で、情報処理装置200のプリンタドライバへポーリング時に到着フラグ情報を受け渡し、認証情報である認証コードの入力を求める認証要求をする。また認証回数のカウンタNをインクリメントする。
S1309で、画像処理装置100はLAN-I/F部107経由で情報処理装置200から受信し、認証コードとジョブ投入時にユーザフォルダ109bに保持していた認証コードとを照合する。照合した結果、両者が合致していた場合には(S1309でYes)、S1310に進み、自動配送装置300に対してロック解除を通知し、処理を終了する。照合した結果、両者が合致しなかった場合には(S1309でNo)、S1311に進む。
S1311で、認証回数のカウンタNの値から何回目の認証NGかを確認し、所定回数(x)以上になった場合には(S1311でYes)、S1312に進む。
S1312では、システム管理者へ認証エラーの通知を行い自動配送装置300に対してホームポジションへ戻るように指示を出す。
一方、認証NGが所定回数(x)未満の場合には、S1308に戻り、再度認証確認処理を行う。このとき、情報処理装置200では、認証コードが間違っていた場合のポップアップ画面(図10(b))が表示される。
【0026】
・配送処理フロー(自動配送装置)
次に、自動配送装置300の配送処理フローについて図12を参照し説明する。
S1201で、通知を受けた自動配送装置300は印刷物の受け取りを行えるように起動状態へと移行する。そして、その間、自動配送装置300は印字出力が終了するまで待機する(T2)。
S1202で、自動配送装置300は、画像処理装置100がS1306で行ったロック情報の通知を受け(T3)、ロック有と認識した場合は(S1202で有)、S1203に進み、ロック無しと認識した場合は、S1204に進む。
S1203で、自動配送装置300は、印刷物格納部306をロックし外部から印刷物を持ち出せないように制御する。
続いてS1204で、画像形成装置100から受信した送信元情報と地図情報を解析して目標地点を判断し車両部302を制御し配送を開始する。
S1205で、自動配送装置300は移動しながら目標地点付近に到達したかを常に確認する。
目標地点に到達すると、S1206で、所定時間のタイマーを設定する。このタイマーは所定時間たっても認証や荷物の受け取りがなされなかった場合に自動配送装置300をホームポジションへ戻らせるための判断のためのタイマーである。
S1207で、印刷物格納部306がロック設定されているかを確認する。ロック有の場合には(S1207で有)、S1208に進み、ロック無しの場合には(S1207で無)、S1216に進む。
<ロック有り>
S1208で、画像形成装置100に対して目標地点近傍へ到達したことを通知する(T6)。
S1209で、画像形成装置100へ到達したことを通知した自動配送装置300はタイマーにて設定した時間を経過したか否かを判断する。設定時間経過していない場合は(S1209でNo)、S1210に進み、設定時間が経過している場合は(S1209でYes)、S1214に進む。
S1210で、画像形成装置100からのロック解除通知(T9)が来たか確認する。ロック解除の通達が来ていた場合には(S1210で有)、S1211に進む。ロック解除の通知が来ていない場合は(S1210で無)、S1209に戻りロック解除の通知が来るのを待ち、設定時間が経過してしまった場合には、S1214へ進み、管理者へ通知後、S1215でホームポジションに戻るように制御する。
S1211で、印刷物格納部306のロックを解除してユーザU1に開放し、ユーザU1に印刷物を取り去るように促す。
S1212で、印刷物検出部307は、ユーザU1により印刷物を取り去られたか否かを検知する。取り去られたと検知された場合は(S1212で荷物無)、S1215に進み、取り去られていない場合は(S1212で荷物有り)、S1213に進む。S1213で、先に設定されたタイマーの所定時間が経過したか否かを判断して、設定時間が経過してない場合は(S1213でNo)、S1212へもどり、印刷物が取り去られるまで待機する。
一方、設定された所定時間経過した場合は(S1213でYes)、S1214に進む。
S1214で、ロックが解除されている印刷物格納部306を、ロックし、管理者へ印刷物が取り去られなかった旨を通知する。そして、S1215に進む。
S1215で、自動配送装置300はホームポジションへ移動し、自動配送装置300はスタンバイ状態に移行する。
<ロック無し>
S1207でロック無しで配送された場合に、S1216で、印刷物検出部307は印刷物が取り去られたか否かを判断する。S1216で印刷物が取り去れたと判断された場合は(S1216で荷物無)、S1215に進み自動配送装置300は、ホームポジションへ移動するよう制御される。
一方、印刷物が取り去れない場合(S1216で荷物有)、S1217に進み、設定時間が経過しているか判断され、経過してない場合は(S1217でNo)、S1216に戻ることにより、印刷物が取り去られるまで待機する。また、設定時間が経過している場合は(S1217でYes)、S1214に進み、印刷物格納部306をロックするとともに管理者に通知し、S1215でホームポジションへ移動する。
【0027】
本実施形態においては、情報処理装置のプリンタドライバが画像形成装置に対して情報のポーリングを行いポップアップの出力を制御していたが、画像形成装置から情報処理装置にプッシュ型情報通信で通知することでポップアップ表示をする方法としてもよい。
【0028】
[実施形態2]
実施形態1では認証の有無の選択をユーザに一任した方法について説明した。しかし、認証の選択をユーザ任せにしてしまうとうっかり秘匿性が高く認証の必要なものも認証無しで印字してしまうことが想定される。人事関係など秘匿性の高い文書を扱うユーザに対しては、強制認証とするなど、職種、環境などを考慮して、セキュリティが予め設定されていることが望ましい。実施形態2では、セキュリティを担保するためにユーザ毎に管理者が認証の必要性の設定ができるようにしたものについて説明する。
【0029】
(管理者による認証の設定処理)
図13は画像形成装置100に対し画像形成装置の管理者が認証の設定方法を設定するフローを示している。
まずS1401で、管理者は画像形成装置100の操作入力部102bより管理者ログインし、画像形成装置100の管理者領域へ入る。
そしてS1402で、そこで各ユーザの認証方法を「強制認証」、「選択認証」、「無認証」のいずれかに設定する。認証方法をユーザに紐付ける方法としては、ユーザIDや、ユーザのメールアドレス等ユーザと一意に対応するものでよい。そして、本処理フローを終了する。
(プリンタドライバの表示設定)
次に図14を用いて、情報処理装置200におけるプリンタドライバの設定処理フローを示す。
まず、S1501でプリンタドライバを起動する。
続いてS1502で、情報処理装置200は画像形成装置100に対して機器情報を取得しに行く。このとき画像形成装置100に設定されているユーザの認証方法に係る情報もLAN-I/F部108経由で取得する。
S1503でユーザの認証方法の設定に応じて次の3つに分岐する。
認証方法の設定が「強制認証」であった場合には、S1504に進み、認証なしには設定できないようにし常時認証動作を行わないと印字物の受領ができないように変更する。
認証方法の設定が「選択認証」に設定されている場合には、S1505に進み、実施形態1のように印字ジョブごとに認証の選択を行えるようにプリンタドライバの表示設定を変更する。
認証方法の設定が「無認証」に設定されている場合には、S1506に進み、プリンタドライバ表示画面の認証選択部をグレーアウト又は非表示とし認証を行わないように変更する。
そして、プリンタドライバが表示されている状態となる。
【0030】
実施形態1においては認証受取223のチェックボックス部分と詳細設定224のチェックボックスをプリンタドライバ上で表示していた。本実施例ではこの認証受取223および詳細設定224のチェックボックスの表示を画像形成装置の管理者の設定により表示/非表示等変更できるようにすることで管理者の立場で認証方法の設定(セキュリティレベル)を変更可能とできる。
以上説明したように、印刷出力物をユーザに配達する場合に、認証の有無をジョブにより選択できるようにすることで認証を必要としないような印刷物の場合には印刷物の受領時のユーザの作業工数を減らすことが可能となる。また画像形成装置に認証手段を統一することで自動配送装置から認証手段や操作入力部の構造も簡易化することが可能となる。
また、管理者により認証の可否の選択自体を設定可能とすることにより管理者側としてのセキュリティへの担保も可能となる。
以上の実施形態では、認証のために認証コードを用いているが、ユーザ本人であることが同定できれば何でもよく、IDカード等に格納された本人認証可能な情報、ユーザの顔、指紋、光彩パターンなどの生体情報などの情報でもよい。その場合、これらの情報を印刷ジョブに含めて情報処理端末200からプリンタドライバを介して画像形成装置100へ送信し記憶させる。そして、自動配送装置300の印刷物格納部をロック解除するときにも同様に情報処理端末200から画像形成装置100に認証情報として送信することによりロック解除を行うようにしてもよい。
以上ユーザや管理者がセキュリティに関して印刷物の自動配送の要否を設定することについて説明した。しかし、配送中に認証コードによるセキュリティへの攻撃や、自動配送装置ごとの持ち去りなど完全なセキュリティを確保できているわけではない。一方、従来よりユーザが画像形成装置まだ出向き、カードや、顔、認証コードなどによりユーザであることを認証した上で印刷を行うセキュアジョブによる印刷があった。これは、セキュアジョブ用フォルダに格納された文書や、セキュリティ情報が埋め込まれている文書等を、ネットワークを介して印刷するものである。この、セキュアジョブの場合には、図8のプリンタドライバ設定画面の自動配達チェックボックスをユーザが設定できないようにすることが望ましい。そこで、具体的には、チェックボックス221及び詳細設定ボタン222をグレーアウト表示し、ユーザが勝手に自動配達チェックボックス221を設定できないよう表示制御することにより、よりセキュリティの高い設定が必然的になされるようにする。
【0031】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。また、上記各実施例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0032】
100 画像形成装置
200 情報処理装置
300 自動配送装置
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