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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177799
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】UVマッピングシステム
(51)【国際特許分類】
   G06T 15/04 20110101AFI20231207BHJP
【FI】
G06T15/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090671
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】320005501
【氏名又は名称】株式会社電通
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】小柳 祐介
(72)【発明者】
【氏名】村上 晋太郎
【テーマコード(参考)】
5B080
【Fターム(参考)】
5B080AA13
5B080AA17
5B080AA19
5B080DA06
5B080FA02
5B080FA09
5B080GA00
5B080GA22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラスト(二次元データ)を、複数のボクセルで構成された動物キャラクターの三次元モデル(三次元ボクセルモデル)上に適切にマッピングすることのできるUVマッピングシステムを提供する。
【解決手段】UVマッピングシステム1では、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラストの二次元データと、イラストがマッピングされる対象である動物キャラクターの三次元ボクセルモデルのボクセルデータが入力されると、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標が、UV空間上で二次元コードを構成するピクセルの中央点に位置するようにUV展開し、UV展開により得られた中央点のUV座標に基づいてボクセルに配色する。このとき、ボクセルの側面について、側面を有するボクセルの前面と同じ色になるように配色する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラストを、複数のボクセルで構成された前記動物キャラクターの三次元ボクセルモデル上にUVマッピングするUVマッピングシステムにおいて、
前記二次元コードは、4つの角部を有する四角形状のコード領域を有し、
前記コード領域の前記4つの角部のうち3つの角部には、それぞれ位置決め用シンボルが配置され、
前記コード領域の4つの角部より内側の部分には、複数の明色セルと複数の暗色セルを用いて所定のデータがコード化されるデータ領域が設けられ、
前記システムは、
前記二次元コードを用いて作成された前記動物キャラクターのイラストの二次元データと、前記イラストがマッピングされる対象である前記動物キャラクターの三次元ボクセルモデルのボクセルデータが入力される入力部と、
前記三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標が、UV空間上で前記二次元コードを構成するピクセルの中央点に位置するようにUV展開し、前記UV展開により得られた前記中央点のUV座標に基づいて前記ボクセルに配色するUVマッピング部と、
を備え、
前記UVマッピング部は、前記ボクセルの側面について、前記側面を有するボクセルの前面と同じ色になるように配色する、UVマッピングシステム。
【請求項2】
前記UVマッピング部は、前記三次元ボクセルモデルのボクセルを構成する前記ポリゴンの各頂点のXYZ座標および前記ポリゴンの法線方向に基づいて、前記UV空間上で前記二次元コードを構成する前記ピクセルの中央点のUV座標を算出する、請求項1に記載のUVマッピングシステム。
【請求項3】
前記三次元ボクセルモデルのボクセルを構成する前記ポリゴンは、3つの頂点を有する三角形型のポリゴンである、請求項1または請求項2に記載のUVマッピングシステム。
【請求項4】
二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラストを、複数のボクセルで構成された前記動物キャラクターの三次元ボクセルモデル上にUVマッピングするUVマッピングシステムで実行される方法において、
前記二次元コードは、4つの角部を有する四角形状のコード領域を有し、
前記コード領域の前記4つの角部のうち3つの角部には、それぞれ位置決め用シンボルが配置され、
前記コード領域の4つの角部より内側の部分には、複数の明色セルと複数の暗色セルを用いて所定のデータがコード化されるデータ領域が設けられ、
前記方法は、
前記二次元コードを用いて作成された前記動物キャラクターのイラストの二次元データと、前記イラストがマッピングされる対象である前記動物キャラクターの三次元ボクセルモデルのボクセルデータが入力される入力ステップと、
前記三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標が、UV空間上で前記二次元コードを構成するピクセルの中央点に位置するようにUV展開し、前記UV展開により得られた前記中央点のUV座標に基づいて前記ボクセルに配色するUVマッピングステップと、
を備え、
前記UVマッピングステップでは、前記ボクセルの側面について、前記側面を有するボクセルの前面と同じ色になるように配色する、方法。
【請求項5】
二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラストを、複数のボクセルで構成された前記動物キャラクターの三次元ボクセルモデル上にUVマッピングするUVマッピングシステムのコンピュータで実行されるプログラムにおいて、
前記二次元コードは、4つの角部を有する四角形状のコード領域を有し、
前記コード領域の前記4つの角部のうち3つの角部には、それぞれ位置決め用シンボルが配置され、
前記コード領域の4つの角部より内側の部分には、複数の明色セルと複数の暗色セルを用いて所定のデータがコード化されるデータ領域が設けられ、
前記プログラムは、前記コンピュータに、
前記二次元コードを用いて作成された前記動物キャラクターのイラストの二次元データと、前記イラストがマッピングされる対象である前記動物キャラクターの三次元ボクセルモデルのボクセルデータが入力される入力処理と、
前記三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標が、UV空間上で前記二次元コードを構成するピクセルの中央点に位置するようにUV展開し、前記UV展開により得られた前記中央点のUV座標に基づいて前記ボクセルに配色するUVマッピング処理と、
を実行させ、
前記UVマッピング処理では、前記ボクセルの側面について、前記側面を有するボクセルの前面と同じ色になるように配色する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラストを、その動物キャラクターの三次元ボクセルモデル上にUVマッピングするUVマッピングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像や写真などの二次元データを、三次元モデル上にマッピングする技術が提案されている。例えば、特定の人物の二次元顔写真(画像データ)を、人物の頭部の三次元立体データ(三次元モデル)にマッピングする方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-97588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の方法では、人物の顔写真(二次元データ)から抽出される特徴点を利用して、二次元顔写真を三次元立体データにマッピングしている。したがって、例えば、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラストの場合など、二次元データから特徴点を抽出することができない場合には、従来の方法を利用することができない。
【0005】
また従来、複数のボクセルで構成された三次元モデル(三次元ボクセルモデル)上に二次元データをマッピングするのに適した方法については、何らの提案もなされていない。特に、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラストを、その動物キャラクターの三次元ボクセルモデル上に適切にマッピングする方法については、まったく提案されていない。
【0006】
例えば、イラストを三次元モデル上にマッピングする手法として、UVマッピングが知られている。しかし、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラストの場合、イラストの画像の解像度が低いため、イラストを引き延ばし表示すると、ピクセル/ボクセルの境界部分に引き伸ばしによる「ぼやけ」が生じる。
【0007】
また、ボクセルの側面は、二次元コードのピクセルの境界部分に位置するため、通常のUVマッピングを行う(ボクセルを構成するポリゴンの各頂点がそのまま各頂点に位置するようにUV空間に展開(UV展開)し、UV展開により得られた各頂点のXYZ座標に基づいてボクセルに配色をする)と、ボクセルの側面の色は、その面(ボクセルの側面)の両隣の面(その側面を有するボクセルの前面、および、その側面を有するボクセルの隣のボクセルの前面)の「中間色」となってしまい、三次元ボクセルモデルの外見(色の綺麗さ)が損なわれる。また、このように通常のUVマッピングを行うと、二次元コードのピクセルの境界部分から色を採取することになるため、ボクセルの境界部分に「ぼやけ」が現れてしまう(図6(a)参照)。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラストを、その動物キャラクターの三次元ボクセルモデル上に適切にマッピングすることのできるUVマッピングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のUVマッピングシステムは、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラストを、複数のボクセルで構成された前記動物キャラクターの三次元ボクセルモデル上にUVマッピングするUVマッピングシステムにおいて、前記二次元コードは、4つの角部を有する四角形状のコード領域を有し、前記コード領域の前記4つの角部のうち3つの角部には、それぞれ位置決め用シンボルが配置され、前記コード領域の4つの角部より内側の部分には、複数の明色セルと複数の暗色セルを用いて所定のデータがコード化されるデータ領域が設けられ、前記システムは、前記二次元コードを用いて作成された前記動物キャラクターのイラストの二次元データと、前記イラストがマッピングされる対象である前記動物キャラクターの三次元ボクセルモデルのボクセルデータが入力される入力部と、前記三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標が、UV空間上で前記二次元コードを構成するピクセルの中央点に位置するようにUV展開し、前記UV展開により得られた前記中央点のUV座標に基づいて前記ボクセルに配色するUVマッピング部と、を備え、前記UVマッピング部は、前記ボクセルの側面について、前記側面を有するボクセルの前面と同じ色になるように配色する。
【0010】
この構成によれば、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標が、UV空間上で二次元コードを構成するピクセルの中央点に位置するようにUV展開が行われ、UV展開により得られた中央点のUV座標に基づいてボクセルに配色がされる。このように、二次元コードのピクセルの中央点から色が採取されるので、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラストの解像度が低い場合であっても、ボクセルの境界部分に「ぼやけ」が現れず、ボクセルの境界部分をシャープに表示することが可能となる。
【0011】
また、ボクセルの側面について、その側面を有するボクセルの前面と同じ色になるように配色が行われる。したがって、ボクセルの側面が「中間色」となるのを防ぐことができ、三次元ボクセルモデルの外見(色の綺麗さ)が損なわれるのを防止することが可能となる。
【0012】
このようにして、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラスト(二次元データ)を、複数のボクセルで構成された動物キャラクターの三次元モデル(三次元ボクセルモデル)上に適切にマッピングすることができる。
【0013】
また、本発明のUVマッピングシステムでは、前記UVマッピング部は、前記三次元ボクセルモデルのボクセルを構成する前記ポリゴンの各頂点のXYZ座標および前記ポリゴンの法線方向に基づいて、前記UV空間上で前記二次元コードを構成する前記ピクセルの中央点のUV座標を算出してもよい。
【0014】
この構成によれば、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標およびポリゴンの法線方向に基づいて、UV空間上で二次元コードを構成するピクセルの中央点のUV座標が算出される。これにより、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標が、UV空間上で二次元コードを構成するピクセルの中央点に位置するようにUV展開を行うことができる。
【0015】
また、本発明のUVマッピングシステムでは、前記三次元ボクセルモデルのボクセルを構成する前記ポリゴンは、3つの頂点を有する三角形型のポリゴンであってもよい。
【0016】
この構成によれば、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの3つの頂点のUV座標が、UV空間上で二次元コードを構成するピクセルの中央点に位置するようにUV展開が行われる。そして、UV展開により得られた中央点のUV座標に基づいてボクセルに配色することができる。
【0017】
本発明の方法は、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラストを、複数のボクセルで構成された前記動物キャラクターの三次元ボクセルモデル上にUVマッピングするUVマッピングシステムで実行される方法において、前記二次元コードは、4つの角部を有する四角形状のコード領域を有し、前記コード領域の前記4つの角部のうち3つの角部には、それぞれ位置決め用シンボルが配置され、前記コード領域の4つの角部より内側の部分には、複数の明色セルと複数の暗色セルを用いて所定のデータがコード化されるデータ領域が設けられ、前記方法は、前記二次元コードを用いて作成された前記動物キャラクターのイラストの二次元データと、前記イラストがマッピングされる対象である前記動物キャラクターの三次元ボクセルモデルのボクセルデータが入力される入力ステップと、前記三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標が、UV空間上で前記二次元コードを構成するピクセルの中央点に位置するようにUV展開し、前記UV展開により得られた前記中央点のUV座標に基づいて前記ボクセルに配色するUVマッピングステップと、を備え、前記UVマッピングステップでは、前記ボクセルの側面について、前記側面を有するボクセルの前面と同じ色になるように配色する。
【0018】
この方法によっても、上記のシステムと同様に、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標が、UV空間上で二次元コードを構成するピクセルの中央点に位置するようにUV展開が行われ、UV展開により得られた中央点のUV座標に基づいてボクセルに配色がされる。このように、二次元コードのピクセルの中央点から色が採取されるので、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラストの解像度が低い場合であっても、ボクセルの境界部分に「ぼやけ」が現れず、ボクセルの境界部分をシャープに表示することが可能となる。
【0019】
また、ボクセルの側面について、その側面を有するボクセルの前面と同じ色になるように配色が行われる。したがって、ボクセルの側面が「中間色」となるのを防ぐことができ、三次元ボクセルモデルの外見(色の綺麗さ)が損なわれるのを防止することが可能となる。
【0020】
このようにして、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラスト(二次元データ)を、複数のボクセルで構成された動物キャラクターの三次元モデル(三次元ボクセルモデル)上に適切にマッピングすることができる。
【0021】
本発明のプログラムは、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラストを、複数のボクセルで構成された前記動物キャラクターの三次元ボクセルモデル上にUVマッピングするUVマッピングシステムのコンピュータで実行されるプログラムにおいて、前記二次元コードは、4つの角部を有する四角形状のコード領域を有し、前記コード領域の前記4つの角部のうち3つの角部には、それぞれ位置決め用シンボルが配置され、前記コード領域の4つの角部より内側の部分には、複数の明色セルと複数の暗色セルを用いて所定のデータがコード化されるデータ領域が設けられ、前記プログラムは、前記コンピュータに、前記二次元コードを用いて作成された前記動物キャラクターのイラストの二次元データと、前記イラストがマッピングされる対象である前記動物キャラクターの三次元ボクセルモデルのボクセルデータが入力される入力処理と、前記三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標が、UV空間上で前記二次元コードを構成するピクセルの中央点に位置するようにUV展開し、前記UV展開により得られた前記中央点のUV座標に基づいて前記ボクセルに配色するUVマッピング処理と、を実行させ、前記UVマッピング処理では、前記ボクセルの側面について、前記側面を有するボクセルの前面と同じ色になるように配色する。
【0022】
このプログラムによっても、上記のシステムと同様に、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標が、UV空間上で二次元コードを構成するピクセルの中央点に位置するようにUV展開が行われ、UV展開により得られた中央点のUV座標に基づいてボクセルに配色がされる。このように、二次元コードのピクセルの中央点から色が採取されるので、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラストの解像度が低い場合であっても、ボクセルの境界部分に「ぼやけ」が現れず、ボクセルの境界部分をシャープに表示することが可能となる。
【0023】
また、ボクセルの側面について、その側面を有するボクセルの前面と同じ色になるように配色が行われる。したがって、ボクセルの側面が「中間色」となるのを防ぐことができ、三次元ボクセルモデルの外見(色の綺麗さ)が損なわれるのを防止することが可能となる。
【0024】
このようにして、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラスト(二次元データ)を、複数のボクセルで構成された動物キャラクターの三次元モデル(三次元ボクセルモデル)上に適切にマッピングすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラスト(二次元データ)を、複数のボクセルで構成された動物キャラクターの三次元モデル(三次元ボクセルモデル)上に適切にマッピングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施の形態におけるUVマッピングシステムのブロック図である。
図2】本発明の実施の形態における二次元コードの一例を示す図である。
図3】本発明の実施の形態における二次元コードイラスト(二次元コードを用いて作成される動物キャラクターのイラスト)の一例を示す図である。
図4】本発明の実施の形態におけるUV展開の説明図である。
図5】本発明の実施の形態におけるUV展開の一例を示す図である。
図6】本発明の実施の形態におけるUVマッピングの効果を説明する図である。
図7】本発明の実施の形態におけるUVマッピングシステムの動作を説明のためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態のUVマッピングシステムについて、図面を用いて説明する。本実施の形態では、店舗や商業施設等のURLがコード化された二次元コードを用いて作成された動物キャラクターを三次元ボクセルモデル上にUVマッピングするシステム等に用いられるUVマッピングシステムの場合を例示する。
【0028】
本発明の実施の形態のUVマッピングシステムの構成を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態のUVマッピングシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、UVマッピングシステム1は、入力部2と、出力部3と、記憶部4と、UVマッピング部5を備えている。UVマッピングシステム1は、例えば、ユーザが使用する端末装置や、ユーザの端末装置と通信可能に接続されるサーバ装置などで構成することができる。
【0029】
入力部2は、ユーザからの入力を受け付ける入力インターフェースであり、入力部2には、店舗や商業施設等のURLなどがコード化された二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラストのデータ(二次元データ)や、そのイラストがマッピングされる対象である動物キャラクターの三次元ボクセルモデルのデータ(ボクセルデータ)が入力される。
【0030】
図2は、二次元コードCの一例を示す図である。図2に示すように、二次元コードCは、例えばQRコード(登録商標)である。二次元コードCは、4つの角部を有する四角形状のコード領域CAを有し、コード領域CAの4つの角部のうち3つの角部には、それぞれ位置決め用シンボルP1~P3が配置されている。位置決め用シンボルP1~P3は、位置決め用シンボルP1~P3の中心部に配置される複数の暗色セルDCで構成される四角形状の暗色パターンと、暗色パターンの周囲に配置される複数の明色セルBCで構成される四角枠形状の明色パターンと、明色パターンの周囲に配置される複数の暗色セルDCで構成される四角枠形状の暗色パターンを有する。コード領域CAの4つの角部より内側の部分には、複数の明色セルBCと複数の暗色セルDCを用いて所定のデータがコード化されるデータ領域DAが設けられる。
【0031】
なお、二次元コードCのデータ領域DAにコード化される所定のデータは、正規URL(例えば、店舗や商業施設等のURL)よりデータ量の少ない短縮URLと、正規URLに対応するハッシュ値とを含み、短縮URLとハッシュ値を用いることにより、正規URLを取得できるように構成されてもよい。この短縮URLとハッシュ値の生成には、公知の技術を利用することができる。
【0032】
図3は、二次元コードCを用いて作成される動物キャラクターの二次元コードイラストIの一例を示す図である。図2に示すような二次元コードCに基づいて、図3に示すような動物キャラクターの二次元コードイラストIが作成される。二次元コードイラストの作成には、公知の技術を利用することができる。入力部2には、この二次元コードイラストIのデータ(二次元データ)や、この二次元コードイラストIがマッピングされる対象である動物キャラクターの三次元ボクセルモデルのデータ(ボクセルデータ)が入力される。
【0033】
動物キャラクターの三次元ボクセルモデルは、複数のボクセルで構成される(図5参照)。また、本実施の形態では、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンは、3つの頂点を有する三角形型のポリゴンである(図4参照)。なお、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンは、三角形型のポリゴンに限られず、他の多角形型のポリゴンであってもよい。
【0034】
出力部3は、ユーザへの出力を行うための出力インターフェースであり、出力部3からは、動物キャラクターのイラストのデータ(二次元データ)がマッピングされた三次元ボクセルモデルのデータ(ボクセルデータ)が出力される。また、この出力部3は、二次元コードイラストIや三次元ボクセルモデルが所定条件(後述する)を満たしていない場合に、警告表示をする機能を備えている。
【0035】
記憶部4は、例えば、メモリなどの記憶媒体で構成され、記憶部4には、二次元コードイラストIを三次元ボクセルモデルにUVマッピングするために用いられる種々のデータやプログラムが記憶される。
【0036】
UVマッピング部5は、例えば、CPUなどで構成され、二次元コードイラストIを三次元ボクセルモデルにUVマッピングするための種々の機能を備えている。このUVマッピング部5の機能は、記憶部4に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。プログラムは、例えばクラウドサーバから都度ダウンロードされるウェブアプリケーションとして実装することもできる。
【0037】
図1に示すように、UVマッピング部5は、二次元コードイラストIを三次元ボクセルモデルにUVマッピングするための機能ブロックとして、XYZ座標算出部6と、法線方向判定部7と、UV座標算出部8と、ボクセル配色部9を備えている。
【0038】
XYZ座標算出部6は、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標を算出する機能を備えている。図5の例では、三次元ボクセルモデルのあるボクセルの側面を構成するポリゴンの頂点のXYZ座標が(-5.5,15.0,4.5)と算出されている。
【0039】
法線方向判定部7は、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの法線方向(ポリゴンの向き)を判定する機能を備えている。図5の例では、三次元ボクセルモデルのあるボクセルの側面を構成するポリゴンの向き(法線方向)が「X軸マイナス方向」であると判定されている。
【0040】
UV座標算出部8は、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標が、UV空間上で二次元コードを構成するピクセルの中央点に位置するようにUV展開する機能を備えている。具体的には、UV座標算出部8は、UVマッピング部5は、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標およびポリゴンの法線方向に基づいて、UV空間上で二次元コードを構成するピクセルの中央点のUV座標を算出する。図5の例では、UV空間上で二次元コードを構成するピクセルの中央点のUV座標が(0.2391304347826087,0.589565217391304)と算出されている。
【0041】
ボクセル配色部9は、UV展開により得られた中央点のUV座標に基づいてボクセルに配色する機能を備えている。本実施の形態では、ボクセル配色部9は、ボクセルの側面について、側面を有するボクセルの前面と同じ色になるように配色する(図6(b)参照)。
【0042】
また、UVマッピング部5は、入力された二次元コードイラストIや三次元ボクセルモデルが、UVマッピングのための所定条件を満たしているか否かを判断する機能も備えている。例えば、UVマッピング部5は、入力された二次元コードイラストIが所定のサイズ以上(例えば、23マス四方以上)であるか否かを判断する。また、UVマッピング部5は、入力された三次元ボクセルモデルが所定の高低差以内(例えば、隣接マスの高低差が3段以内)であるか否かを判断する。入力された二次元コードイラストIや三次元ボクセルモデルが所定条件を満たしていない場合には、UVマッピング部5は、UVマッピングを行わない。
【0043】
以上のように構成されたUVマッピングシステム1について、図7のフロー図を参照してその動作を説明する。
【0044】
図7に示すように、本実施の形態のUVマッピングシステム1を用いてUVマッピングをする場合には、まず、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラストのデータと、そのイラストがマッピングされる対象である動物キャラクターの三次元ボクセルモデルのボクセルデータが入力される(S1、S2)。
【0045】
つぎに、入力された動物キャラクターのイラストのデータや動物キャラクターの三次元ボクセルモデルのボクセルデータが、UVマッピングのための所定条件を満たすか否かが判定される(S3)。二次元コードイラストIや三次元ボクセルモデルが所定条件を満たさない場合には、警告表示が行われ、UVマッピングは行われない(S4)。
【0046】
二次元コードイラストIや三次元ボクセルモデルが所定条件を満たす場合には、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標が算出され(S5)、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの法線方向(ポリゴンの向き)が判定される(S6)。
【0047】
つづいて、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標およびポリゴンの法線方向に基づいて、UV空間上で二次元コードを構成するピクセルの中央点のUV座標が算出される(S7)。このようにして、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標が、UV空間上で二次元コードを構成するピクセルの中央点に位置するようにUV展開が行われる。
【0048】
つぎに、UV展開により得られた中央点のUV座標に基づいてボクセルへの配色(テクスチャ貼り付け)が行われる(S8)。このとき、ボクセルの側面については、側面を有するボクセルの前面と同じ色になるように配色される。そして、動物キャラクターのイラストのデータ(二次元データ)がマッピングされた三次元ボクセルモデルのデータ(ボクセルデータ)が出力される(S9)。
【0049】
このような本実施の形態のUVマッピングシステム1によれば、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標が、UV空間上で二次元コードを構成するピクセルの中央点に位置するようにUV展開が行われ、UV展開により得られた中央点のUV座標に基づいてボクセルに配色がされる。このように、二次元コードのピクセルの中央点から色が採取されるので、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラストの解像度が低い場合であっても、ボクセルの境界部分に「ぼやけ」が現れず、ボクセルの境界部分をシャープに表示することが可能となる(図6(b)参照)。
【0050】
また、ボクセルの側面について、その側面を有するボクセルの前面と同じ色になるように配色が行われる。したがって、ボクセルの側面が「中間色」となるのを防ぐことができ、三次元ボクセルモデルの外見(色の綺麗さ)が損なわれるのを防止することが可能となる(図6(b)参照)。
【0051】
このようにして、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラスト(二次元データ)を、複数のボクセルで構成された動物キャラクターの三次元モデル(三次元ボクセルモデル)上に適切にマッピングすることができる。
【0052】
また、本実施の形態では、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標およびポリゴンの法線方向に基づいて、UV空間上で二次元コードを構成するピクセルの中央点のUV座標が算出される(図5参照)。これにより、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの各頂点のXYZ座標が、UV空間上で二次元コードを構成するピクセルの中央点に位置するようにUV展開を行うことができる。
【0053】
また、本実施の形態では、三次元ボクセルモデルのボクセルを構成するポリゴンの3つの頂点のUV座標が、UV空間上で二次元コードを構成するピクセルの中央点に位置するようにUV展開が行われる(図4参照)。そして、UV展開により得られた中央点のUV座標に基づいてボクセルに配色することができる。
【0054】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上のように、本発明にかかるUVマッピングシステムは、二次元コードを用いて作成された動物キャラクターのイラスト(二次元データ)を、複数のボクセルで構成された動物キャラクターの三次元モデル(三次元ボクセルモデル)上に適切にマッピングすることができるという効果を有し、店舗や商業施設等のURLがコード化された二次元コードを用いて作成された動物キャラクターを三次元ボクセルモデル上にUVマッピングするシステム等として有用である。
【符号の説明】
【0056】
1 UVマッピングシステム
2 入力部
3 出力部
4 記憶部
5 UVマッピング部
6 XYZ座標算出部
7 法線方向判定部
8 UV座標算出部
9 ボクセル配色部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7