(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177800
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】布帛および繊維製品
(51)【国際特許分類】
D04B 1/16 20060101AFI20231207BHJP
D02G 3/36 20060101ALI20231207BHJP
D01F 8/14 20060101ALI20231207BHJP
D03D 15/47 20210101ALI20231207BHJP
D03D 15/44 20210101ALI20231207BHJP
D03D 15/292 20210101ALI20231207BHJP
D03D 15/283 20210101ALI20231207BHJP
A41D 31/00 20190101ALI20231207BHJP
A41D 31/04 20190101ALI20231207BHJP
A41D 31/18 20190101ALI20231207BHJP
D03D 15/37 20210101ALI20231207BHJP
【FI】
D04B1/16
D02G3/36
D01F8/14 Z
D03D15/47
D03D15/44
D03D15/292
D03D15/283
A41D31/00 502A
A41D31/00 503G
A41D31/00 503F
A41D31/04 F
A41D31/18
D03D15/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090672
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】501270287
【氏名又は名称】帝人フロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100169085
【弁理士】
【氏名又は名称】為山 太郎
(72)【発明者】
【氏名】信夫 理沙
(72)【発明者】
【氏名】尾形 暢亮
【テーマコード(参考)】
4L002
4L036
4L041
4L048
【Fターム(参考)】
4L002AA07
4L002AB02
4L002AB04
4L002AB05
4L002AC00
4L002AC01
4L002AC02
4L002AC07
4L002BA01
4L002DA01
4L002EA00
4L002EA06
4L002EA08
4L002FA01
4L036MA05
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4L036MA39
4L036MA40
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4L036RA24
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4L036UA07
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4L041AA07
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4L041BB09
4L041CA05
4L041CA06
4L041CA08
4L048AA20
4L048AA21
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4L048AA34
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4L048AB18
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4L048CA04
4L048CA15
4L048CA16
4L048DA01
4L048DA13
4L048DA25
4L048EB05
(57)【要約】
【課題】芯鞘型複合糸を含む布帛であって、伸長回復性に優れ、ソフトな風合い、反発性、および凹凸感のある杢外観にも優れた布帛および繊維製品を提供する。
【解決手段】芯鞘型複合糸を含む布帛であって、前記複合糸の芯糸が単繊維繊度1.3dtex以上のコンジュゲート糸であり、鞘糸がポリトリメチレンテレフタレート非捲縮糸であり、布帛の少なくともどちらか一方の表面において凹凸感のある杢外観を呈する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯鞘型複合糸を含む布帛であって、前記複合糸の芯糸が単繊維繊度1.3dtex以上のコンジュゲート糸であり、鞘糸がポリトリメチレンテレフタレート非捲縮糸であることを特徴とする布帛。
【請求項2】
布帛の少なくともどちらか一方の表面において、凹凸感のある杢外観を呈する、請求項1に記載の布帛。
【請求項3】
前記コンジュゲート糸が、2成分がサイドバイサイド型または偏心シース・コア型に接合してなり、かつ少なくとも一方成分がポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリトリメチレンテレフタレートのうちいずれである、請求項1に記載の布帛。
【請求項4】
前記芯糸の総繊度が30~170dtexの範囲である、請求項1に記載の布帛。
【請求項5】
前記複合糸が、交絡数90個/m以下で、インターレース加工またはタスラン(登録商標)加工されている、請求項1に記載の布帛。
【請求項6】
布帛の目付けが80~300g/m2の範囲である、請求項1に記載の布帛。
【請求項7】
布帛が、40~140コース/2.54cmかつ40~90ウエール/2.54cmの密度を有する編物である、請求項1に記載の布帛。
【請求項8】
布帛の少なくともどちらか一方の表面において、前記の芯糸と鞘糸の両方が表面に露出している、請求項1~7のいずれかに記載の布帛。
【請求項9】
請求項8に記載の布帛を用いてなる、スポーツウエアー、アウターウエアー、インナーウエアー、紳士衣料、婦人衣料、介護用衣料、作業衣、カーシート表皮材、および寝具からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芯鞘型複合糸を含む布帛であって、伸長回復性に優れ、ソフトな風合い、反発性、および凹凸感のある杢外観にも優れた布帛および繊維製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンジュゲート糸を芯糸とした複合糸を用いたストレッチ性布帛が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、かかる布帛はストレッチ性には優れるものの、外観の点でまだ満足とはいえなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、芯鞘型複合糸を含む布帛であって、伸長回復性に優れ、ソフトな風合い、反発性、および凹凸感のある杢外観にも優れた布帛および繊維製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。かくして、以下の発明が提供される。
1.芯鞘型複合糸を含む布帛であって、前記複合糸の芯糸が単繊維繊度1.3dtex以上のコンジュゲート糸であり、鞘糸がポリトリメチレンテレフタレート非捲縮糸であることを特徴とする布帛。
2.布帛の少なくともどちらか一方の表面において、凹凸感のある杢外観を呈する、上記1に記載の布帛。
3.前記コンジュゲート糸が、2成分がサイドバイサイド型または偏心シース・コア型に接合してなり、かつ少なくとも一方成分がポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリトリメチレンテレフタレートのうちいずれである、上記1または2に記載の布帛。
4.前記芯糸の総繊度が30~170dtexの範囲である、上記1~3のいずれかに記載の布帛。
5.前記複合糸が、交絡数90個/m以下で、インターレース加工またはタスラン(登録商標)加工されている、上記1~4のいずれかに記載の布帛。
6.布帛の目付けが80~300g/m2の範囲である、上記1~5のいずれかに記載の布帛。
7.布帛が、40~140コース/2.54cmかつ40~90ウエール/2.54cmの密度を有する編物である、上記1~6のいずれかに記載の布帛。
8.布帛の少なくともどちらか一方の表面において、前記の芯糸と鞘糸の両方が表面に露出している、上記1~7のいずれかに記載の布帛。
9.上記1~8のいずれかに記載の布帛を用いてなる、スポーツウエアー、アウターウエアー、インナーウエアー、紳士衣料、婦人衣料、介護用衣料、作業衣、カーシート表皮材、および寝具からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、芯鞘型複合糸を含む布帛であって、伸長回復性に優れ、ソフトな風合い、反発性、および凹凸感のある杢外観にも優れた布帛および繊維製品が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、本発明の布帛は、芯鞘型複合糸を含む。かかる複合糸は芯糸と鞘糸を含み、芯糸が単繊維繊度1.3dtex以上(より好ましくは1.4~3.5dtex)のコンジュゲート糸(2成分以上の成分からなる複合繊維)であり、鞘糸がポリトリメチレンテレフタレート非捲縮糸である。
【0008】
ここで、前記芯糸において、単繊維繊度が、1.3dtexより小さいと、コンジュゲート糸のコイル状クリンプの布帛表面への発現が不十分となるおそれがあり好ましくない。また、芯糸の総繊度は、30~170dtexの範囲であることが好ましい。該総繊度が30dtexより小さいとコイル状クリンプの発現が弱すぎて凹凸感が低下するおそれがある。また、170dtexより大きいと、コイル状クリンプの発現が強すぎて風合いが硬くなるおそれがある。
【0009】
前記芯糸(コンジュゲート糸)を形成するポリマーの種類としては、ポリエステルや脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66など)が好ましい。なかでも、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどがより好ましく例示される。特に、2成分がサイドバイサイド型または偏心シース・コア型に接合してなり、かつ少なくとも一方成分がポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリトリメチレンテレフタレートのうちいずれかであることが特に好ましい。特に、ポリエチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートとの組合せ、互いに固有粘度が異なるポリトリメチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートとの組合せが好ましい。
【0010】
前記ポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルであってもよい。さらには、特開2004-270097号公報や特開2004-211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。特に艶消し剤がポリマー重量対比0.1重量%以上(より好ましくは0.3~2.0重量%)含まれていると、防透性が向上し好ましい。具体的には、セミダルポリエステル、フルダルポリエステル、カチオン可染性ポリエステルが好ましい。カチオン染料可染剤(エステル形成性スルホン酸金属塩化合物など)がポリエステル中に含まれていると、国際公開第2011/048888号パンフレットに記載されているように酸性処理することで抗菌防臭性が付加され好ましい。
【0011】
また、鞘糸は、ポリトリメチレンテレフタレート単独成分からなる非捲縮糸である。鞘糸がコンジュゲート糸や仮撚捲縮加工糸などの捲縮糸であると捲縮によるふくらみが発現し、芯糸のコイル状クリンプがそのふくらみの中に埋没してしまい布帛表面に出にくくなり好ましくない。
【0012】
本発明の布帛を製造する方法としては、まず、芯糸用コンジュゲート糸と鞘糸用ポリトリメチレンテレフタレート非捲縮糸を用意する。その際、複合糸を芯鞘構造とする上で、芯糸の沸水収縮率は、鞘糸の沸水収縮率より大きいことが好ましい。
【0013】
次いで、芯糸と鞘糸を引き揃えて、インターレース加工やタスラン(登録商標)加工などの空気混繊法により複合糸を得る。特に、90個/m以下(より好ましくは10~90個/m、特に好ましくは30~90個/m)の交絡数でインターレース加工等が施されていることが好ましい。交絡数が90個/mより大きいと、非交絡部の自由度が減り芯糸のコイル状クリンプの布帛表面への発現が不十分となり目的とする伸長回復性に優れ、ソフトな風合い、反発性および凹凸感のある杢外観に優れた布帛が得られないおそれがある。
【0014】
次いで、前記複合糸を用いて製編織することにより布帛を得た後、適宜、染色加工や吸汗加工を施して布帛を得る。染色加工などの熱履歴により複合糸に含まれる芯糸(コンジュゲート糸)が収縮し芯鞘構造の複合糸となり、また、芯糸(コンジュゲート糸)がコイル状クリンプを発現する。
【0015】
ここで、前記複合糸だけで布帛を構成してもよいが、前記複合糸と他の糸条とで布帛を構成してもよい。その際、他の糸条は特に限定されず、非捲縮糸、仮撚捲縮加工糸、潜在捲縮糸、紡績糸などのいずれであってもよい。
【0016】
布帛の目付けは、特に限定されるものではないが、ふくらみのあるソフト風合いの観点から、また用途を考えた場合、80~300g/m2が好ましい。布帛の目付が80g/m2未満であると、シャツ用途として破裂強力などが低下するおそれがある。また、布帛の目付が300g/m2を越えると、ウエアーとして重くなりすぎるおそれがある。
【0017】
布帛の組織は特に限定されず、編物、織物いずれでもよい。例えば、天竺、ニットミス、スムース、フライス、鹿の子、添え糸編、デンビー、ハーフなどの編組織を有する編物や、平織、綾織、サテンなどの織組織を有する織物などが例示されるが、これらに限定されるものではない。層数も単層でもよいし、2層以上の多層であってもよい。特に、伸長回復性、ふくらみのあるソフトな風合い、反発性の点で密度が40~140コース/2.54cmかつ40~90ウエール/2.54cmの範囲にある編物が好ましい。編物の密度が上記範囲未満であると、風合いはソフトになるが回復性が低下するおそれがある。また、編物の密度が上記範囲より大であると、風合いが硬くなり、伸長性も低下するおそれがある。
【0018】
かくして得られた布帛において、染色加工などの熱履歴により複合糸に含まれる芯糸(コンジュゲート糸)が収縮し芯鞘構造の複合糸となり、また、芯糸(コンジュゲート糸)がコイル状クリンプを発現し、また、布帛の表裏少なくともどちらか一方の面(好ましくは両面)において、芯糸と鞘糸の両方がランダムに露出しているので杢外観を呈する。特に、従来の杢外観よりもさらに優れた、凹凸感のある杢外観を呈する。さらには、伸長回復性に優れ、ソフトな風合い、反発性にも優れる。
【0019】
次に、本発明の繊維製品は、前記の布帛を用いてなる、スポーツウエアー、アウターウエアー、インナーウエアー、紳士衣料、婦人衣料、介護用衣料、作業衣、カーシート表皮材、および寝具からなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。
かかる繊維製品は前記の布帛を用いているので、伸長回復性、ソフトな風合い、反発性および凹凸感のある杢外観に優れる。
【実施例0020】
次に、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
(1)固有粘度
オルソクロロフェノールを溶媒として使用し、35℃で測定した。
(2)目付け
JIS L1018-1998 6.4により測定した。
(3)交絡数
JIS L1013-2021 8.15により測定した。
(4)凹凸感のある杢外観
生地を平面に置き、目視判定により凹凸感のある杢外観の有無を判定した。
(5)繊度
JIS L1013-2021 8.3.1正量繊度により測定した。
【0021】
[実施例1]
芯糸として、固有粘度が1.31のポリトリメチレンテレフテレートと固有粘度が0.52のポリエチレンテレフタレートとを重量比で50:50の割合で複合したサイドバイサイド型のコンジュゲート糸(SD84dtex/36fil、単繊維繊度2.3dtex)、鞘糸として、固有粘度が1.31のポリトリメチレンテレフタレート糸(SD56dtex/36fil、単繊維繊度1.6dtex)を用い、芯糸と鞘糸を引き揃えてオ-バーフィード率1.5%でインターレース加工し交絡数69個/mの複合糸を得た。
【0022】
次いで、28ゲージの丸編機を使用し、得られた複合糸100%の天竺組織(71コース/2.54cm、48ウエール/2.54cm)の丸編地生機を得た。得られた丸編地生機を、分散染料を用いて、温度130℃、キープ時間30分で染色加工し、温度160℃、時間1分で乾熱ファイナルセットを施した。
得られた編地は、伸長回復性に優れ、ソフトな風合い、反発性および凹凸感のある杢外観(編地の両面において、芯糸と鞘糸の両方がランダムに露出している。)を兼ね備えたものであった。評価結果を表1に示す。
【0023】
[実施例2]
芯糸として、固有粘度が1.31のポリトリメチレンテレフテレートと固有粘度が0.52のポリエチレンテレフタレートとを重量比で50:50の割合で複合したサイドバイサイド型のコンジュゲート糸(SD56dtex/36fil、単繊維繊度1.6dtex)、鞘糸として、固有粘度が1.31のポリトリメチレンテレフタレート糸(SD84dtex/36fil、単繊維繊度2.3dtex)を用い、芯糸と鞘糸を引き揃えオ-バーフィード率1.5%でインターレース加工し交絡数63個/mの複合糸を得た。
【0024】
次いで、28ゲージの丸編機を使用し、得られた複合糸100%の天竺組織(59コース/2.54cm、51ウエール/2.54cm)の丸編地生機を得た。得られた丸編地生機を、分散染料を用いて、温度130℃、キープ時間30分で染色加工し、温度160℃、時間1分で乾熱ファイナルセットを施した。
得られた編地は、伸長回復性に優れ、ソフトな風合い、反発性および凹凸感のある杢外観(編地の両面において、芯糸と鞘糸の両方がランダムに露出している。)を兼ね備えたものであった。評価結果を表1に示す。
【0025】
[実施例3]
芯糸として、固有粘度が1.31のポリトリメチレンテレフテレートと固有粘度が0.52のポリエチレンテレフタレートとを重量比で50:50の割合で複合したサイドバイサイド型のコンジュゲート糸(SD56dtex/36fil、単繊維繊度1.6dtex)、鞘糸として、固有粘度が1.31のポリトリメチレンテレフタレート糸(SD56dtex/36fil、単繊維繊度1.6dtex)を用い、芯糸と鞘糸を引き揃えオ-バーフィード率1.5%でインターレース加工し交絡数67個/mの複合糸を得た。
【0026】
次いで、28ゲージの丸編機を使用し、得られた複合糸100%の天竺組織(59コース/2.54cm、52ウエール/2.54cm)の丸編地生機を得た。得られた丸編地生機を、分散染料を用いて、温度130℃、キープ時間30分で染色加工し、温度160℃、時間1分で乾熱ファイナルセットを施した。
得られた編地は、伸長回復性に優れ、ソフトな風合い、反発性および凹凸感のある杢外観(編地の両面において、芯糸と鞘糸の両方がランダムに露出している。)を兼ね備えたものであった。評価結果を表1に示す。
【0027】
[実施例4]
芯糸として、固有粘度が1.31のポリトリメチレンテレフテレートと固有粘度が0.52のポリエチレンテレフテレートとを重量比で50:50の割合で複合したサイドバイサイド型のコンジュゲート糸(SD33dtex/24fil、単繊維繊度1.4dtex)、鞘糸として、固有粘度が1.31のポリトリメチレンテレフタレート糸(SD33dtex/24fil、単繊維繊度1.4dtex)を用い、芯糸と鞘糸を引き揃えオ-バーフィード率1.5%でインターレース加工し交絡数78個/mの複合糸を得た。
【0028】
次いで、46ゲージの丸編機を使用し、得られた複合糸100%の天竺組織(85コース/2.54cm、70ウエール/2.54cm)の丸編地生機を得た。
得られた丸編地生機を、分散染料を用いて、温度130℃、キープ時間30分で染色加工し、温度160℃、時間1分で乾熱ファイナルセットを施した。得られた編地は、伸長回復性に優れ、ソフトな風合い、反発性および凹凸感のある杢外観(編地の両面において、芯糸と鞘糸の両方がランダムに露出している。)を兼ね備えたものであった。評価結果を表1に示す。
【0029】
[比較例1]
常法のPOY・DTY方式からなるポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸(繊度167dtex/144fil)を、28ゲージの丸編機を使用し、得られた仮撚捲縮加工糸100%で天竺組織(43コース/2.54cm、42ウエール/2.54cm)の丸編物を編成した。
【0030】
次いで、該編物を、分散染料を用いて、温度130℃、キープ時間30分で染色加工し、温度160℃、時間1分で乾熱ファイナルセットを施した。
得られた編地は、ソフトな風合いではあるが、伸長回復性に劣り、凹凸感および杢外観がなく、反発性に劣るものであった。評価結果を表1に示す。
【0031】
[比較例2]
芯糸として、固有粘度が1.31のポリトリメチレンテレフテレートと固有粘度が0.52のポリエチレンテレフテレートとを重量比で50:50の割合で複合したサイドバイサイド型のコンジュゲート糸(SD56dtex/36fil)、鞘糸として、一般的なポリエチレンテレフタレート延伸糸(SD84dtex/36fil)を用い、芯糸のオ-バーフィード率1.5%、鞘糸のオーバーフィード率2.0%でインターレース加工し交絡数100個/mの複合糸を得た。
【0032】
次いで、28ゲージの丸編機を使用し、得られた複合糸100%の天竺組織(68コース/2.54cm、46ウエール/2.54cm)の丸編地生機を得た。得られた丸編地生機を、分散染料を用いて、温度130℃、キープ時間30分で染色加工し、温度160℃、時間1分で乾熱ファイナルセットを施した。
得られた編地は、伸長回復性に優れるが、凹凸感および杢外観がなく、ソフト性や反発性に劣るものであった。評価結果を表1に示す。
【0033】