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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177811
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】包材供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 19/12 20060101AFI20231207BHJP
   B65H 16/06 20060101ALI20231207BHJP
   B65B 41/12 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
B65H19/12 B
B65H16/06 Z
B65B41/12 501A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090688
(22)【出願日】2022-06-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2022年2月15日から2月18日に開催されたJAPAN PACK 2022 (日本包装産業展)において公開された。 2022年3月5日に取引先に納品した。 2022年3月26日に取引先に納品した。
(71)【出願人】
【識別番号】000151461
【氏名又は名称】株式会社東京自働機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 晴樹
【テーマコード(参考)】
3F052
3F064
【Fターム(参考)】
3F052AB00
3F052BA02
3F052BA22
3F052CA02
3F052DA13
3F064BA02
3F064BA05
3F064EB01
3F064EB22
(57)【要約】
【課題】複数のリール軸への包材の装填作業の容易化を図ることで、作業時間を短縮し、ひいては運転効率の向上を図ることが可能な製袋充填包装機の包材供給装置を提供する。
【解決手段】製袋充填包装機1の包材供給装置10は、包材Wが装填される複数のリール軸Lと、包材Wを繰り出して使用する繰り出し位置P1と、包材Wを繰り出して使用する前の待機位置P2との間で複数のリール軸Lを旋回させる旋回アーム40とを備え、複数のリール軸Lは、旋回アーム40の中心軸40aとの間の角度を包材供給時と包材装填時とで異なる角度とする装填回転軸Z周りに回転可能となるように旋回アーム40に取り付けられる。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包材が装填される複数のリール軸と、
前記包材を繰り出して使用する繰り出し位置と、前記包材を繰り出して使用する前の待機位置との間で前記複数のリール軸を旋回させる旋回アームと
を備え、
前記複数のリール軸は、前記旋回アームの中心軸との間の角度を包材供給時と包材装填時とで異なる角度とする装填回転軸周りに回転可能となるように、前記旋回アームに取り付けられる
包材供給装置。
【請求項2】
前記装填回転軸は、前記リール軸を挟んで前記旋回アームの前記中心軸とは反対側に位置する請求項1に記載の包材供給装置。
【請求項3】
前記複数のリール軸ごとに対応して設けられ、前記旋回アームに対する前記リール軸の前記装填回転軸周りの回転をロックする複数のロック機構をさらに備え、
前記ロック機構は、
前記リール軸と共に前記装填回転軸周りに回転可能なフレーム部材と、
前記フレーム部材に自らの軸周りに回転可能に取り付けられたロック軸と、
前記ロック軸を自らの軸周りに回転させるハンドルと、
前記旋回アームに前記ロック軸の先端部と対向して設けられ、前記ロック軸が自らの軸周りに回転したときに、前記リール軸および前記フレーム部材が前記装填回転軸周りに回転できないように、前記先端部とロック係合可能なロックブロックと
を有する請求項1に記載の包材供給装置。
【請求項4】
前記ロック軸の前記先端部は、互いに対向しながら円弧状に延びる一対の第1面部と、前記一対の第1面部の間を互いに対向しながら延びる一対の第2面部とを有し、
前記ロックブロックは、円形状の第1溝部と、前記第1溝部から長孔状に延びる第2溝部とを有する係合溝を含み、
前記第1溝部は、前記一対の第1面部と摺動可能に形成され、
前記第2溝部は、前記一対の第1面部間の距離よりも狭く、かつ、前記一対の第2面部間の最大距離よりも広い幅に形成される
請求項3に記載の包材供給装置。
【請求項5】
前記フレーム部材には、前記ロックブロックの前記係合溝に対して前記ロック軸の前記先端部をガイドするガイド部材が設けられている請求項4に記載の包材供給装置。
【請求項6】
エアが流れるエア経路と、
前記旋回アームの前記中心軸に取り付けられ、前記エア経路の一部を形成するロータリジョイントと、
前記エア経路内の圧力を検出する圧力検出センサと、
プッシュボタンが押された状態と押されていない状態とで、前記エア経路を排気状態と非排気状態とに切り替えるメカニカルバルブと、
前記ロック軸に取り付けられて前記ロック軸と共に回転し、前記先端部が前記ロックブロックにロック係合していないときに前記メカニカルバルブの前記プッシュボタンを押さず、前記先端部が前記ロックブロックにロック係合したときに前記メカニカルバルブの前記プッシュボタンを押す当接部材と、
前記圧力検出センサにより検出される前記エア経路内の圧力に基づいて、前記ロック機構による前記旋回アームに対する前記リール軸の回転がロックされたか否かを判定する制御装置と
をさらに備える請求項3に記載の包材供給装置。
【請求項7】
前記当接部材は、前記ハンドルに設けられる請求項6に記載の包材供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包材供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のリール軸に包材を装填し、使用する包材を切り替える包材供給装置を備えた包装機に関する技術が知られている。例えば、特許文献1には、上下に固定配置されている上段巻取り軸と下段巻取り軸とに、それぞれ上段巻取りロールと下段巻取りロールとを装填した製袋充填包装機が開示されている。この製袋充填包装機では、上段巻取り軸と下段巻取り軸とが、それぞれ、上下方向に延びる軸周りに回転可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6125204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の製袋充填包装機では、上段巻取り軸と下段巻取り軸とを回転可能とすることで、包材ロールの交換作業時に、各巻取り軸に包材を装填しやすくしている。しかしながら、上段巻取り軸と下段巻取り軸とが上下に固定されているため、各巻取り軸の高さ位置によっては、包材の装填がしづらくなってしまい、作業に時間を要することで製袋充填包装機の運転効率が低下する恐れがある。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数のリール軸への包材の装填作業の容易化を図ることで、作業時間を短縮し、ひいては運転効率の向上を図ることが可能な包材供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の包材供給装置は、包材が装填される複数のリール軸と、前記包材を繰り出して使用する繰り出し位置と、前記包材を繰り出して使用する前の待機位置との間で前記複数のリール軸を旋回させる旋回アームとを備え、前記複数のリール軸は、前記旋回アームの中心軸との間の角度を包材供給時と包材装填時とで異なる角度とする装填回転軸周りに回転可能となるように前記旋回アームに取り付けられる。
【0007】
この構成により、旋回アームによって、繰り出し位置と待機位置との間で複数のリール軸を旋回させるため、作業員が包材の装填作業を行いやすい待機位置を予め定めておくことができる。また、リール軸が旋回アームの中心軸との間の角度を包材供給時と包材装填時とで異なる角度とする装填回転軸周りに回転可能であることから、リール軸を所定の角度となるように旋回アームに対して回転させて、容易に包材の装填作業を行うことができる。したがって、本発明の包材供給装置によれば、複数のリール軸への包材の装填作業の容易化を図ることで、作業時間を短縮し、ひいては運転効率の向上を図ることが可能となる。
【0008】
また、前記装填回転軸は、前記リール軸を挟んで前記旋回アームの前記中心軸とは反対側に位置することが好ましい。この構成により、回転軸がリール軸よりも旋回アーム側にある場合に比べて、包材装填時の位置にリール軸を動かしたとき、リール軸と共に回転する部材が旋回アームの中心軸に沿った方向へと張り出す範囲が小さくなり、設置スペースを小さくすることができる。
【0009】
また、上記包材供給装置は、前記複数のリール軸ごとに対応して設けられ、前記旋回アームに対する前記リール軸の前記装填回転軸周りの回転をロックする複数のロック機構をさらに備え、前記ロック機構は、前記リール軸と共に前記装填回転軸周りに回転可能なフレーム部材と、前記フレーム部材に自らの軸周りに回転可能に取り付けられたロック軸と、前記ロック軸を自らの軸周りに回転させるハンドルと、前記旋回アームに前記ロック軸の先端部と対向して設けられ、前記ロック軸が自らの軸周りに回転したときに、前記リール軸および前記フレーム部材が前記装填回転軸周りに回転できないように、前記先端部とロック係合可能なロックブロックとを有することが好ましい。
【0010】
この構成により、リール軸が旋回アームに対して装填回転軸周りに回転すると、フレーム部材と共にロック軸も同じ方向に装填回転軸周りに回転する。そのため、リール軸を動かすだけで、フレーム部材に取り付けられたロック軸を、旋回アームに設けられたロックブロックに対して容易に相対移動させることができる。なお、作業者は、リール軸を包材装填時の位置となるように装填回転軸周りに回転させた後、当該リール軸の包材を新しいものに交換し、当該リール軸を再び装填回転軸周りに回転させて包材供給時の位置にセットする。そして、作業者がハンドルでロック軸を回転させれば、ロック軸の先端部がロックブロックにロック係合されるため、包材供給時のリール軸の旋回アームに対する回転を容易にロックすることができる。
【0011】
また、前記ロック軸の前記先端部は、互いに対向しながら円弧状に延びる一対の第1面部と、前記一対の第1面部の間を互いに対向しながら延びる一対の第2面部とを有し、前記ロックブロックは、円形状の第1溝部と、前記リール軸の前記旋回アームに対する回転に伴って前記ロック軸の前記先端部が移動する軌道に沿って、前記第1溝部から長孔状に延びる第2溝部とを有する係合溝を含み、前記第1溝部は、前記一対の第1面部と摺動可能に形成され、前記第2溝部は、前記一対の第1面部間の最大距離よりも狭く、かつ、一対の前記第2面部間の距離よりも広い幅に形成されることが好ましい。
【0012】
この構成により、ロック軸の先端部やロックブロックに複雑な機構を設けることなく、ロック軸の先端部とロックブロックとを容易かつ装填回転軸周りの回転方向にずれることなく、ロック係合可能とすることができる。
【0013】
また、前記フレーム部材には、前記ロックブロックの前記係合溝に対して前記ロック軸の前記先端部をガイドするガイド部材が設けられていることが好ましい。この構成により、ロック軸をロックブロックの係合溝に容易に抜き差しすることができる。
【0014】
また、上記包材供給装置は、エアが流れるエア経路と、前記旋回アームの前記中心軸に取り付けられ、前記エア経路の一部を形成するロータリジョイントと、前記エア経路内の圧力を検出する圧力検出センサと、プッシュボタンが押された状態と押されていない状態とで、前記エア経路を排気状態と非排気状態とに切り替えるメカニカルバルブと、前記ロック軸に取り付けられて前記ロック軸と共に回転し、前記先端部が前記ロックブロックにロック係合していないときに前記メカニカルバルブの前記プッシュボタンを押さず、前記先端部が前記ロックブロックにロック係合したときに前記メカニカルバルブの前記プッシュボタンを押す当接部材と、前記圧力検出センサにより検出される前記エア経路内の圧力に基づいて、前記ロック機構による前記旋回アームに対する前記リール軸の回転がロックされたか否かを判定する制御装置とをさらに備えることが好ましい。
【0015】
この構成により、ロック軸の先端部がロックブロックにロック係合した状態であるか、ロック係合していない状態であるかを、旋回アームの中心軸を中心として回転する部位に電気的センサを配置することなく、エア経路の圧力変化に基づいて検出することができる。したがって、旋回アーム周辺の電気配線の増加を抑制することが可能となる。
【0016】
また、前記当接部材は、前記ハンドルに設けられる。この構成により、ロック軸と共に回転する必要がある当接部材を別に設ける必要がないため、部品点数の増加を抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の包材供給装置によれば、複数のリール軸に包材を容易に装填して、運転効率の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態にかかる包材供給装置を備えた製袋充填包装機の概略を示す斜視図である。
図2】製袋充填包装機のシステム構成の概略を示す構成図である。
図3】包材供給装置の概略を示す側面図である。
図4】包材供給装置の概略を示す斜視図である。
図5】保持部材の近傍における包材供給装置を示す拡大側面図である。
図6】接続器により先行包材の終端部と後行包材の先端部との接続を行う様子を示す説明図である。
図7】包材供給制御の実行中におけるステップS1、S2での包材供給装置の状態を示す説明図である。
図8】包材供給制御の実行中におけるステップS3、S4での包材供給装置の状態を示す説明図である。
図9】包材供給制御の実行中におけるステップS5、S6での包材供給装置の状態を示す説明図である。
図10】リール軸の基端側から視た包材供給装置の一部を示す斜視図である。
図11】リール軸が開いた状態でリール軸の基端側から視た包材供給装置の一部を示す斜視図である。
図12】リール軸が開いた状態でリール軸の先端側から視た包材供給装置の一部を示す斜視図である。
図13】ロック軸の先端部とロックブロックの係合溝とがロック係合した状態を示す説明図である。
図14】ロック軸の先端部を示す断面図である。
図15】ロックブロックを示す正面図である。
図16】ロックブロックの係合溝にロック軸の先端部がロック係合される過程を示す説明図である。
図17】ロック機構の作動状態検出装置の要部を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
【0020】
(製袋充填包装機)
図1は、実施形態にかかる包材供給装置を備えた製袋充填包装機の概略を示す斜視図であり、図2は、製袋充填包装機のシステム構成の概略を示す構成図である。製袋充填包装機1は、実施形態にかかる包材供給装置10と、製袋包装装置20と、制御装置30(図2参照)とを備える。
【0021】
(包材供給装置)
包材供給装置10は、包材Wを製袋包装装置20へと供給する装置である。包材Wは、ヒートシール可能なフィルムなどにより構成される。包材供給装置10は、複数(本実施形態では、2つ)のリール軸L(図3参照)を備えており、各リール軸Lに装填された包材ロールWRから包材Wを複数の経路ローラR1を介して製袋包装装置20へと供給する。複数の経路ローラR1は、可動ロールの位置を調整することで包材供給装置10と製袋包装装置20との間における包材Wの張力を調整可能な、いわゆるダンサローラと称される張力調整機構14を含む。包材供給装置10の詳細な構成については、後述する。
【0022】
(製袋包装装置)
製袋包装装置20は、包材供給装置10から供給された包材Wを袋状に形成すると共に、形成した袋に粉粒体やスナック菓子などの充填物を充填する装置である。なお、図1においては、製袋包装装置20を通過する包材Wの記載を一部省略している。製袋包装装置20は、内容物を供給するホッパ21の下方に、上下方向に延びる製袋チューブ22が設けられている。製袋チューブ内には、充填チューブ26が配置され、充填チューブ26は、製袋チューブ22から上方に向けて突出してホッパ21に接続される。また、製袋チューブ22の上部には、包材供給装置10から供給された包材Wを略筒状に成形してガイドするフォーマ27が設けられている。包材Wは、フォーマ27を通過する際、両側縁が所定の形態にて互いに重ねあわされたラップ部が形成される。製袋チューブ22の両側には、一対の繰り出しベルト23(包材フィーダ)が設けられており、一対の繰り出しベルト23によって製袋チューブ22の周囲に沿って延在する包材Wが下方に繰り出される。なお、製袋チューブ22の下方には、包材Wを所定形状に成形する図示しない成形ガイドが設けられている。
【0023】
また、製袋チューブ22の近傍には、開閉可能な縦シーラ24が設けられている。縦シーラ24は、包材Wの上記ラップ部をヒートシールし、両側縁を互いに接着させた縦シールフラップを形成する。さらに、製袋チューブ22の下方には、開閉可能な横シーラ25が設けられている。横シーラ25は、一対のヒータブロック25a、25bと、図示しないカッターを有している。横シーラ25が閉動作したとき、一対のヒータブロック25a、25bが包材Wを前後から挟み付けることで、包材Wに横シールを形成し、カッターにより包材Wが切断される。それにより、包材Wは、上下端が横シールにより閉じられ、図1に示すように、ホッパ21から充填チューブ26を介して供給される内容物が充填された袋Fが形成される。
【0024】
(制御装置)
制御装置30は、製袋充填包装機1の全体制御を行うコントローラである。制御装置30は、図2に示すように、入力側に設定入力装置2、後述する光センサ90、後述する複数の圧力検出センサ494などが電気的に接続されている。また、制御装置30は、出力側に張力調整機構14、繰り出しローラ駆動装置100、旋回アーム駆動装置200、後述する接続器70、繰り出しベルト23、縦シーラ24、横シーラ25、後述する複数のエア供給バルブ496などが電気的に接続されている。
【0025】
設定入力装置2は、作業員が製袋充填包装機1を駆動させるための各種設定値を入力するためのインターフェースである。光センサ90は、包材Wの終端部E(図6および図8参照)を検出するためのセンサである。なお、光センサ90に代えて、超音波センサなどを用いてもよい。その場合、後述する反射板91は省略されてもよい。繰り出しローラ駆動装置100は、後述する複数の繰り出しローラ80を回転駆動させる装置であり、少なくとも図示しないサーボモータを含む。旋回アーム駆動装置200は、後述する旋回アーム40を回転駆動させる装置であり、少なくとも図示しないサーボモータを含む。制御装置30は、設定入力装置2で作業員により入力などされた各種設定にしたがって、出力側に接続された上記各種装置を制御する。また、本実施形態において、制御装置30は、包材供給装置10の複数のリール軸Lに装填された包材ロールWRを選択的に切り替えながら包材Wを製袋包装装置20へと供給させる包材供給制御を実行する。包材供給制御の詳細については、後述する。
【0026】
(包材供給装置の詳細構成)
次に、実施形態にかかる包材供給装置10の詳細な構成について説明する。図3は、包材供給装置10の概略を示す側面図であり、図4は、包材供給装置10の概略を示す斜視図である。なお、図4においては、包材供給装置10の一部の構成要素の記載を省略している。包材供給装置10は、上記複数のリール軸Lと、中心軸40aを中心とする旋回アーム40と、複数の保持部材50と、複数の接続台60と、接続器70と、複数の繰り出しローラ80と、受けローラ85と、光センサ90と、上記繰り出しローラ駆動装置100と、上記旋回アーム駆動装置200とを備える。
【0027】
(複数のリール軸)
複数のリール軸Lは、旋回アーム40の中心軸40aを基準として、互いに所定角度だけ回転した位置に配置される。以下、リール軸Lに対応して設けられる部材についても、同様である。本実施形態では、複数のリール軸Lは、互いに平行な第1リール軸LAおよび第2リール軸LBを有する。第1リール軸LAおよび第2リール軸LBは、図3に示すように、旋回アーム40の中心軸40aを基準として、互いに180度(deg)だけ回転した位置に配置される。なお、各リール軸Lには、エア駆動式のブレーキ装置5(図10から図12参照)によって押圧または挟み込むことでリール軸Lの回転に制動力を付与するためのディスクD(図10から図12参照)が取り付けられている。
【0028】
第1リール軸LAおよび第2リール軸LBは、図3に示すように、旋回アーム40によって、包材Wを繰り出して使用する繰り出し位置P1と、包材Wを繰り出して使用する前の待機位置P2との間で旋回して位置を切り替え可能に構成されている。以下の説明では、繰り出し位置P1にあるリール軸Lに装填された包材ロールWRから先行して使用される包材Wを「先行包材W1」と称し、先行包材W1の次に使用される包材W、すなわち、待機位置P2にあるリール軸Lに装填された包材ロールWRの包材Wを「後行包材W2」と称する。また、以下の説明では、各リール軸Lが繰り出し位置P1、待機位置P2にある状態を基準として、包材供給装置10の構成要素の方向を規定する。また、以下の説明では、旋回アーム40の軸方向を単に「軸方向」と称して、包材供給装置10の構成要素の方向を規定する。なお、図3の上下方向が鉛直上下方向であり、左右方向が水平方向であり、紙面方向が上記軸方向である。
【0029】
(旋回アーム)
旋回アーム40は、上述したように、第1リール軸LAと第2リール軸LBとを繰り出し位置P1と待機位置P2との間で旋回させる部材である。旋回アーム40は、包材供給装置10の図示しない本体フレームに、中心軸40aを中心として回転可能に取り付けられる。中心軸40aには、旋回アーム駆動装置200の図示しないサーボモータが接続されている。旋回アーム40は、サーボモータの駆動によって、中心軸40aを中心として旋回可能であり、任意の角度で姿勢を固定可能とされている。
【0030】
旋回アーム40には、リール軸Lを支持する複数(本実施形態では、2つ)のリール軸支持部材41が取り付けられている。リール軸支持部材41は、第1リール軸LA側に延びて第1リール軸LAを回転可能に支持する第1リール軸支持部材41Aと、第2リール軸LB側に延びて第2リール軸LBを回転可能に支持する第2リール軸支持部材41Bとを含む。第1リール軸支持部材41Aおよび第2リール軸支持部材41Bは、中心軸40aを基準として、互いに180度(deg)だけ回転した位置に配置されることを除き、同じ構成を有する。
【0031】
また、旋回アーム40には、各リール軸支持部材41を介して、複数(本実施形態では、2つ)のフレーム部材42が取り付けられている。フレーム部材42は、第1リール軸LAに装填された包材ロールWRの上方側に延在する第1フレーム部材42Aと、第2リール軸LBに装填された包材ロールWRの下方側に延在する第2フレーム部材42Bとを有する。第1フレーム部材42Aおよび第2フレーム部材42Bは、中心軸40aを基準として、互いに180度(deg)だけ回転した位置に配置されることを除き、同じ構成を有する。第1フレーム部材42Aの先端には、包材Wを案内するための複数(本実施形態では、2つ)の経路ローラR2が設けられている。同様に、第2フレーム部材42Bの先端には、包材Wを案内するための複数(本実施形態では、2つ)の経路ローラR2が設けられている。
【0032】
また、フレーム部材42の各経路ローラR2には、光センサ90の反射板91が取り付けられている。光センサ90は、図3に示すように、繰り出し位置P1にあるリール軸Lの近傍に配置され、反射板91に向けて光を射出し、反射板91からの反射光を受光するセンサである。光センサ90は、受光した反射光の強度に応じて、反射板91との間に包材W(すなわち先行包材W1)が存在するか否かを検出し、検出結果を制御装置30へと出力する。
【0033】
(保持部材)
保持部材50は、後述する接続台60および繰り出しローラ80を保持するための部材である。保持部材50は、図4に示すように、旋回アーム40の上下方向の端部に設けられた板状部材44の軸方向における両端部に一対で設けられる。保持部材50は、第1リール軸LAに対応して設けられた第1保持部材50A、第2リール軸LBに対応して設けられた第2保持部材50Bを有する。第1保持部材50Aおよび第2保持部材50Bは、図3に示すように、中心軸40aを基準として、互いに180度(deg)だけ回転した位置に配置されることを除き、同じ構成を有する。
【0034】
図5は、保持部材50の近傍における包材供給装置10を示す拡大側面図である。保持部材50は、平板状の部材であり、脚部51と、接続台保持部52と、ローラ保持部53とを有する。脚部51は、板状部材44から上下方向に延びる部分である。接続台保持部52は、脚部51から水平方向の両側に延びる。接続台保持部52の水平方向の対応するリール軸L側(図4の左側)の端部には、包材Wをガイドするための経路ローラR3が設けられている。ローラ保持部53は、接続台保持部52の水平方向の中央部で、脚部51とは反対側に向けて略三角形状に張り出す部分である。ローラ保持部53は、繰り出しローラ80の軸端部を回転可能に支持する。
【0035】
(接続台)
図3から図5を参照しながら、複数の接続台60について説明する。接続台60は、先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとを接続器70により接続する際の台座となる部材である。すなわち、接続台60は、後述する接続器70の一対のヒータブロック71との間で先行包材W1および後行包材W2を挟み込む部材である。
【0036】
接続台60は、先行包材W1に対して後行包材W2を接続するために、先行包材W1の包材ロールWRが装填されたリール軸Lに対応して設けられる。具体的には、接続台60は、第1リール軸LAに対応して設けられた第1接続台60Aと、第2リール軸LBに対応して設けられた第2接続台60Bとを含む。図3に示すように、第1接続台60Aは、第1保持部材50Aに取り付けられ、第2接続台60Bは、第2保持部材50Bに取り付けられる。第1接続台60Aおよび第2接続台60Bは、図3に示すように、中心軸40aを基準として、互いに180度(deg)だけ回転した位置配置されることを除き、同じ構成を有する。
【0037】
各接続台60は、図4に示すように、包材Wの幅よりも幅広となるように、軸方向において一対で設けられた保持部材50の間に延在し、各保持部材50の接続台保持部52により保持される。接続台60は、保持部材50に保持された繰り出しローラ80に対して、対応するリール軸Lとは水平方向の反対側(図4では、右側)に配置される。接続台60は、クランプ機構61と、2つの台座部62とを有する。クランプ機構61は、作業員が手動により上下に開閉動作をさせ、後行包材W2の先端をクランプすることができるように構成されている。2つの台座部62は、後述する接続器70の一対のヒータブロック71に対応する間隔を空けて設けられ、一対のヒータブロック71との間で先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとを挟み込む部分である。また、接続台60の台座部62の近傍には、後行包材W2をガイドするための経路ローラR4が設けられている。
【0038】
(接続器)
接続器70は、図3に示すように、先行包材W1を繰り出している繰り出しローラ80を保持する保持部材50に設けられた接続台60(図3では第1接続台60A)の上部に位置するように設けられる。接続器70は、後述する繰り出しローラ80よりも、先行包材W1の繰り出し方向における下流側に配置される。接続器70は、一対のヒータブロック71と、一対のヒータブロック71間に配置されたカッター72とを有する。接続器70は、一対のヒータブロック71とカッター72とが上下方向に移動可能とされており、制御装置30によって駆動制御される。なお、本実施形態では、接続器70が一対のヒータブロック71を有するものとしたが、接続器70は、例えば超音波シーラといった包材W同士を接続可能な他のシーラを有するものであってもよい。その場合、接続器70が超音波シーラの超音波振動ホーンを備え、接続台60が超音波振動ホーンとの間で包材Wを挟み込む固定治具としてのアンヴィルを備えるものであればよい。
【0039】
図6は、接続器70により先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとの接続を行う様子を示す説明図である。図示するように、接続器70は、上下に重なった先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとを、一対のヒータブロック71で接続台60の台座部62に押し付けつつ熱溶着により接着して接続する。そして、接着された先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとをカッター72で切断する。それにより、接着された先行包材W1および後行包材W2のうち、カッター72よりも繰り出し方向の下流側に位置する部分が連続する一枚の包材Wとなる。一方、接着された先行包材W1および後行包材W2のうち、カッター72よりも繰り出し方向の上流側に位置する部分は、1枚の切れ端となる。このように、一対のヒータブロック71の間にカッター72を配置することで、互いに接着された1枚の切れ端が残るようにすることができ、切れ端の処理が容易となる。なお、当該切れ端は、包材供給装置10の内部に自然落下する。一対のヒータブロック71による先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとの接続処理、カッター72による切断処理は、先行包材W1の終端部Eが繰り出しローラ80を通過する以前に行われる。
【0040】
(繰り出しローラ)
複数の繰り出しローラ80は、先行包材W1を繰り出すために、先行包材W1の包材ロールWRが装填されたリール軸Lに対応して設けられる。具体的には、複数の繰り出しローラ80は、第1リール軸LAに対応して設けられた第1繰り出しローラ80Aと、第2リール軸LBに対応して設けられた第2繰り出しローラ80Bとを有する。図3に示すように、第1繰り出しローラ80Aは、第1保持部材50Aに取り付けられ、第2繰り出しローラ80Bは、第2保持部材50Bに取り付けられる。
【0041】
各繰り出しローラ80は、図4および図5に示すように、軸方向において一対で設けられた保持部材50のローラ保持部53によって、その軸端部が回転可能に支持される。各繰り出しローラ80は、繰り出しローラ駆動装置100の図示しないサーボモータによって回転駆動される。また、図3および図4に示すように、先行包材W1の包材ロールWRが装填されたリール軸Lに対応した繰り出しローラ80(図3および図4では第1繰り出しローラ80A)の上部には、回転可能な受けローラ85が配置される。受けローラ85は、略上下方向に移動可能に構成されており、繰り出しローラ80との間で先行包材W1を挟み込むことができる。それにより、繰り出しローラ80が図示しないサーボモータによって回転駆動されると、繰り出しローラ80と受けローラ85との間に挟み込まれた先行包材W1が繰り出しローラ80の回転によって包材ロールWRから繰り出される。
【0042】
ここで、図3に示すように、第1繰り出しローラ80Aおよび受けローラ85は、図3に示すように、接続器70よりも第1リール軸LA側に設けられている。つまり、繰り出しローラ80および受けローラ85は、先行包材W1の繰り出し方向において、接続器70による先行包材W1と後行包材W2との接続位置CP(図6参照)よりも、先行包材W1が装填されたリール軸L側に設けられる。先行包材W1が装填されたリール軸L側とは、先行包材W1の繰り出し方向における上流側を意味する。
【0043】
(製袋充填包装機の動作)
以上のように構成された製袋充填包装機1の動作について、図7から図9を参照しながら説明する。図7から図9は、制御装置30により包材供給制御が実行されている最中のステップS1からステップS6における包材供給装置10の状態を示している。図7は、包材供給制御の実行中におけるステップS1、S2での包材供給装置10の状態を示す説明図である。図8は、包材供給制御の実行中におけるステップS3、S4での包材供給装置10の状態を示す説明図である。図9は、包材供給制御の実行中におけるステップS5、S6での包材供給装置10の状態を示す説明図である。
【0044】
まず、図7のステップS1に示すように、第1リール軸LAが繰り出し位置P1に位置付けられ、第2リール軸LBが待機位置P2に位置付けられた状態を想定する。このとき、第1リール軸LAに装填された包材ロールWRから先行包材W1は、第1保持部材50Aに取り付けられた第1繰り出しローラ80Aと、受けローラ85とに挟み込まれた状態である。制御装置30は、ステップS1に示す状態で、繰り出しローラ駆動装置100および繰り出しベルト23を駆動制御し、第1繰り出しローラ80Aおよび繰り出しベルト23によって、第1リール軸LAから先行包材W1を繰り出して製袋包装装置20へと供給させる。上述したように、第1フレーム部材42Aに経路ローラR2が設けられ、第1保持部材50Aに経路ローラR3が設けられることで、先行包材W1を第1繰り出しローラ80Aまで安定した姿勢で案内することができる。
【0045】
第1リール軸LAから先行包材W1が繰り出されることで、ステップS2に示すように、第1リール軸LAに装填された包材ロールWRの径が減少していく。この間、作業員は、任意あるいは指定された時点で、待機位置P2にある第2リール軸LBに新たな包材ロールWRをセットすると共に、装填された包材ロールWRの後行包材W2の先端部Sを接続台60のクランプ機構61にセットする。なお、後行包材W2の接続台60へのセットは、例えば、接続台60を後行包材W2の包材ロールWRが装填されたリール軸L側(ここでは、第2リール軸LB側)に移動可能としておけば、先行包材W1の繰り出しを停止することなく実行することができる。ただし、新たな包材ロールWRのリール軸Lへの装填および後行包材W2の接続台60へのセットは、図9に示すステップS5の状態で、いったん旋回アーム40の旋回を停止させた上で行われてもよい。
【0046】
図7に示す状態が継続されると、図8のステップS3に示すように、先行包材W1が使い切られて第1リール軸LAから先行包材W1が離れた状態となる。その結果、光センサ90が受光する反射板91からの反射光の強度が、光センサ90と反射板91との間に先行包材W1がある状態から変化する。それにより、第1リール軸LAの先行包材W1を使い切ったこと、すなわち、先行包材W1の終端部Eが光センサ90と反射板91との間を通過したことを光センサ90が検出し、検出結果が制御装置30へと出力される。当該検出結果が入力されると、制御装置30は、第1繰り出しローラ80Aおよび繰り出しベルト23による先行包材W1の繰り出しをいったん停止させる。そして、制御装置30は、接続器70によって先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとを接続させる(図6参照)。なお、上述したように、光センサ90に代えて超音波センサなどの他のセンサを用いてもよい。
【0047】
ここで、上述したように、先行包材W1を繰り出す繰り出しローラ80は、先行包材W1と後行包材W2との接続位置CPよりも先行包材W1のリール軸L(ここでは、第1リール軸LA)側に設けられている。そのため、先行包材W1が当該リール軸Lから離れた後も、繰り出しローラ80から接続位置CPまでの間の先行包材W1の張力が維持される。それにより、先行包材W1の張力がなくなることに起因して先行包材W1の姿勢が不安定となり、先行包材W1と後行包材W2とを所望の位置で接続できなくなることが抑制される。
【0048】
次に、制御装置30は、ステップS4に示すように、旋回アーム駆動装置200を駆動制御し、実線矢印に示すように旋回アーム40を中心軸40aで旋回させる。それにより、第1リール軸LAが繰り出し位置P1側から待機位置P2側へと移動し、第2リール軸LBが待機位置P2側から繰り出し位置P1側へと移動する。このとき、旋回アーム40全体が旋回することから、第1保持部材50Aおよび第2保持部材50Bも同方向に旋回する。さらに旋回アーム40の旋回が進むと、図9のステップS5に示すように、第2フレーム部材42Bの経路ローラR3および第2保持部材50Bの経路ローラR3が後行包材W2と当接する。これにより、旋回アーム40の旋回中においても、後行包材W2の姿勢を安定的に維持することができる。
【0049】
そして、ステップS6に示すように、第2リール軸LBが繰り出し位置P1に位置付けられ、第1リール軸LAが待機位置P2に位置付けられる。この時点で、制御装置30は、旋回アーム駆動装置200のサーボモータにより旋回アーム40の旋回を停止させると共に、旋回アーム40をステップS6の姿勢で固定させる。これにより、後行包材W2が、第2保持部材50Bに取り付けられた第2繰り出しローラ80Bと受けローラ85とに挟み込まれ、第2繰り出しローラ80Bによって繰り出せる状態となる。言い換えると、第2リール軸LBに装填された包材ロールWRの包材Wが先行包材W1となる。制御装置30は、再び繰り出しローラ駆動装置100および繰り出しベルト23を駆動制御し、第2繰り出しローラ80Bおよび繰り出しベルト23によって、第2リール軸LBから先行包材W1を繰り出して製袋包装装置20へと供給させる。以上のステップS1からステップS6の処理を繰り返し実行することで、第1リール軸LAおよび第2リール軸LBに装填された包材ロールWRからの包材Wを製袋包装装置20へと順次供給することができる。
【0050】
(リール軸の取り付け構造)
次に、実施形態にかかる製袋充填包装機1の包材供給装置10の要部として、リール軸Lの旋回アーム40への取り付け構造について、図10から図12を参照しながら説明する。図10は、リール軸Lの基端側から視た包材供給装置10の一部を示す斜視図である。図11は、リール軸Lが開いた状態でリール軸Lの基端側から視た包材供給装置10の一部を示す斜視図である。また、図12は、リール軸Lが開いた状態でリール軸Lの先端側から視た包材供給装置10の一部を示す斜視図である。図10から図12に示すように、本実施形態において、リール軸Lは、旋回アーム40に対して回動可能に取り付けられている。以下の説明では、図10に示すリール軸Lと旋回アーム40の中心軸40aとが平行な状態を「リール軸Lが閉じた状態」と称し、図11から図12に示すリール軸Lが閉じた状態から回動した状態を「リール軸Lが開いた状態」と称する。
【0051】
図10に示すように、リール軸支持部材41は、旋回アーム40の軸方向一方側の側壁40bに取り付けられた一対の支持フレーム410を有する。一対の支持フレーム410は、上下方向において互いに間隔を空けて側壁40bに取り付けられ、側壁40bから水平方向に延びる。一対の支持フレーム410の旋回アーム40とは反対側の端部には、旋回アーム40の中心軸40aと直交する方向、すなわち、上下方向に沿って延びる装填回転軸Zが回転可能に取り付けられている。なお、支持フレーム410の一方には、リール軸Lに固定されたディスクDを押圧して、当該リール軸Lに制動力を付与するエア駆動式のブレーキ装置5が設けられているが、例えば電動式など、その他の駆動式のブレーキ装置でもよい。
【0052】
また、上記一対の支持フレーム410の間には、固定ブロック412が当該一対の支持フレーム410に対して摺動可能に配置される。固定ブロック412は、リール軸Lの基端L1が自らの軸周りに回転可能に取り付けられる。また、固定ブロック412は、リール軸Lの基端L1よりも旋回アーム40から離れた方の端部に、上記装填回転軸Zが挿通されている。したがって、固定ブロック412は、上下方向に沿って延びる装填回転軸Z周りに回転可能となるように一対の支持フレーム410に取り付けられる。装填回転軸Zは、水平方向(ここでは、旋回アーム40の中心軸40aおよび装填回転軸Zと直交する方向)において、リール軸Lを挟んで旋回アーム40の中心軸40aとは反対側に位置することになる。これにより、リール軸Lは、図11の円弧状の白抜き矢印に示すように、一対の支持フレーム410に対して装填回転軸Z周りに回転可能となる。つまり、装填回転軸Zは、リール軸Lと旋回アーム40の中心軸40aとの間の角度を、包材供給時(図10参照)と包材装填時(図11参照)とで異なる角度(本実施形態では、90度(deg))とする回転軸である。そして、図11に示すように、リール軸Lを旋回アーム40に対して開いた状態とすることで、作業者が当該リール軸Lに新たな包材ロールWRを容易に装填することができる。
【0053】
なお、リール軸Lには、図10および図11に示すように、外周面から突出する複数の凸部LTが設けられている。複数の凸部LTは、基端L1に接続されたエア供給路からリール軸Lの内部へとエアが供給されることで、リール軸Lの外周面から放射状にさらに突出することができる。それにより、リール軸Lに装填された包材ロールWRの内周面を複数の凸部LTが押圧し、包材ロールWRがリール軸Lに安定的に固定される。
【0054】
(ロック機構)
次に、旋回アーム40に対するリール軸Lの回転をロックするインターロック機構について説明する。包材供給装置10は、図10から図12に示すように、上記インターロック機構としてロック機構450を備えている。ロック機構450は、リール軸Lごとに対応して設けられる。つまり、ロック機構450は、第1リール軸LAに対応した第1ロック機構450Aと、第2リール軸LBに対応した第2ロック機構450Bとを有する。第1ロック機構450Aおよび第2ロック機構450Bは、中心軸40aを基準として点対称に配置されることを除き、同じ構成を有する。各ロック機構450は、上記フレーム部材42と、ロック軸460と、ハンドル470と、ロックブロック480(図12参照)とを有する。
【0055】
フレーム部材42は、一対の支持フレーム410と上下方向に間隔を空けて配置され、装填回転軸Zに固定された固定ブロック421を有する。したがって、フレーム部材42は、装填回転軸Zの回転に伴ってリール軸Lと共に回転可能とされている。
【0056】
また、固定ブロック421には、リール軸Lと直交する方向に沿って延びる基端側フレーム422が連結され、基端側フレーム422には、リール軸Lに沿って延びる内側フレーム42iおよび外側フレーム42oが連結されている。内側フレーム42iおよび外側フレーム42oは、互いに間隔を空けて配置される。さらに、内側フレーム42iの基端側フレーム422とは反対側の端部には、基端側フレーム422と対向して配置された第1先端側フレーム424が連結される。第1先端側フレーム424は、外側フレーム42oの中途部に連結される。また、外側フレーム42oの基端側フレーム422とは反対側の端部には、第2先端側フレーム425が連結される。第2先端側フレーム425は、基端側フレーム422の外側フレーム42oよりも突出した部分に対向して配置される。基端側フレーム422および第2先端側フレーム425の間には、上述した2つの経路ローラR2が回転可能に取り付けられる。また、基端側フレーム422には、2つの経路ローラR2の間に位置するように、上述した反射板91が取り付けられる。
【0057】
ロック軸460は、図10および図11に示すように、内側フレーム42iと外側フレーム42oとの間をリール軸Lと直交する方向に延びる。ロック軸460は、内側フレーム42iおよび外側フレーム42oの基端側フレーム422とは反対側の端部近傍に取り付けられる。つまり、ロック軸460は、図10に示すように、リール軸Lが閉じた状態で旋回アーム40の軸方向他方側の側壁40cの近傍に位置するように、内側フレーム42iおよび外側フレーム42oに取り付けられる。ロック軸460は、自らの軸周りに回転可能となるように、内側フレーム42iおよび外側フレーム42oによって支持される。なお、外側フレーム42oには、ロック軸460を回転可能に支持するロック軸支持部材426が設けられている。
【0058】
ロック軸460の先端部460aは、図12に示すように、内側フレーム42iの内側端面421iから突出する。なお、内側フレーム42iの内側端面421iとは、リール軸Lが閉じた状態で旋回アーム40側に位置する内側フレーム42iの端面である。ロック軸460の先端部460aは、後述するロックブロック480にロック係合可能とされている。ここでの「ロック係合」とは、ロック軸460が取り付けられたフレーム部材42やリール軸Lの装填回転軸Z周りの回転を規制するように、先端部460aが上記装填回転軸Z周りの回転方向に移動不能にロックブロック480に係合されるという意味である。図13は、ロック軸460とロックブロック480とがロック係合した状態を示す説明図である。なお、図13では、旋回アーム40についてロックブロック480が取り付けられた部分のみを記載し、フレーム部材42の記載を省略している。図示するように、ロック軸460の周囲には、先端部460aを上下に挟んで一対のガイド部材427が設けられている。一対のガイド部材427は、内側フレーム42iの内側端面421iに設けられる(図12参照)。一対のガイド部材427は、ロックブロック480の上面および下面と摺動し、ロック軸460の先端部460aを当該ロックブロック480に案内する。
【0059】
ハンドル470は、内側フレーム42iの外側端面422i(図11参照)の近傍で、ロック軸460に連結される。なお、内側フレーム42iの外側端面422iとは、リール軸Lが閉じた状態で旋回アーム40とは反対側に位置する内側フレーム42iの端面である。ハンドル470は、図13に示すように、ロック軸460に連結された連結部材471と、連結部材471からロック軸460と同方向に延びる把持部材472および当接部材473とを有する。把持部材472は、作業者がロック軸460を回転させるためにハンドル470を把持する部分であり、内側フレーム42iとは反対側に向けて延びる。当接部材473は、把持部材472とは反対側に向けて延び、図12に示すように、内側フレーム42iを跨いだ位置まで突出する。当接部材473は、ロック軸460とロックブロック480とがロック係合したときに、後述するメカニカルバルブVのプッシュボタンB(図16参照)に当接してメカニカルバルブVを押す当接部材となる。
【0060】
ロックブロック480は、図12および13に示すように、旋回アーム40に取り付けられた直方体状の部材である。ロックブロック480は、リール軸Lが閉じた状態で、ロック軸460の先端部460aと対向する位置に設けられる。ロックブロック480には、ロック軸460が自らの軸周りに回転したときに先端部460aとロック係合可能な係合溝480aが形成されている。
【0061】
(ロック軸とロックブロックとのロック係合構造)
図14は、ロック軸460の先端部460aを示す断面図であり、図15は、ロックブロック480を示す正面図である。図14に示すように、ロック軸460の先端部460aは、互いに対向しながら円弧状に延びる一対の第1面部461と、一対の第1面部461の間を互いに対向しながら延びる一対の第2面部462とを有する。本実施形態では、一対の第2面部462は、直線状に形成される。なお、一対の第2面部462は、直線状に限らず、例えば円弧状に形成されてもよい。すなわち、ロック軸460の先端部460aは、例えば、一対の第1面部461および一対の第2面部462全体で、楕円形状を呈するように形成されてもよい。
【0062】
一方、図15に示すように、ロックブロック480の係合溝480aは、円形状の第1溝部481と、第1溝部481と連続して形成された第2溝部482とを有している。第1溝部481の直径D3は、ロック軸460の先端部460aの一対の第1面部461間の最大距離D1よりもわずかに大きく形成されている。それにより、先端部460aが第1溝部481の内面に摺動可能となる(図16のステップS20、S30参照)。
【0063】
第2溝部482は、第1溝部481から旋回アーム40の側壁40c側に向けて軸方向に延びる。つまり、第2溝部482は、リール軸Lの旋回アーム40に対する回転に伴って、ロック軸460の先端部460aが移動する軌道(図16の実線矢印参照)に沿って、第1溝部481から長孔状に延びる。そして、第2溝部482は、ロック軸460の先端部460aの一対の第2面部462間の距離D2よりも、わずかに広い幅D4に形成される。それにより、一対の第2面部462が上下に位置した状態の先端部460aが第2溝部482の内面に摺動可能となる(図16のステップS10、S20参照)。なお、第2溝部482は、一対の第2面部462が上下に位置した状態の先端部460aを挿入可能な幅に形成されればよい。ただし、第2溝部482は、ロック軸460の先端部460aの一対の第1面部461間の最大距離D1よりも、狭い幅D4に形成される。
【0064】
(ロック軸とロックブロックとのロック係合動作)
図16は、ロックブロック480の係合溝480aにロック軸460の先端部460aが係合される過程を示す説明図である。フレーム部材42がリール軸Lの回転に伴って旋回アーム40に接近すると、ロック軸460の先端部460aは、旋回アーム40の側壁40cに近い側(図16の左側)から係合溝480aに接近し、一対の第2面部462が上下に位置する状態で第2溝部482内に挿入される(ステップS10)。このとき、上述したように、一対のガイド部材427がロックブロック480を上下に挟みながら摺動し、ロックブロック480に対してロック軸460の先端部460aを案内する。さらにフレーム部材42が旋回アーム40に接近し、リール軸Lが閉じられた状態となると、先端部460aは、第2溝部482の内面と摺動しながら旋回アーム40の側壁40b側(図16の右側)へと移動し、第1溝部481内に挿入される(ステップS20)。
【0065】
この状態で、作業者がハンドル470を操作してロック軸460を自らの軸周りに回動させると、先端部460aの一対の第1面部461が第1溝部481の内面を摺動し、一対の第1面部461が上下に位置する状態となる(ステップS30)。その結果、一対の第1面部461間の最大距離D1よりも狭い幅D4に形成される第2溝部482側への先端部460aの移動が規制される。これにより、図13に示すように、ロック軸460が係合溝480aにロック係合され、フレーム部材42が旋回アーム40に対して移動不能となり、リール軸Lが閉じた状態で旋回アーム40にロックされる。なお、リール軸Lを開いた状態とするためにロックを解除する際には、ステップS10からステップS30の動作を逆の順番で行えばよい。
【0066】
(ロック機構の作動状態検出装置)
次に、ロック機構450の作動状態検出装置490について説明する。図17は、ロック機構450の作動状態検出装置490の要部を示す概略構成図である。本実施形態の包材供給装置10は、作動状態検出装置490として、上記制御装置30と、複数のエア経路ALと、ロータリジョイント492と、複数の圧力検出センサ494と、複数のエア供給バルブ496と、複数のメカニカルバルブVとを有している。
【0067】
複数のエア経路ALは、例えば上記ブレーキ装置5といった包材供給装置10に搭載されたエア駆動式の各種装置に接続され、当該各種装置に駆動用のエアを供給するための経路である。また、エア経路ALは、各種インターロック機構の作動状態を検出するための各種装置にエアを供給するための経路も含んでいる。各エア経路ALは、図示しないエア供給源に電磁弁である各エア供給バルブ496を介して接続されており、制御装置30が所定のタイミングで各エア供給バルブ496を駆動することで、各エア経路ALへのエアの供給の開始および停止が制御される。本実施形態では、複数のエア経路ALのうち、第1ロック機構450Aに対応して設けられた第1エア経路ALAと、第2ロック機構450Bに対応して設けられた第2エア経路ALBが上記作動状態検出装置490に含まれる。
【0068】
ロータリジョイント492は、エアといった流体を回転する上記各種装置へと供給するための複数のエア経路ALの一部をその内部に形成する回転式軸継ぎ手である。ロータリジョイント492は、図1から図13では図示省略したが、旋回アーム40の中心軸40aに取り付けられる。
【0069】
複数の圧力検出センサ494は、第1ロック機構450Aに対応して設けられた第1圧力検出センサ494Aと、第2ロック機構450Bに対応して設けられた第2圧力検出センサ494Bとを有する。各圧力検出センサ494は、旋回アーム40と共に回転する部位ではない箇所に取り付けられる。第1圧力検出センサ494Aは、第1エア経路ALAに接続されて第1エア経路ALA内の圧力を検出する。第2圧力検出センサ494Bは、第2エア経路ALBに接続されて第2エア経路ALB内の圧力を検出する。第1圧力検出センサ494Aおよび第2圧力検出センサ494Bは、検出結果を制御装置30へと出力する。
【0070】
メカニカルバルブVは、プッシュボタンBが押された状態と押されていない状態とで内部のスプールの位置が変更されることにより、接続された経路を排気状態と非排気状態とに切り替えるプッシュ式の空気圧入力開閉弁である。本実施形態では、メカニカルバルブVは、ノーマルオープンタイプの開閉弁とされている。メカニカルバルブVは、第1ロック機構450Aに対応して設けられた第1メカニカルバルブVAと、第2ロック機構450Bに対応して設けられた第2メカニカルバルブVBとを有する。第1メカニカルバルブVAは、第1エア経路ALAに接続され、プッシュボタンBが押されていないときには、第1エア経路ALAを排気状態とし、プッシュボタンBが押されているときには、第1エア経路ALAを非排気状態とする。また、第2メカニカルバルブVBは、第2エア経路ALBに接続され、プッシュボタンBが押されていないときには、第2エア経路ALBを排気状態とし、プッシュボタンBが押されているときには、第2エア経路ALBを非排気状態とする。
【0071】
メカニカルバルブVは、図16に示すように、ロックブロック480の近傍で旋回アーム40に取り付けられている。より詳細には、メカニカルバルブVは、ロック機構450のハンドル470が回転するときの当接部材473の回転軌道上にプッシュボタンBが位置するように配置される。それにより、ロック軸460が回転して先端部460aがロックブロック480(係合溝480a、第1溝部481)にロック係合したとき、当接部材473が回転してプッシュボタンBに当接し、プッシュボタンBが押される(図16のステップS30)。一方、ロック軸460の先端部460aがロックブロック480(係合溝480a、第1溝部481)とロック係合していない状態では、当接部材473とメカニカルバルブVのプッシュボタンBとは当接せず離れた状態となり、プッシュボタンBを押さない(図16のステップS10、S20)。したがって、メカニカルバルブVは、リール軸Lが旋回アーム40にロックされた状態では、接続された第1エア経路ALAまたは第2エア経路ALBを非排気状態とする。一方、メカニカルバルブVは、リール軸Lが旋回アーム40にロックされていない状態では、接続された第1エア経路ALAまたは第2エア経路ALBを排気状態とする。
【0072】
以上の構成により、ロック機構450によってリール軸Lが旋回アーム40にロックされていない状態からロックされた状態となると、圧力検出センサ494によって検出されるエア経路AL(第1エア経路ALAまたは第2エア経路ALB)内の圧力が増加する。したがって、制御装置30は、圧力検出センサ494からの入力に基づいて、当該エア経路AL内の圧力が所定値未満である場合には、ロック機構450によってリール軸Lが旋回アーム40にロックされていない状態であると判定し、当該エア経路AL内の圧力が所定値以上である場合には、ロック機構450によってリール軸Lが旋回アーム40にロックされた状態であると判定する。上記所定値は、ロック機構450の動作に応じたエア経路ALの圧力値として予め設定される値である。なお、制御装置30は、圧力検出センサ494により検出される圧力の変動量に基づいてリール軸Lが旋回アーム40にロックされた状態であるか、ロックされていない状態であるかを判定してもよい。
【0073】
また、上述したように、エア経路ALは、図示しないエア供給源にエア供給バルブ496を介して接続されている。それにより、不要なエアの供給を実行しないようにすることができる。一例として、リール軸Lが旋回アーム40に対してロックされた後、作業者が包材供給装置10に設けられた図示しない安全カバーを閉じる。制御装置30は、安全カバーが閉じられたことを図示しないセンサで検出し、エア供給バルブ496を制御して対応するエア経路AL(第1エア経路ALAまたは第2エア経路ALB)へと図示しないエア供給源からエアの供給を開始させる。それにより、圧力検出センサ494によって、当該エア経路AL内の圧力が所定値以上であることが検出され、制御装置30がロック機構450によってリール軸Lが旋回アーム40にロックされた状態であると判定することが可能となる。そして、制御装置30は、リール軸Lが旋回アーム40にロックされた状態であると判定すると、エア供給バルブ496を制御して、当該エア経路AL内へのエアの供給を停止させる。なお、例えば設定入力装置2に含まれる操作パネルなどに、作業者が包材Wの交換作業を行う旨を指示するボタンを設けておき、当該ボタンを介して作業者が入力する指示に応じて、制御装置30が当該エア経路ALへのエアの供給を制御してもよい。
【0074】
(実施形態の効果)
以上説明したように、実施形態にかかる包材供給装置10は、包材Wが装填される複数のリール軸Lと、包材Wを繰り出して使用する繰り出し位置P1と、包材Wを繰り出して使用する前の待機位置P2との間で複数のリール軸Lを旋回させる旋回アーム40とを備え、複数のリール軸Lは、旋回アーム40の中心軸40aとの間の角度を包材供給時と包材装填時とで異なる角度とする装填回転軸Z周りに回転可能となるように旋回アーム40に取り付けられる。
【0075】
この構成により、旋回アーム40によって、繰り出し位置P1と待機位置P2との間で複数のリール軸Lを旋回させるため、作業員が包材W(すなわち新たな包材ロールWR)の装填作業を行いやすい待機位置P2を予め定めておくことができる。また、リール軸Lが旋回アーム40の中心軸40aとの間の角度を包材供給時と包材装填時とで異なる角度とする装填回転軸Z周りに回転可能であることから、リール軸Lを作業員の所定の角度となるように旋回アーム40に対して回転させて、容易に包材Wの装填作業を行うことができる。したがって、包材供給装置10によれば、複数のリール軸Lへの包材Wの装填作業の容易化を図ることで、作業時間を短縮し、ひいては運転効率の向上を図ることが可能となる。
【0076】
また、装填回転軸Zは、リール軸Lを挟んで旋回アーム40の中心軸40aとは反対側に位置する。この構成により、装填回転軸Zがリール軸Lよりも旋回アーム40側にある場合に比べて、包材装填時の位置にリール軸Lを動かしたとき、リール軸Lと共に回転する部材(例えばフレーム部材42やディスクD)が、装填回転軸Zから旋回アーム40の中心軸40aに沿った方向へと張り出す範囲(図11の直線状の白抜き矢印参照)が小さくなる。
【0077】
例えば、図10に破線で示した位置に装填回転軸Z´があると仮定する。この場合、装填回転軸Z´に対して旋回アーム40の中心軸40aの反対側に位置する範囲A1が上記「張り出す範囲」となる。一方、本実施形態では、装填回転軸Zに対して旋回アーム40の中心軸40aの反対側に位置する範囲A2が上記「張り出す範囲」となる。このように、本実施形態の構成によれば、範囲A1よりも短い範囲A2が上記「張り出す範囲」となる。したがって、包材供給装置10の設置スペースを小さくすることができる。
【0078】
なお、本実施形態の構成では、装填回転軸Zがリール軸Lよりも旋回アーム40の中心軸40a側にある場合に比べて、リール軸Lを開いたときにリール軸Lおよびリール軸Lと共に回転する部材が中心軸40aとは反対側に向けて張り出すことになる。ただし、この方向は、新たな包材Wをリール軸Lに抜き差しする方向であることから、作業用のスペースが予め確保されている方向であると言える。
【0079】
また、上記包材供給装置10は、複数のリール軸Lごとに対応して設けられ、旋回アーム40に対するリール軸Lの回転をロックする複数のロック機構450をさらに備え、ロック機構450は、リール軸Lと共に回転軸周りに回転可能なフレーム部材42と、フレーム部材42に自らの軸周りに回転可能に取り付けられたロック軸460と、ロック軸460を自らの軸周りに回転させるハンドル470と、旋回アーム40に、ロック軸460の先端部460aと対向する位置に設けられ、ロック軸460が自らの軸周りに回転したときに、リール軸Lおよびフレーム部材42が装填回転軸Z周りに回転できないように、先端部460aとロック係合可能なロックブロック480とを有する。
【0080】
この構成により、リール軸Lが旋回アーム40に対して装填回転軸Z周りに回転すると、フレーム部材42と共にロック軸460も同じ方向に装填回転軸Z周りに回転する。そのため、リール軸Lを動かすだけで、フレーム部材42に取り付けられたロック軸460を旋回アーム40に設けられたロックブロック480に対して容易に相対移動させることができる。なお、作業者は、リール軸Lを包材装填時の位置(図11)となるように装填回転軸Z周りに回転させた後、当該リール軸Lの包材Wを新しいものに交換し、当該リール軸Lを再び装填回転軸Z周りに回転させて包材供給時の位置(図10)にセットする。そして、作業者がハンドル470でロック軸460を回転させれば、ロック軸460の先端部460aがロックブロック480にロック係合されるため、包材供給時のリール軸Lの旋回アーム40に対する回転を容易にロックすることができる。
【0081】
また、ロックブロック480は、ロック軸460の先端部460aは、互いに対向しながら円弧状に延びる一対の第1面部461と、一対の第1面部461の間を互いに対向しながら延びる一対の第2面部462とを有し、円形状の第1溝部481と、第1溝部481から長孔状に延びる第2溝部482とを有する係合溝480aを含み、第1溝部481は、一対の第1面部461と摺動可能に形成され、第2溝部482は、一対の第1面部461間の最大距離D1よりも狭く、かつ、一対の第2面部462間の距離D2よりも広い幅D4に形成される。
【0082】
この構成により、ロック軸460の先端部460aやロックブロック480に複雑な機構を設けることなく、ロック軸460の先端部460aとロックブロック480とを容易かつ装填回転軸Z周りの回転方向にずれることなく、ロック係合可能とすることができる。
【0083】
また、フレーム部材42には、ロックブロック480の係合溝480aに対してロック軸460の先端部460aをガイドするガイド部材427が設けられている。この構成により、ロック軸460をロックブロック480の係合溝480aに容易に抜き差しすることができる。
【0084】
また、上記包材供給装置10は、エアが流れるエア経路ALと、旋回アーム40の中心軸40aに取り付けられ、エア経路ALの一部を形成するロータリジョイント492と、エア経路AL内の圧力を検出する圧力検出センサ494と、プッシュボタンBが押された状態と押されていない状態とで、エア経路ALを排気状態と非排気状態とに切り替えるメカニカルバルブVと、ロック軸460に取り付けられてロック軸460と共に回転し、先端部460aがロックブロック480にロック係合していないときにメカニカルバルブVのプッシュボタンBを押さず、先端部460aがロックブロック480に係合したときにメカニカルバルブVのプッシュボタンBを押す当接部材473と、圧力検出センサ494により検出されるエア経路AL内の圧力に基づいて、ロック機構450による旋回アーム40に対するリール軸Lの回転がロックされたか否かを判定する制御装置30とを備える。
【0085】
この構成により、旋回アーム40に対するリール軸Lの回転がロックされたか否かを、旋回アーム40の中心軸40aを中心として回転する部位に電気的センサを配置することなく、エア経路ALの圧力変化に基づいて検出することができる。したがって、旋回アーム40周辺の電気配線の増加を抑制することが可能となる。
【0086】
また、当接部材473は、ハンドル470に設けられる。この構成により、ロック軸460と共に回転する必要がある当接部材473を別に設ける必要がないため、部品点数の増加を抑制することができる。
【0087】
(変形例)
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、複数のリール軸Lが第1リール軸LAおよび第2リール軸LBを備えるものとしたが、リール軸Lの数は、2つに限らず、3つ以上であってもよい。
【0088】
また、本実施形態では、装填回転軸Zがリール軸Lを挟んで旋回アーム40の中心軸40aとは反対側に位置するものとしたが、装填回転軸Zは、リール軸Lよりも旋回アーム40の中心軸40a側に設けられてもよい。
【0089】
旋回アーム40に対するリール軸Lの装填回転軸Z周りの回転をロックするためのインターロック機構は、実施形態のロック機構450に限らず、いかなる機構であってもよい。例えば、インターロック機構は、リール軸Lと共に旋回アーム40に対して回転するものでなく、旋回アーム40に設けられ、閉じられた状態のリール軸Lを旋回アーム40に固定する機構であってもよい。
【0090】
また、ロック軸460の先端部460aとロックブロック480とのロック係合構造は、互いにロック係合可能かつロック係合を解除可能なものであれば、実施形態に記載した構造に限らず、いかなる構造であってもよい。また、ガイド部材427は、ロック機構450から省略されてもよい。
【0091】
また、本実施形態では、ノーマルオープンタイプのメカニカルバルブVを用いてエア経路ALの排気状態と非排気状態とを切り替えるものとしたが、メカニカルバルブVは、ノーマルクローズタイプであってもよい。すなわち、ロック機構450によってリール軸Lが旋回アーム40にロックされていない状態からロックされた状態となると、対応するエア経路AL(第1エア経路ALAまたは第2エア経路ALB)がメカニカルバルブVによって非排気状態から排気状態となるものとしてもよい。その場合、圧力検出センサ494によって検出されるエア経路AL内の圧力が減少するため、制御装置30は、当該エア経路AL内の圧力が所定値未満であることに基づいて、リール軸Lが旋回アーム40にロックされた状態であると判定すればよい。
【0092】
また、旋回アーム40に対するリール軸Lの装填回転軸Z周りの回転がロックされたか否かは、メカニカルバルブVに代えて、電気的センサを用いて検出されてもよい。
【0093】
また、当接部材473は、ハンドル470とは別にロック軸460に取り付けられてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 製袋充填包装機
10 包材供給装置
20 製袋包装装置
30 制御装置
40 旋回アーム
40a 中心軸
41 リール軸支持部材
42 フレーム部材
50 保持部材
60 接続台
70 接続器
80 繰り出しローラ
85 受けローラ
427 ガイド部材
450 ロック機構
460 ロック軸
460a 先端部
461 一対の第1面部
462 一対の第2面部
470 ハンドル
473 当接部材
480 ロックブロック
480a 係合溝
481 第1溝部
482 第2溝部
490 作動状態検出装置
492 ロータリジョイント
494 圧力検出センサ
AL エア経路
B プッシュボタン
L リール軸
P1 繰り出し位置
P2 待機位置
V メカニカルバルブ
W 包材
WR 包材ロール
Z 装填回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17