(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177827
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】空調用レジスタ
(51)【国際特許分類】
B60H 1/34 20060101AFI20231207BHJP
F24F 13/15 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
B60H1/34 611B
F24F13/15 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090724
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】595115581
【氏名又は名称】株式会社浜名プラスチック
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山村 祐太
(72)【発明者】
【氏名】外山 真
(72)【発明者】
【氏名】佐原 隼
【テーマコード(参考)】
3L081
3L211
【Fターム(参考)】
3L081AA02
3L081AB02
3L081FA04
3L081FB01
3L211BA51
3L211BA52
3L211BA57
3L211DA14
3L211DA95
(57)【要約】
【課題】フィンにおけるノブが取り付けられた箇所の厚さを小さくできる空調用レジスタを提供する。
【解決手段】空調用レジスタは、空調用空気を流す通風路15に配置された長辺及び短辺を有する長板状の下流フィン12と、その下流フィン12に対し長辺方向に相対移動できるよう取り付けられたノブ14と、を備える。下流フィン12は、通風路15の空調用空気の流れ方向と交差する方向が長辺方向となるよう配置され、その長辺方向に延びる第1支持軸16の中心線周りに回転することが可能とされる。ノブ14は、本体17と組付体18とを備え、それらを互いに組み付けることによって下流フィン12に取り付けられる。ノブ14は、その本体17が上記下流フィン12を短辺方向に貫通しており、同短辺方向における本体17の端部に対し組付体18が組み付けられることにより、上記下流フィン12に対し取り付けられるものとされている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調用空気を流す通風路に配置された長辺及び短辺を有する長板状のフィンと、そのフィンに対し長辺方向に相対移動できるよう取り付けられたノブと、を備え、
前記フィンは、前記通風路の前記空調用空気の流れ方向と交差する方向が長辺方向となるよう配置され、その長辺方向に延びる支持軸の中心線周りに回転することが可能であり、
前記ノブは、本体と組付体とを備え、それらを互いに組み付けることによって前記フィンに取り付けられる空調用レジスタにおいて、
前記ノブは、前記本体が前記フィンを短辺方向に貫通しており、その短辺方向における前記本体の端部に対し前記組付体が組み付けられることにより、前記フィンに対し取り付けられるものである空調用レジスタ。
【請求項2】
前記本体は、前記フィンに形成された挿入部に対し前記フィンの短辺方向に差し込まれることにより、前記本体の一部が前記フィンを短辺方向に貫通するものであり、
前記組付体は、前記フィンを短辺方向に貫通した前記本体の一部に対し組み付けられることにより、前記ノブを前記フィンに取り付けるために同フィンを前記本体との間に挟むものとされている請求項1に記載の空調用レジスタ。
【請求項3】
前記組付体は、前記フィンの短辺方向と交差する方向への移動を通じて、開放位置と組付位置との間で移動するものであり、
前記組付体が前記開放位置にあるときには、前記組付体に対し前記フィンの短辺方向に前記本体を相対移動させることが可能であり、
前記組付体が前記組付位置にあるときには、前記組付体及び前記フィンに対し前記フィンの短辺方向についての前記本体の相対移動を不能とすることにより、前記組付体が前記本体に組み付けられるものとされている請求項2に記載の空調用レジスタ。
【請求項4】
前記組付体は、前記開放位置から前記組付位置に移動したとき、その組付位置から前記開放位置への移動を規制する爪を備えている請求項3に記載の空調用レジスタ。
【請求項5】
前記本体は、把持部と貫通部とフック部とを備え、
前記貫通部は、前記フィンを短辺方向に貫通しており、
前記フック部は、前記貫通部における前記短辺方向の一方の端部に位置して前記フィンから突出し、前記組付体と組み付けられるものであり、
前記把持部は、前記貫通部における前記短辺方向の他方の端部に位置して前記フィンから突出しており、前記フィンに近づくほど前記フィンの厚さに近い厚さとなるようにされている請求項1~4のいずれか一項に記載の空調用レジスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調用レジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に搭載された空調装置は、空調用空気を空調用レジスタを介して車室内に流す。空調用レジスタは、空調用空気の吹き出し方向を調整するためのものである。空調用レジスタには、空調用空気を流す通風路が形成されている。空調用レジスタは、通路路に配置された下流フィン及び上流フィンを備えている。
【0003】
下流フィンは、長辺及び短辺を有する長板状に形成されている。下流フィンは、通風路における空調用空気の流れ方向と交差する方向が長辺方向となるよう配置されている。下流フィンは、長辺方向に延びる第1支持軸の中心線周りに回転することが可能となっている。上流フィンは、板状に形成されており、通風路における下流フィンよりも上流に配置されている。上流フィンは、第1支持軸と異なる方向に延びる第2支持軸の中心線周りに回転することが可能となっている。
【0004】
下流フィンにはノブが取り付けられている。ノブは、下流フィンに対し、その長辺方向に相対移動することが可能となっている。ノブは、下流フィン及び上流フィンを操作するために用いられる。詳しくは、ノブは、上流フィンと連結されている。ノブを下流フィンに対し長辺方向に移動させると、ノブに連結された上流フィンが第2支持軸の中心線周りに回転する。また、ノブを持って第1支持軸の中心線周りに回転させると、下流フィンが第1支持軸の中心線周りに回転する。なお、ノブと上流フィンとは、ノブ及び下流フィンの上記回転を許容するように連結されている。上述したように上流フィン及び下流フィンの回転位置を変更することにより、空調用レジスタの通風路から車室内への空調用空気の吹き出し方向が調整される。
【0005】
特許文献1に示されるノブは、本体と組付体とを備え、それらを互いに組み付けることによって下流フィンに取り付けられる。詳しくは、本体には、下流フィンの厚さ方向に間隔をおいた二つの挟持部が形成されている。挟持部は、通風路における空調用空気の流れ方向の下流から上流に向けて突出している。挟持部の突出方向の先端には爪が形成されている。本体は、二つの挟持部によって下流フィンを挟むように、その下流フィンに対し通風路の下流から上流に向けて押し込まれる。そして、下流フィンの上流側で二つの挟持部の爪を組付体に引っ掛けることにより、本体と組付体とが組み付けられる。
【0006】
このように本体と組付体とが組み付けられることにより、下流フィンに対しノブが取り付けられている。このときには、下流フィンが二つの挟持部の間を下流フィンの長辺方向に通過しており、二つの挟持部における突出方向の先端同士が組付体によって連結されている。下流フィンに取り付けられたノブは、下流フィンに対し、長辺方向に相対移動することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記空調用レジスタに特許文献1のノブを採用した場合、ノブにおける本体の二つの挟持部が下流フィンを厚さ方向に挟む構造であるため、下流フィンにおけるノブが取り付けられた箇所のノブを含めた厚さが大きくなる。これは、二つの挟持部の強度低下に伴って爪が組付体から外れやすくなる関係から、それら挟持部の厚さをある程度大きくして挟持部に必要な強度を持たせなければならず、それら挟持部の厚さを小さくすることには限界があるためである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記課題を解決する空調用レジスタの各態様を記載する。
(態様1)
空調用空気を流す通風路に配置された長辺及び短辺を有する長板状のフィンと、そのフィンに対し長辺方向に相対移動できるよう取り付けられたノブと、を備え、前記フィンは、前記通風路の前記空調用空気の流れ方向と交差する方向が長辺方向となるよう配置され、その長辺方向に延びる支持軸の中心線周りに回転することが可能であり、前記ノブは、本体と組付体とを備え、それらを互いに組み付けることによって前記フィンに取り付けられる空調用レジスタにおいて、前記ノブは、前記本体が前記フィンを短辺方向に貫通しており、その短辺方向における前記本体の端部に対し前記組付体が組み付けられることにより、前記フィンに対し取り付けられるものである空調用レジスタ。
【0010】
上記構成によれば、フィンに取り付けられたノブの本体が、フィンを短辺方向に貫通している。この構造により、本体に必要な強度を維持しつつ本体の厚さを小さくしたとき、その本体の厚さを小さく抑えることができる。また、フィンにおける本体が貫通する箇所の厚さは、本体と組付体との外れやすさを考慮せずに、フィンとしての必要な強度を確保できる最小値に設定することができる。これらのことから、フィンにおけるノブが取り付けられた箇所の厚さを小さくすることができる。
【0011】
(態様2)
前記本体は、前記フィンに形成された挿入部に対し前記フィンの短辺方向に差し込まれることにより、前記本体の一部が前記フィンを短辺方向に貫通するものであり、前記組付体は、前記フィンを短辺方向に貫通した前記本体の一部に対し組み付けられることにより、前記ノブを前記フィンに取り付けるために同フィンを前記本体との間に挟むものとされている(態様1)に記載の空調用レジスタ。
【0012】
上記構成によれば、ノブをフィンに取り付けるために組付体を本体に組み付けると、それら組付体と本体との間にフィンが挟まれるため、フィンの挿入部から本体が抜けることを抑制できる。
【0013】
(態様3)
前記組付体は、前記フィンの短辺方向と交差する方向への移動を通じて、開放位置と組付位置との間で移動するものであり、前記組付体が前記開放位置にあるときには、前記組付体に対し前記フィンの短辺方向に前記本体を相対移動させることが可能であり、前記組付体が前記組付位置にあるときには、前記組付体及び前記フィンに対し前記フィンの短辺方向についての前記本体の相対移動を不能とすることにより、前記組付体が前記本体に組み付けられるものとされている(態様2)に記載の空調用レジスタ。
【0014】
上記構成によれば、本体がフィンの短辺方向に貫通した状態のもと、その短辺方向と交差する方向についての開放位置から組付位置への組付体の移動により、組付体が本体に組み付けられる。このようにしてノブがフィンに取り付けられるため、フィンの挿入部からノブの本体を抜く方向に引っ張ったとき、従来に比べて本体が組付体から外れにくくなる。
【0015】
(態様4)
前記組付体は、前記開放位置から前記組付位置に移動したとき、その組付位置から前記開放位置への移動を規制する爪を備えている(態様3)に記載の空調用レジスタ。
【0016】
上記構成によれば、組付体を本体に組み付けるために開放位置から組付位置に移動させた後、組付体が組付位置から開放位置に移動して本体から外れることを抑制できる。
(態様5)
前記本体は、把持部と貫通部とフック部とを備え、前記貫通部は、前記フィンを短辺方向に貫通しており、前記フック部は、前記貫通部における前記短辺方向の一方の端部に位置して前記フィンから突出し、前記組付体と組み付けられるものであり、前記把持部は、前記貫通部における前記短辺方向の他方の端部に位置して前記フィンから突出しており、前記フィンに近づくほど前記フィンの厚さに近い厚さとなるようにされている(態様1)~(態様4)のいずれか一つに記載の空調用レジスタ。
【0017】
上記構成によれば、ノブの本体におけるフィンから突出する把持部は、フィンに近づくほどフィンの厚さに近い厚さとなる。このため、把持部とフィンとの間の段差を小さく抑えることができ、それによって見た目を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図3】
図2の空調用レジスタを矢印III-III方向から見た状態を示す断面図である。
【
図4】
図1の空調用レジスタにおけるノブ及び下流フィンを示す斜視図である。
【
図5】
図4のノブ及び下流フィンを別方向から見た状態を示す斜視図である。
【
図6】
図4のノブにおける組付体を本体に組み付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、空調用レジスタの一実施形態について、
図1~
図6を参照して説明する。
図1及び
図2に示される空調用レジスタは、車両に搭載された空調装置からの空調用空気が車室内に吹き出される際、その空調用空気の吹き出し方向を調整するためのものである。空調用レジスタは、リテーナ11と、下流フィン12と、上流フィン13と、ノブ14と、を備えている。
【0020】
リテーナ11には、空調用空気を流すための通風路15が形成されている。下流フィン12及び上流フィン13は、空調用レジスタの通風路15から車室内に吹き出される空調用空気の吹き出し方向を変更するためのものであり、通風路15に配置されている。上流フィン13は、通風路15における空調用空気の流れ方向において、下流フィン12よりも上流に位置している。ノブ14は、下流フィン12に取り付けられている。
【0021】
<下流フィン12及びその周辺の構造>
下流フィン12は、長辺及び短辺を有する長板状に形成されている。下流フィン12は、通風路15における空調用空気の流れ方向と交差する方向が長辺方向となるよう配置されている。下流フィン12における長辺方向の両端部には、それぞれ第1支持軸16が形成されている。これら第1支持軸16は、下流フィン12における長辺方向の端部から突出することにより、同一の軸線上で下流フィン12の長辺方向に延びている。第1支持軸16は、リテーナ11に対し、第1支持軸16の中心線周りに回転可能に支持されている。これにより、下流フィン12は、第1支持軸16の中心線周りに回転することが可能となっている。リテーナ11の通風路15から車室内に吹き出される空調用空気の吹き出し方向は、下流フィン12における第1支持軸16の中心線周りの回転位置に応じて変化する。
【0022】
図2に示すように、下流フィン12に取り付けられるノブ14は、本体17と組付体18とを備えている。ノブ14の本体17は、下流フィン12を短辺方向に貫通している。本体17における上記短辺方向の端部には、組付体18が組み付けられている。これにより、下流フィン12にノブ14が取り付けられる。このように下流フィン12に取り付けられたノブ14は、下流フィン12に対し一体回転することが可能であり、且つ、下流フィン12に対し長辺方向に相対移動することが可能となっている。
【0023】
<上流フィン13及びその周辺の構造>
図1に示すように、上流フィン13は、下流フィン12の長辺方向に間隔をおいて複数設けられている。上流フィン13は、板状に形成されている。
図1における上流フィン13の上端と下端とには、それぞれ第2支持軸19が形成されている。これら第2支持軸19は、上流フィン13の上端及び下端から突出することにより、同一の軸線上で下流フィン12の第1支持軸16と異なる方向に延びている。第2支持軸19は、リテーナ11に対し、第2支持軸19の中心線周りに回転可能に支持されている。これにより、上流フィン13は、第2支持軸19の中心線周りに回転することが可能となっている。リテーナ11の通風路15から車室内に吹き出される空調用空気の吹き出し方向は、上流フィン13における第2支持軸19の中心線周りの回転位置に応じても変化する。
【0024】
図2に示すように、上流フィン13とノブ14の組付体18との間には、連結バー20が配置されている。連結バー20は、下流フィン12の長辺方向に延びている。連結バー20は、ノブ14における下流フィン12の長辺方向についての直線運動を、複数の上流フィン13における第2支持軸19(
図1)の中心線周りの回転運動に変換するためのものである。
【0025】
ノブ14の組付体18には、ノブ14を連結バー20に連結するための突出片21が形成されている。突出片21は、連結バー20に向けて突出するとともに、下流フィン12と直交する方向に延びている。連結バー20における上記突出片21と対向する位置には溝22が形成されている。溝22には突出片21が挿入されている。このため、ノブ14を下流フィン12の長辺方向に移動させたときには、連結バー20がノブ14と一体に移動する。また、下流フィン12及びノブ14を第1支持軸16の中心線周りに回転させたときには、その際の突出片21の連結バー20に対する相対移動が溝22によって許容される。
【0026】
複数の上流フィン13における連結バー20に対応する位置には、それぞれ支柱23が形成されている。連結バー20における複数の上流フィン13に対応する位置には、それぞれ溝24が形成されている。上流フィン13の支柱23は、連結バー20の溝24に挿入されることにより、連結バー20に対し回転可能に支持されている。このため、ノブ14及び連結バー20を下流フィン12の長辺方向に移動させたときには、連結バー20が複数の上流フィン13の支柱23を押すことにより、複数の上流フィン13が第2支持軸19の中心線周りに回転する。
【0027】
<ノブ14の詳細な構造>
図3に示すように、下流フィン12には、ノブ14の本体17を挿入することが可能な挿入部25が形成されている。挿入部25は、下流フィン12を短辺方向、すなわち
図3の左右方向に貫通するよう形成されている。
図3の左側は、通風路15(
図2)における空調用空気の流れの上流側となっている。挿入部25における空調用空気の流れの上流側の端には、
図3の上下方向において対向するように突出する壁26が形成されている。挿入部25における空調用空気の流れの上流側の端では、挿入部25における
図3の上下方向の幅が上記壁26によって小さくされている。
【0028】
本体17は、下流フィン12の挿入部25に対し、下流フィン12の短辺方向に差し込まれる。詳しくは、本体17は、挿入部25に対し空調用空気の流れの下流側から差し込まれる。これにより、本体17は挿入部25を貫通している。本体17は、把持部27と貫通部28とを備えている。貫通部28は、挿入部25を下流フィン12の短辺方向に貫通している。把持部27は、ノブ14を操作する際に手で持つためのものである。把持部27は、貫通部28における上記短辺方向の端部、詳しくは貫通部28における空調用空気の流れの下流側の端部に位置している。把持部27は、下流フィン12から突出しており、下流フィン12に近づくほど下流フィン12の厚さに近い厚さにされている。
【0029】
図4~
図6に示すように、本体17は、フック部29を備えている。
図4及び
図5に示すように、フック部29は、貫通部28における上記短辺方向の端部、詳しくは貫通部28における空調用空気の流れの上流側の端部に位置している。フック部29は、下流フィン12の上記壁26の間を通過して下流フィン12から突出し、
図6に示すようにノブ14の組付体18と組み付けられる。
【0030】
組付体18はフック部29、言い換えれば下流フィン12を短辺方向に貫通した本体17の一部に対し組み付けられることにより、下流フィン12の壁26を本体17の貫通部28との間に挟む。これにより、ノブ14が下流フィン12に取り付けられる。下流フィン12における挿入部25(
図4)の上記長辺方向の長さは、ノブ14における貫通部28(
図5)の上記長辺方向の長さよりも大きくされている。これにより、下流フィン12に取り付けられたノブ14は、下流フィン12に対し長辺方向に相対移動することが可能になる。
【0031】
図4及び
図5に示すように、組付体18は、本体17に組み付けることが可能なベース片31を備えている。ベース片31は、下流フィン12の長辺方向を長辺とするとともに下流フィン12の厚さ方向を短辺とする長方形の板状に形成されている。組付体18の上記突出片21は、ベース片31から突出するように形成されている。ベース片31には通し穴32、抜止部33、及び爪34も形成されている。
【0032】
通し穴32は、ノブ14の本体17におけるフック部29を通すことが可能な形状となっている。フック部29の先端部は、下流フィン12の長辺方向に延びるように屈曲している。通し穴32は、フック部29を通した状態で、同フック部29に対し組付体18を
図4及び
図5の下方に相対移動させることが可能な形状となっている。抜止部33は、ベース片31における通し穴32の隣に位置している。
【0033】
通し穴32にフック部29を通した状態で、組付体18を
図4及び
図5の下方に移動させると、
図6に示すようにフック部29の先端部が抜止部33に対応して位置する。このときには、上記抜止部33及びフック部29の先端部により、下流フィン12の短辺方向についての組付体18及び下流フィン12に対する本体17の相対移動が不能とされる。その結果、組付体18が本体17に組み付けられる。
【0034】
上述したようにフック部29の先端部が抜止部33に対応して位置したときの組付体18の位置は、下流フィン12の短辺方向についての組付体18及び下流フィン12に対する本体17の相対移動を不能とする組付位置となる。一方、フック部29を通し穴32に通したときの組付体18の位置、すなわち組付体18を
図6の位置から突き当たるまで上に移動させたときの位置は、本体17を組付体18に対し下流フィン12の短辺方向に相対移動させることが可能な開放位置となる。組付体18は、上述した開放位置と組付位置との間で移動することが可能なものとなっている。組付体18の開放位置と組付位置との間での移動は、組付体18が下流フィン12の短辺方向と交差する方向に移動することによって実現される。
【0035】
図4及び
図5に示すように、組付体18のベース片31における通し穴32及び抜止部33の隣には、上記爪34が位置している。爪34は、組付体18が開放位置から組付位置に移動したとき、その組付位置から開放位置への移動を規制するためのものである。爪34は、
図6に示すように組付体18が組付位置にあるとき、
図3に示すように本体17に対し掛け止めされる。詳しくは、本体17の貫通部28から下流フィン12の二つの壁26の間を介して突出する突起35に対し、上記爪34が掛け止めされる。そして、組付体18が開放位置から組付位置に移動するときには、上記爪34が弾性変形して上記突起35を乗り越えることにより、上記爪34が上記突起35に掛け止めされる。このように爪34が突起35に掛け止めされることにより、組付位置から開放位置への組付体18の移動が規制される。
【0036】
次に、上記空調用レジスタの作用効果について説明する。
(1)ノブ14は、その本体17が下流フィン12を短辺方向に貫通しており、同短辺方向における本体17の端部に対し組付体18が組み付けられることにより、下流フィン12に対し取り付けられる。この構造により、本体17に必要な強度を維持しつつ本体17の厚さを小さくしたとき、その本体17の厚さを小さく抑えることができる。また、上記構造により、下流フィン12における本体17が貫通する箇所の厚さは、本体17と組付体18との外れやすさを考慮せずに、下流フィン12としての必要な強度を確保できる最小値に設定することができる。これらのことから、下流フィン12におけるノブ14が取り付けられた箇所の厚さを小さくすることができる。そして、下流フィン12におけるノブ14が取り付けられた箇所の厚さを小さくすることにより、下流フィン12とノブ14との一体感が増すようになる。
【0037】
(2)上記本体17は、下流フィン12に形成された挿入部25に対し下流フィン12の短辺方向に差し込まれることにより、本体17の一部が下流フィン12を短辺方向に貫通するものとされる。上記組付体18は、下流フィン12を短辺方向に貫通した本体17の一部であるフック部29に対し組み付けられる。組付体18は、フック部29に組み付けられたとき、下流フィン12を本体17との間に挟み込むことにより、ノブ14を下流フィン12に取り付けるものとされる。従って、ノブ14を下流フィン12に取り付けるために組付体18を本体17に組み付けたとき、それら組付体18と本体17との間に下流フィン12が挟まれるため、下流フィン12の挿入部25から本体17が抜けることを抑制できる。
【0038】
(3)組付体18は、下流フィン12の短辺方向と交差する方向への移動を通じて、開放位置と組付位置との間で移動する。組付体18が開放位置にあるときには、本体17を組付体18に対し下流フィン12の短辺方向に相対移動させることが可能とされる。組付体18が組付位置にあるときには、組付体18及び下流フィン12に対し下流フィン12の短辺方向についての本体17の相対移動を不能とすることにより、組付体18が本体17に組み付けられる。従って、本体17が下流フィン12の短辺方向に貫通した状態のもと、その短辺方向と交差する方向についての開放位置から組付位置への組付体18の移動により、組付体18が本体17に組み付けられる。このようにしてノブ14が下流フィン12に取り付けられるため、下流フィン12の挿入部25からノブ14の本体17を抜く方向に引っ張っても、本体17が組付体18から外れることはない。
【0039】
(4)組付体18は、開放位置から組付位置に移動したとき、その組付位置から開放位置への移動を規制する爪34を備えている。この爪34は、組付体18が開放位置から組付位置に移動したとき、本体17の突起35に掛け止めされる。これにより、組付位置から開放位置への組付体18の移動が規制される。従って、組付体18を本体17に組み付けるために開放位置から組付位置に移動させた後、組付体18が組付位置から開放位置に移動して本体17から外れることを抑制できる。
【0040】
(5)ノブ14の本体17は、把持部27と貫通部28とフック部29とを備えている。貫通部28は、下流フィン12を短辺方向に貫通している。フック部29は、貫通部28における上記短辺方向の一方の端部に位置して下流フィン12から突出し、組付体18と組み付けられる。把持部27は、貫通部28における上記短辺方向の他方の端部に位置して下流フィン12から突出しており、下流フィン12に近づくほど下流フィン12の厚さに近い厚さとなるようにされる。このため、把持部27と下流フィン12との間の段差を小さく抑えることができ、それによって見た目を良くすることができる。
【0041】
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・把持部27については、必ずしも下流フィン12に近づくほど下流フィン12の厚さに近い厚さとなるようにする必要はない。
【0042】
・本体17に対する組付体18の組み付け方を適宜変更してもよい。その組み付け方によっては、組付体18の爪34を省略することが可能である。
・開放位置と組付位置との間での組付体18の移動方向は、必ずしも下流フィン12の短辺方向と交差する方向である必要はない。
【符号の説明】
【0043】
11…リテーナ
12…下流フィン
14…ノブ
15…通風路
16…第1支持軸
17…本体
18…組付体
21…突出片
22…溝
23…支柱
24…溝
25…挿入部
26…壁
27…把持部
28…貫通部
29…フック部
31…ベース片
32…通し穴
33…抜止部
34…爪
35…突起