(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177841
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】広告素材アロケーションシステム、広告素材アロケーション装置、広告素材アロケーション方法及び広告素材アロケーションプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20231207BHJP
【FI】
G06Q30/02 444
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090751
(22)【出願日】2022-06-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】320005501
【氏名又は名称】株式会社電通
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100174528
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 晋朗
(74)【代理人】
【識別番号】100213643
【弁理士】
【氏名又は名称】新開 健一
(72)【発明者】
【氏名】岸本 渉
(72)【発明者】
【氏名】荒川 大
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】計算量の増大を抑制しつつ特定のターゲットに対しての効率的な広告割り当てを実現すること。
【解決手段】本開示の一態様に係る広告素材アロケーションシステムは、アロケーションに関する設定情報を取得する取得部と、前記設定情報に基づいて、各広告枠に複数のブランドのうちどのブランドの広告素材を割り当てるかを決定する制御部と、を有し、前記制御部は、第1のルールを満たす条件下で、ブランドごとの特定の指標に関する達成率のうち、全ブランドについての最小値を最大化する第1の割り当てを決定し、第2のルールを満たす条件下で、全ブランドについての前記達成率の最大値と最小値との差を最小化する第2の割り当てを、前記第1の割り当てに基づいて決定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アロケーションに関する設定情報を取得する取得部と、
前記設定情報に基づいて、各広告枠に複数のブランドのうちどのブランドの広告素材を割り当てるかを決定する制御部と、を有し、
前記制御部は、
第1のルールを満たす条件下で、ブランドごとの特定の指標に関する達成率のうち、全ブランドについての最小値を最大化する第1の割り当てを決定し、
第2のルールを満たす条件下で、全ブランドについての前記達成率の最大値と最小値との差を最小化する第2の割り当てを、前記第1の割り当てに基づいて決定する広告素材アロケーションシステム。
【請求項2】
前記特定の指標は、ターゲット延べ視聴率(TRP:Target Rating Point)であり、
前記第1のルールは、世帯延べ視聴率(GRP:Gross Rating Point)又は個人GRPが目標値以上であるという制約を含む請求項1に記載の広告素材アロケーションシステム。
【請求項3】
前記第2のルールは、前記第2の割り当てにおける全ブランドについての前記達成率の最小値が、前記第1の割り当てにおける全ブランドについての前記達成率の最小値以上であるという制約を含む請求項1に記載の広告素材アロケーションシステム。
【請求項4】
前記制御部は、第3のルールを満たす条件下で、特定のブランドについて、割り当てられる1日あたりの広告枠数のばらつき及び時間的に隣接する番組への連続割り当て枠数の少なくとも一方を最小化する第3の割り当てを、前記第2の割り当てに基づいて決定する請求項1に記載の広告素材アロケーションシステム。
【請求項5】
アロケーションに関する設定情報を取得する取得部と、
前記設定情報に基づいて、各広告枠に複数のブランドのうちどのブランドの広告素材を割り当てるかを決定する制御部と、を有し、
前記制御部は、
第1のルールを満たす条件下で、ブランドごとの特定の指標に関する達成率のうち、全ブランドについての最小値を最大化する第1の割り当てを決定し、
第2のルールを満たす条件下で、全ブランドについての前記達成率の最大値と最小値との差を最小化する第2の割り当てを、前記第1の割り当てに基づいて決定する広告素材アロケーション装置。
【請求項6】
アロケーションに関する設定情報を取得するステップと、
前記設定情報に基づいて、各広告枠に複数のブランドのうちどのブランドの広告素材を割り当てるかを決定するステップと、を有し、
前記決定するステップは、
第1のルールを満たす条件下で、ブランドごとの特定の指標に関する達成率のうち、全ブランドについての最小値を最大化する第1の割り当てを決定するステップと、
第2のルールを満たす条件下で、全ブランドについての前記達成率の最大値と最小値との差を最小化する第2の割り当てを、前記第1の割り当てに基づいて決定するステップと、を含む広告素材アロケーション方法。
【請求項7】
アロケーションに関する設定情報を取得するステップと、
前記設定情報に基づいて、各広告枠に複数のブランドのうちどのブランドの広告素材を割り当てるかを決定するステップと、をコンピュータに実行させる、ここで、前記決定するステップは、
第1のルールを満たす条件下で、ブランドごとの特定の指標に関する達成率のうち、全ブランドについての最小値を最大化する第1の割り当てを決定するステップと、
第2のルールを満たす条件下で、全ブランドについての前記達成率の最大値と最小値との差を最小化する第2の割り当てを、前記第1の割り当てに基づいて決定するステップとを含む、広告素材アロケーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広告素材アロケーションシステム、広告素材アロケーション装置、広告素材アロケーション方法及び広告素材アロケーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ放送においては、広告としてコマーシャル(CM:Commercial Message)が放送される。CMは、タイムCM(time CM)及びスポットCM(spot CM)に大別される。タイムCMは、番組と一体で売買される枠で放送されるCMであって、プログラムコマーシャル(program commercial)、番組CM、提供CMなどと呼ばれてもよい。
【0003】
スポットCMは、テレビ局が定めたCM時間枠に放送されるCMに該当する。スポットCMは、番組間で放送されるステーションブレイク(SB:Station Break)、番組内に挿入されるが提供表示が付かないパーティシペーション(PT:Participation)(又はパーティシペーティングCM)などに分けられる。
【0004】
既存のスポットCMのプランニング(広告枠選択、作案、買い付け、見積もり、スポットプランニング、割り当てなどと呼ばれてもよい)は、予め定められた広告出稿パターンに基づいて行われる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
商品、サービスによっては、特定のターゲットに対して訴求すれば十分なものがある。ここで、ターゲットは、マーケティングの分野で用いられる性・年齢別区分(C(Child)層、T(Teen)層、M(Male)1-M3層、F(Female)1-F3層)であってもよい。
【0007】
このような商品などについて、全世代を対象とした広告素材を利用しても、効果的でない。したがって、特定のターゲット向けの広告素材をCMに導入することが望ましい。また、同じ商品などについて、複数のターゲット向けの広告素材を使い分けることが望ましい。
【0008】
しかしながら、特定のターゲット向けの広告素材の好適な割り付け方法についてはまだ確立されていない。例えば、割り当て対象が複数ブランドを含む場合に、単純に最適化手法を適用すると、得られる解が適切でなかったり、計算量が膨大となったりするおそれがある。
【0009】
そこで本開示は、計算量の増大を抑制しつつ特定のターゲットに対しての効率的な広告割り当てを実現できる広告素材アロケーションシステム、広告素材アロケーション装置、広告素材アロケーション方法及び広告素材アロケーションプログラムを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様に係る広告素材アロケーションシステムは、アロケーションに関する設定情報を取得する取得部と、前記設定情報に基づいて、各広告枠に複数のブランドのうちどのブランドの広告素材を割り当てるかを決定する制御部と、を有し、前記制御部は、第1のルールを満たす条件下で、ブランドごとの特定の指標に関する達成率のうち、全ブランドについての最小値を最大化する第1の割り当てを決定し、第2のルールを満たす条件下で、全ブランドについての前記達成率の最大値と最小値との差を最小化する第2の割り当てを、前記第1の割り当てに基づいて決定する。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一態様によれば、計算量の増大を抑制しつつ特定のターゲットに対しての効率的な広告割り当てを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る広告素材アロケーションシステムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る広告素材アロケーション方法のフローチャートの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、ステップS104のアロケーションの処理の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係る広告素材アロケーション方法の適用結果の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、広告素材アロケーション方法の参考例を示す図である。
【
図6】
図6は、一実施形態に係る割当装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、一実施形態に係る割当装置などのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、同一の部には同一の符号が付される。同一の部は名称、機能などが同じであるため、詳細な説明は繰り返さない。
【0014】
(広告素材アロケーションシステム)
図1は、一実施形態に係る広告素材アロケーションシステムの概略構成の一例を示す図である。
図1に示す広告素材アロケーションシステム1は、広告素材アロケーション装置10と、放送配信装置20と、視聴率管理装置30と、を含む。
【0015】
広告素材アロケーション装置10は、1つ又は複数の広告ブランド(キャンペーン、商品、サービス、素材などと互いに読み替えられてもよい)について、テレビなどを用いて放送される広告枠にCMを割り当てる装置である。広告素材アロケーション装置10は、以下、単にアロケーション装置10、割当装置10などとも呼ぶ。
【0016】
割当装置10は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末などの携帯端末(移動通信端末)であってもよいし、パソコン(PC:Personal Computer)、サーバなどの固定通信端末であってもよい。つまり、本開示における割当装置10は、通信デバイスで読み替えることができる。
【0017】
割当装置10は、有線及び/又は無線(例えば、LTE(Long Term Evolution)、5G NR(5th Generation New Radio)、Wi-Fi(登録商標)など)を介して、ネットワーク(インターネットなど)と通信してもよい。
【0018】
放送配信装置20は、テレビ(TV:television)に対して放送を配信する装置である。ここで、テレビ(テレビ受像機)は、地上波放送、放送衛星(BS:Broadcasting Satellite)/通信衛星(CS:Communications Satellite)による放送、インターネット放送(インターネットテレビ)などの少なくとも1つを受信する機能を有する装置であってもよい。例えば、テレビは、多機能テレビ、スマートTV、IP(Internet Protocol)TV、セットトップボックス、上述の携帯端末、上述の固定通信端末などの少なくとも1つであってもよい。
【0019】
なお、放送は、公衆によって直接受信されることを目的とする電気通信の送信を意味し、無線放送、インターネット放送などを含んでもよい。
【0020】
視聴率管理装置30は、テレビにおいて放送される番組の実際の視聴率を集計する装置である。視聴率は、所定の時間単位(例えば、秒、分、時)で記憶されてもよい。視聴率管理装置30は、ネットワークを介して他の装置(例えば、割当装置10)に対して視聴率に関する情報を送信してもよい。
【0021】
視聴率管理装置30は、例えばテレビ視聴率調査者によって管理される装置であってもよい。視聴率管理装置30は、所定の世帯(例えば、調査協力世帯)のテレビに接続された測定機器から視聴履歴のデータを取得して管理してもよい。なお、当該データから視聴率が算出又は予測されてもよい。
【0022】
視聴率管理装置30は、所定のターゲット(所定の属性に該当するユーザ)ごとの視聴率(ターゲットの個人視聴率)が記録されてもよい。
【0023】
視聴率又は予測視聴率は、例えば、ターゲット層の個人視聴率の合計に相当するターゲット延べ視聴率(TRP:Target Rating Point)、世帯視聴率の合計に相当する延べ視聴率(GRP:Gross Rating Point)の少なくとも1つに関する視聴率又は予測視聴率を含んでもよい。予測視聴率は、割当装置10又は視聴率管理装置30によって、過去の視聴率、リアルタイム視聴率、番組に関する情報などの少なくとも1つに基づいて導出されてもよい。また、予測視聴率は、個人全体視聴率であってリアルタイム視聴及び放送後7日目までのタイムシフト視聴を合算した視聴率(All、P+C7(Program + Commercial 7)などと呼ばれてもよい)について予測した視聴率を含んでもよい。なお、ターゲットの個人視聴率は、あるターゲット層に該当する個人全体に対する当該ターゲット層の視聴者の割合を意味してもよい。
【0024】
なお、本開示において、ターゲットは、マーケティングの分野で用いられる性・年齢別区分(C(Child)層、T(Teen)層、M(Male)1-M3層、F(Female)1-F3層)であると想定するが、この分類に限られない。
【0025】
割当装置10など各装置の機能構成及びハードウェア構成の一例については、後述する。
【0026】
なお、当該システム構成は一例であり、これに限られない。例えば、各装置は、
図1ではそれぞれ1つずつ含まれる構成としたが、各機器の数はこれに限られず、複数存在してもよい。広告素材アロケーションシステム1は、一部の装置を含まない構成としてもよいし、1つの装置の機能が複数の装置により実現される構成としてもよい。
【0027】
複数の装置の機能が1つの装置により実現される構成としてもよい。例えば、割当装置10と、放送配信装置20と、視聴率管理装置30と、の少なくとも2つが、1つのサーバ上で実装されてもよい。
【0028】
(広告素材アロケーション方法)
本開示の一実施形態に係る広告素材アロケーション方法について、以下で説明する。各広告素材アロケーション方法は、上述の広告素材アロケーションシステムに適用されてもよい。なお、本開示の内容は広告素材プランニングに利用されてもよく、本開示において、「アロケーション」、「割り当て」、「プランニング」、「作案」、「最適化」などは、互いに読み替えられてもよい。
【0029】
図2は、一実施形態に係る広告素材アロケーション方法のフローチャートの一例を示す図である。
【0030】
ステップS101において、割当装置10は、広告素材アロケーション対象であるブランドを決定する。割当装置10は、外部からの入力(例えば、ユーザによる設定、他の装置からの受信)に基づいて当該ブランドを決定してもよい。アロケーション対象は、複数のブランドが含まれてもよい。また、アロケーション対象は、単一の(1社の)広告主のブランドであってもよいし、複数の広告主のブランドであってもよい。
【0031】
ステップS102において、割当装置10は、アロケーションに関する設定(設定情報と呼ばれてもよい)を取得する。割当装置10は、外部からの入力に基づいて当該設定を取得してもよい。当該設定は、後述のステップS104において用いられる情報(例えば、第1/第2/第3のルールに関する情報)を含んでもよいし、各広告枠に関するアロケーションの制約(各ターゲットに関する禁止条件など)の情報を含んでもよい。
【0032】
例えば、第1/第2/第3のルールに関する特定の値/情報は、設定情報を入力させるユーザインタフェースにおいて選択可能に(チェックボックスなどで)表示されてもよく、割当装置10は、当該ユーザインタフェースの選択に基づいて上記値/情報を決定してもよい。
【0033】
ここで、設定情報は、割り当てる広告に関する情報(広告情報、CM情報などと呼ばれてもよい)を含んでもよい。広告情報は、広告の内容(コンテンツ)に関する情報を含んでもよく、例えば、広告対象の商品又はサービスの内容(例えば、医療系、ギャンブル、金融、アルコール、たばこなどに関するか否か)を示してもよい。
【0034】
また、広告情報は、当該ブランドの広告がタイムCMなのかスポットCMなのかに関する情報を含んでもよい。広告情報は、当該ブランドの広告がSBなのかPTなのかに関する情報を含んでもよい。
【0035】
また、広告情報は、当該ブランドにおいて許容される広告の出稿パターン(例えば、逆L型、全日型、ヨの字型、コの字型、逆F型、深夜型、全日昼型など)に関する情報を含んでもよい。
【0036】
設定情報は、あるブランドの広告割り当て対象期間(例えば、一か月)の各広告枠の番組に関する情報(番組情報と呼ばれてもよい)を含んでもよい。番組情報は、例えば、放送日時(開始時間、終了時間、曜日、番組の時間長などを含んでもよい)、タイムランク(CM料金のランク)、番組のジャンル、番組の内容(コンテンツ)の情報、番組に関するキーワード、番組の予測視聴率などを含んでもよい。
【0037】
番組のジャンルは、例えば、ニュース、バラエティ、ドラマ、映画、音楽、スポーツ、その他などであってもよい。予測視聴率は、リアルタイム視聴率及びタイムシフト視聴率の少なくとも一方に基づいて算出される予測視聴率(又は見積視聴率)を含んでもよい。
【0038】
制約に関して、割当装置10は、あるブランドがある広告枠を獲得できるか(あるブランドの広告を当該ある広告枠に割り当ててよいか)を、上記設定情報によって示される以下の少なくとも1つに基づいて判断してもよい:
・当該広告枠がスポット枠か、
・当該広告枠がスポット枠であれば、SBかPTか、
・当該広告枠がタイム枠か、
・当該広告枠に対応する番組、
・当該広告枠に対応する番組のジャンル、
・当該広告枠に対応する番組について一定期間(例えば、同日、同月、ブランド期間)内に獲得する広告枠の数、
・当該広告枠に対応する放送局、
・当該広告枠の曜日及び/又は時間帯、
・当該広告枠に隣接する枠が獲得されているか否か、
・当該広告枠と同一枠に、当該ブランドと同じジャンルの広告の枠が獲得されているか否か、
・当該広告枠が、当該ブランド(当該ブランドの広告主、クライアント)に対して獲得不可に指定された枠か否か。
【0039】
言い換えると、割当装置10は、上記の条件の少なくとも1つがブランドの設定とマッチする(又はしない)広告枠が、当該ブランドについて獲得禁止(獲得不可)であると想定してもよい。上記の条件は、禁止条件などと呼ばれてもよい。広告枠を獲得できない曜日及び/又は時間帯は、禁止時間と呼ばれてもよい。
【0040】
割当装置10は、禁止時間を、広告の出稿パターンに基づいて導出してもよい。出稿パターンとしては、例えば、逆L型、全日型、ヨの字型、コの字型、逆F型、深夜型、全日昼型などがある。割当装置10は、逆L型の出稿パターンが獲得禁止枠として設定されたブランドについては、逆L型に該当する時間が禁止時間であると判断してもよい。なお、本開示において、広告出稿パターンは、出稿パターン、展開パターン、広告パターン、販売パターンなどで読み替えられてもよい。
【0041】
ステップS103において、割当装置10は、あるブランドの広告割り当て対象期間(例えば、一か月)の各広告枠の予測視聴率(予測獲得GRP、ターゲットごとの予測獲得TRPなど)を導出する。この導出には、視聴率管理装置30において記録された過去の視聴率データ(例えば、ターゲットごとの個人視聴率データ)が用いられてもよい。割当装置10は、例えば過去の視聴率データをディープラーニング、回帰分析などの分析手法を用いてGRP/TRP予測モデルを作成し、当該モデルに各広告枠に対応する番組情報などを入力して、予測獲得GRP/TRPを導出してもよい。
【0042】
なお、割当装置10は、各広告枠の予測視聴率に関する情報を、外部からの入力に基づいて取得してもよい。各広告枠の予測視聴率に関する情報は、上記アロケーションに関する設定情報に含まれてもよい。
【0043】
なお、本開示では、予測獲得GRP/TRP、獲得GRP/TRP、予測GRP/TRP、見積もりGRP/TRPなどは、互いに読み替えられてもよい。
【0044】
本開示では、アロケーション対象となる広告枠は、複数の放送局(チャンネルで読み替えられてもよい)の一定期間(例えば、ブランドの広告割り当て対象期間)に該当する枠であると想定するが、1つの放送局が対象であってもよい。なお、本開示において、広告枠、枠、時間帯、ゾーンなどは互いに読み替えられてもよい。
【0045】
ステップS104において、割当装置10は、S102におけるアロケーションに関する設定、S103における枠ごとの獲得GRP/TRPなどに基づいて、各ブランドの広告素材のアロケーションを実施する。
【0046】
割当装置10は、当該アロケーションにおいて、広告割り当てに関する組合せ最適化問題(例えば、線形計画問題)を定義し、最適化手法を用いて解を得る。ここで、解は、アロケーション対象のどの広告枠にどのブランドを割り当てるか、に対応する。解は、アロケーション対象の全広告枠と、それぞれの広告枠に割り当てられるブランドとの対応関係を示す情報に該当してもよい。
【0047】
最適化手法としては、分枝限定法、動的計画法などが用いられてもよい。最適化には、ディープラーニング、強化学習、機械学習などの少なくとも1つに基づいて生成された学習モデルが利用されてもよい。
【0048】
図3は、ステップS104のアロケーションの処理の一例を示す図である。本開示にお示すアロケーションでは、複数段階の最適化ステップを踏むことによって、計算量の増大を抑制しつつ、広告主の求める最適解を適切に計算することができる。
【0049】
以下、max(…)は、カッコ内の変数の最大値を返す関数であってもよく、min(…)は、カッコ内の変数の最小値を返す関数であってもよい。
【0050】
なお、割当装置10は、各ステップにおける解の探索において、あるブランドの広告が特定の広告枠に割り当て可能かを、上述の制約に基づいて決定してもよい。
【0051】
<ステップS201>
ステップS201において、割当装置10は、第1のルールを満たす条件下で、各ブランドの達成率の最小値が大きくなる解を探索(導出)する。第1のルールは、順守ルール、優先ルールなどと呼ばれてもよい。
【0052】
最適化対象のN個のブランドのうち、i番目(iは整数。i=1、2、…、N)のブランドの達成率をBrandiとおくと、ステップS201の最適化問題は、第1のルールに対応する条件のもと、min(Brand1、…、BrandN)を最大化する、という問題に該当してもよい。
【0053】
Brandiは、i番目のブランドのある指標の目標値に対する割合(つまり、ある指標の見積もり値÷目標値)に該当してもよい。なお、本開示において、指標は、TRP、GRP(世帯GRP、個人GRP)、リーチ、フリークエンシー、金額などの少なくとも1つに該当してもよい。
【0054】
また、あるブランドについてのある指標の見積もり値(例えば、指標がTRPであれば、見積もりTRP)は、当該ブランドについて現時点のステップにおける解に対応する広告割り当てが行われる場合の、獲得が期待される当該指標の値(獲得される全広告枠についての当該指標の見積もり値の総和)であってもよい。
【0055】
第1のルールは、i番目のブランドについての、以下の1つ又は複数のルールを含んでもよい:
・ある指標が、目標値以上となる(又は、目標値±許容範囲に含まれる)、
・どの指標の達成率を解探索の対象とするか(Brandiがどの指標についての達成率であるか、どの指標が最適化対象か)
・最適化対象の期間内の特定の条件を満たす日時(例えば、全ての日)の特定の時間単位(例えば、1日)それぞれにおいて、必ず1つ以上の広告枠に広告を割り当てる、
・同じ番組のSB/PTへの本数が特定の数(例えば、1、2、…)以下である、
・特定の期間について(又はある期間まで)のBrandiの目標達成率(以下、期間別達成率とも呼ぶ)が特定の値以上である、
・特定の期間別達成率の最大値と最小値の差分が特定の値以内である。
【0056】
第1のルールには、複数の指標それぞれについて、上記「ある指標が、目標値以上となる(又は、目標値±許容範囲に含まれる)」が含まれてもよい。当該許容範囲は、指標ごとに異なってもよい。
【0057】
上記「どの指標の達成率を解探索の対象とするか」が例えばTRPを示す場合、割当装置10は、各ブランドについて目標値が複数(例えば、TRPの目標値である目標TRP及びGRPの目標値である目標GRP)与えられた場合であっても、Brandiを、i番目のブランドの、TRP(総獲得TRP)の目標値(目標TRP)に対する割合であると判断することができる。
【0058】
なお、上記「どの指標の達成率を解探索の対象とするか」が特に指定されない場合、割当装置10は、特定の指標(例えば、TRP)を最適化対象と判断してもよい。
【0059】
上記特定の期間は、最適化対象の期間の一部又は全部であってもよい。また、第1のルールには、異なる期間についての複数の期間別達成率に関するルールが含まれてもよい。
【0060】
第1のルールは、複数のブランドについて、それぞれ異なる第1のルールを含んでもよい。例えば、複数のブランドの上記目標値は、それぞれ異なってもよい。本開示の「i番目のブランド」についての記載は、「i番目のブランド」が複数ある場合にはこれらのそれぞれについての記載を意味してもよい。本開示の「i番目のブランド」は、最適化対象のブランドに含まれる任意のブランドで読み替えられてもよい。
【0061】
第1のルールは、複数のブランドにわたる、以下の1つ又は複数のルールを含んでもよい:
・あるブランドの期間別達成率の最大値と、別のブランドの期間別達成率の最小値と、の差分が特定の値以内である、
・あるターゲットについて、複数のブランドの見積もりターゲット含有率の順番が希望の順番である。
【0062】
本開示において、あるブランドについてのターゲット含有率は、当該ブランドについてのTRP÷GRPによって算出されてもよい。なお、見積もり値についてのターゲット含有率(見積もりターゲット含有率とも呼ぶ)は、見積もりTRP÷見積もりGRPによって算出されてもよい。また、目標値についてのターゲット含有率(目標ターゲット含有率とも呼ぶ)は、目標TRP÷目標GRPによって算出されてもよい。
【0063】
ここで、「あるターゲットについて、複数のブランドの見積もりターゲット含有率の順番が希望の順番である」は、例えば、F1層について、ブランド1-3の見積もりターゲット含有率の順番(順位)が、ブランド2が1位、ブランド1が2位、ブランド3が3位である、のような条件であってもよい。最適化対象のブランドが複数のターゲットを含む場合、ターゲットごとに上記希望の順番(希望順位)が設定/指定されてもよい。
【0064】
なお、割当装置10は、上記希望順位を、同じターゲットについての、各ブランドの目標ターゲット含有率によって判断してもよく、この場合、明示的に上記希望順位を設定/指摘されなくてもよい。
【0065】
なお、第1のルールに関する情報(設定)は、割当装置10に対して、ユーザによって入力されてもよいし、外部から受信(通知)されてもよい。例えば、上記目標値、許容範囲、特定の条件、特定の時間単位、特定の数、特定の値、特定の期間、後述のXなどの少なくとも1つに関する情報は、上述のステップS102のアロケーションに関する設定に含まれてもよい。
【0066】
最適化手法として分枝限定法が用いられる場合、割当装置10は、まず第1のルールを満たす暫定解を所定の方法(例えば、貪欲法)に基づいて決定し、分枝操作、限定操作などを行って、第1のルールを満たす暫定解を任意の方法(例えば、貪欲法)に基づいて更新していき、探索可能な枝がなくなれば探索を打ち切る。このときの暫定解が、求められた最適解に該当する。なお、最初の暫定解の決定(算出)にあたっては、計算の簡略化のため、一部の第1のルールは無視されてもよい。なお、ステップS202、S203についても、第1/第2/第3のルールに関して同様の最適化処理が行われてもよい。
【0067】
ステップS201において解が見つかった場合、割当装置10は、ステップS2に進む。また、ステップS201において解が見つからなかった(指定された第1のルールを全て満たす暫定解が見つからなかった、又はmin(Brand1、…、BrandN)が所定の閾値以上にならなかった)場合、割当装置10は、第1のルールを緩和して再度解を探索してもよい。例えば、割当装置10は、期間別達成率についての上記特定の値を1(又は100%)として1回目のステップS201を実施し、解が見つからなかった場合は上記特定の値をX%(例えば、X=5)下げてステップS201を実施し、…という処理を解が見つかるまで繰り返し実施してもよい。
【0068】
<ステップS202>
ステップS202において、割当装置10は、第1のルールに加えて又は第1のルールの代わりに第2のルールを満たす条件下で、各ブランドの達成率の偏り(複数ブランドのうち、ブランドAの達成率が最大で、ブランドBの達成率が最小とすると、この最大と最小との差)を軽減する解を探索する。
【0069】
ステップS202の最適化問題は、第1のルール及び第2のルールに対応する条件のもと、max(Brand1、…、BrandN)-min(Brand1、…、BrandN)を最小化する、という問題に該当してもよい。
【0070】
ステップS202の最適化問題の初期値(暫定解)は、ステップS201において見つかった解であってもよい。
【0071】
第2のルールは、以下の1つ又は複数のルールを含んでもよい:
・i番目のブランドの達成率が、ステップS201において見つかった解におけるi番目のブランドの達成率の最小値(又は、最小値*係数)以上である、
・全ブランドの達成率の最小値が、ステップS201において見つかった解における全ブランドの達成率の最小値(又は、最小値*係数)以上である、
・i番目のブランドの特定の期間別達成率が、ステップS201において見つかった解におけるi番目のブランドの当該特定の期間別達成率(又は、当該特定の期間別達成率*係数)以上である。
【0072】
上記係数は、1以下の値(例えば、0.9)であってもよく、上記達成率の偏りの軽減のために、上記達成率の最小値が下がることを許容するための値に該当する。
【0073】
なお、第2のルールを示す情報(設定)は、割当装置10に対して、ユーザによって入力されてもよいし、外部から受信(通知)されてもよい。例えば、上記係数、後述のYなどの少なくとも1つに関する情報は、上述のステップS102のアロケーションに関する設定に含まれてもよい。例えば、上記係数を1以下の値にするか否かは、ステップS102の設定情報を入力させるユーザインタフェースにおいて選択可能に(チェックボックスなどで)表示されてもよく、割当装置10は、当該ユーザインタフェースの選択に基づいて上記係数の値を決定してもよい。
【0074】
ステップS202において解が見つかった場合、割当装置10は、ステップS203に進む。また、ステップS202において解が見つからなかった(指定された第1/第2のルールを全て満たす暫定解が見つからなかった、又はmax(Brand1、…、BrandN)-min(Brand1、…、BrandN)が所定の閾値以下にならなかった)場合、割当装置10は、第2のルールを緩和して再度解を探索してもよい。例えば、割当装置10は、達成率についての上記係数の値を1として1回目のステップS202を実施し、解が見つからなかった場合は上記係数の値をY%(例えば、Y=10)下げてステップS202を実施し、…という処理を解が見つかるまで繰り返し実施してもよい。
【0075】
また、ステップS202において解が見つからなかった(指定された第1/第2のルールを全て満たす暫定解が見つからなかった、又はmax(Brand1、…、BrandN)-min(Brand1、…、BrandN)が所定の閾値以下にならなかった)場合、割当装置10は、ステップS201に戻り、第1のルールを緩和して再度解を探索してもよい。例えば、割当装置10は、ステップS202において解が見つからなかった場合、ステップS201に戻り、期間別達成率についての上記特定の値をX%(例えば、X=5)下げてステップS201を実施してもよい。
【0076】
<ステップS203>
ステップS203において、割当装置10は、第2のルールに加えて又は第2のルールの代わりに第3のルールを満たす条件下で、特定の指標(以下の1つ又は複数の指標)を最小化する解を探索する:
・(ステップS203において探索する解における)i番目のブランドについての見積もりTRPと、ステップS202において見つかった解におけるi番目のブランドについての見積もりTRPとの差分(又は当該差分の絶対値)
・i番目のブランドについて割り当てられる1日あたりの広告枠数(広告の本数)のばらつき、
・i番目のブランドについて、時間的に隣接する番組への連続割り当て枠数。
【0077】
1日あたりの広告枠数のばらつきが少ないことは、特定の日に偏って広告が割り当てられることの抑制を意味するため、広告効果の改善が期待できる。また、1日あたりの広告枠数のばらつきが少ないことは、特定の日に偏って広告が割り当てられることの抑制を意味するため、広告効果の改善が期待できる。
【0078】
ステップS203の最適化問題の初期値(暫定解)は、ステップS202において見つかった解であってもよい。
【0079】
なお、ステップ203において特定の指標が上記の複数の指標を含む場合に、全ての指標を最小化することができなければ、任意の指標については妥協してもよい。例えば、上記差分の絶対値の最小値は0であるが、ある値(例えば、0.5、1、2、…)以下であることを許容してもよい。例えば、上記ばらつき/連続割当枠数の最小値は0であるが、1(又は2、3、…)であることを許容してもよい。
【0080】
第3のルールは、以下の1つ又は複数のルールを含んでもよい:
・i番目のブランドの達成率が、ステップS202において見つかった解におけるi番目のブランドの達成率の最小値以上である、
・全ブランドの達成率の最小値が、ステップS202において見つかった解における全ブランドの達成率の最小値(又は、最小値*係数)以上である、
・i番目のブランドの特定の期間別達成率が、ステップS202において見つかった解におけるi番目のブランドの当該特定の期間別達成率以上である。
【0081】
ステップS203において解が見つかった場合、割当装置10は、最適解が見つかったと判断してアロケーション処理を終了する。ステップS203においては、解が見つからないという事態はない(最悪でも、ステップS202の解が得られるため)。
【0082】
図4は、一実施形態に係る広告素材アロケーション方法の適用結果の一例を示す図である。図示される「希望順位」及びそれより左の列は、割当装置10に与えられる情報(最適化のために利用できる情報)に該当し、「希望順位」より右の列は、
図3のステップS203の最適化が完了した結果の指標に該当する。
【0083】
本例では、8つのブランド(ブランドA-H)について、ある期間の広告割り当てが行われる。ブランドA-C及びG-HのターゲットはF2であり、ブランドD-FのターゲットはF1である。
【0084】
本例では、割当装置10は、各ブランドの目標TRP及び目標GRPを与えられたと想定する。なお、図示される目標ターゲット含有率は、目標TRP/目標GRP[%]であり、希望順位は、ターゲットごとの目標ターゲット含有率を降順に並べた順番の順位に該当する。
【0085】
本例では、ブランドの達成率はTRPに対応する。つまり、ステップS201において最大化されるのは、各ブランドのTRPの達成率の最小値である。目標GRPは、第1のルールの制約条件として用いられる。
【0086】
アロケーションの結果、見積もりGRP-目標GRPであるGRP差分(及び、GRP差分のパーセント値(=GRP差分÷目標GRP×100))は全て0以上であり、つまり各ブランドの見積もりGRPは全て目標を達成している。
【0087】
アロケーションの結果、見積もりTRP-目標TRPであるTRP差分のパーセント値(=TRP差分÷目標TRP×100)は-18.9%から-16.7%の範囲に収まっており、ステップS202によって各ブランドの達成率の偏りが好適に軽減されたことがわかる。
【0088】
アロケーションの結果、見積もりターゲット含有率順位は、希望順位と一致しており、広告主の希望する各ブランドのTRP/GRPの比率が適切に反映されたことがわかる。
【0089】
図5は、広告素材アロケーション方法の参考例を示す図である。本例は、
図2-3の多段階の最適化手法を用いるアロケーションではなく、単にブランドごとのGRPを目標GRP以上にするという最適化手法を用いる例であり、目標TRP、希望順位などは考慮されていない(考慮することができない)。
【0090】
アロケーションの結果、各ブランドの見積もりGRPは全て目標を達成しているが、見積もりTRPにはかなり差がある。仮に目標TRPが
図4と同じだったとすると、各ブランドの達成率の偏りは
図4と比べて大きい。
【0091】
また、希望順位が
図4と同じだったとすると、見積もりターゲット含有率順位は、希望順位と一致していない。
【0092】
図4及び
図5を参照すると、本開示の多段階の最適化手法を用いるアロケーションが、広告主の希望する割り当てを適切に実施できており、好ましいことがわかる。また、本開示の多段階の最適化手法を用いるアロケーションは、既存のシステム(例えば、最適化を一括で行うアロケーションを採用する割当装置/システム)よりも、性能(達成される目標)及び処理負荷の観点で有利である。
【0093】
以上説明した一実施形態によれば、好ましい広告割り当てを、同じ解(広告割り当て)を既存システムを用いて得ようとする場合よりも低い処理負荷で、好適に決定できる。また、一実施形態によれば、当初の条件下で解が得られないケースであっても、割当装置10が自動的に一部の条件を緩めて最適化を試行できるため、解なしとなる事態を効果的に抑制できる。
【0094】
<補足>
上述の実施形態に示した広告素材アロケーションは、テレビCMに適用する例を示したが、これに限られない。本開示の上述の実施形態は、例えば、ラジオCM、インターネット配信のCMなどに適用されてもよい。当業者であれば、必要に応じて上述の実施形態の説明を読み替えて理解できる。例えば、ラジオCMに適用される場合、本開示の視聴率は聴取率で読み替えられてもよい。
【0095】
上述の実施形態で述べた禁止条件、禁止時間などと同様に、条件の少なくとも1つがキャンペーンの設定とマッチする(又はしない)広告枠が、当該キャンペーンについて獲得可能であると想定される条件(獲得可能条件)、時間(獲得可能時間)などが割当装置10に対して設定されてもよい。当業者であれば、上述の禁止条件/禁止時間を獲得可能条件/獲得可能時間に読み替え、獲得不可及び可能を適宜読み替えた内容に基づいて、獲得可能条件/獲得可能時間が導入される態様も実施可能である。
【0096】
本開示の「視聴率」、「GRP」、「TRP」、「視聴率量」などは互いに読み替えられてもよく、また、その他の視聴率又は延べ視聴率に関する指標によって読み替えられてもよい。
【0097】
なお、本開示は、「視聴率」を特定の指標(又は特定の指標の向上度合、オフセットなど)で読み替えた内容もカバーしている。当該特定の指標は、広告効果を判断するための指標、広告主の重要業績指標(KPI:Key Performance Indicators)を向上するための中間指標などであってもよく、例えば、認知率、リーチ、ROAS(Return On Advertising Spend)、ROI(Return on Investment)などを含んでもよい。「視聴率」という記載の少なくとも一部が上記特定の指標のいずれかで読み替えられてもよい。
【0098】
本開示における「指標」は、以下の少なくとも1つで読み替えられてもよい:
(1)広告取引におけるカレンシーデータ(例えば、世帯GRP、ALL、P+C7など)、
(2)ターゲット個人視聴率(又はTRP)、
(3)特定のユーザセグメントにおける視聴率量(例えば、広告主のサイトによく来訪している生活者の視聴率量、特定の商品をよく検索している生活者の視聴率量、特定の店舗に足を運んでいる生活者の視聴率量)、
(4)予測される広告効果(例えば、CPM(Cost Per Mille)、CPA(Cost Per Action)、CPI(Cost Per Install)など)。
【0099】
上記(3)のユーザセグメントは、視聴履歴(例えば、視聴率管理装置30から提供される)と、Data Management Platform(DMP)のデータから導出されてもよい。割当装置10は、あるユーザセグメントについての視聴率に関する情報を、視聴率管理装置30から取得してもよい。ユーザセグメントを導出するためのユーザの行動データ/位置情報は、移動通信端末からDMPの装置に送信され、分析に用いられてもよい。
【0100】
割当装置10は、第1/第2/第3のルールとして、広告投下バランスを満たすかを、最適化において利用(考慮)してもよい。広告投下バランスは、特定の期間単位(週、日、時間など)ごとに、また、特定の指標(例えば、GRP、TRP)ごとに指定されてもよい。広告投下バランスは、消費者が商品やサービスを求める瞬間(モーメント)に基づいて決定されてもよい。
【0101】
例えば、晴れの日に需要が大きくなる製品ブランドの広告割り当てに関しては、天気予報に連動し、晴れの日に多めにCMを流し、雨の日はCMをできるだけ流さないように日別に指定された広告投下GRPバランス指定値が適用されてもよい。割当装置10は、例えば、広告投下GRPバランス指定値=0.5が設定される日に割り当てられる広告枠の数を、広告投下GRPバランス指定値=1が設定される日に割り当てられる広告枠の数の半分としてアロケーションを実施してもよい。
【0102】
例えば、晴れの日に需要が大きくなる製品ブランドの広告割り当てに関しては、天気予報に連動し、晴れの日に多めにCMを流し、雨の日はCMをできるだけ流さないように日別に指定された広告投下GRPバランス指定値が適用されてもよい。割当装置10は、例えば、広告投下GRPバランス指定値=0.5が設定される日に割り当てられる広告枠の数を、広告投下GRPバランス指定値=1が設定される日に割り当てられる広告枠の数の半分としてアロケーションを実施してもよい。
【0103】
また、ブランドの広告枠の取得状況(又は在庫)、ブランドに対応する商品の生産状況(供給状況)、生活者の感情想起状態などに連動した広告投下GRPバランス指定値が、割当装置10に設定されてもよい。
【0104】
(機器の構成)
図6は、一実施形態に係る割当装置の機能構成の一例を示す図である。本例に示すように、割当装置10は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、入力部140と、出力部150と、を有する。なお、本例では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、割当装置10は、他の処理に必要な他の機能ブロックも有してもよい。また、一部の機能ブロックを含まない構成としてもよい。
【0105】
制御部110は、割当装置10の制御を実施する。制御部110は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置により構成することができる。
【0106】
記憶部120は、割当装置10において利用する情報を記憶(保持)する。記憶部120は、例えば、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるメモリ、ストレージ、記憶装置などにより構成することができる。
【0107】
通信部130は、ネットワークを介した他の通信デバイス(機器、サーバなど)との通信を行う。通信部13は、受信した種々の情報を制御部110に出力してもよい。
【0108】
通信部130は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置により構成することができる。なお、通信部130は、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0109】
入力部140は、ユーザからの操作により入力を受け付ける。また、入力部140は、所定の機器、記憶媒体などと接続され、データの入力を受け付けてもよい。入力部140は、入力結果を例えば制御部110に出力してもよい。
【0110】
入力部140は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるキーボード、マウス、ボタンなどの入力装置、入出力端子、入出力回路などにより構成することができる。また、入力部140は、表示部と一体となった構成(例えば、タッチパネル)としてもよい。
【0111】
出力部150は、ユーザに対して知覚できる形式でデータ、コンテンツなどの出力を行う。例えば、出力部150は、画像を表示する表示部、音声を出力する音声出力部などを含んで構成されてもよい。
【0112】
表示部は、例えば、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるディスプレイ、モニタなどの表示装置により構成することができる。また、音声出力部は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるスピーカーなどの出力装置により構成することができる。
【0113】
出力部150は、例えば、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される演算器、演算回路、演算装置、プレイヤー、画像/映像/音声処理回路、画像/映像/音声処理装置、アンプなどを含んで構成することができる。
【0114】
なお、通信部130、入力部140及び制御部110のいずれか又はこれらの組み合わせは、取得部と呼ばれてもよい。取得部は、アロケーションに関する設定情報を取得(受信、生成、導出)してもよい。
【0115】
制御部110は、
図2/
図3で示したステップに基づく処理を実施してもよい。例えば、制御部110は、前記設定情報に基づいて、各広告枠に複数のブランドのうちどのブランドの広告素材を割り当てるかを決定してもよい。例えば、制御部110は、第1のルールを満たす条件下で、ブランドごとの特定の指標(例えばTRP)に関する達成率のうち、全ブランドについての最小値を最大化する第1の割り当て(上記ステップS201における解に対応する広告割り当て)を決定してもよい。制御部110は、第2のルールを満たす条件下で、全ブランドについての前記達成率の最大値と最小値との差を最小化する第2の割り当て(上記ステップS202における解に対応する広告割り当て)を、前記第1の割り当てに基づいて(前記第1の割り当ての決定後に、又は、前記第1の割り当てに関する解に基づいて)決定してもよい。
【0116】
前記特定の指標は、ターゲット延べ視聴率(TRP:Target Rating Point)であってもよく、前記第1のルールは、世帯延べ視聴率(GRP:Gross Rating Point)又は個人GRPが目標値以上であるという制約を含んでもよい。
【0117】
前記第2のルールは、前記第2の割り当てにおける全ブランドについての前記達成率の最小値が、前記第1の割り当てにおける全ブランドについての前記達成率の最小値以上であるという制約を含んでもよい。
【0118】
制御部110は、第3のルールを満たす条件下で、特定のブランドについて、割り当てられる1日あたりの広告枠数のばらつき及び時間的に隣接する番組への連続割り当て枠数の少なくとも一方を最小化する第3の割り当て(上記ステップS203における解に対応する広告割り当て)を、前記第2の割り当てに基づいて決定してもよい。
【0119】
なお、通信部130は、前記第1の割り当て/前記第2の割り当て/前記第3の割り当てに対応する割り当て情報(例えば、アロケーション対象の全広告枠と、それぞれの広告枠に割り当てられるブランドとの対応関係を示す情報)を、放送配信装置20に送信し、本開示の割り当てに従うCM放送を実施させてもよい。
【0120】
放送配信装置20、視聴率管理装置30などについても、
図6と同様の構成を有してもよい。当業者であれば、
図6の説明における割当装置10関連の記載を、適宜読み替えて理解できる。
【0121】
以下、いくつかの部について例示的に説明する。なお、
図6の各機能ブロックに対応する各装置の符号は、各装置を示す符号の最初の一桁の数字(例えば、放送配信装置20であれば「20」の最初の一桁の「2」)を
図6の最初の一桁の数字に適用して表す。
【0122】
放送配信装置20の通信部230は、前記第1の割り当て/前記第2の割り当て/前記第3の割り当てに対応する割り当て情報を、割当装置10から受信してもよい。放送配信装置20の制御部210は、上記割り当て情報に基づいて、所定の時間帯に放送するCMを決定してもよい。放送配信装置20の通信部230は、当該CMを配信(送信)してもよい。
【0123】
視聴率管理装置30の制御部310は、図示しないテレビの視聴ログなどに基づいて、視聴率、TRPなどに関する情報を導出し、割当装置10に送信してもよい。
【0124】
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線によって接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0125】
例えば、本開示の一実施形態における装置(割当装置10など)は、本開示の広告素材アロケーション方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図7は、一実施形態に係る割当装置などのハードウェア構成の一例を示す図である。上述の割当装置10、放送配信装置20などは、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0126】
なお、本開示において、装置、回路、デバイス、ユニット、サーバなどは、互いに読み替えることができる。割当装置10、放送配信装置20などのハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0127】
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、2以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
【0128】
割当装置10、放送配信装置20などにおける各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みなどを制御することによって実現される。
【0129】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。なお、上述の制御部110などの各部は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0130】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、制御部110は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0131】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、一実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0132】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD-ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。なお、上述の記憶部120は、メモリ1002及び/又はストレージ1003によって実現されてもよい。
【0133】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、SIMカードを含んでもよい。なお、上述の通信部130は、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0134】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウスなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカーなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。なお、上述の入力部140及び出力部150は、それぞれ入力装置1005及び出力装置1006によって実現されてもよい。
【0135】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1008によって接続される。バス1007は、単一のバスによって構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0136】
また、割当装置10などは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0137】
(変形例)
なお、本開示において説明した用語及び/又は本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0138】
本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。また、本開示においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
【0139】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0140】
情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0141】
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
【0142】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0143】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体及び信号波形の少なくとも1つを介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0144】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用され得る。
【0145】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0146】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0147】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0148】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びこれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0149】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0150】
本開示において、「以下」、「未満」、「以上」、「より多い」、「と等しい」などは、互いに読み替えられてもよい。
【0151】
本開示において、「の(of)」、「のための(for)」、「に関する(regarding)」、「に関係する(related to)」、「に関連付けられる(associated with)」などは、互いに読み替えられてもよい。
【0152】
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標値に関する情報を含む、アロケーションに関する設定情報を取得する取得部と、
前記設定情報に基づいて、各広告枠に複数のブランドのうちどのブランドの広告素材を割り当てるかについて、前記各広告枠と、それぞれの広告枠に割り当てられるブランドとの対応関係を示す情報を決定する制御部と、を有し、
前記制御部は、
世帯延べ視聴率(GRP:Gross Rating Point)又は個人GRPが前記目標値以上であるという制約を含む第1のルールを満たす条件下で、ブランドごとのターゲット延べ視聴率(TRP:Target Rating Point)に関する達成率のうち、全ブランドについての最小値を最大化する第1の前記対応関係を示す情報を決定し、
第2のルールを満たす条件下で、全ブランドについての前記達成率の最大値と最小値との差を最小化する第2の前記対応関係を示す情報を、前記第1の前記対応関係を示す情報に基づいて決定する広告素材アロケーションシステム。
【請求項2】
前記第2のルールは、前記第2の前記対応関係を示す情報における全ブランドについての前記達成率の最小値が、前記第1の前記対応関係を示す情報における全ブランドについての前記達成率の最小値以上であるという制約を含む請求項1に記載の広告素材アロケーションシステム。
【請求項3】
前記制御部は、第3のルールを満たす条件下で、特定のブランドについて、割り当てられる1日あたりの広告枠数のばらつき及び時間的に隣接する番組への連続割り当て枠数の少なくとも一方を最小化する第3の前記対応関係を示す情報を、前記第2の前記対応関係を示す情報に基づいて決定する請求項1に記載の広告素材アロケーションシステム。
【請求項4】
目標値に関する情報を含む、アロケーションに関する設定情報を取得する取得部と、
前記設定情報に基づいて、各広告枠に複数のブランドのうちどのブランドの広告素材を割り当てるかについて、前記各広告枠と、それぞれの広告枠に割り当てられるブランドとの対応関係を示す情報を決定する制御部と、を有し、
前記制御部は、
世帯延べ視聴率(GRP:Gross Rating Point)又は個人GRPが前記目標値以上であるという制約を含む第1のルールを満たす条件下で、ブランドごとのターゲット延べ視聴率(TRP:Target Rating Point)に関する達成率のうち、全ブランドについての最小値を最大化する第1の前記対応関係を示す情報を決定し、
第2のルールを満たす条件下で、全ブランドについての前記達成率の最大値と最小値との差を最小化する第2の前記対応関係を示す情報を、前記第1の前記対応関係を示す情報に基づいて決定する広告素材アロケーション装置。
【請求項5】
目標値に関する情報を含む、アロケーションに関する設定情報を、広告素材アロケーション装置が取得するステップと、
前記設定情報に基づいて、各広告枠に複数のブランドのうちどのブランドの広告素材を割り当てるかについて、前記各広告枠と、それぞれの広告枠に割り当てられるブランドとの対応関係を示す情報を、前記広告素材アロケーション装置が決定するステップと、を有し、
前記決定するステップは、
世帯延べ視聴率(GRP:Gross Rating Point)又は個人GRPが前記目標値以上であるという制約を含む第1のルールを満たす条件下で、ブランドごとのターゲット延べ視聴率(TRP:Target Rating Point)に関する達成率のうち、全ブランドについての最小値を最大化する第1の前記対応関係を示す情報を、前記広告素材アロケーション装置が決定するステップと、
第2のルールを満たす条件下で、全ブランドについての前記達成率の最大値と最小値との差を最小化する第2の前記対応関係を示す情報を、前記第1の前記対応関係を示す情報に基づいて、前記広告素材アロケーション装置が決定するステップと、を含む広告素材アロケーション方法。
【請求項6】
目標値に関する情報を含む、アロケーションに関する設定情報を取得するステップと、
前記設定情報に基づいて、各広告枠に複数のブランドのうちどのブランドの広告素材を割り当てるかについて、前記各広告枠と、それぞれの広告枠に割り当てられるブランドとの対応関係を示す情報を決定するステップと、をコンピュータに実行させる、ここで、前記決定するステップは、
世帯延べ視聴率(GRP:Gross Rating Point)又は個人GRPが前記目標値以上であるという制約を含む第1のルールを満たす条件下で、ブランドごとのターゲット延べ視聴率(TRP:Target Rating Point)に関する達成率のうち、全ブランドについての最小値を最大化する第1の前記対応関係を示す情報を決定するステップと、
第2のルールを満たす条件下で、全ブランドについての前記達成率の最大値と最小値との差を最小化する第2の前記対応関係を示す情報を、前記第1の前記対応関係を示す情報に基づいて決定するステップと、を含む、広告素材アロケーションプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本開示の一態様に係る広告素材アロケーションシステムは、目標値に関する情報を含む、アロケーションに関する設定情報を取得する取得部と、前記設定情報に基づいて、各広告枠に複数のブランドのうちどのブランドの広告素材を割り当てるかについて、前記各広告枠と、それぞれの広告枠に割り当てられるブランドとの対応関係を示す情報を決定する制御部と、を有し、前記制御部は、世帯延べ視聴率(GRP:Gross Rating Point)又は個人GRPが前記目標値以上であるという制約を含む第1のルールを満たす条件下で、ブランドごとのターゲット延べ視聴率(TRP:Target Rating Point)に関する達成率のうち、全ブランドについての最小値を最大化する第1の前記対応関係を示す情報を決定し、第2のルールを満たす条件下で、全ブランドについての前記達成率の最大値と最小値との差を最小化する第2の前記対応関係を示す情報を、前記第1の前記対応関係を示す情報に基づいて決定する。