(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177843
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
B60K 6/40 20071001AFI20231207BHJP
B60K 6/48 20071001ALI20231207BHJP
B60L 50/16 20190101ALI20231207BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20231207BHJP
B60L 15/00 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
B60K6/40
B60K6/48 ZHV
B60L50/16
B60L50/60
B60L15/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090761
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】平瀬 裕司
(72)【発明者】
【氏名】柳生 壽美夫
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 一人
(72)【発明者】
【氏名】伊井 常泰
【テーマコード(参考)】
3D202
5H125
【Fターム(参考)】
3D202AA00
3D202AA08
3D202EE00
3D202EE11
3D202EE13
3D202EE14
3D202EE23
3D202FF09
3D202FF12
3D202FF13
5H125AA01
5H125AC08
5H125AC12
5H125CD06
5H125FF03
5H125FF04
5H125FF23
(57)【要約】
【課題】後走行装置に向けて出力するミッションと、ミッションに連結された電動モータとが備えられた作業車において、インバータ装置をメンテナンスし易い状態で設けることを可能にする。
【解決手段】前車輪1と後走行装置2との間、かつ、運転部9の床部の下方に位置する空間のうち、ミッションケース13の横側方に位置する箇所に、インバータ装置21が設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前車輪および後走行装置によって支持される走行車体が備えられ、
前記走行車体に、搭乗用の床部を有する運転部と、前記後走行装置に向けて出力するミッションと、前記ミッションが内装されたミッションケースと、前記ミッションに連結された電動モータと、前記電動モータに接続されるインバータ装置と、が備えられ、
前記前車輪と前記後走行装置との間、かつ、前記床部の下方に位置する空間のうち、前記ミッションケースの横側方に位置する箇所に、前記インバータ装置が設けられている作業車。
【請求項2】
前車輪および後走行装置によって支持される走行車体が備えられ、
前記走行車体に、搭乗用の床部を有する運転部と、エンジンと、モータジェネレータを有し、前記エンジンの駆動力を変速して前記後走行装置に向けて出力するハイブリッドトランスミッションと、前記ハイブリッドトランスミッションが内装されたミッションケースと、前記エンジンの排気を浄化処理する排ガス処理装置と、前記排ガス処理装置に供給される還元剤を貯留する還元剤タンクと、前記モータジェネレータに接続されるインバータ装置と、が備えられ、
前記前車輪と前記後走行装置との間、かつ、前記床部の下方に位置する空間のうち、前記ミッションケースに対して車体横幅方向一方に位置する箇所に、前記インバータ装置が設けられ、
前記前車輪と前記後走行装置との間、かつ、前記床部の下方に位置する空間のうち、前記ミッションケースに対して車体横幅方向他方に位置する箇所に、前記還元剤タンクが設けられている作業車。
【請求項3】
前記運転部の横外側に乗降用ステップが設けられ、
前記乗降用ステップに対して車体横幅方向内側に位置する箇所に前記インバータ装置が設けられている請求項1または2に記載の作業車。
【請求項4】
前記インバータ装置の冷却を行う冷却装置と、前記インバータ装置と、が車体上下方向に並べられている請求項1または2に記載の作業車。
【請求項5】
前記インバータ装置の下方に前記冷却装置が位置している請求項4に記載の作業車。
【請求項6】
前記冷却装置は、冷却水の冷却を行うラジエータ、前記ラジエータと前記インバータ装置との間で冷却水を循環させるポンプ、および、冷却水を貯留する冷却水タンクを有している請求項4に記載の作業車。
【請求項7】
前記インバータ装置と、前記インバータ装置が接続されたバッテリーと、が車体上下方向に並べられている請求項1または2に記載の作業車。
【請求項8】
前記インバータ装置の上に前記バッテリーが位置している請求項7に記載の作業車。
【請求項9】
前記ミッションケースと前記インバータ装置とに亘って設けられ、前記インバータ装置を支持する支持部材が備えられている請求項1または2に記載の作業車。
【請求項10】
車体フレームに緩衝材を介して支持される運転キャビンが備えられ、
前記運転キャビンと前記インバータ装置とに亘って設けられ、前記インバータ装置を支持する支持部材が備えられている請求項1または2に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前車輪および後走行装置によって支持される走行車体が備えられた作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した作業車には、特許文献1に示されるように、後走行装置(後輪)に向けて出力するミッション(無段変速装置、前後進切換装置、ギヤ変速装置)と、ミッションに連結された電動モータ(モータジェネレータ)とが備えられたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動モータあるいはモータジェネレータを備える作業車では、電動モータあるいはモータジェネレータに接続されるインバータ装置を備えるので、インバータ装置をメンテナンスし易いことが要望されている。
【0005】
本発明は、インバータ装置をメンテンナスし易い状態で設けることができる作業車を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による作業車は、
前車輪および後走行装置によって支持される走行車体が備えられ、前記走行車体に、搭乗用の床部を有する運転部と、前記後走行装置に向けて出力するミッションと、前記ミッションが内装されたミッションケースと、前記ミッションに連結された電動モータと、前記電動モータに接続されるインバータ装置と、が備えられ、前記前車輪と前記後走行装置との間、かつ、前記床部の下方に位置する空間のうち、前記ミッションケースの横側方に位置する箇所に、前記インバータ装置が設けられている。
【0007】
本構成によると、車体の横外側方から前車輪と後走行装置との間を通してインバータ装置に対するメンテンナンスを行うことができるので、インバータ装置をメンテナンスし易い状態で設けることができる。
【0008】
別の本発明による作業車は、
前車輪および後走行装置によって支持される走行車体が備えられ、前記走行車体に、搭乗用の床部を有する運転部と、エンジンと、モータジェネレータを有し、前記エンジンの駆動力を変速して前記後走行装置に向けて出力するハイブリッドトランスミッションと、前記ハイブリッドトランスミッションが内装されたミッションケースと、前記エンジンの排気を浄化処理する排ガス処理装置と、前記排ガス処理装置に供給される還元剤を貯留する還元剤タンクと、前記モータジェネレータに接続されるインバータ装置と、が備えられ、前記前車輪と前記後走行装置との間、かつ、前記床部の下方に位置する空間のうち、前記ミッションケースに対して車体横幅方向一方に位置する箇所に、前記インバータ装置が設けられ、前記前車輪と前記後走行装置との間、かつ、前記床部の下方に位置する空間のうち、前記ミッションケースに対して車体横幅方向他方に位置する箇所に、前記還元剤タンクが設けられている。
【0009】
本構成によると、車体横幅方向一方において、車体の横外側方から前車輪と後走行装置との間を通してインバータ装置に対するメンテナンスを行うことができる。インバータ装置の重量と、還元剤タンクに貯留される還元剤の重量とがミッションケースの両横側に分かれて車体に掛かるので、車体の左右重量をバランスさせ易くしながら、インバータ装置をメンテナンスし易い状態で設けることができる。
【0010】
本発明においては、
前記運転部の横外側に乗降用ステップが設けられ、前記乗降用ステップに対して車体横幅方向内側に位置する箇所に前記インバータ装置が設けられていると好適である。
【0011】
本構成によると、乗降用ステップをインバータ装置に対するガード部材に活用できるので、特別なガード部材を必要としないで安価にインバータ装置を保護することができる。また、ガード部材を付加する場合でも付加するガード部材を小型で済ませて安価にインバータ装置を保護することができる。
【0012】
本発明においては、
前記インバータ装置の冷却を行う冷却装置と、前記インバータ装置と、が車体上下方向に並べられていると好適である。
【0013】
本構成によると、冷却装置がインバータ装置の近くに位置するので、インバータ装置のメンテンナスを行う際、冷却装置のメンテナンスを併せて行い易い。
【0014】
本発明においては、
前記インバータ装置の下方に前記冷却装置が位置していると好適である。
【0015】
本構成によると、冷却装置に冷媒を補給するのに、冷媒がこぼれてもインバータ装置に付着し難くしながら行える。
【0016】
本発明においては、
前記冷却装置は、冷却水の冷却を行うラジエータ、前記ラジエータと前記インバータ装置との間で冷却水を循環させるポンプ、および、冷却水を貯留する冷却水タンクを有していると好適である。
【0017】
本構成によると、インバータ装置を水冷によって冷却することができる。また、インバータ装置の近くに冷却装置を配置することにより冷却系統のホースや配管を短くすることができる。
【0018】
本発明においては、
前記インバータ装置と、前記インバータ装置が接続されたバッテリーと、が車体上下方向に並べられていると好適である。
【0019】
本構成によると、インバータ装置の近くにバッテリーが位置するので、インバータ装置のメンテンナスを行う際、バッテリーのメンテナンスを併せて行い易い。
【0020】
本発明においては、
前記インバータ装置の下に前記バッテリーが位置していると好適である。
【0021】
本構成によると、インバータ装置がバッテリーを上方から覆うので、インバータ装置をバッテリーのカバーとして活用することができる。
【0022】
本発明においては、
前記ミッションケースと前記インバータ装置とに亘って設けられ、前記インバータ装置を支持する支持部材が備えられていると好適である。
【0023】
本構成によると、高い剛性を有するミッションケースが支持部材を介してインバータ装置を支持するので、インバータ装置をガタ付き難い状態で支持させることができる。
【0024】
本発明においては、
車体フレームに緩衝材を介して支持される運転キャビンが備えられ、前記運転キャビンと前記インバータ装置とに亘って設けられ、前記インバータ装置を支持する支持部材が備えられていると好適である。
【0025】
本構成によると、走行振動などの伝達が緩和される運転キャビンが支持部材を介してインバータ装置を支持するので、インバータ装置に走行振動などを伝わり難くできる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図4】インバータ装置および冷却装置を示す側面図である。
【
図6】別の実施形態のインバータ装置の設置を示す正面図である。
【
図7】別の実施形態のインバータ装置の設置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一例である実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、トラクタ(「作業車」の一例)の走行車体に関し、
図1,2などに示される矢印Fの方向を「車体前方」、
図1,2などに示される矢印Bの方向を「車体後方」、
図1,2などに示される矢印Uの方向を「車体上方」、
図1,2などに示される矢印Dの方向を「車体下方」とする。
図1の紙面表側の方向、
図2の紙面裏側の方向、
図5,6に示されるLの方向を「車体左方」、
図1の紙面裏側の方向、
図2の紙面表側の方向、
図5,6に示されるRの方向を「車体右方」とする。車体左右方向が車体横幅方向となる。
【0028】
〔トラクタの全体の構成〕
図1,2に示されるように、トラクタは、左右一対の駆動可能な前車輪1、左右一対の駆動可能な後走行装置としての後車輪2によって支持される走行車体3を備えている。走行車体3の車体フレーム4は、走行車体3の前部に設けられたエンジン5と、エンジン5の後部に前部が連結されたミッションケース13、エンジン5の下部に連結された前部フレーム14とによって構成されている。走行車体3の前部に、エンジン5を有する原動部6が備えられている。走行車体3の後部に、運転部9が備えられている。ミッションケース13の後部に、ロータリ耕耘装置(図示せず)などの作業装置を昇降操作可能に連結するリンク機構(図示せず)、連結した作業装置にエンジン5からの動力を取り出して伝達する動力取出軸12が備えられている。本実施形態では、後走行装置として後車輪2を備えているが、後走行装置としては、ミニクローラ式の走行装置の採用が可能である。
【0029】
〔運転部〕
図1,2に示されるように、運転部9には、運転座席7、運転座席7の前下方に搭乗用に設けられた床部11(
図5参照)、前車輪1を操向操作するステアリングホィール8、搭乗空間を覆う運転キャビン10が備えられている。床部11は、運転キャビン10に支持されている。
図5に示されるように、床部11の車体横幅方向での中央部(ミッションケース13の上方に位置する部位)に、上方に向かう膨出部11aが設けられている。
【0030】
運転キャビン10は、走行振動などの運転キャビン10への伝達を緩和する前緩衝材10a(
図1,2参照)および後緩衝材10b(
図1,2参照)を介して車体フレーム4に支持されている。具体的には、運転キャビン10の下部フレーム10cにおける前部の左右2箇所が前緩衝材10aを介してミッションケース13の前部に連結され、下部フレーム10cにおける後部の左右2箇所が後緩衝材10bを介してミッションケース13の後部に連結されている。
【0031】
図1,2に示されるように、運転部9の右横外側および左横外側のそれぞれに、運転部9に対する乗り降りに使用する上下2段の乗降用ステップ50が設けられている。車体側面視において、上下2段の乗降用ステップ50のうちの上段の乗降用ステップ50aは、運転部9の乗降口9aの下方に位置し、上下2段の乗降用ステップ50のうちの下段の乗降用ステップ50bは、上段の乗降用ステップ50aに対して車体前方側に位置ずれしている。
【0032】
〔原動部〕
図1,2に示されるように、原動部6は、エンジンボンネット51によって形成されるエンジンルーム52を備えている。エンジンルーム52の後部にエンジン5が設けられている。エンジン5の後部の上方に、エンジン5の排気を浄化処理する排ガス処理装置53が設けられている。排ガス処理装置53においては、エンジン5から導入された排ガスに還元剤タンク54(
図1,5参照)から供給される還元剤としての尿素水が噴射されて加水分解され、排ガスに含まれる窒素酸化物を減少させる排ガスの浄化処理が行われる。浄化処理された排ガスが排ガス処理装置53に接続された排気管53aから吐出される。
【0033】
〔走行動力伝達装置〕
エンジン5からの動力を前車輪1および後車輪2に伝達する走行動力伝達装置15は、
図1,2に示されるように、エンジン5の後部に前部が連結されたミッションケース13を備えている。ミッションケース13は、エンジン5に対して車体前後方向に沿う方向に並べられ、かつ、車体横幅方向での中央部において車体前後方向に沿って延びている。エンジン5とミッションケース13との連結は、エンジン5の後部に備えられ、フライホイール5a(
図2参照)を収容するフライホイールハウジング部(図示せず)と、ミッションケース13の前部に備えられたクラッチハウジング部(図示せず)とを連結することによって行われる。
【0034】
図3に示されるように、ミッションケース13には、エンジン5からの動力を変速して前車輪1および後車輪2に向けて出力するハイブリッドトランスミッション16が収容されている。
【0035】
〔ハイブリッドトランスミッション〕
ハイブリッドトランスミッション16には、
図3に示されるように、ミッションケース13の前部に設けられ、エンジン5の出力軸5bの動力が入力される入力軸23、エンジン5の後隣りに位置する電動ミッション部16A、及び、電動ミッション部16Aよりも後側に位置する歯車ミッション部16Bが設けられている。入力軸23の軸芯および出力軸5bの軸芯は、同一の軸芯上に位置している。
【0036】
図3に示されるように、電動ミッション部16Aは、ミッションケース13の前部に形成された電動ミッション室28に収容されている。歯車ミッション部16Bは、ミッションケース13の後部に形成された歯車ミッション室29に収容されている。電動ミッション室28は、ミッションケース13の周壁部、ミッションケース13の前端部における内部に設けられた前壁部13a、ミッションケース13の中間部における内部に設けられた遮断壁部13bによって形成されている。歯車ミッション室29は、ミッションケース13の周壁部、ミッションケース13の後端部に位置する後壁部13c、遮断壁部13bによって形成されている。電動ミッション室28と歯車ミッション室29とは、遮断壁部13bを挟んで隣り合っている。電動ミッション室28と歯車ミッション室29とは、連通しないように遮断壁部13bによって遮断されている。
【0037】
〔電動ミッション部〕
図3に示されるように、電動ミッション部16Aは、エンジン5と歯車ミッション部16Bとの間に設けられている。電動ミッション部16Aには、二つの電動モータとしてのモータジェネレータ17,18が備えられている。
【0038】
二つのモータジェネレータ17,18は、車体前後方向に沿う方向に並べられている。
二つのモータジェネレータ17,18のうちの前の第1モータジェネレータ17は、二つのモータジェネレータ17,18のうちの後の第2モータジェネレータ18に対してエンジン5が位置する側に設けられている。第2モータジェネレータ18は、第1モータジェネレータ17に対して歯車ミッション部16Bが位置する側に設けられている。第1モータジェネレータ17の回転軸芯、第2モータジェネレータ18の回転軸芯、および、ミッションケース13の入力軸23の軸芯が同一の軸芯上に位置している。
【0039】
第1モータジェネレータ17に対してエンジン5が位置する側に入力伝達機構120が設けられている。入力伝達機構120は、第1モータジェネレータ17のロータ17aと、ミッションケース13の入力軸23とを連結し、入力軸23の動力を第1モータジェネレータ17に入力するように構成されている。入力伝達機構120は、遊星ギヤ機構によって構成され、入力軸23に伝達されたエンジン5からの動力を増速して第1モータジェネレータ17のロータ17aに入力する。
【0040】
〔歯車ミッション部〕
図3に示されるように、歯車ミッション部16Bは、電動ミッション部16Aに対してエンジン5が位置する側とは反対側に設けられている。歯車ミッション部16Bは、電動ミッション部16Aの後隣りに位置している。
【0041】
図3に示されるように、歯車ミッション部16Bは、歯車伝動機構30を有している。歯車伝動機構30には、低速遊星変速部100、低速クラッチ100C、高速遊星変速部110、高速クラッチ110C、前後進切換装置25、副変速装置26、後輪差動機構19、前輪変速装置20、ギヤ連動機構27が備えられている。
【0042】
図3に示されるように、低速遊星変速部100は、太陽ギヤ101、遊星ギヤ102、内歯ギヤ103、キャリヤ104を備えている。低速遊星変速部100の内歯ギヤ103が第1連動機構126によって入力軸23に連結されている。高速遊星変速部110は、太陽ギヤ111、遊星ギヤ112、内歯ギヤ113、キャリヤ114を備えている。高速遊星変速部110のキャリヤ114が第2連動機構127によって入力軸23に連結されている。
【0043】
第2モータジェネレータ18に対して歯車ミッション部16Bが位置する側に、出力伝達機構130が設けられている。出力伝達機構130は、第2モータジェネレータ18と、歯車ミッション部16Bの前部に位置する入力部135とを連結し、第2モータジェネレータ18の駆動力を入力部135に伝達するように構成されている。
【0044】
具体的には、
図3に示されるように、歯車ミッション部16Bの入力部135は、低速遊星変速部100の太陽ギヤ101に連結している第1入力軸136、および、高速遊星変速部110の太陽ギヤ111に連結している第2入力軸137を備えている。出力伝達機構130は、第2モータジェネレータ18のロータ18aに連結された回転軸131、回転軸131を第1入力軸136に連結する第1ギヤ連動機構132、回転軸131を第2入力軸137に連結する第2ギヤ連動機構133を備えている。
本実施形態では、第2モータジェネレータ18の出力伝達機構130を歯車ミッション室29に備えているが、電動ミッション室28に備えてもよい。
【0045】
低速遊星変速部100においては、入力軸23の動力が第1連動機構126を介して内歯ギヤ103に伝達されて内歯ギヤ103が駆動され、第2モータジェネレータ18の駆動力が出力伝達機構130および第1入力軸136を介して太陽ギヤ101に伝達されて太陽ギヤ101が駆動され、エンジン5からの動力と第2モータジェネレータ18の駆動力とが合成されて低速側の合成動力が現出され、低速側の合成動力がキャリヤ104から出力される。
【0046】
低速クラッチ100Cは、低速遊星変速部100の出力部と、前後進切換装置25の入力軸25aとの間に設けられ、入り状態(オン状態)に切り換えられると、低速遊星変速部100が出力する低速側の合成動力を前後進切換装置25に伝達し、切り状態(オフ状態)に切り換えられると、低速遊星変速部100から前後進切換装置25への動力伝達を絶つように構成されている。
【0047】
高速遊星変速部110においては、入力軸23の動力が第2連動機構127を介してキャリヤ114に伝達されて遊星ギヤ112が駆動され、第2モータジェネレータ18の駆動力が出力伝達機構130および第2入力軸137を介して太陽ギヤ111に伝達されて太陽ギヤ111が駆動され、入力軸23からのエンジン動力と第2モータジェネレータ18の駆動力とが合成されて高速側の合成動力が現出され、高速側の合成動力が内歯ギヤ113から出力される。高速側の合成動力は、低速遊星変速部100が合成して現出する低速側の合成動力よりも高速の合成動力である。
【0048】
高速クラッチ110Cは、高速遊星変速部110の出力部と、前後進切換装置25の入力軸25aとの間に設けられ、入り状態(オン状態)に切り換えられると、高速遊星変速部110が出力する高速側の合成動力を前後進切換装置25に伝達し、切り状態(オフ状態)に切り換えられると、高速遊星変速部110から前後進切換装置25への動力伝達を絶つように構成されている。
【0049】
前後進切換装置25は、
図3に示されるように、低速遊星変速部100および高速遊星変速部110よりも後側に位置する入力軸25a、入力軸25aと平行に並ぶ出力軸25bを備えている。入力軸25aの軸芯は、入力軸23の軸芯上に位置している。入力軸25aに、前進クラッチ25cおよび後進クラッチ25dが設けられている。前進クラッチ25cと出力軸25bとに亘って前進ギヤ機構25eが設けられている。後進クラッチ25dと出力軸25bとに亘って後進ギヤ機構25fが設けられている。
【0050】
前後進切換装置25においては、低速クラッチ100Cおよび高速クラッチ110Cのそれぞれの出力が入力軸25aに入力される。前進クラッチ25cが入りに切り換えられると、入力軸25aの動力が前進ギヤ機構25eおよび前進クラッチ25cによって前進動力に切り換えられて出力軸25bに伝達され、出力軸25bから出力される。後進クラッチ25dが入りに切り換えられると、入力軸25aの動力が後進ギヤ機構25fおよび後進クラッチ25dによって後進動力に切り換えられて出力軸25bに伝達され、出力軸25bから出力される。
【0051】
副変速装置26は、
図3に示されるように、前後進切換装置25の出力軸25bに連結された入力軸26a、入力軸26aよりも後側に設けられた出力軸26bを備えている。
入力軸26aと出力軸26bとは、同一の軸芯上に位置している。入力軸26aの後部と出力軸26bの前部との間に高速クラッチ26cが設けられている。入力軸26aと出力軸26bの後部とに亘り、低速ギヤ機構26fおよび低速クラッチ26dが設けられている。
【0052】
副変速装置26においては、前後進切換装置25の出力が入力軸26aに入力される。
高速クラッチ26cが入りに切り換えられると、入力軸26aの動力が高速クラッチ26cを介して変速されないで出力軸26bに伝達され、出力軸26bから高速側の動力が出力される。低速クラッチ26dが入りに切り換えられると、入力軸26aの動力が低速ギヤ機構26fおよび低速クラッチ26dによって低速側の動力に変速されて出力軸26bに伝達され、出力軸26bから出力される。低速側の動力は、高速クラッチ26cが入りに切り換えられた場合に出力される高速側の動力よりも低速である。
【0053】
図3に示されるように、後輪差動機構19は、副変速装置26の出力が入力される入力軸19aを備えている。入力軸19aは、副変速装置26の出力軸26bの後部に連結されている。ギヤ連動機構27は、副変速装置26の出力軸26bと、前輪変速装置20の入力軸20aとに亘って設けられ、副変速装置26の出力軸26bの動力を前輪変速装置20の入力軸20aに伝達するように構成されている。
【0054】
前輪変速装置20は、
図3に示されるように、ギヤ連動機構27に連結された入力軸20a、および、入力軸20aと平行に並ぶ出力軸20eを備えている。入力軸20aに等速クラッチ20bおよび増速クラッチ20cが設けられている。等速クラッチ20bと出力軸20eとに亘って等速ギヤ機構20dが設けられている。増速クラッチ20cと出力軸20eとに亘って増速ギヤ機構20fが設けられている。
【0055】
前輪変速装置20においては、副変速装置26の出力がギヤ連動機構27によって入力軸20aに伝達される。等速クラッチ20bが入りに切り換えられると、入力軸20aの動力が等速クラッチ20bおよび等速ギヤ機構20dによって等速動力に変速されて出力軸20eに伝達され、出力軸20eから出力される。等速動力は、前車輪1を後車輪2と同一の速度で駆動する動力である。増速クラッチ20cが入りに切り換えられると、入力軸20aの動力が増速クラッチ20cおよび増速ギヤ機構20fによって増速動力に変速されて出力軸20eに伝達され、出力軸20eから出力される。増速動力は、前車輪1を後車輪2よりも高速で駆動する動力である。前輪変速装置20の出力軸20eの動力が回転軸38を介して前輪差動機構39に伝達される。
【0056】
走行動力伝達装置15においては、前車輪1および後車輪2を駆動するとき、エンジン5の動力と第2モータジェネレータ18の駆動力とが前車輪1および後車輪2に伝達される。
【0057】
すなわち、入力軸23の動力が第1連動機構126を介して低速遊星変速部100の内歯ギヤ103に伝達され、第2モータジェネレータ18の駆動力が出力伝達機構130、第1入力軸136を介し低速遊星変速部100の太陽ギヤ101に伝達され、エンジン5からの動力(エンジン動力)と、第2モータジェネレータ18の駆動力(モータ動力)とが低速遊星変速部100によって低速側の合成動力に合成され、低速側の合成動力が低速クラッチ100Cに出力される。入力軸23の動力が第2連動機構127を介して高速遊星変速部110のキャリヤ114に伝達され、第2モータジェネレータ18の駆動力が出力伝達機構130、第2入力軸137を介して高速遊星変速部110の太陽ギヤ111に伝達され、エンジン5からの動力(エンジン動力)と、第2モータジェネレータ18の駆動力(モータ動力)とが高速遊星変速部110によって高速側の合成動力に合成され、高速側の合成動力が高速クラッチ110Cに出力される。低速クラッチ100Cが入り状態(オン状態)に切り換えられ、高速クラッチ110Cが切り状態(オフ状態)に切り換えられると、低速クラッチ100Cからの低速側の合成動力が前後進切換装置25を介して副変速装置26に伝達され、副変速装置26から後輪差動機構19及び前輪変速装置20に伝達される。
【0058】
低速クラッチ100Cが切り状態(オフ状態)に切り換えられ、高速クラッチ110Cが入り状態(オン状態)に切り換えられると、高速クラッチ110Cからの高速側の合成動力が前後進切換装置25を介して副変速装置26に伝達され、副変速装置26からギヤ連動機構27を介して後輪差動機構19及び前輪変速装置20に伝達される。
【0059】
第2モータジェネレータ18は、主として前車輪1および後車輪2を駆動する電動機として働くが、減速時に発電機として働く。
【0060】
走行動力伝達装置15においては、前車輪1および後車輪2を駆動するとき、入力軸23に伝達されたエンジン5からの動力が入力伝達機構120によって第1モータジェネレータ17に入力され、第1モータジェネレータ17が駆動されて発電を行う。発電によって得られた電力を第2モータジェネレータ18に駆動用に供給することができる。第2モータジェネレータ18に対する電力の供給は、発電によって得られた電力がバッテリー22に充電されてバッテリー22を介して、あるいは、発電によって得られた電力がバッテリー22に充電されないでバッテリー22を介さないで行われる。
【0061】
図3に示されるように、出力軸5bと入力軸23とに亘ってクラッチ45が設けられている。クラッチ45は、油圧電磁弁などによって入り状態(オン状態)と切り状態(オフ状態)とに切換え操作されるように構成されている。クラッチ45は、入り状態に切り換えられることにより、エンジン5からの動力を電動ミッション部16Aおよび歯車ミッション部16Bに伝達し、ハイブリッドトランスミッション16をエンジン5の動力及び第2モータジェネレータ18の駆動力によって前車輪1および後車輪2を駆動し、第1モータジェネレータ17によって発電するハイブリッドモードに切り換える。クラッチ45は、切り状態に切り換えられることにより、エンジン5から電動ミッション部16Aおよび歯車ミッション部16Bへの動力伝達を絶ち、ハイブリッドトランスミッション16を第2モータジェネレータ18の駆動力のみによって前車輪1および後車輪2を駆動する電動モードに切り換える。クラッチ45としては、乾式クラッチを採用することが可能である。
【0062】
図3に示されるように、入力軸23に、第1モータジェネレータ17、第2モータジェネレータ18および歯車伝動機構30に潤滑油を供給するトロコイドポンプ81が設けられている。
【0063】
〔作業動力伝達装置〕
図1,2に示されるように、動力取出軸12は、ミッションケース13の後部に支持されている。
図3に示されるように、エンジン5の動力を動力取出軸12に伝達する作業動力伝達装置40がミッションケース13に収容されている。
【0064】
作業動力伝達装置40は、
図3に示されるように、入力軸23の後方に車体前後方向に沿って延びる状態で設けられ、入力軸23に前部が連結された回転軸41、回転軸41の後部に連結された作業クラッチ42、作業クラッチ42の出力を変速して動力取出軸12に伝達する動力取出軸変速装置43を備えている。回転軸41の軸芯と入力軸23の軸芯とが同一の軸芯上に位置している。入力軸23と回転軸41とは、直接あるいはジョイントを介して連動連結される。
【0065】
作業動力伝達装置40においては、入力軸23の動力が回転軸41に伝達され、回転軸41から作業クラッチ42および動力取出軸変速装置43を介して動力取出軸12に伝達される。作業クラッチ42により、エンジン5からの動力が動力取出軸12に伝達される入り状態と、エンジン5から動力取出軸12への動力伝達が絶たれる切り状態とに切換えられる。
【0066】
〔モータジェネレータ、インバータ装置〕
図3に示されるように、第1モータジェネレータ17および第2モータジェネレータ18にインバータ装置21が接続され、インバータ装置21にバッテリー22が接続されている。インバータ装置21は、第1モータジェネレータ17からの交流電力を直流電力に変換してバッテリー22に供給し、バッテリー22からの直流電力を交流電力に変換して第2モータジェネレータに供給する。
【0067】
図2,4,5に示されるように、インバータ装置21は,前車輪1と後車輪2との間、かつ、床部11の下方に位置する空間のうちミッションケース13に対して車体横幅方向一方に位置する箇所に設けられている。インバータ装置21は、走行車体3の横外側方から前車輪1と後車輪2との間を介してメンテンスすることが可能である。
【0068】
図1,5に示されるように、排ガス処理装置53に供給される還元剤としての尿素水を貯留する還元剤タンク54は、前車輪1と後車輪2との間、かつ、床部11の下方に位置する空間のうちミッションケース13に対して車体横幅方向他方に位置する箇所に設けられている。還元剤タンク54は、ミッションケース13に対してインバータ装置21が位置する側とは反対側に設けられている。
図1,5に示されるように、エンジン用の燃料タンク55がミッションケース13に対して還元剤タンク54が位置する側と同じ側に設けられている。インバータ装置21の重量と、還元剤タンク54に貯留される尿素水、および燃料タンク55に貯留される燃料の両方の重量と、がミッションケース13の両横側方に分かれて車体に掛かるように構成されている。
【0069】
本実施形態では、インバータ装置21をミッションケース13に対して車体右横側に位置する箇所に設け、還元剤タンク54および燃料タンク55をミッションケース13に対して車体左横側に位置する箇所に設けている。これに限らず、インバータ装置21をミッションケース13に対して車体左横側に位置する箇所に設け、還元剤タンク54および燃料タンク55をミッションケース13に対して車体右横側に位置する箇所に設けるものであってもよい。
【0070】
図5に示されるように、インバータ装置21は、ミッションケース13とインバータ装置21とにわたって設けられた支持部材56に支持されている。インバータ装置21は、剛性が高いミッションケース13に支持部材56を介して支持されている。
【0071】
図2,4,5に示されるように、インバータ装置21は、上段の乗降用ステップ50aに対して車体横幅方向内側に位置する箇所に設けられている。インバータ装置21は、上段の乗降用ステップ50aによって横外側方からガードされる。
【0072】
インバータ装置21と、インバータ装置21の冷却を行う冷却装置57とが車体上下方向に並べられている。本実施形態では、
図2,4,5に示されるように、インバータ装置21の下方に冷却装置57が位置しているが、インバータ装置21の上方に冷却装置57が位置するものであってもよい。
図5に示されるように、冷却装置57は、冷却装置57とミッションケース13の下部とにわたって設けられた支持部材58に支持されており、冷却装置57は、支持部材58を介してミッションケース13に支持される。
【0073】
冷却装置57は、
図4,5に示されるように、冷却水の冷却を行うラジエータ57a、ラジエータ57aとインバータ装置21に備えられている冷却部との間で冷却水を循環させるポンプ57b、冷却水を貯留する冷却水タンク57cを有している。本実施形態では、ポンプ57bとしては、電動ポンプが採用されている。冷却水タンク57cとポンプ57bとが車体前後方向に沿う方向に並べられている。ポンプ57bとラジエータ57aとが車体横幅方向に沿う方向に並べられている。ラジエータ57aがポンプ57bよりも車体横幅方向内側に位置している。
【0074】
〔別実施形態〕
(1)
図6は、別の実施形態のインバータ装置21の設置構造を示す側面図である。別の実施形態のインバータ装置21の設置構造では、
図6に示されるように、インバータ装置21と運転キャビン10のうちの下部フレーム10cとにわたって設けた支持部材59にインバータ装置21が支持され、インバータ装置21は、支持部材59を介して運転キャビン10に支持される。支持部材59は、インバータ装置21が載置される支持台部59a、および、下部フレーム10cから支持台部59aに向けて延ばされ、支持台部59aを吊り下げ支持する支持アーム59bを備えている。車体フレーム4からインバータ装置21に伝わる振動が前緩衝材10aおよび後緩衝材10bによって緩和される。
【0075】
(2)
図7は、別の実実施形態のインバータ装置21の設置構造を示す側面図である。別の実実施形態のインバータ装置21の設置構造では、インバータ装置21とバッテリー22とが車体上下方向に並べられている。本実施形態では、インバータ装置21の下にバッテリー22が設けられているが、インバータ装置21の上にバッテリー22を設けることが可能である。
【0076】
(3)上記した実施形態では、ハイブリッドトランスミッション16が設けられた例を示したが、これに限らず、エンジンを備えず、電動モータの駆動力のみを後車輪2に伝達するミッションを備えるものであってもよい。
【0077】
(4)上記した実施形態では、前車輪1および後車輪2の両方に駆動力を伝達する構成を示したが、前車輪1に駆動力を伝達せず、後車輪2のみに駆動力を伝達するものであってもよい。
【0078】
(5)上記した実施形態では、第1モータジェネレータ17と第2モータジェネレータ18とが車体前後方向に並べられた例を示しが、これに限らず、第1モータジェネレータ17と第2モータジェネレータ18とは、車体横幅方向あるいは車体上下方向に並べられたものであってもよい。
【0079】
(6)上記した実施形態では、乗降用ステップ50aがインバータ装置21に対するガード部材になる例を示した、インバータ装置21の車体横外側に乗降用ステップが位置しないものであってもよい。
【0080】
(7)上記した実施形態では、インバータ装置21と冷却装置57とが上下方向に並ぶ例を示したが、インバータ装置21と冷却装置57とが上下方向に並ばないものであってもよい。
【0081】
(8)上記した実施形態では、インバータ装置21とバッテリー22とが上下方向に並ぶ例を示したが、インバータ装置21とバッテリー22とが上下方向に並ばないものであってもよい。
【0082】
(9)上記した実施形態では、運転キャビン10を備えた例を示したが、運転キャビン10を備えないものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、電動モータの駆動力を後走行装置に伝達するミッションを備える作業車に適用できる。
【符号の説明】
【0084】
1 前車輪
2 後車輪(後走行装置)
3 走行車体
4 車体フレーム
5 エンジン
9 運転部
10 運転キャビン
10a 前緩衝材(緩衝材)
10b 後緩衝材(緩衝材)
11 床部
16 ミッション(ハイブリッドトランスミッション)
17 電動モータ(第1モータジェネレータ)
18 電動モータ(第2モータジェネレータ)
21 インバータ装置
22 バッテリー
53 排ガス処理装置
54 還元剤タンク
56 支持部材
57 冷却装置
57a ラジエータ
57b ポンプ
57c 冷却水タンク
59 支持部材