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特開2023-177847情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177847
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20231207BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090765
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】521556417
【氏名又は名称】TRIBAWL株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】山本 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 清貴
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】目的に応じた身体状況をユーザが把握可能な技術を提供すること。
【解決手段】情報処理装置は、ユーザの目的に基づいた検査項目を選択する検査項目選択手段と、選択された前記検査項目に基づいて、前記ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、取得された前記生体情報と、学習用の生体情報および身体に関する身体状況とを教師データとして学習することにより生成された第一学習モデルとを記憶する記憶手段と、記憶された前記生体情報および前記第一学習モデルを用いて前記ユーザの身体状況を取得する身体状況取得手段と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの目的に基づいた検査項目を選択する検査項目選択手段と、
選択された前記検査項目に基づいて、前記ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、
取得された前記生体情報と、学習用の生体情報および身体に関する身体状況とを教師データとして学習することにより生成された第一学習モデルとを記憶する記憶手段と、
記憶された前記生体情報および前記第一学習モデルを用いて前記ユーザの身体状況を取得する身体状況取得手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、さらに、学習用の目的、身体状況および対処法を教師データとして学習することにより生成された第二学習モデルと、前記ユーザの前記目的と、取得された前記ユーザの前記身体状況と、を記憶し、
記憶された前記第二学習モデル、前記ユーザの前記目的及び前記ユーザの前記身体状況を用いて対処法を生成する対処法生成手段をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記対処法生成手段は、施設の利用、トレーニング方法、薬の服薬、栄養素の摂取、医学的処置、専門家の紹介の少なくともいずれか一つを前記対処法として生成する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記身体状況取得手段は、前記ユーザの身体状況として少なくともスコアを算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
取得された前記ユーザの身体状況を出力する身体状況出力手段をさらに備え、
前記身体状況出力手段は、前記ユーザの身体状況を、グラフ、数値又は前記スコアの少なくともいずれか一つにて出力する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザの身体状況の変化を抽出する変化抽出手段をさらに備え、
前記身体状況出力手段は、さらに、抽出された前記ユーザの身体状況の変化を変化量として出力する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記検査項目は、少なくとも血液検査に係る項目である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記血液検査に係る項目には、少なくともテストステロンが含まれる、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記ユーザが目的候補の中から前記目的を選択するための目的選択手段をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記目的選択手段は、前記目的を示す項目を、前記ユーザの属性に応じて変化させる、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
ユーザの目的に基づいた検査項目を選択する検査項目選択ステップと、
選択された前記検査項目に基づいて、前記ユーザの生体情報を取得する生体情報取得ステップと、
取得された前記生体情報と、学習用の生体情報および身体に関する身体状況とを教師データとして学習することにより生成された第一学習モデルとを記憶する記憶ステップと、
記憶された前記生体情報および前記第一学習モデルを用いて前記ユーザの身体状況を取得する身体状況取得ステップと、
を有する情報処理装置の制御方法。
【請求項12】
ユーザの目的に基づいた検査項目を選択する検査項目選択ステップと、
選択された前記検査項目に基づいて、前記ユーザの生体情報を取得する生体情報取得ステップと、
取得された前記生体情報と、学習用の生体情報および身体に関する身体状況とを教師データとして学習することにより生成された第一学習モデルとを記憶する記憶ステップと、
記憶された前記生体情報および前記第一学習モデルを用いて前記ユーザの身体状況を取得する身体状況取得ステップと、
をコンピュータによって実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定のパラメータを用いてユーザの潜在疾病の有無を判定する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-133501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前述の特許文献に挙げられた技術では、ユーザにおける潜在疾病の有無に重点がおかれ、目的に応じた身体状況をユーザが把握することはできていなかった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、目的に応じた身体状況をユーザが把握可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、
ユーザの目的に基づいた検査項目を選択する検査項目選択手段と、
選択された前記検査項目に基づいて、前記ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、
取得された前記生体情報と、学習用の生体情報および身体に関する身体状況とを教師データとして学習することにより生成された第一学習モデルとを記憶する記憶手段と、
記憶された前記生体情報および前記第一学習モデルを用いて前記ユーザの身体状況を取得する身体状況取得手段と、
を備える情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、目的に応じた身体状況をユーザが把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムにより提供されるサービスの概要を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理システムに関するシステム構成の一例を示すブロック図である。
図3図2の情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図2の情報処理システムのうち、サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5図2の情報処理システムのうち、サーバが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図6】ユーザの身体状況に関する図であり、(a)はユーザの身体状況を説明する図、(b)は表示の一例を示す図である。
図7】ユーザの身体状況に関する図であり、(a)は1年に複数回検査するユーザを説明する図、(b)は検査数値の推移を表す図、(c)は1年に1回検査するユーザを説明する図、(d)は検査態様の一例を示す図である。
図8】検査項目の一例であるテストステロンに関する図であり、(a)はテストステロンの働きを説明する図、(b)はテストステロン値の推移を説明する図、(c)は他の内分泌系情報伝達物質と比較したテストステロン値の推移を説明する図である。
図9】ユーザの目的候補の表示例を示す図である。
図10】ユーザの身体状況および身体状況に対する評価の表示例を示す図である。
図11】ユーザの身体状況の数値化の一例を説明する図である。
図12】ユーザの身体状況の表示例を示す図であり、(a)はユーザの身体状況をグラフにて示す図、(b)はユーザの身体状況を表にて示す図である。
図13】ユーザの身体状況の表示例を示す図であり、(a)は一時点でのユーザの3Dモデルを示す図、(b)は身体状況の推移を時系列で示す図、(c)は表示する項目を示す図、(d)はユーザの身体状況を数値およびグラフにて示す図である。
図14】ユーザの身体状況の表示例を示す図であり、(a)は姿勢解析を説明する図、(b)は(a)の矢印Dで示すユーザの姿勢解析の詳細を説明する図である。
図15】ユーザの身体状況の表示例を示す図であり、ユーザの身体状況の推移を時系列で説明する図である。
図16】再生医療の内容について説明する図であり、(a)は体性幹細胞、ES細胞、iPS細胞について説明する図、(b)は体性幹細胞の詳細を説明する図である。
図17】アンチエイジング療法の内容について説明する図であり、(a)はNMN点滴療法を説明する図、(b)はNMN点滴療法の詳細を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
<概要>
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムにより提供されるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要を示す図である。
【0010】
本サービスは、ユーザUが、自己の目的に応じた検査を受けて、現在の身体状況Sを把握し、併せて、現在の身体状況Sに適合したアドバイス(対処法)Tをも把握できることを目的としている。
本サービスを利用することで、ユーザUは、自己の目的に応じた身体状況Sを、例えば、数値で把握できる(数値は一例である)。身体状況Sが客観的な数値で示されるため、ユーザUは自己の状態を適切に把握できる。自己の身体状況Sがどのような状態であるかをユーザUが把握すると、ユーザUは、例えば、どのようにその数値を改善していけば良いか気になることがある。この場合において、本サービスでは、ユーザUの身体状況Sに基づいて、当該数値を改善するアドバイス(対処法)TをユーザUに提案できる。ユーザUは、提案を受け取ることで当該アドバイスTを取り入れた行動をする。そして、ユーザUは、再び前述の自己の目的に応じた検査を受けることで、身体状況Sの変化を確認できる。
当該変化が、ユーザUの予想するものでなかったとしても、本サービスは、ユーザUが検査した各時点での身体状況Sを数値で示すため、各時点での身体状況Sに即したアドバイスTを、ユーザUは受けとることができる。
図1を参照しながらもう少し詳細に説明する。ユーザUは、例えば、疾病の有無ではなく、体質改善や身体能力の向上を目的として、自己の身体状況Sおよび身体状況Sに適合したアドバイス(対処法)Tを望んでいるものとする。目的情報Mは、「判断力が知りたい」というユーザUの目的を示す情報である。換言すると、目的情報Mは、ユーザUが気になっている事項が目的となるような情報である。生体情報Vは、ユーザUの血液情報である。
検査項目DB(データベース)182は、ユーザUの目的に応じた検査項目を格納するデータベースである。検査項目DB182には、前述の「判断力」の他、例えば「免疫力」、「ダイエット」等に関する種々の項目が格納されている。
本情報処理システムを構成する情報処理装置(後述するサーバ1)は、ユーザUの「判断力」という目的情報Mと、ユーザUの血液情報である生体情報Vを取得する。なお、取得手段は特に限られないものとする。
情報処理装置は、検査項目DB182に格納されている検査項目のうち、「判断力」に関する項目を選択する。この「判断力」に関する検査項目と、例えば「免疫力」に関する検査項目とは、異なるものとする。すなわち、目的情報Mの内容によって検査項目が異なるものとする。情報処理装置は、取得された目的情報Mおよび生体情報Vと、選択された検査項目と、後述する第一学習モデル(図示せず)を用いて、ユーザUの身体状況Sを数値化する。例えば、「判断力」に関連するテストステロンが検査項目として選択され、この選択に基づきユーザUの身体状況Sが数値化される。情報処理装置は、数値化されたユーザUの身体状況Sから、ユーザUに提案するアドバイスTを生成する。情報処理装置は、例えば、ユーザUの身体状況Sと、後述する第二学習モデル(図示せず)とを用いて、例えば、「タンパク質を多く含む食事をしましょう」という提案をするためのアドバイスTを生成する(なお、情報処理装置は、この場合において、目的情報Mも使用するものとする。)そして、情報処理装置は、ユーザUに把握させるべく、生成されたアドバイスTと数値化されたユーザUの身体状況Sとをユーザ端末3(図2参照)に出力する。なお、出力の態様は特に限られないものとする。
【0011】
<システム構成>
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムに関するシステム構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態に係る情報処理システムを構成する情報処理装置は、サーバ1によって実現されている。当該サーバ1は、インターネット等の所定のネットワークNを介して、測定端末2と、ユーザ端末3とが相互に接続されている。
測定端末2は、ユーザUの生体情報を取得する情報処理端末であって、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット等の情報処理端末である。測定端末2には、ユーザが使用する計測器(例えば、血圧計)が含まれてもよく、ユーザUに装着されて自動で情報をセンシングするウェアラブルデバイスが含まれてもよい。ユーザ端末3は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット、スマートフォン、スマートウォッチ等の情報処理端末である。なお、各端末は、ここでは1台であるものとして説明するが、当該サーバ1にそれぞれ接続されるよう複数台であってもよい。また、本実施形態では、サーバ1は1台であるものとして説明するが、サーバ1は複数台あってもよい。
【0012】
<サーバ1のハードウェア構成について>
図3は、実施形態に係るサーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0013】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0014】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、ドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、近距離無線通信や、インターネットを含むネットワークNを介して他の対象(例えば図2のユーザ端末3)との間で通信を行う。
【0015】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0016】
<測定端末2のハードウェア構成について>
測定端末2のハードウェア構成は、ここでは特に図示しないが、前述のサーバ1のハードウェア構成と基本的に同様である。即ち、CPUと、ROMと、RAMと、バスと、入出力インターフェースと、出力部と、入力部と、記憶部と、通信部と、ドライブとを備える。
【0017】
<ユーザ端末3のハードウェア構成について>
ユーザ端末3のハードウェア構成は、ここでは特に図示しないが、前述のサーバ1のハードウェア構成と基本的に同様である。即ち、CPUと、ROMと、RAMと、バスと、入出力インターフェースと、出力部と、入力部と、記憶部と、通信部と、ドライブとを備える。ユーザ端末3は、受付部3aと表示部3bを備えてもよい。受付部3aは、前述の目的情報Mを受け付けるために備えられる。表示部3bは、例えば、後述するスコア(例えば、身体状況Sを示すスコア)を表示するために備えられる。
【0018】
以上のようなサーバ1と、測定端末2と、ユーザ端末3とに関し、これらの各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、後述する各種処理が実現されるようになる。
【0019】
<サーバ1の機能構成>
図4は、図2の情報処理システムのうち、サーバ1の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0020】
サーバ1は、前述したように、CPU11と、記憶部18と、通信部19等とを備える。サーバ1には、通信部19を介して測定端末2と、ユーザ端末3が夫々接続される。
【0021】
サーバ1のCPU11においては、目的受付部111と、検査項目選択部112と、生体情報取得部113と、身体状況取得部114と、身体状況出力部115と、対処法生成部116と、対処法出力部117と、変化抽出部118と、目的選択部119と、が機能する。
【0022】
サーバ1の記憶部18においては、この一領域に、ユーザ情報DB(データベース)181と、検査項目DB182と、学習モデルDB183と、が構築されている。
【0023】
目的受付部111は、ユーザUの目的Mを受け付ける。ユーザUの目的Mは、後述するユーザ情報DB181に格納される。ここで、ユーザUの目的Mは、図1における目的情報Mと同義であるものとする。換言すると、ユーザUの目的Mとは、ユーザUが気になっている事項である。
ユーザUが気になっている事項としては、例えば、学習、スポーツ、体形、骨格、睡眠、美容整形等が挙げられる。なお、これらの大まかな事項に限られず、記憶力、判断力、慢性疲労、アトピー慢性蕁麻疹、慢性の下痢、腹痛、免疫力、美肌、ダイエット、PMS(月経前症候群)といった具体的な事項も挙げられる。
本実施形態では、ユーザ端末3の受付部3aによってユーザUの目的Mが受け付けられ、通信部19を介して、目的受付部111がユーザUの目的Mを受け付けるものとする(一例であり、変形例については後述する)。
【0024】
検査項目選択部112は、検査項目を選択する。具体的には、目的受付部111が受け付けたユーザUの目的Mに基づいて検査項目を選択する。より具体的には、ユーザ情報DB181に格納されているユーザUの目的Mを参照して、後述する検査項目DB182に格納されている検査項目の中から検査項目を選択する。
前述の検査項目には、少なくとも血液検査に係る項目が含まれる。血液検査に係る項目には、少なくともテストステロンが含まれる。血液検査に係るその他の項目としては、例えば、リンパ球(リンパ球の種類)、血清鉄、カリウム、赤血球数、総蛋白、中性脂肪、アルブミン、血中酸素濃度等も挙げられる。
検査項目選択部112によって選択される項目には、例えば、遺伝子検査に係る項目が含まれる。遺伝子検査に係る項目としては、例えば、長寿命遺伝子が挙げられる。検査項目選択部112によって選択される項目には他に、例えば、便検査に係る項目が含まれてもよい。便検査に係る項目としては、例えば、腸内細菌が挙げられる。その他、例えば、先天性疾患、免疫異常、自律神経、免疫状態、睡眠の質等が、前述のようにユーザUの目的Mとして受け付けられた場合に、これらを調べるために必要な検査項目が検査項目選択部112によって選択されてもよい。
検査項目選択部112が、検査項目を選択する例を説明する。例えば、ユーザUは「判断力」が気になっていることとする。この場合、前述の目的受付部111は、「判断力」というユーザUの目的Mを受け付ける。検査項目選択部112は、目的受付部111が受け付けたユーザUの「判断力」という目的Mに基づいて、例えば、テストステロンという検査項目を選択する。なお、テストステロンとは男性ホルモンの一つであり、判断力、決断力、集中力に関連することが知られている。また例えば、ユーザUは「腹痛」が気になっていることとする。この場合、前述の目的受付部111は、「腹痛」というユーザUの目的Mを受け付ける。検査項目選択部112は、目的受付部111が受け付けたユーザUの「腹痛」という目的Mに基づいて、例えば、腸内細菌という検査項目を選択する。
このように、目的受付部111が受け付けたユーザUの目的Mに基づいて、検査項目選択部112は、検査項目を選択する。
【0025】
生体情報取得部113は、ユーザUの生体情報Vを取得する。具体的には、検査項目選択部112により選択された検査項目に基づいて、ユーザUの生体情報Vを取得する。取得されたユーザUの生体情報Vは後述するユーザ情報DB181に格納される。
生体情報取得部113は、例えば、ユーザUの血液情報からユーザUの生体情報Vを取得する。生体情報取得部113が取得するユーザUの生体情報Vは血液情報に限られず、例えば、ユーザUの皮膚組織、唾液、脳波、血圧、脈拍等に係る情報であってもよい。例えば、ユーザUは、測定端末2である血圧計にて血圧を測定する。生体情報取得部113は、測定されたユーザUの血圧情報を測定端末2から取得する。
生体情報取得部113が、ユーザUの生体情報Vを取得する例を説明する。例えば、ユーザUの目的Mが「免疫力」であり、検査項目選択部112により選択された検査項目がリンパ球であったとする。この場合、生体情報取得部113は、選択された検査項目に基づいて、例えば、ユーザUのナチュラルキラー細胞の情報を取得する。また例えば、ユーザUの目的Mが「ダイエット」であり、検査項目選択部112により選択された検査項目が骨密度であったとする。この場合、生体情報取得部113は、選択された検査項目に基づいて、ユーザUの骨密度の情報を取得する。
このように、検査項目選択部112により選択された検査項目に基づいて、生体情報取得部113は、ユーザUの生体情報Vを取得する。これにより、ユーザUに対して身体状況Sに即した的確なアドバイスを提供することができる。
【0026】
身体状況取得部114は、ユーザUの身体状況Sを取得する。具体的には、生体情報取得部113により取得されたユーザUの生体情報Vと、後述する学習モデルDB183に記憶された第一学習モデルとを用いてユーザUの身体状況Sを取得する。身体状況取得部114は、少なくともスコアを算出してユーザUの身体状況Sを取得する。取得されたユーザUの身体状況Sは後述するユーザ情報DB181に格納される。
第一学習モデルは、学習用の生体情報および身体に関する身体状況を教師データとして学習することにより生成されている。例えば、第一学習モデルは、生体情報(学習用の生体情報)が総蛋白値6.5~7.9であるときに身体状況のスコアを100(満点)とし、この数値範囲から上下に外れる程度が高いほどスコアを低く算出する教師データを学習している。身体状況取得部114は、生体情報取得部113により取得されたユーザUの生体情報Vを、当該第一学習モデルへ入力し、ユーザUの身体状況Sについてのスコアを算出する。例えば、第一学習モデルにユーザUの血液情報の一例である総蛋白値7が入力された場合、身体状況取得部114は、ユーザUの身体状況Sとして100(満点)というスコアを算出する。なお、前述の第一学習モデルは一例であり、例えば、機械学習により学習された他のモデルが採用されてもよい。
【0027】
身体状況出力部115は、身体状況Sを出力する。具体的には、身体状況取得部114により取得されたユーザUの身体状況Sを出力する。身体状況出力部115は、グラフ、数値またはスコアの少なくともいずれか一つにて出力する。出力の態様は限定されず、例えば表示という態様であってもよく、紙に印刷するという態様であってもよい。
身体状況出力部115は、例えば、ユーザ端末3の表示部3bに身体状況取得部114により取得されたスコアを表示する。例えば、80というスコアを、100点満点中80点として、「免疫力80点」というようにユーザ端末3に表示してもよい。身体状況出力部115は、また、グラフや表を用いて当該スコアを表示してもよい。身体状況出力部115は、当該スコアを数値ではなく、例えば段階に分けて表示してもよい。例えば、「免疫力グレード4」というような段階的表示にて当該スコアを表示してもよい。また、当該スコアに対応する記号を用いて当該スコアを表示してもよい。例えば、スコア100に対応する記号をAとして表示してもよい。また、当該スコアを複数表示してもよい。
身体状況出力部115はまた、後述する変化抽出部118により抽出されたユーザUの身体状況Sの変化も、変化量として出力する。例えば、ある時点でのユーザUのへそ周りの数値が84(cm)であり、1か月後の数値が81(cm)である場合、身体状況出力部115は、変化抽出部118が抽出した前記変化であるスコアの差3(変化量)を、例えばユーザ端末3の表示部3bに表示する。表示態様は限定されず、「-(マイナス)3」、「差は3です」のように表示してもよい。
【0028】
対処法生成部116は、アドバイス(対処法)Tを生成する。具体的には、対処法生成部116は、学習モデルDB183に格納された第二学習モデル、ユーザ情報DB181に格納されたユーザUの身体状況SおよびユーザUの目的Mを用いて、ユーザUに提案するアドバイスTを生成する。対処法生成部116は、施設の利用、トレーニング方法、薬の服薬、栄養素の摂取、医学的処置、専門家の紹介の少なくともいずれか一つをアドバイスTとして生成する。
施設の利用としては、例えば、ジム、アンチエイジングカフェ、ドラッグストアの活用等が挙げられる。トレーニング方法としては、例えば、スパ、ヨガ、フィットネス等が挙げられる。薬の服薬としては、例えば、漢方薬の活用が挙げられる。栄養素の摂取としては、例えば、サプリの活用、食事療法メニュー等が挙げられる。医学的処置としては、例えば、次世代アンチエイジング療法、再生医療の紹介、施術メニューの一覧表(例えば、プラセンタ点滴等の各種点滴やビタミン注射等の各種注射が施術メニューに含まれる一覧表)等が挙げられる。専門家の紹介としては、例えば、前述の医師、検査技師、看護師、アスリート、栄養士、トレーナー、教師等の紹介等が挙げられる。なお、前述の再生医療の紹介は、例えば、ユーザUに著しい疾患が存する場合(例えば、疾患に対して既存の医薬品使用が難しい場合や、治療法が確立していない場合)に好適である。
対処法生成部116が、ユーザUに提案するアドバイスTを生成する例を説明する。ここでは、ユーザUの目的Mが「ダイエット」であり、身体状況取得部114により取得されたユーザUの身体状況Sが「BMI(Body Mass index)30」とする。
対処法生成部116は、例えば、第二学習モデル、目的受付部111により受け付けられたユーザUの目的Mおよび身体状況取得部114により取得されたユーザUの身体状況Sを用いてアドバイスTを生成する。第二学習モデルは、学習用の目的、身体状況およびアドバイスが紐づけられたデータを教師データとして学習しているものとする。例えば、第二学習モデルは、ユーザUの目的Mが「ダイエット」であり、身体状況が「BMI30」であるとき、アドバイスを「フィットネスクラブでの運動」とする教師データを学習している。対処法生成部116は、「ダイエット」というユーザUの目的Mと、「BMI30」というユーザUの身体状況Sとを当該第二学習モデルへ入力する。そして、「フィットネスクラブでの運動」というユーザUの目的Mに応じたアドバイスTが生成される。なお、対処法生成部116は、例えば、時系列にて、また複数示すようなアドバイスTを生成してもよい。例えば、対処法生成部116は、「1か月後:フィットネスクラブでの運動/週2回」、「2か月後:フィットネスクラブでの運動/週3回」というようなアドバイスTを生成してもよい。
前述の第二学習モデルの教師データは一例であり、例えば、「スポーツ」というユーザUの目的Mおよび所定の筋肉量と、「フィットネスクラブでの運動」とが対応付けられていてもよい。「美肌」というユーザUの目的Mおよび「シミの面積〇〇cm」と、「ビタミンCの摂取」とが対応付けられていてもよい。また、ユーザUの年齢が考慮されるよう学習された第二学習モデルを採用してもよい。換言すると、対処法生成部116は、第二学習モデル、ユーザUの目的M(ダイエット、スポーツ、美肌)および取得されたユーザUの身体状況S(BMI〇〇、筋肉量〇〇、シミ〇〇等)を用いてユーザUの目的Mに応じたアドバイスTを生成する。
【0029】
対処法出力部117は、アドバイスTを出力する。具体的には、対処法生成部116により生成されたアドバイスTを出力する。出力の態様は限定されず、例えば表示という態様であってもよく、例えば、前述の身体状況Sと共にアドバイスTを表示する。なお、対処法出力部117は、紙に印刷するという態様にてアドバイスTを出力してもよい。
対処法出力部117は、例えば、ユーザ端末3の表示部3bに当該アドバイスTを表示する。例えば、「一日一万歩歩きましょう」のようなアドバイスTをユーザ端末3の表示部3bに表示してもよい。また、「一日一万歩歩きましょう」、「歩いた後はストレッチをしましょう」のように、複数のアドバイスTを、例えば、ユーザ端末3の表示部3bに表示してもよい。
【0030】
変化抽出部118は、変化を抽出する。具体的には、変化抽出部118は、ユーザUの身体状況Sの変化を抽出する。例えば、ユーザ情報DB181に日付毎にユーザUの身体状況Sが格納されている場合に、一時点と他の時点におけるスコアを比較して、二つの時点のスコアの差をユーザUの身体状況Sの変化として抽出する。
【0031】
目的選択部119は、ユーザUの目的Mの候補の中からユーザUの目的MをユーザUに選択させるための制御をする。目的選択部119の制御により、例えばユーザ端末3の表示部3bに表示されたユーザUの目的Mの候補の中から、ユーザUは、例えば、「判断力」をユーザUの目的Mを示す項目として選択する。
目的選択部119は、ユーザUの目的Mを示す項目を、ユーザUの属性に応じて変化させるように制御してもよい。目的選択部119は、例えば、前述の項目をユーザUの属性(年齢、性別、職業など)に応じて変化させ、ユーザ端末3の表示部3bに表示させる制御をしてもよい。目的選択部119は、例えば、ユーザUが60歳の男性であれば、その年代の男性が関心を持つ項目を、ユーザ端末3の表示部3bにて大きく表示する、目立つ色で表示する、或いは点滅させる制御をしてもよい。ユーザUの属性は、ユーザ端末3の受付部3aによって受け付けられ、ユーザ情報DB181に格納される。
【0032】
ユーザ情報DB181には、ユーザUに関する情報が格納される。例えば、ユーザUの氏名住所等の情報が格納される。また、ユーザ情報DB181には、前述の目的受付部111が受け付けたユーザUの目的Mが格納される。ユーザUの目的Mとしては、例えば、学習、スポーツ、体形、骨格、睡眠、美容整形等が挙げられる。なお、これらの大まかな事項に限られず、記憶力、判断力、慢性疲労、アトピー慢性蕁麻疹、慢性の下痢、腹痛、免疫力、美肌、ダイエット、PMS等の具体的な事項も挙げられる。また、ユーザ情報DB181には、例えば、生体情報取得部113により取得されたユーザUの生体情報V、身体状況取得部114により取得された身体状況Sが格納される。なお、格納された種々のユーザUに関する情報は、日付毎に格納されてもよい。これにより、ユーザUの身体状況Sの時系列の変化を、変化抽出部118が抽出し易くすることができる。
【0033】
検査項目DB182には、ユーザUの目的に応じた検査項目が格納される。検査項目DB182には、例えば、血液検査、遺伝子検査等に係る項目が格納される。血液検査に係る項目としては、例えば、リンパ球(リンパ球の種類)、テストステロン、血清鉄、カリウム、赤血球数、総蛋白、中性脂肪、アルブミン、血中酸素濃度等が挙げられる。遺伝子検査に係る項目としては、例えば、長寿命遺伝子が挙げられる。また便検査に係る項目としては、腸内細菌が挙げられる。その他、先天性疾患、免疫異常、自律神経、免疫状態、睡眠の質等を調べるために必要な項目が格納されてもよい。
【0034】
学習モデルDB183には、例えば、身体状況取得部114がユーザUの身体状況Sとしてスコアを算出する際に用いられる第一学習モデルや、対処法生成部116がアドバイスTを生成する際に用いられる第二学習モデルが格納される。例えば、これらの学習モデルは、機械学習により学習されたモデルであってもよい。機械学習により学習されたモデルは、予め設定された教師データにより予めニューラルネットクーク等の学習アルゴリズムを用いて機械学習されている。機械学習により学習可能なモデルであれば、どのようなモデルであってもよい。
ここで、前述の対処法生成部116がアドバイスTを生成する際に用いる第二学習モデルについて、もう少し詳細に説明する。当該第二学習モデルが作成される際に用いられる学習データには、例えば医師、検査技師、看護師、アスリート、オリンピック日本代表栄養士・トレーナー等専門家が、例えば患者やアスリートを診断した際のデータ等が含まれる。これらのデータ等に基づいて当該第二学習モデルが作成されるため、様々なユーザUの身体状況Sに適合する適切なアドバイスTをユーザUに提供することができる。
【0035】
<処理内容>
図5は、図2の情報処理システムのうち、サーバ1が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS1において、CPU11の目的受付部111は、ユーザUの目的Mを受け付ける。ユーザ端末3の受付部3aによってユーザUの目的Mが受け付けられ、通信部19を介して、目的受付部111がユーザUの目的Mを受け付けるものとする。ユーザUの目的Mとしては、例えば、学習、スポーツ、体形、骨格、睡眠、美容整形、記憶力、判断力、慢性疲労、アトピー慢性蕁麻疹、慢性の下痢、腹痛、免疫力、美肌、ダイエット、PMS等が挙げられる。ユーザUは、例えばユーザ端末3の表示部3bに表示されたユーザUの目的Mの候補の中から、ユーザUの目的Mを示す項目を選択することができるものとする。なお、ユーザUの目的Mを示す項目は、ユーザUの属性(年齢、性別、職業など)に応じて変化してもよい。
ステップS2において、検査項目選択部112は、目的受付部111が受け付けたユーザUの目的Mに基づいて検査項目を選択する。検査項目には、少なくとも血液検査に係る項目が含まれる。また、血液検査に係る項目には、少なくともテストステロンが含まれる。なお、遺伝子検査、便検査等に係る項目が含まれてもよい。その他、例えば、先天性疾患、免疫異常、自律神経、免疫状態、睡眠の質を調べるために必要な項目等が検査項目に含まれてもよい。
ステップS3において、生体情報取得部113は、検査項目選択部112により選択された検査項目に基づいて、ユーザUの生体情報Vを取得する。生体情報取得部113は、例えば、ユーザUの血液情報からユーザUの生体情報Vを取得する。生体情報取得部113が取得するユーザUの生体情報Vは血液情報に限られず、ユーザUの皮膚組織、唾液、脳波、血圧、脈拍等に係る情報であってもよい。
ステップS4において、身体状況取得部114は、生体情報取得部113により取得されたユーザUの生体情報Vと、学習用の生体情報および身体に関する身体状況を教師データとして学習することにより生成された第一学習モデルとを用いて、ユーザUの身体状況Sと、ユーザUの身体状況Sについてのスコアを算出する。
ステップS5において、身体状況出力部115は、身体状況取得部114により取得されたユーザUの身体状況Sと、身体状況Sについてのスコアをグラフ、数値またはスコアの少なくともいずれか一つにて出力する(ここではスコアとする)。身体状況出力部115は、例えば、ユーザ端末3の表示部3bに前述の身体状況取得部114により取得されたスコアを表示する。出力の態様は限定されず、例えば表示という態様であってもよい。身体状況出力部115は、当該スコアを数値ではなく、例えば段階に分けて表示してもよい。例えば、「免疫力グレード4」というような段階的表示にて当該スコアを表示してもよい。また、当該スコアに対応する記号を用いて当該スコアを表示してもよい。例えば、スコア100に対応する記号をAとして表示してもよい。また、当該スコアを複数表示してもよい。なお、身体状況出力部115は、紙に印刷するという態様にて当該スコアを出力してもよい。身体状況出力部115はまた、後述する変化抽出部118により抽出されたユーザUの身体状況Sの変化も、変化量として出力する。身体状況出力部115は、例えば、ユーザ端末3の表示部3bに、ある時点のユーザUのへそ周りの数値(例えば84cm)と、他の一時点での数値(例えば81cm)の差(変化)を、変化量(3cm)として表示する。表示態様は限定されず、「-(マイナス)3」、「差は3です」のように表示してもよい。
ステップS6において、対処法生成部116は、学習用の目的、身体状況およびアドバイスを教師データとして学習することにより生成された第二学習モデル、目的受付部111により受け付けられたユーザUの目的Mおよび身体状況取得部114により取得されたユーザUの身体状況Sを用いて、対処法(アドバイスT)を生成する。対処法生成部116は、施設の利用、トレーニング方法、薬の服薬、栄養素の摂取、医学的処置、専門家の紹介の少なくともいずれか一つを対処法として生成する。
ステップS7において、対処法出力部117は、対処法生成部116により生成された対処法Tを出力する。対処法出力部117は、例えば、ユーザ端末3の表示部3bに当該対処法Tを表示する。出力の態様は限定されず、例えば表示という態様であってもよく、例えば、前述の身体状況Sと共に対処法Tを表示する。なお、対処法出力部117は、紙に印刷するという態様にて対処法Tを出力してもよい。
【0036】
<表示例等>
以下、本実施形態に係る表示例等について説明する。
図6は、ユーザUの身体状況Sに関する図である。具体的には、(a)はユーザUの身体状況Sを説明する図であり、(b)は表示の一例を示す図である。
図6(a)を説明する。自律神経、免疫、ホルモンのバランスが保たれている状態を、生体恒常性が保たれている状態という。当該状態は、例えば病原への感染や、ストレス、加齢、栄養欠損等により乱れる。生体恒常性が乱れると、病気の発症につながる可能性が高い。生体恒常性が乱れている状態は、栄養補強をすることにより、前述の自立神経、免疫、ホルモンのバランスが保たれている状態に戻る。これは、栄養状態の改善と免疫の向上により、生体恒常性が回復するためである。図6(b)を説明する。図6(b)には、正常群と比較分析したユーザUの肺機能のリスクが、Aであることが表示されている。なお、Aは当該分析の結果である。
【0037】
図7は、ユーザUの身体状況Sに関する図である。具体的には、(a)は1年に複数回検査するユーザUを説明する図、(b)は検査数値の推移を表す図、(c)は1年に1回検査するユーザUを説明する図、(d)は検査態様の一例を示す図である。
図7(a)には、3か月毎のユーザUの意識が表示されている。ユーザUは、3か月に一度定期検査をする。換言すれば、1年に4回定期検査をする。図7(a)に示す現在のユーザUは、自己が元気であると認識している。3か月後のユーザUは、検査数値が上がっていることから様子をみようとしている。6か月後のユーザUは、検査数値が異常値ギリギリであることから生活習慣に気を付けることを決めている。9か月後のユーザUは、生活習慣の改善をしたら少し検査数値が落ち着いてきたことを把握している。1年後のユーザUは、検査数値が落ち着いてきたことを把握し、早期に対応しておいて良かったと感じている。
図7(b)には、図7(a)におけるユーザUと後述する図7(c)におけるユーザUの、3か月毎の検査数値の推移が表示されている。当該検査数値の推移は、ユーザU毎の折れ線グラフにて表示されている。折れ線グラフの上方には異常値が表示されている。図7(a)におけるユーザUの検査数値は6か月後までは上昇するものの1年後は下降している。図7(c)におけるユーザUの検査数値は1年後にかけて上昇し続けている。6か月後の図7(a)におけるユーザUの検査数値を示す折れ線グラフの近傍には警告マークが表示されている。
図7(c)には、3か月毎のユーザUの意識が表示されている。なお、図7(c)におけるユーザUは、図7(a)におけるユーザUとは別人である。この別人のユーザUは、1年に1回定期検査をする。図7(c)に示す現在のユーザUは、自己が元気であると認識している。代謝の低下、ストレス、運動不足、暴飲暴食、睡眠不足等により、1年後のユーザUは、検査数値が異常値を超えていること、早く気がついていれば改善できたのにと感じている。
図7(d)には、定期検査で行われる血液検査の様子が表示されている。具体的には、ユーザUの人差し指から血液が採取されていること、当該採取されたユーザUの血液を検査員が検査する様子が表示されている。
【0038】
図8は、検査項目の一例であるテストステロンに関する図である。具体的には、(a)はテストステロンの働きを説明する図、(b)はテストステロン値の推移を説明する図、(c)は他の内分泌系情報伝達物質と比較したテストステロン値の推移を説明する図である。
図8(a)を説明する。テストステロンは男性ホルモンの一つであって、様々な臓器に影響を与えている。例えば、脳、筋肉、腎臓、骨髄、皮膚、肝臓、男性生殖器、血管等に影響を与えることが知られている。脳においては、例えば、性欲や攻撃性等に関連する。また、筋肉においては、例えば、筋力の維持に関連する。また、腎臓においては、例えば、エリスロポイエチンの刺激に関連する。また、骨髄においては、例えば、血液幹細胞刺激に関連する。また、皮膚においては、例えば、毛髪の育成に関連する。また、肝臓においては、例えば、アルブミンの産生に関連する。また、男性生殖器においては、例えば、陰茎の発育、精子産生、前立腺等に関連する。また、血管においては、例えば、動脈硬化予防に関連する。
図8(b)を説明する。図8(b)では、加齢によるテストステロン値の減少を示すグラフが表示されている。縦軸にはテストステロン値が表示されている。横軸には0歳から20歳単位で年齢が表示されている。図8(b)では、テストステロン値が20歳を境に減少し、40歳頃から急激に低下することが表示されている。
図8(c)を説明する。図8(c)では、エストロゲン、プロゲステロン、テストステロンが加齢とともに減少することを示すグラフが表示されている。縦軸には、エストロゲン、プロゲステロン、テストステロンの値が表示されている。横軸には年齢(25歳、35歳、50歳、60歳、75歳)が表示されている。エストロゲン、プロゲステロンは50歳頃まで減少し続けるが50歳過ぎからは横ばいであるのに対し、テストステロンは、25歳時点でエストロゲン、プロゲステロンの値より低く且つその後低下し続けていくことが表示されている。
【0039】
図9は、ユーザUの目的Mの候補(目的候補)の表示例を示す図である。ユーザ端末3の画面G1には、「気になっている項目をタップ」という文字と、ユーザUの気になっている項目が、円形の項目M1からM9まで表示されている。M1からM9までに表示されるユーザUの目的Mを示す項目としては、例えば、記憶力、判断力、慢性疲労、アトピー慢性蕁麻疹、慢性の下痢、腹痛、免疫力、美肌、ダイエット、PMS等が挙げられる。これらは一例であり、例えば、学習、スポーツ、体形、骨格、睡眠、美容整形等、ユーザUが気になっている種々の項目が含まれるものとする。ユーザUは、画面G1にて気になる項目Mをタップする。本実施形態では、このように、ユーザ端末3の受付部3aがユーザUの目的を受け付け、通信部19を介して、目的受付部111がユーザUの目的Mを受け付けるものとする。
【0040】
図10は、ユーザUの身体状況Sおよび身体状況Sに対する評価の表示例を示す図である。ユーザ端末3の画面G2には、ユーザUの体の状態が「あなたの体の状態」として表示されている。また、画面G2の下方には、「マイページに保存する」、「あなたにおすすめのケア」、「あなたにおすすめのサプリ」という表示がされている。なお、「マイページ」については後述する。
「あなたの体の状態」では、ユーザUを示す人体図および身体部位毎のユーザUの身体状況Sを示すスコアが表示されている。例えば、胸部には60点、頭部には60点というスコアが表示されている。ここで、図10において表示されている前述のスコア(胸部の60点、頭部の60点)は、ユーザUが本サービスで選択したプランにおけるスコアである。ユーザUが選択するプランとしては、例えばダイエットに関するプランであるダイエットディスカバリーP1、ビジネスに関連する、判断力、気力、記憶力がセットになったプランであるビジネスシーンパックP2が挙げられる。胸部の「60点」、頭部の「60点」は、それぞれダイエットディスカバリーP1、ビジネスシーンパックP2におけるユーザUのスコアを示している。なお、複数のユーザUの目的Mに係るスコアがまず算出され、当該複数スコアの例えば平均値が、パック全体のスコアとして算出され表示されてもよい。例えば、前述のビジネスシーンパックP2では、判断力、気力、記憶力という3つのユーザUの目的Mに係る夫々のスコア(例えば、判断力57、気力58、記憶力65)が身体状況取得部114によりまず算出され、当該3つのスコアの平均値(60)がパック全体のスコアとして算出され表示されてもよい。
画面G2にはまた、ユーザUの身体状況Sに対する評価が表示されている。例えば、前述のダイエットディスカバリーP1においては「要改善」、ビジネスシーンパックP2においては「注意」という評価がスコアと共に表示されている。本サービスではユーザUの目的Mを複数セットにした前述のようなプランも用意されているものとする。画面G2では、スコアについて、当該プランにおけるスコアだけを表示してもよく、ユーザUが気になる目的M(例えば骨密度)におけるスコアと併せて表示してもよいものとする。また、例えば、ユーザUが身体状況Sに対する評価を気にして行動した結果のスコアを、当初スコアと共に表示してもよい。例えば、ダイエットディスカバリーP1における当初スコアが50点だったユーザUが、「要改善」という評価を気にして食事改善等を行い、スコアが60点になった場合、当該50点および60点というスコアを両方表示してもよい。
前述の「要改善」という評価は一例であり、当該評価の替わりに、例えば、ケアやサプリをユーザUに勧めてもよい。ユーザUへ勧めるケアやサプリは、例えば、別画面(図示せず)にて表示してもよい。例えば、前述の「あなたにおすすめのケア」、「あなたにおすすめのサプリ」という文言から別画面へ遷移してもよく、画面G2上にお勧めケアやお勧めサプリを表示してもよい。
【0041】
図11は、ユーザUの身体状況Sの数値化の一例を説明する図である。
図11には、ユーザUの、肥満指数の数値化の一例が表示されている。検査項目の数値を、基準値(基準範囲)、要注意、異常で分け、それぞれに配点とABCランクが付けられている。
矢印Aの部分には、肥満指数の検査項目である総蛋白、アルブミン、中性脂肪(TG)の表が表示されている。表の上部には、優良、注意、危険という評価が表示されている。なお、優良は「100点、Aのみ」、注意は「80点以下orB評価もあり」、危険は「60点以下orC評価あり」とされている。
表をもう少し詳細に説明する。表には、前述の基準値、要注意、異常の項目が設けられ、それぞれの項目に該当する数値、配点、ランクが表示されている。例えば、総蛋白の表では、異常に該当する、数値6.1以下と、配点20と、ランクCが表示されている。また、要注意に該当する、数値6.2~6.4と、配点60と、ランクBが表示されている。また、基準範囲に該当する、数値6.5~7.9と、配点100と、ランクAが表示されている。また、要注意に該当する、数値8.0~8.3と、配点60と、ランクBが表示されている。また、異常に該当する、数値8.4以上と、配点20と、ランクCが表示されている。アルブミンの表では、基準範囲に該当する、数値3.9以上と、配点100と、ランクAが表示されている。また、要注意に該当する、数値3.7~3.8と、配点60と、ランクBが表示されている。また、異常に該当する、数値3.6以下と、配点20と、ランクCが表示されている。中性脂肪(TG)の表では、異常に該当する、数値29以下と、配点20と、ランクCが表示されている。また、基準範囲に該当する、数値30~149と、配点100と、ランクAが表示されている。また、要注意に該当する、数値150~499と、配点60と、ランクBが表示されている。また、異常に該当する、数値500以上と、配点20と、ランクCが表示されている。
矢印Bの部分には、例1)総蛋白:7、中性脂肪:300、アルブミン:3.7の場合、スコアは(100+60+60)/3≒73、ランクA,B,Bと表示されている。また、例2)総蛋白:7、中性脂肪:60、アルブミン:3.6の場合、スコアは(100+100+20)/3≒73、ランクA,A,Cと表示されている。また、例3)総蛋白:7、中性脂肪:60、アルブミン:3.7の場合、スコアは(100+100+60)/3≒86、ランクA,A,Bと表示されている。
矢印Cの部分には、前述の例1)から3)におけるスコア、評価(優良、注意、危険という評価)、およびユーザUに注意を促すコメントが表示されている。例1)の場合におけるスコアは73点、評価は注意、コメントは「やや改善項目が多いです~・・・」である。例2)の場合におけるスコアは73点、評価は危険、コメントは「すぐに改善すべき項目があります~・・・」である。例3)の場合におけるスコアは86点、評価は注意、コメントは「概ね良好ですが改善項目に気をつけて~・・・」である。例1)と例2)のスコアは73点で同じであるが、コメントは異なっている。例1)のランクはA,B,Bであるのに対し、例2)のランクはA,A,Cのため、ランクレベルに応じてコメントが異なる。また、例3)のスコアは86点であるが、ランクにBがあるため、評価は注意となっている。注意の基準が「80点以下orB評価もあり」とされているためである。このように、スコアの内容に応じてコメントが変化してもよい。
【0042】
図12は、ユーザUの身体状況Sの表示例を示す図である。具体的には、(a)はユーザUの身体状況Sをグラフにて示す図であり、(b)はユーザUの身体状況Sを表にて示す図である。
図12には、ユーザUの免疫力判定及び改善治療の一例が表示されている。図12(a)では、検査結果を3段階評価し、レーダーチャートを用いてユーザUの身体状況Sが示されている。図12(b)では、表を用いてユーザUの身体状況Sが示されている。
図12(b)の表をもう少し詳細に説明する。表には、スコア、当該スコアの5段階評価、各スコアおよび段階に応じた対策という項目が設定されている。具体的には、免疫力スコア、免疫力グレード、対策が設定されている。免疫力スコアでは、8項目および7項目を検査した結果のスコアが表示されている。例えば、8項目24点の項目には、24、23~21、20~17、16~13、12~8という数値が縦方向に順に表示されている。また、7項目21点という項目には、21、20~18、17~14、13~10、9~7という数値が縦方向に順に表示されている。免疫力グレードでは、5段階および段階に応じた評価が表示されている。5段階評価の項目には、5,4,3,2,1という数字と共に、充分高い、安全圏、要観察圏、要注意圏、危険圏、と縦方向に順に表示されている。なお、表には当該数字がローマ数字で表示されているが、ここでは5,4,3,2,1と表現する。対策では、現状を維持するように努力する、免疫力の改善対策がやや必要、免疫力の改善対策が必要、免疫力の改善対策が大いに必要、免疫力の改善対策が緊急に必要と、縦方向に順に表示されている。
【0043】
図13は、ユーザUの身体状況Sの表示例を示す図である。具体的には、(a)は一時点でのユーザUの3Dモデルを示す図、(b)は身体状況Sの推移を時系列で示す図、(c)は表示する項目を示す図、(d)はユーザUの身体状況Sを数値およびグラフにて示す図である。
図13は、ユーザUの身体状況Sが記録されたマイページの表示例である。マイページには、例えば、ユーザUのパーソナルデータや、スコア等が記録される。また、スコアは、例えば、30日単位で記録されてもよい。これにより、例えば、実施したアドバイスTにより身体状況Sが変化したことをユーザUが把握することができる。また、マイページでは、3Dモデル、グラフ、表、画像等を用いてユーザUの身体状況Sを表示してもよい。
図13(a)には、2021年2月5日、14時25分時点でのユーザUの身体状況Sが3Dモデルを用いて表示されている。図13(b)には、ユーザUの身体状況Sの一例であるへそ周りの数値の推移が表示されている。図13(c)には、マイページで表示する項目が表示されている。項目としては、例えば、首周り、首根もと周り、肩幅、二の腕周り、手首の骨を囲む周り、裄丈、腕の長さ、バスト、アンダーバスト等が挙げられる。図13(d)には、ユーザUのパーソナルスコアが表示されている。パーソナルスコアで表示される項目としては、例えば、名前、性別、スコア、身体年齢、実年齢等が挙げられる。また計測履歴が挙げられる。計測履歴には、計測日、計測項目(例えば、身長、体重、BMI、腹囲、握力等)、計測値等が含まれても良い。
【0044】
図14は、ユーザUの身体状況Sの表示例を示す図である。具体的には、(a)は姿勢解析を説明する図であり、(b)は(a)の矢印Dで示すユーザUの姿勢解析の詳細を説明する図である。
図14にはユーザUの姿勢解析が表示されている。図14(a)には、手本となるモデル、手本と同じ姿勢をしたユーザU、ユーザUの姿勢解析の結果が表示されている。具体的には、正面を向いた手本となるモデルおよびユーザU、スコア、解析結果、およびコメントが表示されている。ユーザUのスコアは74/100点である。解析結果には、姿勢解析に係る項目と、ユーザUの当該項目における評価が表示される。姿勢解析に係る項目としては、例えば、全身の左右傾き、上半身の左右傾き、下半身の左右傾き、顎の左右傾き、首の左右位置ずれ、胸の左右位置ずれ等が挙げられる。ユーザUの当該項目に係る評価としては、例えば、「全身の左右傾きにおいてずれなし」と評価する例が挙げられる。コメントとしては、「総評として、おおむね全身の姿勢バランスが整っています。ただし一部の身体の歪みは全身の歪みを引き起こします・・・」等が挙げられる。図14(b)には、姿勢解析における計測ポイントがユーザUの画像に重ねるように表示されている。具体的には、ユーザUの正面、左側面、背面、右側面における計測ポイントがユーザUの画像に重なって表示されている。
【0045】
図15は、ユーザUの身体状況Sの表示例を示す図であり、ユーザUの身体状況Sの推移を時系列で説明する図である。具体的には、2つの時点(2019年5月20日、および、2019年11月20日)におけるスコア(2019年5月20日では43点、2019年11月20日では65点)、当該2時点における正面を向いたユーザU、姿勢解析に係る項目、およびユーザUの当該項目における評価が表示されている。なお、側面に係るユーザUの姿勢解析についても一部表示されている。
【0046】
図16は、再生医療の内容について説明する図である。具体的には、(a)は体性幹細胞、ES細胞、iPS細胞について説明する図であり、(b)は体性幹細胞の詳細を説明する図である。
図16(a)を説明する。ユーザUへのアドバイスTが、医学的処置をする、という場合、この医学的処置としては、例えば再生治療が挙げられる。再生治療とは、幹細胞等を用いて、臓器や組織の欠損や機能障害・不全に対し、それらの臓器や組織を再生し、失われた人体機能の回復を目指す医療のことである。図16(a)には、体性幹細胞の人体への移植、および、使用する細胞と対象疾患の例が表示されている。例えば、筋芽細胞は心不全に、間葉系幹細胞は脊髄損傷・GVHDに、滑膜幹細胞は半月板損傷に、表皮細胞は熱傷に使用されることが表示されている。また、ES細胞、IPS細胞の分化誘導、および、作製する細胞と対象となる疾患例が表示されている。例えば、ES細胞、IPS細胞を分化誘導し、神経細胞が作成され、脊髄損傷、パーキンソン病患者に移植される例が表示されている。同様に、心筋細胞の作製と心不全患者への移植、網膜、角膜細胞の作製と加齢黄斑性、角膜疾患患者への移植、肝臓細胞の作製と肝不全患者への移植、血小板の作製と血小板減少症患者への移植が表示されている。
図16(b)を説明する。図16(b)には、体性幹細胞と、当該最終分化した体細胞と、当該体細胞から産生される物質が表示されている。体性幹細胞としては、造血幹細胞、間葉系幹細胞、その他の体性幹細胞が表示されている。体細胞としては、血液の細胞、脂肪細胞、骨細胞、軟骨細胞、筋細胞、血管細胞、その他が表示されている。また、造血幹細胞から最終分化した血液の細胞から、血液が産生されることが表示されている、また、脂肪細胞、骨細胞、軟骨細胞、筋細胞、血管細胞、その他の細胞が間葉系幹細胞から最終分化し、最終分化した夫々の細胞から、脂肪、骨、軟骨、筋肉、血管等が産生されることが表示されている。なお、体性幹細胞とは、生体内にあり、新しい細胞に分化して、組織を修復、再生する能力のある細胞である。また、体細胞とは、最終分化して体の組織や臓器となった細胞である。
【0047】
図17は、アンチエイジング療法の内容について説明する図である。具体的には、(a)はNMN点滴療法を説明する図、(b)はNMN点滴療法の詳細を説明する図である。
図17(a)を説明する。ユーザUへのアドバイスTが、医学的処置をする、という場合、この医学的処置としては、例えば、次世代アンチエイジング療法が挙げられる。当該次世代アンチエイジング療法の具体例としては、例えばNMN点滴療法が挙げられる。NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)点滴療法は、次世代アンチエイジング療法であり、長寿遺伝子、長生き遺伝子、抗老化遺伝子とも呼ばれるサーチュイン遺伝子を活性化等するものである。図17(a)にはNMNの主な効果として、サーチュイン遺伝子の活性化・若々しさがよみがえる、体力がよみがえる、熟睡できる、エストロゲンの上昇、運動中の呼吸が楽になる、肌のキメがアップ、ミトコンドリアの活性化、頭がスッキリする、思考・集中力が高まる、代謝が上がる等が表示されている。
図17(b)を説明する。図17(b)には、NMN点滴療法の詳細が表示されている。具体的には以下の旨が説明として表示されている。NMNからNAD+が産生される。NAD+によりサーチュイン遺伝子が活性化される。サーチュイン遺伝子は例えば、ミトコンドリアやテロメアを保護する。保護されることでミトコンドリアはエネルギーを作り続けることができる。ミトコンドリアの保護により、新しい細胞をつくる、細胞を修復する、基礎代謝が上がる等の効果がある。また、保護されることでテロメアは寿命が伸びる。テロメアの保護により、細胞分裂を繰り返す、寿命を延ばす等の効果がある。
【0048】
<変形例>
前述の実施形態では、ユーザUが目的(気になる項目)Mをタップする例を説明したが、これに限られない。例えば、ユーザUは、ユーザ端末3の画面(例えば図9の画面G1)に目的Mを手書き入力してもよい。また、音声認証を用いて目的Mを入力してもよい。例えば、ユーザUは、ユーザ端末3に向かって「ダイエットが気になる」等声を発してもよい。これにより、ユーザUの利便性が向上する。
【0049】
また、本実施形態では、目的受付部111がユーザ端末3からユーザUの目的Mを受け付ける例を説明したが、これに限られない。例えば、ユーザUはイベント会場にて骨密度の測定を勧められる。当該イベントに携わる業者が使用する業者端末(図示せず)から、前述のユーザUの気になる事項(すなわち、ユーザUの目的M)が受け付けられる。当該イベント会場にてユーザUは骨密度を測定し、当該ユーザUの身体状況S(骨密度)のスコアが業者端末に表示される。当該スコアは、例えば業者端末からユーザ端末3へ転送される。このように、ユーザUでない第三者の使用する端末からユーザUの目的Mが受け付けられてもよい。ユーザUは、自己が特段気にしていなかった事項に係る身体状況Sを把握することができ、例えば健康改善への意識を持つことができる。
【0050】
また、本実施形態では、検査項目選択部112がユーザ端末3から受け付けたユーザUの目的M、すなわちユーザUによりタップされて入力されたユーザUの目的Mに基づいて検査項目を選択する例について説明したが、これに限られない。例えば、回答する質問を選択可能な複数の質問が入力画面(例えば図9の画面G1)に表示されており、ユーザUは当該質問に対し回答する。ユーザUは、例えば、「はい」、「いいえ」で回答する。質問としては、例えば「普段よく眠れていますか」、「食事はとれていますか」、「勤務時間は長いですか」等が挙げられる。ユーザUの回答内容から、ユーザUの目的Mが慢性疲労であることが特定され、検査項目選択部112は、当該慢性疲労というユーザUの目的Mに基づいて検査項目を選択する。このように検査項目の選択をすることから、高精度にユーザUの身体状況Sを算出できる。
【0051】
<まとめ>
以上、本発明の情報処理装置の実施形態について説明したが、本発明は前述した本実施形態に限定されない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果の列挙に過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されない。
【0052】
本実施形態において、図3に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。換言すると、図4に示す機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、前述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図4の例に限定されない。
【0053】
また、機能ブロックの存在場所も、図4に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバ1の機能ブロックを複数のサーバに分散させてもよい。また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0054】
また、例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。また、コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれるコンピュータであってもよい。
【0055】
コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他、汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0056】
また、例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、利用者にプログラムを提供するために、装置本体とは別に配布される図示しないリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成されるものであってもよい。
【0057】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理は勿論、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含む。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味する。
【0058】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図3のリムーバブルメディア21により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成される。
リムーバブルメディア21は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。
装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図3のROM12や、図3の記憶部18に含まれるハードディスク等で構成される。
【0059】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば、図2のサーバ1)は、ユーザの目的に基づいた検査項目を選択する検査項目選択手段(例えば、図4の検査項目選択部112)と、選択された前記検査項目に基づいて、前記ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と(例えば、図4の生体情報取得部113)、取得された前記生体情報と、学習用の生体情報および身体に関する身体状況とを教師データとして学習することにより生成された第一学習モデルとを記憶する記憶手段(例えば、図4の学習モデルDB183)と、記憶された前記生体情報および前記第一学習モデルを用いて前記ユーザの身体状況を取得する身体状況取得手段と(例えば、図4の身体状況取得部114)、と備える。
本発明によれば、目的に応じた身体状況をユーザが把握できる。
【0060】
また、前記記憶手段は、さらに、学習用の目的、身体状況および対処法を教師データとして学習することにより生成された第二学習モデルと、前記ユーザの前記目的と、取得された前記ユーザの前記身体状況と、を記憶し、記憶された前記第二学習モデル、前記ユーザの前記目的及び前記ユーザの前記身体状況を用いて対処法を生成する対処法生成手段(例えば、図4の対処法生成部116)をさらに備えてもよい。
本発明によれば、ユーザの身体状況に適合した効果的なアドバイスを生成することができる。
【0061】
また、前記対処法生成手段は、施設の利用、トレーニング方法、薬の服薬、栄養素の摂取、医学的処置、専門家の紹介の少なくともいずれか一つを前記対処法として生成してもよい。
本発明によれば、ユーザに提案可能な対処法が複数在するため、夫々異なるユーザの身体状況に適合したアドバイスをユーザに提供することができ、ユーザの多様なニーズに対応できる。
【0062】
また、前記身体状況取得手段は、前記ユーザの身体状況として少なくともスコアを算出してもよい。
本発明によれば、スコアという客観的なデータで現在の身体状況が示されるため、ユーザが現在の身体状況を的確に把握できる。
【0063】
また、取得された前記ユーザの身体状況を出力する身体状況出力手段(例えば、図4の身体状況出力部115)をさらに備え、前記身体状況出力手段は、前記ユーザの身体状況を、グラフ、数値又は前記スコアの少なくともいずれか一つにて出力してもよい。
本発明によれば、ユーザが目で見て分かり易い、グラフや数値、スコアでの出力がなされるため、ユーザが自己の身体状況を把握し易い。
【0064】
また、前記ユーザの身体状況の変化を抽出する変化抽出手段(例えば、図4の変化抽出部118)をさらに備え、前記身体状況出力手段は、さらに、抽出された前記ユーザの身体状況の変化を変化量として出力してもよい。
本発明によれば、実施したアドバイスの効果をユーザが把握し易い。
【0065】
また、前記検査項目は、少なくとも血液検査に係る項目であってもよい。
本発明によれば、血液検査に係る項目は多岐にわたるため、ユーザの目的に沿った身体状況をユーザに提示し易くなる。
【0066】
また、前記血液検査に係る項目には、少なくともテストステロンが含まれてもよい。
本発明によれば、テストステロンを検査項目に含むため、ビジネスシーンにおけるユーザの身体状況をも算出することできる。
【0067】
また、前記ユーザが目的候補の中から前記目的を選択するための目的選択手段(例えば、図4の目的選択部119)をさらに備えてもよい。
本発明により、ユーザが目的候補中から目的(目的を示す項目)を選択することができる。
【0068】
また、前記目的選択手段は、前記目的を示す項目を、前記ユーザの属性に応じて変化させてもよい。
本発明により、目的を示す項目をユーザの属性に応じて変化させた状態でユーザに提示することができる。
【符号の説明】
【0069】
1・・・サーバ、2・・・測定端末、3・・・ユーザ端末、111・・・目的受付部、112・・・検査項目選択部、113・・・生体情報取得部、114・・・身体状況取得部、115・・・身体状況出力部、116・・・対処法生成部、117・・・対処法出力部、118・・・変化抽出部、119・・・目的選択部、181・・・ユーザ情報DB、182・・・検査項目DB、183・・・学習モデルDB
図1
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