(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177848
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】電装品アセンブリ及び基板
(51)【国際特許分類】
B60H 1/00 20060101AFI20231207BHJP
G01K 13/02 20210101ALI20231207BHJP
F24F 11/89 20180101ALI20231207BHJP
【FI】
B60H1/00 101F
G01K13/02
F24F11/89
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090769
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】宮田 郁子
(72)【発明者】
【氏名】木股 康晴
【テーマコード(参考)】
2F056
3L211
3L260
【Fターム(参考)】
2F056WF05
2F056WF08
3L211BA22
3L211DA93
3L260AA20
3L260BA32
3L260CA12
3L260HA01
(57)【要約】
【課題】温度センサが実装される基板部位の強度を向上できる電装品アセンブリ及び基板を提供する。
【解決手段】電装品アセンブリ7は、吸気口17から取り込んだ流体の雰囲気温度を測定するチップ状の温度センサ16が実装された基板11を有する。電装品アセンブリ7は、吸気口17から取り込んだ流体の通気路となる第1ダクト20を有する。電装品アセンブリ7は、第1ダクト20から流入する流体の通気路となる第2ダクト21を有する。電装品アセンブリ7は、基板11において温度センサ16の実装に用いられる実装領域部18を有する。そして、ダクト内に温度センサ16が配置されるように、基板11の実装領域部18を第1ダクト20及び第2ダクト21で挟む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電装品の吸気口から取り込んだ流体の雰囲気温度を測定するチップ状の温度センサが実装された基板を有する電装品アセンブリであって、
前記吸気口から取り込んだ前記流体の通気路となる第1ダクトと、
前記第1ダクトから流入する前記流体の通気路となる第2ダクトと、
前記基板において前記温度センサの実装に用いられる実装領域部と、を備え、
ダクト内に前記温度センサが配置されるように、前記基板の前記実装領域部を前記第1ダクト及び前記第2ダクトで挟む、電装品アセンブリ。
【請求項2】
前記実装領域部は、前記吸気口から流入した前記流体を通すための孔状の通路を有する
請求項1に記載の電装品アセンブリ。
【請求項3】
前記通路の少なくとも一部は、前記基板の発熱源となり得る素子と前記温度センサとの間に配置されている
請求項2に記載の電装品アセンブリ。
【請求項4】
前記第1ダクト及び前記第2ダクトは、先端全周で前記基板に接触することにより、前記基板を支持する
請求項2又は請求項3に記載の電装品アセンブリ。
【請求項5】
前記基板は、前記基板の発熱源となり得る素子の熱を前記温度センサに伝導し難くする孔を有する
請求項1に記載の電装品アセンブリ。
【請求項6】
前記孔は、複数設けられるとともに、前記発熱源から出る熱の伝導経路が非直線となるように分布して配置されている
請求項5に記載の電装品アセンブリ。
【請求項7】
前記基板は、ベース材の少なくとも一方の面に金属箔が設けられた金属箔形成部と、前記金属箔が省略された金属箔省略部とを有し、
前記実装領域部は、前記金属箔省略部に配置されている
請求項1に記載の電装品アセンブリ。
【請求項8】
電装品の吸気口から取り込んだ流体の雰囲気温度を測定するチップ状の温度センサが実装された基板であって、
前記吸気口から取り込んだ前記流体の通気路となる第1ダクトと対向する第1面と、
前記第1面の裏面であって、前記第1ダクトから流入する前記流体の通気路となる第2ダクトと対向する第2面と、
前記第1面及び前記第2面の一方に対しての前記温度センサの実装に用いられる実装領域部と、を備え、
ダクト内に前記温度センサが配置されるように、前記実装領域部が前記第1ダクト及び前記第2ダクトで挟まれる、基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電装品アセンブリ及び基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されるように、車載用のオートエアーコンディショナに適用されるオートエアコン制御用温度測定サーミスタ取付構造が周知である。特許文献1は、オートエアコン用電子基板に設けられた伸長支持部を、ダクト取付部のスリットからダクト内に通すことにより、伸長支持部に実装されたチップ温度センサがダクト内に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の場合、基板の本体から部分的に延ばした伸長支持部にサーミスタを実装する構造をとる。このため、伸長支持部の基端が細くなった形状をとるため、伸長支持部において基端強度が弱くなってしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決する電装品アセンブリは、電装品の吸気口から取り込んだ流体の雰囲気温度を測定するチップ状の温度センサが実装された基板を有する構成であって、前記吸気口から取り込んだ前記流体の通気路となる第1ダクトと、前記第1ダクトから流入する前記流体の通気路となる第2ダクトと、前記基板において前記温度センサの実装に用いられる実装領域部と、を備え、ダクト内に前記温度センサが配置されるように、前記基板の前記実装領域部を前記第1ダクト及び前記第2ダクトで挟む。
【0006】
前記課題を解決する基板は、電装品の吸気口から取り込んだ流体の雰囲気温度を測定するチップ状の温度センサが実装された構成であって、前記吸気口から取り込んだ前記流体の通気路となる第1ダクトと対向する第1面と、前記第1面の裏面であって、前記第1ダクトから流入する前記流体の通気路となる第2ダクトと対向する第2面と、前記第1面及び前記第2面の一方に対しての前記温度センサの実装に用いられる実装領域部と、を備え、ダクト内に前記温度センサが配置されるように、前記実装領域部が前記第1ダクト及び前記第2ダクトで挟まれる。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、温度センサが実装される基板部位の強度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】
図2のIII-III線で断面をとった電装品アセンブリの分解斜視図である。
【
図7】温度センサへの熱伝導を抑制する通路及び孔の平面図である。
【
図8】従来の位置付けの温度センサの取付構造を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態を説明する。
(電装品1の概説)
図1に示すように、電装品1は、本体2と、電装品1の動作状態を切り替えるための操作部3と、電装品1の現在の動作状態を表示する表示部4とを備える。電装品1は、例えば、車載用のヒータコントロールパネルである。ヒータコントロールパネルは、例えば、車室内の空調を調整するときに操作される。操作部3は、電装品1が有する機能ごとに複数設けられている。表示部4は、例えば、液晶パネルや有機ELパネルである。
【0010】
(電装品アセンブリ7の概説)
図3に示すように、電装品1は、電装品1の意匠パネル8の背面に電装品アセンブリ7が取付けられている。電装品アセンブリ7は、電装品1の構成要素の1つである。本例の電装品アセンブリ7は、2つのハウジング(一方を第1ハウジング9とし、他方を第2ハウジング10とする)と、第1ハウジング9及び第2ハウジング10の間に配置された基板11とを備える。
【0011】
第1ハウジング9は、基板11の第1面12を覆う。第1面12は、例えば、基板表面である。第1ハウジング9は、例えば、電装品1のボディであって、意匠パネル8の背面に配置されている。ボディは、例えば、基板11に実装されたスイッチ機構(図示略)を収納する。スイッチ機構は、例えば、操作部3の操作を検知するためのものであって、操作部3ごとに設けられている。基板11の表面は、例えば、スイッチ機構の接点が設けられる面である。
【0012】
基板11は、例えば、電装品1の電子部品(図示略)が実装されたプリント基板である。基板11は、例えば、複数の締結部(図示略)によって第1ハウジング9に取付け固定されている。締結部は、例えば、ネジである。操作部3の操作時、第1ハウジング9内のスイッチ機構によって基板11上の接点のオン及びオフが切り替えられる。これにより、操作部3の操作が検出される。
【0013】
第2ハウジング10は、基板11の第1面12の裏面である第2面13を覆う。第2面13は、例えば、基板裏面である。第2ハウジング10は、例えば、電装品アセンブリ7の裏側を覆うカバーである。第2ハウジング10は、第1ハウジング9との間に基板11が配置された状態で、例えば複数の締結部(ネジ等:図示略)によって第1ハウジング9に組付けられる。このとき、第2ハウジング10は、例えば、スナップフィット構造の爪(図示略)によって基板11にも組付く。
【0014】
(温度センサ16の概説)
図2に示すように、電装品1は、車室内の流体(具体的には、空気)を内部に取り込むための吸気口17を有する。吸気口17は、例えば、意匠パネル8に形成されている。吸気口17は、例えば、複数(本例は、3つ)のスリット孔を有する。
【0015】
図2及び
図3に示す通り、基板11は、吸気口17から取り込まれた流体の雰囲気温度を測定するチップ状の温度センサ16が実装されている。温度センサ16は、例えば、電気抵抗式のセンサが使用される。具体的には、温度センサ16は、チップ状のサーミスタである。
【0016】
電装品アセンブリ7は、基板11において温度センサ16の実装に用いられる実装領域部18を備える。実装領域部18は、例えば、四角形状の基板11に存在する4つの角部分の1つである。温度センサ16は、例えば、基板11の第1面12に実装されている。具体的には、温度センサ16は、実装領域部18において第1面12に実装されている。
【0017】
(基板11の支持構造)
図3に示す通り、電装品アセンブリ7は、吸気口17から取り込んだ流体の通気路となる第1ダクト20を備える。第1ダクト20は、例えば、筒状をなすとともに、第1ハウジング9に形成される。電装品アセンブリ7は、第1ダクト20から流入する流体の通気路となる第2ダクト21を備える。第2ダクト21は、例えば、筒状をなすとともに、第2ハウジング10に形成される。第2ダクト21は、第1ダクト20と繋がる。第1ダクト20及び第2ダクト21は、例えば、同径の円筒状に形成されている。吸気口17から取り込んだ流体は、第1ダクト20の筒孔22と、第2ダクト21の筒孔23と、を通る。
【0018】
図4に示すように、電装品アセンブリ7は、ダクト内に温度センサ16が配置されるように、基板11の実装領域部18を第1ダクト20及び第2ダクト21で挟む。すなわち、第1ダクト20及び第2ダクト21は、実装領域部18を挟み込んで互いを接続することにより、基板11を支持する。このように、温度センサ16は、第1ダクト20及び第2ダクト21により形成される筒状のダクト内に配置される。第1ダクト20及び第2ダクト21は、先端全周で基板11に接触することにより、基板11を支持する。
【0019】
(基板11の形状)
図4に示す通り、基板11の第1面12は、第1ダクト20と対向する。基板11の第2面13は、第2ダクト21と対向する。基板11の実装領域部18は、第1面12及び第2面13の一方(本例は、第1面12)に対しての温度センサ16の実装に用いられる。基板11は、ダクト内に温度センサ16が配置されるように、実装領域部18が第1ダクト20及び第2ダクト21で挟まれる。
【0020】
図5に示すように、基板11は、板状のベース材25の両面に金属箔26が設けられている。本例の金属箔26は、表側を第1金属箔26aとし、裏側を第2金属箔26bとする。金属箔26は、例えば、銅箔である。本例の場合、第1金属箔26aが基板11の表面(第1面12)となり、第2金属箔26bが基板11の裏面(第2面13)となる。
【0021】
基板11は、ベース材25の少なくとも一方(本例は、両方)の面に金属箔26が設けられた金属箔形成部27と、金属箔26が省略された金属箔省略部28とを有する。実装領域部18は、金属箔省略部28に配置されている。このため、本例の温度センサ16は、金属箔省略部28に配置されている。
【0022】
図2~
図4に示す通り、実装領域部18は、吸気口17から流入した流体を通すための孔状の通路30を有する。第1ダクト20及び第2ダクト21は、通路30によって連通されている。このため、第2ダクト21は、第1ダクト20に流入した流体を、電装品アセンブリ7の奥に送る。通路30は、円の一部を切り欠いた形状、具体的には、英文字Cを左右反転させた形状に形成されている。通路30は、例えば、金属箔省略部28に配置されている。
【0023】
図6に示すように、基板11は、電装品1の素子31が実装されている。素子31は、例えば、抵抗、コンデンサ、コイル、IC、などが挙げられる。素子31の少なくとも1つは、基板11の発熱源となり得るものを含む。基板11は、表示部4に電気接続されるコネクタ32を有する。素子31及びコネクタ32は、基板11において金属箔形成部27に配置されている。素子31は、基板11の第1面12及び第2面13の少なくとも一方に配置されている。基板11は、第1ハウジング9に固定される際に締結部を通す複数の通し孔33を有する。
【0024】
図7に示すように、通路30の少なくとも一部は、基板11の発熱源となり得る素子31と温度センサ16との間に配置されている。発熱源となり得る素子31は、例えば、抵抗である。第1ダクト20及び第2ダクト21の径R1は、通路30の外径R2よりも大きめに形成されている。
【0025】
基板11は、基板11の発熱源となり得る素子31の熱を温度センサ16に伝導し難くする孔34を有する。本例の孔34は、例えば、スリットである。本例の孔34は、金属箔省略部28に配置されている。孔34は、複数設けられるとともに、発熱源から出る熱の伝導経路L1(例として、
図7では1つのみ図示)が非直線となるように分布して配置されている。
【0026】
(実施形態の作用)
次に、本実施形態の電装品アセンブリ7及び基板11の作用について説明する。
図8に示すように、従来の基板構造は、例えば、基板11に延長部41を設けるとともに、この延長部41にチップ状の温度センサ16を配置する構造をとっていた。この構造の場合、以下の(i)~(iii)の課題が考えられる。
(i)延長部41の基端強度が弱いこと
(ii)電装品アセンブリ7のハウジングのダクト42に延長部41を通すスリット43が必要となるため、ハウジング形状が複雑になること
(iii)延長部41を通すスリット43から車室内以外の空気が侵入してしまうこと
そこで、本例の場合、平板状の基板11の一部を実装領域部18とし、この実装領域部18に、流体が通る孔状の通路30を設ける。そして、この実装領域部18を筒状の第1ダクト20及び第2ダクト21で挟み込むことにより、基板11を支持するようにした。従って、前述の(i)~(iii)の課題を全て解消することが可能となる。
【0027】
また、
図7に示す通り、通路30の少なくとも一部は、基板11の発熱源となり得る素子31と温度センサ16との間に配置されている。このため、素子31から発生した熱が、通路30によって遮断されることにより、温度センサ16に伝わり難くなる。よって、温度センサ16による流体の温度測定の精度向上に寄与する。
【0028】
さらに、基板11は、基板11の発熱源となり得る素子31の熱を温度センサ16に伝導し難くする孔34を有する。そして、この孔34は、複数設けられるとともに、発熱源から出る熱の伝導経路L1が非直線となるように分布して配置されている。このため、素子31から発生した熱が、温度センサ16に一層伝わり難くなる。よって、温度センサ16による流体の温度測定の精度向上に一層寄与する。
【0029】
(実施形態の効果)
上記実施形態の電装品アセンブリ7及び基板11によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0030】
(1)電装品アセンブリ7は、電装品1の吸気口17から取り込んだ流体の雰囲気温度を測定するチップ状の温度センサ16が実装された基板11を有する。電装品アセンブリ7は、吸気口17から取り込んだ流体の通気路となる第1ダクト20を有する。電装品アセンブリ7は、第1ダクト20から流入する流体の通気路となる第2ダクト21を有する。電装品アセンブリ7は、基板11において温度センサ16の実装に用いられる実装領域部18を有する。そして、ダクト内に温度センサ16が配置されるように、基板11の実装領域部18を第1ダクト20及び第2ダクト21で挟む。
【0031】
本構成によれば、基板11の実装領域部18を筒状の第1ダクト20及び第2ダクト21で挟み込むことにより、基板11を保持する。このため、基板11に実装された温度センサ16をダクト内に配置するために、基板11を部分的に伸長するような構造をとらずに済む。よって、温度センサ16が実装される基板部位の強度を向上できる。
【0032】
(2)実装領域部18は、吸気口17から流入した流体を通すための孔状の通路30を有する。この構成によれば、第1ダクト20及び第2ダクト21を繋ぐ通路30を、簡易に形成できる。また、基板11上の所望の位置に通路30を簡易に形成できる。
【0033】
(3)通路30の少なくとも一部は、基板11の発熱源となり得る素子31と温度センサ16との間に配置されている。この構成によれば、素子31に発生する熱を、通路30によって温度センサ16に伝わり難くすることが可能となる。よって、温度センサ16が素子31の発熱に影響を受け難くなるので、温度センサ16の温度測定の精度向上に寄与する。
【0034】
(4)第1ダクト20及び第2ダクト21は、先端全周で基板11に接触することにより、基板11を支持する。この構成によれば、第1ダクト20及び第2ダクト21を、基板11に対して隙間無く接触させることが可能となるので、周囲の空気をダクト内に侵入し難くすることが可能となる。よって、温度センサ16の温度測定の精度向上に一層寄与する。なお、「周囲の空気」とは、発熱源となり得る素子31の熱で暖められたハウジング内の空気を含む。
【0035】
(5)基板11は、基板11の発熱源となり得る素子31の熱を温度センサ16に伝導し難くする孔34を有する。この構成によれば、素子31に発生する熱を、孔34によって温度センサ16に伝わり難くすることが可能となる。よって、温度センサ16が素子31の発熱に影響を受け難くなるので、温度センサ16の温度測定の精度向上に一層寄与する。
【0036】
(6)孔34は、複数設けられるとともに、発熱源から出る熱の伝導経路L1が非直線となるように分布して配置されている。この構成によれば、発熱源である素子31から出る熱を、温度センサ16に一層至り難くすることが可能となる。よって、温度センサ16の温度測定の精度向上に一層寄与する。
【0037】
(7)基板11は、ベース材25の少なくとも一方の面に金属箔26が設けられた金属箔形成部27と、金属箔26が省略された金属箔省略部28とを有する。実装領域部18は、金属箔省略部28に配置されている。この構成によれば、金属箔26から伝わる熱を温度センサ16に至り難くすることができる。また、例えば、基板11に実装領域部18を設ける場合に基板11のサイズを大きくする必要が生じたとしても、ベース材25のみ大きくすればよい。よって、基板11に必要となるコストを低く抑えることもできる。
【0038】
(他の実施形態)
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0039】
・
図9に示すように、通路30は、複数設けられてもよい。この場合、複数のうちの1つが、発熱源となり得る素子31と温度センサ16との間に配置されることが好ましい。
・
図10に示すように、例えば、基板11の端縁に切欠部45を形成することにより、この切欠部45を通路30としてもよい。このように、通路30は、基板11に形成された孔に限らず、基板11の端縁の切欠きとしてもよい。
【0040】
・第1ダクト20及び第2ダクト21は、先端全周で基板11を支持することに限らず、先端の一部分のみで基板11を支持してもよい。
・第1ダクト20は、第1ハウジング9に形成されることに限らず、電装品アセンブリ7の他の要素に形成されてもよい。
【0041】
・第2ダクト21は、第2ハウジング10に形成されることに限らず、電装品アセンブリ7の他の要素に形成されてもよい。
・基板11の形状は、四角形状(長方形状)に限定されず、例えば、楕円形などの他の形状に変更してもよい。
【0042】
・通路30は、円を一部切り欠いた形状に限定されず、例えば、複数の直線群としてもよいし、点在した孔群でもよい。
・通路30は、流体を通すことが可能であれば、他の形状に適宜変更してもよい。
【0043】
・実装領域部18は、基板11の一部から延長された形状(例えば、浮島など)でなければよい。
・実装領域部18は、基板11の角に配置されることに限らず、例えば、基板11の中央寄りの位置など、他の位置に変更してもよい。
【0044】
・孔34の分布の仕方は、スリットの長手方向において互い違いに配置されることに限定されない。要するに、孔34は、発熱源から伝わる熱を遮るように分布されていればよい。
【0045】
・孔34を複数列形成する場合、2列に限らず、3列以上としてもよい。
・孔34は、複数列形成されることに限らず、1列のみとしてもよい。
・孔34としてのスリットは、真っ直ぐな形状に限定されず、例えば、ジグザグ形状としてもよい。
【0046】
・孔34は、スリットに限定されず、丸孔でもよい。
・孔34は、スリットと丸孔との組み合わせとしてもよい。
・基板11は、片方にのみ金属箔26を有するものでもよい。
【0047】
・温度センサ16は、基板11の第2面13に実装されてもよい。
・温度センサ16は、電気抵抗式に限らず、例えば、熱膨張式、ゼーベック効果式、pm接合半導体式を使用してもよい。温度センサ16は、接触式、又は非接触式のどちらでもよい。
【0048】
・チップ状のセンサとは、例えば、プリント配線によって基板11に形成されるセンサのことを言う。
・温度センサ16、通路30、及び孔34は、金属箔形成部27に設けられてもよい。
【0049】
・第1ハウジング9及び第2ハウジング10は、ボディやカバーに限定されず、電装品アセンブリ7のハウジングを構築する部材であればよい。
・電装品1は、車載用のヒータコントロールパネルに限定されず、他の車載用の機器に変更してもよい。
【0050】
・電装品1は、車載用に限定されず、例えば、家電用など、搭載する対象を適宜変更してもよい。
・本開示において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本開示において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本開示において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0051】
・本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0052】
1…電装品、7…電装品アセンブリ、9…第1ハウジング、10…第2ハウジング、11…基板、12…第1面、13…第2面、16…温度センサ、17…吸気口、18…実装領域部、20…第1ダクト、21…第2ダクト、25…ベース材、26…金属箔、27…金属箔形成部、28…金属箔省略部、30…通路、31…素子、34…孔、L1…伝導経路。