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  • 特開-測量機器用の取付具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177849
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】測量機器用の取付具
(51)【国際特許分類】
   G01C 15/00 20060101AFI20231207BHJP
   H02G 1/02 20060101ALI20231207BHJP
   H02G 7/00 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
G01C15/00 105R
H02G1/02
H02G7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090775
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】白須 充啓
(72)【発明者】
【氏名】吉崎 浩之
(72)【発明者】
【氏名】中島 正樹
(72)【発明者】
【氏名】多久和 剛
(72)【発明者】
【氏名】沖藤 匠
(72)【発明者】
【氏名】新宮 章吾
【テーマコード(参考)】
5G352
5G367
【Fターム(参考)】
5G352AB04
5G352AC01
5G352AC04
5G352AM01
5G367AA01
5G367AC02
5G367AD13
5G367BB13
(57)【要約】
【課題】取り付け方の自由度が高い測量機器用の取付具の提供。
【解決手段】測量機器Mが取り付けられるベース部2と、前記ベース部2に設けられる掛止部3であって、鉄塔のアングル材に前記ベース部2を固定するための索状資材Rを掛止可能な掛止部3とを備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測量機器が取り付けられるベース部と、
前記ベース部に設けられる掛止部であって、鉄塔のアングル材に前記ベース部を固定するための索状資材を掛止可能な掛止部とを備える、
測量機器用の取付具。
【請求項2】
前記アングル材に対する前記ベース部の姿勢を調整するための姿勢調整手段を備え、
前記ベース部は、前記アングル材に向けて配置する配置面を有し、
前記姿勢調整手段は、前記配置面よりも前記アングル材側に進出した状態で前記ベース部に取り付けられる進出部を有する、
請求項1に記載の測量機器用の取付具。
【請求項3】
前記姿勢調整手段は、
前記配置面から前記アングル材側への前記進出部の進出量を調整する進出量調整部と、
前記進出部を位置決めした状態で前記ベース部に固定する位置決固定手段とを有する、
請求項2に記載の測量機器用の取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測量機器を鉄塔のアングル材に取り付けるための測量機器用の取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄塔構造材である断面L字アングルに固定する第1取付部と、測量機器が取り付けられる第2取付部であって、第1取付部の一端部に回転可能に連結される第2取付部と、を備える鉄塔用測定装置取付台座が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
第1取付部の他端部(前記一端部とは反対側の端部)は、断面L字アングルの外面に沿う凹形状に形成されている。
【0004】
そのため、前記鉄塔用測定装置取付台座は、第1取付部の他端部を断面L字アングルの外面にあてがった状態にし、この状態で該第1取付部を断面L字アングルに固定することによって鉄塔に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-50186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来の鉄塔用測定装置取付台座では、断面L字アングルの外面に接する第1取付部の他端部の形状が予め凹形状に形成されているため、取り付け方の自由度が低く使い勝手が悪かった。
【0007】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、取り付け方の自由度が高い測量機器用の取付具の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の測量機器用の取付具は、
測量機器が取り付けられるベース部と、
前記ベース部に設けられる掛止部であって、鉄塔のアングル材に前記ベース部を固定するための索状資材を掛止可能な掛止部とを備える。
【0009】
上記構成の測量機器用の取付具によれば、アングル材の向きや形状に合わせて固定の仕方を変えやすい索状資材を掛止部に掛止することによってベース部をアングル材に固定できるため、アングル材へのベース部の固定の仕方の自由度が高まる。
【0010】
また、本発明の測量機器用の取付具は、
前記アングル材に対する前記ベース部の姿勢を調整するための姿勢調整手段を備え、
前記ベース部は、前記アングル材に向けて配置する配置面を有し、
前記姿勢調整手段は、前記配置面よりも前記アングル材側に進出した状態で前記ベース部に取り付けられる進出部を有する、ようにしてもよい。
【0011】
このようにすれば、ベース部の配置面とアングル材との間にスペースが生じる場合であっても、進出部をアングル材に当接させることによってベース部を適切な姿勢にすることができる。
【0012】
また、本発明の測量機器用の取付具において、
前記姿勢調整手段は、
前記配置面から前記アングル材側への前記進出部の進出量を調整する進出量調整部と、
前記進出部を位置決めした状態で前記ベース部に固定する位置決固定手段とを有するようにしてもよい。
【0013】
このようにすれば、ベース部の配置面とアングル材との間に生じるスペースに合わせて進出部の進出量を適切な量に合わせることができるため、ベース部を適切な姿勢にしやすくなる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明の測量機器用の取付具は、取り付け方の自由度が高いという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る測量機器用の取付具の概要図である。
図2図2は、同実施形態に係る測量機器用の取付具を図1のAの方向から見た状態の図である。
図3図3は、同実施形態に係る測量機器用の取付具を図1のBの方向から見た状態の図である。
図4図4は、同実施形態に係る測量機器用の取付具を図1のCの方向から見た状態の図である。
図5図5は、同実施形態に係る測量機器用の取付具の姿勢調整手段の説明図である。
図6図6は、同実施形態に係る測量機器用の取付具を水平材に仮止めした状態の一例の説明図である。
図7図7は、同実施形態に係る測量機器用の取付具を水平材に固定した状態の説明図である。
図8図8は、同実施形態に係る測量機器用の取付具を斜材に固定した状態の説明図である。
図9図9は、同実施形態に係る測量機器用の取付具を水平材に仮止めした状態の他の例の説明図である。
図10図10は、同実施形態に係る測量機器用の取付具をアングル材に固定した状態の他の例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態にかかる測量機器用の取付具(以下、取付具と称する)について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0017】
本実施形態に係る取付具は、測量機器を鉄塔のアングル材に取り付けるためのものである。
【0018】
取付具1は、図1に示すように、測量機器Mが取り付けられるベース部2と、ベース部2に設けられる掛止部3であって、鉄塔のアングル材にベース部2を固定するための索状資材を掛止可能な掛止部3と、ベース部2をアングル材に仮止めするための仮止手段4と、アングル材に対するベース部2の姿勢を調整するための姿勢調整手段5(図5参照)と、を備えている。
【0019】
索状資材とは、例えば、ロープや、バンド等のことである。本実施形態の索状資材Rは、ロープ等の索状体R10と、索状体R10の両端部に連結されている掛具R11(例えば、カラビナやフック等)とを備えている(図7参照)。
【0020】
ベース部2は、一面(本実施形態では底面)が解放された箱状に形成されている。
【0021】
ベース部2(より具体的にはベース部2の天面)には、測量機器Mを取り付けるための取付孔20が形成されている。
【0022】
本実施形態のベース部2では、外面のうちアングル材側に向けて配置される一面が、配置面21になる(図6乃至図10参照)。
【0023】
例えば、ベース部2の底面(解放されている一面)をアングル材に向けて配置する場合は、ベース部2の底面(開口端面)が配置面21となり(図6乃至図9参照)、ベース部2の側面をアングル材に向けて配置する場合は、ベース部2の側面が配置面21となる(図10参照)。
【0024】
掛止部3は、図2図3に示すように、ベース部2の外面に設けられている。本実施形態の取付具1では、ベース部2の外周側面に2つの掛止部3が設けられている。
【0025】
なお、索状資材によってベース部2をアングル材に固定できれば、掛止部3の数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0026】
仮止手段4は、図4に示すように、ベース部2に対して回転可能に連結される回転部40と、磁性を有し且つ回転部40に取り付けられている磁性体41と、を有する。
【0027】
回転部40は、ベース部2に対する回転に伴って、ベース部2の底面の開口を開閉するように構成されている。
【0028】
回転部40をベース部2に回転可能に連結する回転連結部42は、例えば、ベース部2の外側面に固定されるベース側固定部420と、回転部40の外側面に固定される回転部側固定部421と、ベース側固定部420と回転部側固定部421とを回転可能に連結する回転連結軸422と、を有する。
【0029】
回転連結部42は、回転連結軸422の軸線方向がベース部2の下端縁部の一辺が延びている方向と同じ方向となるように配置されており、回転部40は、回転連結軸422を中心として回転可能となっている。
【0030】
姿勢調整手段5は、図5に示すように、配置面21よりもアングル材側に進出した状態でベース部2に取り付けられる進出部50と、配置面21からアングル材側への進出部50の進出量を調整する進出量調整部51と、進出部50をベース部2に位置決めした状態で固定する位置決固定手段52と、進出部50をアングル材に対して滑り止めするための滑止部53と、を有する。
【0031】
進出部50は、図1に示すように、板状である。
【0032】
進出量調整部51は、進出部50に形成された長孔によって構成されている。長孔は、進出部50を板面に直交する方向で貫通し、且つ進出部50の板面が広がる面方向のうちの一方向に沿って延びている。なお、本実施形態の進出部50には、二つの進出量調整部51(長孔)が形成されており、この二つの進出量調整部51は、互いに交差(より具体的には直交)している。
【0033】
位置決固定手段52は、図5に示すように、進出量調整部51とベース部2に形成されている挿通孔22とに挿通する挿通部520と、挿通部520を進出量調整部51と挿通孔22とに相通した状態で進出部50の外面に当接させる当接部521と、ベース部2(ベース部2)の内側に配置された状態で当接部521を進出部50側に引き付けるように構成される引付部522とを有する。
【0034】
位置決固定手段52は、例えば、ボルトやねじ等の雄ねじ部材とナットのような雌ねじ部材とで構成されていればよい。この場合、ねじ山が形成されている軸部が挿通部520となり、頭部が当接部521となり、雌ねじ部材が引付部522となる。
【0035】
なお、図5では、ベース部2の側面に形成されている挿通孔22を用いて姿勢調整手段5をベース部2の側面に固定しているが、ベース部2の天面に形成されている挿通孔22を用いて姿勢調整手段5をベース部2の天面に固定してもよい。
【0036】
滑止部53は、例えば、ゴム等の摩擦力が高い素材で構成されていればよい。本実施形態の滑止部53は、進出部50の外周側面のうちの一面(一辺)に取り付けられている。
【0037】
本実施形態に係る取付具1の構成は、以上の通りである。続いて、取付具1の使用方法を説明する。
【0038】
本実施形態の取付具1を用いて測量機器Mをアングル材に取り付けるには、測量機器Mをベース部2に取り付け、ベース部2をアングル材に仮止めし、索状資材でベース部2をアングル材に固定する。
【0039】
測量機器Mをベース部2に取り付ける作業は、回転部40を回転させてベース部2の底面を開放した状態で行えばよい。
【0040】
ベース部2は、仮止手段4をアングル材に吸着させることによって、アングル材に仮止めされる。例えば、取付具1を鉄塔の水平材として用いられているアングル材A(以下、水平アングル材Aと称する)に取り付ける場合は、図6に示すように、ベース部2と水平アングル材Aとの間にスペースが生じないため、回転部40でベース部2の開口を閉じた状態のまま磁性体41を水平アングル材Aに吸着させることによって、ベース部2を水平アングル材Aに仮止めすることができる。
【0041】
続いて、図7に示すように、索状体R10を水平アングル材Aに巻き掛け、且つ掛具R11を2つの掛止部3に掛止すると、索状資材Rによってベース部2が水平アングル材Aに固定される。
【0042】
このようにして、測量機器Mが取付具によって水平アングル材Aに取り付けられる。
【0043】
また、取付具1を鉄塔の斜材として使用されているアングル材A(以下、斜アングル材Aと称する)に取り付ける場合は、図8に示すように、ベース部2と斜アングル材Aとの間にスペースが生じるため、このような場合は、姿勢調整手段5を用いることによって、ベース部2の姿勢を所望の姿勢に維持することができる。
【0044】
姿勢調整手段5によってベース部2の姿勢を所望の姿勢に維持する場合、ベース部2から斜アングル材A側に進出部50を進出させる量をベース部2と斜アングル材Aの間にスペースの広さに合わせて設定し、この状態で位置決固定手段52によって進出部50をベース部2に位置決めする。
【0045】
なお、磁性体41が取り付けられている回転部40は、ベース部2に対して回転可能に連結されているため、磁性体41は斜アングル材Aに沿った姿勢で斜アングル材Aに吸着できるようになっている。
【0046】
このように、本実施形態の取付具は、ベース部2と斜アングル材Aの間にスペースが生じる場合であっても、測量機器Mを取り付ける土台となるベース部2の姿勢を所望の姿勢で維持できるようになっている。
【0047】
そして、索状体R10を斜アングル材Aに巻き掛け、且つ2つの掛具R11をそれぞれ異なる掛止部3に掛止すると、索状資材Rによってベース部2が斜アングル材Aに固定され、測量機器Mが斜アングル材Aに取り付けられる。
【0048】
なお、磁性体41をアングル材Aに吸着させてベース部2を仮止めする場合、図6に示すように、ベース部2の開口を閉じている回転部40(回転部40の外面)をアングル材Aに当接させてもよいし、ベース部2の開口を開いている回転部40(回転部40の内面)をアングル材Aに当接させてもよい。
【0049】
以上のように、本実施形態に係る取付具1によれば、測量機器Mが取り付けられるベース部2と、ベース部2に設けられる掛止部3であって、鉄塔のアングル材Aにベース部2を固定するための索状資材Rを掛止可能な掛止部3とを備えているため、アングル材Aの向きや形状に合わせて固定の仕方を変えやすい索状資材Rを掛止部3に掛止することによってベース部2をアングル材に固定できるようになり、これにより、アングル材Aへのベース部2の固定の仕方の自由度が高まるという優れた効果を奏し得る。
【0050】
また、ベース部2の配置面21とアングル材Aとの間にスペースが生じる場合は、進出部50によってベース部2の姿勢を所望の姿勢に維持することができるうえに、本実施形態の取付具は、配置面21からアングル材A側への進出部50の進出量を調整できるようになっているため、する進出量調整部51とベース部2の配置面21とアングル材Aとの間に生じるスペースに合わせて進出部50の進出量を適切な量に合わせることによって、ベース部2を適切な状態でアングル材Aに固定しやすくなる。
【0051】
また、姿勢調整手段5は、挿通部520が進出量調整部51を構成する長孔に挿通されている状態で、進出部50の位置や向きを無段階に調整できるように構成されているため、配置面21からアングル材A側への進出部50の進出量を調整しやすくなっている。
【0052】
さらに、進出部50の外周側面には滑止部53が取り付けられているため、滑止部53をアングル材Aに当接させれば、進出部50をアングル材Aに対して動きにくくすることもできるようになっている。従って、取付具1は、ベース部2の姿勢を安定させやすくなっている。
【0053】
なお、本発明に係る測量機器用の取付具は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0054】
上記実施形態において特に言及しなかったが、取付具1は、図10に示すように、アングル材Aに対して索状資材を用いずに取り付けられるようにすることが妨げられるものではない。
【0055】
上記実施形態では、索状資材Rの掛具R11を掛止部3に掛止することによって取付具1をアングル材Aに固定することを一例に挙げていたが、例えば、索状体R10を掛止部3に通して掛具R11を掛止部3とは別の場所に掛止することによって取付具1をアングル材Aに固定してもよい。
【0056】
上記実施形態の索状資材Rは、索状体R10と、掛具R11とを備えていたが、例えば、索状体R10のみを備えるものであってもよい。この場合、例えば、索状体R10の中間部(長手方向における両端部の間の部分)をアングル材Aに巻き掛け、索状体R10の両端部を掛止部3に結び付けることによって取付具1をアングル材Aに固定してもよい。
【0057】
上記実施形態において特に言及しなかったが、取付具1と索状資材Rとをセットにして測量機器用の取付具セットとしてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1…取付具、2…ベース部、3…掛止部、4…仮止手段、5…姿勢調整手段、20…取付孔、21…配置面、22…挿通孔、40…回転部、41…磁性体、42…回転連結部、50…進出部、51…進出量調整部、52…位置決固定手段、53…滑止部、420…ベース側固定部、421…回転部側固定部、422…回転連結軸、520…挿通部、521…当接部、522…引付部、A…アングル材(水平アングル材、斜アングル材)、M…測量機器、R…索状資材、R10…索状体、R11…掛具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10