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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177853
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】ゲート装置
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20231207BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20231207BHJP
   G06K 7/015 20060101ALI20231207BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
G07B15/00 A
G06K7/10 372
G06K7/015
G06K7/14 017
G06K7/10 416
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090790
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 達也
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA03
3E127BA17
3E127CA02
3E127DA02
3E127DA16
3E127DA17
3E127DA20
3E127DA33
3E127FA03
3E127FA09
3E127FA16
3E127FA43
3E127FA53
(57)【要約】
【課題】利用者の利便性の低下、および通路の通行可否にかかる判定の処理効率の低下を抑制する。
【解決手段】ゲート装置は、第1筐体と、第2筐体とを対向させて設置し、第1筐体と第2筐体との間に形成された通路における利用者の通行を制御する。撮像部は、第1筐体に設けられ、撮像方向が下向きである。取得部は、撮像部が撮像したフレーム画像を処理し、そのフレーム画像に光学的読取コードが撮像されていれば、撮像されている光学的読取コードが示す認証情報を取得する。判定部は、取得部が取得した認証情報を用いて通路における利用者の通行可否を判定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体と、第2筐体とを対向させて設置し、前記第1筐体と前記第2筐体との間に形成された通路における利用者の通行を制御するゲート装置において、
前記第1筐体に設けられ、撮像方向が下向きである撮像部と、
前記撮像部が撮像したフレーム画像を処理し、そのフレーム画像に光学的読取コードが撮像されていれば、撮像されている前記光学的読取コードが示す認証情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記認証情報を用いて前記通路における利用者の通行可否を判定する判定部と、
を備えたゲート装置。
【請求項2】
前記第1筐体は、前記第2筐体に対向する側面に形成され、前記通路に沿う方向に延びる窪み部を有し、
前記撮像部は、前記窪み部内に位置する前記光学的読取コードを撮像する、
請求項1に記載のゲート装置。
【請求項3】
前記通路に沿う方向における前記窪み部の一方端は、前記第1筐体における前記通路の一方の端部に達している、
請求項2に記載のゲート装置。
【請求項4】
前記窪み部は、前記撮像部による前記光学的読取コードの撮像位置を案内するマークが底面に形成されている、
請求項2、または3に記載のゲート装置。
【請求項5】
前記窪み部内において、前記撮像部によって前記光学的読取コードが撮像される撮像位置を案内するガイド光を照射する照射部を備えた、
請求項2、または3に記載のゲート装置。
【請求項6】
前記照射部は、前記撮像部の撮像に応じて、前記ガイド光の照射、非照射を切り替える、
請求項5に記載のゲート装置。
【請求項7】
前記照射部は、前記撮像部の撮像時に前記ガイド光を非照射とし、前記撮像部の非撮像時に前記ガイド光を照射とする切り替えを行う、
請求項6に記載のゲート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光学的読取コードが示す認証情報を取得し、通路における利用者の通行可否を判定するゲート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駅の改札口では、利用者に対する改札処理を自動改札機で行っている。自動改札機は、利用者の乗車券媒体から乗車券情報を取得し、取得した乗車券情報を用いて改札通路における利用者の通行可否を判定する(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
乗車券媒体には、例えば、乗車券情報を磁気データで記録したもの、メモリに記憶した乗車券情報を近距離無線通信で送信するもの、乗車券情報を光学的読取コード(例えば、QRコード(登録商標))で示すものがある。
【0004】
また、利用者が、自動改札機で、スマートフォン等の携帯端末を乗車券媒体として使用できる改札システムもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007- 72848号公報
【特許文献2】特開2014-238857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、光学的読取コードが示す乗車券情報で改札通路を通行する利用者は、光学的読取コードを自動改札機本体表面(例えば、上面)の撮像領域(読取領域)に対向させて翳す。自動改札機は、翳された光学的読取コードを撮像したフレーム画像を処理し、この光学的読取コードが示す乗車券情報を取得する。
【0007】
したがって、利用者は、光学的読取コードを自動改札機本体表面に翳したとき、この光学的読取コードを視認できないので、光学的読取コードを感覚的に自動改札機の読取領域に感覚的に合わせていた。
【0008】
したがって、利用者が、光学的読取コードを読取領域の適正な位置からズレた位置に翳していることに気づかないことがある。例えば、利用者は、光学的読取コードの一部が読取領域外に位置していることに気づかないことがある。ここで言う適正な位置とは、自動改札機が翳された光学的読取コードが示す乗車券情報を取得できる位置である(言い換えれば、適正な位置からズレた位置(不適正な位置)とは、自動改札機が翳された光学的読取コードが示す乗車券情報を取得できない位置である。)。
【0009】
利用者が、光学的読取コードを適正な位置からズレた位置(不適正な位置)に翳した場合、自動改札機は、翳された光学的読取コードが示す乗車券情報を取得できないので、この利用者に対して改札通路の通行を許可しない。利用者は、改札通路の通行が許可されなかったときに、光学的読取コードを不適正な位置に翳していたことに気づき、光学的読取コードを適正な位置に翳しなおす。
【0010】
光学的読取コードの翳しなおしを面倒に感じる利用者も多く、利用者の利便性を低下させる要因となっていた。また、利用者は、光学的読取コードを翳した時点ではなく、改札通路の通行が許可されなかった時点で、光学的読取コードを不適正な位置に翳していたことに気づくので、自動改札機の改札処理効率(単位時間当たりの改札処理人数)を低下させる要因にもなっていた。
【0011】
この発明の目的は、利用者の利便性の低下、および通路の通行可否にかかる判定の処理効率の低下を抑制する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明のゲート装置は、上記目的を達成するため以下に示すように構成している。
【0013】
ゲート装置は、第1筐体と、第2筐体とを対向させて設置し、第1筐体と第2筐体との間に形成された通路における利用者の通行を制御する。このゲート装置は、例えば駅の改札口に設置された自動改札機であってもよいし、テーマパークの入出場口に設置された入出場ゲートであってもよいし、オフィスビルのフロアの出入口に設置されたセキュリティゲートであってもよいし、それ以外の用途で使用される装置であってもよい。
【0014】
撮像部は、第1筐体に設けられ、撮像方向が下向きである。取得部は、撮像部が撮像したフレーム画像を処理し、そのフレーム画像に光学的読取コードが撮像されていれば、撮像されている光学的読取コードが示す認証情報を取得する。光学的読取コードは、例えば一次元バーコードや、二次元バーコードである。判定部は、取得部が取得した認証情報を用いて通路における利用者の通行可否を判定する。
【0015】
この構成では、利用者は、媒体に印字、または表示されている光学的読取コードを撮像部の撮像領域に翳すとき、光学的読取コードが印字、または表示されている面(以下、コード提示面と言う。)を上向きにする。これにより、利用者は、光学的読取コードを翳している位置を視認できる(言い換えれば、利用者は、翳している光学的読取コードを目視できる。)。したがって、利用者が、光学的読取コードを適正な位置からズレた位置(不適正な位置)に翳すのを抑制できる。これにより、利用者の利便性の低下、および通路の通行可否にかかる判定の処理効率の低下を抑制することができる。
【0016】
また、例えば、第1筐体は、第2筐体に対向する側面に形成され、通路に沿う方向に延びる窪み部を有する形状とし、撮像部が、窪み部内に位置する光学的読取コードを撮像するように構成してもよい。
【0017】
このように構成すれば、ゲート装置本体が大型化するのを防止できるとともに、通路に利用者の通行を阻害する突出部がなく、利用者の通行を妨げることがない。
【0018】
また、例えば、通路に沿う方向における窪み部の一方端は、第1筐体における通路の一方の端部に達していてもよい。
【0019】
このように構成すれば、利用者は、第1筐体の一方の端部から、窪み部に挿入した光学的読取コードの位置を視認でき、利用者が、光学的読取コードを適正な位置からズレた位置に翳してしまうのを一層抑制できる。
【0020】
また、窪み部は、例えば、撮像部による光学的読取コードの撮像位置を案内するマークが底面に形成されていてもよい。
【0021】
このように構成すれば、利用者に対して、光学的読取コードを翳す適正な位置を案内できる。
【0022】
また、例えば、窪み部内において、撮像部によって光学的読取コードが撮像される撮像位置を案内するガイド光を照射する照射部を備える構成にしてもよい。
【0023】
このように構成した場合も、利用者に対して、光学的読取コードを翳す適正な位置を案内できる。
【0024】
また、照射部は、例えば、撮像部の撮像に応じて、ガイド光の照射、非照射を切り替えてもよい。例えば、照射部は、撮像部の撮像時にガイド光を非照射とし、撮像部の非撮像時にガイド光を照射とする切り替えを行う。
【0025】
このように構成すれば、撮像部が、ガイド光の影響を受けることなく、光学的読取コードを撮像できる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、利用者の利便性の低下、および通路の通行可否にかかる判定の処理効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】この例の自動改札機を示す概略図である。
図2図2(A)は、図1に示すC方向に視た第1ユニット1aの通路側側面を示す図であり、図2(B)は、図1に示すD方向に視た第2ユニット1bの通路側側面を示す図である。
図3】この例にかかる自動改札機の主要部の構成を示すブロック図である。
図4図4(A)は、図2(A)に撮像領域を示した図であり、図4(B)は、図4(A)に示すX-X方向の断面を示した図であり、図4(C)は、図4(A)に示すY方向の平面図である。
図5】この例にかかる自動改札機の改札処理を示すフローチャートである。
図6】光学的読取コードを翳す位置を案内するマークの例を示す図である。
図7図7(A)は、第1ユニット1aの通路側側面を示す図であり、図7(B)は、第2ユニット1bの通路側側面を示す図である。
図8】窪み部100aの上面における、イメージセンサと光源の取り付け状態を示す図である。
図9図9(A)、(B)は、イメージセンサの撮像と、光源の点灯/消灯との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、この発明の実施形態について説明する。
【0029】
<1.適用例>
図1は、この例の自動改札機を示す概略図である。図2(A)は、図1に示すC方向に視た第1ユニット1aの通路側側面を示す図であり、図2(B)は、図1に示すD方向に視た第2ユニット1bの通路側側面を示す図である。
【0030】
この例では、自動改札機1が、この発明にかかるゲート装置に相当する。自動改札機1は、図1に示すように、第1ユニット1a、および第2ユニット1bを備えている。この例では、第1ユニット1aが、この発明で言う第1筐体に相当し、第2ユニット1bが、この発明で言う第2の筐体に相当する。
【0031】
自動改札機1は、第1ユニット1aと第2ユニット1bとを対向させて配置している。第1ユニット1aと第2ユニット1bとの間が、改札通路(この発明で言う通路に相当する。)である。この例では、改札通路における利用者の通行方向は、双方向(駅構内に入場する方向、および駅構内から出場する方向)である。この例では、図1に示すA方向が、利用者が駅構内に入場する方向であり、図1に示すB方向が、利用者が駅構内から出場する方向である。第1ユニット1aの外形形状と第2ユニット1bの外形形状とは、同じである。自動改札機1は、第1ユニット1aの扉21aと、第2ユニット1bの扉22aとを、改札通路を挟んで対向するように設置している。言い換えれば、自動改札機1は、第1ユニット1aの扉21bと、第2ユニット1bの扉22bとを、改札通路を挟んで対向するように設置している。
【0032】
なお、自動改札機1は、改札通路における利用者の通行方向を、どちらか一方の方向に制限したものであってもよい。
【0033】
また、第1ユニット1a、および第2ユニット1bのそれぞれには、改札通路側の側面に窪み部100a、100bが形成されている。第1ユニット1aの窪み部100aは、駅構内に入場する利用者にとっての改札通路の入口側に位置する。また、第2ユニット1bの窪み部100bは、駅構内から出場する利用者にとっての改札通路の入口側に位置する。
【0034】
この例にかかる自動改札機1は、窪み部100aに挿入された乗車券媒体を撮像するイメージセンサ11xを備えているとともに、窪み部100bに挿入された乗車券媒体を撮像するイメージセンサ11yを備えている。イメージセンサ11x、11yの撮像方向は、下向き(上方から下方に向けた方向)である。乗車券媒体は、光学的読取コード(例えば、QRコード(登録商標))が印字された媒体(カード媒体、紙媒体等)であってもよいし、光学的読取コードを表示器に表示させることができるスマートフォン等の携帯端末であってもよい。
【0035】
利用者は、改札通路に進入するとき、乗車券媒体を改札通路の入口側に位置する窪み部100a、100bの内側に挿入する。このとき、利用者は、光学的読取コードがイメージセンサ11x、11yに対向する向きに、乗車券媒体を窪み部100a、100bの内側に挿入する。すなわち、利用者は、光学的読取コードが印字、または表示されている面(以下、コード提示面と言う。)を上に向けて、乗車券媒体を窪み部100a、100bに挿入する。したがって、利用者は、窪み部100a、100bに挿入する乗車券媒体の光学的読取コードを視認できる(言い換えれば、利用者は、窪み部100a、100bに挿入する乗車券媒体の光学的読取コードを目視できる。)。
【0036】
自動改札機1は、イメージセンサ11x、11yによって撮像されたフレーム画像に、光学的読取コードが撮像されていれば、その光学的読取コードが示す乗車券情報を取得する。乗車券情報が、この発明で言う認証情報に相当する。自動改札機1は、取得した乗車券情報を用いて、利用者に対する改札通路の通行を制御する。
【0037】
この例の自動改札機1では、利用者が、光学的読取コードを適正な位置からズレた位置に翳すのを抑制できる。したがって、利用者の利便性の低下、および通路の通行可否にかかる判定の処理効率の低下を抑制することができる。
【0038】
<2.構成例>
図3は、この例にかかる自動改札機の主要部の構成を示すブロック図である。図4(A)は、図2(A)に撮像部の撮像領域を示した図であり、図4(B)は、図4(A)に示すX-X方向の断面を示した図であり、図4(C)は、図4(A)に示すY方向の平面図である。図4では、第1ユニット1aについて図示しているが、第2ユニット1bも第1ユニット1aと同様である。
【0039】
図3に示すように、この例にかかる自動改札機1は、制御ユニット10と、撮像部11a、11bと、表示部12a、12bと、利用者検知部13と、扉開閉制御部14と、通信部15と、を有している。この例にかかる自動改札機1は、駅構内に入場する利用者、および駅構内から出場する利用者に対して改札処理を行う。
【0040】
制御ユニット10は、自動改札機1本体各部の動作を制御する。制御ユニット10は、取得部10a、および判定部10bを有している。取得部10a、および判定部10bについては、後述する。
【0041】
撮像部11aは、撮像領域を撮像するイメージセンサ11xを有し、撮像部11bは、撮像領域を撮像するイメージセンサ11yを有する。図4に示すように、イメージセンサ11xの撮像領域は、第1ユニット1aに形成されている窪み部100aの内側である。イメージセンサ11yの撮像領域は、特に図示していないが、第1ユニット1aと同様に、第2ユニット1bに形成されている窪み部100bの内側である。イメージセンサ11xは、窪み部100aの上面側(改札通路の床面と反対側)に取り付けられ、イメージセンサ11yは、窪み部100bの上面側に取り付けられている。イメージセンサ11x、11yの撮像方向は下向き(上方から下方に向けた方向)である。撮像部11aは、一定時間間隔(例えば、100msec間隔)で撮像領域をイメージセンサ11xで撮像し、撮像部11bは、一定時間間隔(例えば、100msec間隔)で撮像領域をイメージセンサ11yで撮像する。撮像部11aは、撮像領域をイメージセンサ11xで撮像する毎に、撮像したフレーム画像を制御ユニット10に出力し、撮像部11bは、撮像領域をイメージセンサ11yで撮像する毎に、撮像したフレーム画像を制御ユニット10に出力する。
【0042】
表示部12a、12bは、改札通路を通行する利用者に対する案内メッセージ等の表示を行う。表示部12aは、第1ユニット1aに設けられ、この第1ユニット1aに設けられた表示器20aにおける画面表示を制御する。表示部12bは、第2ユニット1bに設けられ、この第2ユニット1bに設けられた表示器20bにおける画面表示を制御する。
【0043】
利用者検知部13は、改札通路を通行している利用者の位置を所定時間間隔で検知することによって、改札通路を通行している利用者を追跡する。利用者検知部13は、改札通路に沿う方向に並べた複数の発光素子と、改札通路を挟んで各発光素子に対向する位置に配置した複数の受光素子とを有する。複数の発光素子は、第1ユニット1a、または第2ユニット1bの一方に設けられ、複数の受光素子は、第1ユニット1a、または第2ユニット1bの他方に設けられる。
【0044】
扉開閉制御部14は、4枚の扉21a、22a、21b、22bの開閉状態を制御する。扉21a、21bは、第1ユニット1aに設けられ、扉22a、22bは、第2ユニット1bに設けられている。改札通路の一方の端部側(駅構内に入場する利用者にとっての改札通路の出口側)において、扉21a、22aが改札通路を挟んで対向する。また、改札通路の他方の端部側(駅構内から出場する利用者にとっての改札通路の出口側)において、扉21b、22bが改札通路を挟んで対向する。
【0045】
扉開閉制御部14は、改札通路の一方の端部側に位置する2枚の扉21a、22aを一組にして開閉状態を制御する。また、扉開閉制御部14は、改札通路の他方の端部側に位置する2枚の扉21b、22bを一組にして開閉状態を制御する。具体的には、自動改札機1は、駅構内に入場する利用者に対して、改札通路の通行を許可しないとき、扉開閉制御部14が扉21a、22aを閉し、利用者が駅構内に入場するのを制限する。また、自動改札機1は、駅構内から出場する利用者に対して、改札通路の通行を許可しないとき、扉開閉制御部14が扉21b、22bを閉し、利用者が駅構内から出場するのを制限する。
【0046】
通信部15は、上位装置(不図示)、および他の駅務機器(自動改札機、券売機、精算機等)との間におけるデータ通信を制御する。
【0047】
制御ユニット10が有する取得部10a、および判定部10bについて説明する。
【0048】
取得部10aは、撮像部11a、11bが出力したフレーム画像を処理し、このフレーム画像に光学的読取コードが撮像されていれば、撮像されている光学的読取コードが示す乗車券情報を取得する。
【0049】
判定部10bは、取得部10aが取得した乗車券情報を用いて、改札通路における利用者の通行可否を判定する。
【0050】
なお、判定部10bは、通信部15を制御して、取得部10aが取得した乗車券情報を上位サーバに送信し、この上位サーバから改札通路における利用者の通行可否の判定結果を得る構成であってもよい。
【0051】
また、自動改札機1は、制御ユニット10、利用者検知部13、扉開閉制御部14、および通信部15にかかるハードウェアを第1ユニット1aに設けられていてもよいし、第2ユニット1bに設けられていてもよい。
【0052】
自動改札機1の制御ユニット10は、ハードウェアCPU、メモリ、その他の電子回路によって構成されている。ハードウェアCPUが、改札処理プログラムを実行したときに、取得部10a、および判定部10bとして動作する。また、メモリは、改札処理プログラムを展開する領域や、この改札処理プログラムの実行時に生じたデータ等を一時記憶する領域を有している。制御ユニット10は、ハードウェアCPU、メモリ等を一体化したLSIであってもよい。
【0053】
また、この例では特に説明しないが、自動改札機1は、公知の磁気券、非接触IC券等の乗車券媒体を受け付けた場合、その乗車券媒体から乗車券情報を取得し、取得した乗車券情報をもとに改札処理を行う構成をも有していてもよい。また、自動改札機1は、利用者の顔画像、指紋等の生体情報を取得し、取得した生体情報をもとに改札処理を行う構成をも有していてもよい。
【0054】
ここでは、公知の磁気券、非接触IC券等の乗車券媒体を受け付けた場合、その乗車券媒体から乗車券情報を取得し、取得した乗車券情報をもとに改札処理を行う処理については、特に説明しない。
【0055】
次に、図2、および図4を参照して、窪み部100a、100bについて詳細に説明する。第1ユニット1aに形成されている窪み部100aは、改札通路に沿う方向に延びている。第1ユニット1aに形成されている窪み部100aの一方端は、駅構内に入場する利用者にとっての改札通路入口側の端面に達している。
【0056】
このように、第1ユニット1aに形成されている窪み部100aの一方端が駅構内に入場する利用者にとっての改札通路入口側の端面に達しているので、駅構内に入場する利用者は、改札通路に進入する前に、第1ユニット1aに形成されている窪み部100aの位置を確認できる。
【0057】
第2ユニット1bに形成されている窪み部100bは、改札通路に沿う方向に延びている。第2ユニット1bに形成されている窪み部100bの一方端は、駅構内から出場する利用者にとっての改札通路入口側の端面に達している。
【0058】
このように、第2ユニット1bに形成されている窪み部100bの一方端が駅構内から出場する利用者にとっての改札通路入口側の端面に達しているので、駅構内から出場する利用者は、改札通路に進入する前に、第2ユニット1bに形成されている窪み部100bの位置を確認できる。
【0059】
また、改札通路の幅方向における窪み部100a、100bは、改札通路を通行する利用者が無理なく乗車券媒体(特に、携帯端末)を挿入できる大きさであればよい。例えば、窪み部100a、100bは、改札通路における利用者の通行方向における長さL(図4(B)参照)が数十cm(例えば、20~40cm)程度である。また、窪み部100a、100bの深さD1(図4(B)参照)は、10cm~20cm程度であればよい。また、窪み部100a、100bは、下面から上面までの高さH(H=H1-H2)(図4(A)参照)は、15cm~30cm程度であればよい。
【0060】
さらに、窪み部100a、100bは、改札通路を通行する利用者が乗車券媒体を挿入するときに、しゃがんだり、肩を上げたりしなくてもよい高さに形成されている。例えば、窪み部100a、100bは、改札通路の床面から、上面までの高さH1(図4(A)参照)が85cm~100cm程度であればよい。また、窪み部100a、100bは、改札通路の床面から、下面までの高さH2(図4(A)参照)が60cm~75cm程度であればよい。
【0061】
<3.動作例>
この例にかかる自動改札機1の改札処理にかかる動作について説明する。図5は、この例にかかる自動改札機の改札処理を示すフローチャートである。ここでは、駅構内に入場する利用者に対する改札処理を例にして説明する。また、ここでは、利用者は、光学的読取コードが示す乗車券情報によって、改札通路を通行する場合について説明する。
【0062】
なお、ここでは、利用者が公知の磁気券、または非接触IC券の乗車券媒体を用いて改札通路を通行する場合における、自動改札機1の改札処理については、特に説明しない。
【0063】
撮像部11aは、撮像タイミングになる毎に、イメージセンサ11xで撮像領域を撮像する(s1、s2)。撮像タイミングは、例えば、100msec周期である。撮像部11aは、イメージセンサ11xで撮像したフレーム画像を制御ユニット10に出力する。
【0064】
駅構内に入場する利用者は、改札通路への進入にあわせて、光学的読取コードが印字、または表示されている乗車券媒体を第1ユニット1aの窪み部100aに挿入する。利用者は、第1ユニット1aの窪み部100aに挿入する乗車媒体のコード提示面を上向きにしている。したがって、利用者は、乗車媒体のコード提示面の光学的読取コードを視認できる。すなわち、利用者は、乗車媒体のコード提示面の光学的読取コードを目視しながら、第1ユニット1aの窪み部100aに挿入することができる。
【0065】
上述したように、第1ユニット1aに形成されている窪み部100aの一方端が駅構内に入場する利用者にとっての改札通路入口側の端面に達しているので、駅構内に入場する利用者は、改札通路に進入する前に、第1ユニット1aに形成されている窪み部100aの位置を確認できる。したがって、利用者は、改札通路に進入するときに、立ち止まることなく、乗車券媒体を窪み部100aに挿入できる。また、利用者は、窪み部100aに挿入した乗車券媒体に印字、または表示されている光学的読取コードを視認できる。したがって、利用者は、窪み部100aに挿入した乗車券媒体に印字、または表示されている光学的読取コードを、感覚的ではなく目視しながらイメージセンサ11xの撮像エリア内に翳すことができる。
【0066】
取得部10aは、撮像部11aがイメージセンサ11xで撮像したフレーム画像に光学的読取コードが撮像されているかどうかを判定する(s3)。自動改札機1は、取得部10aが光学的読取コードが撮像されていないと判定すると、s1に戻る。取得部10aは、光学的読取コードが撮像されていると判定すると、撮像されている光学的読取コードが示す乗車券情報を取得する(s4)。判定部10bは、s4で取得した乗車券情報を用いて、改札通路における利用者の通行可否を判定する(s5)。
【0067】
なお、自動改札機1が、改札通路における利用者の通行可否を判定する処理については公知であるので、ここでは説明を省略する。
【0068】
自動改札機1は、改札通路における利用者の通行を許可すると判定した場合、扉開閉制御部14が扉21a、22aを開する(s6、s7)。反対に、自動改札機1は、改札通路における利用者の通行を許可しないと判定した場合、扉開閉制御部14が扉21a、22aを閉する(s6、s8)。自動改札機1は、s7、またはs8にかかる処理を完了すると、s1に戻る。
【0069】
なお、上記の説明では、駅構内に入場する利用者に対する改札処理を例にして説明したが、駅構内から出場する利用者についても、同様の処理が行われる。ただし、駅構内から出場する利用者は、第2ユニット1bに形成されている窪み部100bに乗車券媒体を挿入する。すなわち、駅構内から出場する利用者は、第2ユニット1bに設けられている撮像部11bのイメージセンサ11yによって撮像された光学的読取コードが示す乗車券情報に基づいて、改札通路における通行可否が判定される。また、自動改札機1は、扉開閉制御部14が扉21b、22bを開閉することによって、駅構内から出場する利用者に対して改札通路の通行を制御する。
【0070】
改札通路の通行方向が双方向である自動改札機1は、改札通路に利用者が進入していないとき、撮像部11aのイメージセンサ11xが、撮像部11bのイメージセンサ11yよりも先に光学的読取コードを撮像した場合、駅構内に入場する利用者に対する改札処理を実行し、反対に撮像部11bのイメージセンサ11yが、撮像部11aのイメージセンサ11xよりも先に光学的読取コードを撮像した場合、駅構内から出場する利用者に対する改札処理を実行する。また、自動改札機1は、撮像部11aのイメージセンサ11x、および撮像部11bのイメージセンサ11yの両方が光学的読取コードを撮像していない場合に、利用者検知部13によって改札通路の所定の位置に達した利用者が検知されると、この利用者を無札者として、改札通路の通行を禁止する。
【0071】
このように、この例にかかる自動改札機1では、利用者は、窪み部100a、100bに挿入する乗車券媒体に印字、または表示されている光学的読取コードを視認できる。したがって、利用者は、窪み部100aに挿入した乗車券媒体に印字、または表示されている光学的読取コードを、感覚的ではなく目視しながら撮像部11aの撮像エリア内に翳すことができる。これにより、この例にかかる自動改札機1は、改札通路を通行する利用者の利便性の低下を抑え、且つ単位時間当たりに改札処理できる利用者の人数の低下(スループットの低下)を抑えられる。
【0072】
<4.変形例>
・変形例1
自動改札機1は、窪み部100a、100bの下面に、光学的読取コードを翳す位置を案内するマークを形成してもよい。例えば、窪み部100a、100bの下面に、図6に示す、光学的読取コードを翳す位置を案内するマークを形成してもよい。
【0073】
図6において、破線で囲まれている領域が、イメージセンサ11x(または11y)の撮像領域である。
【0074】
この構成によれば、利用者に対して、窪み部100a、100bに挿入する乗車券媒体に印字、または表示されている光学的読取コードを翳す位置を案内することができる。したがって、利用者が、乗車券媒体に印字、または表示されている光学的読取コードを不適正な位置に翳してしまうのを一層抑制できる。
【0075】
・変形例2
この変形例2の自動改札機1は、窪み部100a、100bの上面から下面に向けて、光学的読取コードを翳す位置を案内するガイド光を照射する構成を追加的に備えている点で上記の例と異なる。図7(A)は、この変形例2の自動改札機1の第1ユニット1aaの通路側側面を示す図であり、図7(B)は、この変形例2の自動改札機1の第2ユニット1baの通路側側面を示す図である。図8は、窪み部100aの上面における、イメージセンサと光源の取り付け状態を示す図である。
【0076】
この変形例2の自動改札機1は、窪み部100aの上面に、イメージセンサ11xと隣接させて光源16xを設けている。また、この変形例2の自動改札機1Aは、窪み部100bの上面に、イメージセンサ11yと隣接させて光源16yを設けている。光源16x、16yは、例えば、可視光(赤色、青色等)の発光色で発光するLEDである。光源16xは、窪み部100aの上面から下面に向けて、イメージセンサ11xの撮像領域の略中心にガイド光を照射する。光源16yは、窪み部100aの上面から下面に向けて、イメージセンサ11yの撮像領域の略中心にガイド光を照射する。光源16x、16yが、この発明で言う照射部に相当する。
【0077】
この変形例2の自動改札機1では、利用者は、窪み部100a、100bに乗車券媒体を挿入するとき、その乗車券媒体のコード提示面に形成されている光学読取コードの中心を、ガイド光が照射されている位置に合わせる。すなわち、光源16x、16yによって照射されているガイド光によって、乗車券媒体のコード提示面に形成されている光学読取コードを合わせる位置を案内することができる。したがって、利用者が、乗車券媒体に印字、または表示されている光学的読取コードを不適正な位置に翳してしまうのを一層抑制できる。
【0078】
・変形例3
また、上記変形例2で説明した光源16x、16yの点灯/消灯を、イメージセンサ11x、11yの撮像に応じて切り替える構成であってもよい。具体的には、制御ユニット10は、イメージセンサ11xの撮像時に、光源16xを消灯させ、イメージセンサ11xの非撮像時に、光源16xを点灯させる。また、制御ユニット10は、イメージセンサ11yの撮像時に、光源16yを消灯させ、イメージセンサ11yの非撮像時に、光源16yを点灯させる。
【0079】
ここで言うイメージセンサ11x、11yの撮像時とは、イメージセンサ11x、11yの露光時である。
【0080】
例えば、制御ユニット10は、図9に示すように、イメージセンサ11xの撮像時に合わせて、光源16xの点灯/消灯を制御する。イメージセンサ11xの撮像周期は、例えば100msecである。露光時間は、撮像周期よりも短い。
【0081】
制御ユニット10が、光源16x、16yの点灯/消灯を、イメージセンサ11x、11yの撮像に応じて切り替えることで、光源16x、16yの発光が、イメージセンサ11x、11yによって撮像されるフレーム画像に与える影響を防止できる。これにより、イメージセンサ11x、11yによって撮像されたフレーム画像に撮像されている光学的読取コードが示す乗車券情報の取得に失敗する頻度を増加させることもない。
【0082】
また、上記の例では、窪み部100aの一方端は、駅構内に入場する利用者にとっての改札通路入口側の端面に達しているとしたが、この端面に達していなくてもよい。同様に、窪み部100bの一方端は、駅構内から出場する利用者にとっての改札通路入口側の端面に達しているとしたが、この端面に達していなくてもよい。
【0083】
また、窪み部100aの他方端は、駅構内に入場する利用者にとっての改札通路出口側の端面に達していてもよいし、改札通路の略中央に達していてもよい。同様に、窪み部100bの他方端は、駅構内から出場する利用者にとっての改札通路出口側の端面に達していてもよいし、改札通路の略中央に達していてもよい。
【0084】
また、窪み部100a、100bは、通路の幅方向における上面の長さを、通路の幅方向における下面の長さよりも短くしてもよい。このように構成すれば、窪み部100a、100bに挿入した乗車券媒体のコード提示面に形成されている光学読取コードの位置を確認する利用者の視野を拡大させることができる。これにより、利用者が、乗車券媒体のコード提示面に形成されている光学読取コードを不適正な位置に翳すのを一層抑制できる。
【0085】
また、自動改札機1は、上記した例の窪み部100a、100bを設ける構成ではなく、第1ユニット1a、および第2ユニット1bに取り付けたアームにイメージセンサ11x、11yを取り付けた構成であってもよい。
【0086】
さらに、この発明は、上記した自動改札機1、1Aのみならず、テーマパークの入出場口に設置された入出場ゲート、オフィスビルのフロアの出入口に設置されたセキュリティゲート、これら以外の用途で使用されるゲート装置にも適用できる。
【0087】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。また、上記した全ての例の説明で示したフローチャートにおける各ステップの順番は、あくまでも一例であり、可能な範囲で適宜入れ替えてもよい。
【0088】
さらに、この発明に係る構成と上述した実施形態に係る構成との対応関係は、以下の付記のように記載できる。
<付記>
第1筐体(1a)と、第2筐体(1b)とを対向させて設置し、前記第1筐体(1a)と前記第2筐体(1b)との間に形成された通路における利用者の通行を制御するゲート装置(1)において、
前記第1筐体(1a)に設けられ、撮像方向が下向きである撮像部(11a)と、
前記撮像部(11a)が撮像したフレーム画像を処理し、そのフレーム画像に光学的読取コードが撮像されていれば、撮像されている前記光学的読取コードが示す認証情報を取得する取得部(10a)と、
前記取得部(10a)が取得した前記認証情報を用いて前記通路における利用者の通行可否を判定する判定部(10b)と、
を備えたゲート装置(1)。
【符号の説明】
【0089】
1、1A…自動改札機
1a、1aa…第1ユニット
1b、1ba…第2ユニット
10…制御ユニット
10a…取得部
10b…判定部
11a、11b…撮像部
11x、11y…イメージセンサ
12a、12b…表示部
13…利用者検知部
14…扉開閉制御部
15…通信部
16x、16y…光源
20a、20b…表示器
21a、21b、22a、22b…扉
100a、100b…窪み部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9