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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177870
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】ベッド
(51)【国際特許分類】
   A47C 19/04 20060101AFI20231207BHJP
   A47C 20/12 20060101ALI20231207BHJP
   A61G 7/012 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
A47C19/04 A
A47C20/12
A61G7/012
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090818
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】599139442
【氏名又は名称】株式会社プラッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】和田 剣也
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040AA30
4C040BB01
4C040DD01
4C040DD05
4C040EE05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ベッドの剛性感を増大させ、ベッドの寝心地を向上させること。
【解決手段】固定部材(55)に対して相対的に可動する可動部材(50)を固定部材(55)で支持するための支持機構(49)を有するベッドにおいて、支持機構(49)は、可動部材(50)又は固定部材(55)のいずれか一方の部材に設けた支持体(54)を他方の部材に設けた受部(56)で支持し、受部(56)に当接する支持体(54)の当接面(58)を傾斜面状に形成するとともに、受部(56)に支持体(54)の当接面(58)が当接する傾斜面状の受面(59)を形成する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横臥者が横臥する寝台を全体的に昇降させるための昇降機構や寝台の一部を部分的に起倒させるための起倒機構などのように固定部材に対して相対的に可動する可動部材を固定部材で支持するための支持機構を有するベッドにおいて、
支持機構は、
可動部材又は固定部材のいずれか一方の部材に設けた支持体を他方の部材に設けた受部で支持し、
受部に当接する支持体の当接面を傾斜面状に形成するとともに、受部に支持体の当接面が当接する傾斜面状の受面を形成したことを特徴とするベッド。
【請求項2】
前記支持体の当接面を受部の受面に向けて付勢するための付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のベッド。
【請求項3】
前記付勢手段で支持体の当接面を受部の受面に向けて付勢した状態で、支持体と受部との間に付勢方向に間隙が形成されるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降機構やリクライニング機構などのように固定部材に対して可動する可動部材を固定部材で支持する支持機構を有するベッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
病院や介護施設などにおいては、横臥者が横臥する寝台全体が上下に昇降したり、寝台の一部(たとえば、横臥者の背中部分)が前後に起倒したりするベッドが利用されている。
【0003】
このベッドには、寝台を全体的に昇降させるための昇降機構や、寝台の一部を部分的に起倒させるための起倒機構が設けられている。
【0004】
これらの昇降機構や起倒機構では、可動する部材に設けた円柱状の支持体を、固定した部材に設けた断面コ字状のガイドで支持する構成が用いられている(たとえば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-57437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記従来のベッドでは、円柱状の支持体を断面コ字状のガイドで支持する構成となっているために、支持体やガイドといった部品単体での寸法精度や、部品同士の組立易さなどが考慮されて、支持体の外形寸法よりもガイドの開口寸法を大きくせざるを得ず、支持体とガイドとの間に必然的に間隙が形成されていた。
【0007】
そのため、組立てられた状態のベッドにおいては、支持体とガイドとの間隙によってベッド全体がガタついく要因となっており、剛性感が低く寝心地が損なわれてしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、請求項1に係る本発明では、横臥者が横臥する寝台を全体的に昇降させるための昇降機構や寝台の一部を部分的に起倒させるための起倒機構などのように固定部材に対して相対的に可動する可動部材を固定部材で支持するための支持機構を有するベッドにおいて、支持機構は、可動部材又は固定部材のいずれか一方の部材に設けた支持体を他方の部材に設けた受部で支持し、受部に当接する支持体の当接面を傾斜面状に形成するとともに、受部に支持体の当接面が当接する傾斜面状の受面を形成することにした。
【0009】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記支持体の当接面を受部の受面に向けて付勢するための付勢手段を設けることにした。
【0010】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項2に係る本発明において、前記付勢手段で支持体の当接面を受部の受面に向けて付勢した状態で、支持体と受部との間に付勢方向に間隙が形成されるようにした。
【発明の効果】
【0011】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0012】
すなわち、本発明では、横臥者が横臥する寝台を全体的に昇降させるための昇降機構や寝台の一部を部分的に起倒させるための起倒機構などのように固定部材に対して相対的に可動する可動部材を固定部材で支持するための支持機構を有するベッドにおいて、支持機構は、可動部材又は固定部材のいずれか一方の部材に設けた支持体を他方の部材に設けた受部で支持し、受部に当接する支持体の当接面を傾斜面状に形成するとともに、受部に支持体の当接面が当接する傾斜面状の受面を形成することにしているために、支持体の当接面と受部の受面との間に隙間が無く、受部に対して支持体がガタつくことが無く、ベッドの剛性感を増大させることができ、ベッドの寝心地を向上させることができる。
【0013】
特に、前記支持体の当接面を受部の受面に向けて付勢するための付勢手段を設けることにした場合には、部材の寸法精度によらず確実に傾斜面状の支持体の当接面と受部の受面とを当接させることができるために、より一層、ベッドの剛性感を増大させることができ、ベッドの寝心地を向上させることができる。
【0014】
また、前記付勢手段で支持体の当接面を受部の受面に向けて付勢した状態で、支持体と受部との間に付勢方向に間隙が形成されるようにした場合には、付勢方向において支持体と受部とが接触して傾斜面状の支持体の当接面と受部の受面とが当接しなくなるのを防止し、また、支持体の先端と受部との間の抵抗(摩擦)を無くすことができ、支持体の摩耗を防止することができるとともに、可動部材を固定部材に対して円滑に可動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るベッドを示す平面図(a)、側面図(b)。
図2】ベッドの昇降機構を示す平面図(a)、側面断面図(b)。
図3】ベッドの上半身及び下半身起倒機構を示す平面図(a)、側面断面図(b)。
図4】ベッドの上半身起倒機構を示す側面拡大断面図。
図5】ベッドの下半身起倒機構を示す側面拡大断面図。
図6】支持機構を示す正面拡大断面図(a)、側面拡大断面図(b)。
図7】支持機構を示す正面拡大断面図。
図8】支持機構を示す正面拡大断面図(a)、側面拡大断面図(b)。
図9】支持機構を示す模式説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係るベッドの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1図3に示すように、ベッド1は、基台2の上部に支持台3を着脱可能(組立及び分離可能)に設けるとともに、支持台3の上部に横臥者の身体を支持する寝台4を着脱可能(組立及び分離可能)に設けている。基台2と支持台3との間には、基台2に対して支持台3(寝台4)を全体的に昇降させるための昇降機構5が設けられている。また、支持台3と寝台4との間には、支持台3に対して寝台4の一部(上半身側)を部分的に起倒させるための上半身起倒機構6が設けられているとともに、支持台3に対して寝台4の一部(下半身側)を部分的に起倒させるための下半身起倒機構7が設けられている。なお、ここでは、便宜的に、ベッド1に横臥する者の足側(図1中における右側)を前側とし、頭側(図1中における左側)を後側として説明する。
【0018】
基台2は、前後方向に伸延する左右一対の基台フレーム8,9の前端下部及び後端下部にキャスター10,11を取付けて移動可能とするとともに、左右の基台フレーム8,9の前部間及び後部間に左右方向に伸延する連結フレーム12,13を取付け(固定し)ている。
【0019】
支持台3は、前後方向に伸延する左右一対の支持台フレーム14,15の前端部間及び後端部間にボード(フットボード16及びヘッドボード17)を着脱可能に取付けるとともに、左右の支持台フレーム14,15の中途部間に左右方向に伸延する連結フレーム18を取付け(固定し)ている。
【0020】
寝台4は、主に横臥者の尻の荷重を受ける(横臥者の尻を下方から支える)ための尻部受台19と、主に横臥者の上半身(尻よりも上側)の荷重を受ける(横臥者の上半身を下方から支える)ための上半身受台20と、主に横臥者の下半身(尻よりも下側)の荷重を受ける(横臥者の下半身を下方から支える)ための下半身受台とで構成している。この下半身受台は、主に横臥者の大腿の荷重を受ける(横臥者の大腿を下方から支える)ための大腿部受台21と、主に横臥者の下腿の荷重を受ける(横臥者の下腿を下方から支える)ための下腿部受台22とに分割して構成している。
【0021】
尻部受台19は、支持台3(支持台フレーム14,15)の概略中央上部に水平状に固定されている。
【0022】
上半身受台20は、支持台3(支持台フレーム14,15)の後側(尻部受台19よりも後側)上部に前端部を上下回動自在に枢着することによって支持台3や尻部受台19に対して起倒可能に設けられている。この上半身受台20は、後述する支持機構によって支持台3(支持台フレーム14,15)で支持されており、支持台フレーム14,15に沿って前後に移動しながら支持台フレーム14,15に対して上下に起倒するようになっている。なお、上半身受台20は、主に横臥者の肩(肩甲骨)よりも下側の背中(背骨)の荷重を受ける(横臥者の肩(肩甲骨)よりも下側の背中(背骨)を下方から支える)ための背部受台と、主に横臥者の肩(肩甲骨)から上側の肩及び頭の荷重を受ける(横臥者の肩(肩甲骨)から上側の肩及び頭を下方から支える)ための肩部受台とに分割して構成してもよい。
【0023】
下半身受台は、支持台3(支持台フレーム14,15)の尻部受台19よりも前側上部に大腿部受台21の後端部を上下回動自在に枢着している。これにより、大腿部受台21は、支持台3や尻部受台19に対して起倒可能となっている。また、下半身受台は、大腿部受台21の前端部に下腿部受台22の後端部を上下回動自在に枢着している。これにより、下腿部受台22は、支持台3や尻部受台19に対して大腿部受台21とともに起倒するとともに、大腿部受台21に対して起倒可能(自由に屈曲可能)となっている。なお、下腿部受台22は、後端部が大腿部受台21の前端部とともに動き、前端部が支持台3(支持台フレーム14,15)の上面に沿って動くようになっている。
【0024】
昇降機構5は、基台フレーム8,9の中途部間内側に左右方向に伸延する基台側移動フレーム23を基台フレーム8,9に沿って前後移動可能に取付けるとともに、支持台フレーム14,15の中途部間内側に左右方向に伸延する支持台側移動フレーム24を支持台フレーム14,15に沿って前後移動可能に取付けている。この昇降機構5の基台側移動フレーム23と支持台側移動フレーム24は、後述する支持機構によって基台フレーム8,9と支持台フレーム14,15でそれぞれ支持されている。
【0025】
また、昇降機構5は、基台2の後側の連結フレーム13と基台側移動フレーム23に左右一対のクロスバー25,26の下端部を左右に間隔をあけて上下回動自在に取付けるとともに、支持台3の後側の連結フレーム18と支持台側移動フレーム24にクロスバー25,26の上端部を左右に間隔をあけて上下回動自在に取付けている。クロスバー25,26は、中央部で上下回動自在に連結されている。
【0026】
さらに、昇降機構5は、基台2の前側の連結フレーム12の中央部と支持台側移動フレーム24の中央部との間にアクチュエーター27を上下回動自在に取付けている。なお、アクチュエーター27は、モーターとロッドで構成しており、モーター側(基端部側)が連結フレーム12に上下回動自在に取付けられ、ロッド側(先端部側)が支持台側移動フレーム24に上下回動自在に取付けられている。昇降機構5のアクチュエーター27の下方には、アクチュエーター27を下方から保護する(下方からの力が上方のアクチュエーター27に直接かからないように保護する)ための保護体28を設けている。保護体28は、連結フレーム12の下部に前方に向けて水平に伸延させた状態で取付けられている。
【0027】
そして、昇降機構5は、アクチュエーター27のロッドを伸縮させることで、基台2に対して支持台3(寝台4)を上下に昇降させることができるようになっている。なお、昇降機構5は、基台2に対して支持台3(寝台4)を上下に昇降させることができればよく、上記構成に限定されるものではない。
【0028】
上半身起倒機構6は、支持台フレーム14,15の後側中途部間に左右方向に伸延するとともに中央部を前側下方に向けて湾曲させた支持フレーム29を取付け、支持フレーム29の中央部に前側上方へ向けて伸延する支持アーム30,31を左右に間隔をあけて取付けている。左右の支持アーム30,31の間には、前後方向に伸延する可動体32の基端部(前端部)が上下回動自在に軸支されており、可動体32の先端部(後端部)には、左右にローラー33,34が回動自在に軸支されている。左右のローラー33,34は、上半身受台20の下部に上半身受台20に沿って転動可能に当接されている。可動体32は、後述する支持機構によって左右の支持アーム30,31の先端部で支持されている。
【0029】
また、上半身起倒機構6は、支持台フレーム14,15の後端部間に左右方向に伸延する支持フレーム35を取付け、支持フレーム35の中央部に下方へ向けて伸延する支持体36を取付けている。
【0030】
さらに、上半身起倒機構6は、支持体36の前側下部と可動体32の下側中途部との間にアクチュエーター37を上下回動自在に取付けている。なお、アクチュエーター37は、モーターとロッドで構成しており、モーター側(基端部側)が支持体36に上下回動自在に取付けられ、ロッド側(先端部側)が可動体32に上下回動自在に取付けられている。上半身起倒機構6のアクチュエーター37の下方には、アクチュエーター37を下方から保護する(下方からの力が上方のアクチュエーター37に直接かからないように保護する)ための保護体38を設けている。保護体38は、基端部が支持体36の前側下部に前側上方に向けて屈曲させた状態で取付けられており、先端部が支持フレーム29の中央後部に取付けられている。
【0031】
そして、上半身起倒機構6は、アクチュエーター37のロッドを伸縮させることで、図4に示すように、支持台3に対して上半身受台20を上下に起倒させることができるようになっている。なお、上半身起倒機構6は、支持台3に対して上半身受台20を上下に起倒させることができればよく、上記構成に限定されるものではない。
【0032】
下半身起動機構7は、支持台フレーム14,15の中途部前側間に左右方向に伸延する支持フレーム39を取付け、支持フレーム39の中央部に前側上方へ向けて伸延する支持アーム40,41を左右に間隔をあけて取付けている。左右の支持アーム40,41の間には、前後方向に伸延する可動体42の基端部(後端部)が上下回動自在に軸支されており、可動体42の先端部(前端部)には、左右にローラー43,44が回動自在に軸支されている。左右のローラー43,44は、大腿部受台21の下部に大腿部受台21に沿って転動可能に当接されている。可動体42は、後述する支持機構によって支持アーム40,41で支持されている。
【0033】
また、下半身起倒機構7は、支持台フレーム14,15の中途部後側間に左右方向に伸延する支持フレーム45を取付け、支持フレーム45の中央部に下方へ向けて伸延する支持体46を取付けている。
【0034】
さらに、下半身起倒機構7は、支持体46の前側下部と可動体42の下側後部との間にアクチュエーター47を上下回動自在に取付けている。なお、アクチュエーター47は、モーターとロッドで構成しており、モーター側(基端部側)が支持体46に上下回動自在に取付けられ、ロッド側(先端部側)が可動体42に上下回動自在に取付けられている。下半身起倒機構7のアクチュエーター47の下方には、アクチュエーター47を下方から保護する(下方からの力が上方のアクチュエーター47に直接かからないように保護する)ための保護体48を設けている。保護体48は、基端部が支持体46の前側下部に前側上方に向けて左右に分岐して屈曲させた状態で取付けられており、二股状の先端部が支持フレーム39の中央後部に左右に間隔をあけて取付けられている。
【0035】
そして、下半身起倒機構7は、アクチュエーター47のロッドを伸縮させることで、図5に示すように、支持台3に対して下半身受台(大腿部受台21及び下腿部受台22)を上下に起倒させることができるようになっている。なお、下半身起倒機構7は、支持台3に対して下半身受台(大腿部受台21及び下腿部受台22)を上下に起倒させることができればよく、上記構成に限定されるものではない。
【0036】
ベッド1は、概ね以上に説明した構成となっており、上半身起倒機構6において、固定された部材である支持アーム30,31に対して相対的に可動(回動)する部材である可動体32を支持アーム30,31で回動可能に支持するために、支持アーム30,31と可動体32との間に支持機構が設けられている。また、下半身起倒機構7において、固定された部材である支持アーム40,41に対して相対的に可動(回動)する部材である可動体42を支持アーム40,41で回動可能に支持するために、支持アーム40,41と可動体42との間に支持機構が設けられている。また、上半身起倒機構6において、固定された部材である支持台フレーム14,15に対して相対的に可動(摺動)する部材である上半身受台20を支持台フレーム14,15で摺動可能に支持するために、支持台フレーム14,15と上半身受台20との間に支持機構が設けられている。さらに、昇降機構5において、固定された部材である基台フレーム8,9や支持台フレーム14,15に対して相対的に可動(摺動)する部材である基台側移動フレーム23や支持台側移動フレーム24を基台フレーム8,9や支持台フレーム14,15で摺動可能に支持するために、基台フレーム8,9や支持台フレーム14,15と基台側移動フレーム23や支持台側移動フレーム24との間に支持機構が設けられている。
【0037】
そして、図6に示すように、固定部材に対して相対的に可動部材を回動可能に支持するための支持機構49としては、可動部材50(可動体32、可動体42)側に軸体51の基端部52を取付けるとともに、軸体51の先端部53にローラー状の支持体54を取付け、一方、固定部材55(支持アーム30,31、支持アーム40,41)側に支持体54を回動可能に受けるための受部56を取付けている。なお、支持機構49は、回動する可動部材50に軸体51を固定するとともに、軸体51に支持体54を固定してもよく、可動部材50に軸体51を回動自在に取付けてもよく、軸体51に支持体54を回動自在に取付けてもよい。
【0038】
軸体51には、可動部材50に取付けた基端部52と支持体54を取付けた先端部53との間に、支持体54の回転軸線上に沿って支持体54を受部56に向けて付勢するための付勢手段57としての弾性体が設けられている。
【0039】
支持体54は、受部56に当接する当接面(外周面)58を基端から先端へ向けて漸次縮径させた円錐台形状としており、当接面58を傾斜面状に形成している。
【0040】
一方、受部56は、内側で支持体54を受けるための受面(内周面)59を支持体54の当接面58と同等に先端から基端へ向けて漸次縮径させた円錐台の孔形状としており、受面59が支持体54の傾斜面状の当接面58と同等に傾斜する傾斜面となっている。なお、支持体54の当接面58の傾斜と受部56の受面54の傾斜は、付勢手段57による付勢やベッド1の上面からの荷重などによって弾性変形した際に、傾斜が同一となるようにしてもよい。
【0041】
これにより、支持機構49は、受部56に支持体54を適正に装着すると、支持体54の当接面58と受部56の受面59との間に間隙が形成されることなく、支持体54の当接面58を受部56の受面59に当接させることができる。
【0042】
しかも、支持機構49は、軸体51に設けられた付勢手段57によって支持体54の当接面58を受部56の受面59に向けて付勢させているために、支持体54の回転軸線方向に部材間の寸法公差等があっても、支持体54の当接面58と受部56の受面59との間に間隙が形成されることなく、支持体54の当接面58を受部56の受面59に良好に当接(密接)させることができる。
【0043】
その際に、支持機構49では、付勢手段57で支持体54を受部56に向けて付勢した状態において、支持体54の先端面60と受部56の底面61との間に間隙が形成されるようにしている。
【0044】
これにより、支持機構49では、支持体54の先端面60と受部56の底面61とが接触して支持体54の当接面58と受部56の受面59とが当接しなくなるのを防止し、また、支持体54の先端と受部56との間の抵抗(摩擦)を無くすことができ、支持体54の摩耗を防止するとともに円滑に回動できるようにしている。
【0045】
付勢手段57は、支持体54の回転軸線上に沿って支持体54を受部56に向けて相対的に付勢することができればよく、図6に示す支持機構49のように、付勢手段57として弾性体を用いた場合に限られず、図7(a)に示す支持機構62のように、軸体51を支持体54の回転軸線上に沿って受部56に向けて付勢するバネを用いてもよく、図7(b)に示す支持機構63のように、軸体51を支持する軸支持体64を可動部材50に進退自在に螺着した構成であってもよい。また、付勢手段57は、可動部材50側に設けた場合に限られず、固定部材55側に設けてもよい。
【0046】
なお、上記支持機構49では、支持体54の外周面を当接面58としているが、これに限られず、軸体54に対して相対的に回動する支持体54を軸体54で回動可能に支持する場合には、軸体54の外周面を傾斜面状に形成するとともに、軸体54に当接する支持体54の内周面を傾斜面状に形成してもよい。
【0047】
また、図8に示すように、固定部材に対して相対的に可動部材を摺動可能に支持するための支持機構65としては、可動部材66(上半身受台20、基台側移動フレーム23、支持台側移動フレーム24)側に支持機構49と同様の軸体51及び支持体54を取付け、一方、固定部材67(支持台フレーム14,15、基台フレーム8,9)側に支持体54を摺動可能に受けるための受部68を取付けている。
【0048】
受部68は、内側で支持体54を受けるための受面(上下側面)69を支持体54の当接面58と同等に先端から基端へ向けて漸次縮幅させた台形断面形状を前後に伸延させた形状となっており、受面69が支持体54の傾斜状の当接面58と同等に傾斜する傾斜面となっている。
【0049】
これにより、支持機構65では、可動部材66に設けられた支持体54を前後に伸延する受部68に沿って摺動させることができるようになっている。
【0050】
この支持機構65においても、支持機構49,62,63と同様に、受部68に支持体54を適正に装着すると、支持体54の当接面58と受部68の受面69との間に間隙が形成されることなく、支持体54の当接面58を受部68の受面69に当接させることができ、しかも、付勢手段57によって支持体54の当接面58を受部68の受面69に向けて付勢することで支持体54の回転軸線方向に部材間の寸法公差等があっても、支持体54の当接面58と受部68の受面69との間に間隙が形成されることなく、支持体54の当接面58を受部68の受面69に良好に当接(密接)させることができる。その際に、支持機構65でも付勢手段57で支持体54を受部68に向けて付勢した状態において、支持体54の先端面60と受部68の底面70との間に間隙が形成されるようにして、支持体54の先端面60と受部68の底面70とが接触して支持体54の当接面58と受部68の受面69とが当接しなくなるのを防止し、また、支持体54の先端と受部68との間の抵抗(摩擦)を無くし、支持体54の摩耗を防止するとともに円滑に摺動できるようにしている。
【0051】
なお、図8に示した支持機構65では、支持体54の当接面58を基端から先端へ向けて漸次縮径させた円錐台形状として支持体54をローラー状に形成しているが、図8の断面と同じ断面を有する矩形状のスライダーとしてもよい。この場合には、スライダーの上下の側面が傾斜面状の当接面となって受部68の受面69に沿って回転せずに摺動することになる。
【0052】
また、上記支持機構49,62,63,65では、可動部材50,66側に支持体54を設ける一方、固定部材55,67側に受部56,68を設けているが、これに限られず、固定部材51,67側に支持体54を設ける一方、可動部材50,66側に受部56,68を設けてもよい。また、上記支持機構49,62,63,65は、ベッド1の他の可動部分にも適用することができる。
【0053】
また、図9(a)に模式的に示すように、支持体54の当接面58の傾斜角度αと、受部56,68の受面59,69の傾斜角度βは、必ずしも同一である必要はなく、受部56,68の弾性や受部56,68が受ける荷重によって支持体54の当接面58の傾斜角度αが若干広がることもあるため、支持体54の当接面58の傾斜角度αの方が受部56,68の受面59,69の傾斜角度βよりも同一又は小さく(α≦β)なるようにすることが好ましい。
【0054】
また、支持体54の当接面58及び受部56,68の受面59,69の傾斜の向きは、図9(b)に模式的に示すように、図9(a)とは逆向きに傾斜させてもよい。この場合、付勢手段57では、支持体54を軸体51側に引っ張る方向に付勢することになる。
【0055】
以上に説明したように、上記ベッド1では、横臥者が横臥する寝台4を全体的に昇降させるための昇降機構5や寝台4の一部(上半身受台20)を部分的に起倒させるための起倒機構(上半身起倒機構6)などのように固定部材55,67に対して可動(回動や摺動等)する可動部材50,66を固定部材55,67で支持するための支持機構49,62,63,65を有している。
【0056】
そして、支持機構49,62,63,65は、可動部材50,66又は固定部材55,67のいずれか一方の部材に設けた支持体54を他方の部材に設けた受部56,68で可動可能に支持し、支持体54の当接面58を先端に向けて漸次縮径させるとともに、受部56,68に支持体54の当接面58が当接する傾斜面状の受面59,69を形成した構成となっている。
【0057】
そのため、上記構成のベッド1では、受部56,68に支持体54が適正に装着されると、支持体54と受部59,69との間に隙間が無く、振動等を受けてもベッド1がガタつくことがなく、ベッド1の剛性感を増大させることができ、ベッド1の寝心地を向上させることができる。
【0058】
また、上記ベッド1は、支持体54を受部56,68に向けて付勢するための付勢手段57を設けた構成となっている。
【0059】
そのため、上記構成のベッド1では、支持体54の回転軸線方向に部材間の寸法公差等があっても、支持体54の当接面58と受部56,68の受面59,69との間に間隙が形成されることなく、支持体54の当接面58を受部56,68の受面59,69に良好に当接(密接)させることができ、これにより、より一層、ベッド1の剛性感を増大させることができ、ベッド1の寝心地を向上させることができる。
【0060】
また、上記ベッド1は、付勢手段57で支持体54を受部56,68に向けて付勢した状態で、支持体54の先端と受部56,68との間に間隙が形成されるように構成している。
【0061】
そのため、上記構成のベッド1では、支持体54の先端と受部56,68との間の抵抗(摩擦)を無くすことができ、支持体54の摩耗を防止することができるとともに、可動部材50,66を固定部材55,67に対して円滑に可動させることができる。
【符号の説明】
【0062】
1 ベッド 2 基台
3 支持台 4 寝台
5 昇降機構 6 上半身起倒機構
7 下半身起倒機構 8,9 基台フレーム
10,11 キャスター 12,13 連結フレーム
14,15 支持台フレーム 16 フットボード
17 ヘッドボード 18 連結フレーム
19 尻部受台 20 上半身受台
21 大腿部受台 22 下腿部受台
23 基台側移動フレーム 24 支持台側移動フレーム
25,26 クロスバー 27 アクチュエーター
28 保護体 29 支持フレーム
30,31 支持アーム 32 可動体
33,34 ローラー 35 支持フレーム
36 支持体 37 アクチュエーター
38 保護体 39 支持フレーム
40,41 支持アーム 42 可動体
43,44 ローラー 45 支持フレーム
46 支持体 47 アクチュエーター
48 保護体 49,62,63,65 支持機構
50,66 可動部材 51 軸体
52 基端部 53 先端部
54 支持体 55,67 固定部材
56,68 受部 57 付勢手段
58 当接面 59,69 受面
60 先端面 61,70 底面
64 軸支持体
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
図9