(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177875
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】会議制御装置、会議制御方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/15 20060101AFI20231207BHJP
G10L 15/10 20060101ALI20231207BHJP
G10L 15/00 20130101ALI20231207BHJP
【FI】
H04N7/15 120
H04N7/15
G10L15/10 200W
G10L15/00 200U
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090827
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】奥山 真寛
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164PA41
5C164SB04S
5C164VA13P
5C164VA36P
(57)【要約】
【課題】サブリモート会議からリモート会議へと復帰し易くすることである。
【解決手段】会議制御装置1は、複数の情報処理装置2と通信可能であり、複数の情報処理装置2に対応するユーザによるリモート会議を制御する。会議制御装置1において、第1取得部は、複数の情報処理装置2の各々から、ユーザの画像及び音声を表す動画データを取得する。第2取得部は、複数の情報処理装置2のうち、前記リモート会議とは異なるサブリモート会議に用いられる情報処理装置2を示す識別情報を取得する。第2生成部は、前記複数の動画データと、前記識別情報とに基づいて、前記リモート会議の内容と、前記サブリモート会議の内容とを画像及び音声により表す第2会議データを生成する。前記第2会議データにおいて、前記リモート会議の内容を表す音声は、前記サブリモート会議の内容を表す音声よりも小さい。
【選択図】
図4B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報処理装置と通信可能であり、前記複数の情報処理装置に対応するユーザによるリモート会議を制御する会議制御装置であって、
前記複数の情報処理装置の各々から、前記ユーザの画像及び音声を表す動画データを取得する第1取得部と、
複数の前記動画データに基づいて、前記リモート会議の内容を画像及び音声により表す第1会議データを生成する第1生成部と、
前記第1会議データを、前記複数の情報処理装置に送信する第1送信部と、
前記複数の情報処理装置のうち、前記リモート会議とは異なるサブリモート会議に用いられる前記情報処理装置を示す識別情報を取得する第2取得部と、
前記複数の動画データと、前記識別情報とに基づいて、前記リモート会議の内容と、前記サブリモート会議の内容とを画像及び音声により表す第2会議データを生成する第2生成部と、
前記第2会議データを、前記識別情報で示される前記情報処理装置に送信する第2送信部と
を備える、会議制御装置。
【請求項2】
前記第2会議データにおいて、前記リモート会議の内容を表す音声は、前記サブリモート会議の内容を表す音声よりも小さい、請求項1に記載の会議制御装置。
【請求項3】
前記複数の動画データに基づいて、前記リモート会議の内容を表す音声を文字列に変換する音声認識処理を実行する音声認識部を備え、
前記第2生成部は、前記音声認識部により得られた文字列から、予め定められた条件を満たす文字列を表す前記第2会議データを生成する、請求項1又は請求項2に記載の会議制御装置。
【請求項4】
前記情報処理装置に、前記第2会議データに基づいて、前記予め定められた条件を満たす前記文字列を含む画像を表示させる、請求項3に記載の会議制御装置。
【請求項5】
前記複数の動画データに基づいて、前記リモート会議の内容を表す音声を文字列に変換する音声認識処理を実行する音声認識部を備え、
前記第2生成部は、前記音声認識部により得られた文字列から、予め定められた条件を満たしたことに応じて、前記第2会議データにおいて、前記リモート会議の内容を表す音声を前記サブリモート会議の内容を表す音声よりも大きくする、請求項1又は請求項2に記載の会議制御装置。
【請求項6】
前記識別情報に対応する情報処理装置のいずれかから、前記サブ会議の内容を表す画像を切り替えるコマンドを取得したことに応じて、前記第2生成部は、前記第2会議データが表す前記サブリモート会議の内容を表す画像を変更する、請求項1又は請求項2に記載の会議制御装置。
【請求項7】
前記情報処理装置に、前記第2会議データに基づいて、前記サブリモート会議の内容を表す前記画像を表示させる、請求項6に記載の会議制御装置。
【請求項8】
複数の情報処理装置に対応する複数のユーザによるリモート会議を制御する会議制御方法であって、
前記複数の情報処理装置の各々から、前記ユーザの画像及び音声を表す動画データを取得するステップと、
複数の前記動画データに基づいて、前記リモート会議の内容を画像及び音声により表す第1会議データを生成するステップと、
前記第1会議データを、前記複数の情報処理装置に送信するステップと、
前記複数の情報処理装置のうち、前記リモート会議とは異なるサブリモート会議に用いられる前記情報処理装置を示す識別情報を取得するステップと、
前記複数の動画データと、前記識別情報とに基づいて、前記リモート会議の内容と、前記サブリモート会議の内容とを画像及び音声により表す第2会議データを生成するステップと、
前記第2会議データを、前記識別情報で示される情報処理装置に送信するステップと
を含む、会議制御方法。
【請求項9】
複数の情報処理装置に対応する複数のユーザによるリモート会議を制御するコンピュータに、
前記複数の情報処理装置の各々から、前記ユーザの画像及び音声を表す動画データを取得するステップと、
複数の前記動画データに基づいて、前記リモート会議の内容を画像及び音声により表す第1会議データを生成するステップと、
前記複数の情報処理装置のうち、前記リモート会議とは異なるサブリモート会議に用いられる前記情報処理装置を示す識別情報を取得するステップと、
前記複数の動画データと、前記識別情報とに基づいて、前記リモート会議の内容と、前記サブリモート会議の内容とを画像及び音声により表す第2会議データを生成するステップと
を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、会議制御装置、会議制御方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、テレビ会議システムが記載されている。テレビ会議システムでは、全体会議が行われている際、テレビ会議端末のユーザが個別会話ボタンを操作することで、テレビ会議サーバに対して個別会議開催要求が送信される。テレビ会議サーバは、対象のテレビ会議端末に個別会議要請を送信し、対象のテレビ会議端末には個別会議要請が表示される。対象のテレビ会議端末で個別会議を行うことが選択されると、映像は全体会議のままで音声のみ個別会議のテレビ会議端末同士で通信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のテレビ会議システムでは、個別会議のテレビ会議端末は、個別会議の音声を出力するが、全体会議の音声を出力しない。即ち、個別会議に参加するユーザは、全体会議の内容を理解できない。従って、個別会議に参加するユーザは、個別会議の終了後に全体会議に復帰しても、全体会議に対応できない。
【0005】
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、個別会議から全体会議へと復帰し易い技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面に係る会議制御装置は、複数の情報処理装置と通信可能であり、前記複数の情報処理装置に対応するユーザによるリモート会議を制御する。前記会議制御装置は、第1取得部と、第1生成部と、第1送信部と、第2取得部と、第2生成部と、第2送信部とを備える。前記第1取得部は、前記複数の情報処理装置の各々から、前記ユーザの画像及び音声を表す動画データを取得する。前記第1生成部は、複数の前記動画データに基づいて、前記リモート会議の内容を画像及び音声により表す第1会議データを生成する。前記第1送信部は、前記第1会議データを、前記複数の情報処理装置に送信する。前記第2取得部は、前記複数の情報処理装置のうち、前記リモート会議とは異なるサブリモート会議に用いられる前記情報処理装置を示す識別情報を取得する。前記第2生成部は、前記複数の動画データと、前記識別情報とに基づいて、前記リモート会議の内容と、前記サブリモート会議の内容とを画像及び音声により表す第2会議データを生成する。前記第2送信部は、前記第2会議データを、前記識別情報で示される前記情報処理装置に送信する。
【0007】
本開示の他の局面に係る会議制御方法は、複数の情報処理装置に対応する複数のユーザによるリモート会議を制御する。会議制御方法は、前記複数の情報処理装置の各々から、前記ユーザの画像及び音声を表す動画データを取得するステップと、複数の前記動画データに基づいて、前記リモート会議の内容を画像及び音声により表す第1会議データを生成するステップと、前記第1会議データを、前記複数の情報処理装置に送信するステップと、前記複数の情報処理装置のうち、前記リモート会議とは異なるサブリモート会議に用いられる前記情報処理装置を示す識別情報を取得するステップと、前記複数の動画データと、前記識別情報とに基づいて、前記リモート会議の内容と、前記サブリモート会議の内容とを画像及び音声により表す第2会議データを生成するステップと、前記第2会議データを、前記識別情報に対応する情報処理装置に送信するステップとを備える。
【0008】
本開示の他の局面に係るプログラムは、複数の情報処理装置に対応する複数のユーザによるリモート会議を制御するコンピュータに、前記複数の情報処理装置の各々から、前記ユーザの画像及び音声を表す動画データを取得するステップと、複数の前記動画データに基づいて、前記リモート会議の内容を画像及び音声により表す第1会議データを生成するステップと、前記複数の情報処理装置のうち、前記リモート会議とは異なるサブリモート会議に用いられる前記情報処理装置を示す識別情報を取得するステップと、前記複数の動画データと、前記識別情報とに基づいて、前記リモート会議の内容と、前記サブリモート会議の内容とを画像及び音声により表す第2会議データを生成するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば、サブリモート会議からリモート会議へと復帰し易い技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係る会議制御装置を備えるシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す会議制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す情報処理装置の典型的な構成を示すブロック図である。
【
図4A】
図2に示す会議制御装置の処理手順の前半部分を示すフローチャートである。
【
図4B】
図2に示す会議制御装置の処理手順の後半部分を示すフローチャートである。
【
図5】情報処理装置における第1会議データの表示画面から第2会議データの表示画面への遷移を示す模式図である。
【
図6】第1変形例に係る会議制御装置の処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】第1変形例に係る第2会議データの表示画面を示す模式図である。
【
図8】第2変形例に係る会議制御装置の処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】第2変形例に係る第2会議データの表示画面の切り替えを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0012】
(実施形態)
図1は、本開示の一実施形態に係る会議制御装置1を備えるリモート会議システム100の構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、リモート会議システム100は、会議制御装置1と、複数の情報処理装置2とを備える。会議制御装置1は、複数の情報処理装置2と通信ネットワーク3を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク3は、インターネット、有線LAN、又は無線LANである。通信ネットワーク3は、インターネット、有線LAN及び無線LANから選ばれた少なくとも2つの組み合わせであってもよい。
【0013】
図2は、
図1に示される会議制御装置1の構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、会議制御装置1は、複数の情報処理装置2のユーザによるリモート会議を制御する。会議制御装置1は、サーバ装置である。会議制御装置1は、通信部11と、処理部12と、記憶部13とを備える。
【0014】
通信部11は、通信ネットワーク3を通じて、複数の情報処理装置2とデータ通信可能なインタフェースである。詳細には、通信部11は、複数の情報処理装置2を送信先とする各種データを通信ネットワーク3に送出する。通信部11は、会議制御装置1が送信先となる各種データを、通信ネットワーク3から受信する。
【0015】
処理部12は、中央演算処理装置又はマイクロコンピュータである。記憶部13は、例えば、非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体である。詳細には、記憶部13は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及び/又はフラッシュメモリを含む。処理部12は、記憶部13に記憶された会議制御プログラム131を実行し、会議制御装置1を構成する各部を制御する。会議制御プログラム131は、コンピュータプログラムの一例である。会議制御プログラム131は、単一のプログラムであってもよいし、複数のプログラムモジュールの集まりであってもよい。また、フラッシュメモリ等には、識別情報が設定されている。識別情報は、通信ネットワーク3で会議制御装置1を識別するための情報である。識別情報としては、IP(Internet Protocol)アドレス又はMAC(Media Access Control)アドレスを用いることができる。
【0016】
図3は、
図1に示される複数の情報処理装置2の典型的な構成を示すブロック図である。
図3に示されるように、各情報処理装置2は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン及びタブレット端末のいずれかであり、リモート会議に参加するユーザ(即ち、参加者)により使用される。各情報処理装置2は、撮像部21と、音声入力部22と、表示部23と、音声出力部24と、入力部25と、通信部26と、処理部27と、記憶部28とを備える。
【0017】
撮像部21は、カメラ等の撮像装置である。撮像部21は、画角内の画像を表す画像データを所定のフレームレートで出力する。撮像部21は、主に、参加者の画像を表す画像データを出力する。
【0018】
音声入力部22は、マイク等の音声入力装置であり、参加者の音声を表す音声データを所定のサンプリングレートで出力する。
【0019】
表示部23は、液晶ディスプレイ等の表示装置であり、処理部27の制御下で各種画像を画面に表示する。
【0020】
音声出力部24は、スピーカ等の音声出力装置であり、処理部27の制御下で音声を出力する。
【0021】
入力部25は、マウス又はタッチセンサ等の入力デバイスであり、参加者により操作される。
【0022】
通信部26は、通信ネットワーク3を通じて、会議制御装置1とデータ通信可能なインタフェースである。詳細には、通信部26は、会議制御装置1を送信先とする各種データを通信ネットワーク3に送出する。通信部26は、情報処理装置2が送信先となる各種データを、通信ネットワーク3から受信する。
【0023】
処理部27は、中央演算処理装置、又はマイクロコンピュータ等である。処理部27は、情報処理装置2の動作を制御する。記憶部28は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及びフラッシュメモリを含む。詳細には、フラッシュメモリ等には、ブラウザプログラム281が予め記憶される。処理部27は、ブラウザプログラム281を実行することにより、会議制御装置1からの受信データに基づいて、音声出力部24からの音声出力を制御し、表示部23における画面表示を制御する。また、フラッシュメモリ等は、通信ネットワーク3における情報処理装置2の識別情報を記憶する。
【0024】
図4Aは、
図2に示す会議制御装置1の処理手順の前半部分を示すフローチャートである。
図4Bは、
図2に示す会議制御装置1の処理手順の後半部分を示すフローチャートである。
図5は、
図3に示す情報処理装置2における第1会議データD1の表示画面から第2会議データD2の表示画面への遷移を示す模式図である。以下、
図1から
図5を参照して、会議制御装置1の動作について説明する。
【0025】
図4Aと
図4Bとに示されるように、会議制御装置1の処理は、ステップS102~S104、S107~S109、S112、S114~S116、S118、S119、S122を含む。各情報処理装置2の処理は、ステップS101、S105、S106、S110、S111、S113、S117、S120、S121を含む。会議制御装置1は、複数の情報処理装置2に対応する参加者によるリモート会議を制御する。
【0026】
詳細には、各情報処理装置2の処理部27は、ブラウザプログラム281を実行して、会議制御装置1に通信ネットワーク3を介してアクセスしている。また、会議制御装置1と、複数の情報処理装置2との間では、通信リンクが確立される。
【0027】
図4Aに示されるように、ステップS101では、処理部27は、参加者の画像を表す画像データを撮像部21から取得し、同参加者の音声を表す音声データを音声入力部22から取得する。通信部26は、画像データ及び音声データを含む動画データを通信ネットワーク3を通じて会議制御装置1に送信する。
【0028】
ステップS102で、会議制御装置1の処理部12は、第1取得部として機能し、通信部11を通じて複数の情報処理装置2の各々からの動画データを取得する。動画データは、情報処理装置2に対応する参加者の画像及び音声を表す。
【0029】
ステップS103で、処理部12は、第1生成部として機能する。詳細には、処理部12は、ステップS102で取得した複数の動画データの各々から第1会議データD1(
図5参照)を生成する。第1会議データD1は、複数の第1参加者オブジェクトD11と、サブ会議開始オブジェクトD12とを表すデータを含む。なお、第1会議データD1は、参加者の間で共有される電子ファイルが示す画像を含んでいてもよい。各第1参加者オブジェクトD11は、例えば、リモート会議の参加者を撮像した画像である。なお、第1参加者オブジェクトD11は、参加者のアイコン画像でもよいし、参加者の名前を示す文字列でもよい。サブ会議開始オブジェクトD12は、サブリモート会議の開始要求の機能が割り当てられたオブジェクトである。第1会議データD1は、第1音声D13を表すデータを更に含む。第1音声D13は、リモート会議に参加している参加者の音声を表す。
【0030】
ステップS104で、通信部11は、第1送信部として機能し、第1会議データD1を、通信ネットワーク3を通じて各情報処理装置2に送信する。
【0031】
ステップS105で、各情報処理装置2の処理部27は、通信部26を通じて第1会議データD1を受信する。処理部27は、第1会議データD1の表示及び音声出力を制御する。表示部23は、
図5に示されるように、第1会議データD1に含まれる複数の第1参加者オブジェクトD11と、サブ会議開始オブジェクトD12とをリモート会議用の画像として表示する。音声出力部24は、第1会議データD1に基づき第1音声D13をリモート会議用の音声として出力する。これにより、各情報処理装置2の参加者は、リモート会議の内容を理解することができる。
【0032】
なお、ステップS101からS105の処理は、サブ会議開始オブジェクトD12が入力部25により指定されるまでの間、繰り返し実行される。即ち、リモート会議システム100では、後述のステップS106が実行されない限り、ステップS101からS105までの処理が繰り返し実行される。
【0033】
リモート会議におけるある参加者が他の参加者とサブリモート会議を開催したい場合がある。この参加者は、情報処理装置2の入力部25で、表示部23に表示されているサブ会議開始オブジェクトD12と、第1参加者オブジェクトD11とを指定する。この時指定されるのは、サブリモート会議への参加が要請される参加者を示す第1参加者オブジェクトD11である。
【0034】
ステップS106では、処理部27は、入力部25による指定に応じて、サブリモート会議への参加が要請された参加者を特定する。処理部27は更に、開始リクエストを生成する。開始リクエストは、サブリモート会議の開始要求を表すコマンドであり、S106で特定されたサブリモート会議の参加者に対応する情報処理装置2の識別情報を含む。通信部26は、開始リクエストを、通信ネットワーク3を通じて会議制御装置1に送信する。
【0035】
ステップS107で、会議制御装置1の処理部12は、ステップS104の実行後に開始リクエストを受信する。ステップS108で、処理部12は、第2取得部として機能して、開始リクエストから識別情報を取得する。即ち、処理部12は、複数の情報処理装置2のうち、サブリモート会議に参加が要請された参加者に対応する情報処理装置(以下、「特定情報処理装置」と記載する。)2を示す識別情報を取得する。
【0036】
ステップS109で、処理部12は、ダイアログを生成する。ダイアログは、サブリモート会議への参加を承諾するか否かを選択可能な選択オブジェクトを表すデータである。通信部11は、通信ネットワーク3を通じて特定情報処理装置2にダイアログを送信する。
【0037】
ステップS110で、処理部27は、通信部26を通じて会議制御装置1からのダイアログを取得する。処理部27は、ダイアログに基づいて選択オブジェクトを表示部23に表示させる。特定情報処理装置2の参加者は、サブリモート会議への参加を承諾するか否かを入力部25で指定する。
【0038】
ステップS111では、入力部25による指定に応じて、処理部27は、サブリモート会議への参加を承諾するか否かを示すレスポンスを生成する。通信部26は、通信ネットワーク3を通じて会議制御装置1にレスポンスを送信する。
【0039】
ステップS112で、処理部12は、通信部11を通じて受信した各レスポンスに基づいて、サブリモート会議への参加を承諾した情報処理装置(以下、「承諾情報処理装置」と記載する。)2を特定する。
【0040】
ステップS113では、ステップS101と同様に、通信部26は、動画データを通信ネットワーク3に送出する。ステップS114では、ステップS102と同様に、処理部12は、第1取得部として機能する。ステップS115では、ステップS103と同様に、処理部12は、第1生成部として機能する。ステップS116で、通信部11は、第1会議データD1を、承諾情報処理装置2以外の情報処理装置2に通信ネットワーク3を通じて送信する。なお、会議制御装置1と、承諾情報処理装置2以外の情報処理装置2との間では通信リンクを確立し直してもよい。ステップS117で、承諾情報処理装置2以外の情報処理装置2は、ステップS105と同様に、第1会議データD1に基づいて画像及び音声を出力する(
図5参照)。
【0041】
ステップS118で、処理部12は、第2生成部として機能し、通信部11が取得した複数の動画データの各々から第2会議データD2を生成する。第2会議データD2は、前述の複数の第1参加者オブジェクトD11及びサブ会議開始オブジェクトD12を表すデータに加え、複数の第2参加者オブジェクトD21と、サブ会議終了オブジェクトD22とを表すデータを含む。各第2参加者オブジェクトD21は、例えば、サブリモート会議の参加者を撮像した画像を表す。なお、第2参加者オブジェクトD21は、参加者のアイコン画像、又は参加者の名前を示す文字列でもよい。サブ会議終了オブジェクトD22は、サブリモート会議の終了要求の機能が割り当てられたオブジェクトである。第2会議データD2は、第1音声D13と第2音声D23との合成音声を表すデータを更に含む。処理部12は、合成音声において、第2音声D23の音量を、第1音声D13の音量よりも大きくする。
【0042】
ステップS119で、通信部11は、第2送信部として機能し、処理部12が生成した第2会議データD2を、通信ネットワーク3を通じて、承諾情報処理装置2に送信する。なお、会議制御装置1と、承諾情報処理装置2との間では通信リンクを確立し直してもよい。
【0043】
ステップS120で、各承諾情報処理装置2の処理部27は、通信部26を通じて、第2会議データD2を受信する。従って、表示部23は、
図5に示されるように、リモート会議用の画像に加え、第2会議データD2に基づいて、複数の第2参加者オブジェクトD21と、サブ会議開始オブジェクトD12とをサブリモート会議用の画像として表示する。音声出力部24は、第2会議データD2に基づいて第2音声D23を出力する。なお、
図5の例では、表示部23において、リモート会議用の画像と、サブリモート会議の画像とは横並びで表示されている。第2会議データD2により、サブリモート会議に参加する参加者は、サブリモート会議の内容を正確に把握できるとともに、リモート会議の内容を第1音声D13により大まかに理解することができる。
【0044】
なお、ステップS113からS120の処理は、サブ会議終了オブジェクトD22が入力部25により指定されるまでの間、繰り返し実行される。
【0045】
サブリモート会議に参加する参加者は、サブリモート会議を終了する場合、情報処理装置2の入力部25で、表示部23に表示されているサブ会議終了オブジェクトD22を指定する。ステップS121では、処理部27は、サブ会議終了オブジェクトD22の指定に応じて、終了リクエストを生成する。終了リクエストは、サブリモート会議の開始要求を表すコマンドである。通信部26は、終了リクエストを、通信ネットワーク3を通じて会議制御装置1に送信する。
【0046】
ステップS122で、会議制御装置1の処理部12は、ステップS119の実行後に終了リクエストを受信する。処理部12は、終了リクエストの受信に応じて、ステップS102を実行する。その結果、サブリモート会議の参加者は、リモート会議に復帰することになる。サブリモート会議の参加者は、第2会議データD2によりサブリモート会議の間にもリモート会議の内容を理解できているため、リモート会議に復帰し易い。なお、各情報処理装置2は、サブリモート会議の終了後、ステップS101を実行する。
【0047】
図6は、第1変形例に係る会議制御装置1の処理手順を示すフローチャートである。
図7は、第1変形例に係る第2会議データD2の表示画面を示す模式図である。以下、
図6と
図7とを参照して、第1変形例に係るリモート会議システム100について説明する。第1変形例に係るリモート会議システム100は、実施形態に係るリモート会議システム100と比較すると、会議制御装置1が
図4Bに示すフローチャートに代えて
図6に示すフローチャートに記載の処理を実行する点で相違する。
【0048】
処理部12は、
図4Aに示されるステップS116の実行後、
図6に示されるように、ステップS201において、音声認識部として機能する。詳細には、処理部12は、承諾情報処理装置2以外の情報処理装置2から受信した動画データが表す音声に対して音声認識処理を実行する。その結果、処理部12は、リモート会議の内容を表す音声を文字列に変換し、変換した文字列を表すデータをRAM等に記憶する。
【0049】
ステップS202で、処理部12は、予め定められた時間間隔において変換された文字列に、第1条件を満たす文字列が含まれているか否かを判定する。第1条件は、フラッシュメモリ等に予め設定されているキーワードに一致することである。
【0050】
第1条件を満たす文字列が含まれていると判定した場合(ステップS202でYes)、処理部12は、ステップS204を実行する。一方、第1条件を満たす文字列が含まれていないと判定した場合(ステップS202でNo)、処理部12は、ステップS203を実行する。
【0051】
ステップS203で、処理部12は、一定時間間隔で変換された文字列に、第2条件を満たす文字列が含まれているか否かを判定する。第2条件は、一定時間間隔において複数回発話されることである。
【0052】
第2条件を満たす文字列が含まれていると判定した場合(ステップS203でYes)、処理部12は、ステップS204を実行する。一方、第2条件を満たす文字列が含まれていないと判定した場合(ステップS203でNo)、処理部12は、ステップS118を実行する。
【0053】
ステップS204で、処理部12は、第2生成部として機能し、通信部11が取得した複数の動画データに基づいて第2会議データD2を生成する。第2会議データD2は、
図7に示されるように、第1条件及び第2条件を満たす文字列D24を表すデータを更に含む。ステップS204の実行後、処理部12は、ステップS119を実行する。
【0054】
ステップS120で、各承諾情報処理装置2の処理部27は、通信部26を通じて、第2会議データD2を受信する。処理部27は、第2会議データD2に基づく画面の表示部23への表示を制御する。詳細には、処理部27は、
図7に示されるように、リモート会議用の画像に加え、第2会議データD2に基づいて、複数の第2参加者オブジェクトD21と、サブ会議開始オブジェクトD12と、文字列D24とをサブリモート会議用の画像として表示部23に表示させる。即ち、処理部27は、本開示における制御部の一例である。第2会議データD2により、サブリモート会議の参加者は、サブリモート会議の内容を正確に把握できるとともに、リモート会議の内容を文字列D24により大まかに理解することができる。また、第1変形例では、一定時間間隔毎に第2会議データD2が生成される。即ち、情報処理装置2において、処理部27は、は、一定時間間隔毎に切り替わる文字列D24を含む画像を表示部23に表示させる。その結果、サブリモート会議に参加する参加者は、一定時間間隔においてリモート会議での議題が何であるかを知ることができる。
【0055】
第1変形例では、ステップS204で、処理部12は、文字列D24を表すデータを更に含む第2会議データD2を生成していた。しかし、これに限らず、処理部12は、ステップS204で、処理部12は、第2会議データD2において、第1音声D13の音量を第2音声D23の音量よりも大きくしてもよい。このような第2会議データD2によれば、第1条件又は第2条件が満たされたことに応じて、第1音声D13の音量の方が、第2音声D23の音量よりも大きくなる。その結果、サブリモート会議の参加者は、リモート会議の内容を第1音声D13により理解することができる。
【0056】
図8は、第2変形例に係る会議制御装置1の処理手順を示すフローチャートである。
図9は、第2会議データD2の表示画面の切り替えを示す模式図である。次に、
図8と
図9とを参照して、第2変形例に係るリモート会議システム100について説明する。
【0057】
処理部12は、
図4Aに示されるステップS116の実行後、
図8に示されるように、ステップS301において、第2生成部として機能し、通信部11が取得した複数の動画データに基づいて第2会議データD2を生成する。その後、処理部12は、ステップS119を実行する。第2会議データD2は、
図9に示されるように、切り換えオブジェクトD25を表すデータを更に含む。切り換えオブジェクトD25は、承諾情報処理装置2の表示部23における表示態様を切り替えるためのオブジェクトである。
【0058】
その結果、ステップS120では、各承諾情報処理装置2の処理部27は、表示部23に、
図8の上段に示されるように、第2会議データD2に基づいて、切り換えオブジェクトD25を更にサブリモート会議用の画像として表示する。
【0059】
サブ会議の参加者は、自分の承諾情報処理装置2の表示画面を、他の承諾情報処理装置2の表示画面に表示させたい場合がある。この場合、サブリモート会議の参加者は、自分の承諾情報処理装置2の入力部25で、表示部23に表示されている切り換えオブジェクトD25を指定する。ステップS302では、処理部27は、切り換えオブジェクトD25の指定に応じて、切り換えリクエストを生成する。切り換えリクエストは、サブリモート会議の内容を表す画像を切り替えるコマンドである。本変形例では、切り換えリクエストは、ある承諾情報処理装置2の表示部23の表示画面D26を、他の承諾情報処理装置2の表示部23に切り換えさせるためのコマンドである。通信部26は、切り換えリクエストを、通信ネットワーク3を通じて会議制御装置1に送信する。
【0060】
ステップS303では、会議制御装置1の処理部12は、切り換えリクエストを、通信部11を通じて受信する。なお、実施形態でも説明したように、ステップS113からS120の処理は、サブ会議終了オブジェクトD22が入力部25により指定されるまでの間、繰り返し実行される。即ち、会議制御装置1は、切り換えリクエストの受信後にも、ステップS118を繰り返し実行する。
【0061】
処理部12は、切り換えリクエストを受信したことに応じて、その後のステップS118において、
図8の下段に示されるように、表示画面D26を含む第2会議データD2を生成する。その結果、ステップS120では、各承諾情報処理装置2の処理部27は、表示部23に、
図8の下段に示されるように、第2会議データD2に基づいて、表示画面D26を更にサブリモート会議用の画像として表示する。これにより、サブリモート会議がスムーズに進行する。
【0062】
以上、図面を参照して本開示の実施形態について説明した。ただし、本開示は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0063】
また、図面は、開示の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0064】
(1)実施形態では、処理部12は、合成音声において、第2音声D23の音量を、第1音声D13の音量よりも大きくする。このような合成音声は、リモート会議システム100の初期設定であればよい。即ち、リモート会議システム100の動作中に、情報処理装置2からのリクエストや会議制御装置1の管理者による設定により、処理部12は、第1音声D13の音量と、第2音声D23の音量との大小関係を変更してもよい。即ち、第2会議データD2は、リモート会議の内容と、サブリモート会議の内容とを画像及び音声により表していればよい。この場合にも、サブリモート会議の参加者は、第2会議データD2によりサブリモート会議の間にもリモート会議の内容を理解できているため、リモート会議に復帰し易い。
【0065】
(2)実施形態では、処理部12は、リモート会議用の画像とサブリモート会議の画像とが横並びで表示部23において表示されるように第2会議データD2を生成していた(
図5参照)。しかし、これに限らず、表示部23では、リモート会議用の画像は、サブリモート会議の画像の右側に表示されてもよい。他にも、表示部23では、リモート会議用の画像と、サブリモート会議の画像とはピクチャインピクチャで表示されてもよい。また、リモート会議用の画像と、サブリモート会議の画像との大小関係は適宜定められればよい。
【0066】
(3)第1変形例では、処理部12は、表示部23に文字列D24が表示されるように第2会議データD2を生成していた。しかし、これに限らず、リモート会議システム100の動作中に、情報処理装置2からのリクエストや会議制御装置1の管理者による設定により、処理部12は、文字列D24の表示及び非表示を変更してもよい。
【0067】
(4)実施形態では、
図4Aと
図4Bとに示される各ステップは、会議制御プログラム131に規定されるとして説明した。しかし、周知の通り、会議制御装置1は、OS(Operating System)を記憶部13に記憶している。OSは、会議制御装置1の通信部11を通じたデータ通信を制御する。従って、
図4Aと
図4BにおけるステップS104等のステップは、会議制御プログラム131に必須のステップではないことには注意を要する。
【0068】
(5)第1変形例では、処理部12は、第2音声D23の音量が第1音声D13の音量よりも大きい合成音声を情報処理装置2から出力させるとともに、文字列D24を情報処理装置2に表示させていた。しかし、これに限らず、処理部12は、第2音声D23の音量が第1音声D13の音量よりも大きい合成音声を情報処理装置2から出力させずに、文字列D24を情報処理装置2に表示させるだけでもよい。
【0069】
(6)実施形態では、会議制御装置1は、通信ネットワーク3に接続されたサーバ装置であった。しかし、これに限らず、複数の情報処理装置2の一台が会議制御装置1として機能し、他の情報処理装置2とのリモート会議を制御してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本開示は、インターネットを通じたリモート会議システム又はテレビ会議システムに適用できる。
【符号の説明】
【0071】
100 システム
1 会議制御装置
11 通信部
12 処理部
13 記憶部
2 情報処理装置
21 撮像部
22 音声入力部
23 表示部
24 音声出力部
25 入力部
26 通信部
27 処理部
28 記憶部
131 会議制御プログラム