(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177906
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20231207BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090873
(22)【出願日】2022-06-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-10
(71)【出願人】
【識別番号】505024431
【氏名又は名称】株式会社ブイキューブ
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】武井 祐一
(72)【発明者】
【氏名】内藤 高史
(72)【発明者】
【氏名】平井 建丸
(72)【発明者】
【氏名】大城 わかな
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】所定の事案が発生している状況において、事案に対処するためのリソースを効率的に割り当てる情報処理装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置1は、一又は複数の事案の位置を含む事案情報と、一又は複数の事案に対処するための一又は複数のリソースを識別可能な識別情報を含むリソース情報と、を取得する取得部と、管理端末に、一又は複数の事案の事案情報と、一又は複数のリソースのリソース情報と、を表示させる第1表示制御部と、管理端末において、一又は複数の事案のうちいずれかの事案である対象事案と、一又は複数のリソースのうち対象事案に割り当てるリソースである対象リソースと、の選択を受け付ける受付部と、対象リソースに関連付けられた現場端末に、対象事案以外の事案情報を表示させることなく、又は対象事案以外の事案情報と異なる態様で、対象事案の事案情報を表示させる第2表示制御部と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数の事案の位置を含む事案情報と、前記一又は複数の事案に対処するための一又は複数のリソースを識別可能な識別情報を含むリソース情報と、を取得する取得部と、
管理端末に、前記一又は複数の事案の前記事案情報と、前記一又は複数のリソースの前記リソース情報と、を表示させる第1表示制御部と、
前記管理端末において、前記一又は複数の事案のうちいずれかの事案である対象事案と、前記一又は複数のリソースのうち前記対象事案に割り当てるリソースである対象リソースと、の選択を受け付ける受付部と、
前記対象リソースに関連付けられた現場端末に、前記対象事案以外の前記事案情報を表示させることなく、又は前記対象事案以外の前記事案情報と異なる態様で、前記対象事案の前記事案情報を表示させる第2表示制御部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記第1表示制御部は、前記管理端末に、前記一又は複数の事案それぞれの位置と、前記一又は複数のリソースそれぞれの位置と、を地図上で表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1表示制御部は、前記管理端末に、前記対象事案の位置と、前記対象事案に割り当てられた前記対象リソースの位置と、を地図上で関連付けて表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記事案情報及び前記リソース情報の関係に基づいて、前記一又は複数のリソースそれぞれを事案に割り当てるための優先度を決定する決定部をさらに有し、
前記第1表示制御部は、前記一又は複数のリソースそれぞれの前記優先度に対応する情報を、前記管理端末に表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記一又は複数のリソースそれぞれに対して、当該リソースの位置が事案の位置に近いほど前記優先度を高くし、当該リソースの位置が事案の位置から遠いほど前記優先度を低くする、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決定部は、前記一又は複数のリソースそれぞれに対して、当該リソースの属性が事案の内容に関連する場合の前記優先度を、当該リソースの属性が事案の内容に関連しない場合の前記優先度よりも高くする、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記管理端末又は前記現場端末において通話を開始するための操作が行われたことを条件として、前記現場端末と、前記管理端末と、の間で通話を開始させる通話制御部をさらに有する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記受付部は、前記管理端末において、通話先とする前記対象事案の選択を受け付け、
前記通話制御部は、通話先として選択された前記対象事案に割り当てられた前記対象リソースに関連付けられた前記現場端末と、前記管理端末と、の間で通話を開始させる、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記受付部は、前記管理端末において、地図上で通話先とする範囲の選択を受け付け、
前記通話制御部は、通話先として選択された前記範囲内にあるリソースに関連付けられた前記現場端末と、前記管理端末と、の間で通話を開始させる、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記現場端末において通話を開始するための操作が行われたことを条件として、前記対象事案に割り当てられた複数の前記対象リソースに関連付けられた複数の前記現場端末の間で通話を開始させる通話制御部をさらに有する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記受付部は、前記現場端末において、データの入力を受け付け、
前記第1表示制御部は、前記管理端末に、前記データと、前記現場端末に関連付けられた前記対象リソースが割り当てられた前記対象事案と、を関連付けて表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記受付部は、前記管理端末において、地図上で経路の指定を受け付け、
前記第1表示制御部は、前記管理端末に、前記経路を表示させ、
前記第2表示制御部は、前記現場端末に、前記経路を表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記第1表示制御部は、前記管理端末において前記経路の表示を開始してから所定時間経過後に、前記現場端末における前記経路の表示を維持したまま、前記管理端末に表示された前記経路を消去する、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記受付部は、前記管理端末において、期間の指定を受け付け、
前記第1表示制御部は、前記管理端末に、指定された前記期間に発生した前記一又は複数の事案の前記事案情報と、指定された前記期間に発生した前記一又は複数の事案に割り当てられた前記一又は複数のリソースの前記リソース情報と、を表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項15】
プロセッサが実行する、
一又は複数の事案の位置を含む事案情報と、前記一又は複数の事案に対処するための一又は複数のリソースを識別可能な識別情報を含むリソース情報と、を取得するステップと、
管理端末に、前記一又は複数の事案の前記事案情報と、前記一又は複数のリソースの前記リソース情報と、を表示させるステップと、
前記管理端末において、前記一又は複数の事案のうちいずれかの事案である対象事案と、前記一又は複数のリソースのうち前記対象事案に割り当てるリソースである対象リソースと、の選択を受け付けるステップと、
前記対象リソースに関連付けられた現場端末に、前記対象事案以外の前記事案情報を表示させることなく、又は前記対象事案以外の前記事案情報と異なる態様で、前記対象事案の前記事案情報を表示させるステップと、
を有する、情報処理方法。
【請求項16】
プロセッサに、
一又は複数の事案の位置を含む事案情報と、前記一又は複数の事案に対処するための一又は複数のリソースを識別可能な識別情報を含むリソース情報と、を取得するステップと、
管理端末に、前記一又は複数の事案の前記事案情報と、前記一又は複数のリソースの前記リソース情報と、を表示させるステップと、
前記管理端末において、前記一又は複数の事案のうちいずれかの事案である対象事案と、前記一又は複数のリソースのうち前記対象事案に割り当てるリソースである対象リソースと、の選択を受け付けるステップと、
前記対象リソースに関連付けられた現場端末に、前記対象事案以外の前記事案情報を表示させることなく、又は前記対象事案以外の前記事案情報と異なる態様で、前記対象事案の前記事案情報を表示させるステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発生した事案に対してリソースを割り当てるための情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、所定の事案が発生した位置に出動させる候補となる複数人の担当者のリストを出力し、オペレータにより選択された担当者の携帯電話に発呼し、担当者が携帯電話上で所定の応答を行うことによって当該担当者を当該事案の担当者として決定するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたシステムでは、例えば複数の事案が発生している状況において、オペレータは複数の事案及び複数の担当者を同時に把握することが難しいため、事案に対して担当者等のリソースを割り当てることが容易ではなかった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、所定の事案が発生している状況において、事案に対処するためのリソースを効率的に割り当てられるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、一又は複数の事案の位置を含む事案情報と、前記一又は複数の事案に対処するための一又は複数のリソースを識別可能な識別情報を含むリソース情報と、を取得する取得部と、管理端末に、前記一又は複数の事案の前記事案情報と、前記一又は複数のリソースの前記リソース情報と、を表示させる第1表示制御部と、前記管理端末において、前記一又は複数の事案のうちいずれかの事案である対象事案と、前記一又は複数のリソースのうち前記対象事案に割り当てるリソースである対象リソースと、の選択を受け付ける受付部と、前記対象リソースに関連付けられた現場端末に、前記対象事案以外の前記事案情報を表示させることなく、又は前記対象事案以外の前記事案情報と異なる態様で、前記対象事案の前記事案情報を表示させる第2表示制御部と、を有する。
【0007】
前記第1表示制御部は、前記管理端末に、前記一又は複数の事案それぞれの位置と、前記一又は複数のリソースそれぞれの位置と、を地図上で表示させてもよい。
【0008】
前記第1表示制御部は、前記管理端末に、前記対象事案の位置と、前記対象事案に割り当てられた前記対象リソースの位置と、を地図上で関連付けて表示させてもよい。
【0009】
前記情報処理装置は、前記事案情報及び前記リソース情報の関係に基づいて、前記一又は複数のリソースそれぞれを事案に割り当てるための優先度を決定する決定部をさらに有し、前記第1表示制御部は、前記一又は複数のリソースそれぞれの前記優先度に対応する情報を、前記管理端末に表示させてもよい。
【0010】
前記決定部は、前記一又は複数のリソースそれぞれに対して、当該リソースの位置が事案の位置に近いほど前記優先度を高くし、当該リソースの位置が事案の位置から遠いほど前記優先度を低くしてもよい。
【0011】
前記決定部は、前記一又は複数のリソースそれぞれに対して、当該リソースの属性が事案の内容に関連する場合の前記優先度を、当該リソースの属性が事案の内容に関連しない場合の前記優先度よりも高くしてもよい。
【0012】
前記情報処理装置は、前記管理端末又は前記現場端末において通話を開始するための操作が行われたことを条件として、前記現場端末と、前記管理端末と、の間で通話を開始させる通話制御部をさらに有してもよい。
【0013】
前記受付部は、前記管理端末において、通話先とする前記対象事案の選択を受け付け、前記通話制御部は、通話先として選択された前記対象事案に割り当てられた前記対象リソースに関連付けられた前記現場端末と、前記管理端末と、の間で通話を開始させてもよい。
【0014】
前記受付部は、前記管理端末において、地図上で通話先とする範囲の選択を受け付け、前記通話制御部は、通話先として選択された前記範囲内にあるリソースに関連付けられた前記現場端末と、前記管理端末と、の間で通話を開始させてもよい。
【0015】
前記情報処理装置は、前記現場端末において通話を開始するための操作が行われたことを条件として、前記対象事案に割り当てられた複数の前記対象リソースに関連付けられた複数の前記現場端末の間で通話を開始させる通話制御部をさらに有してもよい。
【0016】
前記受付部は、前記現場端末において、データの入力を受け付け、前記第1表示制御部は、前記管理端末に、前記データと、前記現場端末に関連付けられた前記対象リソースが割り当てられた前記対象事案と、を関連付けて表示させてもよい。
【0017】
前記受付部は、前記管理端末において、地図上で経路の指定を受け付け、前記第1表示制御部は、前記管理端末に、前記経路を表示させ、前記第2表示制御部は、前記現場端末に、前記経路を表示させてもよい。
【0018】
前記第1表示制御部は、前記管理端末に前記経路の表示を開始してから所定時間経過後に、前記現場端末における前記経路の表示を維持したまま、前記管理端末に表示された前記経路を消去してもよい。
【0019】
前記受付部は、前記管理端末において、期間の指定を受け付け、前記第1表示制御部は、前記管理端末に、指定された前記期間に発生した前記一又は複数の事案の前記事案情報と、指定された前記期間に発生した前記一又は複数の事案に割り当てられた前記一又は複数のリソースの前記リソース情報と、を表示させてもよい。
【0020】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、一又は複数の事案の位置を含む事案情報と、前記一又は複数の事案に対処するための一又は複数のリソースを識別可能な識別情報を含むリソース情報と、を取得するステップと、管理端末に、前記一又は複数の事案の前記事案情報と、前記一又は複数のリソースの前記リソース情報と、を表示させるステップと、前記管理端末において、前記一又は複数の事案のうちいずれかの事案である対象事案と、前記一又は複数のリソースのうち前記対象事案に割り当てるリソースである対象リソースと、の選択を受け付けるステップと、前記対象リソースに関連付けられた現場端末に、前記対象事案以外の前記事案情報を表示させることなく、又は前記対象事案以外の前記事案情報と異なる態様で、前記対象事案の前記事案情報を表示させるステップと、を有する。
【0021】
本発明の第3の態様のプログラムは、プロセッサに、一又は複数の事案の位置を含む事案情報と、前記一又は複数の事案に対処するための一又は複数のリソースを識別可能な識別情報を含むリソース情報と、を取得するステップと、管理端末に、前記一又は複数の事案の前記事案情報と、前記一又は複数のリソースの前記リソース情報と、を表示させるステップと、前記管理端末において、前記一又は複数の事案のうちいずれかの事案である対象事案と、前記一又は複数のリソースのうち前記対象事案に割り当てるリソースである対象リソースと、の選択を受け付けるステップと、前記対象リソースに関連付けられた現場端末に、前記対象事案以外の前記事案情報を表示させることなく、又は前記対象事案以外の前記事案情報と異なる態様で、前記対象事案の前記事案情報を表示させるステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、所定の事案が発生している状況において、事案に対処するためのリソースを効率的に割り当てられるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図3】管理端末において事案情報を表示する画面の例を示す図である。
【
図4】管理端末において事案情報を表示する画面の例を示す図である。
【
図5】現場端末において事案情報を表示する画面の例を示す図である。
【
図6】対象事案に対象リソースが割り当てられた後の画面の例を示す図である。
【
図7】地図上で通話先とする範囲の選択を受け付ける方法を説明するための模式図である。
【
図8】情報処理システムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図9】管理端末において指定された経路を現場端末に共有する方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を示す図である。情報処理システムSは、所定の事案に関する情報を管理するためのシステムである。
図1に示す例において、情報処理システムSは、情報処理装置1と、管理端末2と、複数の現場端末3と、を備える。情報処理装置1、管理端末2及び複数の現場端末3は、インターネットやローカルエリアネットワーク等のネットワークNを介して通信可能である。
【0025】
情報処理装置1は、所定の事案に関する情報を管理するためのコンピュータである。情報処理装置1が対象とする事案は、特定の地理的な位置において発生した事故、災害、事件等の事象であり、当該位置(例えば、座標又は住所)に関連付けられている。情報処理装置1は、事案に関する情報を管理端末2及び現場端末3に表示させたり、管理端末2からの指示に応じて事案に対処するためのリソースを割り当てたりする。情報処理装置1の詳細については後述する。
【0026】
管理端末2は、管理者が使用する通信端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末又はスマートフォンである。管理者は、例えば、事案への対処を管轄する本部において、事案に対処するためのリソースを管理する人間である。管理端末2は、タッチパネル等の操作部と、液晶ディスプレイ等の表示部と、マイクロフォンやスピーカ等の音声入出力部と、を有する。管理端末2は、例えば、情報処理装置1から受信した事案に関する情報を表示する。また、管理端末2は、例えば、管理者による操作に応じて、事案に割り当てるリソースの選択を受け付ける。
【0027】
現場端末3は、現場において事案に対処するためのリソースに関連付けられた通信端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末又はスマートフォンである。リソースは、例えば、事案に対処する人間(担当者等)、又は事案に対処するために用いられる装置(車両等)である。現場端末3を使用するユーザは、例えば、事案に対処する人間、又は事案に対処するために用いられる装置を使用する人間である。
【0028】
現場端末3は、タッチパネル等の操作部と、液晶ディスプレイ等の表示部と、撮像素子等の撮像部と、マイクロフォンやスピーカ等の音声入出力部と、を有する。現場端末3は、例えば、情報処理装置1から受信した事案に関する情報を表示する。また、現場端末3は、例えば、ユーザによる操作に応じて、事案に関する画像やメモ等のデータを情報処理装置1に送信する。
【0029】
本実施形態に係る情報処理システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。情報処理装置1は、管理端末2に、一又は複数の事案に関する事案情報と、一又は複数のリソースに関するリソース情報と、を表示させる。事案情報は、例えば、事案の位置(座標、住所等)を含む。リソース情報は、例えば、リソースを識別可能な識別情報(名称、ID等)を含む。
【0030】
情報処理装置1は、管理端末2において、リソースを割り当てる事案である対象事案と、対象事案に割り当てるリソースである対象リソースと、の選択を受け付ける。情報処理装置1は、対象リソースに関連付けられた現場端末3に、対象事案以外の事案情報を表示させることなく、又は対象事案以外の事案情報と異なる態様で、対象事案の事案情報を表示させる。
【0031】
これにより、情報処理システムSは、管理者に対して、管理端末2上で一又は複数の事案及び一又は複数のリソースを俯瞰させることにより、事案へのリソースの割り当てを効率化することができる。また、情報処理システムSは、現場端末3のユーザに対して、当該現場端末3に関連付けられたリソースが割り当てられた事案を容易に認識できるようにすることにより、事案への対処を円滑化することができる。
【0032】
[情報処理装置1の概要]
図2は、情報処理装置1の構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。制御部13は、取得部131と、決定部132と、第1表示制御部133と、受付部134と、抽出部135と、第2表示制御部136と、通話制御部137と、を有する。
【0033】
通信部11は、ネットワークNを介して各種のデータを送受信するための通信コントローラを有する。通信部11は、例えば、管理端末2又は現場端末3から受信したデータを受付部134に通知する。また、通信部11は、例えば、第1表示制御部133から通知されたデータを管理端末2に送信し、第2表示制御部136から通知されたデータを現場端末3に送信する。
【0034】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。また、記憶部12は、事案に関する事案情報と、リソースに関するリソース情報と、を予め記憶している。事案情報は、例えば、人間によって手作業で入力され、又は外部のシステムによって自動的に入力されることにより、記憶部12に予め記憶されている。事案情報は、例えば、事案の位置(座標、住所等)と、事案の内容(事故、災害、事件等)と、事案の状態(未割り当て、対応中、対応完了等)と、事案の発生日時と、を含む情報である。また、事案情報は、事案に関するその他の情報を含んでもよい。
【0035】
リソース情報は、例えば、人間によって手作業で入力され、又は外部のシステムによって自動的に入力されることにより、記憶部12に予め記憶されている。リソース情報は、例えば、リソースを識別可能な識別情報(名称、ID等)と、リソースの位置(座標、住所等)と、リソースの状態(待機中、出動中等)と、を含む情報である。リソースの位置は、例えば、リソースに関連付けられた現場端末3においてGPS(Global Positioning System)等を用いて所定の時間間隔で特定され、逐次更新される。
【0036】
また、リソース情報は、リソースの属性を含んでもよい。リソースの属性は、例えば、リソースが所属する組織(公的機関、民間組織等)、人間であるリソースの役割(消防、医療、運搬等)や、車両であるリソースの種類(消防車両、救急車両又は運搬車両)等を示す情報である。また、リソース情報は、リソースに関するその他の情報を含んでもよい。
【0037】
また、記憶部12は、リソースと、当該リソースである人間が使用する現場端末3又は当該リソースである装置に設備された現場端末3と、を関連付けた端末情報を予め記憶している。また、記憶部12は、事案に割り当てられた一又は複数のリソースを示す割当情報を記憶する。また、記憶部12は、事案に対して入力されたデータ(画像データ、文字列データ等)を記憶する。
【0038】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを有する。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部131、決定部132、第1表示制御部133、受付部134、抽出部135、第2表示制御部136及び通話制御部137として機能する。取得部131、決定部132、第1表示制御部133、受付部134、抽出部135、第2表示制御部136及び通話制御部137の詳細は後述する。
【0039】
[制御部13の構成]
続いて、制御部13の構成及び機能を詳細に説明する。取得部131は、記憶部12から、一又は複数の事案に関する事案情報を取得する。また、取得部131は、記憶部12から、一又は複数のリソースに関するリソース情報を取得する。
【0040】
決定部132は、取得部131が取得した事案情報及びリソース情報の関係に基づいて、一又は複数のリソースそれぞれを事案に割り当てるための優先度を決定する。例えば、事案に対するリソースの優先度が高いほど当該リソースを当該事案に割り当てることが推奨される程度が高く、事案に対するリソースの優先度が低いほど当該リソースを当該事案に割り当てることが推奨される程度が低い。
【0041】
決定部132は、例えば、取得部131が取得した事案情報及びリソース情報に基づいて、一又は複数のリソースそれぞれに対して、当該リソースの位置が事案の位置に近いほど優先度を高くし、当該リソースの位置が事案の位置から遠いほど優先度を低くする。これにより、情報処理装置1は、事案の位置により早く到達することが期待されるリソースを、管理者に対して提案することができる。
【0042】
また、決定部132は、例えば、取得部131が取得した事案情報及びリソース情報に基づいて、一又は複数のリソースそれぞれに対して、当該リソースの属性が事案の内容に関連する場合の優先度を、当該リソースの属性が事案の内容に関連しない場合の優先度よりも高くする。この場合に、決定部132は、例えば、記憶部12に予め記憶されたリソースの属性と事案の内容との関係性を示すテーブルに基づいて、リソースの属性が事案の内容に関連するか否かを判定する。
【0043】
決定部132は、例えば、事案の内容が火事である場合に、消防の役割を有する人間であるリソース及び消防車両であるリソースの優先度を、その他のリソースの優先度よりも高くする。これにより、情報処理装置1は、事案の内容に関連するリソースを、管理者に対して提案することができる。
【0044】
第1表示制御部133は、管理端末2に、一又は複数の事案の事案情報と、一又は複数のリソースのリソース情報と、を表示させる。第1表示制御部133は、例えば、事案情報及びリソース情報を、ネットワークNを介して管理端末2に繰り返し送信する。第1表示制御部133は、事案情報及びリソース情報を同時に送信してもよく、異なるタイミングで送信してもよい。また、第1表示制御部133は、決定部132が決定した一又は複数のリソースそれぞれの優先度に対応する情報を、管理端末2に表示させてもよい。また、第1表示制御部133は、一又は複数の事案それぞれの割当情報を、管理端末2に表示させてもよい。
【0045】
図3、
図4は、管理端末2において事案情報を表示する画面Aの例を示す図である。管理端末2は、例えば、情報処理装置1から事案情報及びリソース情報を受信したことを条件として、
図3の画面Aを表示部上に表示する。
【0046】
第1表示制御部133は、例えば、地図上において、一又は複数の事案それぞれの位置を示すアイコンA1と、一又は複数のリソースそれぞれの位置を示すアイコンA2と、を表示させる。これにより、情報処理装置1は、管理者が事案の位置及びリソースの位置を俯瞰することを可能にし、管理者が事案の位置に近いリソースを割り当てやすくすることができる。
【0047】
第1表示制御部133は、例えば、事案の状態(未割り当て、対応中、対応完了等)ごとに異なる表示態様(色、模様、大きさ、形状等)で、アイコンA1を表示させる。
図3の例では、未割り当ての事案のアイコンA1が白色で表され、対応中の事案のアイコンA1が網掛けで表されている。これにより、情報処理装置1は、管理者に各事案の状態を地図上で容易に把握させることができる。
【0048】
管理者は、一又は複数の事案のアイコンA1から、いずれかの事案のアイコンA1を選択する。第1表示制御部133は、管理者が一又は複数の事案のうちいずれかの事案のアイコンA1が選択したことを条件として、選択された事案である対象事案の事案情報A3を表示する。事案情報A3は、例えば、対象事案の状態と、対象事案の内容と、対象事案の発生日時と、を含む。また、第1表示制御部133は、選択された事案のアイコンA1の表示態様(色、模様、大きさ、形状等)を、その他の事案のアイコンA1の表示態様とは異ならせる。
図3の例では、選択された事案のアイコンA1が二重線で表されている。
【0049】
また、第1表示制御部133は、例えば、対象事案の状態を対応完了にするための対応完了ボタンA4と、対象事案に対してリソースを割り当てるための出動要請ボタンA5と、を画面Aに表示させる。受付部134は、対象事案の対応完了ボタンA4が選択されたことを条件として、記憶部12において対象事案の事案情報が含む事案の状態を対応完了に変更する。
【0050】
第1表示制御部133は、対象事案の出動要請ボタンA5が選択されたことを条件として、
図4に示すリソース選択領域A6を表示させる。リソース選択領域A6は、例えば、一又は複数のリソースの識別情報と、一又は複数のリソースの状態と、を含む。
【0051】
また、第1表示制御部133は、リソース選択領域A6において、決定部132が決定した一又は複数のリソースそれぞれの優先度に対応する情報を表示させる。優先度に対応する情報は、例えば、優先度に対応する記号(
図4の「◎」、「△」、「×」等)である。また、第1表示制御部133は、優先度に応じた順序(例えば、優先度が高い順)で複数のリソースを表示させてもよい。これにより、情報処理装置1は、リソースごとに事案に割り当てることが推奨される程度を管理者に把握させ、管理者が事案により適したリソースを割り当てやすくすることができる。
【0052】
管理者は、リソース選択領域A6が含む一又は複数のリソースから、対象事案に割り当てるリソースである対象リソースを選択する。管理者は、複数の対象リソースを選択してもよい。
【0053】
受付部134は、管理端末2における管理者による操作に応じて、一又は複数の事案のうちいずれかの事案である対象事案と、一又は複数のリソースのうち対象事案に割り当てるリソースである対象リソースと、の選択を受け付ける。受付部134が複数の対象リソースを受け付けた場合には、情報処理装置1は複数の対象リソースそれぞれに対して以降の処理を行う。受付部134は、対象事案と、当該対象事案に割り当てられた一又は複数の対象リソースと、対象リソースが割り当てられた割当日時と、を関連付けた割当情報を、記憶部12に記憶させる。
【0054】
抽出部135は、対象リソースが対象事案に割り当てられたことを条件として、受付部134が受け付けた対象リソースに関連付けられた現場端末3を抽出する。抽出部135は、例えば、記憶部12に予め記憶された端末情報に基づいて、対象リソースである人間が使用する現場端末3又は対象リソースである装置に設備された現場端末3を抽出する。
【0055】
第2表示制御部136は、抽出部135が抽出した現場端末3に、対象事案以外の事案情報を表示させることなく、又は対象事案以外の事案情報と異なる態様で、対象事案の事案情報を表示させる。第2表示制御部136は、例えば、対象事案以外の事案情報を送信することなく、対象事案の事案情報を、ネットワークNを介して現場端末3に送信する。別の方法として、第2表示制御部136は、例えば、対象事案の事案情報及び対象事案以外の事案情報とともに、対象事案の事案情報及び対象事案以外の事案情報の表示態様を異ならせる表示情報を、ネットワークNを介して現場端末3に送信してもよい。また、第2表示制御部136は、対象事案の割当情報を、現場端末3に表示させてもよい。
【0056】
図5は、現場端末3において事案情報を表示する画面Bの例を示す図である。現場端末3は、例えば、情報処理装置1から事案情報を受信したことを条件として、
図5の画面Bを表示部上に表示する。
【0057】
第2表示制御部136は、例えば、地図上において、現場端末3に関連付けられた対象リソースが割り当てられた対象事案の位置を示すアイコンB1を表示させる。第2表示制御部136は、画面Bにおいて、対象事案以外の事案のアイコンB1を表示させることなく、対象事案のアイコンB1を表示させる。別の方法として、第2表示制御部136は、画面Bにおいて、対象事案のアイコンB1の表示態様(色、模様、大きさ、形状等)と、対象事案以外の事案のアイコンB1の表示態様と、を異ならせてもよい。これにより、情報処理装置1は、現場端末3のユーザに対して、現場端末3上で対象リソースが割り当てられた事案を容易に認識させることができる。
【0058】
また、第2表示制御部136は、対象事案の事案情報B2と、対象事案に割り当てられた一又は複数の対象リソースを示す割当情報B3と、を画面Bに表示させる。事案情報B2は、例えば、対象事案の状態と、対象事案の内容と、対象事案の発生日時と、を含む。割当情報B3は、対象事案に割り当てられた一又は複数の対象リソースの識別情報を含む。
【0059】
また、第2表示制御部136は、地図上において、対象事案の位置を基準として所定範囲内(例えば、半径500メートル以内)の道路の通行可否を表示させてもよい。この場合に、受付部134は、例えば、管理端末2において道路の通行可否を示す情報の入力を受け付け、又は外部のシステムから道路の通行可否を示す情報を受信する。第2表示制御部136は、受付部134が受け付けた道路の通行可否を示す情報に基づいて、地図上で対象事案周辺の道路の通行可否を表示させる。これにより、情報処理装置1は、現場端末3のユーザが速やかに対象事案の位置に到達することを支援することができる。
【0060】
また、第2表示制御部136は、例えば、対象事案に関する画像を追加するための画像追加ボタンB4と、対象事案に関するメモを追加するためのメモ追加ボタンB5と、管理端末2及び他の現場端末3との間で通話を開始するための通話開始ボタンB6と、を画面Bに表示させる。
【0061】
受付部134は、画像追加ボタンB4が選択されたことを条件として、対象事案に対して画像データの入力を受け付ける。受付部134は、例えば、ユーザが現場端末3の撮像部を用いて撮像をすることによって生成された画像データ、又はユーザが現場端末3の記憶部から選択した画像データを受け付ける。
【0062】
受付部134は、メモ追加ボタンB5が選択されたことを条件として、対象事案に対して文字列データの入力を受け付ける。受付部134は、例えば、ユーザが現場端末3の操作部を用いて入力したメモを、文字列データとして受け付ける。受付部134は、現場端末3において受け付けた画像データ又は文字列データを、対象事案と関連付けて記憶部12に記憶させる。また、第2表示制御部136は、現場端末3において受け付けた画像データ又は文字列データを、画面Bに表示させる。
【0063】
通話制御部137は、通話開始ボタンB6が選択されたことを条件として、管理端末2と、対象事案に割り当てられた一又は複数の対象リソースに関連付けられた一又は複数の現場端末3と、の間で通話を開始させる。通話制御部137は、例えば、通話を実行する外部のシステムに対して通話の開始要求を送信することにより、管理端末2と一又は複数の現場端末3との間の通話を実行させてもよい。また、通話制御部137は、管理端末2と一又は複数の現場端末3との間で送受信される音声データを中継することにより、通話を実行してもよい。これにより、情報処理装置1は、管理端末2と、対象事案に関する現場端末3との間で容易に通話を開始させることができ、管理者と現場との間のコミュニケーションを円滑化することができる。
【0064】
第1表示制御部133は、一又は複数の事案それぞれの事案情報を管理端末2に繰り返し送信することにより、画面Aを逐次更新させる。また、第1表示制御部133は、一又は複数の事案それぞれに関連付けて記憶部12に記憶された割当情報、画像データ及び文字列データを、管理端末2に送信する。
【0065】
図6は、対象事案に対象リソースが割り当てられた後の画面Aの例を示す図である。第1表示制御部133は、対象事案の位置を示すアイコンA1と、対象事案に割り当てられた対象リソースの位置を示すアイコンA2と、を地図上で関連付けて表示させる。
図6の例では、第1表示制御部133は、対象事案の位置を示すアイコンA1と、対象事案に割り当てられた対象リソースの位置を示すアイコンA2と、を破線で結ぶことによりそれらを関連付けている。また、第1表示制御部133は、対象事案の位置を示すアイコンA1と、対象事案に割り当てられた対象リソースの位置を示すアイコンA2と、を同じ色や模様にすることによりそれらを関連付けてもよい。これにより、情報処理装置1は、管理者に対して対象事案に割り当てられた対象リソースを地図上で容易に把握させることができる。
【0066】
管理者は、一又は複数の事案のアイコンA1から、いずれかの事案のアイコンA1を選択する。第1表示制御部133は、管理者が一又は複数の事案のうちいずれかの事案のアイコンA1が選択したことを条件として、選択された事案である対象事案に割り当てられた一又は複数の対象リソースを示す割当情報A7を画面Aに表示させる。割当情報A7は、対象事案に割り当てられた一又は複数の対象リソースの識別情報を含む。
【0067】
また、第1表示制御部133は、対象事案と、対象事案に対して入力された画像データA8と、対象事案に対して入力された文字列データA9と、を関連付けて画面Aに表示させる。これにより、情報処理装置1は、現場端末3において対象事案に対して入力されたデータを管理端末2に提示し、管理者に対して対象事案の状況を容易に把握させることができる。
【0068】
また、第2表示制御部136は、例えば、現場端末3との間で通話を開始するための通話開始ボタンA10を画面Aに表示させる。通話制御部137は、通話先とする対象事案の通話開始ボタンA10が選択されたことを条件として、管理端末2と、対象事案に割り当てられた一又は複数の対象リソースに関連付けられた一又は複数の現場端末3と、の間で通話を開始させる。通話制御部137は、例えば、通話を実行する外部のシステムに対して通話の開始要求を送信することにより、管理端末2と一又は複数の現場端末3との間の通話を実行させてもよい。また、通話制御部137は、管理端末2と一又は複数の現場端末3との間で送受信される音声データを中継することにより、通話を実行してもよい。これにより、情報処理装置1は、管理端末2と、対象事案に関する現場端末3との間で容易に通話を開始させることができ、管理者と現場との間のコミュニケーションを円滑化することができる。
【0069】
また、通話制御部137は、管理端末2と、地図上で選択された範囲内のリソースに対応する現場端末3と、の間で通話を開始させてもよい。
図7は、地図上で通話先とする範囲の選択を受け付ける方法を説明するための模式図である。
【0070】
受付部134は、管理端末2において、画面Aに表示された地図上で、通話先とする範囲A11の選択を受け付ける。受付部134は、例えば、管理者が管理端末2の操作部を用いて指定した円形や矩形等の領域を、範囲A11として受け付ける。
【0071】
通話制御部137は、リソース情報が含むリソースの位置に基づいて、選択された範囲A11内にある一又は複数のリソースを抽出する。通話制御部137は、抽出した一又は複数のリソースに関連付けられた一又は複数の現場端末3と、管理端末2と、の間で通話を開始させる。これにより、情報処理装置1は、管理者が通話先とする現場端末3を選択しやすくできる。
【0072】
また、通話制御部137は、対象リソースの属性に基づいて、管理端末2との間で通話を可能とする現場端末3を選択してもよい。通話制御部137は、例えば、一又は複数の現場端末3のうち、特定の属性(所属が公的機関であること等)を有する対象リソースに関連付けられた現場端末3と、管理端末2と、の間で通話を開始させる。通話を可能とする対象リソースの属性は、記憶部12に予め記憶されていてもよく、管理端末2において指定されてもよい。これにより、情報処理装置1は、管理端末2との間で通話を可能とする対象リソースを絞り込み、情報共有のセキュリティを向上させることができる。
【0073】
[情報処理システムSにおける処理の流れ]
図8は、情報処理システムSにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。情報処理装置1において、取得部131は、記憶部12から、一又は複数の事案に関する事案情報と、一又は複数のリソースに関するリソース情報と、を取得する(S11)。決定部132は、取得部131が取得した事案情報及びリソース情報の関係に基づいて、一又は複数のリソースそれぞれを事案に割り当てるための優先度を決定する(S12)。
【0074】
第1表示制御部133は、管理端末2に、一又は複数の事案の事案情報と、一又は複数のリソースのリソース情報と、を表示させる(S13)。また、第1表示制御部133は、決定部132が決定した一又は複数のリソースそれぞれの優先度に対応する情報を、管理端末2に表示させてもよい。
【0075】
管理者は、管理端末2において、一又は複数の事案から選択された事案である対象事案を選択する操作を行うとともに、一又は複数のリソースから対象事案に割り当てるリソースである対象リソースを選択する操作を行う(S14)。
【0076】
情報処理装置1において、受付部134は、管理端末2における管理者による操作に応じて、一又は複数の事案のうちいずれかの事案である対象事案と、一又は複数のリソースのうち対象事案に割り当てるリソースである対象リソースと、の選択を受け付ける。受付部134は、対象事案に割り当てられた一又は複数の対象リソースを示す割当情報を、記憶部12に記憶させる。
【0077】
抽出部135は、対象リソースが対象事案に割り当てられたことを条件として、受付部134が受け付けた対象リソースに関連付けられた現場端末3を抽出する(S15)。第2表示制御部136は、抽出部135が抽出した現場端末3に、対象事案以外の事案情報を表示させることなく、又は対象事案以外の事案情報と異なる態様で、対象事案の事案情報を表示させる(S16)。
【0078】
現場端末3のユーザは、現場端末3において、対象事案に関する画像データ又は文字列データを入力する操作を行う(S17)。情報処理装置1において、受付部134は、例えば、ユーザが現場端末3の撮像部を用いて撮像をすることによって生成された画像データ、又はユーザが現場端末3の記憶部から選択した画像データを受け付ける。また、受付部134は、例えば、ユーザが現場端末3の操作部を用いて入力したメモを、文字列データとして受け付ける。受付部134は、現場端末3において受け付けた画像データ又は文字列データを、対象事案と関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0079】
第1表示制御部133は、一又は複数の事案それぞれに関連付けて記憶部12に記憶された割当情報、画像データ及び文字列データを、管理端末2に表示させる(S18)。
【0080】
管理者又は現場端末3のユーザは、管理端末2又は現場端末3において、管理端末2及び他の現場端末3との間で通話を開始するための操作を行う(S19)。通話制御部137は、管理端末2又は現場端末3において通話を開始するための操作が行われたことを条件として、管理端末2と、対象事案に割り当てられた一又は複数の対象リソースに関連付けられた一又は複数の現場端末3と、の間で通話を開始させる(S20)。
【0081】
[情報処理システムSによる効果]
本実施形態に係る情報処理システムSによれば、情報処理装置1は、管理者に対して、管理端末2上で一又は複数の事案及び一又は複数のリソースを俯瞰させることにより、事案へのリソースの割り当てを効率化することができる。また、情報処理装置1は、現場端末3のユーザに対して、当該現場端末3に関連付けられたリソースが割り当てられた事案を容易に認識できるようにすることにより、事案への対処を円滑化することができる。
【0082】
[第1変形例]
本変形例において、情報処理装置1は、管理端末2において指定された経路を現場端末3に共有することを可能にする。以下、上述の実施形態とは異なる点を主に説明する。
【0083】
図9(a)、
図9(b)は、管理端末2において指定された経路を現場端末3に共有する方法を説明するための模式図である。受付部134は、管理端末2において、画面Aに表示された地図上で、対象事案に関連付けられた経路の指定を受け付ける。受付部134は、例えば、一又は複数の事案のうちいずれかの対象事案が選択された状態で、管理者が管理端末2の操作部を用いて指定した線を、対象事案に関連付けられた経路A12として受け付ける。第1表示制御部133は、管理端末2において、画面Aに表示された地図上で、受付部134が受け付けた経路A12を表示させる
【0084】
第2表示制御部136は、管理端末2において経路を共有するための操作(例えば、
図9(a)に例示した共有ボタンの選択)が行われたことを条件として、現場端末3において、画面Bに表示された地図上で、受付部134が受け付けた経路B7を表示させる。また、第2表示制御部136は、経路B7とともに、GPS等を用いて特定した現場端末3の現在位置を表示してもよい。
【0085】
これにより、情報処理装置1は、管理端末2において指定された経路を現場端末3に共有することを可能にし、対象リソースが対象事案の位置に到達するための指示を管理者が出しやすくすることができる。
【0086】
また、第1表示制御部133は、管理端末2において経路A12の表示を開始してから所定時間(例えば、10分)経過後に、現場端末3における経路B7の表示を維持したまま、管理端末2に表示された経路A12を消去してもよい。管理端末2は複数の事案及び複数のリソースに関する情報を表示するため、管理端末2の表示部には大量の情報が表示される場合がある。情報処理装置1は、所定時間経過後に現場端末3に共有済の経路を消去することにより、管理端末2の表示部に表示された情報の視認性を向上させることができる。一方、情報処理装置1は、所定時間が経過しても現場端末3に表示された経路の表示を維持することにより、対象リソースが対象事案の位置に到達する前に経路が消去される事態を防ぐことができる。
【0087】
[第2変形例]
本変形例において、情報処理装置1は、過去に発生した事案の事案情報及び当該事案に対するリソースの割当情報を表示することを可能にする。以下、上述の実施形態とは異なる点を主に説明する。
【0088】
受付部134は、管理端末2において、表示対象とする事案が発生した期間の指定を受け付ける。受付部134は、例えば、ユーザが指定した開始日時から終了日時までの期間を、表示対象とする事案が発生した期間として受け付ける。
【0089】
第1表示制御部133は、記憶部12から、受付部134が受け付けた期間に発生日時が含まれている一又は複数の事案の事案情報を取得する。また、第1表示制御部133は、記憶部12から、取得した事案情報が示す一又は複数の事案に関連付けられた割当情報を取得する。また、第1表示制御部133は、記憶部12から、取得した割当情報が示す一又は複数のリソース(すなわち、指定された期間に発生した一又は複数の事案に割り当てられた一又は複数のリソース)のリソース情報を取得する。
【0090】
第1表示制御部133は、管理端末2に、指定された期間に発生した一又は複数の事案の事案情報と、指定された期間に発生した一又は複数の事案に割り当てられた一又は複数のリソースのリソース情報と、を表示させる。第1表示制御部133は、例えば、割当日時が古い順に、事案に対して割り当てられた一又は複数のリソースのリソース情報を時系列で表示させる。
【0091】
これにより、情報処理装置1は、管理者が過去に発生した事案に対してリソースが割り当てられた状況を知ることを可能にし、事案への対処の振り返りや、過去に発生した事案に沿った訓練等を容易にすることができる。
【0092】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0093】
S 情報処理システム
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 取得部
132 決定部
133 第1表示制御部
134 受付部
135 抽出部
136 第2表示制御部
137 通話制御部
2 管理端末
3 現場端末
【手続補正書】
【提出日】2023-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数の事案の位置を含む事案情報と、前記一又は複数の事案に対処するための一又は複数のリソースを識別可能な識別情報を含むリソース情報と、を取得する取得部と、
管理端末に、前記一又は複数の事案の前記事案情報と、前記一又は複数のリソースの前記リソース情報と、を表示させる第1表示制御部と、
前記管理端末において、前記一又は複数の事案のうちいずれかの事案である対象事案と、前記一又は複数のリソースのうち前記対象事案に割り当てるリソースである対象リソースと、の選択を受け付ける受付部と、
前記対象リソースに関連付けられた現場端末に、前記対象事案以外の前記事案情報を表示させることなく、又は前記対象事案以外の前記事案情報と異なる態様で、前記対象事案の前記事案情報を表示させる第2表示制御部と、
を有し、
前記第1表示制御部は、前記管理端末において、前記対象事案の位置と、前記対象事案に割り当てられた前記対象リソースの位置と、を地図上で線により結ぶこと又は同じ表示態様にすることにより、互いに関連付けて表示させる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1表示制御部は、前記管理端末に、前記一又は複数の事案それぞれの位置と、前記一又は複数のリソースそれぞれの位置と、を地図上で表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記事案情報及び前記リソース情報の関係に基づいて、前記一又は複数のリソースそれぞれを事案に割り当てるための優先度を決定する決定部をさらに有し、
前記第1表示制御部は、前記一又は複数のリソースそれぞれの前記優先度に対応する情報を、前記管理端末に表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記一又は複数のリソースそれぞれに対して、当該リソースの位置が事案の位置に近いほど前記優先度を高くし、当該リソースの位置が事案の位置から遠いほど前記優先度を低くする、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記一又は複数のリソースそれぞれに対して、当該リソースの属性が事案の内容に関連する場合の前記優先度を、当該リソースの属性が事案の内容に関連しない場合の前記優先度よりも高くする、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記管理端末又は前記現場端末において通話を開始するための操作が行われたことを条件として、前記現場端末と、前記管理端末と、の間で通話を開始させる通話制御部をさらに有する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記受付部は、前記管理端末において、通話先とする前記対象事案の選択を受け付け、
前記通話制御部は、通話先として選択された前記対象事案に割り当てられた前記対象リソースに関連付けられた前記現場端末と、前記管理端末と、の間で通話を開始させる、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記受付部は、前記管理端末において、地図上で通話先とする範囲の選択を受け付け、
前記通話制御部は、通話先として選択された前記範囲内にあるリソースに関連付けられた前記現場端末と、前記管理端末と、の間で通話を開始させる、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記現場端末において通話を開始するための操作が行われたことを条件として、前記対象事案に割り当てられた複数の前記対象リソースに関連付けられた複数の前記現場端末の間で通話を開始させる通話制御部をさらに有する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記受付部は、前記現場端末において、データの入力を受け付け、
前記第1表示制御部は、前記管理端末に、前記データと、前記現場端末に関連付けられた前記対象リソースが割り当てられた前記対象事案と、を関連付けて表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記受付部は、前記管理端末において、地図上で経路の指定を受け付け、
前記第1表示制御部は、前記管理端末に、前記経路を表示させ、
前記第2表示制御部は、前記現場端末に、前記経路を表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第1表示制御部は、前記管理端末において前記経路の表示を開始してから所定時間経過後に、前記現場端末における前記経路の表示を維持したまま、前記管理端末に表示された前記経路を消去する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記受付部は、前記管理端末において、期間の指定を受け付け、
前記第1表示制御部は、前記管理端末に、指定された前記期間に発生した前記一又は複数の事案の前記事案情報と、指定された前記期間に発生した前記一又は複数の事案に割り当てられた前記一又は複数のリソースの前記リソース情報と、を表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項14】
一又は複数の事案の位置を含む事案情報と、前記一又は複数の事案に対処するための一又は複数のリソースを識別可能な識別情報を含むリソース情報と、を取得する取得部と、
管理端末に、前記一又は複数の事案の前記事案情報と、前記一又は複数のリソースの前記リソース情報と、を表示させる第1表示制御部と、
前記管理端末において、前記一又は複数の事案のうちいずれかの事案である対象事案と、前記一又は複数のリソースのうち前記対象事案に割り当てるリソースである対象リソースと、の選択を受け付ける受付部と、
前記対象リソースに関連付けられた現場端末に、前記対象事案以外の前記事案情報を表示させることなく、又は前記対象事案以外の前記事案情報と異なる態様で、前記対象事案の前記事案情報を表示させる第2表示制御部と、
前記現場端末と前記管理端末との間で通話を開始させる通話制御部と、
を有し、
前記受付部は、前記管理端末において、通話先とする前記対象事案の選択を受け付け、
前記通話制御部は、通話先として選択された前記対象事案に割り当てられた前記対象リソースに関連付けられた前記現場端末と、前記管理端末と、の間で通話を開始させる、
情報処理装置。
【請求項15】
一又は複数の事案の位置を含む事案情報と、前記一又は複数の事案に対処するための一又は複数のリソースを識別可能な識別情報を含むリソース情報と、を取得する取得部と、
管理端末に、前記一又は複数の事案の前記事案情報と、前記一又は複数のリソースの前記リソース情報と、を表示させる第1表示制御部と、
前記管理端末において、前記一又は複数の事案のうちいずれかの事案である対象事案と、前記一又は複数のリソースのうち前記対象事案に割り当てるリソースである対象リソースと、の選択を受け付ける受付部と、
前記対象リソースに関連付けられた現場端末に、前記対象事案以外の前記事案情報を表示させることなく、又は前記対象事案以外の前記事案情報と異なる態様で、前記対象事案の前記事案情報を表示させる第2表示制御部と、
前記現場端末と前記管理端末との間で通話を開始させる通話制御部と、
を有し、
前記受付部は、前記管理端末において、地図上で通話先とする範囲の選択を受け付け、
前記通話制御部は、通話先として選択された前記範囲内にあるリソースに関連付けられた前記現場端末と、前記管理端末と、の間で通話を開始させる、
情報処理装置。
【請求項16】
一又は複数の事案の位置を含む事案情報と、前記一又は複数の事案に対処するための一又は複数のリソースを識別可能な識別情報を含むリソース情報と、を取得する取得部と、
管理端末に、前記一又は複数の事案の前記事案情報と、前記一又は複数のリソースの前記リソース情報と、を表示させる第1表示制御部と、
前記管理端末において、前記一又は複数の事案のうちいずれかの事案である対象事案と、前記一又は複数のリソースのうち前記対象事案に割り当てるリソースである対象リソースと、の選択を受け付ける受付部と、
前記対象リソースに関連付けられた現場端末に、前記対象事案以外の前記事案情報を表示させることなく、又は前記対象事案以外の前記事案情報と異なる態様で、前記対象事案の前記事案情報を表示させる第2表示制御部と、
を有し、
前記受付部は、前記管理端末において、地図上で経路の指定を受け付け、
前記第1表示制御部は、前記管理端末に前記経路を表示させ、前記管理端末において前記経路の表示を開始してから所定時間経過後に、前記現場端末における前記経路の表示を維持したまま、前記管理端末に表示された前記経路を消去する、
前記第2表示制御部は、前記現場端末に前記経路を表示させる、
情報処理装置。
【請求項17】
プロセッサが実行する、
一又は複数の事案の位置を含む事案情報と、前記一又は複数の事案に対処するための一又は複数のリソースを識別可能な識別情報を含むリソース情報と、を取得するステップと、
管理端末に、前記一又は複数の事案の前記事案情報と、前記一又は複数のリソースの前記リソース情報と、を表示させるステップと、
前記管理端末において、前記一又は複数の事案のうちいずれかの事案である対象事案と、前記一又は複数のリソースのうち前記対象事案に割り当てるリソースである対象リソースと、の選択を受け付けるステップと、
前記対象リソースに関連付けられた現場端末に、前記対象事案以外の前記事案情報を表示させることなく、又は前記対象事案以外の前記事案情報と異なる態様で、前記対象事案の前記事案情報を表示させるステップと、
前記管理端末において、前記対象事案の位置と、前記対象事案に割り当てられた前記対象リソースの位置と、を地図上で線により結ぶこと又は同じ表示態様にすることにより、互いに関連付けて表示させるステップと、
を有する、情報処理方法。
【請求項18】
プロセッサに、
一又は複数の事案の位置を含む事案情報と、前記一又は複数の事案に対処するための一又は複数のリソースを識別可能な識別情報を含むリソース情報と、を取得するステップと、
管理端末に、前記一又は複数の事案の前記事案情報と、前記一又は複数のリソースの前記リソース情報と、を表示させるステップと、
前記管理端末において、前記一又は複数の事案のうちいずれかの事案である対象事案と、前記一又は複数のリソースのうち前記対象事案に割り当てるリソースである対象リソースと、の選択を受け付けるステップと、
前記対象リソースに関連付けられた現場端末に、前記対象事案以外の前記事案情報を表示させることなく、又は前記対象事案以外の前記事案情報と異なる態様で、前記対象事案の前記事案情報を表示させるステップと、
前記管理端末において、前記対象事案の位置と、前記対象事案に割り当てられた前記対象リソースの位置と、を地図上で線により結ぶこと又は同じ表示態様にすることにより、互いに関連付けて表示させるステップと、
を実行させる、プログラム。