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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177911
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】車両用サイドドア
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/00 20060101AFI20231207BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
B60J5/00 P
B60J5/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090881
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 千尋
(72)【発明者】
【氏名】岡嶋 隼騎
(72)【発明者】
【氏名】曽我 俊介
(72)【発明者】
【氏名】安藤 吉昌
(57)【要約】
【課題】側突に対する乗員の安全性を向上することができる車両用サイドドアを提供する。
【解決手段】車両用サイドドア5は、車体2の前後方向に延在するパネル本体部15と交差する方向に延在する壁部(外周側壁部18)を備えたインナパネル10と、車体2の前後方向に延在し、インナパネルの前部及び後部にそれぞれ接合するドアビーム12と、インナパネル10とドアビーム12の後端部との間に介在するブラケット13とを備え、ブラケット13は、ドアビーム12の後端部に面接触して溶接されるビーム接合部13aと、インナパネル10の外周側壁部18に面接触して溶接されるパネル接合部13bと、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の前後方向に延在するパネル本体部と交差する方向に延在する壁部を備えたインナパネルと、
前記車体の前後方向に延在し、前記インナパネルの前部及び後部にそれぞれ接合するドアビームと、
前記インナパネルと前記ドアビームとの間に介在するブラケットと、を備え、
前記ブラケットは、前記ドアビームの端部に面接触して溶接されるビーム接合部と、前記インナパネルの前記壁部に面接触して溶接されるパネル接合部と、を有することを特徴とする車両用サイドドア。
【請求項2】
前記ブラケットは、前記ドアビームの後端部と、前記インナパネルの前記後部との間に介在することを特徴とする請求項1に記載の車両用サイドドア。
【請求項3】
前記車体のドア開口部に設けられたストライカに係合可能なラチェットを備え、前記インナパネルの後部において前記壁部に取り付けられたラチェット機構を備え、
前記ブラケットは、前記ラチェット機構に対向する突起部を有し、
前記突起部は、車両の側突時に前記ラチェットと干渉する位置まで変形することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用サイドドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アウタパネルとインナパネルとの間に補強用のドアビームが設けられた車両用サイドドアに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両用サイドドアの内部には、ドアビーム(インパクトビーム)が設けられている。ドアビームは、車両の側突時等に、車室側へのドアパネルの変形を抑制することにより、乗員の保護に寄与する。このようなドアビームは、サイドドアを構成するインナパネルに対し、溶接等によって接合されている。
【0003】
ドアビームのインナパネルに対する取り付け構造については、様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1には、特に高い耐久性が要求されるドアビームの後端を、ブラケットを介してインナパネルに接合するための技術が開示されている。この特許文献1の技術において、ブラケットは、ドアビームの延長線に沿って稜線が形成された断面山形形状に形成されたフランジを有する。このフランジは、インナパネルのブラケット設置領域に面接触した状態にて接合されている。この接合により、特許文献1の技術では、接合箇所に局所的な応力集中が生じることを防止し、インナパネルに対するドアビームの後端側の取り付け剛性を高めている。そして、このようにドアビームの取り付け剛性を高めることにより、特許文献1の技術では、サイドドアの開閉時における衝撃荷重、及び、車両の側突時等における衝突荷重に対する耐久性が高められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-117002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年においては、側突等に対する乗員の安全性確保が、より高いレベルで求められる傾向にある。このようなより高いレベルでの安全性確保を実現するためには、インナパネルに対するドアビームの取り付け剛性をさらなに向上させる等、様々な改善が求められる。
【0006】
本発明は、側突に対する乗員の安全性を向上することができる車両用サイドドアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様による車両用サイドドアは、車体の前後方向に延在するパネル本体部と交差する方向に延在する壁部を備えたインナパネルと、前記車体の前後方向に延在し、前記インナパネルの前部及び後部にそれぞれ接合するドアビームと、前記インナパネルと前記ドアビームとの間に介在するブラケットと、を備え、前記ブラケットは、前記ドアビームの端部に面接触して溶接されるビーム接合部と、前記インナパネルの前記壁部に面接触して溶接されるパネル接合部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の車両用サイドドアによれば、側突に対する乗員の安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】車両の側面図
図2】アウタパネルを取り外して示すサイドドアの側面図
図3図2のIII-III線に沿うサイドドアの要部断面図
図4】ドアビームを車幅方向外側から見た側面図
図5図4のV-V断面図
図6図4のVI-VI断面図
図7図4のVII-VII断面図
図8】ドアビームの後端部及びブラケットを車幅方向外側から見た斜視図
図9】ドアビームの後端部及びブラケットを車幅方向内側から見た斜視図
図10】ドアロック時のラチェット機構とブラケットとの関係を示す斜視図
図11】ドアロック解除時のラチェット機構とブラケットとの関係を示す斜視図
図12】側突時のラチェット機構とブラケットとの関係を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。図面は本発明の一実施形態に係り、図1は車両の左側面図、図2はアウタパネルを取り外して示すサイドドアの側面図である。なお、以下の説明に用いる図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものである。従って、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、および各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
【0011】
なお、以下の説明においては、車両用サイドドアの構成の一例として、フロントサイドドア5(以下、単に「ドア5」と称す)の構成について説明する。
【0012】
図1に示すように、車両1の車体2は、前席の側部に、ドア開口部3を有する。このドア開口部3には、当該ドア開口部3を開閉するためのドア5が設けられている。
【0013】
ドア5は、例えば、車体2の車幅方向に揺動可能なスイングドアである。このため、ドア5の前部は、上下一対のヒンジ6を介して、ドア開口部3の前部に支持されている。また、ドア5の後部は、ドア開口部3の後部に対し、後述するラチェット機構7を介して係止可能となっている。
【0014】
図2,3に示すように、ドア5は、インナパネル10と、アウタパネル11と、ドアビーム12と、を有する。
【0015】
インナパネル10は、所定の板厚を有する鋼板等からなる板金部材によって構成されている。このインナパネル10は、パネル本体部15と、内周側壁部16と、段差部17と、外周側壁部18と、フランジ部19と、を有する。これら、パネル本体部15、内周側壁部16、段差部17、外周側壁部18、及び、フランジ部19は、例えば、板金部材をプレス成型することによって形成されている。
【0016】
パネル本体部15は、ドア5がドア開口部3を閉じている状態において、車体2の前後方向に延在されている。
【0017】
内周側壁部16は、パネル本体部15の縁部から、当該パネル本体部15と交差する方向にテーパ状に延在されている。すなわち、内周側壁部16は、ドア5がドア開口部3を閉じている状態において、パネル本体部15の縁部から車幅方向の外側(ドア5の厚さ方向)に向けて所定の傾斜角度を有して延在されている。
【0018】
段差部17は、内周側壁部16の端部から、当該内周側壁部16の外側に向けて延在されている。すなわち、段差部17は、内周側壁部16の端部から、パネル本体部15と略平行な方向に延在されている。
【0019】
外周側壁部18は、段差部17の縁部から、当該段差部17(パネル本体部15)と交差する方向にテーパ状に延在されている。すなわち、外周側壁部18は、ドア5がドア開口部3を閉じている状態において、段差部17の縁部から車幅方向の外側に向けて所定の傾斜角度を有して延在されている。本実施形態において、この外周側壁部18は、パネル本体部15と交差する方向に延在する壁部の一具体例に相当する。
【0020】
フランジ部19は、外周側壁部18の端部から、当該外周側壁部18の外側に向けて延在されている。すなわち、フランジ部19は、外周側壁部18の端部から、パネル本体部15及び段差部17と略平行な方向に延在されている。
【0021】
このように構成されたインナパネル10の後部において、内周側壁部16には、ラチェット機構7がネジ止め等によって固定されている。
【0022】
図10,11に示すように、ラチェット機構7は、筐体25の内部にラチェット26を有する。ラチェット26は、ドア開口部3の後部に設けられたストライカ27に対し、係合可能な部材である。このラチェット26は、筐体25の内部において、軸部25aを介して揺動自在に支持されている。また、ラチェット26の一部は、筐体25に設けられた開口部25bを介して、筐体25の外部に露出されている。
【0023】
ラチェット26は、基本的には、図示しないリターンスプリングによって付勢されることにより、ストライカ27と係合する回転位置に保持されている。この係合により、ラチェット26は、ドア5によるドア開口部3の閉塞状態を維持する。
【0024】
一方、ドア5のアウタパネル11に取り付けられたドアハンドル30(後述する)或いは、インナパネルに取り付けられたドアハンドル(図示せず)が操作されると、ラチェット26は、リターンスプリングの付勢力に抗して、ストライカ27を解放する位置まで回動する。この解放により、ラチェット26は、ドア5の開放を許容する。
【0025】
ここで、開口部25bからのラチェット26の突出量は、ラチェット26がストライカ27と係合する回転位置にあるときの突出量よりも、ラチェット26がストライカ27との係合を開放する回転位置にあるときの突出量の方が大きくなるように設定されている。なお、このようなラチェット26の突出量の調整は、例えば、ラチェット26及び筐体25に対する軸部25aの配置等を調整することにより行うことが可能である。
【0026】
また、インナパネル10の車幅方向内側の面には、ドア開口部3との水密を図るためのウェザストリップ28が設けられている。このウェザストリップ28は、例えば、内周側壁部16の外周面に沿って、段差部17に保持されている。
【0027】
アウタパネル11は、例えば、所定の板厚を有する鋼板等からなる板金部材をプレス加工することによって形成されている。このアウタパネル11の外縁部は、インナパネル10のフランジ部19に対し、ヘミング加工等によって接合されている。そして、これらアウタパネル11とインナパネル10との接合により、内部に空間を有するドア5の外殻が形成されている。
【0028】
アウタパネル11の外面側の後部寄りには、ドアハンドル30が取り付けられている。このドアハンドル30は、ドア5の内部において、図示しないロッドを介してラチェット機構7に接続されている。
【0029】
ドアビーム12は、例えば、インナパネル10よりも板厚の厚い高抗張力鋼板からなる板金部材によって構成されている。
【0030】
ドアビーム12は、例えば、板金部材をプレス成型することによって形成されている。本実施形態において、具体的には、ドアビーム12は、板金本体35と、この板金本体35の長手方向に一部に重ねて配置された補強用板金36と、を備えた高抗張力鋼板の板金複合体に対し、ホットプレス加工を行うことにより形成されている。
【0031】
図2図7に示すように、ドアビーム12は、アウタパネル11側(車幅方向外側)に隆起する隆起部12aを幅方向の中央部に備えた、断面略ハット形状の基本形状を有する。さらに、隆起部12aの適所には、インナパネル10側に突出する略U字形状をなすビード12bが形成されている。さらに、ドアビーム12の先端部には、平坦なフランジ12cが形成されている。
【0032】
ここで、上述したように、本実施形態のドアビーム12は、ホットプレス加工によって形成されている。このホットプレス加工は、高温に熱した板金素材に対して、一度の成型のみを行う。このため、本実施形態のドアビーム12の凹凸形状は、基本的には、板金複合体に対する幅方向の折曲(折れ線が長手方向に沿って延在する折曲)のみによって形成されている。
【0033】
このように構成されたドアビーム12は、インナパネル10の前部に設けられた段差部17からインナパネル10の後部に設けられた段差部17にかけて、車体2の前後方向に沿って配置されている。
【0034】
そして、ドアビーム12の前端部は、フランジ12cが段差部17に溶接されることにより、インナパネル10に接合されている。なお、図2,3中において、符号40は、ドアビーム12の前端部とインナパネル10との溶接部を示している。
【0035】
一方、ドアビーム12の後端部は、ブラケット13を介してインナパネル10に接合されている。このブラケット13は、例えば、インナパネル10よりも板厚が厚く、且つ、ドアビーム12よりも板厚が薄い鋼板等からなる板金部材によって構成されている。
【0036】
図2~4,8~11に示すように、ブラケット13は、ビーム接合部13aと、パネル接合部13bと、を有している。このブラケット13は、例えば、インナパネル10よりも硬度が高く、且つ、ドアビーム12よりも硬度が低い板金部材に対し、通常のプレス加工(コールドプレス加工)を行うことによって形成されている。なお、周知のようにコールドプレス加工は、複数回の成型を行うことが可能であるため、ホットプレス加工よりも加工の自由度が高い。
【0037】
ビーム接合部13aは、ドアビーム12の後端部の屈曲形状に適宜沿った形状に形成されている。このビーム接合部13aは、ドアビーム12の後端部に面接触した状態にて溶接される。これにより、ビーム接合部13aは、ドアビーム12に接合されている。なお、図中において、符号41は、ドアビーム12とビーム接合部13aとの溶接部を示している。
【0038】
パネル接合部13bは、外周側壁部18の形状に沿った略平板形状に形成されている。このパネル接合部13bは、段差部17及び外周側壁部18に面接触した状態にて溶接される。これにより、パネル接合部13bは、インナパネル10に接合されている。なお、図中において、符号42は、インナパネル10(段差部17及び外周側壁部18)とパネル接合部13bとの溶接部を示している。
【0039】
ここで、ドアビーム12の後端部を、必要に応じて追加的に、インナパネル10に対して直に溶接することも可能である。なお、図中において、符号43は、ドアビーム12とインナパネル10との溶接部を示している。
【0040】
このようにインナパネル10に対して前後端部が接続されたドアビーム12は、マスチックシーラ45を介して、アウタパネル11に当接されている。
【0041】
さらに、ブラケット13は、突起部13cを有する、この突起部13cは、例えば、ビーム接合部13aから延出され、ラチェット機構7の開口部25bに対向されている。
【0042】
この突起部13cは、側突等によってドア5が変形された際に、変形によりラチェット機構7側に傾倒することが可能となっている。そして、傾倒された突起部13cは、開口部25bから露出されたラチェット26に干渉する(図12参照)。この干渉により、突起部13cは、ラチェット26の回動を禁止するストッパとして機能する。
【0043】
このような実施形態によれば、車両用サイドドア5は、車体2の前後方向に延在するパネル本体部15と交差する方向に延在する壁部(外周側壁部18)を備えたインナパネル10と、車体2の前後方向に延在し、インナパネルの前部及び後部にそれぞれ接合するドアビーム12と、インナパネル10とドアビーム12の後端部との間に介在するブラケット13とを備える。さらに、ブラケット13は、ドアビーム12の後端部に面接触して溶接されるビーム接合部13aと、インナパネル10の外周側壁部18に面接触して溶接されるパネル接合部13bと、を有する。これらにより、側突に対する乗員の安全性をより向上することができる。
【0044】
すなわち、インナパネル10とドアビーム12の後端部との間に、成型が容易な鋼板等によって成型したブラケット13が介装されている。これにより、複雑な成型が困難な高抗張力鋼等によってドアビーム12を形成した場合にも、インナパネル10とドアビーム12との接続形態の自由度を高めることができる。
【0045】
そして、ブラケット13のビーム接合部13aが、ドアビーム12の後端部に対して面接触させた状態にて溶接されている。これにより、ブラケット13を、多くの打点(溶接部41)により、ドアビーム12に対して強固に固定することができる。
【0046】
また、ブラケット13のパネル接合部13bは、インナパネル10の外周側壁部18に対して面接触させた状態にて溶接されている。これにより、インナパネル10とドアビーム12の後端部との実質的な接続部である溶接部42のせん断方向を、側突時やドア5の開閉時における荷重の入力方向と略一致させることができる。ここで、溶接部42のせん断方向の強度は、溶接部42の剥離方向の強度に比べて格段に強い。従って、高抗張力鋼等によって形成したドアビーム12を、インナパネル10に対し、高い耐久性及び耐衝撃性(剛性)にて接続することができる。
【0047】
また、ブラケット13の板厚は、インナパネル10の板厚よりも厚く形成されている。加えて、ブラケット13の硬度は、インナパネル10の硬度よりも高く、且つ、ドアビーム12の硬度よりも低く設定されている。従って、板厚及び強度が段階的に変化する部材間の溶接によって、ドアビーム12の後端部をインナパネル10に対して接合することが可能である。このような段階的な溶接は、板厚及び強度が大きく異なるドアビーム12とインナパネル10とを直接的に溶接する場合に比べて接合強度を高くすることができる。従って、この点においても、高抗張力鋼等によって形成したドアビーム12を、インナパネル10に対し、高い耐久性及び耐衝突性にて接続することができる。
【0048】
また、ブラケット13は、側突時等に変形してラチェット26と干渉する突起部13cを備えている。従って、新たな部品を追加することなく簡単な構成により、側突時等におけるドア5の開放を抑制することができる。従って、側突等に対する乗員の安全性確保を、より高いレベルにて実現することができる。
【0049】
以上の実施の形態に記載した発明は、それらの形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。例えば、上述の実施形態においては、ドアビーム12の後端部をインナパネル10に対してブラケット13を介して接続した構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ドアビーム12の前端部をインナパネル10に対してブラケット13を介して接続することも可能である。
【0050】
また、上述の実施形態においては、ドアビームを板金成型によって形成した構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ドアビームとして、パイプ形状のドアビームを採用することも可能である。
【0051】
さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得るものである。
【0052】
例えば、上述の実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、述べられている課題が解決でき、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0053】
1 … 車両
2 … 車体
3 … ドア開口部
5 … フロントサイドドア
6 … ヒンジ
7 … ラチェット機構
10 … インナパネル
11 … アウタパネル
12 … ドアビーム
12a … 隆起部
12b … ビード
12c … フランジ
13 … ブラケット
13a … ビーム接合部
13b … パネル接合部
13c … 突起部
15 … パネル本体部
16 … 内周側壁部
17 … 段差部
18 … 外周側壁部
19 … フランジ部
25 … 筐体
25a … 軸部
25b … 開口部
26 … ラチェット
27 … ストライカ
28 … ウェザストリップ
30 … ドアハンドル
35 … 板金本体
36 … 補強用板金
40 … 溶接部
41 … 溶接部
42 … 溶接部
43 … 溶接部
45 … マスチックシーラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12