IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 一般社団法人日本先端技術開発機構の特許一覧

<>
  • 特開-連通管方式循環濾過装置 図1
  • 特開-連通管方式循環濾過装置 図2
  • 特開-連通管方式循環濾過装置 図3
  • 特開-連通管方式循環濾過装置 図4
  • 特開-連通管方式循環濾過装置 図5
  • 特開-連通管方式循環濾過装置 図6
  • 特開-連通管方式循環濾過装置 図7
  • 特開-連通管方式循環濾過装置 図8
  • 特開-連通管方式循環濾過装置 図9
  • 特開-連通管方式循環濾過装置 図10
  • 特開-連通管方式循環濾過装置 図11
  • 特開-連通管方式循環濾過装置 図12
  • 特開-連通管方式循環濾過装置 図13
  • 特開-連通管方式循環濾過装置 図14
  • 特開-連通管方式循環濾過装置 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177935
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】連通管方式循環濾過装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/00 20230101AFI20231207BHJP
   A47K 3/00 20060101ALI20231207BHJP
   E04H 4/12 20060101ALI20231207BHJP
   G01F 23/18 20060101ALI20231207BHJP
   B01D 35/02 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
C02F1/00 D
A47K3/00 K
E04H4/12 210
G01F23/18
C02F1/00 L
B01D35/02 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090908
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】522222995
【氏名又は名称】一般社団法人日本先端技術開発機構
(74)【代理人】
【識別番号】100100011
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 省三
(72)【発明者】
【氏名】平野 廉幸
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕之
(72)【発明者】
【氏名】徐 富成
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 輝義
(72)【発明者】
【氏名】内藤 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】吉野 隆一
【テーマコード(参考)】
2F014
4D116
【Fターム(参考)】
2F014AC01
2F014BA00
4D116AA30
4D116BA05
4D116DD01
4D116FF02A
4D116GG03
4D116GG09
4D116KK04
4D116QA25C
4D116QA25E
4D116QA44C
4D116QA44D
4D116QA44E
4D116QA60C
4D116QA60D
4D116QC04A
4D116QC32A
4D116UU15
4D116VV07
(57)【要約】
【課題】連通管内及びレベル管内を清浄でき、衛生的にできる連通管方式循環濾過装置を提供する。
【解決手段】浴槽1、2はほぼ同一レベルに配置され、浴槽1、2の各下部と浴槽1、2の各上部とは濾過ユニット3及び加熱ユニット4を介して循環管5によってループ状に接続されている。浴槽1、2とほぼ同一レベルにレベル管6が設けられ、浴槽1、2の底部とレベル管6の底部とが連通管7によって接続されている。連通管7から循環管5の下流側又は排水設備へ分枝する循環/排水分枝管9-1が接続されている。循環/排水分枝管9-1内には、分枝管流量制御弁9-1a、9-1b、9-1c及び分枝管ポンプ9-1dが設けられている。分枝管流量制御弁9-1a、9-1bが開となったときに、循環/排水分枝管9-1は循環分枝管として作用し、分枝管流量制御弁9-1a、9-1cが開となったとき、循環/排水分枝管9-1は排水分枝管として作用する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほぼ同一レベルに配置される複数の槽と、
前記複数の槽の各下部と前記複数の槽の各上部とをループ状に接続する循環管と、
前記循環管のループ中に設けられた循環管ポンプ及び濾過ユニットと、
前記複数の槽の水面レベルを検出するためのレベル管と、
前記複数の槽及び前記レベル管に連通した連通管と
を具備する連通管方式循環濾過装置であって、
前記連通管から前記循環管へ分枝した循環分枝管を設けた連通管方式循環濾過装置。
【請求項2】
前記濾過ユニットは前記循環管ポンプの下流側に設けられ、
前記循環分枝管は、前記循環管の前記濾過ユニットの下流側に接続された請求項1に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項3】
さらに、
前記連通管内の前記複数の槽及び前記レベル管側に設けられた複数の連通管開閉弁と、
前記循環管分枝管内に直列接続された第1の分枝管開閉弁及び分枝管ポンプと
を具備し、
前記連通管開閉弁を開とし、前記第1の分枝管開閉弁を閉として前記連通管及び前記レベル管を動作させ、
前記連通管開閉弁の少なくとも1つ及び前記第1の分枝管開閉弁を開とし、前記分枝管ポンプをオンとして前記連通管及び前記レベル管を洗浄させる請求項2に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項4】
さらに、
前記第1の分枝管開閉弁及び前記分枝管ポンプの直列接続の下流側と前記濾過ユニットの下流側との間に接続された第2の分枝管開閉弁と、
前記第1の分枝管開閉弁及び前記分枝管ポンプの直列接続の下流側と排水設備との間に接続された排水開閉弁と
を具備し、
前記連通管開閉弁の少なくとも1つ及び前記第1、第2の分枝管開閉弁を開とし、前記排水分枝管開閉弁を閉とし、前記分枝管ポンプをオンとして、前記連通管及び前記レベル管を洗浄させ、
前記連通管開閉弁の少なくとも1つ及び前記第1の分枝管開閉弁及び前記排水開閉弁を開とし、前記第2の分枝管開閉弁を閉とし、前記分枝管ポンプをオンとして前記連通管及び前記レベル管内の水を排水させる請求項3に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項5】
さらに、前記連通管から補給水側へ分枝し、前記連通管に接続され、前記複数の連通管開閉弁に対応する複数の補給水開閉弁を含む補給水分枝管を具備し、
前記補給水開閉弁の少なくとも1つ及び前記第1の分枝管開閉弁を開とし、前記排水ポンプをオンとして前記連通管及び前記レベル管を補給水により洗浄させる請求項4に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項6】
前記循環分枝管は前記循環管ポンプの上流側に接続された請求項1に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項7】
さらに、
前記連通管内の前記複数の槽及び前記レベル管側に設けられた複数の連通管開閉弁と、
前記循環分枝管内に設けられた第3の分枝管開閉弁と
を具備し、
前記連通管開閉弁の少なくとも1つを開とし、前記第3の分枝管開閉弁を閉として前記連通管及び前記レベル管を動作させ、
前記連通管開閉弁の少なくとも1つ及び前記第3の分枝管開閉弁を開とし、前記循環管ポンプをオンとして前記連通管及び前記レベル管を洗浄させる請求項6に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項8】
さらに、前記連通管から排水設備へ分枝し、直列接続された排水ポンプ及び排水開閉弁を含む排水分岐管を具備し、
前記連通管開閉弁の少なくとも1つ及び前記第3の分枝管開閉弁を開とし、前記排水開閉弁を閉として前記連通管及び前記レベル管を洗浄させ、
前記連通管開閉弁の少なくとも1つ及び前記排水開閉弁を開とし、前記第3の分枝管開閉弁を閉とし、前記排水ポンプをオンとして前記連通管内及び前記レベル管内の水を排水する請求項7に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項9】
さらに、前記連通管から補給水側へ分枝し、前記連通管に接続され、前記複数の連通管開閉弁に対応する複数の補給水開閉弁を含む補給水分枝管を具備し、
前記補給水開閉弁の少なくとも1つ及び前記第3の分枝管開閉弁を閉とし、前記排水ポンプをオンとして前記連通管及び前記レベル管を補給水により洗浄させる請求項8に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項10】
前記濾過ユニットは前記循環管ポンプの下流側に設けられ、
さらに、前記循環管ポンプの下流側と前記濾過ユニットとの間に設けられ、前記循環分枝管に接続されたエジェクタを具備し、
前記エジェクタは、
前記循環管ポンプからの水を駆動流体として吸引するための駆動流体入口を有するノズルと、
前記ノズルを収容し、前記ノズルの下流側の前記駆動流体による低圧領域に前記循環分枝管の水を吸込流体として吸い込むための吸込流体入口を有するボディと、
前記駆動流体と前記吹込流体とを混合して吐出流体として前記濾過ユニットに吐出するための吐出流体出口を有するディフューザと
を具備する請求項1に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項11】
前記ボディに空気流体を引き込むための空気流体入口を設け、前記吐出流体にバブルを含ませるようにした請求項10に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項12】
前記空気流体はプラズマ放電で発生するイオンの周囲に水分子が集まったクラスタを含む空気流体である請求項11に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項13】
前記空気流体はオゾンを含む空気流体である請求項11に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項14】
さらに、前記連通管内の前記複数の槽及び前記レベル管側に設けられた複数の連通管開閉弁と、
前記循環分枝管内に設けられた第4の分枝管開閉弁と
を具備し、
前記連通管開閉弁の少なくとも1つを開とし、前記第4の分枝管開閉弁を閉として前記連通管及び前記レベル管を動作させ、
前記連通管開閉弁の少なくとも1つ及び前記第4の分枝管開閉弁を開とし、前記循環管ポンプをオンとして前記連通管及び前記レベル管を洗浄させる請求項10に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項15】
さらに、前記連通管から排水設備へ分枝し、直列接続された排水ポンプ及び排水開閉弁を含む排水分岐管を具備し、
前記連通管開閉弁の少なくとも1つ及び前記第4の分枝管開閉弁を開とし、前記排水開閉弁を閉として前記連通管及び前記レベル管を洗浄させ、
前記連通管開閉弁の少なくとも1つ及び前記排水開閉弁を開とし、前記第4の分枝管開閉弁を閉とし、前記排水ポンプをオンとして前記連通管内及び前記レベル管内の水を排水する請求項14に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項16】
さらに、前記連通管から補給水側へ分枝し、前記連通管に接続され、前記複数の連通管開閉弁に対応する複数の補給水開閉弁を含む補給水分枝管を具備し、
前記補給水開閉弁の少なくとも1つ及び前記第4の分枝管開閉弁を閉とし、前記排水ポンプをオンとして前記連通管及び前記レベル管を補給水により洗浄させる請求15に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項17】
ほぼ同一レベルに配置される複数の槽と、
前記複数の槽の各下部と前記複数の槽の各上部とをループ状に接続する循環管と、
前記循環管のループ中に設けられた循環管ポンプ及び濾過ユニットと、
前記複数の槽の水面レベルを検出するためのレベル管と、
前記複数の槽及び前記レベル管に連通した連通管と
を具備する連通管方式循環濾過装置であって、
前記連通管から排水設備へ分枝した排水分枝管を設けた連通管方式循環濾過装置。
【請求項18】
さらに、
前記連通管内の前記複数の槽及び前記レベル管側に設けられた複数の連通管開閉弁と、
前記連通管から排水設備へ分枝し、直列接続された排水ポンプ及び排水開閉弁を含む排水分岐管と
を具備し、
前記連通管開閉弁の少なくとも1つを開とし、前記の排水開閉弁を閉とし、前記排水ポンプをオフとして前記連通管及び前記レベル管を動作させ、
前記連通管開閉弁の少なくとも1つ及び前記排水開閉弁を開とし、前記排水ポンプをオンとして前記連通管及び前記レベル管を洗浄させ、
前記連通管開閉弁の少なくとも1つ及び前記排水開閉弁を開とし、前記排水ポンプをオンとして前記連通管内及び前記レベル管内の水を排水する請求項17に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項19】
さらに、前記連通管から補給水側へ分枝し、前記連通管に接続され、前記複数の連通管開閉弁に対応する複数の補給水開閉弁を含む補給水分枝管を具備し、
前記補給水開閉弁の少なくとも1つ及び前記排水開閉弁を開とし、前記排水ポンプをオンとして前記連通管及び前記レベル管を補給水により洗浄させる請求項18に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項20】
複数の連通管と、唯一の循環管とを具備する連通管方式循環濾過装置であって
前記各連通管は、ほぼ同一レベルに配置される複数の槽と、該複数の槽の水面レベルを検出するためのレベル管とに連通し、
前記循環管は、濾過ユニット及び循環管ポンプを有して前記槽の各下部と前記槽の各上部とをループ状に接続し、
前記各連通管と前記循環管とは1つの循環分枝管によって接続され、前記各連通管内及び前記各レベル管内の水を前記循環管内に循環させることにより前記各連通管内及び前記レベル管内を洗浄させる連通管方式循環濾過装置。
【請求項21】
前記循環分枝管は前記循環管の前記濾過ユニットの下流側に接続された請求項20に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項22】
前記循環分枝管は前記循環管の前記循環ポンプの上流側に接続された請求項20に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項23】
前記濾過ユニットは前記循環管ポンプの下流側に設けられ、
さらに、前記循環管ポンプの下流側と前記濾過ユニットとの間に設けられ、前記循環分枝管に接続されたエジェクタを具備し、
前記エジェクタは、
前記循環管ポンプからの水を駆動流体として吸引するための駆動流体入口を有するノズルと、
前記ノズルを収容し、前記ノズルの下流側の前記駆動流体による低圧領域に前記循環分枝管の水を吸込流体として吸い込む口を有するボディと、
前記駆動流体と前記吹込流体とを混合して吐出流体として前記濾過ユニットに吐出するための吐出流体出口を有するディフューザと
を具備し、前記循環分枝管は前記吸込流体口に接続する請求項20に記載の連通管方式循環濾過装置。
【請求項24】
複数の連通管と、唯一の循環管とを具備する連通管方式循環濾過装置であって
前記各連通管は、ほぼ同一レベルに配置される複数の槽と、該複数の槽の水面レベルを検出するためのレベル管とに連通し、
前記循環管は、濾過ユニット及び循環管ポンプを有して前記槽の各下部と前記槽の各上部とをループ状に接続し、
前記各連通管と排水設備とは1つの排水分枝管によって接続され、前記各連通管内及び前記各レベル管内の水を排水させることにより前記各連通管内及び前記レベル管内を洗浄させる連通管方式循環濾過装置。
【請求項25】
さらに、前記各連通管と補給水側とは1つの補給水分枝管によって接続され、前記各連通管内及び前記各レベル管内の水を補給水/排水させることにより前記各連通管内及び前記レベル管内を洗浄させる請求項24に記載の連通管方式循環濾過装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の槽用の連通管方式循環濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の槽たとえば複数の浴槽、プール等を有する従来の連通管方式循環濾過装置においては、設置スペース、コストの点から1つのポンプを用い、1つの濾過ユニットで濾過を行う(参照:特許文献1)。この場合、濾過ユニットを複数の槽の各下部と複数の槽の各上部とをループ状に接続する循環管と、複数の槽と水面レベルを検出するレベル管とを接続する連通管とを備え、複数の槽の水面レベルをレベル管の水面レベルと同一レベルに維持する。これにより、複数の槽の水を循環管内に循環させて複数の槽を常時清浄できると共に、連通管によって複数の槽間の水面レベルを同一に維持できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-137630号公報
【特許文献2】特開2005-329381号公報
【特許文献3】特開2015-104718号公報(特許第6253376号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来の連通管方式循環濾過装置においては、連通管は孤立しているので、連通管内及びレベル管内の水が滞留し清浄できず、衛生的に悪いという課題がある。
【0005】
尚、連通管を用いない非連通管方式循環濾過装置がある。たとえば、第1の非連通管方式循環濾過装置においては、吐出吸込の流量差によって生ずる槽同士の水位のバランスを解消するために、必要個数の表面水を吸込む器具又は同様の表面水回収機能を各槽にもたせることにより、表面水吸込配管として循環管とする(参照:特許文献2)。他方、連通管を用いない第2の非連通管方式循環濾過装置においては、各槽の吐出口を濾過ユニットに接続し、濾過ユニットから分枝して各槽の吸入口への分枝量を各槽の圧力センサの値に応じて制御する(参照:特許文献3)。
【0006】
しかしながら、上述の第1の非連通管方式循環濾過装置においては、装置が複雑化し、メンテナンスも面倒となる。また、槽の増設、減少は装置の改造で非常に困難である。さらに、過酸化水素等の薬剤による洗浄を行う場合には、各槽を満水にしなければならず、洗浄コストが高くなる。他方、上述の第2の非連通管方式循環濾過装置においては、圧力センサを設けると共に、制御が複雑なために、装置の製造コストが高い。また、圧力センサ及び制御を行う制御部が故障すると、槽自身が使用できない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明に係る連通管方式循環濾過装置は、ほぼ同一レベルに配置される複数の槽と、複数の槽の各下部と複数の槽の各上部とをループ状に接続する循環管と、循環管のループ中に設けられた循環管ポンプ及び濾過ユニットと、複数の槽の水面レベルを検出するためのレベル管と、複数の槽及びレベル管に連通した連通管とを具備する連通管方式循環濾過装置であって、連通管から循環管へ分枝した循環分枝管又は連通管から排水設備へ分枝した排水分枝管を設けたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、連通管内及びレベル管内の水を循環分枝管又は排水分枝管によって吐出しを行うことによって連通管内及びレベル管内を清浄できるので、衛生的にできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る連通管方式循環濾過装置の第1の実施の形態を示す図である。
図2図1の連通管及びレベル管の動作を説明するための図である。
図3図1の連通管及びレベル管の循環水による洗浄動作を説明するための図である。
図4図1の連通管及びレベル管の排水による洗浄動作を説明するための図である。
図5図1の連通管及びレベル管の補給水/排水による洗浄動作を説明するための図である。
図6図1の連通管方式循環濾過装置の変更例を示す図である。
図7】本発明に係る連通管方式循環濾過装置の第2の実施の形態を示す図である。
図8図7の連通管及びレベル管の動作を説明するための図である。
図9図7の連通管方式循環濾過装置の変更例を示す図である。
図10図9の連通管及びレベル管の補給水/排水による洗浄動作を説明するための図である。
図11】本発明に係る連通管方式循環濾過装置の第3の実施の形態を示す図である。
図12図11のエジェクタの詳細な構造を示す図である。
図13図11の連通管方式循環濾過装置の変更例を示す図である。
図14】本発明に係る連通管方式循環濾過装置の第4の実施の形態を示す図である。
図15図1図7図11図14の連通管方式循環濾過装置を適用した複数の連通管及び唯一の循環管を有するシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は本発明に係る連通管方式循環濾過装置の第1の実施の形態を示す図である。
【0011】
図1においては、浴槽1、2はほぼ同一レベルに配置され、浴槽1、2の各下部(または底部)と浴槽1、2の各上部とは濾過ユニット3及び加熱ユニット4を介して循環管5によってループ状に接続されている。濾過ユニット3は砂、多孔質セラミック等を有し、レジオネラ菌等の繁殖を抑制する。また、深紫外線発生器、光触媒等を含んでよく、さらに、毛髪等を除去するヘアキャッチャをも含んでもよい。加熱ユニット4は電気ヒータ、ヒートポンプ、熱交換器等である。また、循環管ポンプ5aが濾過ユニット3の上流側に設けられている。すなわち、循環管ポンプ5aは浴槽1、2の各下部から水を吸込んで濾過ユニット3に向って吐出させる。これにより、循環管ポンプ5aがオンとされると、浴槽1、2内の水は循環管5内を循環し、その際、1台の濾過ユニット3によって濾過され、1台の加熱ユニット4によって加熱される。
【0012】
また、浴槽1、2とほぼ同一レベルにレベル管6が設けられ、浴槽1、2の底部とレベル管6の底部とが連通管7によって接続されている。レベル管6は水面レベルに応じて圧力が変化する圧力センサ等を有する。連通管7内の浴槽1、2、レベル管6側には連通管流量制御弁7a、7b、7c(又は電磁弁)が設けられている。
【0013】
また、浴槽1、2の上には、補給水タンク8(又は水道栓)及び補給水流量制御弁8a(又は電磁弁)が設けられている。補給水タンク8(又は水道栓)は補給水側とも称する。
【0014】
さらに、連通管7から循環管5の下流側又は排水設備へ分枝する分枝管(以下、循環/排水分枝管)9-1が接続されている。但し、たとえば、特許請求の範囲においては、循環/排水分枝管9-1を単に循環分枝管9-1と表すこともある。つまり、循環/排水分枝管9-1は濾過ユニット3又は加熱ユニット4の下流側に接続されると共に、排水設備にも接続される。循環/排水分枝管9-1内には、分枝管流量制御弁9-1a、9-1b、9-1c(又は電磁弁)及び分枝管ポンプ9-1dが設けられている。分枝管ポンプ9-1dは連通管7内から水を吸込み、循環管5又は排水設備へ吐出する。この場合、分枝管流量制御弁9-1aは分枝管ポンプ9-1dの上流側に配置され、分枝管流量制御弁9-1b、9-1cは分枝管ポンプ9-1dの下流側に配置される。さらに、分枝管流量制御弁9-1bは循環管5の濾過ユニット3(加熱ユニット4)の下流側に接続され、分枝管流量制御弁9-1cは排水設備側に接続される。従って、分枝管流量制御弁9-1a、9-1bが開となったときに、循環/排水分枝管9-1は循環分枝管として作用し、分枝管ポンプ9-1dは連通管7の水を吸込んで循環管5の下流側に向って吐出させる。他方、分枝管流量制御弁9-1a、9-1cが開となったとき、循環/排水分枝管9-1は排水分枝管として作用し、分枝管ポンプ9-1dによって連通管7内の水を排水する。
【0015】
制御回路10たとえばマイクロコンピュータは、レベル管6の水面レベル信号6aを受信し、循環管ポンプ5a、連通管流量制御弁(電磁弁)7a、7b、7c、補給水流量制御弁8a、分枝管流量制御弁(電磁弁)9-1a、9-1b、9-1cを制御する。
【0016】
さらにまた、連通管7から補給水側へ分枝した補給水分枝管11を設けている。補給水分枝管11は補給水側から水を吸込み制御回路10によって制御された補給水流量制御弁11a、11b、11cを介して連通管7側へ吐出する。補給水分枝管11について後述する。
【0017】
図2図1の連通管7及びレベル管6の動作を説明するための図であって、図1の濾過ユニット3、加熱ユニット4、循環管5及び循環/排水分枝管9-1を省略してある。
【0018】
図2においては、制御回路10は連通管流量制御弁7a、7b、7cを開とし、分枝管流量制御弁9-1a、9-1b、9-1c(図1参照)及び補給水流量制御弁11a、11b、11c(図5参照)を閉とし、分枝管ポンプ9-1d(図1参照)をオフとする。この結果、浴槽1、2の水面レベルはレベル管6の水面レベルと同一となるように制御される。すなわち、浴槽1、2の一方の水面レベルが上昇すると、その浴槽の水が他方の浴槽へ流れ、逆に、浴槽1、2の一方の水面レベルが降下すると、他方の浴槽の水がその浴槽へ流れ、浴槽1、2の水面レベルが同一となる。また同時に、浴槽1、2の水面レベルがレベル管6によって検出される。この結果、レベル管6の水面レベル信号6aが所定値より低いときには、制御回路10は補給水流量制御弁8aを開とし、補給水タンク(又は水道栓)8より水が浴槽1、2に給水され、レベル管6の水面レベル信号6aが所定値となると、制御回路10は補給水流量制御弁8aを閉とする。このようにして、浴槽1、2の水面レベルは所定レベルとされる。尚、レベル管6の水面レベル信号6aが所定値より高いときにも、制御回路10は補給水流量制御弁8aを閉に維持する。
【0019】
図3図1の連通管7及びレベル管6の循環水による洗浄動作を説明するための図であって、図1の濾過ユニット3、加熱ユニット4及び補給水タンク(又は水道栓)8を省略してある。
【0020】
図3の(A)を参照して連通管7の浴槽1に連通する部分の洗浄動作を説明する。この場合、制御回路10は、連通管流量制御弁7a、7b、7cを開、閉、閉とし、分枝管流量制御弁9-1a、9-1bを開とし、分枝管流量制御弁9-1cを閉とし、分枝管ポンプ9-1dをオンとする。この結果、循環/排水分枝管9-1は循環分枝管として作用し、浴槽1の水が連通管流量制御弁7aから分枝管流量制御弁9-1a、分枝管ポンプ9-1d及び分枝管流量制御弁9-1bを介して循環管5の下流側に流れる。従って、連通管7の浴槽1に連通する部分が洗浄される。尚、この場合、洗浄に用いられた水は循環管5を介して浴槽1、2に戻り回収される。
【0021】
図3の(B)を参照して連通管7の浴槽2に連通する部分の洗浄動作を説明する。この場合、制御回路10は、連通管流量制御弁7a、7b、7cを閉、開、閉とし、分枝管流量制御弁9-1a、9-1bを開とし、分枝管流量制御弁9-1cを閉とし、分枝管ポンプ9-1dをオンとする。この結果、循環/排水分枝管9-1は循環分枝管として作用し、浴槽2の水が連通管流量制御弁7bから分枝管流量制御弁9-1a、分枝管ポンプ9-1d及び分枝管流量制御弁9-1bを介して循環管5の下流側に流れる。従って、連通管7の浴槽2に連通する部分が洗浄される。尚、この場合、洗浄に用いられた水は循環管5を介して浴槽1、2に戻り回収される。
【0022】
図3の(C)を参照してレベル管6の部分の洗浄動作を説明する。この場合、制御回路10は、連通管流量制御弁7a、7b、7cを閉、閉、開とし、分枝管流量制御弁9-1a、9-1b、9-1cを開とし、分枝管流量制御弁9-1cを閉とし、分枝管ポンプ9-1dをオンとする。この結果、循環/排水分枝管9-1は循環分枝管として作用し、レベル管6の水が連通管流量制御弁7cから分枝管流量制御弁9-1a、分枝管ポンプ9-1d及び分枝管流量制御弁9-1bを介して循環管5の下流側に流れる。従って、レベル管6の部分が洗浄される。尚、この場合、洗浄に用いられた水は循環管5を介して浴槽1、2に戻り回収される。
【0023】
図3の(D)を参照して連通管7の浴槽1、2に連通する部分及びレベル管6の部分の洗浄動作を説明する。この場合、制御回路10は、連通管流量制御弁7a、7b、7cを開、開、開とし、分枝管流量制御弁9-1a、9-1bを開とし、分枝管流量制御弁9-1cを閉とし、分枝管ポンプ9-1dをオンとする。この結果、循環/排水分枝管9-1は循環分枝管として作用し、浴槽1、2の水が連通管流量制御弁7a、7bから、また、レベル管6の水が連通管流量制御弁7cから分枝管流量制御弁9-1a、分枝管ポンプ9-1d及び分枝管流量制御弁9-1bを介して循環管5の下流側に流れる。従って、連通管7の浴槽1、2に連通する部分及びレベル管6の部分が洗浄される。尚、この場合、洗浄に用いられた水は循環管5を介して浴槽1、2に戻り回収される。
【0024】
連通管7の浴槽1、2に連通する部分及びレベル管6の部分のうちの2つの部分を洗浄する場合には、連通管流量制御弁7a、7b、7cのうち2つを開とし、他の1つを閉とし、分枝管流量制御弁9-1a、9-1bを開とし、分枝管流量制御弁9-1cを閉とし、分枝管ポンプ9-1dをオンとして循環/排水分枝管9-1を循環分枝管とすればよい。
【0025】
図4図1の連通管7及びレベル管6の排水による洗浄動作を説明するための図であって、図1の濾過ユニット3、加熱ユニット4、循環管5及び補給水タンク8を省略してある。この場合、補給水分枝管11を動作させない。
【0026】
連通管7の浴槽1、2に連通する部分及びレベル管6の部分の洗浄動作を説明する。この場合、制御回路10は、連通管流量制御弁7a、7b、7cを開、開、開とし、分枝管流量制御弁9-1a、9-1cを開とし、分枝管流量制御弁9-1bを閉とし、分枝管ポンプ9-1dをオンとする。この結果、循環/排水分枝管9-1は排水分枝管となり、浴槽1、2の水及びレベル管6の水が連通管流量制御弁7a、7b、7cから分枝管流量制御弁9-1a、分枝管ポンプ9-1d及び分枝管流量制御弁9-1cを介して排水設備に流れる。従って、連通管7の浴槽1、2及びレベル管6に連通する部分が洗浄される。尚、この場合、洗浄に用いられた水は排水されるので、浴槽1、2、レベル管6及び連通管7内の水量は減少する。この場合には、補給水流量制御弁8aを開として、浴槽1、2の水を直接増量させる。
【0027】
図5図1の連通管7及びレベル管6の補給水/排水による洗浄動作を説明するための図であって、図1の濾過ユニット3、加熱ユニット4、循環管5及び補給水タンク8を省略してある。この場合、補給水分枝管11を動作させる。
【0028】
図5に示すように、補給水分枝管11は連通管7に補給水流量制御弁11a、11b、11cを介して接続されており、連通管7に関して循環/排水分枝管9-1と対称的に位置している。従って、補給水分枝管11によって吸込まれた補給水は連通管7内を広く通過して洗浄した後に循環/排水分枝管9-1に流れ込む。
【0029】
連通管7の浴槽1、2に連通する部分及びレベル管6の部分の補給水/排水による洗浄動作を説明する。この場合、制御回路10は、連通管流量制御弁7a、7b、7cを閉、閉、閉とし、補給水流量制御弁11a、11b、11cを開、開、開とし、分枝管流量制御弁9-1a、9-1cを開とし、分枝管流量制御弁9-1b(図1参照)を閉とし、分枝管ポンプ9-1dをオンとする。この結果、循環/排水分枝管9-1は排水分枝管となり、補給水が補給水流量制御弁11a、11b、11cから分枝管流量制御弁9-1a、分枝管ポンプ9-1d及び分枝管流量制御弁9-1cを介して排水設備に流れる。従って、連通管7の浴槽1、2及びレベル管6に連通する部分が洗浄される。尚、この場合、洗浄に用いられた水は排水されるが、連通管7は補給水で補給されるので、浴槽1、2、レベル管6及び連通管7内の水量は減少しない。
【0030】
図6図1の連通管方式循環濾過装置の変更例を示す図である。
【0031】
図6においては、図1の分枝管流量制御弁9-1b、9-1cを削除し、分枝管ポンプ9-1dを循環管5の下流側に直接接続してある。従って、連通管7の洗浄は循環水のみで行うようになっているので、水は減少しない。この結果、補給水を必要としないので、補給水分枝管11は設けていない。
【0032】
図7は本発明に係る連通管方式循環濾過装置の第2の実施の形態を示す図である。
【0033】
図7においては、図1の循環/排水分枝管9-1の代りに、循環分枝管9-2が設けられている。循環分枝管9-2は連通管7から分枝され循環管ポンプ5aの上流側(吸込側)との間に接続されている。また、循環分枝管9-2内には分枝管流量制御弁9-2a(又は電磁弁)が設けられ、循環管5内の循環管ポンプ5aの上流側に循環管流量制御弁5b(又は電磁弁)が設けられている。但し、循環管流量制御弁5bを削除し、循環管ポンプ5aをオンにした場合、循環管5を常に動作させてもよい。
【0034】
図7においても、制御回路10は連通管流量制御弁7a、7b、7cを開とし、分枝管流量制御弁9-2aを閉とすると、浴槽1、2の水面レベルはレベル管6の水面レベルと同一となるように制御される。
【0035】
図8図7の連通管7及びレベル管6の循環水による洗浄動作を説明するための図であって、図7の濾過ユニット3及び加熱ユニット4を省略してある。
【0036】
図8の(A)を参照して連通管7の浴槽1に連通する部分の洗浄動作を説明する。この場合、制御回路10は、連通管流量制御弁7a、7b、7cを開、閉、閉とし、分枝管流量制御弁9-2aを開とする。この結果、浴槽1の水が連通管流量制御弁7aから分枝管流量制御弁9-2aを介して循環管5の下流側に流れる。従って、連通管7の浴槽1に連通する部分が洗浄される。尚、この場合、洗浄に用いられた水は循環管5を介して浴槽1、2に戻り回収される。
【0037】
図8の(B)を参照して連通管7の浴槽2に連通する部分の洗浄動作を説明する。この場合、制御回路10は、連通管流量制御弁7a、7b、7cを閉、開、閉とし、分枝管流量制御弁9-2aを開とする。この結果、浴槽2の水が連通管流量制御弁7bから分枝管流量制御弁9-2aを介して循環管5の下流側に流れる。従って、連通管7の浴槽2に連通する部分が洗浄される。尚、この場合、洗浄に用いられた水は循環管5を介して浴槽1、2に戻り回収される。
【0038】
図8の(C)を参照してレベル管6の部分の洗浄動作を説明する。この場合、制御回路10は、連通管流量制御弁7a、7b、7cを閉、閉、開とし、分枝管流量制御弁9-2aを開とする。この結果、レベル管6の水が連通管流量制御弁7cから分枝管流量制御弁9-2aを介して循環管5の下流側に流れる。従って、レベル管6の部分が洗浄される。尚、この場合、洗浄に用いられた水は循環管5を介して浴槽1、2に戻り回収される。
【0039】
図8の(D)を参照して連通管7の浴槽1、2に連通する部分及びレベル管6の部分の洗浄動作を説明する。この場合、制御回路10は、連通管流量制御弁7a、7b、7cを開、開、開とし、分枝管流量制御弁9-2aを開とする。この結果、浴槽1、2の水が連通管流量制御弁7a、7bから、また、レベル管6の水が連通管流量制御弁7cから分枝管流量制御弁9-2aを介して循環管5の下流側に流れる。従って、連通管7の浴槽1、2に連通する部分及びレベル管6の部分が洗浄される。尚、この場合、洗浄に用いられた水は循環管5を介して浴槽1、2に戻り回収される。
【0040】
連通管7の浴槽1、2に連通する部分及びレベル管6の部分のうちの2つの部分を洗浄する場合には、連通管流量制御弁7a、7b、7cのうち2つを開とし、他の1つを閉とし、分枝管流量制御弁9-2aを開とすればよい。
【0041】
図9図7の連通管方式循環濾過装置の変更例を示す図である。
【0042】
図9においては、連通管7から排水設備へ分枝した排水分枝管9-2’が接続してあり、排水分枝管9-2’は直列接続された排水流量制御弁9-2’a及び排水ポンプ9-2’bを含む。また、連通管7から補給水側へ分枝した補給水分枝管11が接続してある。補給水分枝管11は補給水流量制御弁11a、11b、11cを含む。従って、図1の連通管方式循環濾過装置と同様に、図9の連通管7及びレベル管6の排水/補給水による洗浄動作を行える。
【0043】
たとえば、補給水分枝管11を動作させない連通管7の浴槽1、2に連通する部分及びレベル管6の部分の洗浄動作を説明する。この場合、制御回路10は、連通管流量制御弁7a、7b、7cを開、開、開とし、排水流量制御弁9-2’aを開とし、排水ポンプ9-2’bをオンとする。この結果、浴槽1、2の水及びレベル管6の水が連通管流量制御弁7a、7b、7cから分枝管流量制御弁9-1a、排水ポンプ9-2’b及び排水流量制御弁9-2’aを介して排水設備に流れる。従って、連通管7の浴槽1、2及びレベル管6に連通する部分が洗浄される。尚、この場合、洗浄に用いられた水は排水されるので、浴槽1、2、レベル管6及び連通管7内の水量は減少する。この場合には、補給水流量制御弁8aを開として、浴槽1、2の水を直接増量させる。
【0044】
図10に示すように、補給水分枝管11は連通管7に補給水流量制御弁11a、11b、11cを介して接続されており、連通管7に関して排水分枝管9-2’と対称的に位置している。従って、補給水分枝管11によって吸込まれた補給水は連通管7内を広く通過して洗浄した後に排水分枝管9-2’に流れ込む。
【0045】
補給水分枝管11を動作させる連通管7の浴槽1、2に連通する部分及びレベル管6の部分の補給水/排水による洗浄動作を説明する。この場合、制御回路10は、連通管流量制御弁7a、7b、7cを閉、閉、閉とし、補給水流量制御弁11a、11b、11cを開、開、開とし、排水流量制御弁9-2’aを開とし、排水ポンプ9-2’bをオンとする。この結果、補給水が補給水流量制御弁11a、11b、11cから排水ポンプ9-2’b及び排水流量制御弁9-2’aを介して排水設備に流れる。従って、連通管7の浴槽1、2及びレベル管6に連通する部分が洗浄される。尚、この場合、洗浄に用いられた水は排水されるが、補給水で連通管7は補給されるので、浴槽1、2、レベル管6及び連通管7内の水量は減少しない。
【0046】
図11は本発明に係る連通管方式循環濾過装置の第3の実施の形態を示す図である。
【0047】
図11においては、図7の循環分枝管9-2及び分枝管流量制御弁9-2aの代りに、循環分枝管9-3及び分枝管流量制御弁9-3aを設け、エジェクタ12を介して、循環分枝管9-3を循環管5の循環ポンプ5aと濾過ユニット3との間に接続してある。
【0048】
図12図11のエジェクタ12の詳細な構造を示す図である。
【0049】
図12の(A)に示すように、エジェクタ12は、駆動流体F1を吸引するための駆動流体入口121を有するノズル122と、ノズル122を収容し、ノズル122の下流側の駆動流体F1による低圧領域LRに吸込流体F2を吸込むための吸込流体入口123を有するボディ124と、駆動流体F1と吸込流体F2とを高速噴射流体F3として吸引し混合して吐出流体F4として吐出するための吐出流体出口125を有するディフューザ(混合部)126とによって構成される。ノズル122は駆動流体F1の圧力エネルギーを運動エネルギーに変換(減圧、加速)させ、他方、ディフューザ(混合部)126は口径が漸次小さくなる吸引部1261及び口径が漸次大きくなる圧縮・昇圧部1262よりなり、運動エネルギーを圧力エネルギーに回復(減速、昇圧)させる。ここで、駆動流体F1として循環ポンプ5aからの水を用い、吸込流体F2として循環分枝管9-3からの水を用い、吐出流体F4としての水を濾過ユニット3に送る。
【0050】
図11において、循環ポンプ5aの上流側又は下流側に補助弁を設けてもよい。吸込流体F2としての循環分枝管9-3の水の吸込速度はエジェクタ12のノズル122、ディフューザ126の設計及び循環ポンプ5aの設計によって決定され、循環分枝管9-3内の水の流速は循環ポンプ5a内の水の流速に比較して非常に小さく調整できる。
【0051】
図11においては、連通管流量制御弁7a、7b、7cを開とし、分枝管流量制御弁9-3aを閉として、浴槽1、2、レベル管6の水面レベルを調整できる。他方、連通管流量制御弁7a、7b、7cの少なくとも1つ及び分枝管流量制御弁9-3aを開として連通管7及びレベル管6の循環水による洗浄ができる。
【0052】
図12の(B)は図12の(A)の変更例である。
【0053】
図12の(B)に示すように、ボディ124に空気流体F5を引き込むための空気流体入口127を設ける。空気流体F5として外気とする。これにより、マイクロバブル及び/又はウルトラファインバブルが吐出流体F4に混入し、この結果、循環管5及び連通管7の洗浄効果を促進できる。また、空気流体F5として、アーク放電、コロナ放電等のプラズマ放電で発生する、イオンの周りに水分子が集まったクラスタを含む空気流体とすることもできる。また、空気流体F5として、オゾンを含む空気流体とすることもできる。これにより、循環管5及び連通管7の殺菌も可能となる。
【0054】
図13図11の連通管方式循環濾過装置の変更例を示す図である。
【0055】
図13においては、連通管7から排水設備へ分枝した排水分枝管9-3’が接続してあり、排水分枝管9-3’は直列接続された排水流量制御弁9-3’a及び排水ポンプ9-3’bを含む。また、連通管7から補給水側へ分枝した補給水分枝管11が接続してある。補給水分枝管11は補給水流量制御弁11a、11b、11cを含む。従って、図1の連通管方式循環濾過装置と同様に、図9の連通管7及びレベル管6の排水/補給水による洗浄動作を行える。
【0056】
たとえば、補給水分枝管11を動作させない連通管7の浴槽1、2に連通する部分及びレベル管6の部分の排水による洗浄動作を説明する。この場合、制御回路10は、連通管流量制御弁7a、7b、7cを開、開、開とし、排水流量制御弁9-3’aを開とし、排水ポンプ9-3’bをオンとする。この結果、浴槽1、2の水及びレベル管6の水が連通管流量制御弁7a、7b、7cから排水ポンプ9-3’b及び排水流量制御弁9-3’aを介して排水設備に流れる。従って、連通管7の浴槽1、2及びレベル管6に連通する部分が洗浄される。尚、この場合、洗浄に用いられた水は排水されるので、浴槽1、2、レベル管6及び連通管7内の水量は減少する。この場合には、補給水流量制御弁8aを開として、浴槽1、2の水を直接増量させる。
【0057】
補給水分枝管11を動作させる連通管7の浴槽1、2に連通する部分及びレベル管6の部分の補給水/排水による洗浄動作を説明する。この場合、制御回路10は、連通管流量制御弁7a、7b、7cを開、開、開とし、補給水流量制御弁11a、11b、11cを開、開、開とし、排水流量制御弁9-3’aを開とし、排水ポンプ9-3’bをオンとする。この結果、補給水が補給水流量制御弁11a、11b、11cから排水ポンプ9-3’b及び排水流量制御弁9-3’aを介して排水設備に流れる。従って、連通管7の浴槽1、2及びレベル管6に連通する部分が洗浄される。尚、この場合、洗浄に用いられた水は排水されるが、補給水で連通管7は補給されるので、浴槽1、2、レベル管6及び連通管7内の水量は減少しない。
【0058】
図14は本発明に係る連通管方式循環濾過装置の第4の実施の形態を示す図である。
【0059】
図14においては、循環分枝管は設けられていなく、連通管7から排水設備へ分枝した排水分枝管9-4及び補給水分枝管11が設けられている。排水分枝管9-4は直列接続された排水流量制御弁9-4a及び排水ポンプ9-4bを含む。補給水分枝管11は補給水流量制御弁11a、11b、11cを含む。
【0060】
図14においては、連通管7及びレベル管6の排水又は補給水による洗浄動作を行える。
【0061】
補給水分枝管11を動作させない連通管7の浴槽1、2に連通する部分及びレベル管6の部分の洗浄動作を説明する。この場合、制御回路10は、連通管流量制御弁7a、7b、7cを開、開、開とし、排水流量制御弁9-4aを開とし、排水ポンプ9-4bをオンとする。この結果、浴槽1、2の水及びレベル管6の水が連通管流量制御弁7a、7b、7cから分枝管流量制御弁9-1a、排水ポンプ9-4b及び排水流量制御弁9-4aを介して排水設備に流れる。従って、連通管7の浴槽1、2及びレベル管6に連通する部分が洗浄される。尚、この場合、洗浄に用いられた水は排水されるので、浴槽1、2、レベル管6及び連通管7内の水量は減少する。この場合には、浴槽1、2の水を直接増量させる。
【0062】
また、補給水分枝管11を動作させる連通管7の浴槽1、2に連通する部分及びレベル管6の部分の洗浄動作を説明する。この場合、制御回路10は、連通管流量制御弁7a、7b、7cを閉、閉、閉とし、補給水流量制御弁11a、11b、11cを開、開、開とし、排水流量制御弁9-4aを開とし、排水ポンプ9-4bをオンとする。この結果、補給水が補給水流量制御弁11a、11b、11cから排水ポンプ9-4b及び排水流量制御弁9-4aを介して排水設備に流れる。従って、連通管7の浴槽1、2及びレベル管6に連通する部分が洗浄される。尚、この場合、洗浄に用いられた水は排水されるが、補給水で連通管7は補給されるので、浴槽1、2、レベル管6及び連通管7内の水量は減少しない。
【0063】
図1図7図11図14の連通管方式循環濾過装置は、図15に示すごとく、唯一の循環管及び複数の連通管を有するシステムに適用できる。図15の(A)、(B)、(C)、(D)のいずれにおいても、各連通管7-1(7-2、7-3)は、ほぼ同一レベルに配置される浴槽1-1(1-2、1-3)、浴槽2-1(2-2、2-3)及びレベル管3-1(3-2、3-3)に連通している。循環管5は浴槽1-1、1-2、1-3、2-1、2-2、2-3の各下部と各上部とをループ状に接続し、ループ中に循環管ポンプ及び濾過ユニットを有している。たとえば、連通管7-1は男性用浴室の複数の浴槽及びレベル管に連通し、連通管7-2は女性用浴室の複数の浴槽及びレベル管に連通し、連通管7-3は子供用浴室の複数の浴槽及びレベル管に連通し、これらが同一フロアに設けられ、共通の循環管5によって濾過されているシステムが想定される。
【0064】
図15の(A)に示すごとく、図1の連通管方式循環濾過装置を複数の連通管を有するシステムに拡大適用すると、連通管7-1、7-2、7-3から循環管5及び排水設備に分枝した1つの循環/排水分枝管9-1は分枝管ポンプ9-1dを介してさらに分枝管流量制御弁9-1b又は9-1cを介して循環管5又は排水設備へ選択的に接続される。
【0065】
図15の(B)に示すごとく、図7の連通管方式循環濾過装置を複数の連通管を有するシステムに拡大適用すると、連通管7-1、7-2、7-3から循環管5に分枝した1つの循環分枝管9-2は循環管5の循環ポンプ5aの上流側に接続される。
【0066】
図15の(C)に示すごとく、図11の連通管方式循環濾過装置を複数の連通管を有するシステムに拡大適用すると、連通管7-1、7-2、7-3から循環管5に分枝した1つの循環分枝管9-3は循環管5に設けられたエジェクタ12の吸込流体入口123に接続される。
【0067】
図15の(D)に示すごとく、図14の連通管方式循環濾過装置を複数の連通管を有するシステムに拡大適用すると、連通管7-1、7-2、7-3から排水設備に分枝した1つの排水分枝管9-4は排水設備に接続される。また、連通管7-1、7-2、7-3から補給水側に分枝した1つの補給水分枝管11が接続される。これにより、連通管7-1、7-2、7-3の排水による洗浄及び連通管7-1、7-2、7-3の補給水/排水による洗浄が可能となる。
【0068】
尚、上述の実施の形態においては、3以上の浴槽を設けることができる。また、浴槽の代りにプールを設けた場合には、加熱ユニットは省略される。
【0069】
また、上述の実施の形態においては、流量制御弁又は電磁弁の開閉弁は手動開閉弁でもよい。
【0070】
さらに、上述の実施の形態においては、循環管5内に、上流側から下流側へ循環ポンプ5a、濾過ユニット3、加熱ユニット4の順に配置されているが、これに限定されない。
【0071】
さらにまた、本発明は上述の実施の形態の自明の範囲内でいかなる変更にも適用し得る。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明に係る連通管方式循環濾過装置は、複数の浴槽、プール等を備えた水処理装置等に利用できる。
【符号の説明】
【0073】
1、2、1-1、1-2、1-3、2-1、2-2、2-3:浴槽
3、3-1、3-2、3-3:濾過ユニット
4:加熱ユニット
5:循環管
5a:循環管ポンプ
5b:循環管流量制御弁
6:レベル管
6a:水面レベル信号
7:連通管
7a、7b、7c:連通管流量制御弁(電磁弁)
8:補給水タンク(水道栓)(補給水側)
8a:補給水流量制御弁(電磁弁)
9-1:循環/排水分枝管(循環分枝管)
9-1a、9-1b、9-1c:分枝管流量制御弁(電磁弁)
9-1d:分枝管ポンプ
9-2:循環分枝管
9-2a、9-2b:分枝管流量制御弁(電磁弁)
9-3:循環分枝管
9-3’:排水分枝管
9-3’a:排水流量制御弁(電磁弁)
9-3’b:排水ポンプ
9-4:排水分枝管
9-4a:排水流量制御弁(電磁弁)
9-4b:排水ポンプ
10:制御回路
11:補給水分枝管
11a、11b、11c:補給水流量制御弁(電磁弁)
12:エジェクタ
121:駆動流体入口
122:ノズル
123:吸込流体入口
124:ボディ
125:吐出流体出口
126:ディフューザ(混合部)
1261:吸引部
1262:圧縮・昇圧部
127:空気流体入口
F1:駆動流体
F2:吸込流体
F3:高速噴射流体
F4:吐出流体
F5:空気流体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15