(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177938
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】位置情報検知装置
(51)【国際特許分類】
B61L 25/02 20060101AFI20231207BHJP
G01C 21/28 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
B61L25/02 G
G01C21/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090911
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 美彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 広幸
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雄介
(72)【発明者】
【氏名】大嶽 達哉
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 直人
(72)【発明者】
【氏名】二神 拓也
(72)【発明者】
【氏名】中野 尚久
(72)【発明者】
【氏名】浅野 渉
(72)【発明者】
【氏名】服部 陽平
(72)【発明者】
【氏名】加藤 紀康
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 泰誠
(72)【発明者】
【氏名】行木 英明
【テーマコード(参考)】
2F129
5H161
【Fターム(参考)】
2F129AA08
2F129BB03
2F129BB15
2F129BB33
2F129BB49
2F129BB53
2F129DD13
2F129DD20
2F129DD29
2F129EE25
2F129EE43
2F129EE69
2F129EE78
2F129FF02
2F129FF20
2F129FF62
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH20
2F129HH33
5H161AA01
5H161BB02
5H161DD20
5H161DD21
5H161GG11
5H161GG23
5H161GG24
(57)【要約】
【課題】 正確な位置情報を検知可能な位置情報検知装置を提供する。
【解決手段】 一実施形態に係る位置情報検知装置5は、左右レールに対応するように一定間隔で配置された複数のノード座標が位置情報に関連付けられたデータを複数受信する受信部51と、車両に配置された撮像装置からの入力画像を用いてエッジ画像を生成する生成部521と、エッジ画像に含まれるエッジの位置と最も重なる複数のノード座標である第2レール点列情報を含むデータを特定するレール特定部522と、特定されたデータに基づく第2位置情報を取得する車両位置取得部523と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右レールに対応するように一定間隔で配置された複数のノード座標が位置情報に関連付けられたデータを複数受信する受信部と、
車両に配置された撮像装置からの入力画像を用いてエッジ画像を生成する生成部と、
前記エッジ画像に含まれるエッジの位置と最も重なる複数の前記ノード座標である第2レール点列情報を含む前記データを特定するレール特定部と、
特定された前記データに基づく第2位置情報を取得する車両位置取得部と、
を備える位置情報検知装置。
【請求項2】
前記撮像装置からの入力画像に含まれるランドマークを検出する検出部を備え、
前記データは、前記位置情報に関連付けられた前記ランドマークの情報を含み、
前記レール特定部は、前記検出部で検出された前記ランドマークの情報を含む前記データを特定し、
前記車両位置取得部は、特定された前記データに基づく第3位置情報を取得する、
請求項1記載の位置情報検知装置。
【請求項3】
前記受信部は、GNSSにより測定された前記車両の第1位置情報を受信し、
前記車両位置取得部は、予め設定された位置情報優先設定に応じて、前記第1位置情報、前記第2位置情報、および、前記第3位置情報から現在の前記車両の位置情報を選択する、
請求項2記載の位置情報検知装置。
【請求項4】
前記受信部は、GNSSにより測定された前記車両の第1位置情報を受信し、
前記レール特定部は、前記第1位置情報を含む前記データから第1レール点列情報を特定し、
前記車両位置取得部は、前記第1レール点列情報と前記第2レール点列情報とを比較した結果を出力する、
請求項1記載の位置情報検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、位置情報検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両(特に、列車)の前方に取り付けられたカメラから左右レールの画像特徴(エッジなど)を抽出し、進行方向のレールを検出する手法が知られている。当該手法は、レールの形状(カーブや分岐など)や天候、時間帯などにより画像特徴が抽出できない場合があり、安定した性能を出すことが困難であった。
【0003】
また、予めレールの情報を地図データベースに記憶し、当該地図データベースとGNSS(Global Navigation Satellite System)位置情報とを連動させることにより左右レール情報を取得する手法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
地図データベースとGNSS位置情報とを連動させる手法は、安定した性能を出せる一方で、GNSS位置情報の誤差まで考慮してレールを検出することができず、車両の位置精度が問われる場所では車両の位置補正が必要になることがあった。
【0006】
本発明の実施形態は上記事情を鑑みて成されたものであって、正確な位置情報を検知可能な位置情報検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る位置情報検知装置は、左右レールに対応するように一定間隔で配置された複数のノード座標が位置情報に関連付けられたデータを複数受信する受信部と、車両に配置された撮像装置からの入力画像を用いてエッジ画像を生成する生成部と、前記エッジ画像に含まれるエッジの位置と最も重なる複数の前記ノード座標である第2レール点列情報を含む前記データを特定するレール特定部と、特定された前記データに基づく第2位置情報を取得する車両位置取得部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る位置情報検知装置を含む位置情報検知システムの全体構成の一例を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る中央装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、地図データベースに含まれる左右レールノード情報の一例について説明するための図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係る位置情報検知装置が搭載された車両の一構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、エッジ画像に含まれる左右レール近傍のエッジ位置と左右レール点列情報に含まれる複数のノード座標の一例について説明するための図である。
【
図6】
図6は、一実施形態に係る位置情報検知装置の位置検出処理動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図7は、一実施形態に係る位置情報検知装置の位置検出処理動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図8】
図8は、一実施形態に係る位置情報検知装置の位置検出処理動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る位置情報検知装置について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる図面において、各部の縮尺は適宜変更されている。また、以下の実施形態の説明に用いる図面において、説明のために、構成を適宜省略している場合がある。
【0010】
図1は、一実施形態に係る位置情報検知装置を含む位置情報検知システムの全体構成の一例を概略的に示す図である。
図1に示す位置情報検知システムは、車両1と、中央装置2と、を備えている。
車両1は、例えば決められたダイヤに沿って、レール上を走行する列車に含まれる車両である。なお、列車が複数の車両を備える場合、全ての車両が以下に説明する機能を備えている必要はない。
【0011】
車両1は、中央装置2と衛星3とにそれぞれネットワークを介して接続されている。車両1は、例えば複数の車両を含む列車の進行方向の先頭に位置する車両であって、衛星3からの電波を受信するアンテナ(図示せず)を備える。例えば、設計上最前列に位置する車両の最前の位置から後方約3mの屋根部分にアンテナは設置される。車両1の位置情報は、アンテナが設置されている位置が基準になる。
【0012】
中央装置2は、ネットワークを介して車両1と通信可能に構成され、例えば、複数の車両1の運行状況を管理する。
図2は、一実施形態に係る中央装置2の構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態の中央装置2は、受信部21と、制御部22と、入力部23と、出力部24と、記憶部25と、送信部26と、バス通信線BL1と、を備えている。
【0013】
バス通信線BL1は、中央装置2に含まれる構成のそれぞれと接続されている。制御部22は、バス通信線BL1を介して中央装置2に含まれる他の構成との間でデータを送受信することが可能である。
【0014】
受信部21は、ランドマーク情報及び車両1が補正した誤差に関する情報(以降、誤差情報とする。)を車両1から受信する。誤差情報には、例えば、GNSS位置情報を用いた現在の車両1の位置情報(以降、第1位置情報とする。)に誤差があることと、後述する撮像装置4からの入力画像を用いて取得された車両1の位置情報(以降、第2位置情報とする)で誤差を補正したことと、ランドマーク情報を用いて取得された車両1の位置情報(以降、第3位置情報とする。)で誤差を補正したことと、補正した入力画像に含まれるランドマーク情報と、第1位置情報から推定した補正エリアと、地図データベースのデータから取得可能な補正エリアのレール点列情報と、を少なくとも1つ含む。誤差情報に含まれる情報は上記に限られない。ランドマーク情報、第2位置情報及び第3位置情報の詳細については後述する。
【0015】
制御部22は、CPU(Central Process Unit)、MPU(micro processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)などのプロセッサを少なくとも1つ含む。制御部22は、補助記憶部252に記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのプログラムに基づいて、中央装置2の種々の機能を実現することが可能である。
【0016】
制御部22は、車両1からフィードバックされたランドマーク情報と記憶部25に記憶されている地図データベースのデータに含まれるランドマーク情報とを車両1の位置情報を参照して比較する。制御部22は、フィードバックされたランドマーク情報に含まれるランドマーク候補領域に存在するランドマークと、地図データベースのランドマーク情報に含まれるランドマーク候補領域に存在するランドマークが一致しない場合、必要に応じて情報を修正し、出力部24に出力する。
【0017】
入力部23は、例えばマウスやキーボードなどのユーザーインタフェースや、マイクやタッチパネルやカメラや各種センサを含み得る。入力部23は、ユーザの操作により取得した情報を、バス通信線BL1を介して制御部22へ送信する。
【0018】
出力部24は、例えばモニタなどの表示手段や、スピーカ等の音声出力手段を含み得る。なお、出力部24は、コンピュータの外部に接続される構成であっても構わない。出力部24は、制御部22が出力した情報を、アラーム情報としてモニタなどに表示する若しくはスピーカ等の音声出力手段を使用して出力する。
【0019】
記憶部25は、例えば、主記憶部251と、補助記憶部252とを備えている。
主記憶部251は、例えば、ROM(read-only memory)、RAM(random-access memory)を含み得る。ROMは、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリであり、制御部22が各種の処理を行う上で使用するデータ及び各種の設定値などを記憶することができる。また、RAMは、制御部22が各種の処理を行う上で一時的にデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用され得る。本実施形態の主記憶部251は、例えばRAMであって、メモリとして用いられる。
【0020】
主記憶部251は、地図データベースのデータ、位置情報優先設定及び誤差情報などを一時的に記憶することができる。
補助記憶部252は、制御部22を中枢とするコンピュータの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体である。補助記憶部252は、例えば、EEPROM(登録商標)(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はSSD(solid state drive)などである。
【0021】
補助記憶部252は、制御部22が各種の処理を行う上で使用するデータ、制御部22での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存することができる。例えば、補助記憶部252は、各種情報を記憶するメモリであり、時刻表(ダイヤ)情報、地図データベースのデータ、位置情報優先設定及び誤差情報などを記憶することができる。位置情報優先設定についての具体的な説明は後述する。
時刻表(ダイヤ)情報は、例えば、車両1の走行ルートにおける、車両が停車する駅の情報、駅に到着する時刻、駅を出発する時刻など、車両の位置と時刻との情報を含む。
【0022】
地図データベースは、車両1の位置情報に対応するように関連付けられて記憶されたデータを複数セット備えている。地図データベースは、例えば、位置情報(緯度、経度、標高)、土地起伏、レール形状、場所特徴、ランドマーク情報(個数、大きさ、座標、タイプ)、左レールノード情報(個数、座標)及び右レールノード情報(個数、座標)などのデータを複数セット有している。地図データベースにおいて、複数のデータは、例えば車両が走行する位置情報の順に付された識別子(例えば行番号)と関連付けられている。なお、当該地図データベースが持つデータは、上記に限られない。地図データベースのデータは、予め専用の車両により取得または更新されているものとする。
【0023】
図3は、地図データベースに含まれる左右レールノード情報の一例について説明するための図である。
地図データベースに含まれる左右レールノード情報における座標は、車両1が位置情報(緯度、経度、標高)の位置を走行しているときに、撮像装置4により撮影される撮像画像中のレールの位置座標である。ノードの座標は、撮像装置4からの入力画像の左上(車両1の進行方向に向かったときの左上)を基準0(原点)として、基準から水平方向に右をx軸正の値、基準から垂直方向に下をy軸正の値として設定することにより算出される。基準点及び軸の設定は、予め地図データベース作成者などによってきめられていてもいるものとする。また、地図データベースが持つランドマーク情報における座標も同様とする。
【0024】
地図データベースのデータに含まれる左レールノード情報(個数、座標)及び右レールノード情報(個数、座標)の集合をレール点列情報とする。レール点列情報は、一定間隔で配置されている複数のノード座標で構成されており、車両1の位置情報(緯度、経度、標高)と関連付けられている。レール点列情報に含まれる隣接するノード(ノード座標距離が最も短い)間を直線で接続することで、レールと略等しい形状を再現することもできる。レールの形状がカーブや分岐などである場合、ノード間の距離をできるだけ短くし、疑似的に曲線を作り出すことで上記同様レールと略等しい形状を再現可能である。
【0025】
送信部26は、地図データベースのデータを車両1(後述の位置情報検知装置5及び支援制御装置6)に送信する。なお、中央装置2における地図データベースのデータは、マスターデータと車両指示用データとの2つの地図データベースのデータを備えていてもよい。地図データベースのマスターデータは、走行ルート全体の詳細地図情報を含み、地図データベースの車両指示用データは、マスターデータの少なくとも一部の情報を含むデータであって、ダイヤ(時刻表)に沿った車両別の走行ルートにおけるデータを含む。送信部26は、車両1からの要求に応じて、若しくは周期的に、少なくとも車両指示用データを車両1の位置情報検知装置5及び支援制御装置6に送信する。
【0026】
図4は、一実施形態に係る位置情報検知装置が搭載された車両の一構成例を示すブロック図である。
本実施形態の車両1は、撮像装置4と、位置情報検知装置5と、支援制御装置6と、バス通信線BL2と、を備えている。
バス通信線BL2は、車両1に含まれる複数の構成のそれぞれと接続されている。位置情報検知装置5に含まれる制御部52及び支援制御装置6に含まれる補正制御部62は、バス通信線BL2を介して車両1に含まれる他の構成との間でデータを通信可能である。
【0027】
撮像装置4は、例えば、ステレオカメラである。撮像装置4は、撮影した画像を入力画像として位置情報検知装置5に送信する。撮像装置4は、フレームレートが30fpsである場合、1秒間に30回入力画像を送信するように構成されていてもよい。撮像装置4が位置情報検知装置5に入力画像を送る頻度は上記に限られず、撮像装置4のフレームレートや、衛星3からの電波受信頻度によって適宜変更可能である。
【0028】
支援制御装置6は、受信部61と、補正制御部62と、記憶部63と、送信部64と、を備える。
受信部61は、衛星3の電波を受信するアンテナから、第1位置情報を受信する。受信部61は、地図データベースのデータを複数受信する機能を備える。また、受信部61は、位置情報検知装置5から第2位置情報、第3位置情報、レール点列情報及びランドマーク情報を受信する。
【0029】
補正制御部62は、CPU(Central Process Unit)、MPU(micro processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)などのプロセッサを少なくとも1つ含む。補正制御部62は、補助記憶部632に記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのプログラムに基づいて、支援制御装置6の種々の機能を実現することが可能である。
【0030】
補正制御部62は、第1位置情報と、第2位置情報とを比較し、比較結果に応じた処理を実行する。より詳細には、補正制御部62は、第1位置情報と第2位置情報との誤差を検知し、誤差が所定の閾値を越えている場合、位置情報優先設定を参照し、第1位置情報若しくは第2位置情報を現在の車両1の位置情報として、誤差を補正することができる。
【0031】
同様に補正制御部62は、第1位置情報と、第3位置情報とを比較し、比較結果に応じた処理を実行する。補正制御部62は、第2位置情報と、第3位置情報とを比較し、比較結果に応じた処理を実行する。
より詳細には、補正制御部62は、第1位置情報と第3位置情報との誤差を検知し、誤差が所定の閾値を越えている場合、位置情報優先設定を参照し、第1位置情報若しくは第3位置情報を現在の車両1の位置情報として誤差を補正することができる。また、補正制御部62は、第2位置情報と第3位置情報との誤差を検知し、誤差が所定の閾値を越えている場合、位置情報優先設定を参照し、第2位置情報若しくは第3位置情報を現在の車両1の位置情報として誤差を補正することができる。
【0032】
記憶部63は、例えば、主記憶部531と、補助記憶部532とを備えている。
主記憶部631は、例えば、ROM(read-only memory)、RAM(random-access memory)を含み得る。ROMは、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリであり、補正制御部62が各種の処理を行う上で使用するデータ及び各種の設定値などを記憶することができる。また、RAMは、補正制御部62が各種の処理を行う上で一時的にデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用され得る。本実施形態の主記憶部631は、例えばRAMであって、メモリとして用いられる。
【0033】
主記憶部631は、地図データベースのデータ、第1位置情報、レール点列情報、第2位置情報、ランドマーク情報、第3位置情報、位置情報優先設定及び補正制御部62が補正した誤差に関する情報(誤差情報)などを一時的に記憶することができる。
【0034】
補助記憶部632は、補正制御部62を中枢とするコンピュータの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体である。補助記憶部632は、例えば、EEPROM(登録商標)(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はSSD(solid state drive)などである。
【0035】
補助記憶部632は、補正制御部62が各種の処理を行う上で使用するデータ、補正制御部62での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存することができる。例えば、補助記憶部632は、各種情報を記憶するメモリであり、地図データベースのデータ、第1位置情報、レール点列情報、第2位置情報、ランドマーク情報、第3位置情報、位置情報優先設定及び補正制御部62が補正した誤差に関する情報(誤差情報)などを記憶することができる。
送信部64は、ランドマーク情報及び誤差情報を中央装置2に送信する。また、送信部64は、誤差情報を位置情報検知装置5に送信する。
【0036】
本実施形態の位置情報検知装置5は、受信部51と、制御部52と、記憶部53と、送信部54と、を備える。
位置情報検知装置5は、後述する種々の機能を実現するプログラムを実行するプロセッサおよびプログラムを格納したメモリ、を備え得る。プロセッサは、典型的にはCPU(Central Processing Unit)および/またはGPU(Graphics Processing Unit)であるが、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはDSP(Digital Signal Processor)、などであってもよい。また、メモリは、位置情報検知装置5の動作を実現するためにプロセッサによって実行されるプログラムが記録されるとともに、当該プロセッサによって使用されるデータなどを一時的に格納する。なお、プログラムは、位置情報検知装置5により読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。その場合には、プロセッサは、記録媒体から読み取ったプログラムを実行することにより、種々の機能を実現することが出来る。
【0037】
受信部51は、衛星3の電波を受信するアンテナから第1位置情報を受信する。受信部51は、中央装置2から時刻表情報や地図データベースのデータを複数受信する機能を備える。受信部51は、例えば、一日分の走行ルートの時刻表および地図データベースのデータを、その日の走行を開始する前に、中央装置2から纏めて受信することができる。
【0038】
受信部51は、地図データベースのデータを運行状況に応じて受信することができる。受信部51が受信する地図データベースのデータは、例えば、車両1がA駅からB駅へ移動する場合は、A駅からB駅までのデータを中央装置2から受信し、次にB駅からC駅まで移動する場合は、B駅からC駅までのデータを中央装置2から受信するよう構成されていてもよい。また、例えば、受信部51が中央装置2から受信する地図データベースのデータは、現在の車両1の位置情報を含む前後数m程の位置情報に関連付けられたデータのみを受信し、これをリアルタイムで更新していくという構成であってもよい。
【0039】
受信部51は、さらに撮像装置4からの入力画像を受信する。撮像装置4と受信部51とは、有線により通信可能に接続されていてもいいし、無線により通信可能に接続されていてもよい。受信部51は、例えば、インターネット、イーサネット(登録商標)、無線LAN(Wi-Fi(登録商標)等)、Bluetooth(登録商標)などの通信規格に基づいて、撮像装置4との間で通信を行うことができる。
【0040】
制御部52は、CPU(Central Process Unit)、MPU(micro processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)などのプロセッサを少なくとも1つ含む。制御部52は、補助記憶部532に記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのプログラムに基づいて、位置情報検知装置5の種々の機能を実現することが可能である。
制御部52は、生成部521と、レール特定部522と、車両位置取得部523と、ランドマーク検出部524と、を備えている。
【0041】
ランドマーク検出部524は、撮像装置4からの入力画像に含まれる物体のうち、不動産であり、かつ形状、明度、色、模様などに特徴を有するもの(以下、ランドマークという。)を検出する。ランドマークの情報は、予め地図データベースのデータに含まれており、位置情報やレール点列情報と関連付けられて記憶されている。ランドマーク検出部524は、第1位置情報に関連付けられたランドマーク情報を参照し、ランドマークが存在することを認識した後に、ランドマーク候補領域を表示する。ランドマーク情報が持つデータは、例えば、ランドマークの個数、大きさ(縦横)、座標(x,y)及びランドマークタイプ(架線柱に取り付けられたものやビルなど)である。
ランドマーク検出部524は、検出したランドマーク情報をレール特定部522及び車両位置取得部523に送る。
【0042】
図5は、エッジ画像に含まれる左右レール近傍のエッジ位置と左右レール点列情報に含まれる複数のノード座標の一例について説明するための図である。
生成部521は、受信部51が受信した撮像装置4の入力画像から、明度変化が顕著な部分を検出し、エッジ画像を生成する。エッジ画像生成処理は、一般に知られる方法で行われる。
【0043】
レール特定部522は、生成部521が生成したエッジ画像に含まれる左右レール近傍のエッジ位置と左右レール点列情報に含まれる複数のノード座標とを比較する。レール特定部522は、エッジ位置と最も重なる部分が多い複数のノード座標で構成された第2レール点列情報及び当該第2レール点列情報を含むデータを特定する。
また、レール特定部522は、受信部51が受信した第1位置情報に関連付けられた地図データベースのデータを用いて第1レール点列情報を特定することができる。
【0044】
レール特定部522は、ランドマーク検出部524が検出したランドマーク情報に関連付けられたデータから第3レール点列情報を特定する。
車両位置取得部523は、レール特定部522が特定したデータに含まれる位置情報を取得する。車両位置取得部523が取得した当該位置情報が第2位置情報となる。
車両位置取得部523は、ランドマーク検出部524が検出したランドマーク情報に関連付けられたデータから第3位置情報を特定する。
【0045】
車両位置取得部523は第1位置情報乃至第3位置情報を比較し、第1位置情報、第2位置情報および第3位置情報に誤差がある場合、予めレール形状やその他要因により優先すべき位置情報が設定された位置情報優先設定に従い位置情報を選択する。上記処理の詳細は後述する。なお、車両1の位置情報を選択する処理は、車両位置取得部523が行わず、支援制御装置6で誤差を補正し、補正した結果に基づいて位置情報検知装置5が処理を実行する構成であってもよい。
また、車両位置取得部523は、第1レール点列情報と第2レール点列情報とを比較した結果を出力する構成であってもよい。
【0046】
上記レール形状に基づいた位置情報優先設定は一例でありこれに限られない。位置情報優先設定は、第1位置情報乃至第3位置情報各々の信頼性を一つの指標として設定することができる。
GNSSを用いた位置情報の測位方法として、本実施形態では、単独測位、相対測位、自立位置検知などがある。単独測位は、GNSS衛星から送信される衛星の位置や時刻などの情報を1台のアンテナで受信することにより衛星から電波が発信されてから受信機に到達するまでに要した時間を計測し、距離に変換するものである。位置のわかっているGNSS衛星を動く基準点として、4個以上の衛星から観測点までの距離を同時に知ることにより、車両1の位置を決定する。
【0047】
相対測位は、2台以上の受信機を使い、同時4個以上の同じGNSS衛星を観測するものである。GNSS衛星の位置を基準とし、GNSS衛星からの電波信号がそれぞれの受信機に到達する時間差を測定して、2点間の相対的な位置関係を算出する。
自立位置検知は、例えば、GNSS衛星からの電波が届かない場所等で自己位置推定を行う場合に、車輪の回転数や現在の車両の速度等で位置情報を算出する。
【0048】
位置情報の信頼性として、相対測位が最も高く、次いで単独測位、最後に自立位置検知となっている。相対測位では位置情報誤差が約0.5m以内であり、単独測位では位置情報誤差が約1~2m以内であり、自立位置検知はそれ以上である。よって、測位方法に応じて位置情報優先設定が設定されている。位置情報優先設定は予め位置情報検知システムの管理者や使用者によって定められている。
【0049】
上記位置情報優先設定の具体例を説明する。車両1が時速108km(秒速30m)で走行し、撮像装置4のフレームレートが30fpsであるとすると、1フレームの移動距離は、約1mとなる。車両1が時速36km(秒速10m)で走行し、撮像装置4のフレームレートが30fpsであるとすると、1フレームの移動距離は、約0.3mとなる。このように、車両1の速度によって、1フレームの移動距離が変わるため、車両1の位置情報のずれ量も変化する。このことから、位置情報優先設定は、例えば、相対速度であれば第1位置情報を優先し、単独測位若しくは自立位置検知であれば第2位置情報若しくは第3位置情報を優先するという設定になる。
【0050】
また、位置情報優先設定は、レールの形状から設定することもある。レールの形状は第1位置情報からエリアを絞り込むことで判別可能である。例えば、レールの形状が直線である場合、レール点列情報が類似していることがある。そのため、正しい位置情報を取得できない可能性が高くなり、第2位置情報の優先度は下がる。レールの形状がカーブ等の曲線である場合も同様に曲率が変化しない場所ではレール点列情報が類似することがあるため、第2位置情報の優先度は下がる。
【0051】
一方で、レール形状が線路分岐部である場合、特徴的なレール点列情報になり、類似することが少ないため、第1位置情報と比較して第2位置情報の方が正確であるといえ、第2位置情報の優先度は上がる。
【0052】
また、エリアが電波の届かない場所、例えばトンネルなどである場合、第1位置情報は自立位置検知で行うが、上記同様レールの形状に応じて設定される。なお、第3位置情報は、第1位置情報及び第2位置情報に比べて信頼性が高く、レールの形状によらず最も優先度が高くなるように設定されている。
【0053】
記憶部53は、例えば、主記憶部531と、補助記憶部532とを備えている。
主記憶部531は、例えば、ROM(read-only memory)、RAM(random-access memory)を含み得る。ROMは、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリであり、制御部52が各種の処理を行う上で使用するデータ及び各種の設定値などを記憶することができる。また、RAMは、制御部52が各種の処理を行う上で一時的にデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用され得る。本実施形態の主記憶部531は、例えばRAMであって、メモリとして用いられる。
【0054】
主記憶部531は、地図データベースのデータ、第1位置情報、撮像装置4からの入力画像、エッジ画像、レール点列情報、第2位置情報、ランドマーク情報、第3位置情報及び位置情報優先設定などを一時的に記憶することができる。
【0055】
補助記憶部532は、制御部52を中枢とするコンピュータの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体である。補助記憶部532は、例えば、EEPROM(登録商標)(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はSSD(solid state drive)などである。
【0056】
補助記憶部532は、制御部52が各種の処理を行う上で使用するデータ、制御部52での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存することができる。例えば、補助記憶部532は、各種情報を記憶するメモリであり、地図データベースのデータ、第1位置情報、撮像装置4からの入力画像、エッジ画像、レール点列情報、第2位置情報、ランドマーク情報、第3位置情報及び位置情報優先設定などを記憶することができる。
【0057】
送信部54は、第2位置情報、第3位置情報、レール点列情報及びランドマーク情報を支援制御装置6に送信する。送信部54は、例えば、インターネット、イーサネット(登録商標)、無線LAN(Wi-Fi(登録商標)等)、Bluetooth(登録商標)などの通信規格に基づいて通信を行うことができる。
【0058】
図6乃至
図8は、一実施形態に係る位置情報検知装置の位置検出処理動作の一例について説明するためのフローチャートである。
以下、位置情報検知装置5により、車両1の位置情報を複数取得し、位置情報優先設定に応じて車両1の位置情報を決定する手順の一例について説明する。なお、以下の動作の説明における処理の内容は一例であって、同様の効果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0059】
位置情報検知装置5は、例えば、受信部51で中央装置2から特定の区間における地図データベースの車両指示用データ(以下、データとする。)を受信する。位置情報検知装置5は、データを記憶部53に記憶し、制御部52が記憶部53からデータを取得する(ステップ1)。本実施形態の車両1は、ダイヤに沿って決められたルート上を走行する車両であるため、所定の駅の間を走行する時間は予め決定されており、当該時間を基準としてデータを取得する。
【0060】
受信部51は、アンテナから第1位置情報を取得する(ステップ2)。なお、ステップ1とステップ2の処理の順序は逆でもよく、例えば、ステップ2を実行し、第1位置情報を参照して、中央装置2がエリア周辺のデータを送信する構成であってもよい。
制御部52は、撮像装置4からフレーム数に応じた入力画像を取得する(ステップ3)。入力画像はリアルタイムで制御部52が取得しているものとする。
【0061】
生成部521は、取得した入力画像に対してエッジ処理を行い、入力画像からエッジ画像を生成する。なお、生成部521は、入力画像すべてに対してエッジ処理し、エッジ画像を生成する必要はなく、例えば、入力画像3フレームのうち少なくとも1フレームをエッジ画像に生成するというような処理をしてもよい。
【0062】
レール特定部522は、エッジ画像と複数のノード座標を比較する(ステップ4)。ここで比較対象であるノード座標は、例えば、第1位置情報に基づいて選出される。レール特定部522は、第1位置情報の誤差を参酌し、第1位置情報から前後数m程度の位置情報に関連付けられたデータからノード座標を選出する。また、データに含まれるすべてのノード座標と比較するよう構成されていてもよい。
【0063】
レール特定部522は、ステップ4の比較結果から、エッジ画像に含まれるエッジ位置と最も重なる複数のノード座標(レール点列情報)を含むデータを特定する(ステップ5)。車両位置取得部523は、特定されたデータに基づく第2位置情報を取得する(ステップ6)。
【0064】
ランドマーク検出部524は、第1位置情報を含むデータからランドマークに関する情報を取得する(ステップ7)。ランドマークに関する情報とは、ランドマークの個数、ランドマークの大きさ、ランドマークの座標及びランドマークのタイプである。ランドマーク検出部524は、上記ランドマーク情報から、入力画像にランドマークがあると判断した場合(ステップ7、YES)、ランドマーク候補領域を表示し、その範囲内若しくは近傍に存在するランドマークを検出する(ステップ8)。
【0065】
ランドマーク検出部524は、ランドマーク候補領域の範囲内若しくは近傍でランドマークを検出すると、ランドマーク候補領域とランドマーク検出領域の誤差を算出する。ランドマーク検出部524は、誤差の有無に関わらず、ランドマーク検出領域のランドマーク座標から、ランドマーク情報を含むデータを特定し、特定されたデータに基づく第3位置情報を取得する(ステップ9)。
【0066】
なお、第1位置情報を取得するステップ2と、第2位置情報を取得するステップ3からステップ6と、第3位置情報を取得するステップ7からステップ9の処理は、
図6のような遷移をする場合に限らず、例えば、ステップ2と、ステップ3からステップ6と、ステップ7からステップ9が並列して処理を行うような構成であってもよい。
ランドマーク検出部524がステップ9で第3位置情報を取得すると、制御部52は、位置情報優先設定に応じて現在の車両1の位置情報を維持若しくは更新する。
【0067】
制御部52は、位置情報優先設定に基づいて第1位置情報と第2位置情報とを比較し、現在の車両1の位置情報を決定する(ステップ10)。
制御部52は、位置情報優先設定に基づいて第1位置情報を現在の車両1の位置情報に決定した場合(ステップ10、NO)、現在の車両位置情報を第1位置情報のまま維持する(ステップ11)。
ステップ11の処理後、制御部52は、再度位置情報優先設定に基づいて第1位置情報と第3位置情報とを比較し、現在の車両1の位置情報を決定する(ステップ13)。
【0068】
制御部52は、位置情報優先設定に基づいて第1位置情報を現在の車両1の位置情報に決定した場合(ステップ13、NO)、現在の車両位置情報を第1位置情報のまま維持する(ステップ14)。
制御部52は、位置情報優先設定に基づいて第3位置情報を現在の車両1の位置情報に決定した場合(ステップ13、YES)、現在の車両位置情報を第3位置情報に更新する(ステップ15)。
【0069】
制御部52は、位置情報優先設定に基づいて第2位置情報を現在の車両1の位置情報に決定した場合(ステップ10、YES)、現在の車両位置情報を第2位置情報に更新する(ステップ12)。
ステップ12の処理後、制御部52は、再度位置情報優先設定に基づいて第2位置情報と第3位置情報とを比較し、現在の車両1の位置情報を決定する(ステップ16)。
【0070】
制御部52は、位置情報優先設定に基づいて第2位置情報を現在の車両1の位置情報に決定した場合(ステップ16、NO)、現在の車両位置情報を第2位置情報のまま維持する(ステップ17)。
制御部52は、位置情報優先設定に基づいて第3位置情報を現在の車両1の位置情報に決定した場合(ステップ16、YES)、現在の車両位置情報を第3位置情報に更新する(ステップ18)。
制御部52は、送信部54に現在の車両1の位置情報を含むデータを支援制御装置6に送信させ(ステップ19)、処理を終了する。
【0071】
ランドマーク検出部524は、上記ランドマーク情報から、入力画像にランドマークがないと判断した場合(ステップ7、NO)、ステップ20の処理に遷移する。
制御部52は、位置情報優先設定に基づいて第1位置情報と第2位置情報とを比較し、現在の車両1の位置情報を決定する(ステップ20)。
制御部52は、位置情報優先設定に基づいて第1位置情報を現在の車両1の位置情報に決定した場合(ステップ20、NO)、現在の車両位置情報を第1位置情報のまま維持する(ステップ21)。
【0072】
制御部52は、位置情報優先設定に基づいて第2位置情報を現在の車両1の位置情報に決定した場合(ステップ20、YES)、現在の車両位置情報を第2位置情報に更新する(ステップ22)。
制御部52は、送信部54に現在の車両1の位置情報を含むデータを支援制御装置6に送信させ(ステップ23)、処理を終了する。
【0073】
本実施形態の説明では、現在の車両1の位置情報を、第1位置情報を基準にしていたが、これは第2位置情報若しくは第3位置情報であってもよく、現在の車両1の位置情報が更新されると、当該位置情報を基準としてフローチャートの処理は遷移する。
【0074】
ここで、上記フローチャートの処理において、エリア判定が第1位置情報を基準に行われ、位置情報優先設定により第1位置情報以外の位置情報を現在の位置情報として選択する場合について考える。第1レール点列情報における地図データベース上のデータ番号と選択された位置情報に関連付けられたレール点列情報の地図データベース上のデータ番号が所定の閾値を越えた場合、車両位置取得部523は、現在選択されている位置情報の次に位置情報優先設定が高い位置情報を選択するように構成されている。
【0075】
なお、所定の閾値は、予め位置情報検知システムの管理者や使用者によって定められている。また、エリア判定の基準は、第1位置情報に限定されず、第2位置情報若しくは第3位置情報であってもよい。
【0076】
本実施形態の位置情報検知装置5よれば、位置情報検知装置5が、現在の車両1の位置情報を取得することにより、当該位置情報を含むデータのレール点列情報から、現在の車両1が走行している正確なレールに関する情報を取得可能になる。上記レールに関する情報を取得することで、車両1は、例えば、レールの周囲数10cm程を検知対象エリアに設定し、前方に存在する障害物を検知することが可能になる。
すなわち、本実施形態によれば、正確な位置情報を検知可能な位置情報検知装置を提供することができる。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
1…車両、2…中央装置、3…衛星、4…撮像装置、5…位置情報検知装置、6…支援制御装置、21…受信部、22…制御部、23…入力部、24…出力部、25…記憶部、251…主記憶部、252…補助記憶部、26…送信部、51…受信部、52…制御部、521…生成部、522…レール特定部、523…車両位置取得部、524…ランドマーク検出部、53…記憶部、531…主記憶部、532…補助記憶部、54…送信部、61…受信部、62…補正制御部、63…記憶部、631…主記憶部、632…補助記憶部、64…送信部