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特開2023-177946商品情報処理装置、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177946
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】商品情報処理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20231207BHJP
【FI】
G07G1/12 361Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090921
(22)【出願日】2022-06-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売日(公開日) 2021年10月1日~2022年4月1日 販売先 ミンツストア長崎本館(長崎県長崎市飽の浦町1-1)、他ミンツストア30店舗(別紙〔販売・出荷先一覧〕) <資 料> 〔販売・出荷先一覧〕
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】内野 志穂美
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 裕人
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA03
3E142DA08
3E142EA04
3E142FA42
3E142GA41
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】セルフ取引に係る運用の効率化を図ること。
【解決手段】商品情報処理装置は、商品受付手段と、取得手段と、取引制御手段とを備える。商品受付手段は、顧客の操作により、取引対象の商品を受け付ける。取得手段は、前記顧客の識別情報を取得する。取引制御手段は、前記取引対象の商品に、前記顧客が従事する事業所で使用される備品が含まれる場合、前記取得手段による識別情報の取得を条件に、前記備品の取引を行う。
【選択図】図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の操作により、取引対象の商品を受け付ける商品受付手段と、
前記顧客の識別情報を取得する取得手段と、
前記取引対象の商品に、前記顧客が従事する事業所で使用される備品が含まれる場合、前記取得手段による識別情報の取得を条件に、前記備品の取引を行う取引制御手段と、
を備えることを特徴とする商品情報処理装置。
【請求項2】
前記取引制御手段は、前記取引対象の商品に前記備品が含まれない場合、前記取得手段による識別情報の取得にかかわらず、前記取引対象の取引を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の商品情報処理装置。
【請求項3】
前記備品の取引が完了した場合、前記識別情報を関連付けた当該備品の取引実績を所定の記憶部に記憶させる記憶制御手段、
を備える請求項1または2に記載の商品情報処理装置。
【請求項4】
前記備品は、前記事業所から前記顧客に無償で支給される支給品を含み、
前記取引制御手段は、前記取引対象の商品に前記支給品が含まれる場合、表示部に表示させる前記支給品の金額をゼロにして取引を行う、
請求項1または2に記載の商品情報処理装置。
【請求項5】
前記取引制御手段は、前記取引対象の商品の合計額を表示部に表示させるとともに、精算に係る操作子を操作可能にする取引受付手段を備え、
前記取引受付手段は、前記取引対象の商品が前記支給品のみである場合、ゼロの合計額を表示部に表示させて、前記操作子を操作可能にする、
請求項4に記載の商品情報処理装置。
【請求項6】
前記取引制御手段は、
前記取得手段によって取得された識別情報に予め登録された特定の情報が含まれる場合、前記備品の取引を可能にし、
前記取得手段によって取得された識別情報に前記特定の情報が含まれない場合、前記備品の取引を不可能にする、
請求項1または2に記載の商品情報処理装置。
【請求項7】
商品情報処理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
顧客の操作により、取引対象の商品を受け付ける商品受付手段、
前記顧客の識別情報を取得する取得手段、
前記取引対象の商品に、前記顧客が従事する事業所で使用される備品が含まれる場合、前記取得手段による識別情報の取得を条件に、前記備品の取引を行う取引制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品情報処理装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場やオフィス等の事業所には、従業員等の顧客が利用する売店が設けられることがある。当該売店で取り扱われる商品には、飲食類などの通常の商品の他にも、事業所で使用される備品が含まれることがある。備品は、無償で支給される商品や、従業員用の割引価格で購入される商品を含む。売店で取引された備品は、総務部等の所定の部署で管理される。このため、備品の取引では、売店のスタッフが伝票等に取引対象の備品を記入して、当該伝票を所定の部署へ送付するといった備品に係る手続が行われる。
【0003】
また、近年では、顧客の操作によって商品の登録と精算とが行われるセルフレジを導入したセルフ取引が普及している(例えば、特許文献1参照)。事業所における売店でも、セルフ取引が普及しつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-205023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、事業所における売店にセルフ取引を導入したとしても、備品については売店スタッフによる備品に係る手続を要することがあった。このため、備品の取引については、売店スタッフを介して取引を行うことになり、すなわち、セルフ取引を行えないことがあった。これにより、セルフ取引を導入したとしてもセルフ取引を効率よく運用することができないことがある、といった問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、セルフ取引に係る運用の効率化を図ることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である商品情報処理装置は、顧客の操作により、取引対象の商品を受け付ける商品受付手段と、前記顧客の識別情報を取得する取得手段と、前記取引対象の商品に、前記顧客が従事する事業所で使用される備品が含まれる場合、前記取得手段による前記識別情報の取得を条件に、前記備品の取引を行う取引制御手段と、を備えることを特徴とする商品情報処理装置である。
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、商品情報処理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、顧客の操作により、取引対象の商品を受け付ける商品受付手段、前記顧客の識別情報を取得する取得手段、前記取引対象の商品に、前記顧客が従事する事業所で使用される備品が含まれる場合、前記取得手段による前記識別情報の取得を条件に、前記備品の取引を行う取引制御手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1に係る備品管理システムStのネットワーク構成を示す説明図である。
図2】POS端末装置20の設置例を示す説明図である。
図3】POS端末装置20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4A】通常商品取引を行う場合の画面遷移の一例を示す説明図である。
図4B】通常商品取引を行う場合の画面遷移の一例を示す説明図である。
図5】POS端末装置20の機能的構成の一例を示す説明図である。
図6A】備品取引を行う場合の画面遷移の一例を示す説明図である。
図6B】備品取引を行う場合の画面遷移の一例を示す説明図である。
図7】備品DB2が記憶する備品管理情報の一例を示す説明図である。
図8A】実施形態1にかかるPOS端末装置20が行う商品情報処理の一例を示すフローチャートである。
図8B】実施形態1にかかるPOS端末装置20が行う商品情報処理の一例を示すフローチャートである。
図9A】実施形態1に係るPOS端末装置20が発行するレシートの一例を示す説明図である。
図9B】実施形態1に係るPOS端末装置20が発行するレシートの一例を示す説明図である。
図10】実施形態2に係る備品DB2が記憶する備品管理情報の一例を示す説明図である。
図11A】実施形態2に係る画面遷移の一例を示す説明図である。
図11B】実施形態2に係る画面遷移の一例を示す説明図である。
図12A】実施形態2にかかるPOS端末装置20が行う商品情報処理の一例を示すフローチャートである。
図12B】実施形態2にかかるPOS端末装置20が行う商品情報処理の一例を示すフローチャートである。
図13】実施形態2に係るPOS端末装置20が発行する共通レシート1300の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
(備品管理システムStのネットワーク構成)
図1は、本発明の実施形態1に係る備品管理システムStのネットワーク構成を示す説明図である。備品管理システムStは、事業所の売店に導入される。事業所は、例えば、多くの従事者が従事する施設であり、例えば、工場である。ただし、事業所は、工場に限らず、例えば、オフィス、病院、学校、宿泊施設、空港、漁港などとしてもよい。従事者は、売店における顧客であり、具体的には、事業所の従業員(社員)や使用者(役員)を含む。
【0011】
売店は、各種商品を販売する。売店は、事業所が運営する店舗でもよいし、例えば、コンビニエンスストアなどのように外部委託する店舗でもよい。また、売店は、スタッフが常駐しない無人店舗でもよい。各種商品は、飲食類などの通常の商品や、従業員に支給される備品を含む。備品は、事業所で使用される物品であり、例えば、作業服、制服、靴、帽子、ベルトなど、従業員が身に着けるものである。ただし、備品は、従業員が身に着けるものに限らず、事務用品を含む。事務用品は、例えば、マウスなどのパソコン周辺機器、ボールペンなどの筆記具、コピー用紙やトナーなどのコピー機周辺の物品などを含む。
【0012】
図1に示す備品管理システムStは、備品管理サーバ1と、ストアコントローラ10と、取引状況管理装置11と、POS(Point Of Sales)端末装置20と、備品管理端末装置30とを備える。各装置は、LAN55を介して通信可能に接続されている。各装置は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信部などを備えたコンピュータ装置である。
【0013】
備品管理サーバ1は、従業員ごとに支給可能な備品を管理する。備品管理サーバ1は、通信部を備え、ネットワークを介して、ストアコントローラ10に接続される。備品管理サーバ1は、ストアコントローラ10と通信を行うとともに、ストアコントローラ10を介して、取引状況管理装置11やPOS端末装置20と通信を行う。なお、備品管理サーバ1は、ストアコントローラ10を介さずに、取引状況管理装置11やPOS端末装置20と直接通信を行ってもよい。
【0014】
備品管理サーバ1は、備品DB(データベース)2を備える。従業員に支給される備品は、従業員が配属される部署に応じて異なる。備品DB2は、従業員(部署)と備品とを対応付けた情報を記憶する。備品DB2の詳細については、図7を用いて後述する。
【0015】
ストアコントローラ10は、商品マスタなどの取引に必要な各種情報を記憶する。取引とは、商品の登録と精算とを含む。商品マスタは、各商品の商品識別情報(例えばJAN(Japanese Article Number)コード)、商品名、および販売価格を含む商品情報を格納するファイルである。本実施形態において、商品マスタが記憶する対象の商品は、備品を含む。すなわち、商品情報は、備品を識別する情報や備品名を含む。また、商品マスタは、計量が必要な商品(計量対象商品)の商品識別情報、商品名、計量対象商品の単価などを含む。また、ストアコントローラ10は、商品マスタのほかにも、在庫状況、販売履歴、入出金記録などの各種の情報を記憶する。
【0016】
取引状況管理装置11は、売店の店員がPOS端末装置20を監視するための装置である。具体的には、取引状況管理装置11は、POS端末装置20の状況(動作モード、処理状況等)を表示したり、POS端末装置20を制御したりすることが可能である。取引状況管理装置11に配置される店員は、取引状況管理装置11が具備するモニタを介して、POS端末装置20を操作する顧客を監視することが可能である。なお、売店の利用者は従業員であるため、万引き等の不正が行われにくい。このため、備品管理システムStにおいて、取引状況管理装置11に店員を配置しないようにしてもよいし、取引状況管理装置11を備えなくてもよい。
【0017】
POS端末装置20は、商品情報処理装置の一例である。POS端末装置20は、通常の商品や備品の登録を受け付けて、精算を行うレジスタ装置である。POS端末装置20は、複数の動作モードのうちいずれかの動作モードで動作することが可能である。動作モードは、例えば、フルセルフモードと、店員登録モードと、会計専用モードとを含む。
【0018】
フルセルフモードは、自装置で顧客が商品を登録(セルフ登録)し、自装置で顧客が精算(セルフ精算)を行うモードである。
店員登録モードは、店員が商品を登録し、顧客が店員に対面して精算(対面精算)を行うモードである。
会計専用モードは、セルフ精算を行うモードである。会計専用モードでは、店員登録モードのPOS端末装置20によって生成された精算情報に基づいて精算が行われる。
以下において、POS端末装置20は、フルセルフモードで動作するものとして説明する。また、POS端末装置20は、セルフ登録とセルフ精算を行う専用の装置であってもよく、すなわち、店員登録モードや会計専用モードに動作モードを切替えることができないものでもよい。
【0019】
なお、備品管理システムStは、店員が所持する店員端末を備えていてもよい。店員端末は、POS端末装置20の状況(動作モード、処理状況等)を表示したり、POS端末装置20を制御したりすることが可能である。また、店員端末は、通信部を備え、POS端末装置20から店員を呼び出す旨を示す情報を受信することが可能である。店員端末は、当該情報を受信すると、顧客から呼出があった旨を店員に通知する。
【0020】
備品管理端末装置30は、例えば、備品を管理する総務部等の所定の部署の従業員(以下「備品管理者」という。)が扱うコンピュータ装置である。備品管理端末装置30は、例えば、パソコンであるが、タブレット端末やスマートフォンであってもよい。備品管理端末装置30は、備品DB2にアクセスして、備品DB2に記憶される内容を表示することが可能である。
【0021】
(POS端末装置20の構成例)
次に、図2および図3を用いて、POS端末装置20の構成について説明する。
図2は、POS端末装置20の設置例を示す説明図である。
図3は、POS端末装置20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2および図3において、同一部分には同一符号を付している。
【0022】
以下、図2を参照しつつ、図3に示したPOS端末装置20の構成例を説明する。POS端末装置20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、客側表示部205と、客側スキャナ部206と、カード決済部208と、釣銭機209と、店員側表示部210と、キー操作部211と、店員側スキャナ部212と、印刷部213と、音声出力部214と、通信部215と、カメラ216とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0023】
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、POS端末装置20の動作を制御する。各種プログラムは、本実施形態に係る商品情報処理プログラムを含む。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0024】
RAM203は、読み出しや書き込みが可能なメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、外部から取得した情報(例えば、ストアコントローラ10から取得した商品マスタ等)や、処理において生成した情報を記憶する。この情報は、例えば、商品を登録する登録処理において生成した情報や、登録した商品(登録商品)を精算する精算処理において生成した情報などを含む。
【0025】
ハードディスク204は、種々の情報を記憶する。例えば、ハードディスク204は、カメラ216によって撮像された撮像結果(例えば、動画)を記憶する。ハードディスク204は、例えば、ROM202に代えて、CPU201が実行する各種のプログラムを記憶してもよい。また、RAM203に代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
【0026】
客側表示部205は、顧客用のタッチディスプレイである。客側表示部205は、顧客に種々の情報を表示するとともに、顧客から種々の入力を受け付ける。なお、フルセルフモードにおいて、客側表示部205は、備品を含む商品に対応するプリセットキー(商品を注文するボタン)を表示し、当該プリセットキーが操作(押下)されることによって、商品の登録を受け付ける。
【0027】
客側スキャナ部206は、顧客用のスキャナ部であり、各種コードを光学的に読み取る。各種コードは、従業員の社員証に付される従業員番号(バーコード、2次元コード等)や、商品に付されているバーコード(商品コード)のほか、金券(商品券やクーポン券)、会員カード、ポイントカードなどに印刷されているコードを読み取る。客側スキャナ部206は、POS端末装置20の本体に組み込まれる内蔵式のものと、POS端末装置20の本体に後付けされる別体式のものとを含む。
【0028】
カード決済部208は、各種カードによる決済機構である。各種カードは、プリペイドカード、クレジットカード、ポイントカードを含む。また、カード決済部208は、非接触型のチャージ媒体による決済を行うことも可能である。非接触型のチャージ媒体は、例えば、非接触型のカード(ICカード)や、スマートフォンなどの携帯端末装置である。
【0029】
釣銭機209は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有する。釣銭機209は、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。釣銭機209は、客側に向けられており、顧客から各種操作や現金の投入を受け付ける。なお、釣銭機209は、投入口に投入された紙幣や硬貨を検出するセンサを有する。当該センサは、投入口に紙幣や硬貨が投入された旨の検出や、金種別の枚数の検出などを行う。また、釣銭機209は、プリペイドカードにチャージする現金の投入を受け付けることも可能である。
【0030】
店員側表示部210は、店員用のタッチディスプレイである。店員側表示部210は、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。店員側表示部210は、商品に対応するプリセットキーを表示する。店員側表示部210は、当該プリセットキーが押下されることによって、当該プリセットキーに対応する商品の登録を受け付ける。
【0031】
キー操作部211は、各種のキー(ハードウェアキー、ボタン)を備える。キー操作部211は、店員から種々の入力を受け付ける。キー操作部211は、商品に対応するキーを含む。キー操作部211は、当該キーが店員によって押下されることによって、当該キーに対応する商品の登録を受け付ける。また、キー操作部211は、モード切替えボタンを含み、動作モードの切替えを受け付ける。
【0032】
店員側スキャナ部212は、店員用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。例えば、店員側スキャナ部212は、商品に付されているバーコードや、店員の名札に付された店員コードを光学的に読み取る。また、店員側スキャナ部212は、金券や各種カードに印刷されているコードを読み取ることも可能である。
【0033】
印刷部213は、レシートを印刷して出力する。
音声出力部214は、音を出力する。例えば、音声出力部214は、音声ガイダンスや警告音などを出力する。音声ガイダンスや警告音は、例えば、商品の登録操作や精算操作に係る音声を含む。
通信部215は、他の装置(ストアコントローラ10、取引状況管理装置11、および他のPOS端末装置20)と情報を送受信するインタフェースである。
【0034】
カメラ216は、客側から見て、客側表示部205の右上に取り付けられている。カメラ216は、動画、または静止画を連続的に撮像する。カメラ216には、CCD(charge coupled device)カメラや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラが用いられる。カメラ216は、顧客が行う各種操作を撮像する。各種操作は、登録時や精算時における操作である。例えば、カメラ216は、買い物かごの内部(商品)や、登録時における顧客の操作状況を撮像する。また、カメラ216は、精算が行われる際の顧客の操作状況を撮像する。例えば、カメラ216は、顧客が所持する紙幣や硬貨、釣銭機209、手の動作などを撮像する。なお、売店の利用者は従業員であるため、万引き等の不正が行われにくい。このため、POS端末装置20は、カメラ216を備えなくてもよいし、カメラ216の機能を常時OFFにすべく、カメラ216のオン・オフの切替えが可能であってもよい。
【0035】
サインポール220(図2参照)は、LED(light emitting diode)等の発光部を備え、所定の色や、所定の点灯態様で点灯する。サインポール220は、点灯態様によって、POS端末装置20が使用中であることを示したり、異常を報知したりする。また、サインポール220は、POS端末装置20の最も上方に設けられており、POS端末装置20の近くにいない店員にも点灯態様を認識させることが可能である。
【0036】
(フルセルフモードにおける画面遷移について)
本実施形態では、フルセルフモードにおいて、通常の商品の取引(以下「通常商品取引」という場合がある。)を行う場合と、備品の取引(以下「備品取引」という場合がある。)を行う場合とで、顧客の操作および画面遷移が異なる。まず、図4Aおよび図4Bを用いて、通常商品取引を行う場合の画面遷移について説明する。
【0037】
図4Aおよび図4Bは、通常商品取引を行う場合の画面遷移の一例を示す説明図である。図4A(1)は、待機画面410を示す。待機画面410は、案内通知411と、備品取引開始ボタン412aと、通常取引開始ボタン412bとを含む。案内通知411は、作業服等の備品取引を行う場合には、社員証の提示が必要である旨と、備品取引開始ボタン412aの押下を促す旨とを含む通知である。
【0038】
備品取引開始ボタン412aは、備品取引の開始を受け付けるボタンである。備品取引における画面遷移については後述する。通常取引開始ボタン412bは、通常商品取引の開始を受け付けるボタンである。待機画面410において、通常取引開始ボタン412bが押下されると、図4A(2)に示す登録画面420に遷移する。
【0039】
図4A(2)は、登録画面420を示す。登録画面420は、案内通知421と、キャンセルボタン422と、登録商品欄423とを含む。案内通知421は、商品コードのスキャンまたはプリセットキーの押下によって商品の登録を行う旨を示す通知である。キャンセルボタン422は、取引の中止を受け付けるボタンである。キャンセルボタン422が押下されると、例えば、待機画面410に戻る。
【0040】
登録商品欄423は、商品情報欄423aと、買上点数欄423bと、合計欄423cとを含む。商品情報欄423aには、登録した商品の商品名が表示される。買上点数欄423bには、登録された商品の数が表示される。合計欄423cには、登録された商品の合計金額が表示される。登録画面420において、例えば、顧客が客側スキャナ部206に商品コードをスキャンさせて、商品が登録されると、図4A(3)に示す登録画面430に遷移する。
【0041】
図4A(3)の登録画面430において、商品情報欄423aには「○○チョコ(¥300内)、○○牛乳(¥200外)、○○整髪料(¥1000外)」が表示されている。「内」の文字は、内税商品(税込価格)を示す。「外」の文字は外税商品(税抜価格)を示す。なお、「○○チョコ」および「○○牛乳」は、軽減税率(8%)が適用される商品である。「○○整髪料」は、通常税率(10%)が適用される商品である。なお、登録画面430において、軽減税率が適用される商品にはその旨を示す表示をしてもよいし、通常税率が適用される商品にはその旨を示す表示をしてもよい。
【0042】
登録画面430において、買上点数欄423bには「3点」が表示され、合計欄423cには「¥1616」が表示されている。登録画面430は、精算開始ボタン431を含む。精算開始ボタン431は、精算の開始を受け付けるボタンである。精算開始ボタン431が押下されると、図4A(3)に示す決済種別選択画面440に遷移する。
【0043】
図4A(4)は、決済種別選択画面440を示す。決済種別選択画面440は、決済種別の選択を受け付ける決済種別選択ボタン441(441a~441d)を含む。決済種別選択ボタン441は、例えば、現金、クレジットカード、電子マネー、社員証にそれぞれ対応するボタンであり、いずれかの一の決済種別の選択を受け付ける。図示において、社員証の選択を受け付ける決済種別選択ボタン441dは、選択不可能になっており、例えば、グレーアウトで表示されている。一方で、他の決済種別選択ボタン441a、441b、441cは、選択可能になっている。これは、今回の取引が通常の商品についての取引であることから、社員証の提示が必要ないためである。
【0044】
なお、決済種別選択画面440において、社員証に対応する決済種別選択ボタン441dを非表示としてもよい。決済種別選択画面440において、例えば、現金の選択を受け付ける決済種別選択ボタン441aが選択されると、図4B(5)に示す支払画面450に遷移する。なお、決済種別選択画面440において、例えば、クレジットカードの選択を受け付ける決済種別選択ボタン441bが選択されると、クレジットカードによる精算が行われる。また、決済種別選択画面440において、例えば、電子マネーの選択を受け付ける決済種別選択ボタン441cが選択されると、チャージ媒体にチャージされているチャージ金額で精算が行われる。
【0045】
図4B(5)は、支払画面450を示す。支払画面450は、支払額が1616円である旨を示すとともに、現金の投入を受け付ける画面を示す。1700円の現金が投入されると、図4B(6)に示す支払画面460に遷移する。
図4B(6)は、支払画面460を示す。支払画面460は、預り金額が250円である旨と、お釣りが84円であることを示す。支払画面460において、終了ボタン461が押下されると、お釣りが払い出されるともに、レシートが発行される。そして、図4B(7)に示す待機画面410に戻る。
【0046】
(POS端末装置20の機能的構成)
ここで、事業所において備品管理システムStを導入したとしても、備品については売店スタッフによる備品に係る手続を要することがあった。このため、備品取引については、売店スタッフを介して取引を行うことになり、すなわち、セルフでの取引を行えないことがあった。これにより、備品管理システムStを導入したとしても、備品管理システムStを効率よく運用することができないことがあった。そこで、本実施形態では、備品管理システムStに係る運用の効率化を図るようにしている。以下、図5を参照して、本実施形態に係るPOS端末装置20の機能的構成について説明する。
【0047】
図5は、POS端末装置20の機能的構成の一例を示す説明図である。図5において、POS端末装置20は、取得部501と、商品受付部502と、取引制御部503と、記憶制御部504とを備える。各機能部は、POS端末装置20のCPU201によって実現される。すなわち、POS端末装置20のCPU201が商品情報処理プログラムを実行することにより、各機能部の機能を実現する。以下では、図6A図7を参照しつつ、図5に示す各機能部について説明する。
【0048】
備品取引は、従業員の識別情報を取得することを条件に行われる。取得部501は、従業員の識別情報を取得する。識別情報は、従業員を識別することが可能な情報であり、例えば、従業員番号である。まず、従業員番号の取得について画面例を用いて説明する。
【0049】
図6Aおよび図6Bは、備品取引を行う場合の画面遷移の一例を示す説明図である。図6A(1)は、待機画面410を示す。待機画面410において、備品取引開始ボタン412aが押下されると、図6A(2)に示す社員証催促画面620に遷移する。
【0050】
図6A(2)は、社員証催促画面620を示す。社員証催促画面620は、客側スキャナ部206に社員証を読み取らせることを促す画面である。社員証には、従業員情報が記憶されている。従業員情報は、従業員番号および従業員氏名を含む。顧客は、社員証催促画面620を確認して、客側スキャナ部206に社員証を読み取らせる。これにより、取得部501は、従業員番号を取得する。POS端末装置20は、従業員情報を取得すると、図6A(3)に示す備品選択画面630に遷移する。
【0051】
図6A(3)は、備品選択画面630を示す。備品選択画面630は、従業員情報631と、備品選択ボタン632とを含む。従業員情報631は、従業員番号と、従業員氏名とを含む。なお、社員証には、少なくとも従業員番号が記憶されていればよく、すなわち、従業員氏名が記憶されていなくてもよい。この場合、POS端末装置20は、従業員情報631に従業員番号のみを表示してもよいし、備品管理サーバ1に対して従業員番号に基づく従業員氏名の送信要求を行って、備品管理サーバ1から送信された従業員氏名を従業員情報631に表示してもよい。
【0052】
備品選択ボタン632は、顧客からいずれかの備品の選択を受け付けるボタンである。図5に示す商品受付部502は、顧客から備品選択ボタン632の押下を受け付けることにより、取引対象である商品(備品)の選択を受け付ける。備品選択ボタン632のうち、例えば「作業ズボン」を示すボタンが選択されると、図6A(4)に示す数量選択画面640に遷移する。
【0053】
図6A(4)は、数量選択画面640を示す。数量選択画面640は、備品選択画面630において選択された備品の数量を受け付ける画面である。数量選択画面640は、価格表示641と、決定ボタン642とを含む。価格表示641は、備品に対して支払う価格を示しており、「¥0」を示す。数量選択画面640において、数量が選択され、決定ボタン642が押下されると、図6B(5)に示す登録画面650に遷移する。
【0054】
図6B(5)は、登録画面650を示す。登録画面650において、商品情報欄423aには「作業ズボン(¥0)」が表示され、買上点数欄423bには「1点」が表示され、合計欄423cには「¥0」が表示されている。また、登録画面650は、「作業着」の登録を受け付けるプリセットキー651を含む。プリセットキー651が押下されると、図6A(3)の備品選択画面630に戻り、さらに、備品を登録することが可能になっている。登録画面650において、精算開始ボタン431が押下されると、図6B(6)に示す決済種別選択画面660に遷移する。
【0055】
図6B(6)は、決済種別選択画面660を示す。決済種別選択画面660において、合計金額欄661は、「0円」を示す。また、決済種別選択画面660において、社員証の選択を受け付ける決済種別選択ボタン441dのみが選択可能になっており、一方で、他の決済種別選択ボタン441a、441b、441cについては選択不可能になっている。これは、今回の取引が備品取引であり、すなわち、支払が不要(支払額が¥0)なためである。
【0056】
なお、決済種別選択画面660において、社員証以外に対応する決済種別選択ボタン441a、441b、441cを非表示としてもよい。決済種別選択画面660において、社員証に対応する決済種別選択ボタン441dが選択されると、図6B(7)に示す支払画面670に遷移する。
【0057】
図6B(7)は、支払画面670を示す。支払画面670において、合計金額欄671は、支払額が0円である旨を示す。支払画面670において、終了ボタン461が押下されると、お釣りが払い出されるともに、レシートが発行される。そして、図6B(8)に示す待機画面410に戻る。
【0058】
なお、本実施形態では、通常商品取引の場合と同様の操作手順とするために、決済種別選択画面660および支払画面670を表示させるようにしているが、これらの画面のうち一方または両方をスキップさせてもよい。例えば、決済種別選択画面660をスキップさせるようにする場合、図6B(5)の登録画面650において精算開始ボタン431が押下されると、図6B(7)の支払画面670に遷移させるようにすればよい。また、例えば、両方の画面をスキップさせるようにする場合、図6B(5)の登録画面650において精算開始ボタン431が押下されると、レシートを発行するとともに、そのまま図6B(8)に示す待機画面410に遷移させるようにすればよい。
【0059】
(従業員番号の取得タイミングについて)
本実施形態において、取得部501による従業員番号の取得タイミングは、取引の開始タイミングとしている。ただし、当該取得タイミングは、これに限らず、備品の登録を受け付けたタイミングとしてもよいし、備品が登録された取引における精算の開始タイミングとしてもよい。言い換えれば、POS端末装置20は、備品の登録を受け付けたタイミング、または、精算開始の操作を受け付けたタイミングで、社員証催促画面620(図6A(2)参照)を表示して、社員証のスキャンを促すようにしてもよい。
【0060】
なお、従業員番号の取得タイミングは、備品取引の開始の宣言を受け付けるタイミングと言い換えることもできる。このため、備品取引の宣言を受け付けるタイミングは、取引の開始タイミング、備品の登録を受け付けたタイミング、精算開始の操作を受け付けたタイミングのうち、いずれのタイミングとすることも可能である。
【0061】
(取引制御部503について)
取引制御部503は、取引対象の商品に備品が含まれる場合、取得部501によって従業員番号が取得されることを条件に、備品取引を行う。備品取引は、備品の登録と、備品の精算とを含む。取引制御部503は、備品取引において、従業員番号が取得されることを条件に、図6B(5)の登録画面650に示したように、備品の登録を行う。また、取引制御部503は、備品取引において、従業員番号が取得されることを条件に、図6B(6)の決済種別選択画面660および図6B(7)の支払画面670に示したように精算を行う。
【0062】
(備品登録を行わない場合について)
本実施形態において、取引制御部503は、備品取引において、従業員番号が取得されない場合、備品の登録を行わないようする。ただし、取引制御部503は、備品取引において、従業員番号が取得されない場合、備品の登録を行えるようにして、精算を行えないようにしてもよい。すなわち、取引制御部503は、備品取引において、従業員番号が取得されない場合、備品の登録の有無にかかわらず、精算を行えないようにすればよい。
【0063】
(備品の支給が許されている従業員と、許されていない従業員とについて)
また、本実施形態では、事業所の従業員であっても、備品の支給が許可された従業員と、備品の支給が許可されていない従業員とが存在する。取引制御部503は、取得部501によって取得された従業員番号に予め登録された特定の情報が含まれるか否かを示す判別結果を取得する。特定の情報は、例えば、特定の従業員番号である。ただし、特定の情報は、特定の部署を示す部署コードであってもよい。当該判別は、POS端末装置20によって行われてもよいし、備品管理サーバ1やストアコントローラ10などの外部の装置によって行われてもよい。
【0064】
取引制御部503は、当該判別結果が肯定を示す場合、すなわち、取得部501によって取得された従業員番号に特定の情報が含まれる場合、備品取引を可能にする。一方で、取引制御部503は、当該判別結果が否定を示す場合、すなわち、取得部501によって取得された従業員番号に特定の情報が含まれない場合、備品取引を不可能にする。備品取引を不可能にする場合、取引制御部503は、その旨を示すエラーを報知して、図6A(2)の社員証催促画面620から図6A(1)の待機画面410に戻す画面遷移を行う。
【0065】
(通常商品取引の場合について)
取引制御部503は、取引対象の商品に備品が含まれない場合、すなわち、通常商品取引である場合、取得部501による従業員番号の取得にかかわらず、取引対象の取引を行う。具体的には、図4Aおよび図4Bに示したように、通常商品取引を行う場合、従業員番号の取得を要さずに、取引対象の取引を行う。なお、通常商品取引でも、取引制御部503は、従業員番号の取得を条件に、取引を行うようにしてもよい。
【0066】
(従業員ごとに取引可能な備品について)
ここで、備品取引が許可された従業員であれば、事業所で使用される全ての備品が支給されるわけではない。すなわち、支給される備品は、従業員ごとに異なる。以下、備品の支給が許可された従業員と、支給される備品との関係について、備品DB2を例に挙げて説明する。
【0067】
図7は、備品DB2が記憶する備品管理情報の一例を示す説明図である。図7において、備品管理情報700は、備品情報701と、支給対象者情報702とを関連付けた情報である。備品情報701は、「備品コード」と、「備品名」との項目を含む。
「備品コード」は、備品を識別する識別情報である。
「備品名」は、備品の名称を示す。
【0068】
支給対象者情報702は、「部署コード」と、「部署名」と、「従業員番号」と、「氏名」と、「取引実績」との項目を含む。
「部署コード」は、事業所における部署を識別する識別情報であり、例えば2桁の数字、文字、記号等によって表される。
「部署名」は、部署の名称を示す。
「従業員番号」は、従業員を識別する識別情報である。「従業員番号」は、例えば、最初の2桁が部署コードに相当する。
「氏名」は、従業員氏名を示す。
「取引実績」は、所定期間内(例えば過去6か月間)における当該従業員に対する備品ごとの支給の有無(「済」、「未」)を示す。
【0069】
各項目にそれぞれ情報が入力されることにより、備品管理情報700がレコードとして記憶される。一例を挙げると、備品管理情報700aは、「作業ズボン」の支給対象者として、「第1製造部」に配属される「○○太郎」が含まれ、また、取引実績がないことを示している。また、備品は、部署ごとに対応している。例えば、「第1製造部」の人には「制服スカート」が支給されず、また、「総務部」の人には「作業ズボン」が支給されないことを示している。なお、備品が部署ごとに対応していることから、備品管理情報は、少なくとも、備品情報と部署コードとが対応付けられていればよい。
【0070】
なお、備品DB2は、備品管理サーバ1に具備されることに限らない。例えば、備品DB2は、ストアコントローラ10に具備されていてもよいし、POS端末装置20に具備されていてもよい。
【0071】
(取引対象の備品が従業員に支給可能であるか否かの問合せについて)
取引制御部503は、顧客(従業員)によって選択された備品が、当該従業員に支給可能であるか否かの問合せを行う。問い合わせ先は、備品管理サーバ1である。ただし、備品DB2がストアコントローラ10に具備されるようにした場合、問い合わせ先は、ストアコントローラ10とすればよい。また、備品DB2が自装置(POS端末装置20)に具備されるようにした場合、問い合わせ先は、当該問合せに応じた判別を行う自装置内の判別部とすればよい。
【0072】
当該問合せについて具体的に説明すると、取引制御部503は、顧客によって選択された備品を示す備品情報と、当該従業員の従業員番号とを関連付けた問合せ情報を備品管理サーバ1へ送信する。また、問合せ情報を送信するタイミングは、以下のいずれかのボタンが押下されたタイミングとすればよい。
(1)図6A(3)の備品選択画面630における備品選択ボタン632。
(2)図6A(4)の数量選択画面640における決定ボタン642。
(3)図6B(5)の登録画面650における精算開始ボタン431。
(4)図6B(6)の決済種別選択画面660における決済種別選択ボタン441d。
なお、本実施形態では、上記(2)のタイミングとしている。
【0073】
備品管理サーバ1は、問合せ情報を受信すると、備品DB2を参照し、問合せ情報に基づいて、取引対象の備品が当該従業員に支給可能な備品であるか否かを判別する。そして、備品管理サーバ1は、判別結果をPOS端末装置20へ送信する。取引制御部503は、当該判別結果が肯定の判別結果を示す場合に、当該備品の登録および精算を行う。一方で、取引制御部503は、当該判別結果が否定の判別結果を示す場合に、当該備品を登録(支給)できない旨の報知を行う。また、当該判別は、取引実績がある場合には、当該従業員に支給不可能な備品であると判別してもよい。
【0074】
なお、取引制御部503は、従業員番号に代えて、従業員番号の最初の2桁である部署コードを問合せ情報として備品管理サーバ1へ送信するようにしてもよい。この場合、備品管理サーバ1は、取引対象の備品が、当該従業員が配属される部署に支給可能な備品であるか否かを判別し、判別結果をPOS端末装置20へ送信すればよい。また、この場合、取得部501は、顧客の識別情報として、従業員番号を取得することに限らず、部署コードを取得してもよい。このため、社員証には、従業員番号に代えて、部署コードが記憶されていてもよい。また、取引制御部503が問合せ情報に従業員番号を含ませて送信するようにし、備品管理サーバ1が、従業員番号の最初の2桁である部署コードを用いて、当該従業員に支給可能な備品であるか否かを判別してもよい。
【0075】
(備品取引完了後の備品DB2の更新について)
記憶制御部504は、備品取引が完了した場合、従業員番号を関連付けた当該備品の取引実績を所定の記憶部に記憶させる。所定の記憶部は、備品DB2である。記憶制御部504は、備品DB2における従業員番号に対応する「取引実績」を「未」から「済」に変更させる指示を備品管理サーバ1へ送信する。これにより、備品管理サーバ1は、備品DB2における従業員番号に対応する「取引実績」を「未」から「済」に変更する。なお、所定の記憶部は、ストアコントローラ10やPOS端末装置20など、備品管理サーバ1以外の他の装置に具備されていてもよい。
【0076】
備品管理者は、支給した備品の確認するために、定期的に、備品管理端末装置30を用いて、備品管理情報700(図7参照)に基づく内容を閲覧する。これにより、備品取引における売店スタッフによる備品に係る手続を行わなくても、備品管理者は、備品の確認を行うことができる。なお、備品管理サーバ1は、備品DB2における「取引実績」を更新した場合、その旨を示す通知を備品管理端末装置30へ送信するようにしてもよい。これにより、備品管理者は、備品のチェックを容易に行うことができる。
【0077】
(備品の金額のゼロ表示について)
本実施形態において、備品は、事業所から従業員に無償で支給される支給品を含む。取引制御部503は、取引対象の商品に支給品が含まれる場合、客側表示部205(表示部の一例)に表示させる支給品の金額をゼロにして取引を行う。支給品の金額をゼロにした表示の一例を以下に列挙する。
図6A(4)の数量選択画面640における価格表示641。
図6B(5)の登録画面650における商品情報欄423aおよび合計欄423c。
図6B(6)の決済種別選択画面660における合計金額欄661。
図6B(7)の支払画面670における合計金額欄671。
【0078】
(備品取引において表示する操作子について)
取引制御部503は、取引受付部505を備える。取引受付部505は、取引対象の商品の合計額を客側表示部205に表示させるとともに、精算に係る操作子を操作可能にする。操作子を以下に例示する。
図6B(5)の登録画面650における精算開始ボタン431。
図6B(6)の決済種別選択画面660における決済種別選択ボタン441d。
図6B(7)の支払画面670における終了ボタン461。
なお、当該操作子は、客側表示部205に表示されるソフトキーに限らず、ハードキーであってもよい。
【0079】
(合計金額のゼロ表示について)
特に、取引受付部505は、取引対象の商品が支給品のみである場合、ゼロを示す合計額を客側表示部205に表示させて、操作子を操作可能にする。ゼロを示す合計額の表示例を以下に列挙する。
図6B(5)の登録画面650における合計欄423c。
図6B(6)の決済種別選択画面660における合計金額欄661。
図6B(7)の支払画面670における合計金額欄671。
【0080】
(実施形態1に係るPOS端末装置20が行う商品情報処理)
図8Aおよび図8Bは、実施形態1にかかるPOS端末装置20が行う商品情報処理の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、POS端末装置20は、図4A(1)の待機画面410において備品取引開始ボタン412aまたは通常取引開始ボタン412bが押下されることにより、取引開始となったか否かを判断する(ステップS801)。POS端末装置20は、取引開始となるまで待機し(ステップS801:NO)、取引開始になると(ステップS801:YES)、備品取引開始ボタン412aが押下されることによる備品取引の開始であるか否かを判断する(ステップS802)。
【0081】
備品取引の開始ではない場合(ステップS802:NO)、すなわち、通常取引開始ボタン412bが押下されることによる通常商品取引の開始である場合、POS端末装置20は、商品をスキャンしたか否かを判断する(ステップS803)。商品をスキャンしない場合(ステップS803:NO)、POS端末装置20は、ステップS805の処理に進む。一方、商品をスキャンした場合(ステップS803:YES)、POS端末装置20は、商品を登録する(ステップS804)。
【0082】
そして、POS端末装置20は、図4A(3)の登録画面430に示す精算開始ボタン431が押下されることにより、精算開始となったか否かを判断する(ステップS805)。精算開始ではない場合(ステップS805:NO)、POS端末装置20は、ステップS803に戻る。一方、精算開始である場合(ステップS805:YES)、POS端末装置20は、図4A(4)の決済種別選択画面440を表示して、決済種別の選択を受け付ける(ステップS806)。そして、POS端末装置20は、選択された決済種別により決済処理を行い(ステップS807)、通常レシート910(図9A参照)を発行して(ステップS808)、一連の処理を終了する。
【0083】
ステップS802において、備品取引の開始である場合(ステップS802:YES)、POS端末装置20は、顧客の操作に応じて社員証をスキャンする(ステップS811)。そして、POS端末装置20は、当該顧客が備品取引を許可された従業員であるか否かを判断する(ステップS812)。当該顧客が備品取引を許可された従業員ではない場合(ステップS812:NO)、POS端末装置20は、エラーを報知して(ステップS813)、一連の処理を終了する。
【0084】
一方、当該顧客が備品取引を許可された従業員である場合(ステップS812:YES)、POS端末装置20は、従業員情報631を表示する(ステップS814)。そして、POS端末装置20は、図6A(3)の備品選択画面630において備品の選択を受け付けて、さらに、図6A(4)の数量選択画面640において備品の数量の選択を受け付けることにより、備品および数量が選択されたか否かを判断する(ステップS815)。
【0085】
備品および数量が選択されない場合(ステップS815:NO)、POS端末装置20は、ステップS821に進む。一方、備品および数量が選択された場合(ステップS815:YES)、POS端末装置20は、備品情報と、当該従業員の従業員番号とを関連付けた問合せ情報を備品管理サーバ1へ送信する(ステップS816)。そして、POS端末装置20は、備品管理サーバ1から、問合せに応じた判別結果を受信する(ステップS817)。
【0086】
次に、POS端末装置20は、当該備品が当該従業員に支給可能である旨を示す肯定の判別結果であるか否かを判断する(ステップS818)。判別結果が肯定の判別結果である場合(ステップS818:YES)、POS端末装置20は、当該備品を登録し(ステップS819)、ステップS821の処理に進む。一方、判別結果が否定の判別結果である場合(ステップS818:NO)、POS端末装置20は、当該備品の登録ができない旨を報知する(ステップS820)。
【0087】
そして、POS端末装置20は、図6B(5)の登録画面650に示す精算開始ボタン431が押下されることにより、精算開始となったか否かを判断する(ステップS821)。精算開始ではない場合(ステップS821:NO)、POS端末装置20は、ステップS815に戻り、他の備品の選択を受け付ける。すなわち、POS端末装置20は、一度の取引において複数の備品を登録することができる。
【0088】
一方、精算開始である場合(ステップS821:YES)、POS端末装置20は、図6B(6)の決済種別選択画面660を表示して、決済種別の選択を受け付ける(ステップS822)。そして、POS端末装置20は、従業員番号を関連付けた取引実績を備品管理サーバ1へ送信する(ステップS823)。これにより、備品管理サーバ1は、備品DB2における従業員番号に対応する取引実績を「未」から「済」に変更する。この後、POS端末装置20は、備品レシート920(図9B参照)を発行し(ステップS824)、一連の処理を終了する。
【0089】
なお、備品取引の場合、すなわち、備品取引開始ボタン412a(図4(1)参照)が押下された場合、POS端末装置20は、通常商品の登録は行わない。POS端末装置20は、備品取引において通常商品の登録を受け付けた場合(プリセットキーの押下または商品のスキャンがあった場合)に、エラーを報知してもよい。なお、備品取引において、POS端末装置20は、通常商品に対応するプリセットキーを非表示としてもよいし、当該プリセットキーを表示させる場合には選択不可能にしてもよい。
【0090】
同様に、通常商品取引の場合、すなわち、通常取引開始ボタン412b(図4(1)参照)が押下された場合、POS端末装置20は、備品の登録は行わない。POS端末装置20は、通常商品取引において備品の登録を受け付けた場合(プリセットキーの押下または商品のスキャンがあった場合)に、エラーを報知してもよい。なお、通常商品取引において、POS端末装置20は、備品に対応するプリセットキーを非表示としてもよいし、当該プリセットキーを表示させる場合には選択不可能にしてもよい。
【0091】
(実施形態1のレシートの一例)
図9Aおよび図9Bは、実施形態1に係るPOS端末装置20が発行するレシートの一例を示す説明図である。図9Aは、通常商品取引における通常レシート910を示す。図9Bは、備品取引における備品レシート920を示す。まず、通常レシート910について説明する。以下に説明する通常レシート910の印字(表示)態様は、保存方式(インボイス制度)への対応に基づくものであり、取引において取引先が仕入税額控除を行う場合に必要な適格請求書に関するものである。適格請求書とは、例えば、請求書、納品書、領収書、レシート等であり、その書類の名称は問わない。
【0092】
適格請求書に必要な要件は、次の(1)~(6)であり、いずれかの構成を欠いたものは適格請求書とみなされない。
(1)適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び事業者登録番号。
(2)取引年月日。
(3)取引内容(軽減税率の対象品目である旨)。
(4)税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率。
(5)税率ごとに区分した消費税額等。
(6)書類の交付を受け付ける事業者の氏名又は名称。ただし、(6)については、省略が許されるものとしてもよい。
【0093】
図9Aに示す通常レシート910は、事業者エリア510と、一般項目エリア520と、明細エリア530とを含む。事業者エリア510は、通常レシート910(請求書)の発行事業者に関する内容が表示されるエリアである。具体的には、事業者エリア510は、発行事業者欄511と、登録番号欄512と、店舗ロゴ欄513とを含む。
発行事業者欄511は、通常レシート910を発行する事業者を示し、具体的には、店舗の名称および電話番号を示す。
登録番号欄512は、国税庁等の所定の機関で交付される請求書発行事業者の登録番号(以下「事業者登録番号」という。)を示す。事業者登録番号は、定められた所定数(例えば14桁)のアルファベットや数字を用いて半角文字で表される。具体的には、事業者登録番号は、例えば、法人の場合であれば「アルファベットのT+13桁の法人番号」であり、また、法人以外の個人事業者等の場合であれば「アルファベットT+13桁の独自の数字」である。
店舗ロゴ欄513は、店舗それぞれが有する店舗のロゴや、顧客へのメッセージが印刷される欄である。顧客へのメッセージは、例えば、「ご利用ありがとうございました」といったメッセージである。
【0094】
一般項目エリア520は、取引識別情報欄521と、交付先欄522と、書類名欄523とを含む。
取引識別情報欄521は、取引が行われた日時と、レジ番号と、モード情報と、レシート番号とを含む。図示において、取引が行われた日時は、例えば、2022年5月30日(月)12:00である。レジ番号は、POS端末装置20の識別番号であり、例えば、1番であれば「♯000001」である。モード情報は、POS端末装置20の動作モードである「セルフレジ」を示す。なお、店員が介在する場合には、モード情報の欄に店員情報(店舗スタッフの識別番号および名前)が表示される。レシート番号は、例えば、17番目の取引であれば「0017」を示す。
【0095】
交付先欄522は、通常レシート910の交付を受ける者(顧客や事業者)の氏名または名称を示す。交付先欄522に記入される氏名または名称は、手書きで入力されてもよいし、POS端末装置20が氏名または名称の入力を受け付けるようにし、受け付けた内容を印刷するようにしてもよい。
【0096】
書類名欄523は、通常レシート910の書類名を示す欄である。図示では、書類名欄523の書類名は「領収書」を示すが、これに限らず、「レシート」など他の書類名とすることも可能である。また、書類名欄523は、省略してもよい。
【0097】
明細エリア530は、登録商品の明細を表示するエリアである。明細エリア530は、取引内容欄531と、小計欄532と、総額欄533と、税率別合計欄534と、バーコード欄535とを含む。
【0098】
取引内容欄531は、顧客が購入した商品の名称および金額を示す。取引内容欄531には、軽減税率の対象となる商品(以下「軽減税率商品」という。)についてはその旨が表示される。図示において、軽減税率商品には、「※」のマークが付される。一方で、通常税率が適用される商品(以下「通常税率商品」という。)には、「※」のマークが表示されない。また、取引内容欄531に表示される金額において、外税表示(税抜表示)する外税商品には「外」の文字が付されている。一方で、内税表示(税込表示)する内税商品には、「外」の文字が付されていない。なお、外税表示とするか、内税表示とするかは、例えば、商品マスタに記憶されている商品情報に基づいて決定される。
【0099】
図示の例について説明すると、「○○チョコ」は、軽減税率商品であり且つ内税商品であることを示している。「○○牛乳」は、軽減税率商品であり且つ外税商品であることを示している。「○○整髪料」は、通常税率商品であり且つ外税商品であることを示している。
【0100】
小計欄532は、内税商品の合計支払額と外税商品の合計支払額とを、軽減税率商品と通常税率商品とで別々に表示する欄である。軽減税率商品については、外税商品(○○牛乳)分の支払額と、内税商品(○○チョコ)分の支払額とが別々に表示されている。図示において、外税商品(○○牛乳)分の支払額は、税抜価格の¥200と、8%の消費税額¥16とを示す。内税商品(○○チョコ)分の支払額は、税込価格¥300を示す。また、通常税率商品については、内税商品が登録されておらず、外税商品(○○整髪料)のみの支払額が表示されている。具体的には、外税商品(○○整髪料)分の支払額は、税抜価格¥1000と、10%の消費税額¥100とを示す。
【0101】
総額欄533は、内税商品の合計支払額と、外税商品の合計支払額とを合算した総支払額を表示する欄であり、具体的には、小計欄532に示した各支払額を合算した総支払額を表示する欄である。また、総額欄533は、精算に用いられた決済種別(現金、クレジットカード、商品券、交通系IC、QRコード(登録商標)決済など)を示す表示を含む。特に、現金支払いの場合、図示のように、「お預かり」の欄とともに顧客から受け取った(顧客が入金した)金額が印字されるとともに、「お釣り」の欄とともにお預かり額から合計支払額を差し引いた額が印字される。なお、複数の決済種別を混在させることも可能であり、この場合、決済種別ごとの精算情報が印字される。
【0102】
次に、税率別合計欄534について説明する。
税率別合計欄534は、合計支払額欄534aと、適用税率欄534bと、合計税額欄534cとを含む。
図示に示すように、合計支払額欄534aは、軽減税率商品と、通常税率商品とで別々に区分されて、それぞれの合計支払額が表示される。合計支払額欄534aは、軽減税率商品と、通常税率商品との内税表示(税込表示)を示す。
適用税率欄534bは、軽減税率商品と通常税率商品とにそれぞれ適用した税率(8%および10%のうち一方)を示す。
合計税額欄534cは、軽減税率商品と通常税率商品とのそれぞれの消費税額の合計を示す。
総額欄533と税率別合計欄534との配置に関し、図9Aでは、総額欄533の下に税率別合計欄534を配置した記載としているが、総額欄533の上に税率別合計欄534を配置した記載としてもよい。
【0103】
バーコード欄535は、POS端末装置20において取引情報を呼び出すためのバーコードを示す。当該バーコードは、取引識別情報欄521に示す各情報を含む。当該バーコードは、明細エリア530に示す取引情報と関連付けられて、ストアコントローラ10やPOS端末装置20等の所定の記憶部に記憶される。バーコード欄535は、返品時や印字内容の訂正等にPOS端末装置20に読み取られる。これにより、POS端末装置20は、読み取った情報に基づいて取引情報を特定することができるため、顧客対応に係る作業の効率化を図ることができる。
【0104】
ここで、通常レシート910の他の例について、以下の(1)、(2)の2パターンを挙げる。
(1)交付先欄522は、表示されることに限らず、省略されてもよい。この場合、交付先欄522を省略した分、明細エリア530を上に詰めて記載すればよい。
(2)適用税率欄534bと合計税額欄534cとは、両方が表示されることに限らず、少なくともいずれか一方が表示されていればよい。言い換えれば、適用税率欄534bと合計税額欄534cとのうち、いずれか一方を省略してもよい。
【0105】
印字態様を、上記の通常レシート910とするか、上記(1)、(2)の2パターンのうちいずれかとするかは、設定に応じて切替え可能とすることも可能である。当該設定は、例えば、ストアコントローラ10やPOS端末装置20で行わればよい。
【0106】
具体的に補足すると、上記(1)に関し、交付先欄522の記載の有無は、店員の操作に応じて切替え可能としてもよい。
上記(2)に関し、適用税率欄534bと合計税額欄534cとのうち、両方の表示とすることを、または、一方を表示する場合には表示する一方を、店舗スタッフの操作に応じて切替え可能にしてもよい。
【0107】
ここで、通常レシート910では、取引内容欄531に外税商品(「○○牛乳」および「○○整髪料」)が含まれていることから、取引内容欄531に示す各商品の価格をそのまま加算したとしても、総額欄533に示す総支払額にはならない。このため、小計欄532を設けないとすると、取引内容欄531に示す価格から、総額欄533に示す総支払額が導出されることが不明瞭になってしまう。このため、通常レシート910では、小計欄532を設けて、軽減税率商品と通常税率商品とに分け、それぞれの税率における内税商品の合計額、外税商品の合計額、外税商品の合計額にかかる税額、を表示することにより、これらの加算によって総額欄533に示す総支払額となることを明示するようにしている。
【0108】
通常レシート910に示したように小計欄532を設けることで、総支払額の導出の過程を顧客に示すことができる。このため、どのような理由で総支払額が導出されたのか、という顧客からの問い合わせを減らすことができる。
【0109】
なお、小計欄532を省略するも可能である。例えば、内税商品のみが登録された場合(外税商品を含まない場合)、取引内容欄531に示す各商品の価格をそのまま加算しても、総額欄533に示す総支払額になる。すなわち、軽減税率商品と通常税率商品とに分けて小計額を表示しなくても、取引内容欄531に示す各商品の価格をそのまま加算するだけで、総額欄533に示す総支払額になることを明示することができる。このため、小計欄532を省略してもよい。これにより、通常レシート910の紙媒体の使用量を抑えることができる。
【0110】
次に、図9Bに示す備品レシート920について説明する。備品レシート920において、取引内容欄531は、備品を示す無償商品「作業ズボン¥0」が印字されている。また、小計欄532は、小計金額「¥0」と、買上点数が「1点」と、消費税額「¥0」との各印字を含む。総額欄533は、合計金額「¥0」、決済種別である「社員証」の各印字を含む。特に、備品レシート920は、従業員情報536を含む。従業員情報536は、従業員番号と、従業員氏名とを含む。
【0111】
このように、備品取引では、支払がないものの、備品レシート920を発行するようにしている。備品レシート920により、顧客は、備品が支給されたことを確認することができる。また、サイズ違いや商品の不備等により交換を行う場合でも、当該レシートを用いることにより、備品の交換を容易に行うことができる。
【0112】
なお、備品レシート920において、税率別合計欄534を表示するようにしてもよい。この場合、各税率の合計支払額欄534aおよび合計税額欄534cには、いずれも¥0が表示される。また、備品レシート920は、保存方式(インボイス制度)の対応に基づく印字態様でなくてもよく、すなわち、通常の印字態様のレシートとしてもよい。具体的には、例えば、上記(1)~(6)のうち、いずれかが含まれない印字態様であってもよい。
【0113】
以上説明したように、本実施形態に係るPOS端末装置20は、備品取引では識別情報の取得を条件に取引(登録および精算)を行う。これにより、売店スタッフによる手続を要さずに、フルセルフモードのPOS端末装置20で備品取引を行うことができる。また、売店スタッフが常駐しない無人の店舗でも、備品取引を行うことができる。このため、事業所の売店において備品管理システムStを導入した場合でも、備品管理システムStを効率よく運用することができる。したがって、備品管理システムStに係る運用の効率化を図ることができる。
【0114】
また、本実施形態に係るPOS端末装置20は、通常商品取引では、従業員番号の取得にかかわらず、取引を行う。したがって、通常商品取引では、顧客は社員証を提示しなくても、取引を行うことができる。
【0115】
また、本実施形態に係るPOS端末装置20は、備品取引が完了した場合、従業員番号を関連付けた取引実績を備品DB2に記憶させる。これにより、備品管理端末装置30は、備品管理サーバ1に問い合わせることにより、取引実績を表示することができる。したがって、備品取引における売店スタッフによる備品に係る手続を行わなくても、備品管理者は、備品の確認を行うことができる。
【0116】
また、本実施形態に係るPOS端末装置20は、事業所から従業員に無償で支給される支給品が取引対象の商品に含まれる場合、表示する支給品の金額をゼロにして取引を行う。これにより、支給品については、¥0であることを顧客に認識させることができるとともに、通常商品取引の場合と同様のセルフ操作に係る手続を踏んだ上で、備品を支給することができる。
【0117】
また、本実施形態に係るPOS端末装置20は、取引対象の商品が支給品のみである場合、ゼロを示す合計額を客側表示部205に表示させて、操作子を操作可能にする。これにより、通常商品取引の場合と同様のセルフ操作に係る手順で、備品取引を行うことができる。したがって、備品取引において顧客が操作に戸惑うことを抑え、円滑な取引を支援することができる。
【0118】
また、本実施形態に係るPOS端末装置20は、スキャンした従業員番号が特定の情報(例えば、特定の従業員番号)を含む場合に備品取引を可能にし、一方で、スキャンした従業員番号が特定の情報を含まない場合に備品取引を不可能にする。これにより、取引対象の顧客が、特定の従業員ではない場合に、備品を提供しないようにすることができる。
【0119】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。なお、実施形態2では、上述した実施形態1で説明した内容については、適宜説明を省略する。上述した実施形態1では、通常商品取引と、備品取引とを別々に行う例について説明した。実施形態2では、通常商品取引と、備品取引とを一の取引で行う例について説明する。
【0120】
(実施形態2に係る備品DB2)
まず、図10を用いて、実施形態2に係る備品DB2について説明する。
図10は、実施形態2に係る備品DB2が記憶する備品管理情報の一例を示す説明図である。図10において、備品管理情報1000は、備品情報1001と、支給対象者情報1002とを関連付けた情報である。備品情報1001は、「取引上限数」と、「割引率」との項目を含む。
「取引上限数」は、支給可能な上限数、または、従業員割引が可能な上限数を示す。
「割引率」は、従業員が備品を購入する際に適用される割引率を示す。「割引」の項目において、例えば、「100%」は支給品であることを示し、また、「20%」は20%引の価格で取引されることを示す。
【0121】
一例を挙げると、図示において、作業ズボンの「取引上限数」が「3」であることを示す。また、マウスの「取引上限数」が「1」であり、「割引」が20%引きであることを示す。なお、図示では、「取引上限数」は、部署ごとに異なる値でもよい。例えば、第1製造部よりも第2製造部の方が作業着の消耗が激しい場合、第1製造部よりも第2製造部の「取引上限数」を大きい値とすることも可能である。
【0122】
支給対象者情報1002は、「サイズ」と、「取引実績数」との項目を含む。
「サイズ」は、従業員ごとの服のサイズを示す。なお、備品に靴や帽子やベルトを含む場合、それぞれのサイズを含むようにすればよい。「サイズ」は、従業員の申告等に基づいて、予め登録される。
「取引実績数」は、所定期間内(例えば過去6か月間)において、当該従業員に対して既に提供した各備品の数を示す。
【0123】
一例を挙げると、備品管理情報1000aは、「○○太郎」の「サイズ」が「L」であり、また、作業ズボンの「取引実績数」が「1」であることを示す。また、備品管理情報1000bは、「○×三郎」が第1営業部に属することや、作業ズボン等の支給がないことから「サイズ」の登録がないことや、事務用品の備品についての取引が可能であることを示している。
【0124】
(実施形態2に係る画面遷移の一例)
図11Aおよび図11Bは、実施形態2に係る画面遷移の一例を示す説明図である。図11A(1)は、待機画面1110を示す。待機画面1110は、案内通知1111と、取引開始ボタン1112とを含む。案内通知1111は、取引開始ボタン1112の押下、または商品のスキャンによって、取引が開始される旨を示す通知である。待機画面1110において、商品をスキャンすると、図11A(2)に示す登録画面1120に遷移する。
【0125】
図11A(2)は、登録画面1120を示す。登録画面1120において、商品情報欄423aは、「○○チョコ(¥300)、○○牛乳(¥200外)、○○整髪料(¥1000外)」が登録された旨を示している。登録画面1120において、精算開始ボタン431が押下されると、図4A(4)の決済種別選択画面440に進み、そのまま精算に係る処理が行われる。POS端末装置20の機能的構成について補足すると、図5に示した取引制御部503は、取引対象の商品に備品が含まれない場合、取得部501による従業員番号の取得を要さずに、取引対象である通常の商品の取引を行う。
【0126】
登録画面1120は、「作業着」の登録を受け付けるプリセットキー651を含む。登録画面1120において、プリセットキー1121が押下されると、図11A(3)に示す社員証催促画面1130に遷移する。
【0127】
図11A(3)は、社員証催促画面1130を示す。社員証催促画面1130において、顧客が客側スキャナ部206に社員証を読み取らせると、図11A(3)に示す備品選択画面630に遷移する。
【0128】
図11A(4)は、備品選択画面1140を示す。備品選択画面1140において、備品選択ボタン632は、取引不可能な備品(作業ジャンバー、スカート)については、押下を受け付けないグレーアウトで表示されており、取引不可能であることを示す態様で表示されている。例えば、作業ジャンバーについては、既に支給の上限数量に達し、残数が「0」であるため、取引不可能になっている。また、スカートについては、そもそも支給されないため、取引不可能になっている。図示において備品選択ボタン632は、支給可能な備品が作業ズボンのみであるとともに、作業ズボンについて残りの支給可能な数量が「2」であることを示している。なお、備品選択画面1140では、いずれの備品選択ボタン632についても受付可能(登録可能)にし、受け付けた備品が支給不可能な場合には、精算の開始前までにその旨を報知するようにしてもよい。
【0129】
また、図示において、作業ズボンを示す備品選択ボタン632は、支給可能な残数が残り2本である旨を示している。備品選択画面1140において、「作業ズボン」に対応する備品選択ボタン632が選択されると、図11B(5)に示す数量選択画面1150に遷移する。
【0130】
図11B(5)は、数量選択画面1150を示す。数量選択画面1150は、支給可能数1151を含む。支給可能数1151は、作業ズボンについて支給可能な数量を示す。数量選択画面1150において、支給可能数を超える数字が選択されたとしても、登録されないようになっている。また、数量選択画面1150において、価格表示641は、備品に対して支払う価格を示しており、具体的には、「¥0」を示す。数量選択画面1150において、支給可能な数量以下の数量が選択され、決定ボタン642が押下されると、図11B(6)に示す登録画面1160に遷移する。
【0131】
図11B(6)は、登録画面1160を示す。登録画面1160において、商品情報欄423aは、「○○チョコ(¥300)」等に加えて、「作業ズボン(¥0)」が登録された旨を示している。
【0132】
機能的構成について補足すると、図5の取引受付部505は、取引対象の商品に支給品が含まれる場合、客側表示部205(表示部の一例)に表示させる支給品の金額をゼロにして取引を行う。支給品の金額をゼロにした表示は、具体的には、図11B(5)の数量選択画面640における価格表示641や、図11B(6)の登録画面1160における商品情報欄423aである。
【0133】
登録画面1160において、精算開始ボタン431が押下されると、図11B(7)に示す決済種別選択画面1170に遷移する。
【0134】
図11B(7)は、決済種別選択画面1170を示す。決済種別選択画面1170において、社員証の選択を受け付ける決済種別選択ボタン441dは、グレーアウトで表示されており、選択不可能になっている。これは、今回の取引において、既に従業員番号を取得しているためである。
【0135】
なお、決済種別選択画面1170において、社員証に対応する決済種別選択ボタン441dは、非表示としてもよい。決済種別選択画面1170において、例えば、現金の選択を受け付ける決済種別選択ボタン441aが選択され、その後に、1700円の現金が投入されると、図11B(8)に示す支払画面1180に遷移する。
【0136】
図11B(8)は、支払画面1180を示す。支払画面1180において、終了ボタン461が押下されると、お釣りが払い出されるともに、共通レシート(図13参照)が発行される。そして、図11A(1)に示す待機画面1110に戻る。
【0137】
(実施形態2に係るPOS端末装置20が行う商品情報処理)
図12Aおよび図12Bは、実施形態2にかかるPOS端末装置20が行う商品情報処理の一例を示すフローチャートである。図12Aに示すように、POS端末装置20は、図11A(1)の待機画面1110において取引開始ボタン1112が押下されることにより、取引開始となったか否かを判断する(ステップS1201)。POS端末装置20は、取引開始となるまで待機し(ステップS1201:NO)、取引開始になると(ステップS1201:YES)、商品をスキャンしたか否かを判断する(ステップS1202)。
【0138】
商品をスキャンしない場合(ステップS1202:NO)、POS端末装置20は、図12BのステップS1221の処理に進む。一方、商品をスキャンした場合(ステップS1202:YES)、POS端末装置20は、商品を登録する(ステップS1203)。そして、POS端末装置20は、図12BのステップS1221の処理に進む。登録画面1120(図11A(2))や、登録画面1160(図11A(6))において、プリセットキー651が押下されることにより、備品の登録を行うか否かを判断する(ステップS1204)。
【0139】
備品の登録を行わない場合(ステップS1204:NO)、POS端末装置20は、図12BのステップS1221の処理に進む。一方、備品の登録を行う場合(ステップS1204:YES)、POS端末装置20は、今回の取引において、既に従業員番号を取得済みであるか否かを判断する(ステップS1205)。従業員番号を取得済みである場合(ステップS1205:YES)、POS端末装置20は、ステップS1211の処理に進む。一方、従業員番号を取得済みではない場合(ステップS1205:NO)、POS端末装置20は、顧客の操作に応じて社員証をスキャンして(ステップS1206)、従業員番号を取得する。
【0140】
そして、POS端末装置20は、当該顧客が備品取引を許可された従業員であるか否かを判断する(ステップS1207)。当該顧客が備品取引を許可された従業員ではない場合(ステップS1207:NO)、POS端末装置20は、エラーを報知して(ステップS1208)、一連の処理を終了する。
【0141】
一方、当該顧客が備品取引を許可された従業員である場合(ステップS1207:YES)、POS端末装置20は、従業員情報631を表示する(ステップS1209)。そして、POS端末装置20は、備品情報と、当該従業員の従業員番号とを関連付けた問合せ情報を備品管理サーバ1へ送信する(ステップS1210)。
【0142】
次に、POS端末装置20は、備品管理サーバ1から受信した判別結果に基づいて、登録可能な備品があるか否か判断する(ステップS1211)。登録可能な備品がない場合(ステップS1211:NO)、POS端末装置20は、備品の登録ができない旨を報知し(ステップS1212)、図12BのステップS1221の処理に進む。
【0143】
一方、登録可能な備品がある場合(ステップS1211:YES)、POS端末装置20は、図11A(4)の備品選択画面1140において備品の選択を受け付けて、さらに、図11B(5)の数量選択画面1150において備品の数量の選択を受け付けることにより、備品および数量を選択する(ステップS1213)。そして、POS端末装置20は、当該備品を登録する(ステップS1214)。
【0144】
そして、POS端末装置20は、図11A(2)の登録画面1120または図11B(6)の登録画面1160に示す精算開始ボタン431が押下されることにより、精算開始となったか否かを判断する(ステップS1221)。精算開始ではない場合(ステップS1221:NO)、POS端末装置20は、図12AのステップS1202に戻る。
【0145】
一方、精算開始である場合(ステップS1221:YES)、POS端末装置20は、図11B(7)の決済種別選択画面1170を表示して、決済種別の選択を受け付ける(ステップS1222)。そして、POS端末装置20は、今回の取引対象の商品に通常の商品が含まれるか否かを判断する(ステップS1223)。取引対象の商品に通常の商品が含まれない場合(ステップS1223:NO)、POS端末装置20は、ステップS1225の処理に進む。
【0146】
取引対象の商品に通常の商品が含まれる場合(ステップS1223:YES)、POS端末装置20は、決済種別選択画面1170において選択された決済種別により決済処理を行う(ステップS1224)。次に、POS端末装置20は、今回の取引対象の商品に備品が含まれるか否かを判断する(ステップS1225)。取引対象の商品に備品が含まれない場合(ステップS1225:NO)、POS端末装置20は、ステップS1227の処理に進む。
【0147】
取引対象の商品に備品が含まれる場合(ステップS1225:YES)、POS端末装置20は、従業員番号を関連付けた取引実績を備品管理サーバ1へ送信する(ステップS1226)。これにより、備品管理サーバ1は、備品DB2における従業員番号に対応する取引実績を「未」から「済」に変更する。この後、POS端末装置20は、取引に応じたレシートを発行し(ステップS1227)、一連の処理を終了する。取引に応じたレシートは、通常商品取引と備品取引との混在の取引であれば共通レシート1300(図13参照)であり、通常商品取引のみの取引であれば通常レシート910であり、備品取引のみの取引であれば備品レシート920である。
【0148】
(実施形態2の共通レシート1300の一例)
図13は、実施形態2に係るPOS端末装置20が発行する共通レシート1300の一例を示す説明図である。図13の共通レシート1300において、取引内容欄531は、通常の商品に関する情報と、備品に関する情報とを含む。小計欄532は、通常の商品に関する小計と、備品に関する小計(¥0)とを示す。総額欄533は、通常の商品に関する情報と、備品に関する情報(社員証と¥0との表示)とを示す。従業員情報536は、従業員番号および従業員氏名のほかにも、作業ズボンの支給が可能な本数が残り1本である旨を示している。
【0149】
このように、実施形態2では、通常商品取引と備品取引とをまとめた共通レシート1300を発行するため、紙媒体の消費を抑えることができる。ただし、実施形態2において、通常商品取引と、備品取引とを含む取引の場合に、別々のレシートを発行するようにしてもよい。
【0150】
以上説明したように、実施形態2に係るPOS端末装置20によれば、通常商品取引と、備品取引とを一の取引で行うことができる。これにより、売店スタッフによる手続を要さずに、フルセルフモードのPOS端末装置20で備品取引を行うことができる。このため、事業所の売店において備品管理システムStを導入した場合でも、備品管理システムStを効率よく運用することができる。したがって、備品管理システムStに係る運用の効率化を図ることができる。
【0151】
以下、実施形態総括を記載する。
[発明の名称]商品情報処理装置、およびプログラム
[技術分野]本発明は、商品情報処理装置、およびプログラムに関する。
[背景技術]
従来、工場やオフィス等の事業所には、従業員等の顧客が利用する売店が設けられることがある。当該売店で取り扱われる商品には、飲食類などの通常の商品の他にも、事業所で使用される備品が含まれることがある。備品は、無償で支給される商品や、従業員用の割引価格で購入される商品を含む。売店で取引された備品は、総務部等の所定の部署で管理される。このため、備品の取引では、売店のスタッフが伝票等に取引対象の備品を記入して、当該伝票を所定の部署へ送付するといった備品に係る手続が行われる。
【0152】
また、近年では、顧客の操作によって商品の登録と精算とが行われるセルフレジを導入したセルフ取引が普及している(例えば、特許文献1参照)。事業所における売店でも、セルフ取引が普及しつつある。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2020-205023号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、従来技術では、事業所における売店にセルフ取引を導入したとしても、備品については売店スタッフによる備品に係る手続を要することがあった。このため、備品の取引については、売店スタッフを介して取引を行うことになり、すなわち、セルフ取引を行えないことがあった。これにより、セルフ取引を導入したとしてもセルフ取引を効率よく運用することができないことがある、といった問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、セルフ取引に係る運用の効率化を図ることができる技術を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
【0153】
(1)上述した課題を解決するために、本発明の一態様である商品情報処理装置は、顧客の操作により、取引対象の商品を受け付ける商品受付手段と、前記顧客の識別情報を取得する取得手段と、前記取引対象の商品に、前記顧客が従事する事業所で使用される備品が含まれる場合、前記取得手段による前記識別情報の取得を条件に、前記備品の取引を行う取引制御手段と、を備えることを特徴とする商品情報処理装置である。
上記構成によれば、売店スタッフによる手続を要さずに、フルセルフモードのPOS端末装置20で備品取引を行うことができる。このため、事業所の売店において備品管理システムStを導入した場合でも、備品管理システムStを効率よく運用することができる。したがって、備品管理システムStに係る運用の効率化を図ることができる。
【0154】
(2)上記(1)の構成において、前記取引制御手段は、前記取引対象の商品に前記備品が含まれない場合、前記取得手段による識別情報の取得にかかわらず、前記取引対象の取引を行うようにしてもよい。
上記構成によれば、通常商品取引では、顧客は社員証を提示しなくても、取引を行うことができる。
【0155】
(3)上記(1)または(2)の構成において、前記備品の取引が完了した場合、前記識別情報を関連付けた当該備品の取引実績を所定の記憶部に記憶させる記憶制御手段、を備えるようにしてもよい。
上記構成によれば、備品管理端末装置30は、備品管理サーバ1に問い合わせることにより、取引実績を表示することができる。したがって、備品取引における売店スタッフによる備品に係る手続を行わなくても、備品管理者は、備品の確認を行うことができる。
【0156】
(4)上記(1)~(3)のいずれかの構成において、前記備品は、前記事業所から前記顧客に無償で支給される支給品を含み、前記取引制御手段は、前記取引対象の商品に前記支給品が含まれる場合、表示部に表示させる前記支給品の金額をゼロにして取引を行うようにしてもよい。
上記構成によれば、支給品については、¥0であることを顧客に認識させることができるとともに、通常商品取引の場合と同様のセルフ操作に係る手続を踏んだ上で、備品を支給することができる。
【0157】
(5)上記(4)の構成において、前記取引制御手段は、前記取引対象の商品の合計額を表示部に表示させるとともに、精算に係る操作子を操作可能にする取引受付手段を備え、前記取引受付手段は、前記取引対象の商品が前記支給品のみである場合、ゼロの合計額を表示部に表示させて、前記操作子を操作可能にしてもよい。
上記構成によれば、通常商品取引の場合と同様のセルフ操作に係る手順で、備品取引を行うことができる。したがって、備品取引において顧客が操作に戸惑うことを抑え、円滑な取引を支援することができる。
【0158】
(6)上記(1)~(5)のいずれかの構成において、前記取引制御手段は、前記取得手段によって取得された識別情報に予め登録された特定の情報が含まれる場合、前記備品の取引を可能にし、前記取得手段によって取得された識別情報に前記特定の情報が含まれない場合、前記備品の取引を不可能にしてもよい。
上記構成によれば、取引対象の顧客が、特定の従業員ではない場合に、備品を提供しないようにすることができる。
【0159】
(7)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、商品情報処理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、顧客の操作により、取引対象の商品を受け付ける商品受付手段、前記顧客の識別情報を取得する取得手段、前記取引対象の商品に、前記顧客が従事する事業所で使用される備品が含まれる場合、前記取得手段による前記識別情報の取得を条件に、前記備品の取引を行う取引制御手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
上記構成によれば、売店スタッフによる手続を要さずに、フルセルフモードのPOS端末装置20で備品取引を行うことができる。このため、事業所の売店において備品管理システムStを導入した場合でも、備品管理システムStを効率よく運用することができる。したがって、備品管理システムStに係る運用の効率化を図ることができる。
【0160】
なお、上記において説明したPOS端末装置20における各機能(入出力、記憶、処理(判断等を含む))の全部又は一部は、当該機能の実行主体として説明した装置とは異なる他の装置において実現してもよい。
【0161】
例えば、POS端末装置20に代えて、ストアコントローラ10や、備品管理サーバ1や、クラウドサーバ(不図示)が、識別情報の取得を条件に備品取引を行う制御を行うようにしてもよい。具体的には、例えば、他の装置が、POS端末装置20に代えて、POS端末装置20が行う処理(図8Aおよび図8B参照)を実行してもよい。
【0162】
また、上述した説明では、POS端末装置20が、取得部501と、商品受付部502と、取引制御部503と、記憶制御部504と、を備える構成について説明したが、これらの機能部の全部または一部が、他のコンピュータ装置に具備されていてもよい。例えば、これらの機能部のうち全部または一部が、ストアコントローラ10に具備されていてもよいし、クラウドサーバに具備されていてもよいし、これら以外のコンピュータ装置に具備されていてもよい。また、これらの機能部が具備されるコンピュータ装置は、複数台であることに限らず、1台であってもよい。例えば、これらの機能部の全てを一のコンピュータ装置が具備していてもよい。
【0163】
上記に関連し、POS端末装置20は、識別情報の取得を条件に備品取引を行う制御に関して、入出力のインタフェース部分に特化したいわゆるシンクライアントとして機能してもよい。つまり、POS端末装置20は、各種の入力(操作者の操作、スキャナ等のデバイスによる検出)を受け付け、入力情報(操作情報、スキャン情報等)をクラウドサーバに送信し、当該入力情報に基づくクラウドサーバの処理結果(更新画面情報、デバイスの制御情報等)を受信し、各種の出力(表示部への表示、デバイスの制御)を行ってもよい。
【0164】
また、以上に説明した、備品管理システムStおよびPOS端末装置20を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0165】
St…備品管理システム、1…備品管理サーバ、10…ストアコントローラ、11…取引状況管理装置、20…POS端末装置、201…CPU、202…ROM、203…RAM、204…ハードディスク、205…客側表示部、206…客側スキャナ部、208…カード決済部、209…釣銭機、213…印刷部、214…音声出力部、215…通信部、501…取得部、502…商品受付部、503…取引制御部、504…記憶制御部、505…取引受付部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13