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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177948
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】オブジェクト操作用のプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04845 20220101AFI20231207BHJP
   G06F 3/04847 20220101ALI20231207BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20231207BHJP
   A63F 13/2145 20140101ALI20231207BHJP
   A63F 13/426 20140101ALI20231207BHJP
【FI】
G06F3/04845
G06F3/04847
G06F3/0488
A63F13/2145
A63F13/426
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090923
(22)【出願日】2022-06-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】509224516
【氏名又は名称】株式会社アルヴィオン
(74)【代理人】
【識別番号】100136847
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼山 嘉成
(72)【発明者】
【氏名】堂野 邦典
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA04
5E555AA76
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA20
5E555BB05
5E555BB06
5E555BB20
5E555BC04
5E555CA13
5E555CB14
5E555CB15
5E555CB16
5E555CB17
5E555CB55
5E555CC22
5E555CC26
5E555DA01
5E555DB32
5E555DB53
5E555DB57
5E555DC19
5E555DC84
5E555DD06
5E555DD11
5E555EA07
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】操作の難度が低いオブジェクト操作用のプログラムを提供する。
【解決手段】制御部2は、スワイプ中に、指が画面から離れたか否かを判断し(S210)、画面端判定枠の外か否かを判定する(S211)。指が離れたのが画面端判定枠の内側である場合(S211のNoの場合)、制御部2は、現在の操作情報を保持する(S212~S215)。画面端判定枠の外側である場合(S211のYesの場合)、制御部2は、操作強度段階を加算し、現在の操作情報を更新し、保持する(S216~S220)。スワイプ後、指が離れた状態での移動の維持と再接触時の操作の再開が実現できる。また、上フリックやタップ又は下フリックの場合も、指が離れた状態での移動の維持と再接触時の操作の再開が実現できる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触操作を受け付ける操作入力部を含む表示装置に接続される或いは当該表示装置を備えるコンピュータを、
スワイプ中に前記操作入力部への接触が離れたか否かを判断する手段、
スワイプ中に前記操作入力部への接触が離れたと判断した場合に、操作対象となるオブジェクトに対する現在の操作情報を保持する手段、
前記操作入力部への接触が行われていない状態において、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトが移動する様子を表示する手段、及び、
前記操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトの操作を再開する手段、
として機能させることを特徴とする、プログラム。
【請求項2】
操作入力を感知できる全ての範囲を前記操作入力部とし、画面全体を前記操作入力部とする場合の操作判定枠を画面端判定枠として、前記コンピュータを機能させることができる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記画面端判定枠の外で接触が離れたと判断した場合、前記現在の操作情報を一段上の強度の操作情報であるとして更新し、
前記操作入力部への接触が行われていない状態において、更新した前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトが移動する様子を表示させ、
前記操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトの操作を再開することを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記画面端判定枠の外で接触が離れたと判断した場合であり、かつ、接触が離れた際の移動方向が所定の下方向であった場合に、前記現在の操作情報を一段下の強度の操作情報であるとして更新することもでき、
前記操作入力部への接触が行われていない状態において、更新した前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトが移動する様子を表示させ、
前記操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトの操作を再開することを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
前記操作入力部での操作が所定の上方向のフリックであるか否かを判断する手段として機能させ、
前記所定の上方向のフリックであると判断した場合に、前記現在の操作情報を一段上の強度の操作情報であるとして更新し、
前記操作入力部への接触が行われていない状態において、更新した前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトが移動する様子を表示させ、
前記操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトの操作を再開することを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
前記操作入力部での操作がタップ又は所定の下方向へのフリックであるか否かを判断する手段として機能させ、
タップ又は前記所定の下方向へのフリックであると判断した場合に、前記現在の操作情報を一段下の強度の操作情報であるとして更新し、
前記操作入力部への接触が行われていない状態において、更新した前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトが移動する様子を表示させ、
前記操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトの操作を再開することを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、
前記操作入力部での操作がダブルタップであるか否かを判断する手段として機能させ、
ダブルタップであると判断した場合に、保持されている情報を破棄して、
前記オブジェクトが停止する様子を表示する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作入力部を含む表示装置に接続される或いは当該表示装置を備えるコンピュータで実行されるプログラムに関し、より特定的には、接触操作によって、オブジェクトを操作するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、接触を受け付ける操作入力部(9)を含む表示装置(2)に接続される或いは当該表示装置(2)を備えるコンピュータ(1)を、操作入力部(9)に対するユーザの操作に応じて、仮想コントローラ画像(10a)の属性を変更していく仮想コントローラ属性変更手段(14)、及び、仮想コントローラ属性変更手段(14)によって変更された仮想コントローラ画像の強度属性(15d)及び方向属性(15f)に基づいて、仮想コントローラ画像(10a)を生成すると共に、仮想コントローラ画像(10a)の強度属性(15d)及び方向属性(15f)に連動して、操作対象が移動していくように、表示装置(2)に表示する操作対象画像(10b)を生成する表示画像生成手段(13)として機能させるプログラムが記載されている。特許文献1に記載のプログラムによれば、精度良く操作対象を操作することができる仮想コントローラを、コンピュータ上に実現することが可能となる。なお、括弧書き内の参照符号は、特許文献1に記載の参照符号である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-187289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に記載のプログラムにおいて、指が画面から離れたり、指が画面の外に出てしまったりした後に、再度、指を画面に接触させたときに、どのような動作となるかについて考える。なお、以下の「発明が解決しようとする課題」の欄の記載において、「指が画面の外に出てしまった場合」についても、「指が画面から離れた場合」であるとして説明する。
【0005】
特許文献1には、指が離れたと判断された場合に、操作の内容が、タッチアンドホールドであるか、タップであるか、スワイプであるか、それとも、フリックであるかを認識し(特許文献1の段落0169及び同図8のS509参照)、その後、強度属性の変化処理に進み、予め決められた規則に従って、強度属性の変更が行われることが記載されている(同段落0171及び同図8のS511参照)。ここで、予め決められた規則として、特許文献1では、強度を示すメータ値を、時間進行に沿って、徐々に小さな値にすることで、1フレームの間に進む距離を徐々に減少させていくことが、一例として挙げられている。これにより、指が画面から離れた場合に、操作対象が減速していくように、表示させることが可能となる。
【0006】
しかし、特許文献1における上記記載に基づけば、指が画面から離れた後に、再度、画面に指が接触した場合、強度属性変化処理(同図8のS511)によって、指が離れる前の強度属性からは変わってしまっている可能性があるので、指が離れる前の状態から操作を継続することができない可能性がある。
【0007】
また、特許文献1において、操作強度を継続するには、タッチアンドホールドで画面から指を離さないようにするか(同段落0159及び図8のS506からS508のNOへの流れ参照)、又は、フリック操作によって、強度属性を加算し続けなければならない(同段落0176及び図8のS517参照)。このように、特許文献1においては、操作強度を継続するために何らかの明示的な操作が必要とされている。
【0008】
たとえば、スマートフォンやスマートウォッチなど、画面の小さいデバイスの場合、接触できる画面の大きさは限られている。そのため、画面に指を接触し続けたり、フリック操作を継続し続けたりすることは、難度が高いと感じられる可能性がある。特に、スマートウォッチなどのように、画面が極めて小さいデバイスの場合は、難度が極端に上昇することとなる。
【0009】
また、意図せずに、操作領域の外に指が出てしまった場合、再タップの際に、意図しない操作強度に戻される可能性がある。
【0010】
このように、特許文献1に記載のプログラムでは、指が画面から離れた後に、再度、画面に指が接触した場合、操作強度が変わってしまっている可能性があり、操作の難度が高いという問題があった。
【0011】
また、特許文献1に記載のプログラムでは、指が画面から離れている間、減速等するような形態では、オブジェクトの動作が停止してしまう可能性があり、その観点でも、操作の難度が高いという問題があった。
【0012】
それゆえ、本発明は、操作の難度が低いオブジェクト操作用のプログラムを提供することを目的とする。
【0013】
特に、本発明は、指が画面から離れたり、指が画面の外に出てしまったりした後に、再度、画面に指が接触した場合にも、指が離れる前の状態から操作を継続できるプログラムを提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、指が画面から離れたり、指が画面の外に出てしまったりした場合にも、動作が継続されるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明は、以下の特徴を有する。
本発明は、 接触操作を受け付ける操作入力部を含む表示装置に接続される或いは当該表示装置を備えるコンピュータを、スワイプ中に操作入力部への接触が離れたか否かを判断する手段、スワイプ中に操作入力部への接触が離れたと判断した場合に、操作対象となるオブジェクトに対する現在の操作情報を保持する手段、操作入力部への接触が行われていない状態において、保持されている現在の操作情報に基づいて、オブジェクトが移動する様子を表示する手段、及び、操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている現在の操作情報に基づいて、オブジェクトの操作を再開する手段、として機能させるプログラムである。
【0016】
一実施形態として、本発明のプログラムは、操作入力を感知できる全ての範囲を操作入力部とし、画面全体を操作入力部とする場合の操作判定枠を画面端判定枠として機能させることができる。
【0017】
一実施形態として、本発明のプログラムは、画面端判定枠の外で接触が離れたと判断した場合、現在の操作情報を一段上の強度の操作情報であるとして更新する。この場合も、本発明のプログラムは、操作入力部への接触が行われていない状態において、更新した現在の操作情報に基づいて、オブジェクトが移動する様子を表示させ、操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている現在の操作情報に基づいて、オブジェクトの操作を再開するとよい。
【0018】
また、さらに、本発明のプログラムは、画面端判定枠の外で接触が離れたと判断した場合であり、かつ、接触が離れた際の移動方向が所定の下方向であった場合に、現在の操作情報を一段下の強度の操作情報であるとして更新することもできる。この場合も、操作入力部への接触が行われていない状態において、更新した現在の操作情報に基づいて、オブジェクトが移動する様子を表示させ、操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている現在の操作情報に基づいて、オブジェクトの操作を再開するとよい。
【0019】
また、一実施形態において、本発明のプログラムは、コンピュータを、操作入力部での操作が所定の上方向のフリックであるか否かを判断する手段として機能させ、所定の上方向のフリックであると判断した場合に、現在の操作情報を一段上の強度の操作情報であるとして更新するようにしてもよい。この場合も、操作入力部への接触が行われていない状態において、更新した現在の操作情報に基づいて、オブジェクトが移動する様子を表示させ、操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている現在の操作情報に基づいて、オブジェクトの操作を再開するとよい。
【0020】
また、一実施形態において、本発明のプログラムは、コンピュータを、操作入力部での操作がタップ又は所定の下方向へのフリックであるか否かを判断する手段として機能させ、タップ又は所定の下方向へのフリックであると判断した場合に、現在の操作情報を一段下の強度の操作情報であるとして更新するようにしてもよい。この場合も、操作入力部への接触が行われていない状態において、更新した現在の操作情報に基づいて、オブジェクトが移動する様子を表示させ、操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている現在の操作情報に基づいて、オブジェクトの操作を再開するとよい。
【0021】
また、一実施形態において、本発明のプログラムは、コンピュータを、操作入力部での操作がダブルタップであるか否かを判断する手段として機能させ、ダブルタップであると判断した場合に、保持されている情報を破棄して、オブジェクトが停止する様子を表示するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、スワイプ中に画面から指が離れても、保持された現在の操作情報に基づいて、オブジェクトが移動する様子が表示され続けることになる。かつ、再度画面に指が接触した場合にも、保持されている現在の操作情報に基づいて、オブジェクトの操作を再開するので、指が離れる前の状態からの操作の継続が可能となる。
【0023】
また、操作入力を感知できる全ての範囲を操作入力部とし、画面全体を操作入力部とする場合の操作判定枠を画面端判定枠として機能させることで、仮想コントローラ画像やオブジェクト、その他の表示物の有無に関わらず、画面全体を用いて、操作が可能となる。特に、画面が小さいデバイスの場合には、画面全体を用いて操作を可能とすることで、操作の難度を低くすることが可能となる。
【0024】
また、スワイプ中に、画面端判定枠の外で指が離れた場合は、一段上の強度となって、オブジェクトの移動表示が継続され、再接触の際には、一段上の強度から操作の継続が可能となる。
【0025】
また、スワイプ中に、下方向への移動によって、画面端判定枠の外に指が離れた場合には、一段下の強度となって、オブジェクトの移動表示が継続され、再接触の際には、一段下の強度から操作の継続が可能となる。
【0026】
所定の上方向へのフリックが行われた場合、一段上の強度となって、オブジェクトの移動表示が継続され、再接触の際には、一段上の強度から操作の継続が可能となる。
【0027】
タップ又は所定の下方向へのフリックが行われた場合、一段下の強度となって、オブジェクトの移動表示が継続され、再接触の際には、一段下の強度から操作の継続が可能となる。
【0028】
ダブルタップが行われた場合は、オブジェクトが停止したような表示となる。
【0029】
このように、本発明によれば、操作の難度が低いオブジェクト操作用のプログラムが提供されることとなる。
【0030】
本発明のこれら、及び他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明の一実施形態における情報処理装置1の機能的構成を示すブロック図である。
図2図2は、操作プログラムを実行中の情報処理装置1における表示処理の流れを示すフローチャートである。
図3図3は、操作プログラムを実行中の情報処理装置1において、画面に指が接触したときの処理の流れを示すフローチャートである。
図4A図4Aは、スワイプしたときの画面の一例を示す図である。
図4B図4Bは、再接触した後にスワイプしたときの画面の一例を示す図である。
図4C図4Cは、再接触した後にスワイプしたときの画面の一例を示す図である。
図5図5は、タップしたときの画面の一例を示す図である。
図6図6は、ダブルタップしたときの画面の一例を示す図である。
図7図7は、上方向にフリックしたときの画面の一例を示す図である。
図8図8は、下方向にフリックしたときの画面の一例を示す図である。
図9図9(a)、図9(b)、及び、図9(c)は、仮想コントローラ画像における移動方向の表示例を示す図である。
図10図10(a)、図10(b)、及び、図10(c)は、仮想コントローラ画像における操作強度の表示例を示す図である。
図11図11は、図3の変形例を示すフローチャートであり、指が離れた際の移動方向が下方向か否かの判断(S301)が追加されたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1において、情報処理装置1は、制御部2と、記憶部3と、表示装置4と、通信部5と、入力部6とを備えるコンピュータである。なお、表示装置4は、情報処理装置1に備わっていてもよいし、情報処理装置1とは別体として、情報処理装置1に有線及び/又は無線で接続されてもよい。また、記憶部3は、報処理装置1に備わっていてもよいし、情報処理装置1とは別体として、情報処理装置1に有線及び/又は無線若しくはネットワークを介して接続されてもよい。記憶部3としては、ネットワークに接続された外部のストレージも含むものとする。
【0033】
記憶部3には、オブジェクトを操作するためのプログラム(「操作プログラム」と表記)と及び操作情報が記憶される。
【0034】
制御部2は、記憶部に記憶されている操作プログラムを読み込んで実行し、操作対象となるオブジェクトの操作及び表示に関する処理を実行する。
【0035】
操作情報は、操作プログラムを実行するために必要な情報である。操作情報には、第1記憶枠に記憶されている情報と、第2記憶枠に記憶されている情報とがある。
第1記憶枠には、「現在の操作情報」として、「操作強度」、「操作強度段階」、「基本操作強度」、及び「移動方向」が記憶される。
【0036】
「現在の操作情報」の「操作強度」は、オブジェクトの操作強度、たとえば、移動のスピードを表す。
「現在の操作情報」の「操作強度段階」は、操作強度の段階を表す。
「現在の操作情報」の「基本操作強度」は、「操作強度段階」における基本の操作強度を表す。
「現在の操作情報」の「移動方向」は、オブジェクトの移動の方向を表す。
【0037】
第2記憶枠には、操作強度段階毎に、「基本操作強度」が記憶される。
【0038】
表示装置4は、表示部4aと、操作入力部4bとを含む。表示装置4は、たとえば、一般に、タッチパネルと呼ばれるものであるとよいが、限定されない。表示部4aは、液晶パネルや有機ELパネル等である。操作入力部4bは、ユーザからの指やタッチペンなどの接触操作を受け付ける。
【0039】
通信部5は、ネットワークやBluetooth(登録商標)機器などとの通信を行うためのデバイスである。
【0040】
入力部6は、操作入力部4b以外の入力を受け付けるためのデバイスである。
【0041】
次に、図2を参照しながら、操作プログラムを実行中の情報処理装置1における表示処理の流れについて説明する。
【0042】
表示処理は、フレームタイミング毎に行われる。フレームタイミングが到来したら(S101)、制御部2は、記憶部3の第1記憶枠に記憶されている「現在の操作情報」を参照する(S102)。
【0043】
制御部2は、「現在の操作情報」における「移動方向」、「操作強度」、及び「操作強度段階」に基づいて、仮想コントローラ画像を生成して、仮想コントローラ画像を表示部4aに表示する(S103)。
【0044】
仮想コントローラ画像における「移動方向」の表示例を、図9(a)~(c)に示す。移動方向を矢印など(矢印や、円内で球体が移動するなどの種々の表示形式を含む)で示すことで、操作対象となっているオブジェクトがどの方向に移動しているかを表現することができる。
【0045】
仮想コントローラ画像における「操作強度」及び「操作強度段階」の表示例を、図10(a)~(c)に示す。図10(a)~(c)に示すように、「操作強度」を、「Speed」の数値やゲージによって示すと共に、「操作強度段階」を、「Shift」の数字で示す例をここでは示す。その他、図4A図8に示すように、単に、「操作強度」、「操作強度段階」及び「基本操作強度」を数値で示してもよい。なお、図4A図8では、説明を分かりやすくするために、「基本操作強度」の数値も記載しているが、「操作強度」、「操作強度段階」及び「基本操作強度」を表示するか否かは必要に応じて選択してもよい。
【0046】
なお、言うまでもないが、図示した仮想コントローラ画像はあくまでも一例に過ぎず、本発明を何ら限定するものではない。
【0047】
S104において、制御部2は、現在の操作情報における「移動方向」及び「操作強度」に基づいて、オブジェクトの画像及び背景画像を生成して、オブジェクトが移動する様子を表示する。そして、制御部2は、次のフレームタイミングまで待機する(S105)。
【0048】
このようにして、本実施形態では、記憶部3に記憶されている「現在の操作情報」に基づいて、制御部2が、仮想コントローラ画像を生成すると共に、オブジェクトの画像及び背景画像を生成して、オブジェクトが移動する様子を、フレームタイミング毎に表示していく。
【0049】
次に、図3を参照しながら、画面(操作入力部4b)の任意の位置に指が接触したときの処理の流れについて説明する。なお、ここでは、指が接触するとして説明するが、指以外に、タッチペンなどの他の操作器具が接触した場合も同様の処理の流れとなる。なお、画面の任意の位置とは、物理的な表示画面の任意の位置に限るものではなく、表示画面の内、一部が操作用に割り当てられている場合、操作用の担当領域内の任意の位置も含む概念である。
【0050】
画面の任意の位置に指が接触した場合(S201)、制御部2は、「現在の操作情報」の「操作強度」を、「基本操作強度」に更新する(S202)。
【0051】
S201の動作の開始タイミングとしては、以下の二つがある。第1は、初めての操作や「現在の操作情報」がリセットされている場合である。第2は、「現在の操作情報」に指が離れる前の情報が保持されている場合である。
【0052】
第1の場合、S202の動作では、「現在の操作情報」の「操作強度」がデフォルトの値(たとえば、「0」)に設定される。
【0053】
第2の場合、後述のS212、S217、又はS223の動作より、指が離れる前の「操作強度」が「基本操作強度」として保持されることになる。第2の場合、S202の動作では、「現在の操作情報」の「操作強度」が、保持されている「基本操作強度」に更新される。よって、再度画面に指が接触した場合、指が離れる直前の操作が継続されることとなる。
【0054】
そして、行われた操作が、スワイプであるか、上方向へのフリック(図3上、「上フリック」と表記する。)であるか、タップ又は下方向へのフリック(図3上、「下フリック」と表記する。)であるか、ダブルタップであるかを判断する(S203)。
【0055】
上フリックの判別基準となる上方向とは、適宜、予め決められた所定の角度としておけばよい。したがって、所定の上方向とは、画面の側面に対して、完全に平行な上方向である必要はなく、所定の決められた角度の範囲内の上方向をいう。
【0056】
下フリックの判別基準となる下方向についても、適宜、予め決められた角度としておけばよい。したがって、所定の下方向とは、画面の側面に対して、完全に平行な下方向である必要はなく、所定の決められた角度の範囲内の下方向をいう。
【0057】
また、表示デバイスとの位置関係や表示デバイスの向きや傾斜方向などに基づいて、上下が決まるものであるから、上方向及び下方向とは、概念的には、第1方向及び第2方向と表現することができる。
【0058】
スワイプとフリックの違いは、適宜、周知の技術に基づいて定義付けられ、両者が区別できるものとして定義付けられていればよい。
【0059】
また、スワイプをスライドやスクロールと表現したとしても、それは、スワイプに含まれるものとする。
【0060】
タップとは、画面を一回軽くタッチする操作である。ダブルタップとは、画面を二回連続で軽くタッチする操作である。
【0061】
S203において、制御部2がスワイプであると判断した場合(S204)、制御部2は、スワイプの長さに応じて、「現在の操作情報」の「操作強度」をアップさせて(S208)、スワイプの方向に応じて、「現在の操作情報」の「移動方向」を変更する(S209)。
【0062】
このようなスワイプ操作の間に、フレームタイミングが到来したら、図2で示したように、制御部2は、「現在の操作情報」に基づいて、仮想コントローラ画像及びオブジェクトの移動表示を実行していく。以下に説明する処理においても、同様に、フレームタイミングが到来する毎に、仮想コントローラ画像及びオブジェクトの移動表示が実行されていくこととなる。以下、特に説明を必要とする場合に、フレームタイミングが到来したときの表示に関して説明することとするが、適宜、説明を省略する。
【0063】
制御部2は、指が画面から離れたか否かを判断する(S210)。なお、この処理は、指が画面から離れたことによる割り込み処理でもよいことは言うまでもない。指が画面から離れない間、即ち、スワイプが続いている間、制御部2は、S208及びS209の動作を実行する。指が画面から離れたら、制御部2は、指が離れたのが画面端判定枠の外か否かを判定する(S211)。
【0064】
ここで、「画面端判定枠」とは、表示画面の物理的な端に限らず、表示画面の中で、操作のための担当領域として割り当てられている範囲の端の部分を含む概念である。
【0065】
たとえば、操作入力を感知できる全ての範囲を操作入力部4bとして、画面全体を操作入力部4bとする場合の操作判定枠を、「画面端判定枠」とすることができる。このとき、操作のための担当領域として割り当てられている範囲は、画面全体ということになる。
【0066】
また、たとえば、操作入力を感知できる全ての範囲の内、一部を、操作入力部4bとした場合、操作入力部4bの操作判定枠を、「画面端判定枠」とすることができる。このとき、操作のための担当領域として割り当てられている範囲は、画面全体の一部ということになる。
【0067】
上記のいずれの場合でも、仮想コントローラ画像やオブジェクト、その他の有無に関係なく、画面の任意の位置に触れば、操作が行われるようにしてもよいし、逆に、一部の表示部分については、操作を受け付けないようにしてもよい。画面のどの領域で操作を受け付けるかについては、本発明を何ら限定するものではない。
【0068】
S210において指が画面から離れたか否かの判断は、S211の画面端判定枠の外で指が離れたか否かの判断の前にある。したがって、指が画面から離れたという事象は、画面端判定枠の内側で指が離れた場合と、画面端判定枠の外側で指が離れた場合との両方を含むことになる。
【0069】
なお、実装されるハードウエア又はプログラムによっては、S210及びS211のように、2段階に判断せずに、1段階の判断で、画面端判定枠の内側で指が離れたか、画面端判定枠の外側で指が離れたかを判断することができる可能性がある。そのような場合であっても、指が画面から離れたか否かが判断されていることになるのであり、そのようなハードウエア又はプログラムであっても、本発明に含まれることになる。
【0070】
S211において、指が離れたのが画面端判定枠の内側である場合(S211のNoの場合)、制御部2は、第1記憶枠に記憶されている「現在の操作情報」の「基本操作強度」を保持し(S212)、「現在の操作情報」の「操作強度段階」を保持し(S213)、「現在の操作情報」の「操作強度」を保持し(S214)、「現在の操作情報」の「移動方向」を保持し(S215)、担当領域内の任意の位置に指が接触するまで待機する(S232)。
【0071】
このように、スワイプの後、指が画面端判定枠の内側で離れた場合は、「現在の操作情報」が保持されたままとなる。したがって、フレームタイミングが到来した場合、指が離れていても、保持されている「現在の操作情報」に基づいて、仮想コントローラ画像及びオブジェクトの移動表示が行われていくこととなる。
【0072】
また、このように、「現在の操作情報」が保持されるので、再度、画面に指が接触した場合には、保持されている「現在の操作情報」に基づいて、S202以降のステップによって、指が離れる前の操作が継続していくことになる。再接触の際の操作判定(S203)において、同様のスワイプ操作であればもちろんのこと、スワイプ以外の操作が行われていた場合であっても、指が離れる前の操作が継続されることになり、直感的かつ優れた操作性が実現できる。
【0073】
S211において、指が離れたのが画面端判定枠の外側である場合(S211のYesの場合)、制御部2は、指が画面判定枠から外れる直前の第1記憶枠の「操作強度」を第2記憶枠の「基本操作強度」として記憶する(S216)。このとき、「基本操作強度」を記憶するための第2記憶枠の「操作強度段階」は、「現在の操作情報」における「操作強度段階」となる。
【0074】
次に、制御部2は、第2記憶枠に記憶した第1記憶枠の「操作強度」の値を第1記憶枠の「基本操作強度」に設定して、「現在の操作情報」を更新する(S217)。
【0075】
次に、制御部2は、「基本操作強度」が新たに設定されたため「操作強度段階」を加算して、一段上の操作強度にして、「現在の操作情報」を更新する(S218)。制御部2は、「現在の操作情報」の「操作強度」はそのまま保持し(S219)、「移動方向」もそのまま保持し(S220)、担当領域内の任意の位置に指が接触するまで待機する(S232)。
【0076】
画面判定枠の外で指が離れた場合であっても、S219及びS220の動作によって、「現在の操作情報」の「操作強度」及び「移動方向」が保持されている。したがって、S212~S215のときと同様に、フレームタイミングが到来した場合、指が離れていても、保持されている「現在の操作情報」に基づいて、仮想コントローラ画像及びオブジェクトの移動表示が行われていくこととなる。
【0077】
また、「現在の操作情報」が保持されるので、再度、画面に指が接触した場合には、保持されている「現在の操作情報」に基づいて、S202以降のステップによって、指が離れる前の操作が継続していくことになる。再接触の際の操作判定(S203)において、同様のスワイプ操作であればもちろんのこと、スワイプ以外の操作が行われていた場合であっても、指が離れる前の操作が継続されることになり、直感的かつ優れた操作性が実現できる。
【0078】
そして、S216において、第1記憶枠の「現在の操作情報」の「操作強度段階」に対応する第2記憶枠の操作強度段階の「基本操作強度」が設定されることとなり、S217及びS218において、「現在の操作情報」の「操作強度段階」が加算されて、一段上の新たな操作強度段階の「操作強度」が次のスワイプ操作のとき更新されていくこととなる。よって、画面端判定枠の外までスワイプされた場合には、次の操作において、一段上の「操作強度段階」での操作が行われることとなるので、段階的な操作が可能となる。
【0079】
S216~S220の動作での表示の具体例を、図4A図4Cを参照して説明する。図4Aに示すように、まず、画面の任意の位置に指を接触させて、スワイプすると、指の方向に合せて、仮想コントローラ画像が回転し、「操作強度」が「0」から「83」に上昇する。さらに、スワイプが継続すると、「操作強度」が「83」から「257」に上昇して、指が画面端判定枠に到達し、指が画面端判定枠からはみ出したとする。このタイミングで、「移動方向」と「操作強度257」が保持され、操作強度段階が「1」に加算されて、「基本操作強度」が「0」から「257」に設定される。これで、画面から指が離れていることとなるが、保持された「操作強度」と「移動方向」に基づいた仮想コントローラ画像の表示及びオブジェクトの移動表示が実行されていく。
【0080】
次に、指を画面の任意の位置に再接触した場合について説明する。図4Bに示すように、再接触した場合、指が離れる前の「操作強度」及び「基本操作強度」が維持されている。したがって、再接触によっても、指が離れる前の操作が継続していることが分かる。
【0081】
移動方向は、再接触されたときの指の移動方向に合せて、仮想コントローラ画像の矢印の方向が変わる。このとき、再接触する前の移動方向から再接触後の移動方向に、急に、移動方向を変更するのではなく、連続的に移動方向を変更していくことにすれば、さらに、接触前の操作が継続されているという感覚を操作者に与えることが可能となる。
【0082】
スワイプの距離に応じて、「操作強度」が「257」から「385」に上昇する。さらに、スワイプが継続すると、「操作強度」が「385」から「538」に上昇して、指が画面端判定枠に到達し、指が画面端判定枠からはみ出したとする。このタイミングで、「移動方向」と「操作強度538」が保持され、「操作強度段階」が「1」から「2」に加算されて、「基本操作強度」が「257」から「538」に設定される。図4Aと同じく、これで、画面から指が離れていることとなるが、保持された「操作強度」と「移動方向」に基づいた仮想コントローラ画像の表示及びオブジェクトの移動表示が実行されていく。
【0083】
そして、再び、図4Cに示すように、指を画面の任意の位置に再接触した場合、保持されていた移動方向が、指の移動方向に合せて仮想コントローラ画像が回転し、スワイプの距離に合わせて、「操作強度」が「538」から「714」に上昇する。以後、同様の処理が繰り返される。
【0084】
仮に、図4Cの状況において、画面端判定枠の内側で、指が離れた場合は、S212~S215の処理が実行されて、指が離れた状態でも、「操作強度714」及び図4Cの紙面上左下の矢印方向に、オブジェクトが移動していくように、表示されることとなる。
【0085】
S203での操作判定によって、制御部2が上フリックを認識したとする(S205)。上フリックの場合、制御部2は、S216以降の処理に進む。すなわち、上フリックの場合には、スワイプの場合と異なり、スワイプの長さ及び方向に応じた「操作強度」のアップ及び「移動方向」の変更は行われないが、「操作強度段階」が加算される処理が行われることとなる。
【0086】
図7を参照しながら、上フリックのときの表示の具体例を説明する。図7に示すように、「操作強度」が「814」であり、「操作強度段階」が「2」であり、「基本操作強度」が「538」である場合に、画面の任意の位置で上フリックが行われると、「移動方向」、「操作強度」は、維持されたままで、「操作強度段階」が「2」から「3」に加算され、「操作強度段階」が「538」から「814」に更新される。
【0087】
このように、上フリックによって、「操作段階強度」を一段上に加算して、新たな「操作強度段階」での操作を可能とする。
【0088】
上フリックの場合であっても、指が離れた後、「現在の操作情報」が保持されることとなるので、指が離れていても、保持されている「現在の操作情報」に基づいて、仮想コントローラ画像及びオブジェクトの移動表示が行われていくこととなる。
【0089】
また、再度、画面に指が接触した場合には、保持されている「現在の操作情報」に基づいて、S202以降のステップによって、指が離れる前の操作が継続していくことになる。再接触の際の操作判定(S203)において、同様の上フリックであればもちろんのこと、上フリック以外の操作が行われていた場合であっても、指が離れる前の操作が継続されることになり、直感的かつ優れた操作性が実現できる。
【0090】
S203での操作判定によって、制御部2がタップ又は下フリックを認識したとする(S206)。制御部2は、記憶されている現在の操作強度段階の情報を破棄する(S221)。次に、制御部2は、「現在の操作情報」の「操作強度段階」が一段下になるように減算し(S222)、減算後の「操作強度段階」に対応した第2記憶枠に記憶されている「基本操作強度」を、「現在の操作情報」の「基本操作強度」とするように、「現在の操作情報」を更新する(S223)。そして、制御部2は、「現在の操作情報」の「操作強度」が「基本操作強度」となるように、「現在の操作情報」を更新する(S224)。制御部2は、「現在の操作情報」の「移動方向」は、保持したままとし(S225)、担当領域内の任意の位置に指が接触するまで待機する(S232)。
【0091】
そして、「現在の操作情報」が保持されるので、再度、画面に指が接触した場合には、保持されている「現在の操作情報」に基づいて、S202以降のステップによって、指が離れる前の操作が継続していくことになる。再接触の際の操作判定(S203)において、同様のタップ又は下クリック操作であればもちろんのこと、タップ又はしたクリック以外の操作が行われていた場合であっても、指が離れる前の操作が継続されることになり、直感的かつ優れた操作性が実現できる。
【0092】
図5を参照しながら、タップしたときの表示の具体例を説明する。図5に示すように、「操作強度」が「538」であり、「操作強度段階」が「2」であり、「基本操作強度」が「538」である場合に、画面上の任意の位置でタップが行われると、「移動方向」は保持されたまま、「操作強度段階」が「2」から「1」に一段下に減算されて、「操作強度」が第2記憶枠に記憶されている一段下の「基本操作強度」に更新され、「基本操作強度」が第2記憶枠に記憶されている一段下の「基本操作強度」に更新される。
【0093】
図8を参照しながら、下フリックしたときの表示の具体例を説明する。図8に示すように、「操作強度」が「538」であり、「操作強度段階」が「2」であり、「基本操作強度」が「538」である場合に、画面上の任意の位置で下フリックが行われると、「移動方向」は保持されたまま、「操作強度段階」が「2」から「1」に一段下に減算されて、「操作強度」が第2記憶枠に記憶されている一段下の「基本操作強度」に更新され、「基本操作強度」が第2記憶枠に記憶されている一段下の「基本操作強度」に更新される。
【0094】
S203での操作判定によって、制御部2がダブルタップを認識したとする(S207)。制御部2は、仮想コントローラ画像に表示されている「操作強度段階」の表示をリセットし(S226)、「操作強度段階」の表示をリセットし(S227)、「操作強度」の表示をリセットし(S228)、「移動方向」の表示をリセットする(S229)。
【0095】
そして、制御部2は、第1記憶枠と全ての操作強度段階の第2記憶枠に記憶の情報を破棄して(S230)、担当領域内の任意の位置に指が接触するまで待機する(S232)。このような処理によって、次のフレームタイミングが到来したら、操作対象のオブジェクトは、移動が停止したように表示されることとなる。
【0096】
図6を参照しながら、ダブルタップしたときの表示の具体例を説明する。図6に示すように、「操作強度」が「538」であり、「操作強度段階」が「2」であり、「基本操作強度」が「538」である場合に、画面上の任意の位置でダブルタップが行われると、「操作強度」、「操作強度段階」、及び「基本操作強度」が「0」にリセットされて、「移動方向」を示す矢印も、停止を示すような表示となる。
【0097】
上記実施形態によって、以下のような動作が実現される。
スワイプ中に画面から指が離れても、S212~S215の処理があるので、保持された現在の操作情報に基づいて、オブジェクトが移動する様子が表示され続けることになる。
【0098】
スワイプ中に、画面端判定枠の外で指が離れたとしても、S219及びS220の処理があるので、保持された現在の操作情報に基づいて、オブジェクトが移動する様子が表示され続けることになる。
【0099】
画面端判定枠の外で指が離れた場合は、S216~S218の処理によって、一段上の強度となって、オブジェクトの移動表示が継続されることとなる。
【0100】
スワイプ操作によって、画面端判定枠の内側で指が離れた場合には、S212の処理によって、「現在の操作情報」の「基本操作強度」が保持されて、再接触した場合には、S202によって、指が離れる前の「基本操作強度」が再接触後の「操作強度」となるので、再接触時は指が離れる前の操作をそのまま継続できる。
【0101】
スワイプ操作によって、画面端判定枠の外側で指が離れた場合にも、S217の処理によって、「現在の操作情報」の「基本操作強度」が保持されて、再接触した場合には、S202によって、指が離れる前の「基本操作強度」が再接触後の「操作強度」となるので、再接触時は指が離れる前の操作をそのまま継続できる。
【0102】
所定の上方向へのフリックが行われた場合も、S216~S218の処理によって、一段上の強度となって、オブジェクトの移動表示が継続されることとなる。
【0103】
上フリック操作によって、画面端判定枠の外側で指が離れた場合にも、S217の処理によって、「現在の操作情報」の「基本操作強度」が保持されて、再接触した場合には、S202によって、指が離れる前の「基本操作強度」が再接触後の「操作強度」となるので、再接触時は指が離れる前の操作をそのまま継続できる。
【0104】
タップ又は所定の下方向へのフリックが行われた場合は、S221~S225の処理によって、一段下の強度となって、オブジェクトの移動表示が継続されることとなる。
【0105】
タップ又は下フリック操作によって、画面から指が離れた場合にも、S223の処理によって、「現在の操作情報」の「基本操作強度」が保持されて、再接触した場合には、S202によって、指が離れる前の「基本操作強度」が再接触後の「操作強度」となるので、再接触時は指が離れる前の操作をそのまま継続できる。
【0106】
ダブルタップが行われた場合は、S226~S230の処理によって、オブジェクトが停止したような表示となる。
【0107】
これらの処理によって、表示部が大きいサイズであっても小さいサイズであっても同様に操作強度が操作されることとなる。
【0108】
これらの操作により、操作の難度が低いオブジェクト操作用のプログラムが提供されることとなる。
【0109】
(変形例)
上記図3に示す実施形態では、画面端判定枠から指が離れるか否かを判断するに際しては、上方向であるか下方向であるか、又は、それ以外の方向であるかについては判断していなかった。しかし、操作対象のオブジェクトが前進を主行動とするような一人称視点画面などの場合、下方向にスワイプして画面判定枠の外から指が離れた場合には、減速するとした方が、感覚的に適している場合がある。
【0110】
また、主に画面下部での操作が考えられる環境下において、下フリックによって、「操作強度段階」の減算を試みようとして失敗して、指が画面端判定枠から外に出てしまった場合、上記図3に示す実施形態では、逆に、「操作強度段階」が加算されてしまい、感覚的操作と逆の操作になってしまう場合がある。
【0111】
また、フリック操作には、感覚的個人差があり、操作性の良し悪しへの影響が大きい。
【0112】
また、画面上にボタン(たとば、ポーズボタン)が配置されている環境下において、操作者が「操作強度段階」を減算(たとえば、減速)するためにタップしたときを考える。操作者が操作に夢中になっているときに、減速のためにタップしたとして、その位置に、ポーズボタンが配置されていた場合、操作者の減速の意図とは異なりポーズが実行されてしまう場合がある。このように、タップによる「操作強度段階」の減算の場合にも、操作者の意図と異なる操作が生じてしまう可能性がある。
【0113】
上記図3の実施形態では、「操作段階強度」を上げたい場合、スワイプを行って、画面端判定枠の外で指を離すか、若しくは、上フリックを行うこととなる。「操作段階強度」
を下げたい場合には、タップ又は下フリックを行うことになる。
【0114】
しかし、上記したように、感覚的操作からすると、下方向へのスワイプによって、画面端判定枠の外で指を離すことによって、「操作強度段階」を下げることができれば、操作性はさらに向上する場合がある。また、タップミスや下フリックミスなどの可能性も考慮すれば、かかる操作は、有効であると考えられる。
【0115】
そこで、図11を実施形態の変形例として提示する。図11では、スワイプ時に、画面端判定枠の外で指が離れた場合に、指が離れた際の移動方向が所定の下方向であるか否かを判断するステップを追加する(S301)。
【0116】
ここで、所定の下方向とは、画面の側面に対して、完全に平行な下方向である必要はなく、所定の決められた角度の範囲内の下方向をいう。
【0117】
そして、S301がNoの場合、すなわち、下方向以外の方向で、画面端判定枠の外で指が離れた場合には、S216以降の処理に進んで、「操作強度段階」を一段上げる処理を行う。一方、S301がYesの場合は、タップ又は下フリックの場合と同様に、S221以降の処理に進んで、「操作強度段階」を一段下げる処理を行う。
【0118】
これによって、下方向にスワイプした場合であって、そのまま、画面端判定枠の外で指が離れた場合には、S221以降の処理に進み、「操作強度段階」が一段下に減算されて、減算された「操作強度段階」に応じた「操作強度」に「現在の操作情報」が更新されることとなる。
【0119】
その他、操作強度の加算処理や減算処理は、操作対象の特性や操作環境などに合わせて、適宜、変更するとよい。
【0120】
たとえば、指が画面操作枠から外で離れた際に、上方向のスワイプ操作であったのか、右方向のスワイプ操作であったのか、左方向のスワイプ操作であったのか、下方向のスワイプ操作であったのか、これらの全部又は一部を判断して、スワイプ操作の方向に合わせた操作強度の加減処理を実行するようにしてもよい。
【0121】
上記変形例によれば、下方向へのスワイプによって画面端判定枠の外で指が離れた場合に、一段下に強度が下がることとなるので、感覚的に適した操作が可能となる。
【0122】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本明細書に開示されている発明の構成要件は、それぞれ独立に単独した発明として成立するものとする。各構成要件をあらゆる組み合わせ方法で組み合わせた発明も、本発明に含まれることとする。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、オブジェクト操作用のプログラムに関し、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0124】
1 情報処理装置
2 制御部
3 記憶部
4 表示装置
4a 表示部
4b 操作入力部
5 通信部
6 入力部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-08-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触操作を受け付ける操作入力部を含む表示装置に接続される或いは当該表示装置を備えるコンピュータを、
スワイプ中に前記操作入力部への接触が離れたか否かを判断する手段、
スワイプ中に前記操作入力部への接触が離れたと判断した場合に、操作対象となるオブジェクトに対する現在の操作情報として、表示画面上での任意の方向へのスワイプに応じた移動方向及び操作強度に関する情報を保持する手段、
前記操作入力部への接触が行われていない状態において、保持されている前記現在の操作情報の前記移動方向及び前記操作強度に基づいて、前記オブジェクトの画像及び背景画像を生成して、前記オブジェクトが前記背景画像上を移動しているように表示する手段、及び、
前記操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトの操作を再開する手段、
として機能させることを特徴とする、プログラム。
【請求項2】
さらに、前記コンピュータを、
前記操作強度及び前記移動方向を示す仮想コントローラ画像を生成して表示する手段、
として機能させることを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
操作入力を感知できる全ての範囲を前記操作入力部とし、画面全体を前記操作入力部とする場合の操作判定枠を画面端判定枠として、前記コンピュータを機能させることができる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
接触操作を受け付ける操作入力部を含む表示装置に接続される或いは当該表示装置を備えるコンピュータを、
スワイプ中に前記操作入力部への接触が離れたか否かを判断する手段、
スワイプ中に前記操作入力部への接触が離れたと判断した場合に、操作対象となるオブジェクトに対する現在の操作情報を保持する手段、
前記操作入力部への接触が行われていない状態において、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトが移動する様子を表示する手段、及び、
前記操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトの操作を再開する手段、
として機能させ、
予め決められている画面端判定枠の外で接触が離れたと判断した場合、前記現在の操作情報を一段上の強度の操作情報であるとして更新し、
前記操作入力部への接触が行われていない状態において、更新した前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトが移動する様子を表示させ、
前記操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトの操作を再開することを特徴とする、プログラム。
【請求項5】
接触操作を受け付ける操作入力部を含む表示装置に接続される或いは当該表示装置を備えるコンピュータを、
スワイプ中に前記操作入力部への接触が離れたか否かを判断する手段、
スワイプ中に前記操作入力部への接触が離れたと判断した場合に、操作対象となるオブジェクトに対する現在の操作情報を保持する手段、
前記操作入力部への接触が行われていない状態において、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトが移動する様子を表示する手段、及び、
前記操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトの操作を再開する手段、
として機能させ、
予め決められている画面端判定枠の外で接触が離れたと判断した場合であり、かつ、接触が離れた際の移動方向が所定の下方向であった場合に、前記現在の操作情報を一段下の強度の操作情報であるとして更新することもでき、
前記操作入力部への接触が行われていない状態において、更新した前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトが移動する様子を表示させ、
前記操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトの操作を再開することを特徴とする、プログラム。
【請求項6】
接触操作を受け付ける操作入力部を含む表示装置に接続される或いは当該表示装置を備えるコンピュータを、
スワイプ中に前記操作入力部への接触が離れたか否かを判断する手段、
スワイプ中に前記操作入力部への接触が離れたと判断した場合に、操作対象となるオブジェクトに対する現在の操作情報を保持する手段、
前記操作入力部への接触が行われていない状態において、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトが移動する様子を表示する手段、
前記操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトの操作を再開する手段、及び、
前記操作入力部での操作が所定の上方向のフリックであるか否かを判断する手段として機能させ、
前記所定の上方向のフリックであると判断した場合に、前記現在の操作情報を一段上の強度の操作情報であるとして更新し、
前記操作入力部への接触が行われていない状態において、更新した前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトが移動する様子を表示させ、
前記操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトの操作を再開することを特徴とする、プログラム。
【請求項7】
接触操作を受け付ける操作入力部を含む表示装置に接続される或いは当該表示装置を備えるコンピュータを、
スワイプ中に前記操作入力部への接触が離れたか否かを判断する手段、
スワイプ中に前記操作入力部への接触が離れたと判断した場合に、操作対象となるオブジェクトに対する現在の操作情報を保持する手段、
前記操作入力部への接触が行われていない状態において、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトが移動する様子を表示する手段、
前記操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトの操作を再開する手段、及び、
前記操作入力部での操作がタップ又は所定の下方向へのフリックであるか否かを判断する手段として機能させ、
タップ又は前記所定の下方向へのフリックであると判断した場合に、前記現在の操作情報を一段下の強度の操作情報であるとして更新し、
前記操作入力部への接触が行われていない状態において、更新した前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトが移動する様子を表示させ、
前記操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている前記現在の操作情報に基づいて、前記オブジェクトの操作を再開することを特徴とする、プログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、
前記操作入力部での操作がダブルタップであるか否かを判断する手段として機能させ、
ダブルタップであると判断した場合に、保持されている情報を破棄して、
前記オブジェクトが停止する様子を表示する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明は、以下の特徴を有する。
本発明は、 接触操作を受け付ける操作入力部を含む表示装置に接続される或いは当該表示装置を備えるコンピュータを、スワイプ中に操作入力部への接触が離れたか否かを判断する手段、スワイプ中に操作入力部への接触が離れたと判断した場合に、操作対象となるオブジェクトに対する現在の操作情報として、表示画面上での任意の方向へのスワイプに応じた移動方向及び操作強度に関する情報を保持する手段、操作入力部への接触が行われていない状態において、保持されている現在の操作情報の移動方向及び操作強度に基づいて、オブジェクトの画像及び背景画像を生成して、オブジェクトが背景画像上を移動しているように表示する手段、及び、操作入力部への接触が再度行われた場合に、保持されている現在の操作情報に基づいて、オブジェクトの操作を再開する手段、として機能させるプログラムである。
さらに、コンピュータを、操作強度及び移動方向を示す仮想コントローラ画像を生成して表示する手段、として機能させるとよい。