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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177971
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】決済装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20231207BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
G07G1/01 301D
G07G1/12 321P
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090964
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】馬場 智幸
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸哉
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142AA03
3E142DA04
3E142DA08
3E142FA03
3E142FA05
3E142FA10
3E142FA42
3E142GA41
3E142JA01
3E142KA01
(57)【要約】
【課題】チャージ媒体に係る適切な取り扱いを支援すること。
【解決手段】POS端末装置は、読取手段と、操作受付手段と、報知手段とを備える。読取手段は、チャージ金額を用いて決済を行うチャージ媒体から媒体情報を読み取る。操作受付手段は、前記媒体情報が読み取られた後に遷移する画面において、所定の操作を受け付ける。報知手段は、前記所定の操作を受け付けることに応じて前記チャージ媒体の返却を示す報知を異なるタイミングで行う。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャージ金額を用いて決済を行うチャージ媒体から媒体情報を読み取る読取手段と、
前記媒体情報が読み取られた後に遷移する画面において、所定の操作を受け付ける操作受付手段と、
前記所定の操作を受け付けることに応じて前記チャージ媒体の返却を示す報知を異なるタイミングで行う報知手段と、
を備えることを特徴とする決済装置。
【請求項2】
前記所定の操作は、チャージを行うチャージ操作と、前記チャージを中止する中止操作と、を含み、
前記報知手段は、前記チャージ操作および前記中止操作のうち、いずれかが行われた場合に前記報知を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の決済装置。
【請求項3】
前記チャージ操作は、
前記チャージの金額を決定する決定操作と、
前記チャージにおける入金に係る入金操作と、
前記チャージを完了させる完了操作と、
を含み、
前記報知手段は、前記決定操作、前記入金操作、および前記完了操作のうちの、いずれかの操作が行われることにより前記報知を行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の決済装置。
【請求項4】
精算を行う精算手段を備え、
前記報知手段は、前記チャージ媒体での支払い選択がされた精算が開始され、前記チャージ媒体での支払いを中止する操作があった場合でも前記報知を行わず、当該精算の完了のタイミングで前記報知を行う、
請求項1または2に記載の決済装置。
【請求項5】
決済装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
チャージ金額を用いて決済を行うチャージ媒体から媒体情報を読み取る読取手段、
前記媒体情報が読み取られた後に遷移する画面において、所定の操作を受け付ける操作受付手段、
前記所定の操作を受け付けることに応じて前記チャージ媒体の返却を示す報知を異なるタイミングで行う報知手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗等の取引では、現金、クレジットカード、チャージ媒体など各種決済種別を用いて精算が行われる。チャージ媒体は、チャージ金額による決済を行う媒体であり、例えば、交通系IC(Integrated Circuit)などのプリペイドカードである。プリペイドカードを利用する顧客は、適宜、チャージ残額の確認や、プリペイドカードへのチャージを行う。
【0003】
例えば、プリペイドカードは、ICチップや磁気ストライプ等の記憶部を備える。チャージ金額は、プリペイドカードが備える記憶部に直接記憶される態様のほかにも、当該記憶部に記憶されるカード識別情報に対応させて外部のサーバ装置に記憶される態様のものがある。ここで、プリペイドカードを利用する顧客は、プリペイドカードの残額確認やチャージを行った際に、プリペイドカードを取り忘れてしまうことがある。
【0004】
関連する技術として、店員が商品を登録する登録装置と、顧客が精算を行う精算装置とを備えたシステムにおいて、精算装置が、決済に用いるカードが取り出された場合に当該カードによる決済処理を実行し、登録装置が、当該決済処理が実行された精算装置を登録データの送信先として選択可能にするシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許6787457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、周囲の雑音により警告を聞き逃してしまうと、依然としてチャージ媒体を取り忘れてしまったり、操作途中で立ち去ったりしてしまうことがあり、顧客がチャージ媒体を適切に取り扱うことができないことがある、という問題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、チャージ媒体に係る適切な取り扱いを支援することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である決済装置は、チャージ金額を用いて決済を行うチャージ媒体から媒体情報を読み取る読取手段と、前記媒体情報が読み取られた後に遷移する画面において、所定の操作を受け付ける操作受付手段と、前記所定の操作を受け付けることに応じて前記チャージ媒体の返却を示す報知を異なるタイミングで行う報知手段と、を備えることを特徴とする決済装置である。
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、決済装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、チャージ金額を用いて決済を行うチャージ媒体から媒体情報を読み取る読取手段、前記媒体情報が読み取られた後に遷移する画面において、所定の操作を受け付ける操作受付手段、前記所定の操作を受け付けることに応じて前記チャージ媒体の返却を示す報知を異なるタイミングで行う報知手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システム1のネットワーク構成を示す説明図である。
図2】POS端末装置20の設置例を示す説明図である。
図3】POS端末装置20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】POS端末装置20の機能的構成の一例を示す説明図である。
図5】待機中にチャージが開始される場合の一連のチャージ画面を示す説明図である。
図6】待機中にチャージが開始される場合の一連のチャージ画面を示す説明図である。
図7】精算中にチャージが行われる場合の一連のチャージ画面を示す説明図である。
図8】待機中においてPOS端末装置20が開始するチャージ処理の一例を示すフローチャートである。
図9】精算中にPOS端末装置20が行うチャージ処理の一例を示すフローチャートである。
図10】精算中にPOS端末装置20が行うチャージ処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
(POSシステム1のネットワーク構成)
図1は、本発明の実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システム1のネットワーク構成を示す説明図である。POSシステム1は、スーパーマーケット、ホームセンター、コンビニエンスストア、各種用品店など、種々の店舗に導入される。図1に示すPOSシステム1は、ストアコントローラ10と、取引状況管理装置11と、POS端末装置20とを備える。各装置は、LAN55を介して通信可能に接続されている。各装置は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信部などを備えたコンピュータ装置である。
【0012】
POSシステム1は、チャージ管理サーバSvを含む。チャージ管理サーバSvは、ネットワークを介して、ストアコントローラ10に接続される。チャージ管理サーバSvは、プリペイドカードやスマートフォン等のチャージ媒体にチャージされるチャージ残額を管理するサーバ装置である。チャージ管理サーバSvは、顧客(例えば会員顧客)ごとにチャージ残額を管理する。プリペイドカードは、カード識別情報を記憶するIC(Integrated Circuit)チップや磁気ストライプを備える。カード識別情報は、カード番号や会員番号である。
【0013】
チャージ管理サーバSvは、通信部を備え、ストアコントローラ10と通信を行うとともに、ストアコントローラ10を介して、取引状況管理装置11やPOS端末装置20と通信を行う。なお、チャージ管理サーバSvは、取引状況管理装置11や、ストアコントローラ10を介さずに、POS端末装置20と直接通信を行うようにしてもよい。また、チャージ管理サーバSvは、例えば、プリペイドカードを管理する会社ごとに設けられ、すなわち、プリペイドカードを管理する会社に応じた数だけ設けられる。
【0014】
ストアコントローラ10は、商品マスタなどの取引に必要な各種情報を記憶する。商品マスタは、各商品の商品識別情報(例えばJAN(Japanese Article Number)コード)、商品名、販売価格などの商品情報を格納するファイルである。また、商品マスタは、計量が必要な商品(計量対象商品)の商品識別情報、商品名、計量対象商品の単価などを含む。また、ストアコントローラ10は、商品マスタのほかにも、在庫状況、販売履歴、入出金記録などの各種の情報を記憶する。また、ストアコントローラ10は、顧客の会員情報を記憶してもよい。
【0015】
取引状況管理装置11は、店員がPOS端末装置20を監視するための装置である。具体的には、取引状況管理装置11は、POS端末装置20の状況(動作モード、処理状況等)を表示したり、POS端末装置20を制御したりすることが可能である。なお、POSシステム1では、取引状況管理装置11に店員を配置し、当該店員によるPOS端末装置20の監視を行うことが可能である。
【0016】
POS端末装置20は、決済装置の一例である。POS端末装置20は、チャージ媒体の残額確認やチャージを受け付ける。例えば、POS端末装置20は、チャージ管理サーバSvにチャージ残額の照会を行って、チャージ残額を表示する。また、POS端末装置20は、チャージ媒体のチャージを行うと、チャージ残額を更新するための情報をチャージ管理サーバSvへ送信する。
【0017】
POS端末装置20は、複数の動作モードのうちいずれかの動作モードで動作することが可能である。動作モードは、例えば、フルセルフモードと、店員登録モードと、会計専用モードとを含む。
フルセルフモードは、自装置で顧客が商品を登録(以下「セルフ登録」という場合がある。)し、自装置で顧客が精算(以下「セルフ精算」という。)を行うモードである。
店員登録モードは、店員が商品を登録し、顧客が店員に対面して精算(以下「対面精算」という。)を行うモードである。
会計専用モードは、セルフ精算を行うモードである。会計専用モードでは、店員登録モードのPOS端末装置20から送信される精算情報を受信し、当該精算情報に基づく精算が行われる。
【0018】
また、POSシステム1は、店員が所持する店員端末を備えていてもよい。店員端末は、POS端末装置20の状況(動作モード、処理状況等)を表示したり、POS端末装置20を制御したりすることが可能である。また、店員端末は、POS端末装置20から店員を呼び出す旨を示す情報を受信して、その旨を通知することも可能である。
【0019】
(POS端末装置20の構成例)
次に、図2および図3を用いて、POS端末装置20の構成について説明する。
図2は、POS端末装置20の設置例を示す説明図である。
図3は、POS端末装置20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2および図3において、同一部分には同一符号を付している。
【0020】
以下、図2を参照しつつ、図3に示したPOS端末装置20の構成例を説明する。POS端末装置20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、客側表示部205と、客側スキャナ部206と、カード決済部208と、釣銭機209と、店員側表示部210と、キー操作部211と、店員側スキャナ部212と、印刷部213と、音声出力部214と、通信部215と、カメラ216とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0021】
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、POS端末装置20の動作を制御する。各種プログラムは、本実施形態に係るチャージプログラムや、商品の登録や精算に係る商品販売データ処理プログラムを含む。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0022】
RAM203は、読み出しや書き込みが可能なメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、外部から取得した情報(例えば、ストアコントローラ10から取得した商品マスタ等)や、処理において生成した情報を記憶する。この情報は、例えば、商品を登録する登録処理において生成した情報や、登録した商品(登録商品)を精算する精算処理において生成した情報などを含む。
【0023】
ハードディスク204は、種々の情報を記憶する。例えば、ハードディスク204は、カメラ216によって撮像された撮像結果(例えば、動画)を記憶する。ハードディスク204は、例えば、ROM202に代えて、CPU201が実行する各種のプログラムを記憶してもよい。また、RAM203に代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
【0024】
客側表示部205は、顧客用のタッチディスプレイである。客側表示部205は、顧客に種々の情報を表示するとともに、顧客から種々の入力を受け付ける。客側表示部205は、プリペイドカードのチャージ残額を表示したり、プリペイドカードのチャージに係る操作を受け付けたりすることが可能である。なお、フルセルフモードにおいて、客側表示部205は、商品に対応するプリセットキー(商品を注文するボタン)を表示し、当該プリセットキーが操作(押下)されることによって、商品の登録を受け付ける。
【0025】
客側スキャナ部206は、顧客用のスキャナ部であり、各種コードを光学的に読み取る。各種コードは、商品に付されているバーコード(商品コード)のほか、金券(商品券やクーポン券)、会員カード、ポイントカードなどに印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)を読み取る。
【0026】
カード決済部208は、各種カードによる決済機構である。各種カードは、プリペイドカード、クレジットカード、ポイントカードを含む。プリペイドカードは、電子マネー(チャージ残額)による決済を行うことが可能なチャージ媒体である。プリペイドカードは、交通機関で利用可能な交通系カード、系列店等で利用可能な店舗系カードを含む。カード決済部208は、カード挿入部と、読取部を備える。カード挿入部は、プリペイドカードの有無を検出するセンサを備え、プリペイドカードが挿入されたことや、プリペイドカードが取り出されたことを検出する。
釣銭機209は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有する。釣銭機209は、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。釣銭機209は、客側に向けられており、顧客から各種操作や現金の投入を受け付ける。なお、釣銭機209は、投入口に投入された紙幣や硬貨を検出するセンサを有する。当該センサは、投入口に紙幣や硬貨が投入された旨の検出や、金種別の枚数の検出などを行う。また、釣銭機209は、プリペイドカードにチャージする現金の投入を受け付けることも可能である。
【0027】
店員側表示部210は、店員用のタッチディスプレイである。店員側表示部210は、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。店員側表示部210は、商品に対応するプリセットキーを表示する。店員側表示部210は、当該プリセットキーが押下されることによって、当該プリセットキーに対応する商品の登録を受け付ける。
【0028】
キー操作部211は、各種のキー(ハードウェアキー、ボタン)を備える。キー操作部211は、店員から種々の入力を受け付ける。キー操作部211は、商品に対応するキーを含む。キー操作部211は、当該キーが店員によって押下されることによって、当該キーに対応する商品の登録を受け付ける。また、キー操作部211は、モード切替えボタンを含み、動作モードの切替えを受け付ける。
【0029】
店員側スキャナ部212は、店員用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。例えば、店員側スキャナ部212は、商品に付されているバーコードや、店員の名札に付された店員コードを光学的に読み取る。また、店員側スキャナ部212は、金券や各種カードに印刷されているコードを読み取ることも可能である。
【0030】
印刷部213は、レシートを印刷して出力する。レシートは、精算が行われた際に発行する領収書や、チャージが行われた際に発行するチャージ伝票を含む。
音声出力部214は、音を出力する。例えば、音声出力部214は、音声ガイダンスや警告音などを出力する。音声ガイダンスや警告音は、例えば、商品の登録操作や精算操作に係る音声や、チャージの操作に係る音声を含む。
通信部215は、他の装置(ストアコントローラ10、取引状況管理装置11、および他のPOS端末装置20)と情報を送受信するインタフェースである。
【0031】
カメラ216は、客側から見て、客側表示部205の右上に取り付けられている。カメラ216は、動画、または静止画を連続的に撮像する。カメラ216には、CCD(charge coupled device)カメラや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラが用いられる。カメラ216は、顧客が行う各種操作を撮像する。各種操作は、登録時、精算時、チャージ時における操作である。例えば、カメラ216は、買い物かごの内部(商品)や、登録時における顧客の操作状況を撮像する。また、カメラ216は、精算やチャージが行われる際の顧客の操作状況を撮像する。具体的には、カメラ216は、顧客が所持する紙幣や硬貨、釣銭機209、手の動作などを撮像する。
【0032】
サインポール220(図2参照)は、LED(light emitting diode)等の発光部を備え、所定の色や、所定の点灯態様で点灯する。サインポール220は、点灯態様によって、POS端末装置20が使用中であることを示したり、異常を報知したりする。また、サインポール220は、POS端末装置20の最も上方に設けられており、POS端末装置20の近くにいない店員にも点灯態様を認識させることが可能である。
【0033】
(POS端末装置20の機能的構成)
ここで、プリペイドカードの使用では、プリペイドカードを取り忘れのほかにも、次客による意図しないチャージが生じてしまうことがあった。これについて一例を挙げて説明する。例えば、チャージ管理サーバSvによってチャージ残額が管理されるプリペイドカードの場合、POS端末装置20は、プリペイドカードのカード情報を読み取ると、カード情報に基づいてチャージ管理サーバSvにチャージ残額の問合せを行って、チャージ残額を表示する。チャージ残額の表示画面は、例えば、チャージ残額やチャージ金額の指定を受け付ける画面(例えば、後述する図5(C)の金額確認画面530)である。
【0034】
特に、POS端末装置20には、プリペイドカードのカード情報を読み取ると、金額確認画面530を表示して、プリペイドカードを即座に排出するタイプのものがあった。例えば、POS端末装置20は、チャージが行われるか否かにかかわらず、金額確認画面530を閉じる操作を受け付けるまで、表示し続けるタイプのものもあった。このようなタイプのPOS端末装置20において、金額確認画面530を表示したまま、当該顧客が立ち去ってしまうと、金額確認画面530が次客に閲覧可能となってしまう。また、仮に、次客が金額確認画面530の表示に従って入金してしまうと、意図せずに、前客のプリペイドカードにチャージしてしまうことになってしまう。このため、顧客がプリペイドカードを適切に取り扱うことができないことがあった。
【0035】
そこで、本実施形態では、プリペイドカードの適切な取り扱いを支援するようにしている。以下、図4を参照して、本実施形態に係るPOS端末装置20の機能的構成について説明する。
【0036】
図4は、POS端末装置20の機能的構成の一例を示す説明図である。以下に説明するPOS端末装置20は、会計専用モードで動作するものとして説明する。図4において、POS端末装置20は、読取部401と、操作受付部402と、報知部403と、精算部404と、変更受付部405とを備える。各機能部は、POS端末装置20のCPU201によって実現される。すなわち、POS端末装置20のCPU201が所定のプログラム(チャージプログラム等)を実行することにより、各機能部の機能を実現する。以下では、図5図7に示す表示画面を参照しつつ、図4に示す各機能部について説明する。
【0037】
会計専用モードにおいて、POS端末装置20は、精算が行われていない待機中と、精算が行われる精算中とのうち、いずれかの状態を取り得る。待機中の状態でも、精算中のいずれの状態でも、チャージ媒体へのチャージを開始させることが可能である。まず、待機中において開始するチャージについて説明する。
【0038】
読取部401は、チャージ媒体の媒体情報を読み取る。チャージ媒体は、例えば、接触型のプリペイドカードである。プリペイドカードは、媒体情報として、プリペイドカードを識別するカード識別情報を記憶する。チャージ媒体は、例えば、ICカード、磁気カードである。チャージ残額は、チャージ管理サーバSvで管理される。読取部401は、カード挿入部に挿入されたプリペイドカードのカード情報を読み取る接触型リーダである。
【0039】
なお、チャージ媒体は、非接触型のチャージ媒体を含む。非接触型のチャージ媒体は、例えば、非接触型のカード(ICカード)や、スマートフォンなどの携帯端末装置である。非接触型のチャージ媒体の場合、非接触型のチャージ媒体に内蔵されるICチップ等の記憶部にチャージ残額等の媒体情報が直接記憶される。読取部401は、接触型のリーダのほかにも、非接触型のリーダを含む。非接触型のリーダは、顧客が非接触型のチャージ媒体をかざすことによってチャージ残額の情報を読み取ることが可能である。
【0040】
図5および図6は、待機中にチャージが開始される場合の一連のチャージ画面を示す説明図である。なお、以下に説明する、図5および図6の各画面は、チャージ媒体へのチャージに係る操作に応じて遷移する複数のチャージ画面の一例を含む。
【0041】
図5(A)は、会計専用モードにおける待機画面510を示す。待機画面510は、会計専用モードを示すとともに、待機中であることを示す。待機画面510は、チャージボタン511を含む。チャージボタン511は、チャージ残額の表示と、チャージ手続の開始とを受け付けるボタンである。チャージボタン511は、チャージ残額の表示と、チャージ手続の開始とを一のボタン操作で受け付けるため、待機画面510における表示領域を簡素化することができる。ただし、チャージ残額の表示と、チャージ手続の開始とを、それぞれ別々のボタンで受け付けるようにしてもよい。すなわち、POS端末装置20は、チャージ残額の表示を受け付けるボタンの押下に応じてチャージ残額を表示させるようにし、また、チャージ手続の開始を受け付けるボタンの押下に応じてチャージ手続を行う画面を表示させるようにしてもよい。これにより、簡単な操作で、顧客が所望する画面を表示させることができる。
【0042】
プリペイドカードを利用する顧客は、チャージ残額の確認等を行う場合、待機画面510において、チャージボタン511を押下する。チャージボタン511が押下されると、図5(B)に示すカード挿入催促画面520に遷移する。
【0043】
図5(B)は、カード挿入催促画面520を示す。カード挿入催促画面520は、プリペイドカードをカード決済部208(カード挿入部)へ挿入することを促す画面である。また、カード挿入催促画面520は、中止ボタン521を含む。中止ボタン521は、残高照会の中止を受け付けるボタン(カード挿入を中止するボタン)である。カード挿入催促画面520において中止ボタン521が押下されると、図5(A)の待機画面510に戻る。カード挿入催促画面520において、プリペイドカードがカード挿入部に挿入されると、図5(C)に示す金額確認画面530に遷移する。
【0044】
図5(C)は、金額確認画面530を示す。金額確認画面530は、残額表示531と、金額指定ボタン532と、中止ボタン533とを含む。残額表示531は、プリペイドカードのチャージ残額を示す。残額表示531に示すチャージ残額は、読取部401によって読み取られた媒体情報(カード識別情報)に基づいて得られる。なお、金額確認画面530において、当該顧客(会員)の名前や会員番号が表示されるようにしてもよい。
【0045】
金額指定ボタン532は、チャージする金額の指定を受け付けるボタンである。金額指定ボタン532(例えば「1000円」のボタン)が押下されると、図6(A)に示す入金受付画面610に遷移する。中止ボタン533は、チャージの中止を受け付けるボタン、または、残高照会の終了(中止)を受け付けるボタンである。中止ボタン533が押下されると、カード決済部208(カード挿入部)からプリペイドカードが排出されるとともに、図5(D)の返却報知540が表示される。
【0046】
図5(D)において、返却報知540は、金額確認画面530上に重ねて表示されるポップアップ表示である。返却報知540は、プリペイドカードを返却したことにより、プリペイドカードの取り出しを促す通知を示す。返却報知540は、プリペイドカードがカード挿入部から取り出されるまで表示される。プリペイドカードがカード挿入部から取り出されると、返却報知540が消去され、図5(A)に示す待機画面510に戻る。
【0047】
図6(A)は、入金受付画面610を示す。入金受付画面610は、指定されたチャージ金額を釣銭機209へ投入することを促す通知を示す。入金受付画面610は、顧客情報表示611と、指定チャージ金額表示612と、投入金額表示613と、中止ボタン614とを含む。顧客情報表示611は、会員名、会員番号、およびチャージ残額を含む。これにより、顧客は、入金受付画面610において、会員名に誤りがないかを確認できるとともに、残額についても確認することができる。
【0048】
指定チャージ金額表示612は、図5(C)の金額確認画面530において金額指定ボタン532が受け付けたチャージ金額(1000円)を示す。投入金額表示613は、投入された金額を示す領域であり、図示では、「0円」を示している。中止ボタン614は、チャージの中止を受け付けるボタンである。中止ボタン614が押下されると、入金受付画面610に、プリペイドカードが排出されるとともに、返却報知540(図5(D))が重ねて表示される。
【0049】
なお、中止ボタン614が押下されると、返却報知540を表示することに限らず、1つ前の画面(図5(C)の金額確認画面530)に戻るようにしてもよい。入金受付画面610において、指定のチャージ金額分の現金が投入されると、図6(B)に示す金額確認画面620に遷移する。
【0050】
図6(B)は、金額確認画面620を示す。金額確認画面620において、投入金額表示613は、「1000円」を示しており、すなわち、1000円の現金が投入されたことを示している。金額確認画面620は、チャージ確定ボタン621を含む。チャージ確定ボタン621は、指定チャージ金額表示612と、投入金額表示613とに示す内容でチャージを確定させることを受け付けるボタンである。
【0051】
なお、金額確認画面620では、図6(A)の中止ボタン614を表示させないようにし、すなわち、入金後の返却を認めないようにしている。これは、仮に、返却を認めたとすると、例えば、顧客が5千円札を入金したにもかかわらず、当該顧客の故意または誤認識により、「1万円札を入金したものの、五千円しか返却されない。」という申し出による金銭トラブルが発生してしまうおそれがあるためである。本実施形態では、金額確認画面620では、図6(A)の中止ボタン614を表示させないようにすることにより、このような金銭トラブルを未然に防止するようにしている。
【0052】
チャージ確定ボタン621が押下されると、図6(C)の返却報知630が表示されるとともに、プリペイドカードが排出される。
【0053】
図6(C)において、返却報知630は、金額確認画面620上に重ねて表示されるポップアップ表示である。返却報知630は、プリペイドカードを返却したことにより、プリペイドカードの取り出しを促す通知を示す。返却報知630は、プリペイドカードがカード挿入部から取り出されるまで、表示される。プリペイドカードがカード挿入部から取り出されると、返却報知630が消去され、図6(D)に示すチャージ完了画面640に遷移する。
【0054】
図6(D)は、チャージ完了画面640を示す。チャージ完了画面640は、チャージが完了し、レシート(チャージ伝票)が発行される旨を示している。チャージ完了画面640において、顧客情報表示611のチャージ残額は、チャージされた金額(1000円)が加算された金額(¥1287)を示している。チャージ完了画面640において、チャージ伝票が取り出されると、図5(A)に示した待機画面510に戻る。なお、待機画面510に戻る条件は、チャージ伝票が取り出されることに限らず、終了ボタン641の押下としてもよいし、所定時間の経過としてもよい。
【0055】
このように、本実施形態では、会計専用モードにおける待機中にチャージを開始させることが可能になっている。なお、図6(A)~図6(D)に示した各画面において顧客情報表示611を表示させることにより、一連の画面において、顧客は、会員名や残額を確認することもできるようになっている。
【0056】
図5および図6に示した画面遷移を行うための機能的構成について)
図4において、操作受付部402は、カード識別情報が読み取られた後に遷移する複数のチャージ画面の各画面において、チャージの実行に係る所定の操作を受け付ける。複数のチャージ画面の一例を以下に列挙する。
図5(C)の金額確認画面530。
図6(A)の入金受付画面610。
図6(B)の金額確認画面620。
【0057】
所定の操作は、チャージを中止する中止操作と、チャージを行うチャージ操作とを含む。以下に、所定の操作の一例を以下に列挙する。
図5(C)の金額確認画面530における、中止ボタン533の押下(中止操作)。
図6(A)の入金受付画面610における、中止ボタン614の押下(中止操作)。
図6(B)の金額確認画面620における、チャージ確定ボタン621の押下(チャージ操作のうちの完了操作)。
【0058】
中止ボタン533の押下は、プリペイドカードのチャージ残額の確認を終了する操作と、チャージを中止する操作とを含む。中止ボタン533は、チャージ残額の確認の終了と、チャージの中止とを一のボタンで受け付けることに限らず、それぞれ別々のボタンで受け付けるようにしてもよい。すなわち、POS端末装置20は、チャージ残額の確認の終了を受け付けるボタンと、チャージの中止を受け付けるボタンとを別々に表示するようにしてもよい。
中止ボタン614の押下は、チャージを中止する操作を含む。
チャージ確定ボタン621の押下は、チャージを完了させる完了操作である。
【0059】
なお、チャージを行うチャージ操作は、チャージ確定ボタン621の押下による完了操作に限らず、以下の(1)または(2)に示す、チャージの金額を決定する決定操作や、チャージにおける入金に係る入金操作としてもよい。
(1)決定操作:例えば、図5(C)の金額確認画面530における金額指定ボタン532の押下。
(2)入金操作:例えば、図6(A)入金受付画面610における指定のチャージ金額の投入操作。
【0060】
POS端末装置20は、所定の操作を受け付けることに応じたタイミングで、プリペイドカードを排出する。また、報知部403は、所定の操作を受け付けることに応じて、プリペイドカードの返却を示す報知(返却報知)を異なるタイミングで行う。具体的には、報知部403は、所定の操作を受け付けることに応じたタイミングで、すなわち、プリペイドカードが排出されたタイミングで、プリペイドカードの返却を示す返却報知を行う。返却報知は、具体的には、図5(D)の返却報知540や、図6(C)の返却報知630である。返却報知540、630は、警告音や通知内容の音声を含んでもよい。返却報知540、630が行われるタイミングは、所定の操作を受け付けたタイミングであるが、これに限らず、所定の操作を受け付けたタイミングから数秒経過したタイミングでもよい。
【0061】
報知部403は、排出されたプリペイドカードが取り出されるまで、返却報知540、630を継続し、プリペイドカードが取り出されると、返却報知540、630を終了する。具体的には、報知部403は、カード挿入部が備えるセンサによって、プリペイドカードが取り出されたことが検出された場合に、返却報知540、630を終了する。POS端末装置20は、プリペイドカードが取り出されるまでは、すなわち、返却報知540、630が行われている間は、次の画面に進めないようにしてもよい。
【0062】
このように、本実施形態に係るPOS端末装置20は、プリペイドカードのカード情報を読み取った後、即座にプリペイドカードを排出させないようにし、顧客の操作に応じたタイミングでプリペイドカードを排出して、返却報知540、630を行うようにしている。
【0063】
なお、チャージ操作を、上記(1)のように決定操作とした場合(金額指定ボタン532の押下とした場合)、報知部403は、金額指定ボタン532の押下に応じたタイミングで、返却報知を行うようにすればよい。また、チャージ操作を、上記(2)のように入金操作とした場合(チャージ金額の投入操作とした場合)、報知部403は、チャージ金額の投入に応じたタイミングで、返却報知630を表示させるようにすればよい。チャージ金額の投入に応じたタイミングは、複数の貨幣が投入される場合における最初の貨幣が投入されたタイミングとしてもよいし、指定チャージ金額表示612が示す金額以上の金額が投入されたタイミングとしてもよい。
【0064】
このようにして、POS端末装置20は、顧客の操作に応じたタイミングでプリペイドカードを排出して、返却報知を行うことができる。
【0065】
(精算中においてチャージが行われる場合の一連のチャージ画面について)
図7は、精算中にチャージが行われる場合の一連のチャージ画面を示す説明図である。なお、以下に説明する、図7の各画面は、チャージ媒体へのチャージに係る操作に応じて遷移する複数のチャージ画面の一例を含む。
図7(A)は、店員登録モードのPOS端末装置20から精算情報を受信した際に表示される決済種別選択画面710を示す。決済種別選択画面710は、図5(A)の待機画面510において受信した精算情報に基づいて、表示される画面である。
【0066】
決済種別選択画面710は、支払金額表示711と、決済種別選択ボタン712とを含む。支払金額表示711は、顧客が支払う総支払額(例えば587円)を示す。決済種別選択ボタン712は、「現金」、「クレジットカード」、「ICカード」、および「コード決済」のうち、いずれかの選択を受け付けるボタンである。なお、「ICカード」は、チャージ媒体による決済を示す。「ICカード」の表記は、単に「IC」としてもよいし、「チャージ媒体」としてもよい。「コード決済」は、例えば、スマートフォン等に表示される精算用のQRコード(登録商標)を用いた決済を示す。
【0067】
決済種別選択画面710において、「ICカード」が選択されると、図5(B)のカード挿入催促画面520に遷移する。そして、顧客からプリペイドカードの挿入を受け付ける。ここで、カード挿入催促画面520において顧客から受け付けたプリペイドカードのチャージ残額は、287円であるとする。すなわち、チャージ残額(287円)は、支払金額表示711に示す金額(587円)に対して不足しているものとする。このため、POS端末装置20は、カード挿入催促画面520に遷移させた後に、チャージ手続を行わせるべく、図5(C)に示す金額確認画面530に遷移させる。
【0068】
なお、チャージ残額(287円)が支払金額表示711に示す金額(587円)に対して不足しているか否かにかかわらず、金額確認画面530に遷移するようにしてもよい。また、決済種別選択画面710に、チャージを受け付けるボタンを表示するようにし、当該ボタンが押下されることによって、プリペイドカードの挿入を受け付けて、金額確認画面530に遷移させるようにしてもよい。
【0069】
ここで、図5(C)に示す金額確認画面530において、中止ボタン533が押下されたとする。この場合、プリペイドカードの排出と返却報知は行われず、決済種別選択画面710に戻ることとする。プリペイドカードの排出と返却報知は、精算が完了することによって行われるものとする。金額確認画面530において、金額指定ボタン532(例えば「1000円」のボタン)が押下されると、図6(A)に示す入金受付画面610に遷移する。
【0070】
また、入金受付画面610において、中止ボタン614が押下されたとする。この場合も、プリペイドカードの排出と返却報知は行われず、決済種別選択画面710に戻ることとする。プリペイドカードの排出と返却報知は、精算が完了することによって行われるものとする。入金受付画面610において、指定のチャージ金額分の現金が投入されると、図6(B)に示す金額確認画面620に遷移する。
【0071】
そして、金額確認画面620において、チャージ確定ボタン621が押下されると、POS端末装置20は、チャージ金額を加味した精算を完了させて、図7(B)に示す返却報知720を含む精算完了画面730に遷移させる。
【0072】
図7(B)において、返却報知720は、後述する精算完了画面730上に重ねて表示されるポップアップ表示である。返却報知720は、精算の完了に伴って、プリペイドカードを返却したことにより、プリペイドカードの取り出しを促す通知を示す。返却報知720は、プリペイドカードがカード挿入部から取り出されるまで、表示される。
【0073】
なお、本実施形態では、操作の簡素化を図るため、チャージ確定ボタン621により、精算を完了させるとともに、返却報知720を表示させることとしている。ここで、精算中のチャージにおいて、返却報知720を表示させる条件は、チャージの確定ではなく、精算の完了としている。このため、例えば、図6(B)に示す金額確認画面620において、チャージ確定ボタン621が押下されることにより、チャージ完了後にチャージされた残額による精算開始を受け付ける精算開始ボタン(不図示)を別途表示させるようにし、精算開始ボタンが押下されることにより、精算を完了させて、返却報知720を表示させるようにしてもよい。
【0074】
返却報知720において、プリペイドカードがカード挿入部から取り出されると、返却報知720が消去され、図7(C)に示す精算完了画面730に遷移する。
図7(C)は、精算完了画面730を示す。精算完了画面730は、「1000円」がチャージされたことにより、支払が完了したことを示す画面を示す。精算完了画面730の顧客情報表示611において、精算後のチャージ残額は、「700円」を示している。このチャージ残額は、チャージ金額「1000円」と、精算前のチャージ残額「287円」との総和「1287円」から、支払額「587円」を減じた額である。精算完了画面730において、レシート(領収書)が取り出されると、または、所定時間が経過すると、図5(A)に示す待機画面510に戻る。
【0075】
図7(A)~(C)に示した画面遷移を行うための機能的構成について)
図4において、精算部404は、精算情報に基づいて精算を行う。精算情報は、店員登録モードのPOS端末装置20から送信されることによって取得される。ただし、これに限らず、精算情報は、所定の媒体(紙媒体や電子媒体)に印刷されたコード(2次元コード)を読み取ることによって取得されてもよい。
【0076】
操作受付部402は、精算部404によって行われる精算時に表示される複数のチャージ画面のうち、いずれかのチャージ画面において所定の操作を受け付ける。複数のチャージ画面は、上述した通り、以下である。
図5(C)の金額確認画面530。
図6(A)の入金受付画面610。
図6(B)の金額確認画面620。
【0077】
また、所定の操作についても、上述した通り、以下である。
図5(C)の中止ボタン533。
図6(A)の中止ボタン614。
図6(B)のチャージ確定ボタン621。
【0078】
報知部403は、精算が開始されると、所定の操作を受け付けたタイミングとは異なる他のタイミングで、返却報知740を行う。
【0079】
(他のタイミングの例)
他のタイミングは、例えば、精算の完了に応じたタイミングで行われる。精算の完了に応じたタイミングとは、例えば、精算が完了したタイミングである。すなわち、報知部403は、プリペイドカードでの支払い選択がされた精算が開始されると、プリペイドカードでの支払いを中止する操作があった場合でも返却報知を行わず、当該精算の完了のタイミングで返却報知を行う。
【0080】
なお、顧客が金額確認画面530を表示させた状態で立ち去ってしまうことを防止できるという観点から、他のタイミングは、精算完了前のタイミングとしてもよい。精算完了前のタイミングは、例えば、以下(3)~(5)の各タイミングである。
(3)図5(C)の金額確認画面530において、金額指定ボタン532(例えば「1000円」のボタン)の押下に応じたタイミング。
(4)金額確認画面620における指定のチャージ金額が投入に応じたタイミング。例えば、最初の貨幣が投入されたタイミング、または、指定のチャージ金額以上の金額が投入されたタイミング。
(5)中止ボタン533(図5(C))または中止ボタン614(図6(A))の押下によって行われる再度の決済種別の選択において、プリペイドカード以外の決済種別の選択に応じたタイミング。
上記(3)~(5)のいずれかのタイミングで返却報知を行ったとしても、顧客が精算に係る操作を開始していることから、金額確認画面530を表示させたまま立ち去ってしまうことを防止することができる。
【0081】
(プリペイドカードからクレジットカードへ決済種別の変更を受け付けた場合について)
本実施形態に係るPOS端末装置20のカード挿入部には、一種類のカードのみが挿入可能になっている。このため、プリペイドカードがカード挿入部に挿入されていると、クレジットカードをカード挿入部に挿入することができない。このため、POS端末装置20は、図7(D)に示すように、再度の決済種別の選択において、クレジットカードの決済種別選択ボタン712が押下されると、返却報知740を行う。具体的に説明すると、精算中における金額確認画面530(図5(C))において中止ボタン533が押下された場合や、精算中における入金受付画面610(図6(A))において中止ボタン614が押下された場合、図7(A)に示す決済種別選択画面710に戻る。そして、決済種別選択画面710において、決済種別選択ボタン712のうち「クレジットカード」が選択されたとすると、POS端末装置20は、プリペイドカードを返却するとともに、返却報知740を行う。
【0082】
返却報知740は、決済種別としてクレジットカードが選択されたことに伴って、プリペイドカードを返却したことにより、プリペイドカードの取り出しを促す通知を示す。返却報知740は、プリペイドカードがカード挿入部から取り出されるまで、表示される。返却報知740において、プリペイドカードがカード挿入部から取り出されると、POS端末装置20は、クレジットカードをカード決済部208(カード挿入部)への挿入することを促す画面(不図示)に遷移させ、クレジットカードによる決済を行う。
【0083】
なお、再度の決済種別の選択において、クレジットカード以外の決済種別が選択された場合、報知部403は、プリペイドカードの返却および返却報知を行ってもよいし、行わなくてもよい。選択されたタイミングで返却報知を行わない場合、報知部403は、精算の完了に応じたタイミングで、返却報知を行うようにしてもよい。
【0084】
図7に示した画面遷移を行うための機能的構成について)
上述したように、本実施形態に係るPOS端末装置20のカード挿入部には、一種類のカードのみが挿入可能になっている。すなわち、図4に示す読取部401は、プリペイドカードのカード識別情報と、クレジットカードのカード情報とのうち、いずれか一方を読み取り可能である。
【0085】
変更受付部405は、精算の開始後に決済種別の変更を受け付ける。具体的には、変更受付部405は、精算中における金額確認画面530(図5(C))において中止ボタン533が押下された場合や、精算中における入金受付画面610(図6(A))において中止ボタン614が押下された場合、図7(A)に示す決済種別選択画面710を表示させて、決済種別の変更を受け付ける。
【0086】
ここで、変更受付部405は、精算の開始前と精算の開始後とで異なる決済種別選択画面710を表示させて、決済種別の変更を受け付けるようにしてもよい。具体的には、精算の開始後にプリペイドカードでの精算中止を受け付けた場合、プリペイドカードが再度選択される可能性が低いことから、決済種別選択ボタン712のうち「プリペイドカード」を選択不可能にしてもよい。選択不可能とは、非表示とすることや、グレーアウトで表示することである。
【0087】
報知部403は、プリペイドカードによる決済種別からクレジットカードによる決済種別への変更を受け付けることに応じたタイミングで、返却報知を行う。具体的には、報知部403は、再度の決済種別の選択において、決済種別選択ボタン712のうち「クレジットカード」が押下されると、図7(D)に示す返却報知740を行う。
【0088】
(待機中においてPOS端末装置20が開始するチャージ処理)
図8は、待機中においてPOS端末装置20が開始するチャージ処理の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、POS端末装置20は、待機画面510(図5(A))においてチャージボタン511が押下されることにより、残高照会を受け付けたか否かを判断する(ステップS801)。POS端末装置20は、残高照会を受け付けるまで待機し(ステップS801:NO)、残高照会を受け付けると(ステップS801:YES)、プリペイドカードがカード挿入部に挿入されたか否かを判断する(ステップS802)。
【0089】
POS端末装置20は、プリペイドカードがカード挿入部に挿入されるまで待機し(ステップS802:NO)、プリペイドカードがカード挿入部に挿入されると(ステップS802:YES)、チャージ管理サーバSvにチャージ金額の問合せを行って、チャージ残額を取得する(ステップS803)。
【0090】
そして、POS端末装置20は、図5(C)の金額確認画面530を表示することによって、チャージ残額を表示するとともに、チャージ金額の指定を受け付ける(ステップS804)。次に、POS端末装置20は、金額指定ボタン532が押下されることにより、チャージ金額の指定を受け付けたか否かを判断する(ステップS805)。チャージ金額の指定を受け付けない場合(ステップS805:NO)、POS端末装置20、中止ボタン533が押下されることにより、チャージ手続の中止であるか否かを判断する(ステップS806)。
【0091】
チャージ手続を中止しない場合(ステップS806:NO)、POS端末装置20は、ステップS805に戻る。一方、チャージ手続または残高照会を中止(終了)する場合(ステップS806:YES)、POS端末装置20は、ステップS813に進み、プリペイドカードの返却および返却報知を行う。
【0092】
ステップS805において、金額指定ボタン532によりチャージ金額の指定を受け付けた場合(ステップS805:YES)、POS端末装置20は、図6(A)の入金受付画面610を表示する(ステップS807)。そして、POS端末装置20は、指定されたチャージ金額の入金を受け付けたか否かを判断する(ステップS808)。指定されたチャージ金額の入金を受け付けない場合(ステップS808:NO)、POS端末装置20は、中止ボタン614が押下されることにより、チャージ手続の中止であるか否かを判断する(ステップS809)。
【0093】
チャージ手続を中止しない場合(ステップS809:NO)、POS端末装置20は、ステップS808に戻る。一方、チャージ手続を中止する場合(ステップS809:YES)、POS端末装置20は、ステップS813に進み、プリペイドカードの返却および返却報知を行う。
【0094】
ステップS808において、指定されたチャージ金額の入金を受け付けると(ステップS805:YES)、POS端末装置20は、図6(B)の金額確認画面620に表示されるチャージ確定ボタン621が押下されることにより、チャージの確定を受け付けたか否かを判断する(ステップS810)。POS端末装置20は、チャージの確定を受け付けるまで待機し(ステップS810:NO)、チャージの確定を受け付けると(ステップS810:YES)、チャージ管理サーバSvへチャージ金額を送信する(ステップS811)。なお、チャージ管理サーバSvは、POS端末装置20から受信したチャージ金額に基づいて、当該顧客のチャージ金額を更新する。
【0095】
そして、POS端末装置20は、チャージ伝票を発行する(ステップS812)。次に、POS端末装置20は、プリペイドカードの返却および返却報知を行う(ステップS813)。プリペイドカードが取り出されると、POS端末装置20は、図5(A)の待機画面510を表示し(ステップS814)、一連の処理を終了する。
【0096】
(精算中にPOS端末装置20が行うチャージ処理)
図9および図10は、精算中にPOS端末装置20が行うチャージ処理の一例を示すフローチャートである。図9に示すように、POS端末装置20は、待機画面510(図5(A))において、会計専用モードのPOS端末装置20から精算情報を受信したか否かを判断する(ステップS901)。POS端末装置20は、精算情報を受信するまで待機し(ステップS901:NO)、精算情報を受信すると(ステップS901:YES)、図7(A)の決済種別選択画面710を表示して、決済種別の選択を受け付ける(ステップS902)。
【0097】
そして、POS端末装置20は、プリペイドカードが選択されたか否かを判断する(ステップS903)。プリペイドカードが選択されない場合(ステップS903:NO)、すなわち、プリペイドカード以外の決済種別が選択された場合、POS端末装置20は、図10のステップS923の処理に進む。一方、プリペイドカードが選択された場合(ステップS903:YES)、POS端末装置20は、プリペイドカードがカード挿入部に挿入されたか否かを判断する(ステップS904)。
【0098】
POS端末装置20は、プリペイドカードがカード挿入部に挿入されるまで待機し(ステップS904:NO)、プリペイドカードがカード挿入部に挿入されると(ステップS904:YES)、チャージ管理サーバSvにチャージ金額の問合せを行って、チャージ残額を取得する(ステップS905)。
【0099】
そして、POS端末装置20は、チャージ残額を表示する(ステップS906)。次に、POS端末装置20は、支払金額に対して、チャージ残額が不足しているか否かを判断する(ステップS907)。支払金額に対して、チャージ残額が不足していない場合(ステップS907:NO)、POS端末装置20は、図10のステップS917に進む。
【0100】
支払金額に対して、チャージ残額が不足している場合(ステップS907:YES)、POS端末装置20は、図5(C)の金額確認画面530を表示することによって、チャージ金額の指定を受け付けたか否かを判断する(ステップS911)。チャージ金額の指定を受け付けない場合(ステップS911:NO)、POS端末装置20、中止ボタン533が押下されることにより、チャージ手続の中止であるか否かを判断する(ステップS912)。
【0101】
チャージ手続を中止しない場合(ステップS912:NO)、POS端末装置20は、ステップS911に戻る。一方、チャージ手続を中止する場合(ステップS912:YES)、POS端末装置20は、ステップS921に進む。
【0102】
ステップS911において、金額指定ボタン532によりチャージ金額の指定を受け付けた場合(ステップS911:YES)、POS端末装置20は、図6(A)の入金受付画面610を表示する(ステップS913)。そして、POS端末装置20は、指定されたチャージ金額の入金を受け付けたか否かを判断する(ステップS914)。指定されたチャージ金額の入金を受け付けない場合(ステップS914:NO)、POS端末装置20は、中止ボタン614が押下されることにより、チャージ手続の中止であるか否かを判断する(ステップS915)。
【0103】
チャージ手続を中止しない場合(ステップS915:NO)、POS端末装置20は、ステップS914に戻る。一方、チャージ手続を中止する場合(ステップS915:YES)、POS端末装置20は、ステップS921の処理に進む。
【0104】
ステップS914において、指定されたチャージ金額の入金を受け付けると(ステップS914:YES)、POS端末装置20は、図6(B)の金額確認画面620に表示されるチャージ確定ボタン621が押下されることにより、チャージの確定を受け付けたか否かを判断する(ステップS916)。POS端末装置20は、チャージの確定を受け付けるまで待機し(ステップS916:NO)、チャージの確定を受け付けると(ステップS916:YES)、プリペイドカードによる精算処理を実行する(ステップS917)。
【0105】
そして、POS端末装置20は、チャージ管理サーバSvへチャージ残額を送信する(ステップS918)。なお、チャージ管理サーバSvは、POS端末装置20から受信したチャージ残額に基づいて、当該顧客のチャージ金額を更新する。
【0106】
次に、POS端末装置20は、プリペイドカードの返却および返却報知を行う(ステップS919)。プリペイドカードが取り出されると、POS端末装置20は、図5(A)の待機画面510を表示し(ステップS920)、一連の処理を終了する。
【0107】
ステップS915において、チャージ手続を中止する場合(ステップS915:YES)、POS端末装置20は、図7(A)の決済種別選択画面710を表示して、決済種別の選択を受け付ける(ステップS921)。そして、POS端末装置20は、決済種別として、クレジットカードが選択されたか否かを判断する(ステップS922)。クレジットカードが選択されない場合(ステップS922:NO)、具体的には、プリペイドカードおよびクレジットカード以外の決済種別が選択された場合、POS端末装置20は、選択された決済種別に応じた精算処理を実行し(ステップS923)、ステップS919に進む。
【0108】
ステップS922において、クレジットカードが選択された場合(ステップS922:YES)、プリペイドカードの返却および返却報知を行う(ステップS924)。そして、POS端末装置20は、クレジットカードのカード挿入部への挿入を受け付ける(ステップS925)。次に、POS端末装置20は、クレジットカードによる精算処理を実行し(ステップS926)、ステップS920に進む。
【0109】
以上説明したように、本実施形態に係るPOS端末装置20は、プリペイドカードのカード識別情報が読み取られた後に遷移する複数のチャージ画面の各画面において、チャージの実行に係る所定の操作を受け付けることに応じたタイミングで、プリペイドカードの返却を示す返却報知を行う。これにより、顧客の操作に応じて、その都度、異なるタイミングでプリペイドカードの返却および返却報知を行うことができる。したがって、顧客がチャージの操作途中で立ち去ってしまうことを抑えることができるとともに、カードの取り忘れを抑えることができる。このため、本実施形態によれば、プリペイドカードに係る適切な取り扱いを支援することができる。
【0110】
また、本実施形態に係るPOS端末装置20は、チャージを中止する操作と、チャージを行うチャージ操作とのうち、いずれかが行われた場合に返却報知を行う。これにより、顧客によるチャージの中止操作やチャージ操作に応じたタイミングで、プリペイドカードの返却および返却報知を行うことができる。したがって、顧客がチャージの操作途中で立ち去ってしまうことを抑えることができるとともに、カードの取り忘れを抑えることができる。
【0111】
また、本実施形態に係るPOS端末装置20において、チャージの金額を決定する決定操作と、チャージにおける入金に係る入金操作と、チャージを完了させる完了操作とのうちの、いずれかの操作が行われることにより返却報知を行う。これにより、チャージ操作において、異なるタイミングで、プリペイドカードの返却および返却報知を行うことができる。したがって、顧客がチャージの操作途中で立ち去ってしまうことや、カードの取り忘れを、より効率よく抑えることができる。
【0112】
また、本実施形態に係るPOS端末装置20は、精算時における複数のチャージ画面の各画面において、所定の操作を受け付け、精算が開始されると、所定の操作を受け付けることに応じたタイミングとは異なるタイミングで返却報知を行う。これにより、精算中では、待機中におけるタイミングとは異なるタイミングで、プリペイドカードの返却および返却報知を行うことができる。したがって、精算中において、顧客が操作途中で立ち去ってしまうことを抑えることができるとともに、カードの取り忘れを抑えることができる。
【0113】
また、本実施形態に係るPOS端末装置20において、上記異なるタイミングは、精算の完了に応じたタイミングである。すなわち、POS端末装置20は、プリペイドカードでの支払い選択がされた精算が開始され、プリペイドカードでの支払いを中止する操作があった場合でも返却報知を行わず、当該精算の完了のタイミングで返却報知を行う。これにより、精算が完了することによって、プリペイドカードの返却および返却報知を行うことができる。仮に、精算の完了前にプリペイドカードの返却および返却報知を行ったとすると、精算が完了していないにもかかわらず、顧客が、精算が完了したものと誤認識してしまうおそれがある。これに対して、精算の完了によって、プリペイドカードの返却および返却報知を行うことにより、このような誤認識を抑えることができる。これにより、精算が完了する前に、顧客が操作途中で立ち去ってしまうことを抑えることができるとともに、カードの取り忘れを抑えることができる。
【0114】
また、本実施形態に係るPOS端末装置20は、プリペイドカードによる決済種別からクレジットカードによる決済種別への変更を受け付けることに応じたタイミングで、返却報知を行う。これにより、本実施形態に係るPOS端末装置20のように、カード挿入部に一種類のカードのみが挿入可能なものでも、プリペイドカードの返却および返却報知を適切に行うことができる。
【0115】
なお、上述した説明では、精算情報は、店員登録モードのPOS端末装置20から取得されることとしたが、これに限らない。精算情報は、自装置で生成されてもよく、すなわち、フルセルフモードにおけるセルフ登録によって生成されてもよい。言い換えれば、POS端末装置20は、フルセルフモードにおける待機中にチャージ手続を開始することができるとともに、フルセルフモードにおける精算中にもチャージ手続を開始することができる。
【0116】
また、精算情報は、店員登録モードのPOS端末装置20または自装置で生成されることに限らず、顧客が所持する端末装置で生成されてもよい。具体的に補足すると、端末装置は、店舗内を回って買物を行う顧客の操作に応じて登録した商品情報を外部のサーバ装置へ送信する。そして、端末装置は、精算の開始を受け付けると、外部のサーバ装置から精算情報を受信し、当該精算情報を2次元コードによってディスプレイに表示する。ディスプレイに表示された2次元コードは、顧客の操作によって、POS端末装置20の客側スキャナ部206に読み取らせる。これにより、POS端末装置20は、端末装置から精算情報を取得し、プリペイドカードによる精算を行うことが可能である。なお、当該精算を行うPOS端末装置20は、会計専用モードに設定されていてもよいし、フルセルフモードに設定されていてもよい。
【0117】
以下、実施形態総括を記載する。
[発明の名称]決済装置、およびプログラム
[技術分野]本発明は、決済装置、およびプログラムに関する。
[背景技術]
従来、店舗等の取引では、現金、クレジットカード、チャージ媒体など各種決済種別を用いて精算が行われる。チャージ媒体は、チャージ金額による決済を行う媒体であり、例えば、交通系IC(Integrated Circuit)などのプリペイドカードである。プリペイドカードを利用する顧客は、適宜、チャージ残額の確認や、プリペイドカードへのチャージを行う。
例えば、プリペイドカードは、ICチップや磁気ストライプ等の記憶部を備える。チャージ金額は、プリペイドカードが備える記憶部に直接記憶される態様のほかにも、当該記憶部に記憶されるカード識別情報に対応させて外部のサーバ装置に記憶される態様のものがある。ここで、プリペイドカードを利用する顧客は、プリペイドカードの残額確認やチャージを行った際に、プリペイドカードを取り忘れてしまうことがある。
関連する技術として、店員が商品を登録する登録装置と、顧客が精算を行う精算装置とを備えたシステムにおいて、精算装置が、決済に用いるカードが取り出された場合に当該カードによる決済処理を実行し、登録装置が、当該決済処理が実行された精算装置を登録データの送信先として選択可能にするシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特許6787457号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、従来技術では、周囲の雑音により警告を聞き逃してしまうと、依然としてチャージ媒体を取り忘れてしまったり、操作途中で立ち去ったりしてしまうことがあり、顧客がチャージ媒体を適切に取り扱うことができないことがある、という問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、プリペイドカードに係る適切な取り扱いを支援することができる技術を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
【0118】
(1)上述した課題を解決するために、本発明の一態様であるチャージ金額を用いて決済を行うチャージ媒体から媒体情報を読み取る読取手段と、前記媒体情報が読み取られた後に遷移する画面において、所定の操作を受け付ける操作受付手段と、前記所定の操作を受け付けることに応じて前記チャージ媒体の返却を示す報知を異なるタイミングで行う報知手段と、を備えることを特徴とする決済装置である。
上記構成によれば、顧客の操作に応じて、その都度、異なるタイミングでプリペイドカードの返却および返却報知を行うことができる。したがって、顧客がチャージの操作途中で立ち去ってしまうことを抑えることができるとともに、カードの取り忘れを抑えることができる。このため、本実施形態によれば、プリペイドカードに係る適切な取り扱いを支援することができる。
【0119】
(2)上記(1)の構成において、前記所定の操作は、チャージを行うチャージ操作と、前記チャージを中止する中止操作と、を含み、前記報知手段は、前記チャージ操作および前記中止操作のうち、いずれかが行われた場合に前記報知を行うようにしてもよい。
上記構成によれば、顧客によるチャージ操作やチャージの中止操作に応じたタイミングで、プリペイドカードの返却および返却報知を行うことができる。したがって、顧客がチャージの操作途中で立ち去ってしまうことを抑えることができるとともに、カードの取り忘れを抑えることができる。
【0120】
(3)上記(1)または(2)の構成において、前記チャージ操作は、前記チャージの金額を決定する決定操作と、前記チャージにおける入金に係る入金操作と、前記チャージを完了させる完了操作と、を含み、前記報知手段は、前記決定操作、前記入金操作、および前記完了操作のうちの、いずれかの操作が行われることにより前記報知を行うようにしてもよい。
上記構成によれば、チャージ操作において、異なるタイミングで、プリペイドカードの返却および返却報知を行うことができる。したがって、顧客がチャージの操作途中で立ち去ってしまうことや、カードの取り忘れを、より効率よく抑えることができる。
【0121】
(4)上記(1)~(3)のいずれかの構成において、精算を行う精算手段を備え、前記報知手段は、前記チャージ媒体での支払い選択がされた精算が開始され、前記チャージ媒体での支払いを中止する操作があった場合でも前記報知を行わず、当該精算の完了のタイミングで前記報知を行うようにしてもよい。
上記構成によれば、精算中では、待機中におけるタイミングとは異なるタイミングで、プリペイドカードの返却および返却報知を行うことができる。具体的には、精算が完了することによって、プリペイドカードの返却および返却報知を行うことができる。仮に、精算の完了前にプリペイドカードの返却および返却報知を行ったとすると、精算が完了していないにもかかわらず、顧客が、精算が完了したものと誤認識してしまうおそれがある。これに対して、精算の完了によって、プリペイドカードの返却および返却報知を行うことにより、このような誤認識を抑えることができる。これにより、精算が完了する前に、顧客が操作途中で立ち去ってしまうことを抑えることができるとともに、カードの取り忘れを抑えることができる。
【0122】
なお、上記(4)の構成において、前記精算処理の開始後に決済種別の変更を受け付ける変更受付手段を備え、前記読取手段は、前記媒体情報と、クレジットカードのカード情報とのうち、いずれか一方を読み取り可能であり、前記報知手段は、前記チャージ媒体による決済種別からクレジットカードによる決済種別への変更を受け付けることに応じたタイミングで、前記報知を行うようにしてもよい。
上記構成によれば、本実施形態に係るPOS端末装置20のように、カード挿入部に一種類のカードのみが挿入可能なものでも、プリペイドカードの返却および返却報知を適切に行うことができる。
【0123】
(5)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、決済装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、チャージ金額を用いて決済を行うチャージ媒体から媒体情報を読み取る読取手段、前記媒体情報が読み取られた後に遷移する画面において、所定の操作を受け付ける操作受付手段、前記所定の操作を受け付けることに応じて前記チャージ媒体の返却を示す報知を異なるタイミングで行う報知手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
上記構成によれば、顧客の操作に応じて、その都度、異なるタイミングでプリペイドカードの返却および返却報知を行うことができる。したがって、顧客が操作途中で立ち去ってしまうことを抑えることができるとともに、カードの取り忘れを抑えることができる。このため、本実施形態によれば、プリペイドカードに係る適切な取り扱いを支援することができる。
【0124】
なお、上記において説明したPOS端末装置20における各機能(入出力、記憶、処理(判断等を含む))の全部又は一部は、当該機能の実行主体として説明した装置とは異なる他の装置において実現してもよい。
【0125】
例えば、POS端末装置20に代えて、ストアコントローラ10や、チャージ管理サーバSvや、クラウドサーバ(不図示)が、媒体情報の読み取りに係る制御や、複数のチャージ画面の各画面において所定の操作を受け付ける制御や、返却報知に係る制御を行うようにしてもよい。具体的には、例えば、他の装置が、POS端末装置20に代えて、POS端末装置20が行う処理(図8図10参照)を実行してもよい。
【0126】
また、上述した説明では、POS端末装置20が、読取部401と、操作受付部402と、報知部403と、精算部404と、変更受付部405と、を備える構成について説明したが、これらの機能部の全部または一部が、他のコンピュータ装置に具備されていてもよい。例えば、これらの機能部のうち全部または一部が、ストアコントローラ10に具備されていてもよいし、クラウドサーバに具備されていてもよいし、これら以外のコンピュータ装置に具備されていてもよい。また、これらの機能部が具備されるコンピュータ装置は、複数台であることに限らず、1台であってもよい。例えば、これらの機能部の全てを一のコンピュータ装置が具備していてもよい。
【0127】
上記に関連し、POS端末装置20は、媒体情報の読み取りに係る制御や、複数のチャージ画面の各画面において所定の操作を受け付ける制御や、返却報知に係る制御に関して、入出力のインタフェース部分に特化したいわゆるシンクライアントとして機能してもよい。つまり、POS端末装置20は、各種の入力(操作者の操作、スキャナ等のデバイスによる検出)を受け付け、入力情報(操作情報、スキャン情報等)をクラウドサーバに送信し、当該入力情報に基づくクラウドサーバの処理結果(更新画面情報、デバイスの制御情報等)を受信し、各種の出力(表示部への表示、デバイスの制御)を行ってもよい。
【0128】
また、以上に説明した、POSシステム1およびPOS端末装置20を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0129】
Sv…チャージ管理サーバ、1…POSシステム、10…ストアコントローラ、11…取引状況管理装置、20…POS端末装置、201…CPU、202…ROM、203…RAM、204…ハードディスク、205…客側表示部、206…客側スキャナ部、208…カード決済部、209…釣銭機、213…印刷部、214…音声出力部、215…通信部、401…読取部、402…操作受付部、403…報知部、404…精算部、405…変更受付部
図1
図2
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図4
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図7
図8
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図10