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  • 特開-暖房機 図1
  • 特開-暖房機 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177989
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】暖房機
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/128 20220101AFI20231207BHJP
   F24H 15/45 20220101ALI20231207BHJP
   F24H 3/04 20220101ALI20231207BHJP
   F24H 15/36 20220101ALI20231207BHJP
【FI】
F24H15/128
F24H15/45
F24H3/04 301
F24H15/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090988
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】茂木 夏海
【テーマコード(参考)】
3L028
【Fターム(参考)】
3L028AA02
3L028AC01
(57)【要約】
【課題】操作端末による操作したときに過剰な高温度での暖房を防止することができ、簡易な構成でコスト増加を抑えて使い勝手のよい暖房機を提供する。
【解決手段】暖房機本体1と、暖房機本体1を遠隔操作する操作端末2とを備え、暖房機本体1は、暖房運転の開始操作を行う第1運転操作部11と、暖房温度を設定する第1暖房温度設定操作部12,13と、暖房運転を制御する制御部5とを備え、操作端末2は、暖房機本体1の暖房運転の開始操作を行う第2運転操作部16と、暖房温度を設定する第2暖房温度設定操作部17,18とを備え、制御部5は、各操作部の操作に応じて暖房機本体1の暖房運転を制御する暖房機において、第1暖房温度設定操作部12,13は、第1の温度範囲内での暖房温度設定が可能とされ、第2暖房温度設定操作部17,18は、第1の温度範囲よりも上限温度を低くした第2の温度範囲内での温度設定が可能とされている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
暖房機本体と、前記暖房機本体を遠隔操作する操作端末とを備え、前記暖房機本体は、暖房運転の開始操作を行うための第1運転操作部と、暖房温度を設定するための第1暖房温度設定操作部と、暖房運転を制御する制御部とを備え、前記操作端末は、前記暖房機本体の暖房運転の開始操作を行うための第2運転操作部と、暖房温度を設定するための第2暖房温度設定操作部とを備え、前記制御部は、前記の各操作部の操作に応じて前記暖房機本体の暖房運転を制御する暖房機において、
前記第1暖房温度設定操作部は、予め定められた第1の温度範囲内での暖房温度設定が可能とされており、
前記第2暖房温度設定操作部は、前記第1の温度範囲よりも上限温度を低くして予め定められた第2の温度範囲内での温度設定が可能とされていることを特徴とする暖房機。
【請求項2】
請求項1記載の暖房機において、
前記第1暖房温度設定操作部の前記第1の温度範囲は、少なくとも、通常使用時に選択される通常温度設定範囲と、前記通常温度設定範囲の上限よりも高い設定高温度とにより構成され、
前記第2暖房温度設定操作部の前記第2の温度範囲は、前記設定高温度を除き、少なくとも、前記通常温度設定範囲により構成されていることを特徴とする暖房機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖房機に関し、特に、リモコン等の操作端末によって、暖房運転開始や温度の設定を遠隔操作することが可能とされた暖房機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、暖房機本体と、リモコン等の操作端末とを備える暖房機が知られている。暖房機本体には、暖房運転の開始・停止、及び暖房温度の設定等の操作を行うための本体側操作部が設けられている。操作端末にも、暖房機本体と略同じ操作を行うための端末側操作部が設けられている。そして、暖房機本体は、本体側操作部や端末側操作部による操作に応じて暖房運転を制御する制御部を備えている。
【0003】
更に、この種の暖房機においては、操作端末が暖房機本体から所定距離離れた位置関係にあると、操作端末による暖房温度の設定操作は行えるが、暖房運転の開始操作を受け付けないようにしたものが知られている(下記特許文献1参照)。
【0004】
これによれば、操作端末を操作しようとするユーザーが暖房機本体の近傍に居ないと、暖房機本体の運転を開始させることができない。従って、例えば、暖房機本体の温風の吹出し口の前方近傍に、急激な温度上昇に適さない物品がある場合、或いは、子供やペットが居る場合に、これらに比較的高温の温風が当たるのを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-35986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来のものでは、ユーザーが操作端末を操作するに先立ち、暖房機本体の周囲の状況を正確に把握している場合であっても、暖房機本体から所定距離離れた位置関係にある操作端末からは暖房運転を開始することができないため、使い勝手が悪い。
【0007】
また、操作端末が暖房機本体から所定距離離れた位置関係にあることを把握するための手段が必要となるため、部品点数や処理工数が多くなり、コストが増加する不都合がある。
【0008】
更に、操作端末を操作しても暖房運転が開始されないとき、その原因がわからずユーザーが混乱することも考えられるため、暖房機本体から所定距離離れた位置に操作端末がある旨を音や表示でユーザーに報知する必要もあり、これによっても、部品点数や処理工数が多くなり、コストが増加する不都合がある。
【0009】
上記の点に鑑み、本発明は、操作端末による操作したときに過剰な高温度での暖房を防止することができ、簡易な構成でコスト増加を抑えて使い勝手のよい暖房機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するために、本発明は、暖房機本体と、前記暖房機本体を遠隔操作する操作端末とを備え、前記暖房機本体は、暖房運転の開始操作を行うための第1運転操作部と、暖房温度を設定するための第1暖房温度設定操作部と、暖房運転を制御する制御部とを備え、前記操作端末は、前記暖房機本体の暖房運転の開始操作を行うための第2運転操作部と、暖房温度を設定するための第2暖房温度設定操作部とを備え、前記制御部は、前記の各操作部の操作に応じて前記暖房機本体の暖房運転を制御する暖房機において、前記第1暖房温度設定操作部は、予め定められた第1の温度範囲内での暖房温度設定が可能とされており、前記第2暖房温度設定操作部は、前記第1の温度範囲よりも上限温度を低くして予め定められた第2の温度範囲内での温度設定が可能とされていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、操作端末の第2暖房温度設定操作部によって設定可能な第2の温度範囲が、暖房機本体の第1暖房温度設定操作部によって設定可能な第1の温度範囲の上限よりも低い温度であるため、操作端末を操作したときの過剰な高温度での暖房を防止することができる。そして、本発明は、このように操作端末によって設定できる温度範囲を制限する構成であるため、簡易な構成としてコストの増加を抑えることができ、ユーザーが意識せずに、操作端末を操作したときの過剰な高温度での暖房を防止することができるので、使い勝手のよい暖房機を提供することができる。
【0012】
また、本発明の暖房機において、前記第1暖房温度設定操作部の前記第1の温度範囲は、少なくとも、通常使用時に選択される通常温度設定範囲と、前記通常温度設定範囲の上限よりも高い設定高温度とにより構成され、前記第2暖房温度設定操作部の前記第2の温度範囲は、前記設定高温度を除き、少なくとも、前記通常温度設定範囲により構成されていることを特徴とする。
【0013】
前記通常温度設定範囲は、多くのユーザーが快適さを感じる暖房温度範囲であり、通常使用において比較的選択頻度の高い設定温度を含む範囲である。前記設定高温度は、室内を早く温める際に用いる設定温度であり、前記通常温度設定範囲の上限温度よりも高い。前記設定高温度による暖房では、急激な温度上昇に適さない物品に対して悪影響を及ぼすおそれがあり、子供やペットにとっては暑さによる不快感を与えるおそれがある。
【0014】
ユーザーが暖房機本体の近くに居れば、暖房機本体の周囲の確認が可能であるため、第1暖房温度設定操作部を操作し、設定高温度を選択して室内を早く温めることができる。
【0015】
一方、ユーザーが、操作端末の第2暖房温度設定操作部を操作すると、設定高温度を選択することができない。よって、ユーザーが暖房機本体から離れた位置に居ることで暖房機本体の周囲の確認が即座に行えない場合であっても、急激な温度上昇に適さない物品に対して悪影響を及ぼしたり、子供やペットに不快感を与えるおそれのある高い暖房温度での運転が行われることが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態の暖房機を示す図。
図2】暖房機本体の構成を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の暖房機は、図1に示すように、暖房機本体1と、暖房機本体1を遠隔操作する操作端末としてのリモコン2とを備えている。
【0018】
暖房機本体1は、図2に示すように、家屋の室内等の被暖房空間に床置きされ、その内部に、ガスバーナ3と、ガスバーナ3で加熱された空気を強制的に送り出す対流ファン4と、暖房運転を制御する制御装置5(制御部)とを備えている。
【0019】
暖房機本体1の上面部には、後述する本体側操作パネル6が設けられている。暖房機本体1の背面部には、対流ファン4の作動により吸引される空気を暖房機本体1の内部に取り入れる空気取入れ口7が形成されている。空気取入れ口7の近傍には室温を検出する室温センサ8が取り付けられている。
【0020】
また、暖房機本体1の前面下部には、対流ファン4により送り出される空気(温風)を前方に導出する温風吹出し口9が形成されている。温風吹出し口9には、風向を定めるためのルーバ10が設けられている。
【0021】
ガスバーナ3には、対流ファン4の作動により空気取入れ口7から取り入れられた空気の一部が燃焼用空気として供給される。燃料ガスは、図示を省略するガス供給路からガスバーナ3へ供給される。
【0022】
ガスバーナ3によって生成された燃焼排気は、空気取入れ口7から取り入れられた他の空気と混合され、暖房用の温風として温風吹出し口9から室内に送出される。
【0023】
なお、ガスバーナ3に供給する燃料ガスの量は、図示しないガス供給路に備えられるガス比例弁等の流量調整弁を介して制御装置5により制御される。ガスバーナ3に供給する燃料ガスの量は、ガスバーナ3の燃焼量に比例する。
【0024】
また、ガスバーナ3に供給する燃焼用空気の量は、対流ファン4の回転数によって増減させることがでる。対流ファン4は、図示しない電動モータにより回転駆動され、対流ファン4の回転数は、電動モータを介して制御装置5により制御される。
【0025】
制御装置5は、CPU、RAM、ROM、インターフェース回路等を備える電子回路ユニットにより構成されている。制御装置5は、本体側操作パネル6による操作に基づき、ガスバーナ3の燃焼及び対流ファン4の作動を制御する。
【0026】
図1に示すように、本体側操作パネル6には、暖房機本体1の運転開始と運転停止とを操作する本体側運転スイッチ11と、暖房温度の調整を行う本体側アップスイッチ12及び本体側ダウンスイッチ13とが設けられている。
【0027】
また、本体側操作パネル6には、表示部14が設けられている。表示部14には、設定された暖房温度や現在の室温等の各種情報を表示する。
【0028】
本体側操作パネル6は、これ以外に、暖房機本体1の運転状態の設定や変更やタイマー設定を行うための複数のスイッチを備えているが、その説明は省略する。本体側アップスイッチ12及び本体側ダウンスイッチ13は、暖房温度の調整を行う以外にタイマー時間の変更等を行う際にも用いられる。
【0029】
本体側運転スイッチ11は、本発明における第1運転操作部に相当し、本体側アップスイッチ12及び本体側ダウンスイッチ13は本発明における第1暖房温度設定操作部に相当する。
【0030】
図1に示すように、リモコン2は、暖房機本体1に対し、無線通信で通信可能に構成されている。本実施形態においては、リモコン2と暖房機本体1との通信方式として、赤外線通信方式が採用されている。
【0031】
リモコン2は、複数のスイッチを備えるリモコン側操作パネル15を備えている。リモコン側操作パネル15には、主に、リモコン側運転ONスイッチ16、リモコン側運転OFFスイッチ17、リモコン側アップスイッチ18及びリモコン側ダウンスイッチ19が設けられている。
【0032】
リモコン側運転ONスイッチ16は、暖房機本体1の運転を開始させるときに押し操作し、リモコン側運転OFFスイッチ17は、暖房機本体1の運転を停止させるときに押し操作する。リモコン側アップスイッチ18及びリモコン側ダウンスイッチ19は暖房温度の調整を行う。
【0033】
リモコン側運転ONスイッチ16は、本発明における第2運転操作部に相当し、リモコン側アップスイッチ18及びリモコン側ダウンスイッチ19は本発明における第2暖房温度設定操作部に相当する。
【0034】
制御装置5には、操作部6が電気的に接続されていると共に、リモコン2の赤外線送信部20から送信された信号を受信するための赤外線受信部21が電気的に接続されている。赤外線受信部21は、暖房機本体1の前面上部に露出して配設されている。
【0035】
次に、本実施形態の暖房機による暖房運転について説明する。ユーザーが暖房機本体1の近傍に居る時には、ユーザーは、本体側操作パネル6の本体側運転スイッチ11によって暖房運転を開始する操作を行う。続いて、ユーザーは、必要に応じて、所望の暖房温度を本体側アップスイッチ12や本体側ダウンスイッチ13を用いて設定操作する。
【0036】
制御装置5は、本体側操作パネル6の本体側アップスイッチ12や本体側ダウンスイッチ13による暖房温度の設定が行われたとき、設定された暖房温度に応じた燃焼量でガスバーナ3の燃焼を制御する。
【0037】
このとき、本体側操作パネル6の本体側アップスイッチ12や本体側ダウンスイッチ13の操作により選択できる暖房温度として、通常温度設定範囲内の各温度と、通常温度設定範囲の下限よりも低い設定低温度と、通常温度設定範囲の上限よりも高い設定高温度とが用意されている。
【0038】
具体的には、例えば、通常温度設定範囲は本実施形態では「12℃~26℃」であり、ユーザーが本体側アップスイッチ12又は本体側ダウンスイッチ13を複数回押してこの温度範囲内の何れかの温度を選択すると表示部14にはその時選択された設定暖房温度が数値で表示される。制御装置5は、設定された暖房温度が通常温度設定範囲の温度であるとき、室温が当該温度になるようにガスバーナ3の燃焼量を制御する。なお、通常温度設定範囲は「12℃~26℃」に限るものではなく、最も選択頻度が高くユーザーにとって快適性が高い温度範囲とすることが好ましい。
【0039】
設定低温度は、本実施形態では「10℃」であり、ユーザーが本体側ダウンスイッチ13を複数回押してこれを選択すると表示部14には「L」が表示され、これが下限の設定温度となる。設定低温度は、室温を上昇させるのではなく、十分に暖かくなった室温を維持するためのもので、制御装置5は、燃焼量を低く抑えてガスバーナ3を制御する。なお、設定低温度は「10℃」に限るものではない。
【0040】
設定高温度は、本実施形態では「50℃」であり、ユーザーが本体側アップスイッチ12を複数回押してこれを選択すると表示部14には「H」が表示され、これが上限の設定温度となる。設定高温度は、室内が冷え切っている場合に室内を早く温めるためのもので、制御装置5は、最大燃焼量でガスバーナ3を制御する。なお、設定高温度は、ガスバーナ3を最大燃焼量として燃焼運転を継続させるものであるため、「50℃」に限るものではない。また、制御装置5は、例えば、室温が35℃以上となって10分間暖房運転が継続された場合に暖房運転を強制的に停止させる制御機能を備えていてもよい。これによれば、過剰な室温上昇を未然に防ぐことができる。
【0041】
制御装置5は、本体側操作パネル6の本体側アップスイッチ12や本体側ダウンスイッチ13の操作を検知すると、設定低温度、通常温度設定範囲、及び設定高温度を設定可能な暖房温度範囲としてユーザーに提供する。
【0042】
一方、ユーザーが暖房機本体1から離れた所に居る場合には、ユーザーは、リモコン2のリモコン側操作パネル15のリモコン側運転ONスイッチ16によって暖房運転を開始する操作を行う。続いて、ユーザーは、必要に応じて、所望の暖房温度をリモコン側アップスイッチ18やリモコン側ダウンスイッチ19を用いて設定操作する。
【0043】
制御装置5は、リモコン側操作パネル15のリモコン側アップスイッチ18やリモコン側ダウンスイッチ19による暖房温度の設定が行われたときにも、設定された暖房温度に応じた燃焼量でガスバーナ3の燃焼を制御する。
【0044】
このとき、リモコン側操作パネル15のリモコン側アップスイッチ18やリモコン側ダウンスイッチ19の操作により選択できる暖房温度として、通常温度設定範囲内の各温度と、設定低温度とが用意されるが、設定高温度は選択できないようになっている。
【0045】
即ち、ユーザーが本体側アップスイッチ12又は本体側ダウンスイッチ13を複数回押してこの温度範囲内の何れかの温度を選択すると、表示部14にはその時選択された設定暖房温度が数値で表示される。制御装置5は、設定された通常温度設定範囲の暖房温度になるようにガスバーナ3の燃焼量を制御する。
【0046】
本実施形態においては、通常温度設定範囲が「12℃~26℃」であることにより、リモコン側操作パネル15のリモコン側アップスイッチ18を操作して上限に達すると、26℃が選択された状態となり、これ以上高い温度は選択できない。
【0047】
ユーザーがリモコン側ダウンスイッチ19を複数回押すことにより設定低温度を選択することができるのは本体側操作パネル6での操作と同様である。
【0048】
なお、リモコン側アップスイッチ18を操作して通常温度設定範囲の上限温度に達した場合、上限温度(ここでは26℃)以上の信号が出力されないようにリモコン2側で制限してもよく、或いは、リモコン2からの信号による設定温度であることを認識した制御装置5が通常温度設定範囲の上限温度(ここでは26℃)以上にならないようにガスバーナ3の燃焼を制御してもよい。
【0049】
また、制御装置5は、前回の暖房運転の停止直前の設定温度を記憶しており、次回の暖房運転の開始時の設定温度として、記憶していた設定温度が用いられる。そして、前回の暖房運転の停止直前に設定高温度(本実施形態では50℃)が選択されていた場合に、リモコン側操作パネル15のリモコン側運転ONスイッチ16で暖房運転の開始操作が行われると、制御装置5は、強制的に通常温度設定範囲の最大温度(本実施形態では26℃)に設定して暖房運転を開始する。
【0050】
以上のように、本体側操作パネル6の運転開始操作や暖房温度の設定操作と異なり、リモコン側操作パネル15の操作によるときには、設定高温度が選択できず、これによって、不用意に比較的高温度の温風が暖房機本体1の温風吹出し口9から吹出すことがない。
【0051】
これにより、暖房機本体1の温風吹出し口9の前方近傍に、急激な温度上昇に適さない物品がある場合、或いは、子供やペットが居る場合に、これらに比較的高温の温風が当たるのを防止することができる。しかも、リモコン側操作パネル15の操作によるときに設定高温度を選択できなくするだけでよく、例えば、暖房機本体1とリモコン2との距離を検出する必要もないので、構造簡単としてコストの増加も極めて少ない。更に、リモコン2の信号(本実施形態では赤外線)が暖房機本体1に届く範囲であれば、リモコン2の操作によって円滑に暖房運転を開始することができるので、使い勝手もよい。
【0052】
なお、本実施形態においては、ガスバーナ3を熱源として備える温風暖房機を示したが、これに限るものではなく、例えば、石油, または電気ヒータ等を熱源とした温風暖房機にも、本発明を採用することができ、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0053】
また、本実施形態においては、リモコン2と暖房機本体1との通信が赤外線通信方式によって行うものを示したが、これに限らず、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi方式でもよい。
【0054】
また、本実施形態においては、操作端末としてリモコン2を用いた例を示したが、操作端末はこれに限らず、アプリケーションソフトによりリモコン機能を持たせたスマートファンやタブレット端末を採用してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…暖房機本体、2…リモコン(操作端末)、5…制御装置(制御部)、11…本体側運転スイッチ(第1運転操作部)、12…本体側アップスイッチ(第1暖房温度設定操作部)、13…本体側ダウンスイッチ(第1暖房温度設定操作部)、16…リモコン側運転ONスイッチ(第2運転操作部)、18…リモコン側アップスイッチ(第1暖房温度設定操作部)、19…リモコン側ダウンスイッチ(第1暖房温度設定操作部)。
図1
図2