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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177999
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】液体皮膚洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/36 20060101AFI20231207BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20231207BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20231207BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
A61K8/36
A61K8/81
A61K8/34
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091006
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】渡部 香織
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC242
4C083AC712
4C083AC782
4C083AD132
4C083AD511
4C083AD512
4C083BB05
4C083BB34
4C083CC23
4C083DD23
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさ及びその持続性、並びにタオルドライ後の肌のキメを向上させることができ、更にフォーマー容器からの吐出性に優れ、かつ良好な泡質の泡を吐出することができる液体皮膚洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】(A)アニオン性界面活性剤と、(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を40モル%以上含有するカチオン性高分子と、(C)ラノリンアルコールと、を含有し、前記(C)成分の含有量に対する、前記(A)成分及び前記(B)成分の合計含有量の質量比[{(A)+(B)}/(C)]が、40~1,050であり、フォーマー容器に充填してなる液体皮膚洗浄剤組成物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アニオン性界面活性剤と、
(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を40モル%以上含有するカチオン性高分子と、
(C)ラノリンアルコールと、
を含有し、
前記(C)成分の含有量に対する、前記(A)成分及び前記(B)成分の合計含有量の質量比[{(A)+(B)}/(C)]が、40~1,050であり、
フォーマー容器に充填してなることを特徴とする液体皮膚洗浄剤組成物。
【請求項2】
前記(B)成分の含有量に対する前記(A)成分の含有量の質量比[(A)/(B)]が24~80である、請求項1に記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
【請求項3】
前記(A)成分の含有量が12質量%~20質量%であり、前記(B)成分の含有量が0.2質量%~0.8質量%であり、前記(C)成分の含有量が0.002質量%~0.4質量%である、請求項1に記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
【請求項4】
25℃の粘度が5mPa・s~30mPa・sである、請求項1に記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体皮膚洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ハンドソープやボディソープ等の液体皮膚洗浄剤組成物には、泡のキメ等の泡質が良好であること、タオルドライ後の肌がつっぱらないことが望まれている。肌のつっぱりの原因のひとつとして肌の乾燥が挙げられる。
【0003】
洗浄後の肌に保湿効果を付与するために、例えば、脂肪酸塩と、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を有するカチオン性高分子と、を含有する液体皮膚洗浄剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、前記提案は、泡質、タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさ及びその持続性、タオルドライ後の肌のキメ、更にはフォーマー容器からの吐出性について満足できるものではなかった。
【0004】
一般的に、泡質を向上させるためには、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸をより多く添加することが知られているが、脂肪酸の配合比率を上げると、フォーマー容器からの吐出性が悪くなることや、タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさ及びその持続性、タオルドライ後の肌のキメが低下することがあった。
【0005】
したがって、タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさ及びその持続性、並びにタオルドライ後の肌のキメを向上させることができ、更にフォーマー容器から良好な泡質の泡を吐出することができる液体皮膚洗浄剤組成物の提供が望まれているが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-262838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさ及びその持続性、並びにタオルドライ後の肌のキメを向上させることができ、更にフォーマー容器からの吐出性に優れ、かつ良好な泡質の泡を吐出することができる液体皮膚洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、(A)アニオン性界面活性剤と、(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を40モル%以上含有するカチオン性高分子と、(C)ラノリンアルコールと、を含有し、前記(C)成分の含有量に対する、前記(A)成分及び前記(B)成分の合計含有量の質量比[{(A)+(B)}/(C)]が、40~1,050であり、フォーマー容器に充填してなることを特徴とする液体皮膚洗浄剤組成物は、タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさ及びその持続性、並びにタオルドライ後の肌のキメを向上させることができ、更にフォーマー容器からの吐出性に優れ、かつ良好な泡質の泡を吐出することができることを見出し、本発明の完成に至った。
【0009】
本発明は、本発明者による前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> (A)アニオン性界面活性剤と、
(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を40モル%以上含有するカチオン性高分子と、
(C)ラノリンアルコールと、
を含有し、
前記(C)成分の含有量に対する、前記(A)成分及び前記(B)成分の合計含有量の質量比[{(A)+(B)}/(C)]が、40~1,050であり、
フォーマー容器に充填してなることを特徴とする液体皮膚洗浄剤組成物である。
<2> 前記(B)成分の含有量に対する前記(A)成分の含有量の質量比[(A)/(B)]が24~80である、前記<1>に記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
<3> 前記(A)成分の含有量が12質量%~20質量%であり、前記(B)成分の含有量が0.2質量%~0.8質量%であり、前記(C)成分の含有量が0.002質量%~0.4質量%である、前記<1>から<2>のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
<4> 25℃の粘度が5mPa・s~30mPa・sである、前記<1>から<3>のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさ及びその持続性、並びにタオルドライ後の肌のキメを向上させることができ、更にフォーマー容器からの吐出性に優れ、かつ良好な泡質の泡を吐出することができる液体皮膚洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(液体皮膚洗浄剤組成物)
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、(A)アニオン性界面活性剤と、(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を40モル%以上含有するカチオン性高分子と、(C)ラノリンアルコールと、を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、前記(C)成分の含有量に対する、前記(A)成分及び前記(B)成分の合計含有量の質量比[{(A)+(B)}/(C)]が、40~1,050であり、フォーマー容器に充填してなるものである。
【0012】
これにより、本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさ及びその持続性、並びにタオルドライ後の肌のキメを向上させることができ、更にフォーマー容器からの吐出性に優れ、かつ良好な泡質の泡を吐出することができるものである。
【0013】
一般的に、肌のキメ(木目、肌理)の状態が良い場合には、肌の表面に略三角形の網目状の溝が見える。それに対して肌のキメの状態が悪いと溝が不明確になったり、網目の形状が崩れたり、溝がよく見えなくなったり、溝のない部分が荒れた状態になる。そのため、肌のキメは、肌の美しさの重要な要素である。前記「溝」は皮溝と呼ばれ、この皮溝で囲まれる略三角形上の平らな部分は皮丘と呼ばれる。また、皮溝が交差しているところに毛穴が見えるが、肌のキメの状態が良い場合は毛穴が小さく目立たないのに対し、肌のキメの状態が悪いと毛穴が大きく目立つ状態になる。このように、皮溝の幅や深さと皮丘の大きさや高さ、毛孔の大きさが均一に揃っていると肌のキメが良いと言われる。肌のキメの状態は、皮膚の水分量、新陳代謝、真皮状態などの様々な影響を複合的に反映することが広く知られている。
【0014】
前記液体皮膚洗浄剤組成物は、このような肌のキメを向上させることができるものである。前記肌のキメは、例えば、マイクロスコープで観察して確認することができる。
本明細書において、最大シワの最大深さ(μm)が、前記液体皮膚洗浄剤組成物の使用前と比較して、前記液体皮膚洗浄剤組成物の使用後に増加していれば、前記液体皮膚洗浄剤組成物により肌のキメが向上したと判断することができる。
【0015】
(液体皮膚洗浄剤組成物)
<(A)アニオン性界面活性剤>
前記(A)成分としてのアニオン性界面活性剤は、主に、タオルドライ後のつっぱり感のなさの持続性を向上させるために含有される。
【0016】
前記(A)成分のアニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高級脂肪酸塩、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル硫酸塩、エーテルカルボン酸塩、アミノ酸系界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、タオルドライ後のつっぱり感のなさの持続性の点から、高級脂肪酸塩が好ましい。
【0017】
-高級脂肪酸塩-
前記(A)成分の中の前記高級脂肪酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0018】
前記高級脂肪酸塩の対イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属塩、アミン塩、アミノ酸塩などが挙げられる。
前記アルカリ金属塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。
前記アミン塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、2-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノ-2-メチルプロパンジオール等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。
前記アミノ酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リジン塩、アルギニン塩などが挙げられる。
これらの中でも、泡持ちに優れる点で、アルカリ金属塩が好ましく、カリウム塩が特に好ましい。
【0019】
前記高級脂肪酸塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記高級脂肪酸塩の市販品としては、例えば、商品名で、NIKKOL ラウリン酸カリLK-120(ラウリン酸カリウム、日光ケミカルズ株式会社製)、NIKKOL ミリスチン酸カリMK-140(ミリスチン酸カリウム、日光ケミカルズ株式会社製)、ノンサールPK-1(パルミチン酸カリウム、日油株式会社製)、ノンサールSK-1(ステアリン酸カリウム、日油株式会社製)、タイソープ MNK-40(ヤシ油脂肪酸カリウム・ミリスチン酸カリウム配合液体、日光ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
【0020】
前記高級脂肪酸塩は、高級脂肪酸塩として配合することも可能であるが、高級脂肪酸と、水酸化カリウム等の前記対イオンとなる塩とを別々に、配合槽中に添加して中和反応させて高級脂肪酸塩としてもよい。
【0021】
前記高級脂肪酸塩の調製に使用する前記高級脂肪酸は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記高級脂肪酸塩の市販品としては、例えば、商品名で、NAA(登録商標)-122(ラウリン酸、日油株式会社製)、NAA(登録商標)-142(ミリスチン酸、日油株式会社製)、NAA(登録商標)-160(パルミチン酸、日油株式会社製)、NAA(登録商標)-180(ステアリン酸、日油株式会社製)などが挙げられる。
【0022】
前記ラウリン酸塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、4質量%~10質量%が好ましく、6質量%~9質量%がより好ましい。
【0023】
前記ミリスチン酸塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、3質量%~12質量%が好ましく、4質量%~8質量%がより好ましい。
【0024】
前記パルミチン酸塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.5質量%~5質量%が好ましく、1.5質量%~3.5質量%がより好ましい。
【0025】
前記ステアリン酸塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%~0.5質量%が好ましく、0.1質量%~0.4質量%がより好ましい。
【0026】
-ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩-
前記(A)成分の中の前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A1)で表される化合物などが挙げられる。前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【化1】
【0027】
前記一般式(A1)中、Rはアルキル基を示す。前記アルキル基部分の炭素数としては、10~14が好ましい。
【0028】
前記一般式(A1)中、nはエチレンオキサイド(E.O.)の平均付加モル数を示す。前記エチレンオキサイドの平均付加モル数としては、1~5が好ましい。
【0029】
前記一般式(A1)中、Xは、アルカリ金属又はアンモニウムを示す。
前記アルカリ金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。
【0030】
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の具体例としては、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(別名:POE(2)ラウレス硫酸ナトリウム)、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(別名:POE(3)ラウレス硫酸ナトリウム)、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)アルキル(C12,13)エーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
なお、前記( )内の数値は、エチレンオキサイド(E.O.)の平均付加モル数(n)を表す。
【0031】
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の市販品としては、例えば、商品名で、Texapon(テキサポン)(登録商標) N70(BASF社製、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)、シノリンSPE-1250(新日本理化株式会社製、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)などが挙げられる。
【0032】
-エーテルカルボン酸塩-
前記(A)成分の中の前記エーテルカルボン酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A2)又は(A3)で表される化合物などが挙げられる。前記エーテルカルボン酸塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【化2】
【0033】
前記一般式(A2)及び(A3)中、Rは炭素数5~23の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基、又は炭素数5~23の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基で置換されたフェニル基を示す。前記R部分の炭素数としては、10~14が好ましい。
【0034】
前記一般式(A2)中、Rは同一でも異なっていてもよく、炭素数2~4のアルキレン基を示し、炭素数2が好ましい。
【0035】
前記一般式(A2)中、oは1~20のアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す。前記アルキレンオキサイドの平均付加モル数としては、1~5が好ましい。
【0036】
前記一般式(A2)及び(A3)中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又は塩基性アミノ酸を示す。
【0037】
前記一般式(A2)又は(A3)で表されるエーテルカルボン酸塩の具体例としては、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル酢酸カリウム、ラウリルグリコール酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
なお、前記( )内の数値は、アルキレンオキサイドの平均付加モル数(o)を表す。
【0038】
前記エーテルカルボン酸塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記エーテルカルボン酸塩の市販品としては、例えば、商品名で、エナジコールEC-30(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ビューライト LCA-25F(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ビューライト LCA-30D(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ビューライト LCA-H(ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル酢酸)、ビューライト LCA-25NH(ラウレス-4カルボン酸)、ビューライト SHAA(ラウリルグリコールカルボン酸ナトリウム)、ビューライト LCA(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)(以上、三洋化成工業株式会社製)、カオーアキポRLM-45NV(ポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、カオーアキポRLM-100NV(ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)(以上、花王株式会社製)などが挙げられる。
なお、前記( )内の数値は、アルキレンオキサイドの平均付加モル数(o)を表す。
【0039】
-アミノ酸系界面活性剤-
前記(A)成分の中の前記アミノ酸系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A4)で表される化合物などが挙げられる。前記アミノ酸系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【化3】
【0040】
前記一般式(A4)中、Rは炭素数5~23の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基、又は炭素数5~23の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基で置換されたフェニル基を示す。前記R部分の炭素数としては、8~18が好ましい。
【0041】
前記一般式(A4)中、Rは、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を示す。
【0042】
前記一般式(A4)中、R及びRは同一でも異なっていてもよく、水素原子又は-(CH-COOMを示す。
【0043】
前記一般式(A4)中、m及びnは同一でも異なっていてもよく、0~20の数を示す。
【0044】
前記一般式(A4)中、M及びMは同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又は塩基性アミノ酸を示す。
【0045】
前記アミノ酸系界面活性剤の親水部のアミノ酸構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、グリシン、グルタミン酸、メチルアラニンが好ましい。
【0046】
前記一般式(A4)で表されるアミノ酸系界面活性剤の具体例としては、N-ココイル-グリシンカリウム(N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム)等のN-アシル-グリシン及びその塩;N-ミリストイル-N-カルボキシエチル-グリシンナトリウム等のN-アシル-N-カルボキシエチル-グリシン及びその塩;N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸カリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸カリウム、N-パーム脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム等のN-アシルグルタミン酸及びその塩;N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニンカリウムなどが挙げられる。
【0047】
前記アミノ酸系界面活性剤は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記アミノ酸系界面活性剤の市販品としては、例えば、商品名で、アミライト(登録商標)GCK-11(N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム)、アミライト(登録商標)GCK-12K(N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム)、アミライト(登録商標)GCS-12K(N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム)、アミライト(登録商標)GCS-11(N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム)、アミソフト(登録商標)CS-11(N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)CS-22(N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)LS-11(N-ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)MS-11(N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)HS-11P(N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)HS-11P(F)(N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)HS21(N-ステアロイル-L-グルタミン酸ジナトリウム)、アミライト(登録商標)ACS-12(ココイルアラニンナトリウム)(以上、味の素ヘルシーサプライ株式会社製)、アミノサーファクト(登録商標)AMMS-P1(N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム)(旭化成ケミカルズ株式会社製)、NIKKOL サルコシネート MN(ミリストイルメチルアミノ酢酸ナトリウム)、NIKKOL アラニネート LN-30(ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム)(以上、日光ケミカルズ株式会社製)、アラノンACE(ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム)、アラノンAME(ミリストイルメチル-β-アラニンナトリウム)、アラノンALE(ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム)(以上、川研ファインケミカル株式会社製)、エナジコール L-30AN(ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム)(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、ソフティルトAT-L(ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム)(日油株式会社製)などが挙げられる。
【0048】
前記(A)成分のアニオン性界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後のつっぱり感のなさ及びその持続性、並びにフォーマー容器からの吐出性及び泡質の点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、10質量%~25質量%が好ましく、12質量%~20質量%がより好ましい。前記(A)成分の含有量が、10質量%以上であると、タオルドライ後のつっぱり感のなさの持続性が良好であり、25質量%以下であると、タオルドライ後のつっぱり感のなさ、フォーマー容器からの吐出性、及び泡質が良好である。
【0049】
<(B)カチオン性高分子>
前記(B)成分としてのカチオン性高分子は、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を40モル%以上含有するカチオン性高分子であり、主に、タオルドライ後の肌のキメ及びタオルドライ後のつっぱり感のなさの持続性を向上させるために含有される。
【0050】
前記カチオン性高分子としては、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を40モル%以上含有する限り、特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができ、例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0051】
前記(B)成分の中の塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体は、下記一般式(B1)で表される化合物である。
【化4】
ただし、前記一般式(B1)中、n及びmは、各構造単位のモル比(モル%)を示し、n+m=100であり、前記mは40モル%以上である。前記mが40モル%未満であると、タオルドライ後のつっぱり感のなさの持続性、フォーマー容器からの吐出性、及び泡質が不十分となる。
【0052】
前記(B)成分のうちの塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体における塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比は、40モル%であるが、タオルドライ後のつっぱり感のなさの持続性、フォーマー容器からの吐出性、及び泡質の点から、65モル%以上が好ましく、96モル%以上がより好ましい。前記塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0053】
前記(B)成分の中の塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体における各構造単位のモル比率は、核磁気共鳴(NMR)により下記測定条件で測定することで決定することができる。
[測定条件]
溶媒:重水(DO)
測定器:JNM-LA300(300MHz、日本電子株式会社製)
【0054】
前記(B)成分のカチオン性高分子の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10,000~1,000,000が好ましく、15,000~450,000がより好ましい。
前記(B)成分のカチオン性高分子の重量平均分子量は、例えば、SEC-MALLS-RIシステム(測定条件:カラム:東ソー株式会社製TSKgelαシリーズ α-Mカラム30cm、溶媒:硝酸ナトリウム0.3M水溶液)で測定することができる。
【0055】
前記(B)成分のカチオン性高分子の固形分30質量%~44質量%の溶液の25℃での粘度は、10mPa・s~15,000mPa・sが好ましく、20mPa・s~12,000mPa・sがより好ましい。
前記粘度は、例えば、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて測定することができる。
【0056】
前記(B)成分のカチオン性高分子は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記(B)成分のカチオン性高分子の市販品としては、例えば、商品名で、以下のものなどが挙げられる。
【0057】
マーコート(MERQUAT)100(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分39質量%~44質量%の25℃での粘度:8,000mPa・s~12,000mPa・s、重量平均分子量:150,000)。
前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.3のローターを使用し、6回転/分間の条件において測定することができる。
【0058】
マーコート106(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分30質量%~36質量%の25℃での粘度:20mPa・s~65mPa・s、重量平均分子量15,000)。
前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.1のローターを使用し、60回転/分間の条件において測定することができる。
【0059】
マーコート280(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分39質量%~43質量%の25℃での粘度:3,000mPa・s~6,000mPa・s、重量平均分子量450,000、前記一般式(1)におけるn:m=35:65(モル比)、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が65モル%)。
前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.4のローターを使用し、60回転/分間の条件において測定することができる。
【0060】
マーコート295(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分35質量%~40質量%の25℃での粘度:3,500mPa・s~9,000mPa・s、重量平均分子量190,000、前記一般式(1)におけるn:m=5:95(モル比)、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が95モル%)。
前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.4のローターを使用し、30回転/分間の条件において測定することができる。
【0061】
これらの中でも、前記(B)成分のカチオン性高分子としては、タオルドライ後のつっぱり感のなさの持続性、フォーマー容器からの吐出性、及び泡質の点から、マーコート100、マーコート295が好ましい。
【0062】
前記(B)成分のカチオン性高分子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌のキメ、タオルドライ後のつっぱり感のなさの持続性、フォーマー容器からの吐出性、及び泡質の点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%~1質量%が好ましく、0.2質量%~0.8質量%がより好ましい。前記(B)成分の含有量が、0.1質量%以上であると、タオルドライ後の肌のキメ及びタオルドライ後のつっぱり感のなさの持続性が良好であり、1質量%以下であると、フォーマー容器からの吐出性及び泡質が良好である。
【0063】
<(C)ラノリンアルコール>
前記(C)成分としてのラノリンアルコールは、主に、タオルドライ後のつっぱり感のなさを向上させるために含有される。
【0064】
前記ラノリンアルコールは、ラノリンを過水分解して得られ、脂肪族アルコールであるコレステロールを含む混合物であり、コレステロールを30質量%以上含有するものである。
【0065】
前記ラノリンアルコールを得る際の、ラノリンの過水分解の方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができる。
【0066】
前記ラノリンアルコールの精製度としては、特に制限はなく、精製度の異なる種々のラノリンを用いることができる。
【0067】
前記ラノリンアルコールは、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ラノリンアルコールの市販品としては、例えば、商品名で、エコラーノ AL E(日本精化株式会社製)、ラノリンアルコールA(日本精化株式会社製)、スーパーハートラン(クローダジャパン株式会社製)などが挙げられる。
【0068】
前記(C)成分のラノリンアルコールの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後のつっぱり感のなさ、フォーマー容器からの吐出性、及び泡質の点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.01質量%~0.5質量%が好ましく、0.02質量%~0.4質量%がより好ましい。前記(C)成分の含有量が、0.01質量%以上であると、タオルドライ後のつっぱり感のなさが良好であり、0.5質量%以下であると、フォーマー容器からの吐出性及び泡質が良好である。
【0069】
<<質量比[{(A)+(B)}/(C)]>>
前記(C)成分の含有量(質量%)に対する、前記(A)成分及び前記(B)成分の合計含有量(質量%)の質量比[{(A)+(B)}/(C)]は、タオルドライ後のつっぱり感のなさの持続性の点から40~1,050であり、タオルドライ後の肌のキメ、タオルドライ後のつっぱり感のなさ及びその持続性の点から、60~700が好ましい。前記質量比[{(A)+(B)}/(C)]が、40未満であると、タオルドライ後のつっぱり感のなさの持続性が不十分であり、1,050を超えると、タオルドライ後の肌のキメ、タオルドライ後のつっぱり感のなさ及びその持続性が不十分である。
【0070】
<<質量比[(A)/(B)]>>
前記(B)成分の含有量(質量%)に対する前記(A)成分の含有量(質量%)の質量比[(A)/(B)]としては、特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌のキメ及びタオルドライ後のつっぱり感のなさの持続性の点から、24~80が好ましく、30~60がより好ましい。前記質量比[(A)/(B)]が、24以上であると、タオルドライ後のつっぱり感のなさの持続性が良好であり、80以下であると、タオルドライ後の肌のキメ及びタオルドライ後のつっぱり感のなさ及びその持続性が良好である。
【0071】
<その他の成分>
前記液体皮膚洗浄剤組成物には、前記(A)成分、前記(B)成分、及び前記(C)成分の各成分以外にも、本発明を損なわない範囲で、必要に応じて、液体皮膚洗浄剤組成物などに通常用いられる成分をその他の成分として配合することができる。
【0072】
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(A)成分以外の界面活性剤、前記(B)成分以外の水溶性高分子、前記(C)成分以外のアルコール類、前記(C)成分以外のラノリン誘導体、油分、シリコーン類、蛋白誘導体、保湿剤、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、金属封鎖剤、紫外線吸収又は散乱剤、ビタミン類等の薬剤、動植物抽出物又はその誘導体、増粘剤、アミノ酸類、色素、香料、顔料、無機粉体、粘土鉱物、水不溶性高分子化合物粉体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0073】
-(A)成分以外の界面活性剤-
前記(A)成分以外の界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0074】
前記ノニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物、グリセリン脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロール及びその誘導体、ポリオキシエチレンラノリン及びその誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、シュガーエステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油などが挙げられる。
【0075】
前記カチオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N’-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム)、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POE-アルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどが挙げられる。
【0076】
前記両界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベタイン型両性界面活性剤、アミノ酸型両性界面活性剤などが挙げられる。
【0077】
前記ベタイン型両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン型両性界面活性剤;ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のアミドベタイン型両性界面活性剤;ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン、ラウリルジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤;N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
【0078】
前記アミノ酸型両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β-ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、ヤシ油アルキルアミノプロピオン酸ナトリウム、N-ラウリルβ-アラニン、N-ステアリルβ-アラニンなどが挙げられる。
【0079】
前記(A)成分以外の界面活性剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0080】
-(B)成分以外の水溶性高分子-
前記(B)成分以外の水溶性高分子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリグルタミン酸、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル共重合体、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]グァーガムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0081】
前記(B)成分以外の水溶性高分子の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0082】
-(C)成分以外のアルコール類-
前記(C)成分以外のアルコール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、低級アルコールであってもよく、高級アルコールであってもよい。
前記(C)成分以外のアルコール類の具体例としては、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール等の天然及び合成高級アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0083】
前記(C)成分以外のアルコール類の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%~3質量%が好ましい。
【0084】
-(C)成分以外のラノリン誘導体-
前記(C)成分以外のラノリン誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラノリンアルコール脂肪酸エステル、ラノリンアルコールポリエチレングリコールエーテル、ラノリンアルコールポリプロピレングリコールエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0085】
前記(C)成分以外のラノリン誘導体の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0086】
-油分-
前記油分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、硬化パーム油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、アボガド油等の植物油脂類及びそれらのエステル化合物;ミンク油、卵黄油等の動物油脂類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、水添ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;グリセロールトリ-2-エチルヘキサン酸エステル、2-エチルヘキシルステアレート、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0087】
前記油分の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%~3質量%が好ましい。
【0088】
-保湿剤-
前記保湿剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソプレングリコール、1,2-ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、硬化ヒマシ油(30E.O.)、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0089】
前記保湿剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%~10質量%が好ましい。
【0090】
-防腐剤-
前記防腐剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、安息香酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’-トリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液(商品名:ケーソンCG、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)、サリチル酸、ペンタンジオール、フェノキシエタノール、エタノールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0091】
前記防腐剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%~1質量%が好ましい。
【0092】
-酸化防止剤-
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0093】
前記酸化防止剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%~1質量%が好ましい。
【0094】
-キレート剤-
前記キレート剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エデト酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、グルコン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0095】
前記キレート剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%~1質量%が好ましい。
【0096】
-pH調整剤-
前記pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸、塩酸、コハク酸、トリエタノールアミン、アンモニア水、トリイソプロパノールアミン、リン酸、グリコール酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0097】
前記pH調整剤の含有量としては、前記液体皮膚洗浄剤組成物を所望のpHに調整することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0098】
-紫外線吸収又は散乱剤-
前記紫外線吸収又は散乱剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルクなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0099】
前記紫外線吸収又は散乱剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0100】
-ビタミン類-
前記ビタミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フェルラ酸、γ-オリザノール、α-リポ酸、オロット酸又はその誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0101】
前記ビタミン類の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.001質量%~0.5質量%が好ましい。
【0102】
-アミノ酸類-
前記アミノ酸類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン及びその誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0103】
前記アミノ酸類の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.001質量%~0.5質量%が好ましい。
【0104】
-水不溶性高分子化合物粉体-
前記水不溶性高分子化合物粉体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナイロン、ポリエチレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0105】
前記水不溶性高分子化合物粉体の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0106】
<<pH>>
前記液体皮膚洗浄剤組成物の25℃におけるpHとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、9.5~11.0が好ましく、9.8~10.6がより好ましい。
前記pHは、例えば、ガラス電極色水素イオン濃度指示計 HM-30R(TOA DKK社製 電極タイプGST-5721)を使用して測定することができる。
【0107】
<<粘度>>
前記液体皮膚洗浄剤組成物の25℃における粘度としては、特に制限はなく、使用する容器などに応じて適宜選択することができるが、4mPa・s~40mPa・sが好ましく、8mPa・s~30mPa・sがより好ましい。
例えば、ノズル部を押し下げることによって泡を吐出できるポンプフォーマー容器と、305メッシュ及び200メッシュの多孔質膜体を各1枚使用する際において、使用する温度条件下で、前記液体皮膚洗浄剤組成物の粘度は、30mPa・s以下が好ましく、25mPa・s以下がより好ましい。
前記粘度は、例えば、BM型粘度計(株式会社東京計器製)を用いて、試料温度25℃にて、回転数60rpm、No.1のローターにて1分間後の粘度を測定することにより測定できる。
【0108】
<<容器>>
前記液体皮膚洗浄剤組成物は、フォーマー容器に充填してなり泡状に吐出されるタイプのものである。
【0109】
前記フォーマー容器としては、特に制限はなく、公知のフォーマー容器の中から適宜選択することができ、例えば、ノンガス型の泡吐出容器、噴射剤と耐圧容器を使用したエアゾール容器などが挙げられる。これらの中でも、ノンガス型の泡吐出容器が好ましい。
【0110】
前記ノンガス型の泡吐出容器としては、前記液体皮膚洗浄剤組成物を空気と混合して発泡状態で吐出できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボトル胴部を手で圧搾することによって泡を吐出できるスクイズフォーマー容器、ノズル部を押し下げることによって泡を吐出できるポンプフォーマー容器などが挙げられる。このようなフォーマー容器は、大和製罐株式会社製、株式会社吉野工業所製等のものを使用することができる。より具体的には、フォーマー容器としては、特開平7-315463号公報、特開平8-230961号公報、特開2005-193972号公報などに記載されたフォーマー容器を使用することができる。
【0111】
前記ノンガス型の泡吐出容器は、泡形成部材を有し、具体的には、泡を形成するための多孔質膜体(材質は、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン等のプラスチック材料が好ましい)を有し、前記液体皮膚洗浄剤組成物が該多孔質膜体を通過することにより泡が形成されるものである。
【0112】
前記多孔質膜体のメッシュとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100メッシュ以上が好ましく、100メッシュ~400メッシュがより好ましく、200メッシュ~305メッシュが特に好ましい。
また、前記多孔質膜体の枚数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡性能を向上させる観点から、2枚~4枚が好ましい。
【0113】
<<製造方法>>
前記液体皮膚洗浄剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(A)成分、前記(B)成分、及び前記(C)成分、更に必要に応じて、前記その他の成分、及び精製水(液体皮膚洗浄剤組成物全体が100質量%となるように残量として配合)を混合して得ることができる。
【0114】
具体的には、70℃~80℃に加温した精製水に、前記(A)成分及び前記(C)成分を溶解した後、40℃以下に冷却してから、前記(B)成分を添加して製造することができる。
【0115】
前記液体皮膚洗浄剤組成物は、装置を用いて調製してもよい。前記装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剪断力があり、全体を混合することができる攪拌羽根を備えた攪拌装置などが挙げられる。
前記攪拌羽根としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロペラ、タービン、ディスパーなどが挙げられる。
【0116】
<<用途>>
前記液体皮膚洗浄剤組成物の使用部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、全身、顔、手などに使用することができる。
【0117】
前記液体皮膚洗浄剤組成物の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさ及びその持続性、並びにタオルドライ後の肌のキメが良好であり、かつフォーマー容器からの吐出性に優れ、良好な泡質の泡を吐出することができるため、例えば、ボディシャンプー、ボディソープ、洗顔フォーム、ハンドソープ、泡ハンドソープ、クレンジングフォーム、メイク落としなどに用いることができる。
【実施例0118】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、特記しない限り、「%」の記載はいずれも「質量%」を表し、全量は100質量%であり、各成分は全て純分換算した値である。また、(C)成分の含有量(質量%)に対する、(A)成分及び(B)成分の合計含有量(質量%)の質量比[{(A)+(B)}/(C)]、並びに、(B)成分の含有量(質量%)に対する(A)成分の含有量(質量%)の質量比[(A)/(B)]は、小数点以下第2位を四捨五入し、小数点以下第1位まで求め記載した。
【0119】
(実施例1~23及び比較例1~7)
下記表1~表4に示す組成及び含有量の実施例1~23及び比較例1~7の液体皮膚洗浄剤組成物を以下の方法に準じて調製した。
精製水を70℃~80℃に加温し、ここに(A)成分のアニオン性界面活性剤及び(C)成分のラノリンアルコール、並びに、共通成分であるポリオキシエチレンセチルエーテル及びプロピレングリコールを添加して溶解した後、40℃以下に冷却してから、(B)成分のカチオン性高分子を添加し、混合して混合物を得た。なお、最初に使用した精製水は、前記混合物の質量が、最終的に得られる液体皮膚洗浄剤組成物で必要となる質量の95質量%になる量を使用した。
その後、所定のpHに満たない場合は、前記混合物に共通成分である水酸化カリウムを添加し、pHを7.5~10.1に調整後、共通成分であるラウリン酸アミドプロピルベタイン及び香料を加え、全体量が100質量%になるように精製水を加えて、実施例1~23及び比較例1~7の液体皮膚洗浄剤組成物を得た。
【0120】
なお、前記液体皮膚洗浄剤組成物を調製する際、攪拌羽根としてはプロペラを使用し、スリーワンモーター(HEIDON BL1200、新東化学株式会社製)を用いて攪拌した。また、pHは、pHメーター(HM-30R、TOA DKK社製)を用いて、25℃で測定した。
【0121】
得られ実施例1~23及び比較例1~7の液体皮膚洗浄剤組成物は、フォーマーポンプディスペンサー付き容器[吐出量3mL、株式会社吉野工業所製]に充填し、以下の評価に用いた。
【0122】
実施例1~23及び比較例1~7の液体皮膚洗浄剤組成物について、以下のようにして、「タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさ」、「タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさの持続性」、「タオルドライ後の肌のキメ」、及び「ポンプからの吐出性及び泡質」を評価及び判定した。結果を下記表1~表4に示した。
【0123】
<タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさ>
専門評価者10名が、実施例1~23及び比較例1~7の液体皮膚洗浄剤組成物を手に3プッシュ(約9g)取り、全身を洗浄後、40℃の温水ですすぎ流し、タオルドライした。その後、25℃の恒温室にて30分間安静にした後、「タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさ」を下記評価基準に基づいて評価した。結果は、10名の評点平均値を求め、下記判定基準に基づき判定した。
-「タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさ」の評価基準-
4点:つっぱり感を全く感じない
3点:つっぱり感を感じない
2点:つっぱり感をやや感じる
1点:つっぱり感を強く感じ
-「タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさ」の判定基準-
◎:評点平均値が、3.5点以上4.0点以下
○:評点平均値が、3.0点以上3.5点未満
△:評点平均値が、2.0点以上3.0点未満
×:評点平均値が、2.0点未満
【0124】
<タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさの持続性>
専門評価者10名が、実施例1~23及び比較例1~7の液体皮膚洗浄剤組成物を手に3プッシュ(約9g)取り、全身を洗浄後、40℃の温水ですすぎ流し、タオルドライした。その後、25℃の恒温室にて4時間安静にした後、「タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさの持続性」を下記評価基準に基づいて評価した。結果は、10名の評点平均値を求め、下記判定基準に基づき判定した。
-「タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさの持続性」の評価基準-
4点:つっぱり感を全く感じない
3点:つっぱり感を感じない
2点:つっぱり感をやや感じる
1点:つっぱり感を強く感じる
-「タオルドライ後の肌のつっぱり感のなさの持続性」の判定基準-
◎:評点平均値が、3.5点以上4.0点以下
○:評点平均値が、3.0点以上3.5点未満
△:評点平均値が、2.0点以上3.0点未満
×:評点平均値が、2.0点未満
【0125】
<タオルドライ後の肌のキメ>
実施例1~23及び比較例1~7の液体皮膚洗浄剤組成物の使用開始前に、10名の被験者(25歳~39歳の男女)の皮膚レプリカを採取した。皮膚レプリカは、皮膚表面形状を写し取ったものであり、10名の被験者が、25℃の恒温室で30分間安静にした後、前腕内側における縦1cm、横1cmの領域にレプリカ剤としてのシリコーンラバー(製品名:SILFLO、Flexico社製)を塗布し、乾固するまで15分間放置した後、これを剥離して得た。得られた皮膚レプリカについて、マイクロスコープ(デジタルマイクロスコープ VHX-900、株式会社キーエンス製)により最大シワの最大深さ(μm)を測定し、この値を「初期値」とした。
【0126】
次に、被験者10名が、1日1回、連続7日間、実施例1~23及び比較例1~7の液体皮膚洗浄剤組成物を手に3プッシュ(約9g)取り、全身を洗浄後、40℃の温水ですすぎ流し、タオルドライした。実施例1~23及び比較例1~7の液体皮膚洗浄剤組成物の使用開始から7日目(7回目)のタオルドライ後に、25℃の恒温室にて30分間安静にした後、初期値を計測した前腕内側における部位と同部位の皮膚レプリカを前記した方法と同様の方法で採取した。得られた皮膚レプリカについて、マイクロスコープ(デジタルマイクロスコープ VHX-900)により最大シワの最大深さ(μm)を測定し、この値を「評価値」とした。
【0127】
前記初期値と前記評価値とから下記式(1)に基づき変化率(%)を求め、「タオルドライ後の肌のキメ」を評価した。結果は、10名の変化率(%)の平均値を求め、下記判定基準に基づき判定した。
変化率(%)=(評価値-初期値)/初期値×100 ・・・ 式(1)
-「タオルドライ後の肌のキメ」の判定基準-
◎:変化率が、120%以上
○:変化率が、105%以上120%未満
△:変化率が、95%以上105%未満
×:変化率が、95%未満
【0128】
<ポンプからの吐出性及び泡質>
専門評価者10名が、フォーマーポンプディスペンサー付き容器[吐出量3mL、株式会社吉野工業所製]に充填した実施例1~23及び比較例1~7の液体皮膚洗浄剤組成物を25℃にて吐出させた場合のポンプの押しやすさ及び吐出時の泡のキメから、「ポンプからの吐出性及び泡質」を下記評価基準に基づいて評価した。結果は、10名の評点平均値を求め、下記判定基準に基づき判定した。
-「ポンプからの吐出性及び泡質」の評価基準-
4点:ポンプが押しやすく、キメ細かい泡が排出される
3点:ポンプは押しやすいが、大きい粒子の泡がやや混在する
2点:ポンプがやや押しづらく、大きい粒子の泡が多く混在する
1点:ポンプが非常に押しづらく、大きい粒子の泡ばかりが排出される
-「ポンプからの吐出性及び泡質」の判定基準-
◎:評点平均値が、3.5点以上4.0点以下
○:評点平均値が、3.0点以上3.5点未満
△:評点平均値が、2.0点以上3.0点未満
×:評点平均値が、2.0点未満
【0129】
【表1】
【0130】
【表2】
【0131】
【表3】
【0132】
【表4】
【0133】
実施例1~23及び比較例1~7で使用した各成分の詳細について、下記表5に示す。
【0134】
【表5】
※1:ミリスチン酸カリウムは、ミリスチン酸(NAA-142、日油株式会社製)を水酸化カリウム(AGC株式会社製、液体苛性カリ)で中和させて調製したものを使用した。
※2:ラウリン酸カリウムは、ラウリン酸(NAA-122、日油株式会社製)を水酸化カリウム(AGC株式会社製、液体苛性カリ)で中和させて調製したものを使用した。
※3:パルミチン酸カリウムは、パルミチン酸(NAA-160、日油株式会社製)を、水酸化カリウム(液体苛性カリ、AGC株式会社製)で中和させて調製したものを使用した。
※4:ステアリン酸カリウムは、ステアリン酸(NAA-180、日油株式会社製)を、水酸化カリウム(液体苛性カリ、AGC株式会社製)で中和させて調製したものを使用した。