(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178001
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】容器処理システム浄化方法及び容器処理システム
(51)【国際特許分類】
B65B 55/08 20060101AFI20231207BHJP
B65B 55/04 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
B65B55/08 A
B65B55/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091010
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】永田 景子
(72)【発明者】
【氏名】山根 徳幸
(57)【要約】
【課題】容器処理システムの浄化作業の負荷軽減に有利な容器処理システム浄化方法及び容器処理システムを提供する。
【解決手段】容器処理システム浄化方法は、容器処理システム10が備える設備に光触媒を塗布する工程を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器処理システムが備える設備に光触媒を塗布する工程を含む、容器処理システム浄化方法。
【請求項2】
前記光触媒が塗布される設備は、タッチパネルデバイスを含む請求項1に記載の容器処理システム浄化方法。
【請求項3】
前記容器処理システムは、制御盤と、前記制御盤によって制御される装置と、を備え、
前記光触媒が塗布される設備は、前記制御盤を含む請求項1又は2に記載の容器処理システム浄化方法。
【請求項4】
前記容器処理システムは、容器を使った処理を行う処理装置と、前記処理装置への接近を制限する安全カバーと、を備え、
前記光触媒が塗布される設備は、前記安全カバーを含む請求項1又は2に記載の容器処理システム浄化方法。
【請求項5】
前記光触媒が塗布される設備は、容器を使った処理を行う処理装置を含む請求項1又は2に記載の容器処理システム浄化方法。
【請求項6】
前記光触媒が塗布される設備は、容器を搬送する容器搬送装置を含む請求項1又は2に記載の容器処理システム浄化方法。
【請求項7】
光触媒を有する設備を備える容器処理システム。
【請求項8】
前記光触媒を有する設備は、タッチパネルデバイスを含む請求項7に記載の容器処理システム。
【請求項9】
制御盤と、前記制御盤によって制御される装置と、を備え、
前記光触媒を有する設備は、前記制御盤を含む請求項7又は8に記載の容器処理システム。
【請求項10】
容器を使った処理を行う処理装置と、前記処理装置への接近を制限する安全カバーと、を備え、
前記光触媒を有する設備は、前記安全カバーを含む請求項7又は8に記載の容器処理システム。
【請求項11】
前記光触媒を有する設備は、容器を使った処理を行う処理装置を含む請求項7又は8に記載の容器処理システム。
【請求項12】
前記光触媒を有する設備は、容器を搬送する容器搬送装置を含む請求項7又は8に記載の容器処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容器処理システム浄化方法及び容器処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、光触媒を用いることで包装材を変質させることなく殺菌処理することを目的とした殺菌装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
容器処理システムにおいて、装置を清潔な状態に保つために、装置の清掃や除菌などの浄化作業が人手によって行われる。しかしながら人手による装置の浄化作業には、相当の労力及び時間が必要とされる。
【0005】
本開示は上述の事情に鑑みてなされており、容器処理システムの浄化作業の負荷軽減に有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、容器処理システムが備える設備に光触媒を塗布する工程を含む、容器処理システム浄化方法に関する。
【0007】
光触媒が塗布される設備は、タッチパネルデバイスを含んでもよい。
【0008】
容器処理システムは、制御盤と、制御盤によって制御される装置と、を備えてもよく、光触媒が塗布される設備は、制御盤を含んでもよい。
【0009】
容器処理システムは、容器を使った処理を行う処理装置と、処理装置への接近を制限する安全カバーと、を備えてもよく、光触媒が塗布される設備は、安全カバーを含んでもよい。
【0010】
光触媒が塗布される設備は、容器を使った処理を行う処理装置を含んでもよい。
【0011】
光触媒が塗布される設備は、容器を搬送する容器搬送装置を含んでもよい。
【0012】
本開示の他の態様は、光触媒を有する設備を備える容器処理システムに関する。
【0013】
光触媒を有する設備は、タッチパネルデバイスを含んでもよい。
【0014】
容器処理システムは、制御盤と、制御盤によって制御される装置と、を備えてもよく、光触媒を有する設備は、制御盤を含んでもよい。
【0015】
容器処理システムは、容器を使った処理を行う処理装置と、処理装置への接近を制限する安全カバーと、を備えてもよく、光触媒を有する設備は、安全カバーを含んでもよい。
【0016】
光触媒を有する設備は、容器を使った処理を行う処理装置を含んでもよい。
【0017】
光触媒を有する設備は、容器を搬送する容器搬送装置を含んでもよい。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、容器処理システムの浄化作業の負荷軽減に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、包装処理システムの一例の斜視図である。
【
図2】
図2は、包装処理システムの一例の斜視図である。
【
図4】
図4は、タッチパネルデバイスの一例を示す断面図である。
【
図5】
図5は、安全カバーの一例の概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、容器処理システムの一例として、袋内に内容物を導入した後に袋をシールする包装処理システムについて説明する。下述の包装処理システムの技術は、他の容器処理システム(例えば袋以外の容器を使った包装処理システム、或いは、容器を使って包装処理以外の任意の処理を行う容器処理システム)に対しても適宜応用可能である。
【0021】
図1及び
図2は、包装処理システム10の一例の斜視図である。
図3は、袋Bの一例を示す平面図である。
【0022】
本例の袋B(空袋)は、
図3に示すように矩形の平面形状を有し、一方の端部によって構成される口部B1と、口部B1と反対側の端部によって構成される底部B3と、口部B1と底部B3との間に延在する端部によって構成される両側部B2と、を有する。両側部B2及び底部B3の各々は、シール部分を含み、閉じられている。一方、口部B1は非シール部分によって構成され、開閉自在である。後述の袋B内への内容物及びガスの導入は、口部B1を介して行われる。
【0023】
図1及び
図2に示す包装処理システム10は、搬入ベルト21、回転テーブル22、複数の袋支持部23、及び搬出ベルト24を備える。また包装処理システム10は、タッチパネルデバイス13(HMI:Human Machine Interface)、制御盤14、安全カバー15、開口装置32、内容物導入装置33、ガス注入装置34、加熱シール装置35、及び冷却シール装置36を備える。
【0024】
搬入ベルト21、回転テーブル22、袋支持部23、及び搬出ベルト24の各々は、袋Bを搬送する容器搬送装置として働く。
【0025】
搬入ベルト21は、
図3に示す袋B(空袋)を複数貯留する貯留部30として働く。搬入ベルト21上の袋B(特に搬入ベルト21に載せられる複数の袋Bのうち、最下流に位置し且つ所定の取出位置に配置される袋B)は、取出装置(図示省略)により取り出されて袋支持部23に渡される。袋支持部23への袋Bの受け渡しに応じて搬入ベルト21(特に袋Bが載せられている部分)は下流に向かって走行し、搬入ベルト21上の各袋Bは、順次、取出位置に配置され、取出装置により取り出されて袋支持部23に渡される。
【0026】
図1及び
図2に示す例では、2つの搬入ベルト21が設けられ、一度に2つの袋Bが2つの袋支持部23のそれぞれに渡される。各袋支持部23は、開閉可能な2つの支持開閉部(グリッパー)を含み、これらの支持開閉部が両側部B2を挟むことで袋Bは袋支持部23によって吊り下げ状態で支持される。袋支持部23によって支持される袋Bの口部B1は上方に向けられており、底部B3は口部B1の下方に位置する。
【0027】
回転テーブル22は、モーターなどの駆動装置(図示省略)によって間欠的に回転させられる。複数の袋支持部23は、回転テーブル22の外周部に等間隔(等角度間隔)に取り付けられており、回転テーブル22の回転に応じて移動し、それぞれ複数の処理ステーションにおいて間欠的に停止する。
【0028】
図1及び
図2に示す例において各袋支持部23は、袋受取ステーション、開口ステーション、内容物導入ステーション、空きステーション、ガス注入ステーション、加熱シールステーション、及び冷却放出ステーションを順次且つ繰り返し巡る。これらのステーションの各々には、一度に2つの袋支持部23が間欠的に停止する。そして開口ステーション、内容物導入ステーション、ガス注入ステーション、加熱シールステーション、及び冷却放出ステーションの各々では、2つの袋支持部23により支持される2つの袋Bが一度に間欠的に停止し、各種処理が2つの袋Bに対して一度に行われる。
【0029】
各袋支持部23は、袋受取ステーションに間欠的に停止している間に、上述のように取出装置を介して搬入ベルト21(貯留部30)から供給される袋B(空袋)を受け取って支持する。
【0030】
開口ステーションでは、袋支持部23が支持する袋Bの口部B1が、開口装置32によって開かれる。その後、口部B1の開口状態が維持された状態で、袋Bは、対応の袋支持部23とともに開口ステーションから内容物導入ステーションに移動する。
【0031】
内容物導入ステーションでは、内容物導入装置33によって、開口状態の口部B1を介して袋B内に内容物が導入される。内容物の種類及び形態は限定されない。内容物は、例えば食品であってもよいし、洗剤等の日用品であってもよい。また内容物は、例えば固形状物であってもよいし、液状物であってもよいし、固形状物及び液状物の両方を含んでいてもよい。
【0032】
空きステーションでは袋Bに対する処理は行われない。各袋支持部23によって支持される袋Bは、空きステーションで処理を受けることなく間欠的に搬送され、空きステーションを通過する。
【0033】
ガス注入ステーションでは、ガス注入装置34によって、開口状態の口部B1を介して袋B内にガスが注入される。ガス注入装置34から供給されるガスは限定されず、不活性ガス(例えば窒素など)、水蒸気又は酸素が、ガス注入装置34によって袋B内に注入されてもよい。
【0034】
加熱シールステーションでは、加熱シール装置35によって、閉口状態の口部B1が加圧されながら加熱されてヒートシールされる。なお口部B1の開閉に応じて、袋Bの両側部B2を支持する袋支持部23の支持開閉部間の間隔が調整されてもよい。口部B1を開いた状態に維持する間は、支持開閉部間の間隔が相対的に小さくされ、口部B1を閉じた状態に維持する間は、支持開閉部間の間隔が相対的に大きくされてもよい。この場合、口部B1が上記ヒートシール処理を受けるのに先立って、支持開閉部間の間隔が拡大されて相対的に大きくされることで口部B1は閉じられる。
【0035】
冷却放出ステーションでは、冷却シール装置36によって、閉口状態の口部B1(特にヒートシール部分)が冷却されて、口部B1のシール状態が安定化される。その後、内容物が封入された袋B(製品袋)は、袋支持部23及び冷却シール装置36からリリースされて落下し、搬出ベルト24上に着地し、その後搬出ベルト24によって後段に送られる。
【0036】
包装処理システム10が備える上述の容器搬送装置及び処理装置(例えば搬入ベルト21、回転テーブル22、袋支持部23、搬出ベルト24、開口装置32、内容物導入装置33、ガス注入装置34、加熱シール装置35及び冷却シール装置36)は、例えば既知の任意の装置によって適宜実現可能であり、それらの装置の具体的な構成の説明は省略する。
【0037】
包装処理システム10が備える容器搬送装置及び処理装置(例えば上述の搬入ベルト21、回転テーブル22、袋支持部23、搬出ベルト24、開口装置32、内容物導入装置33、ガス注入装置34、加熱シール装置35及び冷却シール装置36のうちの少なくとも1以上)は、制御盤(制御部)14の制御下で駆動する。
【0038】
制御盤14にはタッチパネルデバイス13が接続されている。タッチパネルデバイス13は、制御盤14から提供される各種情報をユーザに提示したり、ユーザによって入力される指示を制御盤14に提供したりする。タッチパネルデバイス13は、ユーザによるタッチパネル操作に応じて、制御盤14が制御している容器搬送装置及び処理装置に関する各種情報をユーザに対して視覚的に提供したり、ユーザによって入力される指示を制御盤14に送信したりする。制御盤14は、タッチパネルデバイス13から提供されるユーザの指示に応じて、容器搬送装置及び処理装置の制御を変更してもよい。
【0039】
包装処理システム10は、更に、上述の処理装置のうちの少なくとも一部への接近を制限する安全カバー15を備える。
図1及び
図2に示す安全カバー15は、袋支持部23とともに移動する袋Bの搬送軌道(本例では円軌道)を水平方向外側から覆うように設けられている。各袋Bは、安全カバー15によって包囲される内側空間において、袋支持部23とともに間欠的に移動し、且つ、各種の処理装置(例えば開口装置32、内容物導入装置33、ガス注入装置34、加熱シール装置35及び冷却シール装置36)による処理を受ける。
【0040】
本例の安全カバー15は、袋支持部23とともに移動する袋Bの搬送軌道よりも上方に位置する梁部分を含み、当該梁部分に励起光源50が設けられる。励起光源50は、後述の光触媒を励起可能な励起光(例えば紫外線を含む光)を、包装処理システム10の設備(例えば開口装置32、内容物導入装置33、ガス注入装置34、加熱シール装置35及び冷却シール装置36)に向けて発する。
【0041】
上述の本実施形態の包装処理システム10は光触媒を有する設備を備え、励起光を受けた光触媒によって浄化作用が発揮される。
【0042】
ここで言う光触媒は、励起光が照射されることで浄化作用が増強される物質全般を指しうる。そのような光触媒は限定されず、一例として励起光の照射に応じて酸化作用及び/又は親水化作用が増強される物質(例えば酸化チタン及び酸化タングステン)を、光触媒として使用することが可能である。例えば、光触媒としての酸化チタンに紫外線を照射することで、当該酸化チタンは、付着した汚れ(有機物質など)の酸化分解をもたらすことができ、また表面に付与された水の膜化(水膜化)を促進して当該水膜による汚れの洗い流しを促すことができる。
【0043】
光触媒を有する設備は、任意の方法で光触媒が付与されることができる。
【0044】
例えば、包装処理システム10が備える設備に対して光触媒が塗布されることにより、当該設備は光触媒を有することができる。光触媒を含有する液状の光触媒含有物質が、設備の表面に塗りつけられたり噴霧されたりすることで、設備に対する光触媒の塗布を行うことができる。このようにして光触媒が塗布された設備の表面は、部分的に又は全体的に、光触媒を含む光触媒層によってコーティングされる。
【0045】
或いは、光触媒を有する設備は、先天的に光触媒を含んでもよい。例えば、設備の構成材料に光触媒が予め練り込まれることによって、当該設備は先天的に光触媒を含むことができる。このように設備の製造時点において及び包装処理システム10の組み立てに先立って、設備を構成する材料が光触媒を既に含んでいてもよい。
【0046】
光触媒が付与(例えば塗布)される包装処理システム10の設備は限定されない。例えばタッチパネルデバイス13、袋B(容器)を使った処理を行う処理装置(例えば開口装置32、内容物導入装置33、ガス注入装置34、加熱シール装置35及び冷却シール装置36)、安全カバー15、及び袋Bを搬送する容器搬送装置(例えば搬入ベルト21、回転テーブル22、袋支持部23及び搬出ベルト24)が、光触媒を有する設備に含まれうる。
【0047】
特に、汚れやすい設備や汚れた際の影響が大きい設備が光触媒を有する場合、光触媒の浄化作用によりもたらされる恩恵が大きい傾向がある。例えば人が接触する可能性がある設備(例えば設備の調整、保守或いは点検の際に人が接触しうる設備)の一部又は全部に対して(特に、人が接触する頻度が高い部分を含む設備箇所に対して)、光触媒が与えられてもよい。また袋内への内容物の導入前、導入中、及び導入後において内容物が付着しうる設備(例えば設備や袋から飛散した内容物が付着しうる設備)の一部又は全部に対して光触媒が与えられてもよい。
【0048】
以上説明したように本実施形態によれば、包装処理システム10の設備が有する光触媒の浄化作用によって、人手を介することなく設備を浄化することができる。したがって、容器処理システムの浄化を行う人の作業負荷を軽減することができ、例えば浄化作業頻度を低減したり、定期的な浄化作業の間隔を長期化したりすることが可能である。なお光触媒の浄化作用のみでは包装処理システム10の設備の清浄状態を適切に保つことが難しい場合であっても、光触媒の浄化作用によって人手による浄化作業の負荷を軽減でき、浄化作業時間を短縮できたり、簡単な浄化作業で設備を十分に清潔な状態に復帰させることができたりしうる。
【0049】
また包装処理システム10の設備に対して光触媒を適用することで、包装処理システム10の浄化のために人が包装処理システム10に近づく頻度を抑えることができる。このように包装処理システム10の近くに人間を存在させる必要のある頻度が低減されることで、包装処理システム10の浄化作業の安全性が高まり、また包装処理システム10の自動運転化の促進の点でも有利になりうる。
【0050】
また光触媒の浄化作用(特に酸化分解作用)は、水を使わずに包装処理システム10を浄化することができる。そのため水を使った浄化作業の頻度を低減することができ、設備におけるサビの発生を有効に抑えて、その結果、装置寿命の短縮が抑えられる。
【0051】
このように本実施形態によれば、包装処理システム10(容器処理システム)の清掃、除菌、防汚、及び防サビの点で有利である。
【0052】
[変形例]
図1及び
図2に示す例では、安全カバー15の天井部に位置する梁部分に励起光源50が設けられているが、励起光源50は、設備が有する光触媒に励起光を照射可能な任意の位置及び形態で設置可能である。
【0053】
したがって光触媒を有する設備に対する、励起光源50の相対的な位置は限定されない。励起光源50は、光触媒を有する設備に対して上方向、下方向、及び/又は水平方向に離れた1以上の位置に設置されてもよく、励起光源50からの励起光が当該設備に対して、直接的に又は間接的に、上方向、下方向、水平方向、及び/又は斜め方向(すなわち水平方向及び/又は垂直方向に対して斜めを成す方向)に入射してもよい。また励起光源50は、光触媒を有する設備の一部として設けられてもよい。また励起光源50から発せられる励起光は、設備の外側から及び/又は内側から、当該設備が有する光触媒に対して照射されてもよい。
【0054】
また包装処理システム10が設置される場所(例えば部屋)を照明するために設けられる蛍光灯などの人工光源から発せられる光や、太陽光などの自然光を、包装処理システム10の設備が有する光触媒を励起する励起光として利用してもよい。この場合、光触媒を励起するための励起光を発することを主たる目的として設けられる励起光源50は、設置されてもよいし、設置されなくてもよい。
【0055】
図4は、タッチパネルデバイス13の一例を示す断面図である。なお
図4は、タッチパネルデバイス13の概略構成を示すに過ぎず、実際のタッチパネルデバイス13は、
図4に示されるタッチパネルデバイス13と異なる構成(例えばサイズ比)を有しうる。
図4に示すタッチパネルデバイス13では、タッチパネル62とバックライト64との間に液晶パネル63が設けられ、タッチパネル62は保護シート61によって覆われる。光触媒を含む光触媒コーティング層60は、保護シート61を覆うように設けられる。保護シート61、タッチパネル62、液晶パネル63及びバックライト64の各々は任意の構成を有し、例えば既知のデバイスを利用可能である。
【0056】
バックライト64から発せられる照明光は、液晶パネル63、タッチパネル62、保護シート61及び光触媒コーティング層60を透過しうる。すなわちバックライト64からの照明光は、光触媒コーティング層60に照射されうる。そのため、バックライト64からの照明光が、光触媒コーティング層60に含まれる光触媒を励起可能な励起光を含む場合、バックライト64を励起光源50として利用可能である。
【0057】
ユーザは、
図4に示すタッチパネルデバイス13を操作する際に、光触媒コーティング層60に接触する。したがってユーザは、接触によって光触媒コーティング層60を汚しうる。一方、バックライト64を励起光源50として利用することで、ユーザがタッチパネル操作をしている間、光触媒コーティング層60中の光触媒はバックライト64からの照明光により励起されて浄化作用を発揮し、光触媒コーティング層60上の汚染を有効に低減しうる。
【0058】
なお
図4に示すタッチパネルデバイス13では光触媒コーティング層60が保護シート61を介してタッチパネル62を覆うように設けられているが、タッチパネルデバイス13は保護シート61を含まなくてもよい。この場合、光触媒コーティング層60は、タッチパネル62を直接的に覆うように設けられてもよい。
【0059】
また
図4に示すタッチパネルデバイス13は、液晶パネル63の外側にタッチパネル62が設けられるアウトセル型構造を有するが、液晶パネル63の内側にタッチパネル62が設けられて、タッチパネル62が液晶パネル63の一部を構成してもよい。この場合、タッチパネル62として働く1又は複数のタッチパネル機能部が、液晶パネル63の液晶層の外側に設けられてもよいし(オンセル型構造)、当該液晶層内に設けられてもよい(インセル型構造)。
【0060】
図5は、安全カバー15の一例の概略構成を示す断面図である。
図5に示す安全カバー15は、励起光源50から発せられる励起光Lを透過可能な光透過パーティション70と、光透過パーティション70の表面及び裏面を覆う光触媒コーティング層60と、を有する。光透過パーティション70の上方及び下方の各々に設けられる励起光源50から発せられた励起光Lは、光透過パーティション70の内部に入射する。光透過パーティション70の内部に入射した励起光Lは、光透過パーティション70の内部を進行し、光透過パーティション70と光触媒コーティング層60との間の境界面で反射したり、当該境界面から出射したりする。
【0061】
光透過パーティション70の内部から出射して光触媒コーティング層60に入射した励起光Lは、光触媒コーティング層60が含有する光触媒に照射されて当該光触媒を励起する。その結果、光触媒コーティング層60は浄化作用を発揮する。このように安全カバー15(設備)の内部から光触媒コーティング層60に励起光を照射することで、光触媒コーティング層60の外表面(露出面)に付着した汚れによって励起光が阻害されることなく、光触媒コーティング層60に励起光を効率的に照射できる。
【0062】
なお
図5に示す安全カバー15の構成は、他の任意の設備に対しても応用可能である。すなわち光触媒を有する設備が、励起光Lを透過可能な光透過体と、当該光透過体の一部又は全体を覆うように設けられる光触媒コーティング層60(光触媒)と、を有する場合、励起光Lを光透過体の内部に入射させることで、光触媒コーティング層60に対して設備の内側から励起光を照射することが可能である。
【0063】
本開示は上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよいし、上述の実施形態及び変形例間において部分的に又は全体的に構成が組み合わせられてもよい。また、本開示によって奏される効果も上述の効果に限定されず、各実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本開示の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書及び図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【0064】
[付記]
本開示は、以下の構成をとることもできる。
【0065】
[項目1]
容器処理システムが備える設備に光触媒を塗布する工程を含む、容器処理システム浄化方法。
【0066】
[項目2]
前記光触媒が塗布される設備は、タッチパネルデバイスを含む項目1に記載の容器処理システム浄化方法。
【0067】
[項目3]
前記容器処理システムは、制御盤と、前記制御盤によって制御される装置と、を備え、 前記光触媒が塗布される設備は、前記制御盤を含む項目1又は2に記載の容器処理システム浄化方法。
【0068】
[項目4]
前記容器処理システムは、容器を使った処理を行う処理装置と、前記処理装置への接近を制限する安全カバーと、を備え、
前記光触媒が塗布される設備は、前記安全カバーを含む項目1~3のいずれかに記載の容器処理システム浄化方法。
【0069】
[項目5]
前記光触媒が塗布される設備は、容器を使った処理を行う処理装置を含む項目1~4のいずれかに記載の容器処理システム浄化方法。
【0070】
[項目6]
前記光触媒が塗布される設備は、容器を搬送する容器搬送装置を含む項目1~5のいずれかに記載の容器処理システム浄化方法。
【0071】
[項目7]
光触媒を有する設備を備える容器処理システム。
【0072】
[項目8]
前記光触媒を有する設備は、タッチパネルデバイスを含む項目7に記載の容器処理システム。
【0073】
[項目9]
制御盤と、前記制御盤によって制御される装置と、を備え、
前記光触媒を有する設備は、前記制御盤を含む項目7又は8に記載の容器処理システム。
【0074】
[項目10]
容器を使った処理を行う処理装置と、前記処理装置への接近を制限する安全カバーと、を備え、
前記光触媒を有する設備は、前記安全カバーを含む項目7~9のいずれかに記載の容器処理システム。
【0075】
[項目11]
前記光触媒を有する設備は、容器を使った処理を行う処理装置を含む項目7~10のいずれかに記載の容器処理システム。
【0076】
[項目12]
前記光触媒を有する設備は、容器を搬送する容器搬送装置を含む項目7~11のいずれかに記載の容器処理システム。
【符号の説明】
【0077】
10 包装処理システム、13 タッチパネルデバイス、14 制御盤、15 安全カバー、21 搬入ベルト、22 回転テーブル、23 袋支持部、24 搬出ベルト、30 貯留部、32 開口装置、33 内容物導入装置、34 ガス注入装置、35 加熱シール装置、36 冷却シール装置、50 励起光源、60 光触媒コーティング層、61 保護シート、62 タッチパネル、63 液晶パネル、64 バックライト、70 光透過パーティション、B 袋、B1 口部、B2 側部、B3 底部、L 励起光