IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-部品実装装置 図1
  • 特開-部品実装装置 図2
  • 特開-部品実装装置 図3
  • 特開-部品実装装置 図4
  • 特開-部品実装装置 図5
  • 特開-部品実装装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178010
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20231207BHJP
【FI】
H05K13/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091026
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】上田 一貴
(72)【発明者】
【氏名】小沼 慎弥
(72)【発明者】
【氏名】大蘆 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】松尾 誠一
(72)【発明者】
【氏名】藤 真二
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC04
5E353CC05
5E353CC12
5E353EE02
5E353JJ02
5E353JJ21
5E353NN18
5E353QQ30
(57)【要約】
【課題】通信品質を向上することができる部品実装装置を提供する。
【解決手段】部品を基板に装着する部品実装装置M3は、部品実装装置M3の筐体内に設けられたデータ収集コントローラ200と、データ収集コントローラ200が筐体外に設けられた他のユニット又は外部装置と無線通信するための通信モジュール400と、を備え、通信モジュール400は、筐体外に設けられ、データ収集コントローラ200と有線で接続される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を基板に装着する部品実装装置であって、
前記部品実装装置の筐体内に設けられたユニットと、
前記ユニットが前記筐体外に設けられた他のユニット又は外部装置と無線通信するための通信モジュールと、を備え、
前記通信モジュールは、前記筐体外に設けられ、前記ユニットと有線で接続される、
部品実装装置。
【請求項2】
前記通信モジュールは、前記筐体外における天面に設けられる、
請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記ユニットは、前記筐体内又は前記筐体外に設けられた他のユニットと有線で接続され、当該他のユニットの動作に関するログデータを収集するデータ収集コントローラであり、
前記通信モジュールは、前記データ収集コントローラが収集した前記ログデータを前記筐体外に設けられた他のユニット又は外部装置へ転送する、
請求項1又は2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記ユニットは、前記筐体内に設けられた他のユニットと無線で接続され、当該他のユニットの動作に関するログデータを前記通信モジュールへ転送する転送モジュールであり、
前記通信モジュールは、前記転送モジュールから転送された前記ログデータを前記筐体外に設けられた他のユニット又は外部装置へ転送する、
請求項1又は2に記載の部品実装装置。
【請求項5】
前記転送モジュールは、前記筐体内における天面に設けられる、
請求項4に記載の部品実装装置。
【請求項6】
前記筐体内に設けられた他のユニットは、実装ヘッドである、
請求項4に記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品を基板に装着する部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板への部品の実装工程において生じるデータを無線で転送することができる電子部品装着装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2014/132324号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1に開示されるような装置には、その筐体に板厚の厚い板金などが使用されており、無線の電波を遮蔽してしまう場合がある。例えば、コントローラ、カメラおよびXY移動機構などは、筐体内に配置されており、筐体外の装置などにデータを無線で送信するときに、無線の電波が遮蔽されて通信品質が劣化する。さらに、実装ヘッドのように、筐体内で可動するユニットは、位置が移動するため通信品質が安定しない。
【0005】
そこで、本開示は、通信品質を向上することができる部品実装装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る部品実装装置は、部品を基板に装着する部品実装装置であって、前記部品実装装置の筐体内に設けられたユニットと、前記ユニットが前記筐体外に設けられた他のユニット又は外部装置と無線通信するための通信モジュールと、を備え、前記通信モジュールは、前記筐体外に設けられ、前記ユニットと有線で接続される。
【0007】
なお、これらの包括的または具体的な側面は、システム、装置、方法、記録媒体、または、コンピュータプログラムで実現されてもよく、システム、装置、方法、記録媒体、および、コンピュータプログラムの任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る部品実装装置によれば、通信品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る部品実装システムの上面視図である。
図2】実施の形態に係る部品実装装置の上面視図である。
図3】実施の形態に係る部品実装装置の第一例を示す側面視図である。
図4】実施の形態に係る部品実装装置の構成の第一例を示すブロック図である。
図5】実施の形態に係る部品実装装置の第二例を示す側面視図である。
図6】実施の形態に係る部品実装装置の構成の第二例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の部品実装装置は、部品を基板に装着する部品実装装置であって、前記部品実装装置の筐体内に設けられたユニットと、前記ユニットが前記筐体外に設けられた他のユニット又は外部装置と無線通信するための通信モジュールと、を備え、前記通信モジュールは、前記筐体外に設けられ、前記ユニットと有線で接続される。
【0011】
これによれば、部品実装装置の板厚の厚い板金の筐体内に設けられたユニットが筐体外に設けられた通信モジュールと有線で接続されており、当該ユニットは、通信モジュールを介して無線通信を行うことができる。このため、無線の電波が筐体によって遮蔽されず、通信品質を向上することができる。
【0012】
例えば、前記通信モジュールは、前記筐体外における天面に設けられてもよい。
【0013】
これによれば、筐体外における天面は、無線の電波を遮蔽するものが少ないことが多いため、通信モジュールは、筐体外において無線の電波を遮蔽されずに筐体外の他のユニット又は外部装置と無線通信することができ、より通信品質を向上することができる。
【0014】
例えば、前記ユニットは、前記筐体内又は前記筐体外に設けられた他のユニットと有線で接続され、当該他のユニットの動作に関するログデータを収集するデータ収集コントローラであり、前記通信モジュールは、前記データ収集コントローラが収集した前記ログデータを前記筐体外に設けられた他のユニット又は外部装置へ転送してもよい。
【0015】
これによれば、コントローラが収集したログデータをより確実に筐体外の他のユニット又は外部装置へ送信することができる。
【0016】
例えば、前記ユニットは、前記筐体内に設けられた他のユニットと無線で接続され、当該他のユニットの動作に関するログデータを前記通信モジュールへ転送する転送モジュールであり、前記通信モジュールは、前記転送モジュールから転送された前記ログデータを前記筐体外に設けられた他のユニット又は外部装置へ転送してもよい。
【0017】
これによれば、転送モジュールが筐体内において他のユニットからいったんログデータを無線で受信して、有線で接続された通信モジュールへログデータを転送するため、筐体内の他のユニットのログデータをより確実に筐体外の他のユニット又は外部装置へ転送することができる。特に、筐体内の他のユニットが可動する場合であっても、当該他のユニットと同じ筐体内に設けられた転送モジュールは、筐体内において当該他のユニットと安定して無線通信することができ、より通信品質を向上することができる。
【0018】
例えば、前記転送モジュールは、前記筐体内における天面に設けられてもよい。
【0019】
これによれば、筐体内における天面は、無線の電波を遮蔽するものが少ないことが多いため、転送モジュールは、筐体内の天面において無線の電波を遮蔽されずに筐体内の他のユニットと無線通信することができ、より通信品質を向上することができる。
【0020】
例えば、前記筐体内に設けられた他のユニットは、実装ヘッドであってもよい。
【0021】
これによれば、筐体内で可動する実装ヘッドの動作に関するログデータをより確実に筐体外の他のユニット又は外部装置へ転送することができる。
【0022】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。
【0023】
(実施の形態)
以下、図1から図6を用いて実施の形態について説明する。
【0024】
図1は、実施の形態に係る部品実装システムの上面視図である。
【0025】
部品実装システムは、基板に電子部品などの部品を半田接合などにより装着して実装することで実装基板を生産する機能を有している。なお、部品が接着剤などにより基板に接合して装着されることで、実装基板が生成されてもよい。部品が装着された基板を生産するために、部品実装システムは、各種生産装置および各種検査装置などを連結した構成を有する生産ラインと、生産ラインとネットワーク2で接続された管理装置3とを備えている。
【0026】
部品実装システムは、基板供給装置M1、スクリーン印刷装置M2、部品実装装置M3~M6、リフロー装置M7、基板回収装置M8、基板外観検査装置M9および基板出荷検査装置M10を備えている。スクリーン印刷装置M2、部品実装装置M3~M6およびリフロー装置M7は生産装置の一例である。基板外観検査装置M9および基板出荷検査装置M10は、検査装置の一例である。基板供給装置M1、スクリーン印刷装置M2、部品実装装置M3~M6、リフロー装置M7、基板回収装置M8、基板外観検査装置M9および基板出荷検査装置M10は、生産ラインを構成する。生産ラインは、ネットワーク2によって管理装置3と接続されており、管理装置3は、生産ラインにおける生産管理に関する制御を行う。管理装置3は、外部装置の一例である。ネットワーク2は、例えば有線ネットワークであるが、無線ネットワークであってもよい。なお、生産ラインにおける生産装置および検査装置は、外部サーバなどの外部装置と有線ネットワークまたは無線ネットワークで接続されていてもよい。生産ラインには、搬送コンベアが設けられており、基板などが搬送コンベアによって上流(図1の左側)から下流(図1の右側)へ搬送される。
【0027】
基板供給装置M1は、複数の基板を収納するラックなどの収納部を備え、収納部から取り出した基板を下流側の装置に供給する基板供給作業を実行する。スクリーン印刷装置M2は、印刷作業部に実装されたスクリーンマスクを介して上流側から搬入された基板に半田を印刷する半田印刷作業を実行する。なお、生産ラインは、スクリーン印刷装置M2と並設して、もしくはスクリーン印刷装置M2の代わりにディスペンサを用いて半田を基板に塗布する半田塗布装置を備えてもよい。スクリーン印刷装置M2および半田塗布装置は、基板に半田を堆積させる印刷装置である。
【0028】
部品実装装置M3~M6は、半田が堆積された基板に部品を実装ヘッドで装着する部品実装作業を実行する。なお、生産ラインは、部品実装装置M3~M6が4台の構成に限定されることなく、部品実装装置M3~M6が1~3台であっても5台以上であってもよい。リフロー装置M7は、装置内に搬入された基板を基板加熱部によって加熱して、基板上の半田を硬化させ、基板の電極部と部品とを接合する基板加熱作業を実行する。基板回収装置M8は、複数の基板を収納するラックなどの収納部を備え、上流側の装置が搬出する基板を受け取って収納部に回収する基板回収作業を実行する。
【0029】
基板外観検査装置M9および基板出荷検査装置M10は、部品が実装された基板の検査を行う。基板外観検査装置M9は、基板の外観検査を行う。具体的には、基板外観検査装置M9は、例えば半田ブリッジなどの有無の検査や、基板上のゴミの有無の検査などを、カメラなどを用いて行う。基板出荷検査装置M10は、基板の導通検査などを行う。
【0030】
次に図2および図3を参照して、部品実装装置M3~M6の構成を説明する。なお、以下では、部品実装装置M3に着目して説明し、部品実装装置M4~M6については基本的には部品実装装置M3と同様の構成となっているため説明を省略する。
【0031】
図2は、実施の形態に係る部品実装装置M3の上面視図である。
【0032】
図3は、実施の形態に係る部品実装装置M3の第一例を示す側面視図である。なお、第二例については後述する図5で説明する。
【0033】
部品実装装置M3は、部品Dを基板Bに実装する機能を有している。図2において、基台6の中央には、基板搬送機構7がX方向に設置されている。基板搬送機構7は、上流側から搬入された基板BをX方向へ搬送し、以下に説明する実装ヘッド12による実装作業位置に位置決めして保持する。また、基板搬送機構7は、部品実装作業が完了した基板Bを下流側に搬出する。基板搬送機構7の両側方には、部品供給部8が設置されている。
【0034】
部品供給部8には、それぞれ複数のフィーダ(テープフィーダ)9がX方向に並列に実装された台車5が取り付けられている。フィーダ9は、部品Dを格納するポケットが形成されたキャリアテープを部品供給部8の外側から基板搬送機構7に向かう方向(テープ送り方向)にピッチ送りすることにより、実装ヘッド12が部品Dをピックアップする部品取出し位置に部品Dを供給する。なお、部品Dを供給するフィーダはフィーダ9(テープフィーダ)の他、トレイに載置した部品Dを供給するトレイフィーダ、中空のスティックに整列保持した部品Dを供給するスティックフィーダなどであってもよい。
【0035】
図2において、基台6の上面におけるX方向の両端部には、リニア駆動機構を備えたY軸テーブル10が配置されている。Y軸テーブル10には、同様にリニア駆動機構を備えたビーム11がY方向に移動自在に結合されている。ビーム11には、実装ヘッド12がX方向に移動自在に実装されている。実装ヘッド12は、複数のノズルユニット12aを備えている。例えば、実装ヘッド12には、複数のノズルユニット12aが2列に並べられている。例えば、実装ヘッド12は、ノズルユニット12aの数などが異なる複数の種類が準備されている。
【0036】
図3において、各ノズルユニット12aの下端部には、部品Dを真空吸着して保持する吸着ノズル12bが実装されている。吸着ノズル12bは、吸着する部品Dのサイズや形状などに対応して、ノズルの形状などが異なる複数の種類が準備されている。
【0037】
図2において、Y軸テーブル10およびビーム11は、実装ヘッド12を水平方向(X方向、Y方向)に移動させるXY移動機構13を構成する。XY移動機構13および実装ヘッド12は、部品供給部8に実装されているフィーダ9の部品取出し位置から部品Dを吸着ノズル12bによって吸着してピックアップする。そして、XY移動機構13は、基板搬送機構7に保持された基板Bの実装位置に実装ヘッド12を移送して実装する部品実装作業を実行する。
【0038】
実装ヘッド12がフィーダ9から部品Dを取り出して基板Bに実装するまでの時間は、台車5におけるフィーダ9の位置(部品実装装置の構成)に依存する。例えば、基板Bに実装される実装点数が多い部品Dを供給するフィーダ9を台車5の中心付近に配置することで、実装ヘッド12の移動距離を縮小して実装時間を短縮することができる。
【0039】
図2および図3において、ビーム11には、ビーム11の下面側に位置し、実装ヘッド12とともに一体的に移動するヘッドカメラ14が実装されている。実装ヘッド12が移動することにより、ヘッドカメラ14は基板搬送機構7の実装作業位置に位置決めされた基板Bの上方に移動して、基板Bに設けられた基板マーク(図示せず)を撮像して基板Bの位置を認識する。
【0040】
部品供給部8と基板搬送機構7との間には、部品認識カメラ15が設置されている。部品認識カメラ15は、部品供給部8から部品Dを取り出した実装ヘッド12が上方を移動する際に、吸着ノズル12bに保持された部品Dを撮像して保持位置などを認識する。実装ヘッド12による部品Dの基板Bへの部品実装作業では、ヘッドカメラ14による基板Bの認識結果と部品認識カメラ15による部品Dの認識結果とを加味して実装位置の補正が行われる。
【0041】
図3において、台車5の前側には、部品Dを収納するキャリアテープ16が巻回されたリール17が保持されている。フィーダ9は、リール17に収納されているキャリアテープ16をテープ送り方向に搬送して実装ヘッド12による部品取り出し位置に部品Dを供給する。フィーダ9は、搬送するキャリアテープ16の幅に対応して幅などが異なる複数の種類が準備されている。
【0042】
データ収集コントローラ200は、部品実装装置M3の筐体内に設けられたユニットの一例である。図3では、データ収集コントローラ200を模式的に破線で示している。データ収集コントローラ200が設けられる位置は、部品実装装置M3の筐体内であれば特に限定されない。
【0043】
通信モジュール400は、部品実装装置M3の筐体外に設けられ、データ収集コントローラ200と有線で接続される。例えば、通信モジュール400は、部品実装装置M3の筐体外における天面に設けられる。部品実装装置M3の筐体外における天面は、無線の電波を遮蔽するものが少ないことが多いため、通信モジュール400は、部品実装装置M3の筐体外において無線の電波を遮蔽されずに筐体外の他のユニット又は外部装置と無線通信することができ、通信品質を向上することができる。
【0044】
次に、図4を参照して、部品実装装置M3の制御系の構成の第一例を説明する。なお、第二例については後述する図6で説明する。
【0045】
図4は、実施の形態に係る部品実装装置M3の構成の第一例を示すブロック図である。
【0046】
部品実装装置M3は、実装制御コントローラ100、データ収集コントローラ200、記憶部300および通信モジュール400を備える。なお、図4には、実装制御コントローラ100によって制御される、実装ヘッド12、XY移動機構13、部品認識カメラ15、フィーダ9および基板搬送機構7も示している。例えば、これらは、実装制御コントローラ100から発行される通信コマンドに基づいて制御される。
【0047】
実装制御コントローラ100は、実装ヘッド12、XY移動機構13、部品認識カメラ15、フィーダ9および基板搬送機構7などを制御する。実装制御コントローラ100は、プロセッサ、メモリおよび通信インタフェースなどにより実現され、メモリに記憶された各種のプログラムおよびデータに基づいて、実装ヘッド12、XY移動機構13、部品認識カメラ15、フィーダ9および基板搬送機構7などを制御する。
【0048】
データ収集コントローラ200は、部品実装装置M3の筐体内又は筐体外に設けられた他のユニットと有線で接続される。例えば、第一例では、データ収集コントローラ200をユニットと呼び、実装ヘッド12、XY移動機構13、部品認識カメラ15、フィーダ9および基板搬送機構7を他のユニットと呼ぶ。実装ヘッド12、XY移動機構13および部品認識カメラ15は、部品実装装置M3の筐体内に設けられた他のユニットであり、フィーダ9および基板搬送機構7は、部品実装装置M3の筐体外に設けられた他のユニットである。データ収集コントローラ200は、ログデータ収集部210を備える。データ収集コントローラ200は、プロセッサ、メモリおよび通信インタフェースなどにより実現され、メモリに記憶された各種のプログラムおよびデータに基づいて、ログデータ収集部210を制御する。
【0049】
ログデータ収集部210は、部品実装装置M3の筐体内又は筐体外に設けられた他のユニットから当該他のユニットの動作に関するログデータを収集する。
【0050】
実装ヘッド12の動作に関するログデータは、例えば、吸着ノズル12bによるエアーの吸い込みおよび吹き出しの際のエアー流量のデータ、ならびに、エアーの吸い込みおよび吹き出しを切り替えるバルブの応答性のデータなどである。
【0051】
部品認識カメラ15の動作に関するログデータは、例えば、部品認識カメラ15が撮像した部品の画像データまたは撮像時の照明条件などである。
【0052】
XY移動機構13の動作に関するログデータは、サーボモータのトルクデータ、移動の指令値と現在値との差異のデータ、および、モータの振動のデータなどである。
【0053】
フィーダ9の動作に関するログデータは、部品を送り出す際のトルクデータなどである。
【0054】
基板搬送機構7の動作に関するログデータは、例えば、搬送モータの速度波形または基板検出センサのON/OFFタイミングなどである。
【0055】
ログデータ転送部220は、収集したログデータを部品実装装置M3の外部装置(例えば管理装置3または外部サーバなど)に転送する。
【0056】
実装制御コントローラ100とデータ収集コントローラ200とは、それぞれ異なるプロセッサにより実現されてもよいし、同じプロセッサにより実現されてもよい。
【0057】
記憶部300は、ログデータ310を記憶する。ログデータ310は、データ収集コントローラ200によって収集されたログデータである。なお、記憶部300は、実装データおよび部品データなどを記憶していてもよい。実装データには、基板への部品の実装作業に際して参照されるデータであり、実装の対象とされている基板品種のデータ、実装に用いられる吸着ノズル12bのデータ、部品の実装位置のデータなどが含まれる。部品データには、各実装位置に実装される部品の種類やサイズのデータなどが含まれる。
【0058】
通信モジュール400は、データ収集コントローラ200が部品実装装置M3の筐体外に設けられた他のユニット又は外部装置と無線通信するための通信モジュールであり、ログデータ転送部410を有する。ログデータ転送部410は、データ収集コントローラ200が収集したログデータ(記憶部300に記憶されたログデータ310)を部品実装装置M3の筐体外に設けられた他のユニット又は外部装置へ転送する。例えば、通信モジュール400は、部品実装装置M3の筐体内に設けられた他のユニット(例えば実装ヘッド12)のログデータを、部品実装装置M3の筐体外に設けられた他のユニット(例えばフィーダ9)に転送する。
【0059】
第一例では、部品実装装置M3の板厚の厚い板金の筐体内に設けられたデータ収集コントローラ200が筐体外に設けられた通信モジュール400と有線で接続されており、データ収集コントローラ200は、通信モジュール400を介して無線通信を行うことができる。このため、無線の電波が筐体によって遮蔽されず、通信品質を向上することができる。
【0060】
次に、第二例について、図5および図6を用いて説明する。以下では第二例について、第一例と異なる点を中心に説明する。
【0061】
図5は、実施の形態に係る部品実装装置M3の第二例を示す側面視図である。
【0062】
第二例では、データ収集コントローラ200の代わりに転送モジュール500が設けられる。なお、第二例においてもデータ収集コントローラ200が設けられていてもよい。
【0063】
転送モジュール500は、部品実装装置M3の筐体内に設けられたユニットの一例である。図5では、転送モジュール500を模式的に破線で示している。転送モジュール500が設けられる位置は、部品実装装置M3の筐体内であれば特に限定されないが、例えば、筐体内における天面に設けられる。
【0064】
通信モジュール400は、部品実装装置M3の筐体外に設けられ、転送モジュール500と有線で接続される。
【0065】
次に、図6を参照して、部品実装装置M3の制御系の構成の第二例を説明する。
【0066】
図6は、実施の形態に係る部品実装装置M3の構成の第二例を示すブロック図である。
【0067】
部品実装装置M3は、実装制御コントローラ100、転送モジュール500および通信モジュール400を備える。
【0068】
転送モジュール500は、部品実装装置M3の筐体内に設けられた他のユニットと無線で接続され、当該他のユニットの動作に関するログデータを通信モジュール400へ転送する転送モジュールである。例えば、第二例では、転送モジュール500をユニットと呼び、実装ヘッド12、XY移動機構13、部品認識カメラ15、フィーダ9および基板搬送機構7を他のユニットと呼ぶ。実装ヘッド12、XY移動機構13および部品認識カメラ15は、部品実装装置M3の筐体内に設けられた他のユニットであり、フィーダ9および基板搬送機構7は、部品実装装置M3の筐体外に設けられた他のユニットである。
【0069】
通信モジュール400は、転送モジュール500が部品実装装置M3の筐体外に設けられた他のユニット又は外部装置と無線通信するための通信モジュールであり、ログデータ転送部410を有する。ログデータ転送部410は、転送モジュール500から転送されたログデータを部品実装装置M3の筐体外に設けられた他のユニット又は外部装置へ転送する。例えば、通信モジュール400は、部品実装装置M3の筐体内に設けられた他のユニット(例えば実装ヘッド12)のログデータを、部品実装装置M3の筐体外に設けられた他のユニット(例えばフィーダ9)に転送する。
【0070】
第二例では、部品実装装置M3の板厚の厚い板金の筐体内に設けられた転送モジュール500が筐体外に設けられた通信モジュール400と有線で接続されており、転送モジュール500は、通信モジュール400を介して無線通信を行うことができる。このため、無線の電波が筐体によって遮蔽されず、通信品質を向上することができる。
【0071】
また、転送モジュール500が部品実装装置M3の筐体内において他のユニットからいったんログデータを無線で受信して、有線で接続された通信モジュール400へログデータを転送するため、筐体内の他のユニットのログデータをより確実に筐体外の他のユニット又は外部装置へ転送することができる。特に、部品実装装置M3の筐体内の他のユニットが可動する場合であっても、当該他のユニットと同じ筐体内に設けられた転送モジュール500は、筐体内において当該他のユニットと安定して無線通信することができ、より通信品質を向上することができる。
【0072】
また、部品実装装置M3の筐体内における天面は、無線の電波を遮蔽するものが少ないことが多いため、転送モジュール500は、筐体内の天面において無線の電波を遮蔽されずに筐体内の他のユニットと無線通信することができ、より通信品質を向上することができる。
【0073】
また、例えば、部品実装装置M3の筐体内に設けられた、転送モジュール500と無線で接続された他のユニットは、実装ヘッド12であってもよく、この場合、筐体内で可動する実装ヘッド12の動作に関するログデータをより確実に筐体外の他のユニット又は外部装置へ転送することができる。
【0074】
(その他の実施の形態)
以上、本開示の部品実装装置M3について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、および、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
【0075】
例えば、上記実施の形態の第一例および第二例では、通信モジュール400が、部品実装装置M3の筐体外における天面に設けられる例を説明したが、これに限らない。例えば、通信モジュール400は、部品実装装置M3の筐体外における側面などに設けられてもよい。
【0076】
例えば、上記実施の形態の第二例では、転送モジュール500が、部品実装装置M3の筐体内における天面に設けられる例を説明したが、これに限らない。例えば、転送モジュール500は、部品実装装置M3の筐体内における側面などに設けられてもよい。
【0077】
また、上記実施の形態の部品実装装置M3に含まれる各構成要素は、専用または汎用の回路として実現されてもよい。
【0078】
また、上記実施の形態の部品実装装置M3に含まれる各構成要素は、集積回路(IC:Integrated Circuit)であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。
【0079】
また、集積回路はLSIに限られず、専用回路または汎用プロセッサで実現されてもよい。プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部の回路セルの接続および設定が再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサが、利用されてもよい。
【0080】
さらに、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、部品実装装置M3に含まれる各構成要素の集積回路化が行われてもよい。
【0081】
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本開示は、部品実装装置を用いて基板などに部品を装着する分野において有用である。
【符号の説明】
【0083】
2 ネットワーク
3 管理装置
5 台車
6 基台
7 基板搬送機構
8 部品供給部
9 フィーダ
10 Y軸テーブル
11 ビーム
12 実装ヘッド
12a ノズルユニット
12b 吸着ノズル
13 XY移動機構
14 ヘッドカメラ
15 部品認識カメラ
16 キャリアテープ
17 リール
100 実装制御コントローラ
200 データ収集コントローラ
210 ログデータ収集部
300 記憶部
310 ログデータ
400 通信モジュール
410 ログデータ転送部
500 転送モジュール
M1 基板供給装置
M2 スクリーン印刷装置
M3、M4、M5、M6 部品実装装置
M7 リフロー装置
M8 基板回収装置
M9 基板外観検査装置
M10 基板出荷検査装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6