(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178020
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】隊列走行車両のマッチング装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20231207BHJP
B60W 30/165 20200101ALI20231207BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20231207BHJP
【FI】
G08G1/00 X
B60W30/165
B60W60/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091045
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100120499
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 淳
(72)【発明者】
【氏名】栗橋 翠
(72)【発明者】
【氏名】横山 大樹
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA02
3D241BA04
3D241BA44
3D241BA47
3D241BC01
3D241BC02
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC17
3D241CE02
3D241CE03
3D241CE04
3D241CE05
3D241DB01Z
5H181AA01
5H181AA02
5H181AA20
5H181BB03
5H181CC01
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF17
5H181FF22
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL09
5H181MB01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】他車と隊列を組んで走行することを要望又は許容する車両同士が遭遇できるようにマッチングすることが可能な隊列走行車両のマッチング装置を提供する。
【解決手段】ECU160のプロセッサ162は、他車と隊列を組んで走行することを要望又は許容する複数の車両の位置情報をそれぞれ取得する位置情報取得部と、複数の車両の位置情報に基づいて、複数の車両の中で隊列を組んで走行する車両をマッチングするマッチング部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他車と隊列を組んで走行することを要望又は許容する複数の車両の位置情報をそれぞれ取得する位置情報取得部と、
前記複数の車両の前記位置情報に基づいて、前記複数の車両の中で隊列を組んで走行する車両をマッチングするマッチング部と、
を備える、隊列走行車両のマッチング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隊列走行車両のマッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、先行車に追従すべく目標車間距離を算出して加減速制御を行う車両用走行制御装置において、目標車間距離が適切でない場合に目標車間距離を修正することが公知である(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両が走行中に他車両に追従して隊列を組んで走行すると、車両の空気抵抗が減るので、エネルギー消費量の削減に効果的である。しかし、他車と隊列を組んで走行することを要望又は許容する複数の車両が存在したとしても、これらの車両が互いに離れて位置していて遭遇できない場合、隊列走行を行うことは困難である。
【0005】
上記課題に鑑みて、本開示の目的は、他車と隊列を組んで走行することを要望又は許容する車両同士が遭遇できるようにマッチングすることが可能な隊列走行車両のマッチング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の要旨は以下のとおりである。
【0007】
他車と隊列を組んで走行することを要望又は許容する複数の車両の位置情報をそれぞれ取得する位置情報取得部と、
前記複数の車両の前記位置情報に基づいて、前記複数の車両の中で隊列を組んで走行する車両をマッチングするマッチング部と、
を備える、隊列走行車両のマッチング装置。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、他車と隊列を組んで走行することを要望又は許容する車両同士が遭遇できるようにマッチングすることが可能な隊列走行車両のマッチング装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態に係る隊列走行システムにより車両の運転中に隊列走行が行われる様子を示す模式図である。
【
図2】車両に搭載されている車両制御システムの構成を示す模式図である。
【
図4】車両に備えられたECUのプロセッサの機能ブロックを示す模式図である。
【
図5】サーバに備えられた制御装置のプロセッサの機能ブロックを示す模式図である。
【
図6】車両、およびサーバにより行われる処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る幾つかの実施形態について図を参照しながら説明する。しかしながら、これらの説明は、本発明の好ましい実施形態の単なる例示を意図するものであって、本発明をこのような特定の実施形態に限定することを意図するものではない。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
【0011】
図1は、本開示の一実施形態に係る隊列走行システムにより車両の運転中に隊列走行が行われる様子を示す模式図である。この車両の隊列走行システムは、複数の車両100,102と、サーバ200とを有する。複数の車両100,102は、ドライバが手動で運転する手動運転車両、または自律走行可能な自動運転車両などであり、より具体的にはPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)、EV(Electric Vehicle)などの自動車である。各車両100,102とサーバ200とは、光通信回線などで構成される通信ネットワーク300及び通信ネットワーク300とゲートウェイ(図示せず)を介して接続される無線基地局400を介して互いに通信可能となっている。すなわち、通信ネットワーク300および無線基地局400は、各車両100,102とサーバ200間の通信を中継する。
【0012】
図1では、車両100,102が片側2車線の道路500を走行しており、車両100が車両102に追従して隊列走行を行う様子が示されている。
図1に示す例では、車両100は他車に追従する追従車両であり、車両102は他車に追従される被追従車両である。なお、
図1では2台の車両により隊列走行が行われる様子が示されているが、2台以上方の車両により隊列走行が行われてもよい。
【0013】
車両100が車両102に追従して走行することで、車両100が走行する際の空気抵抗が低下する。これにより、車両100が走行する際のエネルギー消費量(燃料消費量または電力消費量)が低下し、燃費または電費が向上するので、車両100の航続距離が増大する。走行時の空気抵抗をより低下させるため、車両100は、比較的大型の車両(例えば、大型バスなど)に追従することがより好ましい。
【0014】
複数の車両が隊列走行を行うと、複数の車両の全体としての二酸化炭素排出量が削減されあるメリットがあり、また渋滞防止、事故の抑制の観点からもメリットがある。このため、例えば、道路事業者等から、隊列走行を行った各車両に対して、高速料金の割引、サービスエリア等での給油または給電等にかかる料金の割引などのインセンティブが付与されてもよい。したがって、車両100に追従された車両102は、エネルギー消費量の削減といった直接的なインセンティブは得られないものの、料金の割引に関するインセンティブを享受できる、なお、追従された車両102においても、追従されることで空力的な推進力を得られる場合があり、エネルギー消費の観点からもメリットが得られる場合がある。
【0015】
図2は、車両100,102に搭載されている車両制御システムの構成を示す模式図である。車両制御システムは、測位情報受信機110と、車両制御機器120と、無線端末130と、1以上のセンサ140と、ナビゲーション装置150と、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit 以下、ECUと称する)160と、表示装置170と、スピーカ180と、を有している。測位情報受信機110と、車両制御機器120と、無線端末130と、1以上のセンサ140と、ナビゲーション装置150と、ECU160と、表示装置170と、スピーカ180のそれぞれは、コントローラエリアネットワーク(Controller Area Network (CAN))、イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))といった規格に準拠した車内ネットワークを介して通信可能に接続される。なお、本実施形態では、各車両100,102は、隊列走行に関して同じ構成を有し、サーバ200は、各車両100に対して同じ処理を適用するので、以下では、特に必要が無い限り、1台の車両100について説明する。
【0016】
測位情報受信機110は、車両100の現在位置及び姿勢を表す測位情報を取得する。例えば、測位情報受信機110は、GPS(Global Positioning System)受信機とすることができる。測位情報受信機110は、測位情報を受信する度に、取得した測位情報を、車内ネットワークを介してECU160へ出力する。
【0017】
車両制御機器120は、車両制御に関わる各種機器であり、車両100を走行させる駆動源としてのエンジン120aおよびモータ120b、電力を蓄えるバッテリ120cを含む。なお、
図1では車両100がPHVの場合を例示しており、車両100がEVの場合、車両制御機器120にエンジン120aは含まれない。また、車両がエンジン車の場合、車両制御機器120にモータ120bは含まれなくてよい。
【0018】
無線端末130は、例えば、アンテナと、無線信号の変調及び復調といった、無線通信に関連する各種の処理を実行する信号処理回路とを有する。そして無線端末130は、無線基地局400からダウンリンクの無線信号を受信し、また、アップリンクの無線信号を無線基地局400へ送信する。すなわち、無線端末130は、無線基地局400から受信したダウンリンクの無線信号から、サーバ200から車両100へ伝送される信号(例えば、後述する調整情報)を取り出してECU160へわたす。また無線端末130は、ECU160から受け取ったサーバ200へ送信される信号(例えば、車両100の位置情報、車両100の走行予定ルート、後述する隊列走行情報など)を含むアップリンクの無線信号を生成し、その無線信号を送信する。
【0019】
無線端末130は、例えば、4G、5G等の無線通信ネットワークを利用して通信を行ってもよい。また、無線端末130は、車車間通信による車両間の通信、路車間通信による路側機との通信を行うものであってもよい。車車間通信、路車間通信では、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communications)が用いられ、無線端末130は車車間通信により被追従車両である車両102との間で情報の送受信を行う。なお、車車間通信は、サーバ200を介して行われるものであってもよい。無線端末130はDCM(Data Communication Module)から構成されてもよく、またITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)を利用して情報の送受信を行うものであってもよい。
【0020】
1以上のセンサ140は、車両100の周辺を監視するためのセンサ、例えば、撮像センサ(車載カメラ)、ライダー(Lidar:Light Detection and Ranging)、レーダ(Radar)等のセンサを含む。
【0021】
ナビゲーション装置150は、車両100の現在地から移動目的地までの走行予定ルートを、ダイクストラ法といった所定の経路探索手法に従って求める。このため、ナビゲーション装置150は、地図情報を記憶するメモリを備えている。なお、地図情報は、ECU160のメモリ164に記憶されていてもよい。
【0022】
ECU160は、プロセッサ162と、メモリ164と、通信インターフェース166とを有する。プロセッサ162は、1個または複数個のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。プロセッサ162は、論理演算ユニット、数値演算ユニットあるいはグラフィック処理ユニットといった他の演算回路をさらに有していてもよい。プロセッサ162は、メモリ164の作業領域に実行可能に展開されたコンピュータプログラムの実行により所定の目的に合致した機能を提供する。メモリ164は、例えば、揮発性の半導体メモリ及び不揮発性の半導体メモリを有する。メモリ164には各種情報が記憶されている。通信インターフェース166は、ECU160を車内ネットワークに接続するためのインターフェース回路を有する。
【0023】
表示装置170は、例えば液晶表示ディスプレイ(LCD)から構成され、メーターパネル、またはダッシュボードの近辺等に設けられ、サーバ200から受信した調整情報など各種情報を表示する。スピーカ180は、調整情報などの各種情報を音声で出力する。
【0024】
図3は、サーバ200の構成を示す模式図である。サーバ200は、制御装置210と、ストレージ装置220と、を有している。
【0025】
制御装置210は、プロセッサ212と、メモリ214と、通信インターフェース216とを有する。プロセッサ212は、1個または複数個のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。プロセッサ212は、論理演算ユニット、数値演算ユニットあるいはグラフィック処理ユニットといった他の演算回路をさらに有していてもよい。メモリ214は、例えば、揮発性の半導体メモリ及び不揮発性の半導体メモリを有する。通信インターフェース216は、制御装置210をサーバ200内のネットワーク、または通信ネットワーク300に接続するためのインターフェース回路を有する。通信インターフェース216は、車両100と、通信ネットワーク300及び無線基地局400を介して通信可能に構成される。すなわち、通信インターフェース216は、車両100から無線基地局400及び通信ネットワーク300を介して受信した、位置情報、走行予定ルート、隊列走行情報などをプロセッサ212へわたす。また、通信インターフェース216は、プロセッサ212から受け取った調整情報を、通信ネットワーク300及び無線基地局400を介して車両100へ送信する。
【0026】
ストレージ装置220は、例えば、ハードディスク装置または光記録媒体及びそのアクセス装置を有する。ストレージ装置220には、地図情報、道路の制限速度などの各種情報が記憶されている。なお、ストレージ装置220は、プロセッサ212上で実行される処理を実行するためのコンピュータプログラムを記憶してもよい。
【0027】
図4は、車両100に備えられたECU160のプロセッサ162の機能ブロックを示す模式図である。プロセッサ162は、送受信部162aと、制御部162bと、情報提示部162cと、を有している。プロセッサ162が有するこれらの各部は、例えば、プロセッサ162上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。つまり、プロセッサ162が有するこれらの各部は、プロセッサ162とこれを機能させるためのプログラム(ソフトウェア)から構成される。また、そのプログラムは、ECU160のメモリ164または外部から接続される記録媒体に記録されていてもよい。あるいは、プロセッサ162が有するこれらの各部は、プロセッサ162に設けられる専用の演算回路であってもよい。
【0028】
プロセッサ162の送受信部162aは、測位情報受信機110が取得した車両100の現在位置を示す位置情報、ナビゲーション装置150が求めた車両100の走行予定ルートなどをサーバ200に送信するための処理を行う。なお、送受信部162aは、車両100が高速道路を走行している場合、ナビゲーション装置150が求めた走行予定ルートによらず、次のインターチェンジまでの区間を走行予定ルートとしてサーバ200に送信してもよい。
【0029】
また、送受信部162aは、車両100が他車と隊列を組んで走行することを要望又は許容する旨を含む隊列走行情報をサーバ200に送信するための処理を行う。隊列走行情報は、自車が追従車両になることを要望する情報、自車が被追従車両となることを要望(許容)する情報、希望する車速、自車の車種などの情報を含んでいてもよい。また、隊列走行情報は、自車が追従車両になることを要望する場合、被追従車両の車種(例えば、大型バス、トラック、SUVなど)の要望等を含んでいてもよい。なお、隊列走行情報は、例えば車両内のメーターパネル、またはダッシュボードの近辺等に設けられた操作パネルを乗員が操作することによってECU160に入力される。
【0030】
また、送受信部162aは、サーバ200から送信された調整情報を受信するための処理を行う。
【0031】
プロセッサ162の制御部162bは、車両100が自動運転車両である場合、サーバ200から送信された調整情報に基づいて車両制御機器120を制御することで車両100を制御する。例えば、制御部162bは、調整情報に基づいて、被追従車両(車両102)が自車後方を走行中のときは、被追従車両が自車センサ(車載カメラ、ライダー、レーダ等)で認識可能な程度の距離に近づくまで自車の設定車速を被追従車両の車速よりも低くする。これにより、車両100は被追従車両(車両102)に遭遇することができ、被追従車両と隊列を組んで走行することができる。
【0032】
制御部162bは、被追従車両が自車センサで認識可能な程度の距離に近づくと、自車センサの検出値に基づいて自車と被追従車両との距離が一定となるように車両制御機器120を制御し、自車を被追従車両に追従させる。この際、制御部162bは、車車間通信によって被追従車両である車両102との間で情報を送受信し、車両102から受信した車両102の加減速に関する情報、または操舵(車線変更)等に関する情報等に応じて自車を被追従車両に追従させてもよい。これにより、調整情報に基づく車両100の制御が車車間通信で得られる情報によって更に補われることになり、より精度の高い車両制御が実現される。
【0033】
プロセッサ162の情報提示部162cは、サーバ200から送信された調整情報を車両100の乗員(ドライバなど)に提示する。具体的には、情報提示部162cは、調整情報を表示装置170に表示するための処理、またはスピーカ180から音声で出力するための処理を行う。これにより、車両100が手動運転車両である場合、調整情報の提示を受けたドライバは、調整情報に従って車両100を運転することで、被追従車両(車両102)に遭遇することができ、被追従車両と隊列を組んで走行することができる。
【0034】
以上のように、調整情報に基づいて車両が運転されることで、巡航速度がほぼ等しくて遭遇しにくい車両同士が遭遇できるようになり、隊列走行が確実に行われる。
【0035】
図5は、サーバ200に備えられた制御装置210のプロセッサ212の機能ブロックを示す模式図である。制御装置210のプロセッサ212は、本開示に係る隊列走行車両のマッチング装置の一態様であり、位置情報取得部212aと、走行予定ルート取得部212bと、マッチング部212cと、調整情報生成部212dと、送受信部212eと、を有している。プロセッサ212が有するこれらの各部は、例えば、プロセッサ212上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。つまり、プロセッサ212が有するこれらの各部は、プロセッサ212とこれを機能させるためのプログラム(ソフトウェア)から構成される。また、そのプログラムは、制御装置210が備えるメモリ214または外部から接続される記録媒体に記録されていてもよい。あるいは、プロセッサ212が有するこれらの各部は、プロセッサ212に設けられる専用の演算回路であってもよい。
【0036】
プロセッサ212の位置情報取得部212aは、複数の車両(車両100,102)から送信された位置情報であって、他車と隊列を組んで走行することを要望又は許容する複数の車両の位置情報をそれぞれ取得する。
【0037】
プロセッサ212の走行予定ルート取得部212bは、複数の車両から送信された走行予定ルートをそれぞれ取得する。
【0038】
プロセッサ212のマッチング部212cは、位置情報取得部212aが取得した複数の車両の位置情報に基づいて、複数の車両の中で隊列を組んで走行する車両をマッチングする。例えば、マッチング部212cは、複数の車両から送信された位置情報に基づいて、互いに近くを走行しており速度を調整することで隊列走行を行うことが可能な複数の車両を、隊列を組んで走行する車両としてマッチングする。
【0039】
マッチング部212cは、位置情報に加えて、走行予定ルート取得部212bが取得した複数の車両の走行予定ルートに基づいて隊列走行を行う車両をマッチングしてもよい。この場合、マッチング部212cは、移動目的地が同じ車両、または走行予定ルートの少なくとも一部が重複する車両を、隊列を組んで走行する車両としてマッチングする。
【0040】
また、マッチング部212cは、隊列走行情報に希望する車速、被追従車両の車種の要望等が含まれる場合、これらの要望に応じて隊列を組んで走行する車両をマッチングしてもよい。例えば、マッチング部212cは、希望する車速が所定範囲内である車両同士をマッチングしてもよい。
【0041】
プロセッサ212の調整情報生成部212dは、マッチング部212cによるマッチングが成立すると、マッチングした車両を遭遇させて隊列走行させるための調整情報を送信する。例えば、調整情報には、マッチングした車両の速度を調整する速度調整情報、マッチングした車両の一方(または一部)を高速道路のサービスエリア等で停車させて時間調整させるための情報等が含まれる。
【0042】
具体的には、調整情報は、マッチングした車両のうち前方を走行する車両の速度を低下させるための情報、またはマッチングした車両のうち後方を走行する車両の速度を増加させるための情報を含んでいてもよい。また、調整情報は、マッチングした車両のうち前方を走行する車両をサービスエリア等で停車させて時間調整させるための情報を含んでいてもよい。
【0043】
また、調整情報は、マッチングした車両のうち、追従車両と被追従車両の前後関係を入れ替えるための情報を含んでいてもよい。例えば、被追従車両よりも追従車両が前方を走行している場合、調整情報は、被追従車両が追従車両を追い越すための情報(車線変更の手順を含む)を含んでいてもよい。
【0044】
調整情報は、マッチングした車両を特定する情報(車両のナンバー、車種または色)を含むものであってもよい。また、マッチングした車両同士が比較的近くを走行している場合、調整情報は、車両同士の位置関係によりマッチングした車両を特定する情報(「自車よりも左側の車線で自車の斜め前方を走行している車両」、「自車よりも右側の車線で自車を追い抜いて行った車両など」)を含むものであってもよい。
【0045】
プロセッサ212の送受信部212eは、通信インターフェース216を介してマッチングした車両に調整情報を送信するための処理を行う。また、送受信部212eは、車両100から送信された位置情報、走行予定ルート、隊列走行情報などの各種情報を、通信インターフェース216を介して受信するための処理を行う。送受信部212eは、希望通りのマッチングができない場合は、マッチング可能な車両を提案する情報を車両100に送信してもよい。
【0046】
図6は、車両100、およびサーバ200により行われる処理を示すシーケンス図である。先ず、ECU160のプロセッサ162の送受信部162aが、自車の位置情報および走行予定ルートをサーバ200に送信する(ステップS10)。なお、ステップS10では、位置情報および走行予定ルートに加えて、隊列走行情報もサーバ200に送信される。
【0047】
次に、サーバ200のプロセッサ212の位置情報取得部212aが各車両から送信された位置情報を取得し、プロセッサ212の走行予定ルート取得部212bが各車両から送信された走行予定ルートを取得する(ステップS20)。次に、サーバ200のプロセッサ212のマッチング部212cが、各車両から取得した位置情報、走行予定ルート、隊列走行情報に基づいて、隊列走行を行う車両のマッチングが可能か否かを判定し(ステップS22)、マッチングが可能な場合、隊列走行を行う車両をマッチングする(ステップS24)。
【0048】
次に、サーバ200のプロセッサ212の調整情報生成部212dが、マッチングした車両を遭遇させて隊列走行させるための調整情報を生成する(ステップS26)。次に、サーバ200のプロセッサ212の送受信部212eが、マッチングした車両に調整情報を送信する(ステップS28)。
【0049】
次に、ECU160のプロセッサ162の送受信部162aが、サーバ200から送信された調整情報を受信する(ステップS12)。次に、ECU160のプロセッサ162の制御部162bが、サーバ200から送信された調整情報に基づいて車両制御機器120を制御することで車両100を制御する(ステップS14)。なお、車両100が手動運転車両の場合、上述したように、プロセッサ162の情報提示部162cが調整情報を車両100のドライバに提示する。
【0050】
(変形例)
図5に示したサーバ200のプロセッサ212の機能ブロックは、車両100のプロセッサ162に設けられていてもよい。この場合、車両がサーバ200の機能を果たすことが可能であり、サーバ200が設けられていない構成(サーバーレス)とすることができる。
【符号の説明】
【0051】
100,102 車両
110 測位情報受信機
120 車両制御機器
120a エンジン
120b モータ
120c バッテリ
130 無線端末
140 センサ
150 ナビゲーション装置
160 電子制御装置(ECU)
162 プロセッサ
162a 送受信部
162b 制御部
162c 情報提示部
164 メモリ
166 通信インターフェース
170 表示装置
180 スピーカ
200 サーバ
210 制御装置
212 プロセッサ
212a 位置情報取得部
212b 走行予定ルート取得部
212c マッチング部
212d 調整情報生成部
212e 送受信部
214 メモリ
216 通信インターフェース
220 ストレージ装置
300 通信ネットワーク
400 無線基地局
500 道路