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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178027
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】電界効果トランジスタ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20231207BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20231207BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20231207BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
H01L29/78 301B
H01L29/78 618B
H01L29/78 301H
H01L29/78 301G
H01L29/78 617T
H01L29/78 653C
H01L29/78 652T
H01L29/78 652C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091067
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】515277942
【氏名又は名称】株式会社ノベルクリスタルテクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中田 義昭
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 公平
【テーマコード(参考)】
5F110
5F140
【Fターム(参考)】
5F110CC02
5F110CC09
5F110DD01
5F110EE02
5F110EE22
5F110FF01
5F110FF05
5F110FF12
5F110GG01
5F110GG04
5F110GG12
5F110GG20
5F110HJ01
5F110HK04
5F110HM12
5F110NN22
5F110NN23
5F140AA24
5F140AC23
5F140BA16
5F140BB04
5F140BB15
5F140BC12
5F140BD04
5F140BD05
5F140BD06
5F140BD11
5F140BF05
5F140BH05
5F140BH30
5F140BJ07
5F140CC02
5F140CC03
(57)【要約】
【課題】酸化ガリウム系半導体を半導体層の主な構成材料とするnチャネル型の電界効果トランジスタであって、ゲート電極下のp型領域からゲート絶縁膜への正孔の注入が抑えられた電界効果トランジスタを提供する。
【解決手段】一実施の形態として、ゲート電極16a、16bと、酸化ガリウム系半導体からなるn型のソース領域13、14及びドレイン領域10、11と、ゲート電極16a、16bとゲート絶縁膜15a、15bを介して接する、チャネルが形成されるp型領域12と、を備え、p型領域12が、酸化ガリウム系半導体からなる層を下地層とするエピタキシャル成長層からなり、かつ、酸化ガリウム系半導体よりも価電子帯の上端のエネルギー(eV)が高いp型の酸化物半導体のみからなる、電界効果トランジスタ1を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート電極と、
酸化ガリウム系半導体からなるn型のソース領域及びドレイン領域と、
前記ゲート電極とゲート絶縁膜を介して接する、チャネルが形成されるp型領域と、
を備え、
前記p型領域が、酸化ガリウム系半導体からなる層を下地層とするエピタキシャル成長層からなり、かつ、酸化ガリウム系半導体よりも価電子帯の上端のエネルギー(eV)が高いp型の酸化物半導体のみからなる、
電界効果トランジスタ。
【請求項2】
前記p型領域が、NiO、CuO、CuOのうちの1つ、NiO、CuO、CuOのうちの2つ以上の混晶、又はNiO膜、CuO膜、CuO膜のうちの2つ以上から構成される積層構造体からなる、
請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界効果トランジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、酸化ガリウム系半導体のp型化が極めて困難であるために、酸化ガリウム系半導体を半導体層の主な構成材料とする半導体装置において、p型領域に酸化ガリウム系半導体以外の材料を用いる技術が知られている(特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1には、酸化ガリウム系半導体からなる層とNiOなどのp型半導体からなる層が交互に積層された超格子疑似混晶の領域をp型領域として用いたダイオードが開示されている。特許文献1によれば、p型領域を上記の超格子疑似混晶の領域で構成することにより、p型領域をp型半導体のみで構成する場合よりもp型領域のバンドギャップが広がり、絶縁破壊電界強度が高まるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-63087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
nチャネル型の電界効果トランジスタにおいては、ゲート電極下のp型領域からゲート絶縁膜へのキャリア(正孔)の注入を抑えるために、ゲート絶縁膜の価電子帯の上端のエネルギーを基準としたp型領域の材料の価電子帯の上端のエネルギーがなるべく大きいことが好ましい。しかしながら、酸化ガリウム系半導体は価電子帯の上端のエネルギーが低く、このp型領域の材料としての条件を満たすことが難しい。
【0006】
このため、ゲート電極下のp型領域に酸化ガリウム系半導体を用いることは好ましくなく、特許文献1に記載の酸化ガリウム系半導体を含む超格子疑似混晶からなるp型領域を電界効果トランジスタのゲート電極下のp型領域として用いることは好ましくない。
【0007】
本発明の目的は、酸化ガリウム系半導体を半導体層の主な構成材料とするnチャネル型の電界効果トランジスタであって、ゲート電極下のp型領域からゲート絶縁膜への正孔の注入が抑えられた電界効果トランジスタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記[1]、[2]の電界効果トランジスタを提供する。
【0009】
[1]ゲート電極と、酸化ガリウム系半導体からなるn型のソース領域及びドレイン領域と、前記ゲート電極とゲート絶縁膜を介して接する、チャネルが形成されるp型領域と、を備え、前記p型領域が、酸化ガリウム系半導体からなる層を下地層とするエピタキシャル成長層からなり、かつ、酸化ガリウム系半導体よりも価電子帯の上端のエネルギー(eV)が高いp型の酸化物半導体のみからなる、電界効果トランジスタ。
[2]前記p型領域が、NiO、CuO、CuOのうちの1つ、NiO、CuO、CuOのうちの2つ以上の混晶、又はNiO膜、CuO膜、CuO膜のうちの2つ以上から構成される積層構造体からなる、上記[1]に記載の電界効果トランジスタ。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、酸化ガリウム系半導体を半導体層の主な構成材料とするnチャネル型の電界効果トランジスタであって、ゲート電極下のp型領域からゲート絶縁膜への正孔の注入が抑えられた電界効果トランジスタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタの垂直断面図である。
図2図2は、酸化ガリウム系半導体の典型例であるGa、及びゲート絶縁膜の材料のバンドラインを示す。
図3図3は、酸化ガリウム系半導体の典型例であるGa、ゲート絶縁膜の代表的な材料であるSiO、及びp型半導体層の材料であるNiO、CuO、CuOのバンドラインを示す。
図4図4は、本発明の第2の実施の形態に係る電界効果トランジスタの垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタ1の垂直断面図である。電界効果トランジスタ1は、酸化ガリウム系半導体を半導体層の主な構成材料とする縦型のMISFETである。
【0013】
電界効果トランジスタ1は、nチャネル型であり、nGa基板10と、nGa基板10上に形成されたnGa層11と、nGa層11上に形成されたp型半導体層12と、p型半導体層12上に形成されたnGa層13と、nGa層13上に形成されたnコンタクト層14と、ゲート絶縁膜15a、15bを介してp型半導体層12を側方から挟み込むゲート電極16a、16bと、nコンタクト層14に接続されたソース電極17と、nGa基板10のnGa層11と反対側の面上に形成されたドレイン電極18と、表面保護膜19とを備える。
【0014】
電界効果トランジスタ1においては、p型半導体層12に縦方向のチャネルが形成される。例えば、ノーマリーオフ型である場合、ゲート電極16a、16bに電圧を印加すると、p型半導体層12のゲート絶縁膜15a、15bと接する領域にチャネルとしての反転層が形成され、ソース電極17とドレイン電極18の間に電流が流れるようになる。
【0015】
Ga基板10は、Sn、Siなどのn型ドーパントを含むβ型のGa系半導体の単結晶からなる基板である。Ga系半導体とは、Ga、又は、Al、Inの一方若しくは両方が添加されたGaであり、(GaAlIn(1-x-y)(0<x≦1、0≦y<1、0<x+y≦1)で表される組成を有する。GaにAlを添加した場合にはバンドギャップが広がり、Inを添加した場合にはバンドギャップが狭くなる。
【0016】
Ga層11は、Sn、Siなどのn型ドーパントを含むβ型のGa系半導体の単結晶からなる層であり、nGa基板10の上面を下地とするエピタキシャル成長により形成される。nGa基板10とnGa層11は、ドレイン電極18に接続されるn型の領域であり、電界効果トランジスタ1のドレイン領域として機能する。
【0017】
Ga層13は、Sn、Siなどのn型ドーパントを含むβ型のGa系半導体の単結晶からなる層であり、p型半導体層12の上面を下地とするエピタキシャル成長により形成される。
【0018】
コンタクト層14は、Sn、Siなどのn型ドーパントを含むβ型のGa系半導体の単結晶からなる層であり、nGa層13の上面を下地とするエピタキシャル成長により形成される。nGa層13とnコンタクト層14は、ソース電極17に接続されるn型の領域であり、電界効果トランジスタ1のソース領域として機能する。
【0019】
ゲート絶縁膜15a、15bは、SiO、Al、HfO、La、Ta、ZrOなどの絶縁体からなる。
【0020】
図2は、電界効果トランジスタ1の半導体層の主な構成材料である酸化ガリウム系半導体の典型例であるGa、及び上記のゲート絶縁膜15a、15bの材料のバンドラインを示す。図2には、各材料のバンドギャップEg、ゲート絶縁膜15a、15bの材料とGaとの伝導帯の下端のエネルギー差ΔEc、及びゲート絶縁膜15a、15bの材料とGaとの価電子帯の上端のエネルギー差ΔEvが示されている。なお、ゲート絶縁膜15a、15bの材料の伝導帯の下端のエネルギーがGaよりも大きい場合にΔEcが正の値をとり、ゲート絶縁膜15a、15bの材料の価電子帯の上端のエネルギーがGaよりも小さい場合にΔEvが正の値をとるものとする。
【0021】
図2に示されるように、ゲート絶縁膜15a、15bの各材料の価電子帯の上端のエネルギーに対するGaの価電子帯の上端のエネルギーが十分に高くないため、各ΔEvが小さくなっている。このことは、酸化ガリウム系半導体がp型半導体層12に含まれていると、p型半導体層12からゲート絶縁膜15a、15bへのキャリア(正孔)の注入が生じるおそれが高いことを示している。このため、p型半導体層12からゲート絶縁膜15a、15bへのキャリアの注入を抑えるためには、p型半導体層12が、酸化ガリウム系半導体よりも価電子帯の上端のエネルギー(eV)が高いp型の酸化物半導体のみからなることが求められる。
【0022】
p型半導体層12は、ゲート電極16a、16bとゲート絶縁膜15a、15bを介して接する、チャネルが形成されるp型領域である。また、p型半導体層12は、nGa層11を下地層とするエピタキシャル成長層であり、すなわち単結晶の層である。
【0023】
p型半導体層12は、酸化ガリウム系半導体よりも価電子帯の上端のエネルギー(eV)が高いp型の酸化物半導体のみからなる。好ましくは、p型半導体層12は、ゲート絶縁膜15a、15bよりも価電子帯の上端のエネルギーが2eV以上高いp型の酸化物半導体のみからなる。
【0024】
図3は、電界効果トランジスタ1の半導体層の主な構成材料である酸化ガリウム系半導体の典型例であるGa、ゲート絶縁膜15a、15bの代表的な材料であるSiO、及びp型半導体層12の材料であるNiO、CuO、CuOのバンドラインを示す。
【0025】
図3に示されるように、NiO、CuO、CuOは、いずれも価電子帯の上端のエネルギーがGaよりも高く、SiOよりも2eV以上高い。このため、ゲート絶縁膜15a、15bがSiOからなる場合、p型半導体層12をNiO、CuO、CuOなどで構成することにより、p型半導体層12からゲート絶縁膜15a、15bへのキャリアの注入を効果的に抑えることができる。
【0026】
次の表1に、ゲート絶縁膜15a、15bの材料であるSiO、Al、HfO、La、Ta、ZrOと、p型半導体層12の材料であるNiO、CuO、CuOの価電子帯の上端のエネルギー差ΔEv(eV)を示す。ここで、ゲート絶縁膜15a、15bの材料の価電子帯の上端のエネルギーよりもp型半導体層12の材料の価電子帯の上端のエネルギーが高い場合にΔEvが正の値をとるものとする。
【0027】
【表1】
【0028】
表1は、ゲート絶縁膜15a、15bの材料とp型半導体層12の材料のほとんどの組み合わせにおいて、p型半導体層12の価電子帯の上端のエネルギーがゲート絶縁膜15a、15bの価電子帯の上端のエネルギーより2eV以上高くなることを示している。このため、p型半導体層12は、NiO、CuO、CuOを用いて形成されることが好ましい。具体的には、NiO、CuO、CuOのうちの1つ、NiO、CuO、CuOのうちの2つ以上の混晶、又はNiO膜、CuO膜、CuO膜のうちの2つ以上から構成される積層構造体(超格子構造体を含む)からなることが好ましい。
【0029】
NiOは、Ni原子の空孔によりp型化する(例えば、正孔濃度は~1020cm-3オーダー)ことが知られている。このため、意図的にドーパントを添加しない(アンドープの)NiOの単結晶をp型半導体層12に用いることができる。また、Liなどのp型ドーパントをNiOに添加して用いてもよい。
【0030】
CuO又はCuOをp型半導体層12に用いる場合は、その結晶性をより高めるために、MgO膜で上下から挟み込む方法もある。この場合、バンドラインの関係でMgO膜がp型半導体層12の電気特性を阻害するおそれがあるため、MgO膜の厚さは1nm未満であることが好ましい。
【0031】
また、ソース領域であるnGa層13とnコンタクト層14からドレイン領域であるnGa基板10とnGa層11への電子の走行(チャネル)をゲートにより良好に制御するためには、p型半導体層12とソース領域、ドレイン領域との伝導帯の不連続が小さい方が好ましく、例えば、伝導帯の上端のエネルギー差が±1eV以内であることが好ましい。図3によれば、p型半導体層12がCuO若しくはCuO、又はCuOとCuOの混晶や積層構造からなるときにソース領域、ドレイン領域との伝導帯の上端のエネルギー差を±1eV以内とすることができる。
【0032】
ゲート電極16a、16bは、Auなどの導電体からなる。ソース電極17、ドレイン電極18は、Tiなどのnコンタクト層14、nGa基板10とオーミック接触する材料からなる。また、表面保護膜19は、Al、SiOなどの絶縁体からなる。
【0033】
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態は、横型の電界効果トランジスタである点において第1の実施の形態と異なる。第1の実施の形態と同様の点については、説明を省略又は簡略化する。
【0034】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る電界効果トランジスタ2の垂直断面図である。電界効果トランジスタ2は、酸化ガリウム系半導体を半導体層の主な構成材料とする横型のMISFETである。
【0035】
電界効果トランジスタ2は、nチャネル型であり、高抵抗Ga基板20と、高抵抗Ga基板20上に形成され、高抵抗Ga基板20と反対側の面に凹部211、212が設けられたp型半導体層21と、凹部211、212内にそれぞれ形成されたn型ソース領域22、n型ドレイン領域23と、凹部211と凹部212の間のp型半導体層21のメサ状部分213の上にゲート絶縁膜24を介して形成されたゲート電極25と、n型ソース領域22、n型ドレイン領域23にそれぞれ接続されたソース電極26、ドレイン電極27とを備える。
【0036】
電界効果トランジスタ2においては、p型半導体層21のメサ状部分213に横方向のチャネルが形成される。例えば、ノーマリーオフ型である場合、ゲート電極25に電圧を印加すると、p型半導体層21のゲート絶縁膜24と接する領域にチャネルとしての反転層が形成され、ソース電極26とドレイン電極27の間に電流が流れるようになる。
【0037】
高抵抗Ga基板20は、Feを添加することにより高抵抗化したβ型のGa単結晶からなる基板である。
【0038】
p型半導体層21は、ゲート電極25とゲート絶縁膜24を介して接する、チャネルが形成されるp型領域である。また、p型半導体層21は、高抵抗Ga基板20を下地層とするエピタキシャル成長層であり、すなわち単結晶の層である。
【0039】
p型半導体層21は、第1の実施の形態に係るp型半導体層12と同様に、酸化ガリウム系半導体よりも価電子帯の上端のエネルギー(eV)が高いp型の酸化物半導体のみからなる。好ましくは、p型半導体層21は、ゲート絶縁膜24よりも価電子帯の上端のエネルギーが2eV以上高いp型の酸化物半導体のみからなる。
【0040】
また、p型半導体層21は、第1の実施の形態に係るp型半導体層12と同様に、NiO、CuO、CuOを用いて形成されることが好ましい。具体的には、NiO、CuO、CuOのうちの1つ、NiO、CuO、CuOのうちの2つ以上の混晶、又はNiO膜、CuO膜、CuO膜のうちの2つ以上から構成される積層構造体(超格子構造体を含む)からなることが好ましい。
【0041】
n型ソース領域22とn型ドレイン領域23は、Sn、Siなどのn型ドーパントを含むβ型のGa系半導体の単結晶からなる領域である。n型ソース領域22とn型ドレイン領域23は、例えば、p型半導体層21の凹部211、212の内面を下地とするエピタキシャル成長により形成される。
【0042】
ゲート絶縁膜24は、第1の実施の形態に係るゲート絶縁膜15a、15bと同様に、SiO、Al、HfO、La、Ta、ZrOなどの絶縁体からなる。ゲート電極25は、Auなどの導電体からなる。ソース電極26、ドレイン電極27は、Tiなどのn型ソース領域22、n型ドレイン領域23とオーミック接触する材料からなる。
【0043】
(実施の形態の効果)
上記実施の形態によれば、ゲート電極下のp型領域に酸化ガリウム系半導体を用いず、酸化ガリウム系半導体よりも価電子帯の上端のエネルギー(eV)が高いp型の酸化物半導体のみからp型領域を構成することにより、p型領域からゲート絶縁膜への正孔の注入が抑えられた電界効果トランジスタを提供することができる。
【0044】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。また、発明の主旨を逸脱しない範囲内において上記実施の形態の構成要素を任意に組み合わせることができる。また、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0045】
1、2…電界効果トランジスタ、 10…nGa基板、 11…nGa層、 12…p型半導体層、 13…nGa層、 14…nコンタクト層、 15a、15b…ゲート絶縁膜、 16a、16b…ゲート電極、 20…高抵抗Ga基板、 21…p型半導体層、 22…n型ソース領域、 23…n型ドレイン領域、 24…ゲート絶縁膜、 25…ゲート電極
図1
図2
図3
図4