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特開2023-178053制御システム、制御方法、プログラム及び連系システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178053
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】制御システム、制御方法、プログラム及び連系システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/14 20060101AFI20231207BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20231207BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20231207BHJP
   G06Q 10/00 20230101ALI20231207BHJP
【FI】
H02J3/14 160
H02J3/00 180
H02J3/38 130
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091099
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠▲崎▼ 聡
(72)【発明者】
【氏名】馬場 朗
【テーマコード(参考)】
5G066
5L049
【Fターム(参考)】
5G066HB06
5G066KA04
5G066KA12
5L049AA22
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、負荷を制御して発電システムを介した電力の販売及び系統電力システムを介した電力の販売により多くの利益を得ることである。
【解決手段】制御システム1は、負荷制御部163と、決定部162と、を備える。負荷制御部163は、施設5に設けられた負荷(例えば電気温水器)を制御する。決定部162は、負荷6の稼働期間を決定する。決定部162は、施設5に設けられた発電システム30から送電される電力の販売における第1利益と、系統電力システムから送電される電力の販売における第2利益との合計が最大となる、稼働期間を決定する。負荷制御部163は、決定部162が決定した稼働期間で稼働するよう負荷を制御する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に設けられた負荷を制御する負荷制御部と、
前記負荷の稼働期間を決定する決定部と、を備え、
前記決定部は、前記施設に設けられた発電システムから送電される電力の販売における第1利益と、系統電力システムから送電される電力の販売における第2利益との合計が最大となる、稼働期間を決定し、
前記負荷制御部は、前記決定部が決定した前記稼働期間で稼働するよう前記負荷を制御する、
制御システム。
【請求項2】
前記第1利益は、前記発電システムから送出され前記施設で利用される電力量に対する第1電力販売額、及び前記発電システムから前記系統電力システムに送出される電力量に対する余剰電力販売額との合計であり、
前記第2利益は、前記系統電力システムから送出され前記施設で利用される電力量に対する第2電力販売額から、前記系統電力システムから電力が送出される際の電力調達コスト及び電力託送コストを減算した値である、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記発電システムは、太陽光発電設備を含み、
前記第1電力販売額及び前記余剰電力販売額は、前記太陽光発電設備から出力される電力量に対する販売額である、
請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記負荷の稼働予定日での前記施設を含む地域における天候の予想に基づいて、前記稼働予定日において前記発電システムでの発電の可否を判断する判断部を、更に備え、
前記決定部は、前記判断部が前記稼働予定日において前記発電システムでの発電が可能と判断した場合に、前記稼働予定日での前記稼働期間を決定する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
前記決定部は、
前記系統電力システムからの電力で前記負荷を所定期間で稼働させる場合において前記所定期間で得られる基準利益よりも、前記所定期間の少なくとも一部の期間に代わりに他の期間で前記発電システム及び前記系統電力システムのうち少なくとも前記発電システムからの電力で前記負荷を稼働させる場合において前記他の期間で得られる利益であり前記第1利益と前記第2利益との合計に含まれる利益が大きくなるように、前記稼働期間としての前記他の期間を決定する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項6】
前記所定期間は、夜間であり、
前記他の期間は、日中の時間帯である、
請求項5に記載の制御システム。
【請求項7】
前記負荷は、電気温水器である、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項8】
施設に設けられた負荷を制御する負荷制御ステップと、
前記負荷の稼働期間を決定する決定ステップと、を含み、
前記決定ステップでは、前記施設に設けられた発電システムから送電される電力の販売における第1利益と、系統電力システムから送電される電力の販売における第2利益との合計が最大となる、稼働期間を決定し、
前記負荷制御ステップでは、前記決定ステップで決定した前記稼働期間で稼働するよう前記負荷を制御する、
制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載の制御方法を、コンピュータシステムに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか一項に記載の制御システムと、
前記発電システムと、を備える、
連系システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に制御システム、制御方法、プログラム及び連系システムに関し、より詳細には負荷を制御する制御システム、制御方法、プログラム及び連系システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、需要家(施設)に設けられた家電機器(負荷)を制御する装置(制御システム)が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、変動する電力価格に対応して、利便性を損なうことなく家電機器を制御する家電機器制御装置が記載されている。特許文献1の家電機器制御装置は、電気料金表に基づいて、家電機器の消費電力を削減すべき削減時間帯を決定する制御部と、削減時間帯における家電機器の消費電力を削減するための動作を制御するための制御コマンドを生成し、生成した制御コマンドを家電機器に送信するコマンド生成部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-142753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、施設に設けられた発電システムの電力を施設のユーザが購入して施設の負荷に利用するサービスがある。このサービスにおいては、施設のユーザに発電システムの電力を利用してもらいつつ、発電システムを介した電力の販売及び系統電力を送電するシステム(系統電力システム)を介した電力の販売において多くの利益が求められる。
【0006】
本開示は上記課題に鑑みてなされ、負荷を制御して発電システムを介した電力の販売及び系統電力システムを介した電力の販売により多くの利益を得ることができる制御システム、制御方法、プログラム及び連系システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る制御システムは、負荷制御部と、決定部と、を備える。前記負荷制御部は、施設に設けられた負荷を制御する。前記決定部は、前記負荷の稼働期間を決定する。前記決定部は、前記施設に設けられた発電システムから送電される電力の販売における第1利益と、系統電力システムから送電される電力の販売における第2利益との合計が最大となる、稼働期間を決定する。前記負荷制御部は、前記決定部が決定した前記稼働期間で稼働するよう前記負荷を制御する。
【0008】
本開示の一態様に係る制御方法は、負荷制御ステップと、決定ステップと、を含む。前記負荷制御ステップは、施設に設けられた負荷を制御する。前記決定ステップは、前記負荷の稼働期間を決定する。前記決定ステップでは、前記施設に設けられた発電システムから送電される電力の販売における第1利益と、系統電力システムから送電される電力の販売における第2利益との合計が最大となる、稼働期間を決定する。前記負荷制御ステップでは、前記決定ステップで決定した前記稼働期間で稼働するよう前記負荷を制御する。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記制御方法を、コンピュータシステムに実行させるためのプログラムである。
【0010】
本開示の一態様に係る連系システムは、前記制御システムと、前記発電システムと、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示によると、負荷を制御して発電システムを介した電力の販売及び系統電力システムを介した電力の販売により多くの利益を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、一実施形態に係る制御システムを備える連系システムの構成を示すシステム構成図である。
図2図2は、同上の制御システムの構成を示すブロック図である。
図3図3は、同上の制御システムが制御する電気温水器を夜間における所定期間で稼働した場合において、時間と施設内で使用する電力及び発電システムで発電した電力との関係を表すグラフである。
図4図4は、同上の制御システムが制御する電気温水器を所定期間の少なくとも一部の期間に代わりに他の期間で稼働した場合において、時間と施設内で使用する電力及び発電システムで発電した電力との関係を表すグラフである。
図5図5は、同上の制御システムが行う負荷の稼働期間の決定に係る処理の動作を表す流れ図である。
図6図6は、同上の制御システムが行う負荷の制御に係る処理の動作を表す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0014】
(実施形態)
以下、本実施形態に係る制御システム1について、図1図6を用いて説明する。
【0015】
(1)概要
本実施形態に係る制御システム1は、施設5(図1参照)に設けられている。制御システム1は、施設5に設けられた負荷6(ここでは、電気温水器20)の稼働を制御する。本開示でいう「施設」は、事業所、工場、ビル、店舗、オフィス、学校、福祉施設又は病院等の非住宅施設、及び戸建住宅、集合住宅、又は集合住宅の各住戸等の住宅施設を含む。非住宅施設には、劇場、映画館、公会堂、遊技場、複合施設、飲食店、百貨店、ホテル、旅館、幼稚園、図書館、博物館、美術館、地下街、駅及び空港等も含む。さらには、本開示でいう「施設」には、球場、庭、駐車場、グランド及び公園等の屋外施設を含む。
【0016】
本実施形態に係る制御システム1は、図2に示すように、負荷制御部163と、決定部162と、を備える。負荷制御部163は、施設5(図1参照)に設けられた負荷6(図1参照)を制御する。決定部162は、負荷6の稼働期間を決定する。決定部162は、施設5に設けられた発電システム30から送電される電力の販売における第1利益と、系統電力システム7から送電される電力の販売における第2利益との合計が最大となる、稼働期間を決定する。負荷制御部163は、決定部162が決定した稼働期間で稼働するよう負荷6を制御する。ここで、系統電力システム7は、電力を施設5に送電するシステムである。また、負荷6は、例えば電気温水器20である。
【0017】
この構成によると、制御システム1は、第1利益と第2利益との合計が最大となる稼働期間で負荷6(電気温水器20)を制御する。すなわち、負荷6を制御して発電システム30を介した電力の販売及び系統電力システム7を介した電力の販売により多くの利益を得ることができる。より詳細には、施設5のユーザに発電システム30の電力を利用してもらいつつ、発電システム30を介した電力の販売及び系統電力システム7を介した電力の販売により多くの利益を得ることができる。
【0018】
(2)構成
以下、本実施形態に係る制御システム1、及び制御システム1を備える連系システム2の構成について説明する。
【0019】
連系システム2は、図1に示すように、制御システム1としての制御装置10と、負荷6としての電気温水器20と、発電システム30と、連系装置40と、センサ50と、計測装置60と、を備える。また、施設5では、分電盤70と、電気温水器20とは異なる負荷(以下、通常負荷80という)とが設けられている。通常負荷80は、例えば照明機器、空調機器等の電気機器である。
【0020】
制御装置10、発電システム30、連系装置40及びセンサ50は、PPA(Power Purchase Agreement)サービスを提供するPPA事業者が所有している。PPA事業者は、PPAサービスによる施設のユーザとの契約により、制御装置10、発電システム30、連系装置40及びセンサ50を施設5に設置し、発電システム30で発電した電力を施設5のユーザに優先的に販売する。すなわち、PPA事業者は、PPAサービスによる施設のユーザとの契約により、発電システム30で発電した電力を施設5のユーザに優先的に利用させる。
【0021】
電気温水器20は、施設5のユーザが所有している。施設5のユーザは、PPA事業者から購入した電力及び電力小売事業者から購入した電力を利用して電気温水器20及び通常負荷80を動作させる。すなわち、施設5のユーザは、発電システム30から送出された電力及び電力小売事業者が電力を供給する際に利用する系統電力システム7から送出された電力を利用して電気温水器20及び通常負荷80を動作させる。ここで、PPA事業者と電力小売事業者とは、同一の企業グループに属している。または、PPA事業者と電力小売事業者とは、同一の事業者であってもよい。
【0022】
なお、電気温水器20はPPA事業者が所有してもよい。PPA事業者が電気温水器20を所有する場合には、PPAサービスによる施設のユーザとの契約により、施設5のユーザによる電気温水器20の使用が許諾される。
【0023】
(2.1)センサ
センサ50は、連系装置40から出力される電力を検出する。
【0024】
(2.2)発電システム
発電システム30は、図1に示すように、太陽光発電設備31と、パワーコンディショナー(PCS:Power Conditioning System)32と、を含む。
【0025】
太陽光発電設備31は、太陽光をエネルギー源として電気エネルギーを生成する。
【0026】
PCS32は、コンバータ及びインバータを有する。コンバータは、インバータと太陽光発電設備31とが接続された経路中に設けられている。コンバータは、DC/DCコンバータの機能を有している。コンバータは、太陽光発電設備31から出力された電気エネルギー(電力)を、DC/DCコンバータを介してインバータに出力する。インバータは、連系装置40と電気的に接続されている。インバータは、コンバータと接続されている。インバータは、直流電力を交流電力に変換して、連系装置40に出力する。
【0027】
PCS32は、連系装置40へ送出する電力値(第1電力値)を計測し、計測結果を制御装置10に出力する。また、PCS32は、センサ50が検出した電力値を、連系装置40から系統電力システム7へ送出される電力値(第2電力値)として、センサ50から取得する。PCS32は、取得した第2電力値を制御装置10に出力する。
【0028】
(2.3)計測装置
計測装置60は、例えばスマートメータである。計測装置60は、系統電力システム7の系統電力システム7から送出された電力量を計測する。すなわち、計測装置60は、施設5が系統電力システム7から受電した電力値(受電電力値)を計測する。計測装置60は、計測した受電電力値を制御装置10に出力する。
【0029】
(2.4)連系装置
連系装置40は、PCS32から受電した電力の出力先を切り替える。具体的には、連系装置40は、PCS32から受電した電力の出力先を分電盤70及び系統電力システム7のいずれかに切り替える。すなわち、連系装置40は、PCS32から受電した電力を分電盤70及び系統電力システム7のいずれかに出力する。さらに、連系装置40は、系統電力システム7から受電した電力を分電盤70及び制御装置10に出力する。
【0030】
(2.5)分電盤
分電盤70は、連系装置40に電気的に接続される主幹ブレーカと、主幹ブレーカの二次側に電気的に接続された複数の分岐ブレーカとを備える。通常負荷80及び電気温水器20のそれぞれは、複数の分岐ブレーカのうち1つの分岐ブレーカに電気的に接続されている。分電盤70は、連系装置40から受電した電力を通常負荷80及び電気温水器20に電気的に接続された分岐ブレーカを介して出力する。
【0031】
(2.6)通常負荷及び電気温水器
通常負荷80は、上述したように、照明機器、空調機器等の電気機器である。通常負荷80は、分電盤70から電力が供給されることにより、動作する。
【0032】
電気温水器20は、分電盤70から供給される電力を用いて水を温める。例えば、電気温水器20は、ヒートポンプ方式により水を温める。電気温水器20は、温めた水(温水)を貯水タンクに貯める。
【0033】
電気温水器20は、制御装置10により稼働する期間(稼働期間)が制御される。すなわち、電気温水器20は、制御装置10により稼働期間が変更するよう構成されている。
【0034】
(2.7)制御装置
制御装置10は、図2に示すように、記憶部11、第1通信部12、第2通信部13、第3通信部14、第4通信部15、及び制御部16を備える。
【0035】
制御装置10は、例えば1つ以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部16として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0036】
記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。
【0037】
記憶部11は、計測された電力値を時系列に記憶する。具体的には、記憶部11は、PCS32が計測した第1電力値を時系列に記憶する。記憶部11は、PCS32がセンサ50から取得した第2電力値を時系列に記憶する。さらに、記憶部11は、計測装置60が計測した受電電力値を時系列に記憶する。このとき、記憶部11は、各電力値に、施設5を含む地域での電力値が計測された日の天候に係る天候情報を対応付けて記憶する。天候情報は、図1に示す情報提供装置700から出力される情報である。
【0038】
さらに、記憶部11は、電気温水器20の稼働期間を記憶する。また、記憶部11は、電力調達コストに係る情報、及び電力託送コストに係る情報を記憶している。電力調達コストは、電力小売事業者が電力を調達する際に発生する費用であり、時間帯によって異なる。電力小売事業者は、電力を施設5に提供する際には、電力を施設5に送電する系統電力システム7を利用することになる。電力託送コストは、電力を送電する際に利用する系統電力システム7を運用する系統運用者に、電力小売事業者が支払う費用である。
【0039】
第1通信部12は、電気温水器20と通信するための通信インタフェースを有している。第1通信部12は、電気温水器20と無線又は有線による通信が可能に構成されている。
【0040】
第2通信部13は、PCS32と通信するための通信インタフェースを有している。第2通信部13は、PCS32と無線又は有線による通信が可能に構成されている。
【0041】
第3通信部14は、計測装置60と通信するための通信インタフェースを有している。第3通信部14は、計測装置60と無線又は有線による通信が可能に構成されている。
【0042】
第4通信部15は、インターネット等のネットワークNT1を介して施設5外に設置されたサーバ3及び情報提供装置700と通信するための通信インタフェースを有している。ここで、サーバ3は、制御装置10が決定した電気温水器20の稼働期間を記憶する。サーバ3は、施設5に設けられた発電システム30から送電される電力の販売における第1利益、系統電力システム7から送電される電力の販売における第2利益、及び第1利益と第2利益との合計を記憶する。情報提供装置700は、施設5を含む地域における天候の予想を表す天候予想情報を送信する。
【0043】
制御部16は、図2に示すように、取得部160と、判断部161と、決定部162と、負荷制御部163と、を有する。
【0044】
取得部160は、PCS32及び計測装置60のそれぞれから電力値を取得する。取得部160は、第2通信部13を介して、第1電力値をPCS32から取得する。取得部160は、取得した第1電力値を記憶部11に時系列に記憶する。取得部160は、第2通信部13を介して、第2電力値をPCS32から取得する。取得部160は、取得した第2電力値を記憶部11に時系列に記憶する。取得部160は、第3通信部14を介して、受電電力値を計測装置60から取得する。取得部160は、取得した受電電力値を記憶部11に時系列に記憶する。
【0045】
さらに、取得部160は、第4通信部15を介して、施設5を含む地域での電力値が計測された日の天候に係る天候情報を情報提供装置700から取得する。取得部160は、取得した天候情報を、記憶部11に記憶する。具体的には、取得部160は、PCS32及び計測装置60のそれぞれから取得した各電力値に、施設5を含む地域での電力値が計測された日の天候情報を対応付けて記憶部11に時系列に記憶する。
【0046】
また、取得部160は、電気温水器20の稼働予定日における天候の予想を含む天候予想情報を、情報提供装置700から第4通信部を介して取得する。
【0047】
判断部161は、負荷6である電気温水器20の稼働予定日での施設5を含む地域における天候の予想に基づいて、稼働予定日において発電システム30での発電の可否を判断する。具体的には、判断部161は、取得部160が取得した天候予想情報に含まれる稼働予定日の天候が晴れであることを表す場合には、稼働予定日において発電システム30での発電が可能と判断する。判断部161は、天候予想情報に含まれる稼働予定日の天候が晴れとは異なる天候であることを表す場合には、稼働予定日において発電システム30での発電が不可と判断する。
【0048】
決定部162は、負荷6である電気温水器20の稼働期間を決定する。決定部162は、施設5に設けられた発電システム30から送電される電力の販売における第1利益と、系統電力システム7から送電される電力の販売における第2利益との合計が最大となる、稼働期間を決定する。より詳細には、決定部162は、判断部161が電気温水器20(負荷6)の稼働予定日において発電システム30での発電、すなわち太陽光発電設備31での発電が可能と判断した場合に、稼働予定日での稼働期間を決定する。
【0049】
第1利益は、発電システム30から送出され施設5で利用される電力量に対する第1電力販売額、及び発電システム30から系統電力システム7に送出される電力量に対する余剰電力販売額との合計である。すなわち、第1電力販売額及び余剰電力販売額は、太陽光発電設備31から出力された電力量に対する販売額である。第2利益は、系統電力システム7から送出され施設5で利用される電力量に対する第2電力販売額から、系統電力システム7から電力が送出される際の電力調達コスト及び電力託送コストを減算した値である。施設5で利用される電力量とは、稼働予定日において電気温水器20及び通常負荷80で使用されると予測される電力量である。例えば、第1利益及び第2利益は、1日で得られる利益である。
【0050】
決定部162は、負荷6(電気温水器20)の稼働期間を所定間隔(例えば、60分、90分)ごとに変更させて、所定間隔ごとの稼働期間で得られる第1利益及び第2利益の合計が最大となる稼働期間を決定する。
【0051】
決定部162は、電気温水器20を稼働させる期間を変更させて第1利益及び第2利益の合計が最大となる稼働期間を決定している。すなわち、第1利益及び第2利益の合計は、電気温水器20を稼働させる期間における第1電力販売額、余剰電力販売額、第2電力販売額、電力調達コスト及び電力託送コストに依存している。そこで、決定部162は、基準利益よりも、利益(対象利益)が大きくなるように、稼働期間を決定してもよい。基準利益は、系統電力システム7からの電力で負荷6を所定期間T1(図3参照)で稼働させる場合において所定期間T1で得られる利益である。すなわち、決定部162は、負荷6を所定期間T1(図3参照)で稼働させる場合において所定期間T1で得られる利益よりも対象利益が大きくなるように、稼働期間としての他の期間T12(図4参照)を決定してもよい。ここで、対象利益は、所定期間T1の少なくとも一部の期間T10に代わりに他の期間T12で発電システム30及び系統電力システム7のうち少なくとも発電システム30からの電力で負荷6(電気温水器20)を稼働させる場合において他の期間T12で得られる利益である。さらに対象利益は、第1利益と第2利益との合計に含まれる利益である。ここで、所定期間T1は夜間における時間帯であり、他の期間T12は日中T2(図3図4参照)における時間帯である。夜間は、例えば、22時~翌6時までの時間帯である。日中T2とは、例えば、7時~18時である。
【0052】
ここで、稼働期間の決定について、具体例を用いて説明する。
【0053】
系統電力システム7からの電力で所定期間(夜間)T1に電気温水器20を稼働させる場合において、時間と施設内で使用する電力及び発電システム30で発電した電力との関係を表すグラフG0を図3に示す。また、所定期間T1の少なくとも一部の期間T10に代わりに他の期間T12で発電システム30及び系統電力システム7のうち少なくとも発電システム30からの電力で電気温水器20を稼働させた場合において、時間と施設内で使用する電力及び発電システム30で発電した電力との関係を表すグラフG10を図4に示す。
【0054】
図3に示すデータG1は、所定期間T1において電気温水器20が系統電力システム7からの電力で稼働した場合に使用された電力を表す。データG1の面積が所定期間で使用された電力量となる。本実施形態では、データG1は、記憶部11に予め記憶されている。
【0055】
図3及び図4に示すデータG2は、施設5に設けられた通常負荷80が使用した系統電力システム7からの電力を表す。また、値a1は、系統電力システム7から受電する待機電力を表す。待機電力は、電気温水器20及び通常負荷80が稼働していないとみなされる期間における安定した電力である。
【0056】
図3及び図4に示すデータG3は、発電システム30、すなわち太陽光発電設備31が日中T2で発電した電力を表す。データG3の面積が電力量となる。
【0057】
さらに、図3及び図4に示すデータG4は、発電システム30が発電した電力のうち施設5の通常負荷80が使用した電力を表す。データG4の面積が、発電システム30が発電した電力のうち施設5の通常負荷80が使用した電力量となる。発電システム30が発電した電力のうち施設5の通常負荷80で使用されていない電力、すなわち発電システム30が発電した電力と通常負荷80が使用した電力との差分が余剰電力となる。データG3の面積からデータG4の面積を減算した結果が余剰電力量となる。
【0058】
データG2,G3,G4は、例えば稼働期間を決定する処理が実行される日を基準として過去1か月のうち、天候が晴れである所定日数(例えば10日)での電力値の平均を表す。決定部162は、太陽光発電設備31での発電が可能と判断した場合に、過去1か月のうち、天候が晴れである所定日数(例えば10日)での第1電力値、第2電力値及び受電電力値の平均値を算出する。決定部162は、第1電力値の平均値からデータG3を、第1電力値の平均値から第2電力値の平均値を減算した結果からデータG4を、受電電力値の平均値からデータG2を、それぞれ生成する。決定部162は、予め記憶されているデータG1、及び生成したデータG2~G4を用いてグラフG0を生成する。
【0059】
図4に示すデータG11は、所定期間T1のうち他の期間T12に置き換わった期間T10を除く残りの期間T11で系統電力システム7からの電力で稼働した際に使用された電力を表す。データG11の面積が残りの期間T11で使用された電力量となる。
【0060】
図4に示すデータG12は、期間T10に代わりに他の期間T12で発電システム30及び系統電力システム7のうち少なくとも発電システム30からの電力で電気温水器20を稼働させた場合に使用された電力を表す。データG12の面積が他の期間T12で使用された電力量となる。
【0061】
データG12は、データG13とデータG14とを含む。データG13は、他の期間T12で系統電力システム7からの電力で電気温水器20を稼働させた場合に使用された電力を表す。データG13は、他の期間T12においてデータG3で表される電力の値よりも大きい値を含む領域で示される。データG13の面積が他の期間T12で系統電力システム7からの電力で稼働した際に使用された電力量となる。データG14は、他の期間T12で発電システム30からの電力で電気温水器20を稼働させた場合に使用された電力を表す。データG14は、他の期間T12においてデータG3で表される電力の値以下の値を含む領域で示される。データG14の面積が他の期間T12で発電システム30からの電力で稼働した際に使用された電力量となる。
【0062】
決定部162は、電気温水器20を所定期間T1で稼働させる場合の電力量を取得する。すなわち、決定部162は、データG1に応じた電力量を取得する。決定部162は、所定期間T1での電力調達コスト及び電力託送コストを記憶部11から取得し、データG1に応じた電力量に対する第2販売額から、取得した電力調達コスト及び電力託送コストを減算した結果である基準利益を算出する。
【0063】
決定部162は、所定期間T1の少なくとも一部の期間T10に代わりに他の期間T12を、日中T2の一部に割り当てる。決定部162は、割り当てた期間(他の期間T12)での利益を算出する。例えば、図4に示す他の期間T12では、電気温水器20は、発電システム30からの電力及び系統電力システム7からの電力の双方で稼働している。決定部162は、他の期間T12における、発電システム30から送電される電力の販売に対する利益(第1対象利益)を算出する。決定部162は、残りの期間T11における系統電力システム7から送電される電力の販売に対する利益と、他の期間T12における系統電力システム7から送電される電力の販売に対する利益との合計を第2対象利益として算出する。
【0064】
決定部162は、第1対象利益と第2対象利益との合計値を算出する。より詳細には、決定部162は、他の期間T12において、発電システム30から送出され電気温水器20で利用される電力量に対する第1電力販売額、及び発電システム30から系統電力システムに送出される電力量に対する余剰電力販売額との合計を第1対象利益として算出する。決定部162は、残りの期間T11及び他の期間T12のそれぞれにおいて、系統電力システム7から送出され電気温水器20で利用される電力量に対する第2電力販売額から、他の期間T12における電力調達コスト及び電力託送コストを減算した値を算出する。決定部162は、残りの期間T11及び他の期間T12のそれぞれにおいて算出した値の合計を第2対象利益として算出する。決定部162は、算出した第1対象利益と第2対象利益との合計値を算出する。ここで、所定期間T1で負荷6(電気温水器20)を稼働させた場合には他の期間T12においては余剰電力を販売することによる利益が得られる。しかしながら、他の期間T12で負荷6(電気温水器20)を稼働させることで、余剰電力を販売することによる利益が第1対象利益に置き換わっている。そこで、決定部162は、第1対象利益と第2対象利益との合計値から余剰電力を販売することによる利益を減算することで、他の期間T12での最終的な利益(対象利益)を求める。決定部162は、日中T2のうち他の期間T12として割り当てる期間(割当期間)を変更しつつ、複数の割当期間のそれぞれについて、対象利益を算出する。
【0065】
決定部162は、複数の割当期間についてそれぞれ算出した複数の対象利益のうち、基準利益よりも大きい対象利益に対応する他の期間T12を稼働期間として決定する。基準利益よりも大きい対象利益が複数存在する場合には、決定部162は、基準利益との差分が最も大きい対象に対応する他の期間T12を稼働期間として決定する。このとき、決定部162は、残りの期間T11も稼働期間として決定する。上述したように、第1利益及び第2利益の合計は、電気温水器20を稼働させる期間における第1電力販売額、余剰電力販売額、第2電力販売額、電力調達コスト及び電力託送コストに依存している。そこで、電気温水器20を稼働させることで得られる利益を最大とすることで、第1利益及び第2利益の合計が最大となる。
【0066】
決定部162は、決定した稼働期間と稼働予定日とを含む情報をスケジュール情報として記憶部11に記憶する。ここでは、決定部162は、他の期間T12及び残りの期間T11を稼働期間とし、当該稼働期間と稼働予定日とを含むスケジュール情報を記憶部11に記憶する。
【0067】
負荷制御部163は、第1通信部12を介した通信により、施設5に設けられた負荷6である電気温水器20を制御する。負荷制御部163は、決定部162が決定した稼働期間で稼働するよう負荷6である電気温水器20を制御する。
【0068】
具体的には、負荷制御部163は、所定時刻(例えば、午前0時)になると、現在の日と同一の稼働予定日を含むスケジュール情報が記憶部11に記憶されているか否かを判断する。現在の日と同一の稼働予定日を含むスケジュール情報が記憶部11に記憶されていると判断する場合、負荷制御部163は、当該稼働予定日を含むスケジュール情報を取得する。負荷制御部163は、取得したスケジュール情報に含まれる稼働期間を基に電気温水器20の制御を開始する。負荷制御部163は、稼働期間の開始時刻(例えば、残りの期間T11の開始時刻、他の期間T12の開始時刻)になると、電気温水器20を稼働させる。負荷制御部163は、稼働期間の終了時刻(例えば、残りの期間T11の終了時刻、他の期間T12の終了時刻)になると、電気温水器20を停止させる。このとき、連系装置40は、発電システム30の電力を使用する場合には、PCS32から送電された電力を分電盤70に出力する。連系装置40は、系統電力システム7の電力を使用する場合には、系統電力システム7から送電された電力を分電盤70に出力する。
【0069】
現在の日と同一の稼働予定日を含むスケジュール情報が記憶部11に記憶されていないと判断する場合、負荷制御部163は、夜間、例えば図3に示す所定期間T1で稼働するよう電気温水器20を制御する。
【0070】
(3)動作
(3.1)決定処理
ここでは、制御装置10が電気温水器20の稼働期間を決定する決定処理の動作について、図5を用いて説明する。
【0071】
取得部160は、電気温水器20の稼働予定日における天候の予想を含む天候予想情報を、情報提供装置700から取得する(ステップS1)。
【0072】
判断部161は、稼働予定日において発電システム30での発電が可能であるか否かを判断する(ステップS2)。判断部161は、取得部160が取得した天候予想情報に含まれる稼働予定日の天候が晴れとは異なる天候であることを表す場合には、稼働予定日において発電システム30での発電が不可と判断する。判断部161は、取得部160が取得した天候予想情報に含まれる稼働予定日の天候が晴れであることを表す場合には、稼働予定日において発電システム30での発電が可能と判断する。
【0073】
稼働予定日において発電システム30での発電が不可と判断すると(ステップS2における「No」)、処理は終了する。
【0074】
稼働予定日において発電システム30での発電が可能であると判断部161が判断すると(ステップS2における「Yes」)、稼働予定日での電気温水器20の稼働期間を決定する(ステップS3)。決定部162は、発電システム30から送電される電力の販売における第1利益と、系統電力システム7から送電される電力の販売における第2利益との合計が最大となる、稼働期間を決定する。
【0075】
決定部162は、ステップS3で決定した稼働期間を記憶する記憶処理を行う(ステップS4)。具体的には、決定部162は、決定した稼働期間と稼働予定日とを含む情報をスケジュール情報として記憶部11に記憶する。一例として、決定部162は、他の期間T12及び残りの期間T11を稼働期間とし、当該稼働期間と稼働予定日とを含むスケジュール情報を記憶部11に記憶する。
【0076】
(3.2)制御処理
ここでは、制御装置10が電気温水器20に対する制御処理の動作について、図6を用いて説明する。
【0077】
負荷制御部163は、所定時刻(例えば、午前0時)になると、現在の日と同一の稼働予定日を含むスケジュール情報が記憶部11に記憶されているか否かを判断する(ステップS11)。
【0078】
現在の日と同一の稼働予定日を含むスケジュール情報が記憶部11に記憶されていると判断する場合(ステップS11における「Yes」)、負荷制御部163は、当該稼働予定日を含むスケジュール情報を取得する(ステップS12)。
【0079】
負荷制御部163は、取得したスケジュール情報を基に第1制御処理を行う(ステップS13)。負荷制御部163は、取得したスケジュール情報に含まれる稼働期間を基に電気温水器20の制御を開始する。負荷制御部163は、稼働期間の開始時刻(例えば、残りの期間T11の開始時刻、他の期間T12の開始時刻)になると、電気温水器20を稼働させる。負荷制御部163は、稼働期間の終了時刻(例えば、残りの期間T11の終了時刻、他の期間T12の終了時刻)になると、電気温水器20を停止させる。
【0080】
現在の日と同一の稼働予定日を含むスケジュール情報が記憶部11に記憶されていないと判断する場合(ステップS11における「No」)、負荷制御部163は、第2制御処理を行う(ステップS14)。負荷制御部163は、夜間、例えば図3に示す所定期間T1で稼働するよう電気温水器20を制御する。
【0081】
(4)利点
以上説明したように、実施形態の制御システム1(制御装置10)は、負荷制御部163と、決定部162と、を備える。負荷制御部163は、施設5に設けられた負荷6(例えば電気温水器20)を制御する。決定部162は、負荷6の稼働期間を決定する。決定部162は、施設5に設けられた発電システム30から送電される電力の販売における第1利益と、系統電力システム7から送電される電力の販売における第2利益との合計が最大となる、稼働期間を決定する。負荷制御部163は、決定部162が決定した稼働期間で稼働するよう負荷6を制御する。
【0082】
この構成によると、制御システム1は、第1利益と第2利益との合計が最大となる稼働期間で負荷6(電気温水器20)を制御する。すなわち、負荷6を制御して発電システム30を介した電力の販売及び系統電力システム7を介した電力の販売により多くの利益を得ることができる。より詳細には、施設5のユーザに発電システム30の電力を利用してもらいつつ、発電システム30を介した電力の販売及び系統電力システム7を介した電力の販売により多くの利益を得ることができる。
【0083】
(5)変形例
以下に、変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0084】
(5.1)変形例1
電気温水器20の稼働期間の決定は、サーバ3で行ってもよい。この場合、制御システム1は、制御装置10とサーバ3とを備える構成となる。
【0085】
また、電気温水器20の稼働期間の決定、及び決定した稼働期間での電気温水器20の制御は、サーバ3で行ってもよい。このとき、制御装置10は中継器として機能する。つまり、サーバ3は、制御装置10を介して電気温水器20を制御する。稼働期間の決定及び稼働期間での電気温水器20の制御をサーバ3で行う場合、制御システム1は、制御装置10及びサーバ3のうち少なくともサーバ3を備える構成となる。
【0086】
(5.2)変形例2
制御装置10は、PCS32及び計測装置60から取得した各電力値をサーバ3にネットワークNT1を介して送信してもよい。サーバ3は、制御装置10から受け取った各電力値を基に、施設5のユーザが支払うべき金額を算出してユーザに通知する。または、サーバ3は、制御装置10から受け取った各電力値に基づいた、施設5で使用した電力量に関する情報(例えば、1日で使用した電力量の変化を表す情報)をユーザに通知する。
【0087】
または、サーバ3は、制御装置10から受け取った各電力値を、更に別のサーバに送信してもよい。別のサーバは、サーバ3から受け取った各電力値を基に、施設5のユーザが支払うべき金額を算出してユーザに通知してもよい。または、サーバ3は、サーバ3から受け取った各電力値に基づいた、施設5で使用した電力量に関する情報(例えば、1日で使用した電力量の変化を表す情報)をユーザに通知してもよい。ここで、別のサーバは、例えばPPA事業者のサーバであってもよいし、電力小売事業者のサーバであってもよい。または、別のサーバは、PPA事業者と電力小売事業者とが属する企業グループの別の業者のサーバであってもよい。
【0088】
(5.3)変形例3
発電システム30として太陽光発電設備31を一例として説明したが、発電システム30は太陽光発電設備31を備える構成に限定されない。
【0089】
発電システム30は、水力発電設備を備えてもよいし、風力発電設備を備えてもよい。
【0090】
または、発電システム30は、太陽光発電設備31、水力発電設備及び風力発電設備のうち2つ以上の設備を備える構成であってもよい。すなわち、発電システム30は、太陽光発電設備31、水力発電設備及び風力発電設備のうち少なくとも1つの設備を備える構成である。
【0091】
(5.4)変形例4
所定期間T1は、夜間に限定されない。所定期間T1は、日中であってもよい。
【0092】
また、発電システム30が水力発電設備及び風力発電設備のうち少なくとも一方を含む場合、他の期間T12は、夜間であってもよい。
【0093】
(5.5)変形例5
制御システム1が稼働期間を決定し、決定した稼働期間で制御する負荷6として電気温水器20を一例として説明しているが、制御システム1が稼働期間を決定し、決定した稼働期間で制御する負荷6として電気温水器20に限定されない。制御システム1が稼働期間を決定し、決定した稼働期間で制御する負荷6は、例えば、蓄電装置であってもよいし、電気自動車(EV:Electric Vehicle)であってもよい。
【0094】
(その他の変形例)
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0095】
また、制御システム1と同様の機能は、制御方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る制御方法は、負荷制御ステップと、決定ステップと、を含む。負荷制御ステップは、施設5に設けられた負荷6(例えば、電気温水器20)を制御する。決定ステップは、負荷6の稼働期間を決定する。決定ステップでは、施設5に設けられた発電システム30から送電される電力の販売における第1利益と、系統電力システム7から送電される電力の販売における第2利益との合計が最大となる、稼働期間を決定する。負荷制御ステップでは、決定ステップで決定した稼働期間で稼働するよう負荷6を制御する。一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、上述した制御方法として実行させるためのプログラムである。
【0096】
本開示における制御システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0097】
また、制御システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは制御システム1に必須の構成ではなく、制御システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、制御システム1の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0098】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の制御システム(1)は、負荷制御部(163)と、決定部(162)と、を備える。負荷制御部(163)は、施設(5)に設けられた負荷(6)(例えば電気温水器20)を制御する。決定部(162)は、負荷(6)の稼働期間を決定する。決定部(162)は、施設(5)に設けられた発電システム(30)から送電される電力の販売における第1利益と、系統電力システム(7)から送電される電力の販売における第2利益との合計が最大となる、稼働期間を決定する。負荷制御部(163)は、決定部(162)が決定した稼働期間で稼働するよう負荷(6)を制御する。
【0099】
この態様によると、制御システム(1)は、第1利益と第2利益との合計が最大となる稼働期間で負荷(6)を制御する。すなわち、負荷(6)を制御して発電システム(30)を介した電力の販売及び系統電力システム(7)を介した電力の販売により多くの利益を得ることができる。より詳細には、施設(5)のユーザに発電システム(30)の電力を利用してもらいつつ、発電システム(30)を介した電力の販売及び系統電力システム(7)を介した電力の販売により多くの利益を得ることができる。
【0100】
第2の態様の制御システム(1)では、第1の態様において、第1利益は、発電システム(30)から送出され施設(5)で利用される電力量に対する第1電力販売額、及び発電システム(30)から系統電力システム(7)に送出される電力量に対する余剰電力販売額との合計である。第2利益は、系統電力システム(7)から送出され施設(5)で利用される電力量に対する第2電力販売額から、系統電力システム(7)から電力が送出される際の電力調達コスト及び電力託送コストを減算した値である。
【0101】
この態様によると、負荷(6)を制御して発電システム(30)を介した電力の販売及び系統電力システム(7)を介した電力の販売により多くの利益を得ることができる。
【0102】
第3の態様の制御システム(1)では、第2の態様において、発電システム(30)は、太陽光発電設備(31)を含む。第1電力販売額及び余剰電力販売額は、太陽光発電設備(31)から出力される電力量に対する販売額である。
【0103】
この態様によると、太陽光発電による電力を基に利益を得ることができる。
【0104】
第4の態様の制御システム(1)は、第1~第3のいずれかの態様において、判断部(161)を、更に備える。判断部(161)は、負荷(6)の稼働予定日での施設(5)を含む地域における天候の予想に基づいて、稼働予定日において発電システム(30)での発電の可否を判断する。決定部(162)は、判断部(161)が稼働予定日において発電システム(30)での発電が可能と判断した場合に、稼働予定日での稼働期間を決定する。
【0105】
この態様によると、負荷(6)の稼働予定日での発電の可否に応じて稼働予定日での稼働期間を決定することができる。
【0106】
第5の態様の制御システム(1)では、第1~第4のいずれかの態様において、決定部(162)は、基準利益よりも、利益(対象利益)が大きくなるように、稼働期間としての他の期間(T12)を決定する。基準利益は、系統電力システム(7)からの電力で負荷(6)を所定期間(T1)で稼働させる場合において所定期間(T1)で得られる利益である。対象利益は、所定期間(T1)の少なくとも一部の期間(T10)に代わりに他の期間(T12)で発電システム(30)及び系統電力システム(7)のうち少なくとも発電システム(30)からの電力で負荷(6)を稼働させる場合において他の期間(T12)得られる利益であり第1利益と第2利益との合計に含まれる利益である。
【0107】
この態様によると、基準利益を基に、第1利益及び第2利益の合計の最大値を求めることができる。
【0108】
第6の態様の制御システム(1)では、第5の態様において、所定期間(T1)は夜間であり、他の期間(T12)は日中の時間帯である。
【0109】
この態様によると、負荷(6)を日中の時間帯に稼働させつつ、発電システム(30)を介した電力の販売及び系統電力システム(7)を介した電力の販売により多くの利益を得ることができる。
【0110】
第7の態様の制御システム(1)では、第1~第6のいずれかの態様において、負荷(6)は、電気温水器(20)である。
【0111】
この態様によると、稼働期間に電気温水器(20)が稼働するよう制御することで、発電システム(30)を介した電力の販売及び系統電力システム(7)を介した電力の販売により多くの利益を得ることができる。
【0112】
第8の態様の制御方法は、負荷制御ステップと、決定ステップと、を含む。負荷制御ステップは、施設(5)に設けられた負荷(6)(例えば電気温水器20)を制御する。決定ステップは、負荷(6)の稼働期間を決定する。決定ステップでは、施設(5)に設けられた発電システム(30)から送電される電力の販売における第1利益と、系統電力システム(7)から送電される電力の販売における第2利益との合計が最大となる、稼働期間を決定する。負荷制御ステップでは、決定ステップで決定した稼働期間で稼働するよう負荷(6)を制御する。
【0113】
この態様によると、発電システム(30)を介した電力の販売及び系統電力システム(7)を介した電力の販売により多くの利益を得ることができる。
【0114】
第9の態様のプログラムは、第8の態様の制御方法を、コンピュータシステムに実行させるためのプログラムである。
【0115】
この態様によると、発電システム(30)を介した電力の販売及び系統電力システム(7)を介した電力の販売により多くの利益を得ることができる。
【0116】
第10の態様の連系システム(2)は、第1~第7のいずれかの態様の制御システム(1)と、発電システム(30)と、を備える。
【0117】
この態様によると、発電システム(30)を介した電力の販売及び系統電力システム(7)を介した電力の販売により多くの利益を得ることができる。
【符号の説明】
【0118】
1 制御システム
2 連系システム
6 負荷
7 系統電力システム
10 制御装置
20 電気温水器
30 発電システム
31 太陽光発電設備
161 判断部
162 決定部
163 負荷制御部
T1 所定期間
T12 他の期間
図1
図2
図3
図4
図5
図6