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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178058
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20231207BHJP
【FI】
H05K13/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091105
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】上田 一貴
(72)【発明者】
【氏名】小沼 慎弥
(72)【発明者】
【氏名】大蘆 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】松尾 誠一
(72)【発明者】
【氏名】藤 真二
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC04
5E353CC05
5E353CC12
5E353EE61
5E353JJ02
5E353KK01
5E353KK11
5E353NN18
5E353QQ30
(57)【要約】
【課題】実装制御処理における遅延の発生を抑制しながらデータ収集を行うことができる部品実装装置を提供する。
【解決手段】部品装着装置M3は、部品を基板に装着するためのユニットと、ユニットを制御する実装制御コントローラ100と、ユニットからユニットの動作に関するログデータを収集するデータ収集コントローラ200と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品実装装置であって、
部品を基板に装着するためのユニットと、
前記ユニットを制御する実装制御コントローラと、
前記ユニットから前記ユニットの動作に関するログデータを収集するデータ収集コントローラと、を備える、
部品実装装置。
【請求項2】
前記ユニットは、前記実装制御コントローラが接続される入出力部と、前記データ収集コントローラが接続される入出力部と、をそれぞれ有する、
請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
さらに、前記ユニットに接続された通信経路を、前記実装制御コントローラおよび前記データ収集コントローラへと分岐する分岐ユニットを備える、
請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記データ収集コントローラは、収集した前記ログデータを、前記部品実装装置の外部の装置に転送するログデータ転送部を有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【請求項5】
部品実装装置であって、
部品を基板に装着するためのユニットと、
前記ユニットを制御する実装制御コントローラと、を備え、
前記ユニットは、前記ユニットの動作に関するログデータを、前記部品実装装置の外部の装置に送信するログデータ送信部を有する、
部品実装装置。
【請求項6】
前記ユニットは、実装ヘッド、カメラ、フィーダ、XY移動機構または基板搬送機構である、
請求項5に記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板への部品の実装工程において生じた問題について解析するために、基板への部品の実装工程において生じる部品実装情報を収集することができる部品実装情報収集装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-165127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された部品実装情報収集装置では、1つのコントローラによって、部品を基板に装着するための実装ヘッドなどユニットの動作を行わせる実装制御処理と、データを収集するデータ収集処理とが行われるため、処理負荷が高く、実装制御処理において遅延が発生し得る。
【0005】
そこで、本開示は、実装制御処理における遅延の発生を抑制しながらデータ収集を行うことができる部品実装装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る部品実装装置は、部品実装装置であって、部品を基板に装着するためのユニットと、前記ユニットを制御する実装制御コントローラと、前記ユニットから前記ユニットの動作に関するログデータを収集するデータ収集コントローラと、を備える。
【0007】
なお、これらの包括的または具体的な側面は、システム、装置、方法、記録媒体、または、コンピュータプログラムで実現されてもよく、システム、装置、方法、記録媒体、および、コンピュータプログラムの任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る部品実装装置によれば、実装制御処理における遅延の発生を抑制しながらデータ収集を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る部品実装システムの上面視図である。
図2】実施の形態に係る部品実装装置の上面視図である。
図3】実施の形態に係る部品実装装置の側面視図である。
図4】実施の形態に係る部品実装装置の構成の第一例を示すブロック図である。
図5】実施の形態に係る部品実装装置の構成の第二例を示すブロック図である。
図6】実施の形態に係る部品実装装置の構成の第三例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の部品実装装置は、部品実装装置であって、部品を基板に装着するためのユニットと、前記ユニットを制御する実装制御コントローラと、前記ユニットから前記ユニットの動作に関するログデータを収集するデータ収集コントローラと、を備える。
【0011】
これによれば、実装制御処理とデータ収集処理とが1つのコントローラによって行われず、実装制御コントローラにより実装制御処理が行われ、データ収集コントローラによりデータ収集処理が行われるため、実装制御コントローラでの処理負荷を抑制できる。したがって、実装制御処理における遅延の発生を抑制しながらデータ収集を行うことができる。
【0012】
例えば、前記ユニットは、前記実装制御コントローラが接続される入出力部と、前記データ収集コントローラが接続される入出力部と、をそれぞれ有していてもよい。
【0013】
これによれば、ユニットに、実装制御コントローラが接続される入出力部と、データ収集コントローラが接続される入出力部とをそれぞれ設けることで、実装制御処理とデータ収集処理とをそれぞれ異なるコントローラに行わせることができる。
【0014】
例えば、さらに、前記ユニットに接続された通信経路を、前記実装制御コントローラおよび前記データ収集コントローラへと分岐する分岐ユニットを備えていてもよい。
【0015】
これによれば、ユニットに接続された通信経路を分岐ユニットによって分岐させ、分岐後の通信経路を実装制御コントローラおよびデータ収集コントローラに接続することで、実装制御処理とデータ収集処理とをそれぞれ異なるコントローラに行わせることができる。また、例えば、ユニットに対して、実装制御コントローラ用の入出力部とデータ収集コントローラ用の入出力部を設けるといった仕様変更をすることなく、既存のユニットに分岐ユニットを適用するだけで、実装制御処理における遅延の発生を抑制しながらデータ収集を行うことができる。
【0016】
例えば、前記データ収集コントローラは、収集した前記ログデータを、前記部品実装装置の外部の装置に転送するログデータ転送部を有していてもよい。
【0017】
これによれば、収集されたログデータを外部の装置などによって解析することができる。
【0018】
本開示の部品実装装置は、部品実装装置であって、部品を基板に装着するためのユニットと、前記ユニットを制御する実装制御コントローラと、を備え、前記ユニットは、前記ユニットの動作に関するログデータを、前記部品実装装置の外部の装置に送信するログデータ送信部を有する。
【0019】
これによれば、実装制御処理とデータ収集処理とが1つのコントローラによって行われず、実装制御コントローラにより実装制御処理が行われ、部品実装装置においてユニットからいったんログデータを収集せずユニットがログデータを直接外部の装置に送信するため、実装制御コントローラでの処理負荷を抑制できる。したがって、実装制御処理における遅延の発生を抑制しながらデータ収集を行うことができる。
【0020】
例えば、前記ユニットは、実装ヘッド、カメラ、フィーダ、XY移動機構または基板搬送機構であってもよい。
【0021】
このように、部品実装装置が備える実装ヘッド、カメラ、フィーダ、XY移動機構または基板搬送機構から直接外部の装置にログデータを送信することができる。
【0022】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。
【0023】
(実施の形態)
以下、図1から図6を用いて実施の形態について説明する。
【0024】
図1は、実施の形態に係る部品実装システムの上面視図である。
【0025】
部品実装システムは、基板に電子部品などの部品を半田接合などにより装着して実装することで実装基板を生産する機能を有している。なお、部品が接着剤などにより基板に接合して装着されることで、実装基板が生成されてもよい。部品が装着された基板を生産するために、部品実装システムは、各種生産装置および各種検査装置などを連結した構成を有する生産ラインと、生産ラインとネットワーク2で接続された管理装置3とを備えている。
【0026】
部品実装システムは、基板供給装置M1、スクリーン印刷装置M2、部品実装装置M3~M6、リフロー装置M7、基板回収装置M8、基板外観検査装置M9および基板出荷検査装置M10を備えている。スクリーン印刷装置M2、部品実装装置M3~M6およびリフロー装置M7は生産装置の一例である。基板外観検査装置M9および基板出荷検査装置M10は、検査装置の一例である。基板供給装置M1、スクリーン印刷装置M2、部品実装装置M3~M6、リフロー装置M7、基板回収装置M8、基板外観検査装置M9および基板出荷検査装置M10は、生産ラインを構成する。生産ラインは、ネットワーク2によって管理装置3と接続されており、管理装置3は、生産ラインにおける生産管理に関する制御を行う。管理装置3は、外部の装置の一例である。ネットワーク2は、例えば有線ネットワークであるが、無線ネットワークであってもよい。なお、生産ラインにおける生産装置および検査装置は、外部サーバなどの外部の装置と有線ネットワークまたは無線ネットワークで接続されていてもよい。生産ラインには、搬送コンベアが設けられており、基板などが搬送コンベアによって上流(図1の左側)から下流(図1の右側)へ搬送される。
【0027】
基板供給装置M1は、複数の基板を収納するラックなどの収納部を備え、収納部から取り出した基板を下流側の装置に供給する基板供給作業を実行する。スクリーン印刷装置M2は、印刷作業部に実装されたスクリーンマスクを介して上流側から搬入された基板に半田を印刷する半田印刷作業を実行する。なお、生産ラインは、スクリーン印刷装置M2と並設して、もしくはスクリーン印刷装置M2の代わりにディスペンサを用いて半田を基板に塗布する半田塗布装置を備えてもよい。スクリーン印刷装置M2および半田塗布装置は、基板に半田を堆積させる印刷装置である。
【0028】
部品実装装置M3~M6は、半田が堆積された基板に部品を実装ヘッドで装着する部品実装作業を実行する。なお、生産ラインは、部品実装装置M3~M6が4台の構成に限定されることなく、部品実装装置M3~M6が1~3台であっても5台以上であってもよい。リフロー装置M7は、装置内に搬入された基板を基板加熱部によって加熱して、基板上の半田を硬化させ、基板の電極部と部品とを接合する基板加熱作業を実行する。基板回収装置M8は、複数の基板を収納するラックなどの収納部を備え、上流側の装置が搬出する基板を受け取って収納部に回収する基板回収作業を実行する。
【0029】
基板外観検査装置M9および基板出荷検査装置M10は、部品が実装された基板の検査を行う。基板外観検査装置M9は、基板の外観検査を行う。具体的には、基板外観検査装置M9は、例えば半田ブリッジなどの有無の検査や、基板上のゴミの有無の検査などを、カメラなどを用いて行う。基板出荷検査装置M10は、基板の導通検査などを行う。
【0030】
次に図2および図3を参照して、部品実装装置M3~M6の構成を説明する。なお、以下では、部品実装装置M3に着目して説明し、部品実装装置M4~M6については基本的には部品実装装置M3と同様の構成となっているため説明を省略する。
【0031】
図2は、実施の形態に係る部品実装装置M3の上面視図である。
【0032】
図3は、実施の形態に係る部品実装装置M3の側面視図である。
【0033】
部品実装装置M3は、部品Dを基板Bに実装する機能を有している。図2において、基台6の中央には、基板搬送機構7がX方向に設置されている。基板搬送機構7は、部品を基板に装着するためのユニットの一例である。基板搬送機構7は、上流側から搬入された基板BをX方向へ搬送し、以下に説明する実装ヘッド12による実装作業位置に位置決めして保持する。また、基板搬送機構7は、部品実装作業が完了した基板Bを下流側に搬出する。基板搬送機構7の両側方には、部品供給部8が設置されている。
【0034】
部品供給部8には、それぞれ複数のフィーダ(テープフィーダ)9がX方向に並列に実装された台車5が取り付けられている。フィーダ9は、部品Dを格納するポケットが形成されたキャリアテープを部品供給部8の外側から基板搬送機構7に向かう方向(テープ送り方向)にピッチ送りすることにより、実装ヘッド12が部品Dをピックアップする部品取出し位置に部品Dを供給する。なお、部品Dを供給するフィーダはフィーダ9(テープフィーダ)の他、トレイに載置した部品Dを供給するトレイフィーダ、中空のスティックに整列保持した部品Dを供給するスティックフィーダなどであってもよい。フィーダ9は、部品を基板に装着するためのユニットの一例である。
【0035】
図2において、基台6の上面におけるX方向の両端部には、リニア駆動機構を備えたY軸テーブル10が配置されている。Y軸テーブル10には、同様にリニア駆動機構を備えたビーム11がY方向に移動自在に結合されている。ビーム11には、実装ヘッド12がX方向に移動自在に実装されている。実装ヘッド12は、複数のノズルユニット12aを備えている。例えば、実装ヘッド12には、複数のノズルユニット12aが2列に並べられている。例えば、実装ヘッド12は、ノズルユニット12aの数などが異なる複数の種類が準備されている。実装ヘッド12は、部品を基板に装着するためのユニットの一例である。
【0036】
図3において、各ノズルユニット12aの下端部には、部品Dを真空吸着して保持する吸着ノズル12bが実装されている。吸着ノズル12bは、吸着する部品Dのサイズや形状などに対応して、ノズルの形状などが異なる複数の種類が準備されている。
【0037】
図2において、Y軸テーブル10およびビーム11は、実装ヘッド12を水平方向(X方向、Y方向)に移動させるXY移動機構13を構成する。XY移動機構13は、部品を基板に装着するためのユニットの一例である。XY移動機構13および実装ヘッド12は、部品供給部8に実装されているフィーダ9の部品取出し位置から部品Dを吸着ノズル12bによって吸着してピックアップする。そして、XY移動機構13は、基板搬送機構7に保持された基板Bの実装位置に実装ヘッド12を移送して実装する部品実装作業を実行する。
【0038】
実装ヘッド12がフィーダ9から部品Dを取り出して基板Bに実装するまでの時間は、台車5におけるフィーダ9の位置(部品実装装置の構成)に依存する。例えば、基板Bに実装される実装点数が多い部品Dを供給するフィーダ9を台車5の中心付近に配置することで、実装ヘッド12の移動距離を縮小して実装時間を短縮することができる。
【0039】
図2および図3において、ビーム11には、ビーム11の下面側に位置し、実装ヘッド12とともに一体的に移動するヘッドカメラ14が実装されている。ヘッドカメラ14は、部品を基板に装着するためのユニットの一例である。実装ヘッド12が移動することにより、ヘッドカメラ14は基板搬送機構7の実装作業位置に位置決めされた基板Bの上方に移動して、基板Bに設けられた基板マーク(図示せず)を撮像して基板Bの位置を認識する。
【0040】
部品供給部8と基板搬送機構7との間には、部品認識カメラ15が設置されている。部品認識カメラ15は、部品を基板に装着するためのユニットの一例である。部品認識カメラ15は、部品供給部8から部品Dを取り出した実装ヘッド12が上方を移動する際に、吸着ノズル12bに保持された部品Dを撮像して保持位置などを認識する。実装ヘッド12による部品Dの基板Bへの部品実装作業では、ヘッドカメラ14による基板Bの認識結果と部品認識カメラ15による部品Dの認識結果とを加味して実装位置の補正が行われる。
【0041】
図3において、台車5の前側には、部品Dを収納するキャリアテープ16が巻回されたリール17が保持されている。フィーダ9は、リール17に収納されているキャリアテープ16をテープ送り方向に搬送して実装ヘッド12による部品取り出し位置に部品Dを供給する。フィーダ9は、搬送するキャリアテープ16の幅に対応して幅などが異なる複数の種類が準備されている。
【0042】
次に、図4から図6を参照して、部品実装装置M3の制御系の構成を説明する。以下では、部品実装装置M3の構成例として、第一例から第三例を説明する。
【0043】
図4は、実施の形態に係る部品実装装置M3の構成の第一例を示すブロック図である。
【0044】
部品実装装置M3は、実装制御コントローラ100、データ収集コントローラ200および記憶部300を備える。なお、図4には、実装制御コントローラ100によって制御されるユニットである、実装ヘッド12、XY移動機構13、部品認識カメラ15、フィーダ9および基板搬送機構7も示している。例えば、各ユニットは、実装制御コントローラ100から発行される通信コマンドに基づいて制御される。
【0045】
実装制御コントローラ100は、ユニット(例えば実装ヘッド12、XY移動機構13、部品認識カメラ15、フィーダ9および基板搬送機構7)を制御する。実装制御コントローラ100は、プロセッサ、メモリおよび通信インタフェースなどにより実現され、メモリに記憶された各種のプログラムおよびデータに基づいて、ユニットを制御する。
【0046】
データ収集コントローラ200は、ログデータ収集部210およびログデータ転送部220を備える。データ収集コントローラ200は、プロセッサ、メモリおよび通信インタフェースなどにより実現され、メモリに記憶された各種のプログラムおよびデータに基づいて、ログデータ収集部210およびログデータ転送部220などの構成要素を制御する。
【0047】
ログデータ収集部210は、ユニット(例えば実装ヘッド12、XY移動機構13、部品認識カメラ15、フィーダ9および基板搬送機構7)からユニットの動作に関するログデータを収集する。
【0048】
実装ヘッド12の動作に関するログデータは、例えば、吸着ノズル12bによるエアーの吸い込みおよび吹き出しの際のエアー流量のデータ、ならびに、エアーの吸い込みおよび吹き出しを切り替えるバルブの応答性のデータなどである。
【0049】
部品認識カメラ15の動作に関するログデータは、例えば、部品認識カメラ15が撮像した部品の画像データまたは撮像時の照明条件などである。
【0050】
XY移動機構13の動作に関するログデータは、サーボモータのトルクデータ、移動の指令値と現在値との差異のデータ、および、モータの振動のデータなどである。
【0051】
フィーダ9の動作に関するログデータは、部品を送り出す際のトルクデータなどである。
【0052】
基板搬送機構7の動作に関するログデータは、例えば、搬送モータの速度波形または基板検出センサのON/OFFタイミングなどである。
【0053】
ログデータ転送部220は、収集したログデータを部品実装装置M3の外部の装置(例えば管理装置3または外部サーバなど)に転送する。
【0054】
実装制御コントローラ100とデータ収集コントローラ200とは、それぞれ異なるプロセッサにより実現される。例えば、実装制御コントローラ100およびデータ収集コントローラ200は、それぞれ異なる筐体に配置されていてもよい。あるいは、実装制御コントローラ100およびデータ収集コントローラ200は、1つの筐体に配置されてもよい。ただし、この場合には、実装制御コントローラ100およびデータ収集コントローラ200は、当該筐体内においてそれぞれ異なるプロセッサによって実現される。
【0055】
記憶部300は、ログデータ310を記憶する。ログデータ310は、データ収集コントローラ200によって収集されたログデータである。また、記憶部300に記憶されたログデータ310は、データ収集コントローラ200によって、外部の装置へ転送される。なお、記憶部300は、実装データおよび部品データなどを記憶していてもよい。実装データには、基板への部品の実装作業に際して参照されるデータであり、実装の対象とされている基板品種のデータ、実装に用いられる吸着ノズル12bのデータ、部品の実装位置のデータなどが含まれる。部品データには、各実装位置に実装される部品の種類やサイズのデータなどが含まれる。
【0056】
実装制御処理とデータ収集処理とが1つのコントローラによって行われず、実装制御コントローラ100により実装制御処理が行われ、データ収集コントローラ200によりデータ収集処理が行われるため、実装制御コントローラ100での処理負荷を抑制できる。したがって、実装制御処理における遅延の発生を抑制しながらデータ収集を行うことができる。
【0057】
第一例では、ユニットは、実装制御コントローラ100が接続される入出力部と、データ収集コントローラ200が接続される入出力部と、をそれぞれ有する。例えば、ユニットは、実装制御コントローラ100用の入出力端子を介して実装制御コントローラ100に制御され、また、データ収集コントローラ200用の入出力端子を介してログデータが収集される。これにより、実装制御処理とデータ収集処理とをそれぞれ異なるコントローラに行わせることができる。
【0058】
図5は、実施の形態に係る部品実装装置M3の構成の第二例を示すブロック図である。
【0059】
以下では第二例について、第一例と異なる点を中心に説明する。
【0060】
第一例は、ユニットに実装制御コントローラ100用の通信経路およびデータ収集コントローラ200用の通信経路がそれぞれ接続されている例であるが、第二例では、ユニットに1つの通信経路が接続され、ユニットは、実装制御コントローラ100が接続される入出力部と、データ収集コントローラ200が接続される入出力部とをそれぞれ有していなくてもよい。
【0061】
第二例では、部品実装装置M3は、さらに、分岐ユニット400を備える。
【0062】
分岐ユニット400は、ユニットに接続された通信経路を、実装制御コントローラ100およびデータ収集コントローラ200へと分岐する。例えば、分岐ユニット400は、三又状の導体パターンを有する基板であってもよいし、三又状の配線であってもよい。
【0063】
第二例では、ユニットに接続された通信経路を分岐ユニット400によって分岐させ、分岐後の通信経路を実装制御コントローラ100およびデータ収集コントローラ200にそれぞれ接続することで、実装制御処理とデータ収集処理とをそれぞれ異なるコントローラに行わせることができる。また、例えば、ユニットに対して、実装制御コントローラ100用の入出力部とデータ収集コントローラ200用の入出力部を設けるといった仕様変更をすることなく、既存のユニットに分岐ユニット400を適用するだけで、実装制御処理における遅延の発生を抑制しながらデータ収集を行うことができる。
【0064】
図6は、実施の形態に係る部品実装装置M3の構成の第三例を示すブロック図である。
【0065】
以下では第三例について、第一例および第二例と異なる点を中心に説明する。
【0066】
第一例および第二例は、部品実装装置M3がデータ収集コントローラ200を備える例であるが、第三例では、部品実装装置M3は、データ収集コントローラ200を備えていない。
【0067】
第三例では、ユニットは、ユニットの動作に関するログデータを、部品実装装置M3の外部の装置に送信するログデータ送信部を有する。ここでは、実装ヘッド12はログデータ送信部120を有し、XY移動機構13はログデータ送信部130を有し、部品認識カメラ15はログデータ送信部150を有し、フィーダ9はログデータ送信部90を有し、基板搬送機構7はログデータ送信部70を有する例を示している。これにより、部品実装装置が備える実装ヘッド12、カメラ(部品認識カメラ15)、フィーダ9、XY移動機構13または基板搬送機構7から直接外部の装置にログデータを送信することができる。
【0068】
第三例では、実装制御処理とデータ収集処理とが1つのコントローラによって行われず、実装制御コントローラ100により実装制御処理が行われ、部品実装装置M3においてユニットからいったんログデータを収集せずユニットがログデータを直接外部の装置に送信する。このため、実装制御コントローラ100での処理負荷を抑制できる。したがって、実装制御処理における遅延の発生を抑制しながらデータ収集を行うことができる。
【0069】
なお、第三例では、ユニットと外部の装置とが有線で接続される場合には、ユニットごとに通信線が必要となる。図1に示されるように、部品実装装置は、複数台並べられて用いられることが多いため、この場合には、その分、通信線も多くなる。一方で、ユニットと外部の装置とが無線で接続される場合には、ユニットと外部の装置とを接続する通信線を省略することができる。
【0070】
(その他の実施の形態)
以上、本開示の部品実装装置M3について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、および、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
【0071】
例えば、上記実施の形態の第一例および第二例では、データ収集コントローラ200がログデータ転送部220を有する例について説明したが、データ収集コントローラ200は、ログデータ転送部220を有していなくてもよい。例えば、ログデータ収集部210によって収集されたログデータは記憶部300に蓄積され、蓄積されたログデータ310が、ユーザなどによって部品実装装置M3から直接取り出されて活用されてもよい。
【0072】
また、上記実施の形態の部品実装装置M3に含まれる各構成要素は、専用または汎用の回路として実現されてもよい。
【0073】
また、上記実施の形態の部品実装装置M3に含まれる各構成要素は、集積回路(IC:Integrated Circuit)であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。
【0074】
また、集積回路はLSIに限られず、専用回路または汎用プロセッサで実現されてもよい。プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部の回路セルの接続および設定が再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサが、利用されてもよい。
【0075】
さらに、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、部品実装装置M3に含まれる各構成要素の集積回路化が行われてもよい。
【0076】
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本開示は、部品実装装置を用いて基板などに部品を装着する分野において有用である。
【符号の説明】
【0078】
2 ネットワーク
3 管理装置
5 台車
6 基台
7 基板搬送機構
8 部品供給部
9 フィーダ
10 Y軸テーブル
11 ビーム
12 実装ヘッド
12a ノズルユニット
12b 吸着ノズル
13 XY移動機構
14 ヘッドカメラ
15 部品認識カメラ
16 キャリアテープ
17 リール
70、90、120、130、150 ログデータ送信部
100 実装制御コントローラ
200 データ収集コントローラ
210 ログデータ収集部
220 ログデータ転送部
300 記憶部
310 ログデータ
400 分岐ユニット
M1 基板供給装置
M2 スクリーン印刷装置
M3、M4、M5、M6 部品実装装置
M7 リフロー装置
M8 基板回収装置
M9 基板外観検査装置
M10 基板出荷検査装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6