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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178069
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】印刷装置及び判定方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/393 20060101AFI20231207BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20231207BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
B41J29/393 105
B41J2/01 401
B41J2/01 451
B41J29/38 501
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091119
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 元
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
【Fターム(参考)】
2C056EB27
2C056EB29
2C056EB58
2C056EC26
2C056EC79
2C056HA58
2C061AP01
2C061AQ05
2C061KK26
2C061KK28
2C061KK35
(57)【要約】
【課題】主制御回路の演算負荷を低減することができる印刷装置及び判定方法を提供する。
【解決手段】本開示に係る印刷装置1は、画像を記録するための複数のヘッドと、該ヘッドに一対一対応で接続され、互いに直列的に接続され、夫々が、対応する前記ヘッドによる画像の記録を原稿データに基づいて制御する複数のSoC4(ヘッド制御回路)と、最上流の前記SoC4に前記原稿データを送る原稿送信部と、記録された画像における異常の有無を判定する判定部34とを備える印刷装置1において、複数の前記SoC4は、最上流の前記SoC4が受け取った前記原稿データを最下流の前記SoC4まで順に送り、前記原稿データと、前記画像を読み取って生成された読取データとの差分を示す差分データを生成し、前記判定部34は、前記差分データに基づいて前記異常の有無を判定することを特徴とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を記録するための複数のヘッドと、
該ヘッドに一対一対応で接続され、互いに直列的に接続され、夫々が、対応する前記ヘッドによる画像の記録を原稿データに基づいて制御する複数のヘッド制御回路と、
最上流の前記ヘッド制御回路に前記原稿データを送る原稿送信部と、
記録された画像における異常の有無を判定する判定部と
を備える印刷装置において、
複数の前記ヘッド制御回路は、
最上流の前記ヘッド制御回路が受け取った前記原稿データを最下流の前記ヘッド制御回路まで順に送り、
前記原稿データと、前記画像を読み取って生成された読取データとの差分を示す差分データを生成し、
前記判定部は、前記差分データに基づいて前記異常の有無を判定することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記画像を読み取って前記読取データを生成する読取デバイスを更に備え、
各ヘッド制御回路に、固有の識別情報が予め与えられており、
前記原稿送信部は、
記録すべき画像全体を示す原稿画像データを分割することによって、複数の前記原稿データを生成し、
夫々に前記識別情報を付与した複数の前記原稿データを最上流の前記ヘッド制御回路に送り、
各ヘッド制御回路は、
自身の前記識別情報とは異なる前記識別情報が付与された前記原稿データを受け取った場合、該原稿データを下流の前記ヘッド制御回路に送り、
自身の前記識別情報が付与された前記原稿データを記憶し、
記憶した前記原稿データに基づいて、対応する前記ヘッドによる画像の記録を制御し、
記憶した前記原稿データと前記読取デバイスが生成した前記読取データとの差分を示す差分データを生成することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記読取デバイスの個数はN(Nは自然数)個であり、
前記ヘッド制御回路の個数はM(MはM≧2Nの自然数)個であり、
N個の前記読取デバイスは、最下流の前記ヘッド制御回路を含むN個の前記ヘッド制御回路と一対一対応に接続されており、
前記読取デバイスが接続された前記ヘッド制御回路の上流に、前記読取デバイスが接続されていない少なくとも一つの前記ヘッド制御回路が接続されており、
各読取デバイスは、前記画像を読み取って複数の前記読取データを生成し、夫々に前記識別情報を付与して、自身に接続された前記ヘッド制御回路に送り、
各ヘッド制御回路は、
自身の前記識別情報とは異なる前記識別情報が付与された前記読取データを受け取った場合、該読取データを上流の前記ヘッド制御回路に送り、
記憶した前記原稿データと自身の前記識別情報が付与された前記読取データとの差分を示す差分データを生成することを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
複数の前記読取デバイスが複数の前記ヘッド制御回路と一対一対応に接続されており、
各読取デバイスは、前記画像を読み取って生成した前記読取データを、自身に接続されたヘッド制御回路に送り、
各ヘッド制御回路は、記憶した原稿データと前記読取デバイスから受け取った読取データとの差分を示す差分データを生成することを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記原稿送信部及び前記判定部を有する主制御回路を更に備え、
最上流の前記ヘッド制御回路を除く各ヘッド制御回路は、
生成した前記差分データを、自身の前記識別情報を付与してから上流の前記ヘッド制御回路に送り、
下流の前記ヘッド制御回路から前記差分データを受け取った場合、受け取った前記差分データを上流の前記ヘッド制御回路に送り、
最上流の前記ヘッド制御回路は、
生成した前記差分データを、自身の前記識別情報を付与してから前記主制御回路に送り、
下流の前記ヘッド制御回路から受け取った前記差分データを前記主制御回路に送り、
前記判定部は、前記主制御回路が最上流の前記ヘッド制御回路から受け取った前記差分データに基づいて前記異常の有無を判定することを特徴とする請求項3又は4に記載の印刷装置。
【請求項6】
各ヘッド制御回路は、自身が生成した前記差分データを圧縮してから上流の前記ヘッド制御回路又は前記主制御回路に送り、
前記主制御回路は、受け取った前記差分データを伸長し、
前記判定部は、前記主制御回路が伸長した前記差分データに基づいて前記異常の有無を判定することを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記原稿送信部を有する主制御回路を更に備え、
各ヘッド制御回路は前記判定部を有し、
各判定部は、該判定部を有する前記ヘッド制御回路が生成した前記差分データに基づいて前記異常の有無を判定し、
最上流の前記ヘッド制御回路を除く各ヘッド制御回路は、
自身が有する前記判定部による判定結果を、自身の前記識別情報を付与してから上流の前記ヘッド制御回路に送り、
下流の前記ヘッド制御回路から判定結果を受け取った場合、受け取った前記判定結果を上流の前記ヘッド制御回路に送り、
最上流の前記ヘッド制御回路は、
自身が有する前記判定部による判定結果を、自身の前記識別情報を付与してから前記主制御回路に送り、
下流の前記ヘッド制御回路から受け取った判定結果を前記主制御回路に送ることを特徴とする請求項3又は4に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記原稿データと前記読取データとの間の差を無視すべき箇所の情報を含む判定用データを前記原稿データに基づいて生成するデータ生成部を更に備え、
前記差分データには、前記原稿データと前記読取データとの間に差がある箇所の情報が含まれており、
前記判定部は、前記差がある箇所が、前記判定用データが示す箇所に含まれている場合に、前記差を無視して前記異常の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記差分データには、前記原稿データと前記読取データとの間に差がある箇所の情報が含まれており、
前記判定部は、前記差がある箇所が、所与の条件を満たす場合に、前記差を無視して前記異常の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項10】
画像を記録するための複数のヘッドと、
該ヘッドに一対一対応で接続され、互いに直列的に接続され、夫々が、対応する前記ヘッドによる画像の記録を原稿データに基づいて制御する複数のヘッド制御回路と、
最上流の前記ヘッド制御回路に前記原稿データを送る原稿送信部と
を備える印刷装置にて記録された画像における異常の有無を判定する判定方法であって、
最上流の前記ヘッド制御回路が受け取った前記原稿データを最下流の前記ヘッド制御回路まで順に送り、
前記原稿データと、前記画像を読み取って生成された読取データとの差分を示す差分データを生成し、
該差分データに基づいて前記異常の有無を判定し、
前記差分データの生成を複数の前記ヘッド制御回路が行なうことを特徴とする判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷装置及び判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置の一種であるインクジェット記録装置は、インクジェットヘッドが吐出するインクを用いて、用紙を搬送しながら、原稿画像データに基づく画像を用紙に記録し、画像が記録された用紙を排出する(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のインクジェット記録装置は、用紙に記録した画像を用紙の排出前に読み取り、結果画像のデータを生成する。インクジェット記録装置の制御ユニットは、結果画像のデータと原稿画像データとを比較する。
結果画像のデータと原稿画像データとの差が大きい場合、記録した画像に異常(例えば汚れ)があるので、インクジェット記録装置は、異常があることを示すマークを用紙に記録してから用紙を排出する。次いで、インクジェット記録装置は、同じ原稿画像データに基づく画像を新たな用紙に記録(再印刷)する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-181768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
用紙の幅方向(搬送方向に直交する方向)に並ぶ複数のヘッドと、複数のヘッドに一対一対応で接続された複数のヘッド制御回路と、主制御回路とを備える印刷装置が考えられる。このような印刷装置においては、ヘッドを幅方向に往復移動させないので、幅方向に長い用紙に短時間で画像を記録することができる。
記録した画像に異常があるか否かを判定する場合、主制御回路が原稿画像データと結果画像のデータとを比較する。
しかしながら、ヘッドの個数が多いほど、結果画像のデータのデータ量が多く、データ量が多いほど、主制御回路の演算負荷が大きい。
【0006】
本開示の目的は、主制御回路の演算負荷を低減することができる印刷装置及び判定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る印刷装置は、画像を記録するための複数のヘッドと、該ヘッドに一対一対応で接続され、互いに直列的に接続され、夫々が、対応する前記ヘッドによる画像の記録を原稿データに基づいて制御する複数のヘッド制御回路と、最上流の前記ヘッド制御回路に前記原稿データを送る原稿送信部と、記録された画像における異常の有無を判定する判定部とを備える印刷装置において、複数の前記ヘッド制御回路は、最上流の前記ヘッド制御回路が受け取った前記原稿データを最下流の前記ヘッド制御回路まで順に送り、前記原稿データと、前記画像を読み取って生成された読取データとの差分を示す差分データを生成し、前記判定部は、前記差分データに基づいて前記異常の有無を判定することを特徴とする。
【0008】
本開示に係る判定方法は、画像を記録するための複数のヘッドと、該ヘッドに一対一対応で接続され、互いに直列的に接続され、夫々が、対応する前記ヘッドによる画像の記録を原稿データに基づいて制御する複数のヘッド制御回路と、最上流の前記ヘッド制御回路に前記原稿データを送る原稿送信部とを備える印刷装置にて記録された画像における異常の有無を判定する判定方法であって、最上流の前記ヘッド制御回路が受け取った前記原稿データを最下流の前記ヘッド制御回路まで順に送り、前記原稿データと、前記画像を読み取って生成された読取データとの差分を示す差分データを生成し、該差分データに基づいて前記異常の有無を判定し、前記差分データの生成を複数の前記ヘッド制御回路が行なうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本開示の印刷装置によれば、複数のヘッド制御回路が原稿データと読取データとの差分を示す差分データを生成するので、主制御回路が差分データを生成する必要がない。故に、主制御回路の演算負荷を低減することができる。
本開示の判定方法によれば、記録された画像における異常の有無を判定する場合に、差分データが用いられる。差分データは、主制御回路ではなく複数のヘッド制御回路によって生成される。故に、主制御回路の演算負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る印刷装置の構成を模式的に示す平面図である。
図2】インクジェットヘッドの底面図である。
図3】主制御回路及びヘッドユニットを示すブロック図である。
図4】SoCで実行される印刷処理の手順を示すフローチャートである。
図5】画像の異常の検出を説明するためのブロック図である。
図6】SoCで実行される送受処理の手順を示すフローチャートである。
図7】SoCで実行される送受処理の手順を示すフローチャートである。
図8】主制御回路で実行される判定処理の手順を示すフローチャートである。
図9】実施の形態2に係る印刷装置の要部構成を示すブロック図である。
図10】SoCで実行される送受処理の手順を示すフローチャートである。
図11】主制御回路で実行される判定処理の手順を示すフローチャートである。
図12】実施の形態3に係る印刷装置の要部構成を示すブロック図である。
図13】実施の形態4に係る印刷装置の要部構成を示すブロック図である。
図14】差分データを説明するための模式図である。
図15】判定用データを説明するための模式図である。
図16】実施の形態5に係る印刷装置で用いられる差分データを説明するための模式図である。
図17】実施の形態6に係る印刷装置の要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、図において矢符で示す上下、前後、及び左右を使用する。
【0012】
実施の形態 1.
図1は実施の形態1に係る印刷装置の構成を模式的に示す平面図である。
図中1は印刷装置であり、印刷装置1は例えばインクジェット記録装置である。印刷装置1は、用紙21を搬送しながら、原稿画像データに基づく画像を用紙21に記録する。
印刷装置1はプラテン11、二つの搬送ローラ12、四つのヘッドユニット13、制御装置14、及びケース15を備える。
プラテン11、二つの搬送ローラ12、四つのヘッドユニット13、及び制御装置14は、ケース15に収容されている。
【0013】
プラテン11は上向きの面を有する支持台であり、搬送中の用紙21を下側から支持する。用紙21は、両面が上下に向き、幅方向が左右に向くようにして、ケース15の外部に設けてある不図示のシートフィーダからプラテン11の上面に送られる。
二つの搬送ローラ12はプラテン11の前側及び後側に位置しており、夫々の軸長方向は左右に向く。用紙21は、不図示のモータによって駆動された各搬送ローラ12から前向きの外力を与えられ、プラテン11の上面に沿って前向きに搬送される。
【0014】
四つのヘッドユニット13は二つの搬送ローラ12の間にて前後に並んでいる。各ヘッドユニット13は、いわゆるライン型のインクジェットヘッドである。ヘッドユニット13は柱状をなし、ヘッドユニット13の軸長方向は左右に向く。ヘッドユニット13は、プラテン11の上面から離隔してプラテン11の上面に対向している。プラテン11と各ヘッドユニット13との間隙を用紙21が通過する。
四つのヘッドユニット13には不図示のインクタンクから互いに異なる色のインクが供給される。
【0015】
制御装置14は主制御回路3を備える。主制御回路3は印刷装置1の制御中枢である。主制御回路3は例えばFPGAを含む構成であるが、これに限定されず、ASIC等を含む構成でもよい。
制御装置14は記憶部141を更に備える。記憶部141は書き換え可能に構成され、EEPROM、FlashROM、ハードディスク等を含む。記憶部141は制御プログラムを記憶している。記憶部141が記憶する制御プログラムは、例えば記録媒体22(光ディスク、持ち運び可能なフラッシュメモリ等)から記憶部141にインストールされるか、又は印刷装置1と通信可能なサーバから記憶部141にダウンロードされる。
【0016】
制御装置14は画像処理装置23と通信可能である。画像処理装置23はPC、スキャナ等であり、制御装置14に原稿画像データを送信する。原稿画像データは、用紙21に記録すべき画像全体を示すものである。
主制御回路3は、記憶部141が記憶している制御プログラムに従い、受信した原稿画像データに基づいて、印刷装置1の各部の動作を制御する。この結果、四つのヘッドユニット13夫々からインクが吐出され、吐出されたインクによって用紙21に画像が記録される。
画像が記録された用紙21は、ケース15の外部に設けてある不図示のトレイに排出される。
【0017】
図2はヘッドユニット13の底面図である。
ヘッドユニット13は複数のヘッド16を備える。
図2には9つのヘッド16が例示されている。9つのヘッド16は千鳥に配されて左右に並んでいる。具体的には、9つのヘッド16は前後二列に配されている。各列のヘッド16は左右に直線的に並んでいる。9つの内の4つが前列を構成し、残る5つが後列を構成している。前列のヘッド16の配置と後列のヘッド16の配置とは互い違いである。
【0018】
各ヘッド16には複数のノズル161が千鳥に配されて左右に並んでいる。各ノズル161はヘッドユニット13の下面にて下向きに開口している。ノズル161から用紙21に向けてインクが吐出され、用紙21に付着することにより、用紙21に画像が記録される。
ヘッドユニット13に設けられた全てのノズル161の内、左端のノズル161が所定のサイズの用紙21の左端部に対向し、右端のノズル161が所定のサイズの用紙21の右端部に対向する。故に、ヘッド16を左右に往復移動させることなく、左右に長い用紙21に短時間で画像を記録することができる。
【0019】
以下では、9つのヘッド16夫々を区別する場合、最も左側のヘッド16を第1のヘッド16といい、第1のヘッド16の右前側に隣り合うヘッド16を第2のヘッド16という。また、第2のヘッド16の右後側に隣り合うヘッド16を第3のヘッド16といい、第3のヘッド16の右前側に隣り合うヘッド16を第4のヘッド16という。同様に、第4のヘッド16の右側にある5つのヘッド16を、順に第5~第9のヘッド16という。
【0020】
図3は主制御回路3及びヘッドユニット13を示すブロック図である。図3には主制御回路3と4つのヘッドユニット13の1つとが示されている。以下では主制御回路3及び1つのヘッドユニット13について説明するが、他の3つのヘッドユニット13についても同様である。
【0021】
ヘッドユニット13はヘッド16の個数と同数個のSoC4を更に備える。9つのSoC4は9つのヘッド16に一対一対応で接続されている。
各SoC4はヘッド制御回路であり、自身に接続されたヘッド16による画像の記録を制御する。SoC4には固有の識別情報が予め付与されている。
以下では、第Kのヘッド16(Kは9以下の自然数)に接続されているSoC4を第KのSoC4という。図3に示す「SoC(K)」は「第KのSoC4」を意味している。
【0022】
9つのSoC4は、第1~第9のSoC4がこの順に並ぶようにして、互いに直列的に接続されている。更に詳細には、各SoC4は不図示の上流側I/F及び下流側I/Fを有しており、第1のSoC4の下流側I/Fと第2のSoC4の上流側I/Fとが、通信ケーブルを介して互いに双方向通信可能に接続されている。同様に、第kのSoC4の下流側I/Fと第k+1のSoC4の上流側I/Fとが互いに接続されている(kは2≦k≦8の自然数)。第1のSoC4の上流側I/Fは主制御回路3が有する不図示のSoC用I/Fに接続されている。
【0023】
以上の結果、第kのSoC4の上流側には第k-1のSoC4が接続されており、第kのSoC4の下流側には第k+1のSoC4が接続されている。ただし、第1のSoC4の上流側には主制御回路3が接続されており、第9のSoC4の下流側には何も接続されていない。
【0024】
主制御回路3は制御部31及び原稿送信部32を備える。原稿送信部32と第1のSoC4とは通信ケーブルを介して互いに双方向通信可能に接続されている。
制御部31は、画像処理装置23から受信した原稿画像データを原稿送信部32に入力する。原稿送信部32は、入力された原稿画像データを所定の手順に従って分割することにより、各SoC4に与えるべき原稿データを生成する。また、原稿送信部32は、生成した原稿データに、当該原稿データを与えるべきSoC4の識別情報を付与する。更に、原稿送信部32は、9つの原稿データ(第1のSoC4の識別情報が付与された原稿データ、第2のSoC4の識別情報が付与された原稿データ、…及び第9のSoC4の識別情報が付与された原稿データ)を第1のSoC4に送る。
【0025】
9つのSoC4は、第1のSoC4(即ち最上流のSoC4)が受け取った原稿データを第9のSoC4(即ち最下流のSoC4)まで順に送る。換言すれば、隣り合う2つのSoC4において、上流のSoC4とは原稿データを送る側のSoC4であり、下流のSoC4とは原稿データを受け取る側のSoC4である。本実施の形態では、最上流のSoC4とは主制御回路3に直接的に接続されているSoC4である。
【0026】
各SoC4は、制御部41及び記憶部42を備える。
制御部41はSoC4の動作を制御する。制御部41は例えばCPUを備えてもよく、画像処理回路等のロジック回路を備えてもよい。
記憶部42は、例えばFlashROM又はEEPROM等の書き換え可能な不揮発性メモリである。記憶部42はSoC4の識別情報を予め記憶している。以下では、SoC4から見て自身の記憶部42に記憶してある識別情報を自身の識別情報といい、自身の識別情報が付与されている原稿データを自身の原稿データという。
【0027】
図4はSoC4で実行される印刷処理の手順を示すフローチャートである。
SoC4の制御部41は、主制御回路3又は上流のSoC4から原稿データを受け取ったか否かを判定し(S11)、受け取っていない場合(S11でNO)、S11の処理を繰り返す。
原稿データを受け取った場合(S11でYES)、制御部41は、受け取った全ての原稿データを記憶部42に記憶させる(S12)。
【0028】
次に、制御部41は、記憶部42に記憶させた原稿データの内の少なくとも1つに、自身の識別情報とは異なる識別情報が付与されているか否かを判定することにより、自身の原稿データとは異なる他の原稿データを受け取ったか否かを判定する(S13)。
自身の原稿データとは異なる他の原稿データを受け取った場合(S13でYES)、制御部41は、記憶部42に記憶させた原稿データの内、自身の原稿データとは異なる他の原稿データを読み出して下流のSoC4に送る(S14)。次いで、制御部41は、自身の原稿データとは異なる他の原稿データを記憶部42から削除する(S15)。
【0029】
S15の処理終了後、又は、自身の原稿データとは異なる他の原稿データを受け取っていない場合(S13でNO)、制御部41は、処理を後述するS16へ移す。
なお、制御部41は、受け取った全ての原稿データを下流のSoC4に転送してもよい。しかしながら、本実施の形態のように、受け取った全ての原稿データから自身の原稿データを除いたものを下流のSoC4に送ることにより、下流のSoC4に送るデータ量を低減することができる。故に、通信負荷を低減することができる。
【0030】
制御部41は、自身の原稿データに基づいて、ヘッド16の各ノズル161からインクを吐出するか否かを制御する(S16)。この結果、用紙21に画像が記録される。即ち、SoC4は、対応するヘッド16による画像の記録を原稿データに基づいて制御する。
S16の処理終了後、制御部41は印刷処理を終了する。
印刷処理が終了しても、記憶部42は自身の原稿データを記憶している。
【0031】
ところで、例えばヘッド16の経年劣化、又はノズル161における汚れの付着等により、用紙21に形成された画像に異常が生じる場合がある。画像の異常とは、例えばノズル161からインクが吐出されないことに起因する画像の欠け、又は用紙21の不適切な場所にインクが付着することによる画像の汚れである。
そこで、印刷装置1は、用紙21に形成された画像の異常を検出する。
【0032】
図3に示すように、印刷装置1は複数の読取デバイス17を更に備える。読取デバイス17の個数はSoC4の個数の半分以下であり、本実施の形態では3つである。
以下では3つの読取デバイス17夫々を区別する場合に、上流の読取デバイス17、中流の読取デバイス17、及び下流の読取デバイス17という。
各読取デバイス17には、互いに隣り合う3つのSoC4が対応する。上流の読取デバイス17には第1~第3のSoC4が対応し、中流の読取デバイス17には第4~第6のSoC4が対応し、下流の読取デバイス17には第7~第9のSoC4が対応する。
【0033】
各読取デバイス17は3つの読取部171を備える。各読取部171は、画像が記録された用紙21が前述のトレイに排出される前に、用紙21に記録された画像を読み取り、用紙21に記録された画像を示す読取データを生成する。
【0034】
上流の読取デバイス17が備える3つの読取部171は、第1~第3のヘッド16の位置に対応する位置に配されて、互いに直列的に接続されている。上流の読取デバイス17は第3のSoC4に接続されている。図示はしないが、中流の読取デバイス17が備える3つの読取部171は、第4~第6のヘッド16に対応するようにして、互いに直列的に接続されている。中流の読取デバイス17は第6のSoC4に接続されている。同様に、下流の読取デバイス17が備える3つの読取部171は第7~第9のヘッド16に対応し、下流の読取デバイス17は第9のSoC4に接続されている。
以上のように、3つの読取デバイス17は、9つのSoC4の内の最下流のSoC4を含む3つのSoC4と一対一対応に接続されている。
【0035】
3つの読取デバイス17は合計9つの読取部171を備え、9つの読取部171は9つのヘッド16に対応する。各読取部171は、対応するヘッド16が画像を記録する範囲の画像を読み取る。3つの読取部171が1つの読取デバイス17に備えられ、読取デバイス17がSoC4に接続されているので、読取データを送受するための通信ケーブルを読取部171毎に備える必要がない。即ち、通信ケーブルの本数を9本から3本に低減することができる。
【0036】
以下では、第KのSoC4に対応する読取部171を第Kの読取部171という。第Kの読取部171は、第KのSoC4の識別情報を予め記憶している図示しないメモリを有する。
第m(m=1,4,7)の読取部171は、生成した読取データに第mのSoC4の識別情報を付与して第m+1の読取部171に送る。第m+1の読取部171は、生成した読取データに第m+1のSoC4の識別情報を付与し、第mの読取部171から受け取った読取データと共に第m+2の読取部171に送る。第m+2の読取部171は、生成した読取データに第m+2のSoC4の識別情報を付与し、第m+1の読取部171から受け取った全ての読取データと共に第m+2のSoC4に送る。
【0037】
上流の読取デバイス17が第3のSoC4に送る3つの読取データは、第1~第3のSoC4夫々の記憶部42が記憶している3つの原稿データに対応する。同様に、中流の読取デバイス17が第6のSoC4に送る3つの読取データは、第4~第6のSoC4夫々の記憶部42が記憶している3つの原稿データに対応する。下流の読取デバイス17が第9のSoC4に送る3つの読取データは、第7~第9のSoC4夫々の記憶部42が記憶している3つの原稿データに対応する。
【0038】
第m+2のSoC4が受け取った読取データは、後述の如く第m+1のSoC4に送られ、次いで第mのSoC4に送られる。
各読取データは、当該読取データに付与される識別情報を有するSoC4が記憶している原稿データと比較すべき最小限のものである。故に、データ量を低減して通信負荷を低減することができる。
【0039】
第Kのヘッド16によって用紙21に記録された画像に異常がない場合、第KのSoC4の識別情報が付与されている読取データは、第KのSoC4が記憶している自身の原稿データに等しい。換言すれば、読取データが原稿データとは異なる場合、画像に異常がある。画像の異常を検出するために、次に説明するようにして原稿データと読取データとが互いに比較される。
【0040】
図5は画像の異常の検出を説明するためのブロック図である。
各SoC4は比較部43及び圧縮部44を更に備える。
比較部43は、原稿データと読取データとを互いに比較することにより、差分データを生成する。
例えば、原稿データ及び読取データ夫々が2進数で表現された16桁の数値である場合、比較部43は、読取データが示す数値の各ビットの値と原稿データが示す数値の各ビットの値との排他的論理和をビット毎に演算する。このとき、演算結果である差分データも2進数で表現された16桁の数値である。
【0041】
画像に異常がない場合、理想的には読取データが示す数値と原稿データが示す数値とが互いに等しく、差分データが示す数値における各ビットの値は全て“0”である。一方、画像に異常がある場合、読取データが示す数値と原稿データが示す数値とは互いに異なるので、差分データが示す数値において、少なくとも1つのビットの値が“1”である。
ただし、現実には画像に異常がない場合でも差分データが示す数値における各ビットの値が全て“0”にはならないことがある。故に、16個のビットの内、例えば所定個以上のビットの値が“0”である場合に、画像に異常がないと判定される。
【0042】
差分データのデータ量は原稿データ及び読取データ夫々のデータ量に等しく、データ量が大きい。そこで、圧縮部44は差分データを圧縮する。圧縮された差分データのデータ量は、圧縮前の差分データのデータ量以下である。
【0043】
図6及び図7はSoC4で実行される送受処理の手順を示すフローチャートである。
図6に示すように、SoC4の制御部41は、読取デバイス17又は下流のSoC4から読取データが送られてきたか否かを判定し(S21)、送られてきていない場合(S21でNO)、S21の処理を繰り返す。
読取データが送られてきた場合(S21でYES)、制御部41は、受け取った全ての読取データを記憶部42に記憶させる(S22)。
【0044】
次に、制御部41は、記憶部42に記憶させた読取データの内の少なくとも1つに、自身の識別情報とは異なる識別情報が付与されているか否かを判定することにより、自身の読取データとは異なる他の読取データを受け取ったか否かを判定する(S23)。
自身の読取データとは異なる他の読取データを受け取った場合(S23でYES)、制御部41は、記憶部42に記憶させた読取データの内、自身の読取データとは異なる他の読取データを読み出して上流のSoC4に送る(S24)。次いで、制御部41は、自身の読取データとは異なる他の読取データを記憶部42から削除する(S25)。
【0045】
S25の処理終了後、又は、自身の読取データとは異なる他の読取データを受け取っていない場合(S23でNO)、制御部41は、処理を後述するS26へ移す。
なお、制御部41は、受け取った全ての読取データを上流のSoC4に転送してもよい。しかしながら、本実施の形態のように、受け取った全ての読取データから自身の読取データを除いたものを上流のSoC4に送ることにより、上流のSoC4に送るデータ量を低減することができる。故に、通信負荷を低減することができる。
【0046】
制御部41は、自身の原稿データ及び自身の読取データを比較部43に入力することにより、両者を互いに比較する(S26)。原稿データ及び読取データを入力された比較部43は、両者の比較結果である差分データを生成する。
S26の処理を実行する制御部41は、自身の原稿データを記憶部42から読み出して比較部43に入力する。即ち、S26の処理を実行するために改めて原稿データを送受する必要がない。故に、通信負荷を低減することができる。
【0047】
S26の処理終了後、制御部41は、図7に示すように、比較部43が生成した差分データに自身の識別情報を付与する(S31)。なお、識別情報の付与は比較部43が実行してもよい。
S31の処理終了後、制御部41は差分データを圧縮部44に入力することにより、差分データを圧縮する(S32)。圧縮部44は、入力された差分データを圧縮する。
なお、識別情報の付与は圧縮部44が実行してもよい。また、圧縮後の差分データに制御部41又は圧縮部44が識別情報を付与してもよい。
【0048】
制御部41は、自身が最下流のSoC4であるか否かを判定する(S33)。S33における制御部41は、例えば自身の下流側にSoC4が接続されていないか、又は、自身の識別情報に最下流のSoC4であることを示す情報が含まれている場合に、YESと判定する。
自身が最下流のSoC4である場合(S33でYES)、制御部41は、圧縮部44が圧縮した差分データを、上流のSoC4に送る(S34)。
【0049】
自身が最下流のSoC4ではない場合(S33でNO)、制御部41は、下流のSoC4から圧縮された差分データを受け取ったか否かを判定し(S35)、まだ受け取っていない場合(S35でNO)、処理をS35へ戻す。
【0050】
下流のSoC4から圧縮された差分データを受け取った場合(S35でYES)、制御部41は、受け取った差分データと、圧縮部44が圧縮した差分データとをまとめて上流のSoC4又は主制御回路3に送る(S36)。
差分データは圧縮されているので、S34又はS36の実行によって各SoC4間又はSoC4と主制御回路3との間で送受されるデータ量を低減することができる。故に、通信負荷を低減することができる。
S34又はS36の処理終了後、制御部41は自身の原稿データ及び自身の読取データを記憶部42から削除し(S37)、送受処理を終了する。
【0051】
S32の処理の終了後、制御部41は、圧縮部44が圧縮した差分データを、下流のSoC4から圧縮データが送られてくるのを待たずに上流のSoC4又は主制御回路3に送ってもよい。この場合、S36の処理では下流のSoC4から受け取った差分データが上流のSoC4又は主制御回路3に送られる。
S23でYESの場合、制御部41は、S36の処理を実行するときにS24の処理を同時的に実行してもよい。即ち、制御部41は、S36の処理において下流のSoC4から受け取った差分データと、圧縮部44が圧縮した差分データと、自身の読取データとは異なる他の読取データとを、まとめて上流のSoC4に送る。
【0052】
以上のような送受処理が実行されることにより、主制御回路3は、全てのSoC4にて生成された差分データを、夫々が圧縮された状態で受け取る。
なお、原稿データと読取データとの間に差がない場合、例えば両者の間に差がないことを示す1ビットのデータが差分データとして生成されてもよい。この場合、主制御回路3に送られるデータ量を更に低減することができる。故に、通信負荷を低減することができる。
【0053】
図5に示すように、主制御回路3は伸長部33及び判定部34を更に備える。
伸長部33は、圧縮された差分データを伸長する。
判定部34は、伸長された差分データに基づいて、用紙21に記録された画像における異常の有無を判定する。差分データが、原稿データと読取データとが互いに等しいことを示すものである場合、判定部34は、画像に異常がないことを示す判定結果を生成する。差分データが、原稿データと読取データとの間に差があることを示すものである場合、判定部34は、画像に異常があることを示す判定結果を生成する。
主制御回路3は9つの差分データを受け取るので、伸長部33は9つの差分データ夫々を伸長し、判定部34は9つの差分データに対応する9つの判定結果を生成する。
【0054】
図8は主制御回路3で実行される判定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御回路3の制御部31は、最上流のSoC4から差分データを受け取ったか否かを判定し(S41)、受け取っていない場合(S41でNO)、S41の処理を繰り返す。
差分データを受け取った場合(S41でYES)、制御部31は、受け取った全ての差分データを伸長部33に入力することにより、差分データを伸長する(S42)。
次いで、制御部31は、伸長部33が伸長した差分データを判定部34に入力することにより、用紙21に記録された画像における異常の有無を判定する(S43)。
【0055】
S43の処理終了後、制御部31は、判定部34が生成した9つの判定結果の内、少なくとも1つが、画像に異常があることを示すものであるか否かを判定する(S44)。
9つ全ての判定結果が、画像に異常がないことを示すものである場合(S44でNO)、用紙21に形成された画像には異常がないので、制御部31は判定処理を終了する。
少なくとも1つの判定結果が、画像に異常があることを示すものである場合(S44でYES)、用紙21に形成された画像の少なくとも一部分に異常がある。故に、制御部31は、印刷装置1が備える不図示の表示部に、画像に異常があることを使用者に報知するための文言又は記号等を表示させ(S45)、判定処理を終了する。
【0056】
画像に異常があることを報知された使用者は、用紙21に形成された画像を視認して、画像の異常を許容することができるか否かを判断する。画像の異常を許容することができる場合、使用者は印刷装置1を継続して使用する。画像の異常を許容することができない場合、使用者は印刷装置1の使用を中断してメンテナンスの手筈を整える。
【0057】
なお、印刷装置1は、画像に異常があることを表示する構成に限定されない。例えば、印刷装置1は、画像に異常がある用紙21に、画像に異常があることを報知するための画像を追加記録してもよい。また、印刷装置1は、同じ原稿画像データに基づく画像を新たな用紙21に記録しても(即ち再印刷しても)よい。再印刷の場合、原稿送信部32から最上流のSoC4に9つの原稿データが再送される。この結果、SoC4にて図4に示す印刷処理と図6及び図7に示す送受処理とが再度実行される。
【0058】
原稿データと読取データとの間に差があることを示す差分データは、例えば印刷装置1が備える不図示のストレージに蓄積しておくことが望ましい。この場合、印刷装置1をメンテナンスする作業者が、蓄積された差分データに付与されている識別情報に基づいて、異常の原因となったヘッド16を特定することができる。
【0059】
以上のような印刷装置1によれば、9つのSoC4が原稿データと読取データとの差分を示す差分データを生成するので、主制御回路3が差分データを生成する必要がない。故に、主制御回路3の演算負荷を低減することができる。
また、送受されるデータ量を低減することができるので、データの送受に伴って発生するノイズを低減することができる。
前述したように、差分データの生成の際には各SoC4の記憶部42に既に記憶されている原稿データが用いられるので、差分データを生成するために原稿データを改めて送受する必要はない。これは、印刷装置1の構成が、主制御回路3による差分データの生成を9つのSoC4による単純な分散処理に置き換えたものとは異なることを意味する。
【0060】
本実施の形態においては、3つの読取デバイス17夫々にSoC4が3つずつ対応するが、これに限定されない。読取デバイス17の個数がN(Nは自然数)個であり、SoC4の個数がM(MはM≧2Nの自然数)個であればよい。また、各読取デバイス17に少なくとも2つのSoC4が対応していれば、各読取デバイス17に対応するSoC4の個数は互いに同じでも異なってもよい。ただし、読取データは上流に向けて送られるので、最下流のSoC4に必ず読取デバイス17が接続されており、読取デバイス17が接続されたSoC4の上流に、読取デバイス17が接続されていない少なくとも一つのSoC4が接続されている必要がある。
【0061】
読取デバイス17が備える読取部171の個数は、読取デバイス17に対応するSoC4の個数に等しいが、これに限定されない。例えば読取デバイス17が1つの読取部171を備え、読取部171が用紙21に記録された画像を読み取って生成したデータを、対応するSoC4の個数に等しい個数の読取データに分割してもよい。
【0062】
本実施の形態においては、読取データ及び差分データは上流に向けて送られるが、これに限定されない。読取データ及び差分データは下流に向けて送られてもよい。この場合、最下流のSoC4と主制御回路3とが直結されており、最下流のSoC4から主制御回路3に差分データが送られる。また、最上流のSoC4に必ず読取デバイス17が接続されており、読取デバイス17が接続されたSoC4の下流に、読取デバイス17が接続されていない少なくとも一つのSoC4が接続されている必要がある。
【0063】
次に、実施の形態2~5に係る印刷装置1及び判定方法を説明する。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0064】
実施の形態 2.
図9は実施の形態2に係る印刷装置1の要部構成を示すブロック図である。
実施の形態1においては、図5に示すように、主制御回路3は伸長部33及び判定部34を備え、各SoC4は圧縮部44を備える。
本実施の形態においては、図9に示すように、主制御回路3は伸長部33及び判定部34を備えず、各SoC4は圧縮部44に替えて判定部45を備える。
【0065】
各判定部45には、当該判定部45を備えるSoC4の比較部43から差分データを受け取り、受け取った差分データに基づいて用紙21に記録された画像における異常の有無を判定し、判定結果を生成する。
判定部45は、原稿データと読取データとが互いに等しいことを示す差分データを受け取った場合に、画像に異常がないことを示す判定結果を生成する。一方、原稿データと読取データとの間に差があることを示す差分データを受け取った場合、判定部45は、異常があることを示す判定結果を生成する。判定結果は、例えば異常の有無を示す1ビットのデータであり、判定結果のデータ量は差分データのデータ量以下である。
【0066】
図10はSoC4で実行される送受処理の手順を示すフローチャートである。
SoC4の制御部41は、まず、図6に示すS21~S26の処理と同様の処理を実行する。S26の処理終了後、図10に示すように、制御部41は比較部43が生成した差分データを判定部45に入力することにより、用紙21に記録された画像の内、自身に対応するヘッド16が記録した部分における異常の有無を判定する(S51)。
次に、制御部41は、判定部45が生成した判定結果に自身の識別情報を付与する(S52)。
S52の処理終了後、制御部41は、自身が最下流のSoC4であるか否かを判定する(S53)。S53の処理は、図7に示すS33の処理と同様である。
【0067】
S53でYESの場合、制御部41は判定結果を上流のSoC4に送る(S54)。
S53でNOの場合、制御部41は下流のSoC4から判定結果を受け取ったか否かを判定し(S55)、まだ受け取っていない場合(S55でNO)、処理をS55へ戻す。
下流のSoC4から判定結果を受け取った場合(S55でYES)、制御部41は、受け取った判定結果と、判定部45が生成した判定結果とをまとめて上流のSoC4又は主制御回路3に送る(S56)。
各判定結果はデータ量が小さいので、S54又はS56の実行によって各SoC4間又はSoC4と主制御回路3との間で送受されるデータ量を低減することができる。故に、通信負荷を低減することができる。
【0068】
S54又はS56の処理終了後、制御部41は自身の原稿データ及び自身の読取データを記憶部42から削除し(S57)、送受処理を終了する。
以上のように、本実施の形態の送受処理は実施の形態1の送受処理に類似しており(図6図7、及び図10参照)、両者の主な違いは差分データを上流に送るか判定結果を上流に送るかということである。
【0069】
図10に示す送受処理の結果、最上流のSoC4から主制御回路3に9つの判定結果が送られる。
図11は主制御回路3で実行される判定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御回路3の制御部31は、最上流のSoC4から判定結果を受け取ったか否かを判定し(S61)、受け取っていない場合(S61でNO)、S61の処理を繰り返す。
【0070】
判定結果を受け取った場合(S61でYES)、制御部31は、受け取った9つの判定結果の内、少なくとも1つが、画像に異常があることを示すものであるか否かを判定する(S62)。9つ全ての判定結果が、画像に異常がないことを示すものである場合(S62でNO)、用紙21に形成された画像には異常がないので、制御部31は判定処理を終了する。
少なくとも1つの判定結果が、画像に異常があることを示すものである場合(S62でYES)、制御部31は、図8に示すS45の処理と同様にして、画像に異常があることを使用者に報知し(S63)、判定処理を終了する。
【0071】
図11に示す判定処理は図8に示す判定処理に対応するが、図8図11とを比べれば分かるように、本実施の形態の判定処理は簡易である。故に、主制御回路3の演算負荷は小さい。
画像に異常があることを示す判定結果は、例えば印刷装置1が備える不図示のストレージに蓄積しておくことが望ましい。この場合、印刷装置1をメンテナンスする作業者が、蓄積された判定結果に付与されている識別情報に基づいて、異常の原因となったヘッド16を特定することができる。
【0072】
以上のような印刷装置1によれば、実施の形態1の場合と比べて、主制御回路3の演算負荷を更に低減することができる。また、送受されるデータ量を更に低減することができるので、データの送受に伴って発生するノイズを更に低減することができる。
本実施の形態においては、読取データ及び判定結果は上流に向けて送られるが、これに限定されず、下流に向けて送られてもよい。この場合、差分データを上流に向けて送る場合と同様に、最下流のSoC4と主制御回路3とが直結され、最下流のSoC4から主制御回路3に判定結果が送られる。
【0073】
実施の形態 3.
図12は実施の形態3に係る印刷装置1の要部構成を示すブロック図である。
本実施の形態に係る印刷装置1のハードウェア構成は実施の形態1又は実施の形態2に係る印刷装置1のハードウェア構成と略同様である。
ただし、本実施の形態の印刷装置1は、3つの読取デバイス17に替えて9つの読取デバイス18を備え、9つのSoC4と9つの読取デバイス18とが一対一対応に接続されている。故に、読取データを送受するための通信ケーブルの本数は9本である。
【0074】
各読取デバイス18は、対応するSoC4に接続されているヘッド16が画像を記録する範囲において、用紙21に記録された画像を読み取り、読み取った画像を示す読取データを生成する。
9つの読取デバイス18は、実施の形態1の9つの読取部171に相当するが、各読取デバイス18が生成した読取データにSoC4の識別情報を付与する必要はない。故に、読取デバイス18の演算負荷を軽減することができる。
【0075】
各SoC4の制御部41は、図6及び図7に示す送受処理か、又は図6及び図10に示す送受処理を実行するが、図6に示すS23~S25の処理を実行する必要はない。制御部41は、S21の処理において読取デバイス18から読取データが送られてきたと判定した場合に、S22の処理の次にS26の処理を実行すればよい。以上の結果、SoC4の演算負荷を軽減することができると共に、各SoC4間又はSoC4と主制御回路3との間の通信負荷を軽減することができる。
【0076】
実施の形態 4.
図13は実施の形態4に係る印刷装置1の要部構成を示すブロック図である。
本実施の形態に係る印刷装置1のハードウェア構成は実施の形態1に係る印刷装置1のハードウェア構成と略同様である。ただし、本実施の形態においては主制御回路3がデータ生成部35を更に備える。
【0077】
主制御回路3の制御部31は、原稿送信部32に入力される原稿画像データをデータ生成部35にも入力する。データ生成部35は、入力された原稿画像データに基づいて、差分データを補正するためのデータを生成し、生成したデータを、原稿送信部32における原稿画像データの分割と同様の手順に従って、9つの判定用データに分割する。9つの判定用データは、原稿送信部32が生成する9つの原稿データに対応する。データ生成部35は、生成した判定用データに、当該判定用データに対応する原稿データに付与される識別情報と同じ識別情報を付与する。
【0078】
制御部31は、識別情報が付与された9つの判定用データを判定部34に入力する。判定部34は、伸長部33が伸長した各差分データを、当該差分データに付与された識別情報と同じ識別情報を有する判定用データを用いて補正し、補正後の差分データに基づいて、用紙21に記録された画像における異常の有無を判定する。
【0079】
図14は差分データを説明するための模式図である。
図14Aは、用紙21に記録された画像の一例を示す模式図である。用紙21の仮想的な領域211,213夫々には、用紙21に記録すべき画像の重要な部分が位置する。用紙21の仮想的な領域212には、用紙21に記録すべき画像の重要ではない部分が位置する。領域211は領域212,213から離隔しており、領域212,213は互いに隣接している。
【0080】
画像の重要な部分とは、画像の欠け、汚れ等を許容することができない部分(例えばロゴのような注目されやすいもの、又はバーコードのような二次元コード)である。画像ではない重要な部分とは、画像の欠け、汚れ等を許容することができる部分(例えばシリアルナンバーを表わす数字のような、注目されにくいか、又は、多少の欠けや汚れがあっても人間であれば読み取ることができるもの)である。
【0081】
用紙21に記録された画像には、領域211の内外にわたる汚れ214と、領域212の内外にわたる汚れ215とが含まれている。汚れ214は小さいが、汚れ214の一部が領域211の内側(汚れを許容することができない範囲)に位置している。汚れ215は大きいが、領域211,213夫々の外側(汚れを許容することができる範囲)に位置している。
【0082】
図14Bは、図14Aに示す画像の差分データの一例を示す模式図である。汚れ214,215夫々に対応するビットの値は、原稿データと読取データとの間に差があることを示す“1”である。汚れ214,215夫々に対応するビットを除く他のビットの値は、原稿データと読取データとの間に差がないことを示す“0”である。
図14Aの例では、汚れ214の一部が汚れを許容することができない範囲に位置しているので、用紙21に記録された画像には異常がある、と判定される。
しかしながら、汚れ214が存在しない場合には、汚れ215は汚れを許容することができる範囲に位置しているので、用紙21に記録された画像には異常がある、と判定されることは望ましくない。
【0083】
図15は判定用データを説明するための模式図である。
図15Aは、判定用データの一例を示す模式図である。
用紙21の領域211,213夫々の内側(汚れを許容することができない範囲)に対応する全てのビットの値は、原稿データと読取データとの間の差を無視しないことを示す“1”である。領域211,213夫々の外側(汚れを許容することができる範囲。図15Aにてハッチングが施されている範囲)に対応する全てビットの値は、原稿データと読取データとの間の差を無視することを示す“0”である。
【0084】
判定部34は、差分データの各ビットの値と判定用データの各ビットの値との論理積をビット毎に演算することにより、判定用データを用いて差分データを補正する。
図15Bは、補正後の差分データの一例を示す模式図である。図を見れば分かるように、汚れ214の、領域211の内側に位置している部分に対応するビットの値が“1”であり、他のビットの値は“0”である。故に、用紙21に記録された画像には異常がある、と判定される。汚れ214が存在しない場合には、用紙21に記録された画像には異常がない、と判定される。
【0085】
以上のような印刷装置1によれば、原稿データと読取データとの間の有意な差のみに基づいて異常の有無を判定することができる。
判定用データは、原稿画像データが入力される都度、原稿画像データに基づいて生成されるので、用紙21に記録される画像の実状を補正後の差分データに反映することができる。
原稿画像データから判定用データを生成するための手順、条件等は、データ生成部35に予め与えられている。なお、予め印刷装置1に与えられている複数の手順、条件等から適宜のものを使用者が選択し、選択されたものがデータ生成部35に与えられてもよい。
【0086】
実施の形態 5.
本実施の形態に係る印刷装置1のハードウェア構成は実施の形態1に係る印刷装置1のハードウェア構成と略同様である。
判定部34には、伸長部33が伸長した各差分データを補正するための条件が予め与えられている。
【0087】
図16は実施の形態5に係る印刷装置1で用いられる差分データを説明するための模式図である。
図16Aは、補正前の差分データの一例を示す模式図である。
画像の微細な欠け、汚れ等は目立たないので許容することができる。例えば、第1のビットの値が“1”であり、第1のビットの左右両隣にある2つの第2のビット夫々の値が“0”である場合、第1のビットに対応する箇所の差は微細な異常に基づくものなので、無視することが望ましい。そこで、判定部34は第1のビットの値を“0”に置き換える。
【0088】
また、例えば第3のビットの値が“1”であり、第3のビットの左右両隣にある2つの第4のビットの内、少なくとも一方の値が“1”である場合、第3のビットに対応する箇所の差は無視できない異常に基づくものである。そこで、判定部34は第3のビットの値を“1”のままにする。
図16Bは、補正後の差分データの一例を示す模式図である。
図16Bに示す差分データにおいては、図16Aに示す差分データに含まれていた、微細な異常があることを示す情報が無視されている。
【0089】
以上のような印刷装置1によれば、原稿データと読取データとの間に差がある箇所が所与の条件を満たす場合、判定部34は差を無視して異常の有無を判定する。故に、原稿データと読取データとの間の有意な差のみに基づいて異常の有無を判定することができる。
この条件は所与なので、有意な差か否かを判定するためのデータを改めて生成する必要がない。即ち、演算負荷を低減することができる。
【0090】
本実施の形態においては、所与の条件として、ビット値“1”を有するビットの左右両隣のビット夫々がビット値“0”を有することが用いられているが、これに限定されるものではない。例えば、ビット値“1”が連続する範囲の面積が所定より狭いこと、又は、ビット値“1”に対応する箇所が用紙21の周縁部に位置していること等が用いられてもよい。
【0091】
なお、予め印刷装置1に与えられている複数の条件から適宜のものを使用者が選択し、選択されたものが判定部34に与えられてもよい。
本実施の形態においては判定部34において差分データが補正されるが、これに限定されず、各SoC4の比較部43が、原稿データと読取データとの比較によって生成した差分データを、上述のように補正してもよい。
また、実施の形態2に係る印刷装置1の各SoC4の比較部43又は判定部45が、前述のように差分データを補正してもよい。
【0092】
実施の形態 6.
図17は実施の形態6に係る印刷装置1の要部構成を示すブロック図である。
本実施の形態に係る印刷装置1のハードウェア構成は実施の形態2に係る印刷装置1のハードウェア構成と略同様である。ただし、本実施の形態においては主制御回路3がデータ生成部35を更に備える。
【0093】
データ生成部35は、実施の形態4のデータ生成部35の場合と同様にして、9つの判定用データを生成する。また、データ生成部35は、原稿送信部32が9つの原稿データを最上流のSoC4に送る場合と同様にして、9つの判定用データを最上流のSoC4に送る。
9つのSoC4は、原稿データの場合と同様して、最上流のSoC4が受け取った判定用データを最下流のSoC4まで順に送る。
判定用データは、原稿データが下流に送られた後で下流に送られる。なお、原稿データと判定用データとが同時的に下流に送られてもよい。
【0094】
判定用データはSoC4の記憶部42に記憶される。SoC4の制御部41は、自身の識別情報が付与された判定用データを判定部45に入力する。判定部45は、入力された判定用データを用いて、実施の形態4で説明したように差分データを補正する。
なお、記憶部42から比較部43に判定用データが入力され、比較部43が、原稿データと読取データとの比較によって生成した差分データを、判定用データを用いて補正してもよい。
1つの差分データに対し、実施の形態4,6で説明したような判定用データによる補正と実施の形態5で説明したような所与の条件による補正とが両方施されてもよい。
【0095】
以上のような印刷装置1によれば、実施の形態4に係る印刷装置1の場合と同様に、原稿データと読取データとの間の有意な差のみに基づいて異常の有無を判定することができる。
実施の形態1~6の印刷装置1にて記録された画像における異常の有無を判定する判定方法にあっては、読取データを生成するデバイス(例えば読取デバイス17,18)を印刷装置1が備えているか否かは限定されない。SoC4においては差分データをハードウェア的に生成してもよく、ソフトウェア的に生成してもよい。差分データに基づく異常の有無の判定を、SoC4、主制御回路3、及びこれら以外の回路の何れが実行してもよい。故に、印刷装置1の設計の自由度が向上する。
【0096】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
各実施の形態に開示されている構成要件(技術的特徴)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせによって新しい技術的特徴を形成することができる。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。
【0097】
更に、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載してもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 印刷装置
16 ヘッド
17,18 読取デバイス
3 主制御回路
32 原稿送信部
34 判定部
35 データ生成部
4 SoC(ヘッド制御回路)
45 判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図11
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図15
図16
図17