(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178086
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】店舗管理システム及び店舗管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20231207BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231207BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20231207BHJP
【FI】
G06Q40/00 400
G06Q50/10
G06Q30/06
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091149
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 泰斗
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB72
5L049CC12
5L055BB63
(57)【要約】
【課題】限定的な設備リソースで運営する店舗が、平時にアクセスするデータセンターとの通信が困難になった場合であっても帳票の作成に必要な情報を利用して業務を継続する。
【解決手段】本発明の店舗管理システムは、店舗に設けられた店舗端末と、前記店舗端末と通信可能なクラウド環境を含む管理サーバとを備える店舗管理システムであって、前記管理サーバは、過去における納品実績データから、所定の日付の納品書を生成するのに必要な第1の納品情報を特定し、前記店舗端末は、前記特定した第1の納品情報に基づき、前記所定の日付の納品書を作成すること、を特徴とする。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に設けられた店舗端末と、前記店舗端末と通信可能なクラウド環境を含む管理サーバとを備える店舗管理システムであって、
前記管理サーバは、
過去における納品実績データから、所定の日付の納品書を生成するのに必要な第1の納品情報を特定し、
前記店舗端末は、
前記特定した第1の納品情報に基づき、前記所定の日付の納品書を作成すること、
を特徴とする店舗管理システム。
【請求項2】
前記店舗端末は、
前記第1の納品情報を前記管理サーバから所定の周期で取得すること、
を特徴とする請求項1に記載の店舗管理システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、
納品される物品及び納品タイミングのパターンを特定し、前記特定したパターンに基づき、前記第1の納品情報を特定すること、
を特徴とする請求項2に記載の店舗管理システム。
【請求項4】
前記管理サーバは、
前記特定したパターンに基づき、過去の期間を特定し、
前記特定した過去の期間における前記納品実績データから、前記第1の納品情報を特定すること、
を特徴とする請求項3に記載の店舗管理システム。
【請求項5】
前記第1の納品情報は、
納品スケジュールの変更に関する情報を含むこと、
を特徴とする請求項4に記載の店舗管理システム。
【請求項6】
前記店舗端末は、
物品の在庫情報を記憶しており、
前記在庫情報及び前記第1の納品情報に基づき、物品の出庫表を出力すること、
を特徴とする請求項5に記載の店舗管理システム。
【請求項7】
前記店舗端末は、
前記在庫情報及び前記第1の納品情報に基づき、物品の欠品を示す情報を出力すること、
を特徴とする請求項6に記載の店舗管理システム。
【請求項8】
前記店舗端末は、
物品の種類ごとに、前記パターンを出力すること、
を特徴とする請求項7に記載の店舗管理システム。
【請求項9】
前記店舗端末は、
前記第1の納品情報に基づき、前記納品書とは別に、販売提案商品を示す情報を出力すること、
を特徴とする請求項8に記載の店舗管理システム。
【請求項10】
前記所定の日付は、
前記店舗管理システムの一部に障害が発生している日付であり、
前記納品実績データは、
前記店舗管理システムに障害が発生していない過去におけるデータであること、
を特徴とする請求項9に記載の店舗管理システム。
【請求項11】
店舗に設けられた店舗端末と、前記店舗端末と通信可能なクラウド環境を含む管理サーバとを備える店舗管理システムが実行する店舗管理方法であって、
前記管理サーバは、
過去における納品実績データから、所定の日付の納品書を生成するのに必要な第1の納品情報を特定し、
前記店舗端末は、
前記特定した第1の納品情報に基づき、前記所定の日付の納品書を作成すること、
を特徴とする店舗管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗管理システム及び店舗管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
企業ごとに情報を中央管理サーバにて一元管理し、各企業に属する店舗がオンラインで中央管理サーバから必要な情報を取得するシステムが利用される場合がある。災害や障害が発生した際には、このようなシステムにおいて各店舗と中央管理サーバとの通信が困難となる場合がある。災害や障害が発生した際にも業務を継続して行うための技術として、例えば、特許文献1がある。
【0003】
特許文献1の縮退業務支援システムは、オンライン端末からの要求に応じて業務処理を実行するサーバと、当該サーバと通信可能なバックアップサーバとを含む。バックアップサーバは、業務処理に関与したオンライン端末が所属する業務グループごとに業務データをグループ化し、可搬型記憶媒体に対しグループ化した業務データを出力する。被災地等において、オフライン端末は、当該可搬型記憶媒体から、グループ化した業務データを読み出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
各地域に店舗が分布している卸売業、小売業等の業務形態において、各店舗の管理端末が会計処理に必要な情報を保有しておらず、大型の中央管理サーバから随時必要な情報を取得して業務を行う場合がある。そして、このような企業は、災害や障害の発生した場合であっても、最低限の業務として顧客への帳票の作成を継続して行うために中央管理サーバに保管された業務データをバックアップしておく必要がある。
【0006】
しかしながら、卸売業、小売業等の業務形態における各店舗の設備規模や端末の処理能力は限定されていることが多い。そのため、帳票の作成に関連する業務データすべてを各店舗がバックアップしておくことは困難である。さらに、仮に多種多量のデータをバックアップしておいたとしても、限られた処理能力の端末は帳票の作成を効率的に行うことができないという課題があった。
【0007】
特許文献1の縮退業務支援システムは、主として金融機関を対象としている。例えば、被災地に立地する支店の端末装置と本店のホストコンピュータとの間の通信が断たれた場合、当該システムは、支店の端末装置がオフラインで最低限の処理を行うことを可能にする。特許文献1は、預金残高の範囲内で現金を仮払いすることに焦点を当てているが、その現金で購入されるべき商品等の最低限の流通を担保するためには、別途方策が必要である。つまり、商品等の流通に不可欠な納品書等の書類を継続して作成する技術が望まれていた。そこで、本発明は、限定的な設備リソースで運営する店舗が、平時にアクセスするデータセンターとの通信が困難になった場合であっても帳票の作成に必要な情報を利用して業務を継続することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の店舗管理システムは、店舗に設けられた店舗端末と、前記店舗端末と通信可能なクラウド環境を含む管理サーバとを備える店舗管理システムであって、前記管理サーバは、過去における納品実績データから、所定の日付の納品書を生成するのに必要な第1の納品情報を特定し、前記店舗端末は、前記特定した第1の納品情報に基づき、前記所定の日付の納品書を作成すること、を特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、限定的な設備リソースで運営する店舗が、平時にアクセスするデータセンターとの通信が困難になった場合であっても帳票の作成に必要な情報を利用して業務を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る店舗管理システムの構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係るデータセンターの構成を示す図である。
【
図3】本実施形態に係るクラウド環境の構成を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る店舗端末の構成を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る納品書作成用データの一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係るデータセンターからクラウド環境へのデータ移送処理のフローチャートである。
【
図7】本実施形態に係るクラウド環境から店舗端末へのデータ取得処理のフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係る納品書・出庫表・商品明細情報リスト出力処理のフローチャートである。
【
図9】本実施形態に係る納品書・出庫表・商品明細情報リスト出力処理のフローチャート(続き)である。
【
図10】商品在庫数計算処理(
図9のステップS1310)の詳細である。
【
図11】本実施形態に係るログイン画面の一例を示す図である。
【
図12】本実施形態に係るメニュー画面の一例を示す図である。
【
図13】本実施形態に係る納品書・出庫表・商品明細情報リスト出力画面の一例を示す図である。
【
図14】本実施形態に係る災害時納品書の一例を示す図である。
【
図15】本実施形態に係る商品明細情報リストの一例を示す図である。
【
図16】本実施形態に係る災害時出庫表の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態に係る店舗管理システム10の構成例を示す図である。店舗管理システム10は、店舗管理装置100、災害対応用環境200及びクライアント環境300を備える。店舗管理装置100は、店舗業務の管理を行うサーバ群であるデータセンターである。災害対応用環境200は、災害発生時のデータをダウンロードするサーバ群であるクラウド環境である。クラウド環境200においては、複数のサーバが分散配置されており、災害等の発生に対する冗長構成となっている。クライアント環境300は、店舗に設けられ、災害対応時の納品書を作成する店舗端末である。
【0012】
イントラネット400は、データセンター100が作成したデータ・ファイルをクラウド環境200へ移送する。インターネット500は、クラウド環境200に保持されたデータ・ファイルを店舗端末300へ移送する。
【0013】
つまり、本実施形態においては、データセンター100は、原則1か所に配置され、平時においてすべての店舗の業務を取扱う。災害に起因してデータセンター100が停止した場合、クラウド環境200が、データセンター100の機能を臨時的に代替(バックアップ)する。クラウド環境200を構成するサーバ等は、各地に分散して予め準備されている。店舗端末300は、複数の店舗のそれぞれに配置されている。平時においては、店舗端末300は、データセンター100から日常業務に必要なデータを取得する。災害時においては、店舗端末300は、クラウド環境200から業務の存続に最低限必要なデータを取得する。
【0014】
本実施形態が想定する災害時には、データセンター100の少なくとも一部が停止している。そして、店舗管理システム10を運営するユーザ企業は、通信負担及び処理負担を削減したうえで、最低限の商品の流通を確保しようとしている。なお、“物品”は、取引の対象となる商品及び商品以外の有形物を含むより広い概念である。“納品書”は、物品の移動に係る情報を記載した印刷物又は電子データである。
【0015】
図2は、本実施形態に係るデータセンター100の構成を示す図である。データセンター100は、“管理サーバ”を構成する。データセンター100は、制御部101、記憶部105、タイマ110、メモリ111及びネットワークインターフェース部112を有する。
【0016】
記憶部105は、認証テーブル106、納品実績テーブル107、認証情報データ108及び納品書作成用データ109を格納するデータ群である。
認証テーブル106は、店舗管理装置100にログインするための情報を保持する。
納品実績テーブル107は、店舗管理装置100に登録された納品実績情報を保持する。納品実績テーブル107は、“納品実績データ”に相当し、店舗管理システム10に障害が発生していない過去におけるデータである。
認証情報データ108は、クラウド環境200が使用する認証情報である。
納品書作成用データ109は、店舗端末300が使用する納品書情報である。納品書作成用データ109は、“第1の納品情報”に相当する。
【0017】
タイマ110は、時間管理機能を有するコントローラである。
メモリ111は、データを一時的に保存するコントローラである。
ネットワークインターフェース部112は、イントラネット400を介してクラウド環境200へデータを移送するためのインターフェース部である。
【0018】
制御部101は、認証情報データ成形機能102、帳票データ成形機能103及びデータ移送機能104を具備するコントローラ群である。なお、本実施形態の“○○機能”は、その機能の処理を実行する主体となるプログラムである。
【0019】
認証情報データ成形機能102は、認証テーブル106からクラウド環境200側が使用する認証情報(ログインID、パスワード)のみを抽出し、抽出した結果として、認証情報データ108を作成する。
【0020】
帳票データ成形機能103は、顧客ごとの商品の納品情報を保持する納品実績テーブル107からデータ内容を納品書ごとに抽出し、抽出した結果として、納品書作成用データ109を作成する。ここで、納品書作成用データ109は、店舗端末300から出力される災害時納品書307(
図14)を作成するための元データである。
【0021】
納品書作成用データ109は、店舗名、納品担当者名、顧客名、納品日、商品名、納品数、商品単価、明細計及び納品日変更前日付を保持する(
図6にて詳細を後記)。納品書作成用データ109は、商品明細情報リスト308(
図15)及び災害時出庫表309(
図16)の作成に必要な納品周期及び商品在庫数も併せて保持する。
【0022】
商品明細情報リスト308は、顧客先へ納品する商品について、次回納品予定の商品、商品ごとの納品周期(次回納品予定日)及び売れ筋商品を記載している。災害時出庫表309は、担当者ごとの商品出庫数及び欠品商品リストを記載している。
【0023】
データ移送機能104は、タイマ110が指定した時刻に起動する。タイマ110は、例えば毎日深夜の所定の時刻にデータ移送機能を起動させる。データ移送機能104は、認証情報データ成形機能102が作成した認証情報データ108及び帳票データ成形機能103が作成した納品書作成用データ109を、ネットワークインターフェース部112からイントラネット400を介してクラウド環境200へ移送する。
【0024】
図3は、本実施形態に係るクラウド環境200の構成を示す図である。クラウド環境200は、データセンター100と併せて“管理サーバ”を構成する。本実施形態では、データセンター100とは別にクラウド環境200が設けられている。しかしながら、データセンター100及びクラウド環境200は、同一のサーバ内に別の機能部として格納される構成であってもよい。
【0025】
クラウド環境200は、制御部201、記憶部206、表示部210、入力部211、メモリ212、タイマ213、ネットワークインターフェース部(データセンタ側)214及びネットワークインターフェース部(店舗端末側)215を有する。
【0026】
記憶部206は、認証情報データ108、納品書作成用データ109及び認証情報テーブル208を格納するデータ群である。ここでの認証情報データ108及び納品書作成用データ109は、
図2における認証情報データ108及び納品書作成用データ109と同じである。
認証情報テーブル208は、認証機能204が使用する認証情報を保持するデータ群である。
【0027】
表示部210は、認証機能204がログイン画面51(
図11)を表示するためのディスプレイ等である。
入力部211は、認証機能204が店舗ログインID及びパスワードを受け付けるキーボード、マウス等である。
メモリ212は、データを一時的に保存するコントローラである。
タイマ213は、時間管理機能を有するコントローラである。
ネットワークインターフェース部(データセンタ側)214は、イントラネット400を介してデータセンター100側からデータを受信するためのインターフェース部である。
ネットワークインターフェース部(店舗端末側)215は、インターネット500を介して店舗端末300側へデータを移送するためのインターフェース部である。
【0028】
制御部201は、データ受信機能202、認証情報データ取込機能203、認証機能204及び納品書データダウンロード機能205を具備するコントローラ群である。
【0029】
データ受信機能202は、データセンター(店舗管理装置)100より移送されたファイル群(認証情報データ108及び納品書作成用データ109)を受け取り、記憶部206に格納する。
認証情報データ取込機能203は、認証情報データ108を認証情報テーブル208に登録する。
【0030】
認証機能204は、表示部210にログイン画面51(
図11)を表示し、入力部211にて入力された店舗ログインID及びパスワードと、認証情報テーブル208に登録された店舗ログインID及びパスワードとを照合する。認証機能204は、照合の結果、一致した場合のみ納品書データダウンロード機能205を利用可能とする。
【0031】
納品書データダウンロード機能205は、認証機能204がダウンロード利用可能とした店舗の納品書作成用データ109を、ネットワークインターフェース部(店舗端末側)215を介して、店舗端末300側へ移送する。その店舗の納品書作成用データ109が自動ダウンロードの対象となっている場合、納品書データダウンロード機能205は、タイマ213が指定した時間に自動的に店舗端末300側へその店舗の納品書作成用データ109を移送する。
【0032】
図4は、本実施形態に係る店舗端末300の構成を示す図である。店舗端末300は、制御部301、記憶部306、表示部312、入力部313、メモリ314及びネットワークインターフェース部315を有する。
【0033】
記憶部306は、災害時納品書307、商品明細情報リスト308、災害時出庫表309、商品在庫テーブル310及び納品書作成用データ109を格納するデータ群である。
【0034】
災害時納品書307(
図14)は、災害時に納品書作成用データ109から作成される顧客ごとの納品書であり、最低限納品されるべき商品を記載する。
商品明細情報リスト308(
図15)は、災害時に納品書作成用データ109から作成された顧客・商品ごとの商品情報リストである。商品明細情報リスト308は、災害時納品書307に記載された商品の明細のほか、顧客にリマインドするべき売れ筋商品(販売提案商品)の情報も記載する。
【0035】
災害時出庫表309(
図16)は、納品書作成用データ109から作成された納品担当者ごとの出庫表である。
商品在庫テーブル310は、商品ごとの在庫情報を保持したデータ群である。商品在庫テーブル310は、納品書作成用データ109から抽出した現在の商品在庫数を初期値として保持し、以後、災害時出庫表309の出力時に商品在庫数を減算していく。商品在庫数は、商品明細情報リスト308に記載される。
納品書作成用データ109は、
図2の納品書作成用データ109と同じである。
【0036】
表示部312は、ログイン機能302がログイン画面51(
図11)を表示するディスプレイ等である。
入力部313は、ログイン機能302が店舗ログインID及びパスワードを受け付けるキーボード、マウス等である。
メモリ314は、データを一時的に保存するコントローラである。
ネットワークインターフェース部315は、インターネット500を介してクラウド環境200側からデータを受信するためのインターフェース部である。
【0037】
制御部301は、ログイン機能302、納品書出力機能303、商品明細情報リスト出力機能304及び災害時出庫表出力機能305を具備するコントローラ群である。
【0038】
ログイン機能302は、表示部312にログイン画面51(
図11)を表示し、入力部313にて入力された店舗ログインID及びパスワードと、納品書作成用データ109に登録された店舗ログインID及びパスワードとを照合する。ログイン機能302は、これらが一致した場合のみ納品書出力機能303、商品明細情報リスト出力機能304及び災害時出庫表出力機能305を利用可能とする。
【0039】
納品書出力機能303は、納品書作成用データ109のうち、納品書・出庫表・商品明細情報リスト出力画面71(
図13)にて設定された利用納品日(詳細後記)と一致する納品日に対応するレコード(行)を特定する。納品書出力機能303は、特定したレコードから、店舗名、納品担当者名、顧客名、納品日、商品名、納品数、商品単価、明細計及び納品日変更前日付を取得する。納品書出力機能303は、顧客名(納品先)、店舗名(発行元)、納品担当者名、商品名(納品物)及びそれらの合計金額を保持した災害時納品書307(
図14)を作成する。
【0040】
商品明細情報リスト出力機能304は、納品書作成用データ109のうち、納品書・出庫表・商品明細情報リスト出力画面71(
図13)にて設定された利用納品日と一致する納品日に対応するレコードを特定する。商品明細情報リスト出力機能304は、特定したレコードから、店舗名、納品担当者名、顧客名、納品日、商品名、納品数、商品単価、明細計、納品日変更前日付、納品周期及び商品在庫数を取得する。商品明細情報リスト出力機能304は、次回納品予定の商品、商品ごとの納品周期、売れ筋商品等を記載した商品明細情報リスト308(
図15)を作成する。
【0041】
災害時出庫表出力機能305は、納品書作成用データ109のうち、納品書・出庫表・商品明細情報リスト出力画面71(
図13)にて設定された利用納品日と一致する納品日に対応するレコードを特定する。災害時出庫表出力機能305は、特定したレコードから、店舗名、納品担当者名、顧客名、納品日、商品名、納品数、商品単価、明細計、納品日変更前日付、納品周期及び商品在庫数を取得する。災害時出庫表出力機能305は、納品日時点の商品在庫数をもとに担当者ごとの商品出庫数及び欠品リストを記載した災害時出庫表309(
図16)を作成する。
【0042】
図5は、本実施形態に係る納品書作成用データ109の一例を示す図である。納品書作成用データ109は、納品書番号600に関連付けて、店舗名600、納品担当者名602、顧客名603、納品日604、商品名604、納品数606、商品単価607、明細計608、納品周期609、納品日変更前日付610及び商品在庫数611を記憶している。
【0043】
納品番号600は、納品書ごとに採番される番号である。
店舗名601は、納品書を発行した店舗(納品元)の名称である。
納品担当者名602は、商品を納品する担当者の氏名である。
顧客名603は、納品書を送付する納品先の名称である。
納品日604は、商品を納品する日付である。
商品名605は、納品する商品の名称である。
【0044】
納品数606は、納品する商品の個数である、
商品単価607は、納品する商品1つあたりの金額である。
明細計608は、商品単価607に対し納品数606を乗算した金額である。
納品周期609は、商品を納品する周期である。
品日変更前日付610は、納品日604が変更になる前の日付である。納品日の変更がない場合は空白である。
商品在庫数611は、出力日時点の商品の在庫数である。
【0045】
図6は、本実施形態に係るデータセンター100からクラウド環境200へのデータ移送処理のフローチャートである。
【0046】
ステップS1101において、データセンター100の帳票データ成形機能103は、納品実績テーブル107を店舗ごとにソートする。
【0047】
ステップS1102において、帳票データ成形機能103は、店舗ごとにソートされた納品実績テーブル107から購入履歴がある商品を抽出し、抽出した商品ごとに、納品タイミングのパターンを特定する(納品される物品及び納品タイミングのパターンを特定)。帳票データ成形機能103は、パターンを特定する方法として、予め設定された各商品の納品周期を取得してもよい。
【0048】
ただし、納品実績テーブル107に納品周期の設定値が含まれない場合もある。この場合、帳票データ成形機能103は、納品タイミングのパターンを特定するために、納品実績テーブル107を学習データとしてAI(人工知能)モデルを機械学習し、そのAIモデルに基づいて各商品の納品タイミングのパターンを特定(推測)してもよい。
【0049】
また、帳票データ成形機能103は、納品タイミングのパターンを特定する際に、納品実績テーブル107に含まれる、納品日が不規則的に変更されたか否かを示す情報を参照する。納品日が不規則的に変更されたか否かを示す情報は、予め設定された納品予定日が変更されたこと、不定期なイベントがあったこと等により通常の納品周期とは別に追加で納品したこと等を示す情報であってもよい。
【0050】
また、納品実績テーブル107に含まれる、納品日が変更されたか否かを示す情報は、納品書作成用データ109にも、所定の態様で含まれる。所定の態様は、例えば、納品日変更前日付610(
図5)のような形式であってもよい。
【0051】
ここで特定されるパターンの例は、以下の通りである。
・A店に対し、商品A-1が、2週に1回、1回あたり2個ずつ納品される。
・納品日は、通常金曜日であるが、金曜日が祝日に当たる場合、納品日が直前の木曜日になる。
【0052】
納品される商品が例えばオフィス清掃用の消耗品等である場合、このようなパターンが、店舗ごと、商品ごとに明確に特定される場合が多い。前記の例の店舗では、2週間ごとの週末(土・日曜日)直前に従業員が清掃用具を受け取り、その週末にアルバイト2名が店舗の清掃を行っている。
【0053】
ステップS1103において、帳票データ成形機能103は、店舗ごとに、各商品の納品タイミングのパターンに基づいて、クラウド環境200に格納することになる納品書作成用データ109の必要期間を特定する。帳票データ成形機能103は、例えば、ある商品の納品周期が“2週間に1回”である場合、2週間前の納品書実績テーブル107まで遡り、そのデータを取得する。
これにより、任意の日付の納品書を作成する際に必要となる最低限のデータ以外のデータを処理対象から除外することができるため、必要なデータ量の削減につながる。
【0054】
帳票データ成形機能103は、例えば、分析対象となっている店舗において納品実績又は納品予定がある商品のそれぞれについて納品周期を抽出した後、最も長い納品周期を有する商品の納品周期である“第1の納品周期”を特定してもよい。そのうえで、帳票データ成形機能103は、第1の納品周期を、クラウド環境200に格納する納品書作成用データ109の必要期間としてもよい。
【0055】
ステップS1104において、帳票データ成形機能103は、店舗ごとに、特定された必要期間の納品実績テーブル107に基づいて、暗号化された納品書作成用データ109(第1の納品情報)を生成する。
【0056】
ステップS1105において、データセンター100のデータ移送機能104は、タイマ110が指定した時刻に、認証情報データ108及び店舗ごとにまとめた納品書作成用データ109を、イントラネット400を介してクラウド環境200へ移送する。前記の説明から、クラウド環境200には任意の日付を作成する際に必要なデータのみが格納されることとなるため、要求される設備・環境リソースやそれらの処理能力を抑えることができる。
【0057】
ステップS1106において、クラウド環境200の納品書データ受信機能202は、納品書作成用データ109をクラウド環境200の所定の場所へ格納し、認証情報データ108をクラウド環境200の情報テーブル208へ格納する。その後、データ移送処理を終了する。
【0058】
図7は、本実施形態に係るクラウド環境200から店舗端末300へのデータ取得処理のフローチャートである。いま、店舗端末300からクラウド環境200に対して、納品書作成用データ109を送信して欲しい旨の指示があったとする。
【0059】
ステップS1201において、クラウド環境200の納品書データダウンロード機能205は、納品書作成用データ109が自動ダウンロードの対象となっているか否かを判断する。納品書データダウンロード機能205は、判断の結果が“対象となっている”である場合(ステップS1201“YES”)、ステップS1204へ遷移し、そうでない場合(ステップS1201“NO”)、ステップS1202へ遷移する。
【0060】
ここで自動ダウンロードとは、ログイン認証を再度実施せず、所定の周期で自動的に納品書作成用データ109を店舗端末300へダウンロードする機能である。一度ログイン認証が完了し、納品書作成用データ109を店舗端末300へダウンロードすれば、納品書作成用データ109は、自動ダウンロードの対象となる。納品書作成用データ109が自動ダウンロードの対象となれば、納品書データダウンロード機能205は、店舗ログインID及びパスワードの入力を伴うログイン認証を省略でき、利用者の負担軽減につながる。
【0061】
ステップS1202において、クラウド環境200の認証機能204は、入力部211にて入力された店舗ログインID及びパスワードと認証情報テーブル208とを照合し、ログイン認証を行う。店舗ログインID及びパスワードは、
図11のログイン画面51にて入力される。
【0062】
ステップS1203において、認証機能204は、認証情報が正しく入力されているか否かを判断する。認証機能204は、ステップS1202における照合の結果が「一致する」である場合(ステップS1203“YES”)、ステップS1204へ遷移し、そうでない場合(ステップS1203“NO”)、ステップS1202へ遷移する。
【0063】
ステップS1204において、納品書データダウンロード機能205は、クラウド環境200の納品書作成用データ109を圧縮したうえで、ダウンロードファイルとして店舗端末300に移送する。
【0064】
ステップS1205において、店舗端末300の納品書出力機能303は、ダウンロードされた納品書作成用データ109を取得し、店舗端末300の任意の場所に保管する。この結果、店舗端末300は、初回を除き、所定の周期で自動的に、最低限の納品書作成用データ109を取得し、最新の状態で保持することになる。その後、データ取得処理を終了する。
【0065】
図8、
図9及び
図10は、本実施形態に係る納品書・出庫表・商品明細情報リスト出力処理のフローチャートである。
図9は、
図8の続きである。
図10は、
図9のステップS1310の詳細である。フローチャートの説明に入る前に、一部前記と重複するが、災害時納品書307、商品明細情報リスト308及び災害時出庫表309を再度説明する。
【0066】
図14の災害時納品書307は、顧客への納品時に必要な最低限の情報のみを保持しており、基となる納品書作成用データ109も必要最低限のデータ量を有するため、要求される設備・環境リソースやそれらの処理能力を抑えることができる。
図13の納品日欄72に入力された日付は、
図14の災害時納品書307の納品日に一致する。この日付が“所定の日付”に相当し、災害時納品書307が“所定の日付の納品書”に相当する。
【0067】
図15の商品明細情報リスト308は、納品先の顧客に紐づく商品の付帯情報である。商品明細情報リスト308は、納入商品ごとの納品周期(次回納品予定日)、次回納品予定商品、売れ筋商品等を記載しており、システム利用者(納品書発行元)は、納品先に対し、納品予定以外の商品提案を行うことができ、利益向上につながる。
【0068】
図16の災害時出庫表309は、納品予定の商品の出庫数、欠品商品の不足数等を記載しており、システム利用者は、納品先への商品受け渡し時の誤りを軽減することができる。
【0069】
図8及び
図9のフローチャートに基づく動作は以下のとおりである。いま、ユーザは、店舗端末300の表示部312に表示されているメニュー画面61(
図12)において、“納品書・出庫表印字”ボタン62を押下したとする。
ステップS1301において、店舗端末300の納品書出力機能303は、店舗端末300に保存された納品書作成用データ109を解凍し、復号化する。
【0070】
ステップS1302において、納品書出力機能303は、利用納品日をデフォルト表示する。具体的には、第1に、納品書出力機能303は、表示部312に納品書・出庫表・商品明細情報リスト出力画面71(
図13)を表示する。ユーザは、納品日欄72に納品日(出庫日)を入力する。この納品日には、災害が発生している。ユーザは、納品担当者名欄74に納品担当者名を入力してもよいし、顧客名欄75に顧客名を入力してもよい。さらに、ユーザは、災害時出庫表309の出力を望む場合、災害時出庫表出力欄77にチェックマークを入力する。
【0071】
第2に、納品書出力機能303は、入力された納品日をもとに、納品書作成用データ109を検索し、災害が発生した月の前月のカレンダを表示し、納品日と同日の日付を強調したうえでデフォルト表示する。
図13の例では、災害が発生している納品日は、9月30日であり、その前月の同日は、8月30日である。8月30日には、災害が発生しておらず、その顧客に対して9月30日に納品されるべき商品と同じ商品が納品されている。前月の同日は、“利用納品日”と呼ばれる。
【0072】
第3に、納品書出力機能303は、デフォルト表示された利用納品日を変更することをユーザが望む場合、その変更を受け付ける。基本的に、デフォルト表示された利用納品日が、そのまま災害時納品書307の納品日となる。しかしながら、納品書出力機能303は、不規則ケースを想定して、デフォルト表示された利用納品日の変更を受け付ける。
【0073】
ステップS1303において、納品書出力機能303は、プレビューボタン73(
図13)が押下されたか否かを判断する。納品書出力機能303は、プレビューボタン73が押下された場合(ステップS1303“YES”)、ステップS1304へ遷移し、そうでない場合(ステップS1303“NO”)、ステップS1305へ遷移する。
【0074】
ステップS1304において、納品書出力機能303は、納品書作成用データ109から、利用納品日と一致する納品日を有するレコードを抽出し、明細形式にて表示部312に画面表示する。表示されたレコードは、店舗名、納品担当者名、顧客名、納品日、商品名、納品数、商品単価、明細計、納品日変更前日付、納品周期及び商品在庫数を含む。その際、納品書出力機能303は、納品書・出庫表・商品明細情報リスト出力画面71において納品担当者名74及び顧客名75が入力されている場合、そのレコードのうち、納品担当者名及び顧客名と一致する部分のみを画面表示する。
【0075】
ステップS1305において、納品書出力機能303は、印刷ボタン76(
図13)が押下されたか否かを判断する。納品書出力機能303は、印刷ボタン76が押下された場合(ステップS1305“YES”)、ステップS1306へ遷移し、そうでない場合(ステップS1305“NO”)、押下されるまで待機する。
【0076】
ステップS1306において、納品書出力機能303は、納品周期を確認する。具体的には、第1に、納品書出力機能303は、納品書作成用データ109から、利用納品日と一致する納品日を有するレコードを取得し、メモリ314に保存する。その際、納品書出力機能303は、納品書・出庫表・商品明細情報リスト出力画面71において納品担当者名及び顧客名が入力されている場合は、そのレコードのうち、納品担当者名及び顧客名と一致する部分のみを取得し、保存する。取得し保存されたレコードは、店舗名、納品担当者名、顧客名、納品日、商品名、納品数、商品単価、明細計、納品日変更前日付、納品周期及び商品在庫数を含む。
【0077】
第2に、納品書出力機能303は、保存したデータのうちから、商品ごとの納品周期を確認する。
【0078】
ステップS1307において、納品書出力機能303は、納品日(納品書出力日)から利用納品日を減算した日数(減算日数)が納品周期の整数倍ではない商品があるか否かを判断する。納品書出力機能303は、そのような商品がある場合(ステップS1307“YES”)、ステップS1308へ遷移し、そうでない場合(ステップS1307“NO”)、ステップS1309へ遷移する。
【0079】
減算日数が4週間(28日)であり、かつ、納品周期が週に1回(7日)又は2週に1回(14日)である例のように、すべての商品について、減算日数が納品周期の整数倍である場合、納品書出力機能303は、ステップS1309へ遷移する。一方、減算日数が4週間であり、かつ、納品周期が3週間に1回(21日)である例のように、少なくとも1つの商品について、減算日数が納品周期の整数倍ではない場合、納品書出力機能303は、ステップS1308へ遷移する。
【0080】
ステップS1308において、納品書出力機能303は、メモリ314に保存されている納品書作成用データ109のうち、減算日数が納品周期の整数倍ではないと判断された商品のデータをメモリ314から除外する。
【0081】
ステップS1309において、納品書出力機能303は、メモリ314に保存されている納品書作成用データ109のうち、納品周期が空白のデータ(定期的な商品以外のデータ)をメモリ314から除外する。
【0082】
ステップS1310において、納品書出力機能303は、商品在庫数計算処理を実行する。商品在庫数計算処理の詳細は、
図10において後記するが、ここでは、結果として商品ごとの在庫数が算出されたとする。
【0083】
ステップS1311において、店舗端末300の災害時出庫表出力機能305は、欠品となる商品があるか否かを判断する。災害時出庫表出力機能305は、そのような商品がある場合(ステップS1311“YES”)、ステップS1312へ遷移し、そうでない場合(ステップS1311“NO”)、ステップS1313へ遷移する。
【0084】
ステップS1312において、災害時出庫表出力機能305は、メモリ314に保存されている納品書作成用データ109のうち、ステップS1324で欠品となると判断された商品のデータをメモリ314から除外する。
【0085】
ステップS1313において、納品書出力機能303は、メモリ314に保存されている納品書作成用データ109(除外されずに残ったデータ)に基づき、災害時納品書307を作成する。納品書出力機能303は、災害時納品書307に、店舗名、納品担当者名、顧客名及び納品日を印字する。このとき、納品書出力機能303は、商品の種類ごとに、ステップS1102(
図6)において特定されたパターンを出力(印字又は画面表示)してもよい。
【0086】
ステップS1314において、納品書出力機能303は、災害時出庫表出力欄77にチェックマークが入っているか否かを判断する。納品書出力機能303は、チェックマークが入っている場合(ステップS1314“YES”)、ステップS1315へ遷移し、そうでない場合(ステップS1314“NO”)、ステップS1317へ遷移する。
【0087】
ステップS1315において、災害時出庫表出力機能305は、災害時納品書307が発行された商品について、災害時出庫表309を作成(出力)する。災害時出庫表出力機能305は、店舗名、納品担当者名及び出庫日(納品日)を災害時出庫表309に印字する。また、災害時出庫表出力機能305は、ステップS1324(
図10)での欠品以外の商品について、商品ごとに商品名と商品出庫数(納品数)を災害時出庫表309に印字する。
【0088】
ステップS1316において、災害時出庫表出力機能305は、災害時出庫表309の任意の箇所に欠品リストを記載(出力)する。欠品リスト309は、ステップS1324(
図10)での欠品商品ごとに、商品名と不足数を記載している。
【0089】
ステップS1317において、店舗端末300の商品明細情報リスト出力機能304は、商品明細情報リスト308(
図15)を作成(出力)する。商品明細情報リスト出力機能304は、納品書作成用データ109から商品ごとに一番売れている時期を割り出し、納品日がその時期と一致する商品を、売れ筋商品として商品明細情報リスト308に記載する。
【0090】
このとき、商品明細情報リスト出力機能304は、商品在庫テーブル310から売れ筋商品の現在の商品在庫数も併せて取得し、一覧に記載する。災害時出庫表出力機能305は、災害時出庫表出力欄77にチェックマークが入っている場合、災害時出庫表309にも売れ筋商品とその商品出庫数を印字する(ステップS1318においても同様)。
【0091】
ステップS1318において、商品明細情報リスト出力機能304は、納品周期が空白となる(定期契約以外)商品であって、複数回納品している商品を納品書作成用データ109から顧客ごとに特定し、売れ筋商品として商品明細情報リスト308に印字する。その後、納品書・出庫表・商品明細情報リスト出力処理を終了する。
【0092】
図10は、商品在庫数計算処理(
図9のステップS1310)の詳細である。
商品在庫数計算処理は、現在の商品ごとの在庫数と納品数を比較し、商品在庫テーブル310に商品ごとの在庫情報を保持する処理である。納品書出力機能303は、この商品在庫数を基準として納品時点の商品の在庫数を計算する。納品時点の商品在庫数は、災害時納品書307への記載の有無を判定する基準となり(欠品の場合記載しない)、商品明細情報リスト308の商品在庫数、並びに、災害時出庫表309の商品出庫数及び欠品リストを記載するための元データとなる。
【0093】
ステップS1321において、納品書出力機能303は、メモリ314に保存されている納品書作成用データ109から商品在庫数611を取得し、取得した商品在庫数611を商品在庫テーブル310へ商品ごとに格納する。
【0094】
ステップS1322において、納品書出力機能303は、メモリ314に保存されている納品書作成用データ109から、商品ごとの納品数を取得し、商品在庫テーブル310の商品在庫数から納品数を減算し、商品在庫数の値を更新する。
【0095】
ステップS1323において、納品書出力機能303は、ステップS1322の減算結果が0未満である商品があるか否かを判断する。納品書出力機能303は、そのような商品がある場合(ステップS1323“YES”)、ステップS1324へ遷移し、ない場合(ステップS1323“NO”)、商品在庫数計算処理を終了し、S1311へ遷移する。
【0096】
ステップS1324において、納品書出力機能303は、ステップS1322の減算結果が0未満である商品を欠品商品として、メモリ314に保持する。その後、商品在庫数計算処理を終了し、S1311へ遷移する。
【0097】
本実施形態の店舗管理システムは、以下の効果を奏する。
(1)店舗管理システムは、過去の納品実績に基づき、現在の納品書を作成することができる。
(2)店舗管理システムは、店舗端末が、納品書を作成するのに必要なデータを、所定の周期で自動的に取得することを可能にする。
(3)店舗管理システムは、納品タイミングのパターンを過去の実例に基づき特定することができる。
(4)店舗管理システムは、過去の納品実績を必要な期間に限定することができる。
(5)店舗管理システムは、不規則的な納品パターンの変化に対応することができる。
【0098】
(6)店舗管理システムは、現実に出庫された商品を確認することができる。
(7)店舗管理システムは、欠品を確認することにより、災害時における混乱の拡大を防止することができる。
(8)店舗管理システムは、商品ごとに納品タイミングのパターンを出力することができる。
(9)店舗管理システムは、販売提案商品の販促に資することができる。
(10)店舗管理システムは、平時である過去の納品実績に基づき、災害時である現在の納品書を作成することができる。
【0099】
実施例は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略お及び簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0100】
各種情報の例として、「テーブル」、「リスト」、「キュー」等の表現にて説明することがあるが、各種情報はこれら以外のデータ構造で表現されてもよい。例えば、「XXテーブル」、「XXリスト」、「XXキュー」等の各種情報は、「XX情報」としてもよい。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いるが、これらについてはお互いに置換が可能である。
【0101】
同一あるいは同様の機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。また、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
【0102】
実施例において、プログラムを実行して行う処理について説明する場合がある。ここで、計算機は、プロセッサ(例えばCPU、GPU)によりプログラムを実行し、記憶資源(例えばメモリ)やインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら、プログラムで定められた処理を行う。そのため、プログラムを実行して行う処理の主体を、プロセッサとしてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路を含んでいてもよい。ここで、専用回路とは、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(ApplicationSpecific Integrated Circuit)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)等である。
【0103】
プログラムは、プログラムソースから計算機にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、実施例において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【符号の説明】
【0104】
10 店舗管理システム
100 店舗管理装置(管理サーバ)
107 納品実績テーブル(納品実績データ)
109 納品書作成用データ(第1の納品情報)
200 クラウド環境(管理サーバ)
300 店舗端末
310 商品在庫テーブル(在庫情報)
307 災害時納品書
308 商品明細情報リスト
309 災害時出庫表