(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178145
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】監視支援装置、監視支援方法およびネットワーク運用システム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/04 20220101AFI20231207BHJP
H04L 41/0813 20220101ALI20231207BHJP
【FI】
H04L41/04
H04L41/0813
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091235
(22)【出願日】2022-06-03
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.macOS
(71)【出願人】
【識別番号】000233295
【氏名又は名称】株式会社日立情報通信エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】田澤 功
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 大輔
(72)【発明者】
【氏名】森 久斗
(72)【発明者】
【氏名】金子 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】村中 延之
(57)【要約】
【課題】ネットワーク機器の接続状態の監視を行う監視装置の監視設定を適切に設定することを容易にすること。
【解決手段】監視支援装置は、前記ネットワーク機器の変更された機器設定値と、当該変更された機器設定値に対する機器設定対象と、を取得する設定変更検出処理と、前記ネットワーク機器の機器設定対象と、当該機器設定対象に対する機器設定値と、前記ネットワーク機器の監視の種類の名称である監視サービス機能および監視設定値と、を対応づけた監視設定値情報を取得し、前記設定変更検出処理で取得した、前記ネットワーク機器の前記変更された機器設定値と、前記変更された機器設定値に対する機器設定対象と、に対応づけられた、前記監視サービス機能および前記監視設定値を、前記監視設定値情報から取得し、取得した前記監視サービス機能および前記監視設定値を含む前記監視設定を生成する、監視設定算出処理と、を実行する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されたデータ伝送するネットワーク機器の接続状態の監視を行う監視装置が前記ネットワーク機器を監視するための監視設定を生成する監視支援装置であって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記ネットワーク機器の変更された機器設定値と、当該変更された機器設定値に対する機器設定対象と、を取得する設定変更検出処理と、
前記ネットワーク機器の機器設定対象と、当該機器設定対象に対する機器設定値と、前記ネットワーク機器の監視の種類の名称である監視サービス機能および監視設定値と、を対応づけた監視設定値情報を取得し、
前記設定変更検出処理で取得した、前記ネットワーク機器の前記変更された機器設定値と、前記変更された機器設定値に対する機器設定対象と、に対応づけられた、前記監視サービス機能および前記監視設定値を、前記監視設定値情報から取得し、
取得した前記監視サービス機能および前記監視設定値を含む前記監視設定を生成する、監視設定算出処理と、を実行する、
監視支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の監視支援装置であって、
前記監視支援装置は、ネットワークを介して監視端末に接続されており、
前記プロセッサは、前記監視設定算出処理にて生成した前記監視サービス機能および監視設定値を、前記監視端末に送信する監視端末送信処理を実行する、
監視支援装置。
【請求項3】
請求項1に記載の監視支援装置であって、
さらに、記憶装置を備え、
前記記憶装置は、前記監視サービス機能に対応づけられた監視設定スクリプトテンプレートを格納し、
前記プロセッサは、前記監視設定算出処理にて取得した前記監視サービス機能に対応付けられた監視設定スクリプトテンプレートを取得し、
取得した監視設定スクリプトテンプレートに、前記監視設定算出処理にて生成した前記監視サービス機能および監視設定値を当てはめて、前記監視装置に監視の設定をする監視設定スクリプトを生成する、監視設定スクリプト処理を実行する、
監視支援装置。
【請求項4】
請求項1に記載の監視支援装置であって、
さらに、記憶装置を備え、
前記記憶装置は、前記監視サービス機能と、前記監視サービス機能に関する監視の契約有無と、を対応づけた監視サービス情報を格納し、
前記監視設定算出処理は、
前記設定変更検出処理で取得した、前記ネットワーク機器の前記変更された機器設定値と、前記変更された機器設定値に対する機器設定対象と、に対応づけられた、前記監視サービス機能および監視設定値のうちで、前記監視サービス機能が、前記監視サービス情報において、前記契約有無が有りに対応づけられている前記監視サービス機能および監視設定値を含む監視設定を生成する、
監視支援装置。
【請求項5】
請求項4に記載の監視支援装置であって、
前記監視支援装置は、ネットワークを介して監視端末に接続されており、
前記プロセッサは、
前記設定変更検出処理で取得した、前記ネットワーク機器の前記変更された機器設定値と、前記変更された機器設定値に対する機器設定対象と、に対応づけられた、前記監視サービス機能および監視設定値のうちで、前記監視サービス機能が、前記監視サービス情報において、前記契約有無が無しに対応づけられている前記監視サービス機能および監視設定値を、前記監視端末に送信させる監視サービス機能送信処理を実行する、
監視支援装置。
【請求項6】
請求項1に記載の監視支援装置であって、
前記ネットワーク機器は、当該ネットワーク機器を識別するネットワーク機器識別情報と、前記機器設定対象と、前記機器設定値と、を対応付けた機器設定値情報を、生成する設定装置に、前記機器設定値情報に基づいて設定され、
前記プロセッサは、前記設定変更検出処理において、
前記ネットワーク機器の設定変更前に生成された機器設定値情報を、変更前機器設定値情報として取得し、
前記ネットワーク機器の設定変更時に生成された機器設定値情報を、変更時機器設定値情報として取得し、
前記変更時機器設定値情報と、前記変更前機器設定値情報との差分を、機器設定値差分情報として算出し、
前記機器設定値差分情報に基づいて、前記ネットワーク機器の変更された機器設定値と、当該変更された機器設定値に対する機器設定対象と、を、取得する、
監視支援装置。
【請求項7】
請求項1に記載の監視支援装置であって、
さらに、記憶装置を備え、
前記記憶装置は、
前記ネットワーク機器の設定変更前後に前記ネットワークに追加または削除された配置変更機器の種別と、前記配置変更機器の追加または削除かの情報を含む変更情報と、前記監視サービス機能および監視設定値と、を対応づけた機器構成関係情報を格納し、
前記プロセッサは、
前記ネットワーク機器の設定変更前と設定変更後それぞれの場合における、前記ネットワークに接続された機器それぞれを特定する機器識別情報と、当該機器それぞれの種別と、トポロジとを対応付けて格納するトポロジ情報を、取得し、
前記設定変更前のトポロジ情報と、前記設定変更後のトポロジ情報との差分を算出し、
前記配置変更機器を特定する配置変更機器識別情報と、前記配置変更機器の種別と、前記変更情報と、を対応付けた配置変更機器情報を取得し、
配置変更接続機器が前記ネットワークの下流側に接続された配置変更ネットワーク機器それぞれに、
当該配置変更ネットワーク機器の下流側に接続された全ての配置変更接続機器に対して、
前記配置変更機器情報から、前記配置変更接続機器の種別と変更情報を取得し、
取得した前記配置変更接続機器の種別と変更情報に対応付けられた、前記監視サービス機能および前記監視設定値を、前記機器構成関係情報から取得して、
前記配置変更ネットワーク機器の下流側に接続された全ての配置変更接続機器の前記監視設定値の整合性をとった、整合性監視設定値を取得して、
前記配置変更ネットワーク機器の前記監視サービス機能および前記整合性監視設定値を含む前記監視設定を生成する、トポロジ変更監視設定算出処理と、を実行する、
監視支援装置。
【請求項8】
ネットワーク機器に対して、設定および接続状態の監視を行うネットワーク運用システムであって、
前記ネットワーク機器のネットワークの設定をする設定装置と、
前記ネットワーク機器の接続状態の監視を行う監視装置と、
前記監視装置が前記ネットワーク機器を監視するための監視設定を生成する監視支援装置と、を備え、
前記監視支援装置は、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記ネットワーク機器の変更された機器設定値と、当該変更された機器設定値に対する機器設定対象と、を取得する設定変更検出処理と、
前記ネットワーク機器の機器設定対象と、当該機器設定対象に対する機器設定値と、前記ネットワーク機器の監視の種類の名称である監視サービス機能および監視設定値と、を対応づけた監視設定値情報を取得し、
前記設定変更検出処理で取得した、前記ネットワーク機器の前記変更された機器設定値と、前記変更された機器設定値に対する機器設定対象と、に対応づけられた、前記監視サービス機能および前記監視設定値を、前記監視設定値情報から取得し、
取得した前記監視サービス機能および前記監視設定値を含む前記監視設定を生成する、監視設定算出処理と、を実行する、
ネットワーク運用システム。
【請求項9】
ネットワークに接続されたデータ伝送するネットワーク機器の接続状態の監視を行う監視装置が前記ネットワーク機器を監視するための監視設定を生成する監視支援装置における監視支援方法であって、
前記ネットワーク機器の変更された機器設定値と、当該変更された機器設定値に対する機器設定対象と、を取得する設定変更検出処理と、
前記ネットワーク機器の機器設定対象と、当該機器設定対象に対する機器設定値と、前記ネットワーク機器の監視の種類の名称である監視サービス機能および監視設定値と、を対応づけた監視設定値情報を取得し、
前記設定変更検出処理で取得した、前記ネットワーク機器の前記変更された機器設定値と、前記変更された機器設定値に対する機器設定対象と、に対応づけられた、前記監視サービス機能および前記監視設定値を、前記監視設定値情報から取得し、
取得した前記監視サービス機能および前記監視設定値を含む前記監視設定を生成する、監視設定算出処理と、を実行する、
監視支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク機器の接続状態の監視を行う監視装置がネットワーク機器を監視するための監視設定を生成する監視支援装置、監視支援方法およびネットワーク運用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータネットワーク(以下、ネットワークとする)には様々な機器が接続されている。ネットワークに接続された機器が故障なく作動しているかどうかを確認するために、機器の監視が行われており、監視を行う技術がある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている技術では、ネットワークに接続された計算機上に構築されたシステムを構成するアプリケーションの稼働状態を監視して、アプリケーションの稼働状態の監視情報を監視サーバに送信するエージェントソフトウェアを、計算機にデプロイする。そして、監視サーバは、変更または増加された計算機を検知すると、変更または増加された計算機にエージェントソフトウェアをデプロイする。これにより、ネットワークに接続された計算機のシステムを監視できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されている技術では、計算機のシステムの稼働状態は監視できるが、ネットワークでデータ伝送するネットワーク機器の接続状態は監視できない。多くの場合、ネットワークに接続された計算機は、ネットワーク機器に接続されており、計算機の稼働状態は、ネットワーク機器の接続状態の影響を受ける場合がある。そこで、ネットワーク機器の異常により、ネットワークに接続された計算機の稼働状態が低下することを抑制するために、ネットワーク機器の接続状態を監視する必要があり、ネットワーク機器の接続状態を監視する監視装置が用いられている。
【0006】
ネットワーク機器を適切に監視するためには、ネットワーク機器の設定変更や、ネットワークに接続された機器の追加や削除等の構成変更に応じて、監視装置の監視の設定を変更する必要がある。ネットワーク機器には様々な設定項目があり、監視の設定変更において、工数削減や設定ミスの防止が課題になっている。そこで、監視装置への監視の設定を容易に設定する技術が求められている。
【0007】
本発明は、ネットワーク機器の接続状態の監視を行う監視装置への監視設定の設定を容易にする、監視支援装置、機器監視設定方法およびネットワーク運用システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の監視支援装置の一態様は、ネットワークに接続されたデータ伝送するネットワーク機器の接続状態の監視を行う監視装置が前記ネットワーク機器を監視するための監視設定を生成する監視支援装置であって、プロセッサを備え、前記プロセッサは、前記ネットワーク機器の変更された機器設定値と、当該変更された機器設定値に対する機器設定対象と、を取得する設定変更検出処理と、前記ネットワーク機器の機器設定対象と、当該機器設定対象に対する機器設定値と、前記ネットワーク機器の監視の種類の名称である監視サービス機能および監視設定値と、を対応づけた監視設定値情報を取得し、前記設定変更検出処理で取得した、前記ネットワーク機器の前記変更された機器設定値と、前記変更された機器設定値に対する機器設定対象と、に対応づけられた、前記監視サービス機能および前記監視設定値を、前記監視設定値情報から取得し、取得した前記監視サービス機能および前記監視設定値を含む前記監視設定を生成する、監視設定算出処理と、を実行する。
【0009】
また、本発明の監視支援装置の監視支援方法の一態様は、ネットワークに接続されたデータ伝送するネットワーク機器の接続状態の監視を行う監視装置が前記ネットワーク機器を監視するための監視設定を生成する監視支援装置における監視支援方法であって、前記ネットワーク機器の変更された機器設定値と、当該変更された機器設定値に対する機器設定対象と、を取得する設定変更検出処理と、前記ネットワーク機器の機器設定対象と、当該機器設定対象に対する機器設定値と、前記ネットワーク機器の監視の種類の名称である監視サービス機能および監視設定値と、を対応づけた監視設定値情報を取得し、前記設定変更検出処理で取得した、前記ネットワーク機器の前記変更された機器設定値と、前記変更された機器設定値に対する機器設定対象と、に対応づけられた、前記監視サービス機能および前記監視設定値を、前記監視設定値情報から取得し、取得した前記監視サービス機能および前記監視設定値を含む前記監視設定を生成する、監視設定算出処理と、を実行する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ネットワーク機器の接続状態の監視を行う監視装置への監視設定の設定を容易する。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の発明を実施するための形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ネットワーク運用システムの概略のシステム構成図の一例である。
【
図2】ネットワーク運用システムの機能構成図の一例を示す図である。
【
図3】ネットワーク運用システムのハードウェア・ソフトウェア構成図の一例を示す図である。
【
図4】対象機器情報テーブルの一例を示す図である。
【
図6】監視設定項目テーブルの一例を示す図である。
【
図7】監視サービス情報テーブルの一例を示す図である。
【
図8】変更前機器設定値テーブルの一例を示す図である。
【
図9】機器設定値差分テーブルの一例を示す図である。
【
図10】設定項目関係データベースの一例を示す図である。
【
図11】監視設定項目集計テーブルの一例を示す図である。
【
図12A】機器構成情報テーブルの一例を示す図である。
【
図13】機器構成関係テーブルの一例を示す図である。
【
図14】監視設定スクリプトテンプレートの一例を示す図である。
【
図15】監視設定スクリプトの一例を示す図である。
【
図16】監視設定変更処理を示すフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら実施の形態を説明する。実施例は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、実施例に制限されることは無く、本発明の技術的範囲には、本発明の思想に合致するあらゆる応用例が含まれる。
【0013】
また、図及び以下の説明において同一部分または同様な機能を有する部分には、同一符号を付与する場合や、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合や、添字を省略して説明する場合がある。また、特に限定しない限り、各構成要素は複数でも単数でも構わない。
【0014】
図面に示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0015】
また、以下の説明では、「表」、「テーブル」、「リスト」、「キュー」等の表現にて各種情報を説明する場合があるが、各種情報はこれら以外のデータ構成で表現されていてもよい。また、各種情報がデータ構成に依存しないことを示すために「テーブル」等を「管理情報」と呼ぶことができる。識別情報を「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いて説明する場合があるが、これらについてはお互いに置換が可能である。
【0016】
また、「プログラム」や「機能部」を主語とする文で処理を説明する場合がある。そのプログラムや機能部は、処理部や演算部であるプロセッサ、例えば、MP(Micro Processor)やCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)によって実行されるもので、定められた処理をするものである。プロセッサは、記憶資源(例えばメモリ)及び通信インタフェース装置(例えば、通信ポート)を用いながら処理を行う。このため、「プログラム」や「機能部」を主語とする文の主語を、プロセッサ、処理部或いは演算部で置き換えてもよい。また、プログラムを実行して行う処理の主体を、プロセッサ、演算部或いは処理部としてもよいし、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードとしてもよいし、特定の処理を行う専用回路でもよい。ここで、専用回路とは、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)等である。
【実施例0017】
本実施例のネットワーク運用システム1は、ネットワークでデータ伝送するネットワーク機器10に対して、ネットワークの設定と、接続状態の監視と、ネットワークの設定変更に応じた監視の設定変更と、を行うことができる。
【0018】
<<ネットワーク運用システム1のシステム構成の概要>>
図1は、ネットワーク運用システム1の概略のシステム構成図の一例である。ネットワーク運用システム1は、ネットワークNW1に接続されたネットワーク機器10を運用対象とする。ネットワーク機器10は、情報の処理に用いる接続装置11に接続されている。そして、ネットワーク運用システム1は、例えば、ネットワーク機器10の設定に用いる設定装置100と、ネットワーク機器10の監視に用いる監視装置200と、監視装置200の監視の設定に用いる監視支援装置300と、を有する。これらは、ネットワーク機器10とともに、ネットワークNW1、NW2を介して接続されている。そして、監視装置200から監視の情報を取得できるように、ネットワークNW2を介して監視装置200に接続された監視端末250が用いられている。
【0019】
ネットワーク機器10を設定するネットワーク機器管理者は、設定装置100を操作して、ネットワーク機器10のネットワークの設定をする。ネットワーク機器管理者は、例えば、ネットワーク機器10を導入している企業で、ネットワーク機器10を含む企業システムを管理する1人以上の者である。
【0020】
ネットワーク運用システム1を運用する運用者は、監視端末250を操作してネットワーク運用システム1を運用できる。運用者は、例えば、ネットワーク運用サービスを提供する1人以上の者である。
【0021】
ネットワーク機器10は、ネットワークNW1に接続されており、L2スイッチやL3スイッチ、ルーターといった、ネットワークにおいて、サーバなどのコンピュータ間でデータ伝送するための機器である。ネットワーク機器10は、ネットワーク機器管理者が利用し、ネットワークNW1に、1台以上設置されている。
【0022】
接続機器11は、ネットワーク機器10に接続された、情報の処理に用いる機器である。接続機器11は、例えば、サーバやクライアント等の機器である。
【0023】
設定装置100は、ネットワーク機器管理者から入力されたネットワーク機器設定要求に基づいて、ネットワーク機器10の設定変更用のパラメータリスト(後述する機器設定値テーブル112)を作成して、ネットワーク機器10の設定の変更を実行する装置である。ここで、設定変更用パラメータリストとは、ネットワーク機器10の設定(データ転送に関する設定)を変更するための、ネットワーク機器10に設定可能なパラメータとその設定値の一覧である。設定装置100は、ネットワーク機器10の設定の変更を実行すると、設定の変更を実行した旨の情報を、監視支援装置300に送信する。
【0024】
監視装置200は、ネットワーク機器10の監視を実行する装置である。監視装置200は、ネットワーク運用システム1の利用者(ネットワーク機器管理者等)が契約した監視サービスに基づく、監視実行の有無や監視間隔などの監視サービスの設定が入力され、監視サービスの設定に従って、ネットワーク機器10の監視を実行する。
【0025】
監視支援装置300は、設定装置100がネットワーク機器10のネットワークの設定を変更することを監視して、設定の変更が行われたことを検知する。そして、監視支援装置300は、設定装置100の設定変更前のパラメータリストと設定変更後のパラメータリストを比較して、パラメータリストで変更された設定値を抽出する。さらに、監視支援装置300は、設定の変更前後で、削除または追加された機器(ネットワーク機器10または接続機器11)である配置変更機器の情報を検出する。
【0026】
また、監視支援装置300は、パラメータリストで、変更された設定値と、その設定値およびパラメータに対する監視設定のルールと、配置変更機器の情報と、配置変更機器に対する監視設定のルールと、に基づいて、監視装置200の監視の設定の変更内容を算出する。そして、監視支援装置300は、監視の設定の変更内容を、監視端末250に送信することで、ネットワーク運用システム1を運用する運用者に監視の設定の変更内容を通知する。さらに、監視支援装置300は、監視の設定の変更内容から、監視装置200に監視の設定を変更させる監視設定用スクリプトを生成する。そして、監視支援装置300は、監視設定用スクリプトを実行して、監視装置200にネットワーク機器10の監視の設定を変更させる。
【0027】
監視端末250は、情報処理装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット、ノートPC、デスクトップPCである。監視端末250は、監視装置200及び監視支援装置300と情報の送受信ができ、監視の設定画面や監視結果などを表示できる。ネットワーク運用システム1を運用する運用者は、監視端末250に表示される情報を確認しながら、監視装置200の設定の作業や、ネットワーク機器10の監視の状況の情報や、監視支援装置300から送信される監視の設定の変更内容を把握できる。
【0028】
ネットワークNW1、NW2は、有線のネットワークでもよいし、無線のネットワークでもよい。ネットワークNW1は、例えば、構内ネットワーク(LAN:Local Area Network)である。ネットワークNW2は、例えば、グローバルネットワークであり、例えばインターネットである。
【0029】
<<ネットワーク運用システム1のシステム構成>>
次に、
図2および
図3を用いて、ネットワーク運用システム1の構成を説明する。
図2は、ネットワーク運用システム1の機能ブロック図の一例を示す図である。また、
図3は、ネットワーク運用システム1のハードウェア構成例を示すブロック図である。なお、
図2および
図3には、接続機器11の図示を省略した。
【0030】
<設定装置100の構成>
設定装置100は、
図2に示されるように、機能構成として、設定情報管理部101、機器設定部102、記憶部103を有する。また、
図3に示すように設定装置100は、ハードウェア構成として、プロセッサ121、主記憶装置122、副記憶装置123、通信I/F(Interface)124、これらを接続するバス125を有している。設定装置100は、一般的なサーバ装置などの情報処理装置で実現することができる。
【0031】
プロセッサ121は、設定装置100の各部を制御し、副記憶装置123に記憶されたデータやプログラムを主記憶装置122に読み出して、プログラムによって定められた処理を実行する。
図2を用いて上述した設定情報管理部101は、後述する、副記憶装置123に記憶されている設定情報管理プログラム101aを、プロセッサ121が主記憶装置122に読み出して実行することにより実現される。また、機器設定部102は、後述する、副記憶装置123に記憶されている機器設定部プログラム102bをプロセッサ121が、主記憶装置122に読み出して実行することにより実現される。本明細書では、機能部である設定情報管理部101、機器設定部102を主語とする文で処理を説明する場合、設定装置100のプロセッサ121が当該機能部を実現するプログラム101a、102aを実行していることを示す。
【0032】
主記憶装置122は、RAMなどであり、揮発性記憶素子を有し、プロセッサ121が実行するプログラムや、データを記憶する。
【0033】
副記憶装置123は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などであり、不揮発性記憶素子を有し、プログラムやデータ等を記憶する装置である。副記憶装置123は、上述した、記憶部103である。副記憶装置123は、設定作業情報DB110を記憶している。設定作業情報DB110は、設定装置100で管理している各種情報を格納するデータベースである。詳細は、
図4及び
図5を用いて後述するが、設定作業情報DB110には、対象機器情報テーブル111、機器設定値テーブル112が格納されている。
【0034】
また、副記憶装置123には、設定情報管理プログラム101aと、機器設定プログラム102aと、がインストールされている。上述したが、設定情報管理プログラム101a、機器設定プログラム102aは、プロセッサ121に実行されて、設定情報管理部101、機器設定部102の機能を実現させるプログラムである。
【0035】
通信I/F124は、ネットワークNW1、NW2に接続されており、ネットワーク機器10や、監視支援装置300等の装置と、ネットワークNW1、NW2を介してデータを送受信可能なインターフェース(送受信装置)である。設定装置100は、通信I/F124を用いて、ネットワーク機器10や、監視支援装置300等の装置と、ネットワークNW1、NW2を介してデータの送受信を行うことができる。
【0036】
設定情報管理部101は、ネットワーク機器管理者からネットワーク機器10の設定に使用するパラメータリスト(機器設定値テーブル112)を取得して管理する機能部である。
【0037】
機器設定部102は、パラメータリスト(機器設定値テーブル112)に基づいてネットワーク機器10の設定を変更する機能部である。設定の変更は、たとえば設定変更用のスクリプトを作成して自動で実行する。
【0038】
記憶部103は、副記憶装置123であり、対象機器情報テーブル111や、パラメータリスト(機器設定値テーブル112)等のデータを記憶する機能部である。
【0039】
<監視装置200の構成>
監視装置200は、
図2に示されるように、機能構成として、機器監視部201、監視設定部202、記憶部203を有する。また、
図3に示すように監視装置200は、ハードウェア構成として、設定装置100と同様に、プロセッサ221、主記憶装置222、副記憶装置223、通信I/F224、これらを接続するバス225を有している。監視装置200は、一般的なサーバ装置などの情報処理装置で実現することができる。
【0040】
副記憶装置223は、上述した、記憶部203である。副記憶装置223は、監視設定情報DB210を記憶している。監視設定情報DB210は、監視装置200で管理している各種情報を格納するデータベースである。監視設定情報DB210には、監視設定項目テーブル211が格納されている。
【0041】
また、副記憶装置223には、機器監視プログラム201a、監視設定プログラム202aがインストールされている。
図2を用いて上述した機器監視部201、監視設定部202は、副記憶装置223に記憶されている機器監視プログラム201a、監視設定プログラム202aをプロセッサ221が主記憶装置222に読み出して実行することにより実現される。本明細書では、機能部である機器監視部201、監視設定部202を主語とする文で処理を説明する場合、監視装置200のプロセッサ221が当該機能部を実現する機器監視プログラム201a、監視設定プログラム202aを実行していることを示す。
【0042】
機器監視部201は、ネットワーク機器10の死活監視や状態監視といった、監視サービスでの、ネットワーク機器10の接続状態の監視を実行する機能部である。たとえば、死活監視は、ping応答の確認等を実行し、状態監視はSNMPによるCPUやメモリの使用率等の確認等を実行する。
【0043】
監視設定部202は、各監視サービスでの監視の設定を行う機能部である。監視設定部202は、GUI、CLI、スクリプトなどを用いて入力された、監視実行の有無や、監視間隔といった設定を保存する。
【0044】
記憶部203は、副記憶装置223であり、データを記憶する機能部である。記憶部203は、上述した様に、監視設定項目テーブル211を格納している監視設定情報DB210を記憶している。
【0045】
<監視支援装置300の構成>
監視支援装置300は、
図2に示されるように、機能構成として、設定変更検出部301、監視設定算出部302、記憶部303を有する。また、
図3に示すように監視支援装置300は、ハードウェア構成として、設定装置100と同様に、プロセッサ321、主記憶装置322、副記憶装置323、通信I/F(Interface)324、これらを接続するバス325を有している。監視支援装置300は、一般的なサーバ装置などの情報処理装置で実現することができる。
【0046】
副記憶装置323は、上述した、記憶部303である。副記憶装置323は、関係管理情報DB310を記憶している。関係管理情報DB310は、監視支援装置300で管理している各種情報を格納するデータベースである。関係管理情報DB310には、詳細は
図4、
図7~
図15を用いて後述するが、対象機器情報テーブル311、監視サービス情報テーブル312、変更前機器設定値テーブル313、機器設定値差分テーブル314、設定項目関係データベース315、監視設定項目集計テーブル316、機器構成情報テーブル317、機器構成関係テーブル318、監視設定スクリプトテンプレート319、監視設定スクリプト320が格納されている。
【0047】
また、副記憶装置323には、設定変更検出プログラム301a、監視設定算出プログラム302aがインストールされている。
図2を用いて上述した設定変更検出部301は、副記憶装置323に記憶されている設定変更検出プログラム301aをプロセッサ321が主記憶装置322に読み出して実行することにより実現される。また、監視設定算出部302は、副記憶装置323に記憶されている監視設定算出プログラム302aをプロセッサ321が主記憶装置322に読み出して実行することにより実現される。本明細書では、機能部である設定変更検出部301、監視設定算出部302を主語とする文で処理を説明する場合、監視支援装置300のプロセッサ321が当該機能部を実現する設定変更検出プログラム301a、監視設定算出プログラム302aを実行していることを示す。
【0048】
設定変更検出部301は、設定装置100によるネットワーク機器10の設定変更を監視して、設定変更が実行されたことを検知し、ネットワーク機器10の設定変更前のパラメータリストと設定変更後のパラメータリストに基づいて、変更されたパラメータとその設定値(機器設定値差分テーブル314)を抽出する機能部である。
【0049】
監視設定算出部302は、変更されたパラメータとその設定値(機器設定値差分テーブル314)、監視サービス情報テーブル312、ネットワーク機器・パラメータと複数の監視サービスの設定項目との関係ルール(設定項目関係データベース315)、およびネットワーク構成に対する監視設定のルール(機器構成関係テーブル318)に基づき、必要となる監視設定項目および設定値を決定し、監視サービス情報、および監視設定用スクリプトのテンプレートに基づき監視設定用スクリプトを生成して、監視装置200で提供する監視サービスの設定を変更する機能部である。
【0050】
記憶部303は、副記憶装置323であり、データを記憶する機能部である。記憶部303は、上述した変更作業情報DB310を記憶している。上述した様に、変更作業情報DB310には、対象機器情報テーブル311、監視サービス情報テーブル312、変更前機器設定値テーブル313、機器設定値差分テーブル314、設定項目関係データベース315、監視設定項目集計テーブル316、機器構成情報テーブル317、機器構成関係テーブル318、監視設定スクリプトテンプレート319、監視設定スクリプト320が格納されている。
【0051】
なお、監視支援装置300は、監視装置200の構成を加えて、監視装置200を兼ねてもよい。また、監視支援装置300は、設定装置100及び監視装置200の構成を加えて、設定装置100と、監視装置200とを兼ねる装置にしてもよい。
【0052】
<<ネットワーク運用システム1のデータ構成>>
次に、
図4から
図15を用いてネットワーク運用システム1で使用される各種データのデータ構成について説明する。
【0053】
図4は、対象機器情報テーブル111のデータ構成の一例を示す図である。対象機器情報テーブル111は、設定変更や監視の対象であるネットワーク機器10の情報を管理し、フィールドとして、機器ID401と、機種ID402と、機種403と、アクセス情報404と、ログインID405と、パスワード406を有する。
【0054】
機器ID401は、値として、ネットワーク機器管理者が利用するネットワーク機器10を一意に特定する識別情報(機器ID)を記憶するフィールドである。機種ID402は、値として、ネットワーク機器10の種別を一意に特定する識別情報(機種ID)を記憶するフィールドである。機種403は、値として、機種を説明する情報を記憶するフィールドである。アクセス情報404は、値として、ネットワーク機器10の管理に使用する、ネットワーク機器10のIP(Internet Protocol)アドレスおよびポート番号を記憶するフィールドである。ログインID405は、値として、ネットワーク機器10にログインするためのユーザ識別情報(ログインID)を記憶するフィールドである。パスワード406は、値として、ネットワーク機器10にログインするためのパスワードを記憶するフィールドである。
【0055】
対象機器情報テーブル111のデータ構成は、監視支援装置300に格納された対象機器情報テーブル311と同じである。
【0056】
図5は、機器設定値テーブル112のデータ構成の一例を示す図である。機器設定値テーブル112は、設定装置100が、ネットワーク機器10に設定した設定情報を管理するテーブルである。設定装置100は、ネットワーク機器10の設定を変更する度に、機器設定値テーブル112を更新する。
【0057】
機器設定値テーブル112は、フィールドとして、機器ID501と、機器設定対象502と、機器パラメータ503と、機器設定値504を有する。機器ID501は、値として、ネットワーク機器管理者が利用するネットワーク機器10を一意に特定する識別情報(機器ID)を記憶するフィールドである。機器設定対象502は、値として、ネットワーク機器10のパラメータの設定値を設定する設定対象を記憶するフィールドである。機器パラメータ503は、値として、機器設定対象502に対して設定可能なパラメータの名前を記憶するフィールドである。機器設定値504は、値として、機器パラメータ503の設定値を記憶するフィールドである。
【0058】
図6は、監視設定項目テーブル211のデータ構成の一例を示す図である。監視設定項目テーブル211は、監視サービスの設定情報を管理するテーブルである。監視設定項目テーブル211は、フィールドとして、機器ID601と、監視サービス機能602と、契約有無603と、監視設定項目604と、監視設定値605と、を有する。機器ID601は、監視サービス機能602の監視を行う対象のネットワーク機器10を一意に特定する識別情報(機器ID)を記憶するフィールドである。監視サービス機能602は、値として、監視の種類を一意に特定する、監視の種類の名称を記憶するフィールドである。契約有無603は、値として、ネットワーク機器管理者と運用者との間の、監視サービス機能602の監視を実行するか否かの契約有無を記憶するフィールであり、契約有の場合(実行中)には値が「有」で、契約無しの場合(実行中でない)には値が「無」である。すなわち、契約有無603は、監視サービス機能602の監視を実行中か否かの実行有無の情報を記憶するフィールドである。監視設定項目604は、値として、監視サービス機能602(監視の種類)に対して設定可能な項目を記憶するフィールドである。監視設定値605は、値として、監視設定項目604の設定値を記憶するフィールドである。
【0059】
監視設定項目テーブル211のデータ構成は、監視支援装置300に格納された監視設定項目集計テーブル316と同じである。
【0060】
対象機器情報テーブル311のデータ構成は、
図4を用いて説明した対象機器情報テーブル111と同じであるため、対象機器情報テーブル311の、説明を省略する。
【0061】
図7は、監視サービス情報テーブル312のデータ構成の一例を示す図である。監視サービス情報テーブル312は、運用者が提供可能な監視サービスと、ネットワーク機器管理者が契約している監視サービスの情報を管理するテーブルである。
【0062】
監視サービス情報テーブル312は、フィールドとして、サービスID701と、監視サービス機能702と、契約有無703と、アクセス情報704と、ログインID705と、パスワード706と、監視条件項目707と、監視条件値708を有する。
【0063】
サービスID701は、監視サービス機能702に対応付けられており、監視サービス機能702を一意に特定する識別情報(サービスID)を記憶するフィールドである。監視サービス機能702は、値として、監視の種類を一意に特定する、監視の種類の名称を記憶するフィールドである。契約有無703は、値として、ネットワーク機器管理者と運用者との間の、監視サービス機能702の監視を実行するか否かの契約有無を記憶するフィールであり、契約有の場合(実行中)には値が「有」で、契約無しの場合(実行中でない)には値が「無」である。すなわち、契約有無703は、監視サービス機能702の監視を実行中か否かの実行有無の情報を記憶するフィールドである。
【0064】
アクセス情報704は、値として、ネットワーク機器10の監視に使用する監視装置200のIPアドレスおよびポート番号を記憶するフィールドである。ログインID705は、値として、監視装置200にログインするためのユーザ識別情報(ログインID)を記憶するフィールドである。パスワード706は、値として、監視装置200にログインするためのパスワードを記憶するフィールドである。以上で説明したアクセス情報704、ログインID705、パスワード706は、監視支援装置300が、監視装置200にアクセスするために必要な情報である。
【0065】
監視条件項目707は、値として、監視サービス機能(監視の種類)ごとに設定可能な監視の条件の項目を記憶するフィールドである。監視条件値708は、値として、監視条件項目707に対する監視の条件の設定値を記憶するフィールドである。
【0066】
図8は、変更前機器設定値テーブル313のデータ構成の一例を示す図である。変更前機器設定値テーブル313は、ネットワーク機器10の設定変更前の設定情報を管理するテーブルである。変更前機器設定値テーブル313は、フィールドとして、機器ID801と、機器設定対象802と、機器パラメータ803と、機器設定値804を有する。機器ID801は、値として、ネットワーク機器管理者が利用するネットワーク機器10を一意に特定する識別情報(機器ID)を記憶するフィールドである。機器設定対象802は、値として、ネットワーク機器10のパラメータの設定値を設定する設定対象を記憶するフィールドである。機器パラメータ803は、値として、機器設定対象802に対して設定可能なパラメータの名前を記憶するフィールドである。機器設定値804は、値として、機器パラメータ803の設定値を記憶するフィールドである。
【0067】
図9は、機器設定値差分テーブル314のデータ構成の一例を示す図である。機器設定値差分テーブル314は、ネットワーク機器10の設定変更前と設定変更後で異なる設定情報(すなわち、変更された設定の情報)を管理する。機器設定値差分テーブル314は、フィールドとして、機器ID901と、機器設定対象902と、機器パラメータ903と、機器設定値904を有する。機器ID901は、値として、ネットワーク機器管理者が利用するネットワーク機器10を一意に特定する識別情報(機器ID)を記憶するフィールドである。機器設定対象902は、値として、ネットワーク機器10のパラメータの設定値を設定する設定対象を記憶するフィールドである。機器パラメータ903は、値として、機器設定対象902に対して設定可能なパラメータの名前を記憶するフィールドである。機器設定値904は、値として、機器パラメータ903の設定値を記憶するフィールドである。
【0068】
図10は、設定項目関係データベース315と、設定項目関係データベース315に格納されている設定項目関係テーブル315a~315nのデータ構成の一例を示す図である。設定項目関係データベース315は、ネットワーク機器10のパラメータと監視の設定の関係を管理する。設定項目関係テーブル315a~nは、ネットワーク機器10毎に作成されている。
図10には、設定項目関係テーブル315a、315b、315n以外の設定項目関係テーブルの図示は省略した。設定項目関係テーブル315a~nは、フィールドとして、機器設定対象ID1001と、機器設定対象1002と、機器パラメータ1003と、監視サービス機能1004と、監視設定項目1005と、監視設定規則1006を有する。
【0069】
機器設定対象ID1001は、値として、機器設定対象1002を識別する識別情報(機器設定対象ID)を記憶するフィールドである。機器設定対象1002は、値として、ネットワーク機器10のパラメータの設定値を設定する設定対象を記憶するフィールドである。機器パラメータ1003は、値として、機器設定対象1002に対して設定可能なパラメータの名前を記憶するフィールドである。監視サービス機能1004は、値として、監視の種類を一意に特定する、監視の種類の名称を記憶するフィールドである。監視設定項目1005は、値として、監視サービス機能1004に表される監視の種類ごとに設定可能な項目を記憶するフィールドである。監視設定規則1006は、値として、機器パラメータ1003の値(機器設定値)に基づいて監視設定値を算出する算出ルールを記憶するフィールドである。
【0070】
図11は、監視設定項目集計テーブル316のデータ構成の一例を示す図である。監視設定項目集計テーブル316のデータ構成は、
図6を用いて説明した監視設定項目テーブル211と同じであるため、監視設定項目集計テーブル316の説明を省略する。
【0071】
図12Aは、機器構成情報テーブル317のデータ構成の一例を示す図である。機器構成情報テーブル317は、ネットワークに接続している機器(ネットワーク機器10、サーバやクライアントなどの接続機器11)などの接続情報および種別情報等を管理するテーブルである。機器構成情報テーブル317は、フィールドとして、IPアドレス1201と、機器ID1202と、機器種別1203と、ノードID1204と、トポロジ1205を有する。IPアドレス1201は、値として、ネットワーク機器10または接続機器11のIPアドレスを記憶するフィールドである。機器ID1202は、値として、ネットワーク機器10または接続機器11を一意に特定する識別情報(機器ID)を記憶するフィールドである。機器種別1203は、値として、ネットワーク機器10または接続機器11の種類(ネットワーク機器、サーバ、クライアントなど)を記憶するフィールドである。ノードID1204は、値として、ネットワーク機器10または接続機器11を一意に特定する識別情報(ノードID)を記憶するフィールドである。トポロジ1205は、値として、ネットワークのトポロジ(ネットワーク機器10および接続機器11の間の接続関係)を表で記憶するフィールドである。トポロジ1205の値は、ノードIDの機器(ネットワーク機器10または接続機器11)と、ノードIDの機器とが、接続されている場合は1、それ以外はnullとする。なお、トポロジ1205は、ネットワークのトポロジの情報を含めばよく、態様は、
図12Aに示す態様以外であってもよい。
【0072】
図12Bは、
図12Aに示すトポロジ1205を木構造の図で表した説明図である。
図12Bに示す接続関係の情報が、機器構成情報テーブル317のトポロジ1205に含まれている。
【0073】
図13は、機器構成関係テーブル318のデータ構成の一例を示す図である。機器構成関係テーブル318は、設定の変更前後で、削除または追加された接続機器11(配置変更機器)の情報と、監視の設定の関係を管理するテーブルである。機器構成関係テーブル318は、フィールドとして、変更機器種別ID1301と、変更機器種別1302と、変更情報1303と、監視サービス機能1304と、監視設定項目1305と、監視設定値1306を有する。
【0074】
変更機器種別ID1301は、値として、変更機器種別1302と変更情報1303との組に対応付けられており、変更機器種別1302と変更情報1303の組を一意に特定する識別情報(変更機器種別ID)を記憶するフィールドである。
【0075】
変更機器種別1302は、値として、配置変更機器の種別を記憶するフィールドである。変更情報1303は、値として、配置変更機器の接続関係の変更内容(追加もしくは削除)を記憶するフィールドである。監視サービス機能1304は、値として、監視の種類を一意に特定する、監視の種類の名称を記憶するフィールドである。監視設定項目1305は、値として、値として、監視サービス機能1304(監視の種類)に対して設定可能な項目を記憶するフィールドである。監視設定値1306は、値として、変更情報1303の値に基づく監視設定項目1305の設定値を記憶するフィールドである。
【0076】
図14は、監視設定スクリプトテンプレート319のデータ構成の一例を示す図である。監視設定スクリプトテンプレート319は、監視の設定を変更するためのコマンドや変数のひな型を定義した、監視の設定に用いるスクリプトのひな型である。監視設定スクリプトテンプレート319は、次のひな型を含む。監視サービス機能を当てはめる、監視サービス情報のひな型。監視の条件設定の情報を作成する、設定情報のひな型。ネットワーク機器にアクセスするための情報を作成する、ネットワーク機器情報のひな型。監視装置にアクセスするための情報を作成する、監視装置情報のひな型。監視の設定変更を実行するためのコマンドを作成する、監視設定コマンドのひな型。
【0077】
図15は、監視設定スクリプト320のデータ構成の一例を示す図である。監視設定スクリプト320は、監視装置200の監視の設定を変更するためのコマンドや変数を定義したスクリプトである。監視設定スクリプト320は、監視設定スクリプトテンプレート319に各種の値を当てはめて生成した、監視支援装置300が実行可能なスクリプトである。
【0078】
なお、機器設定値テーブル112及び監視設定項目テーブル211とを併せて、ネットワーク機器10の機器設定対象と、当該機器設定対象に対する機器設定値と、ネットワーク機器10の監視の種類の名称である監視サービス機能および監視設定値と、を対応づけた監視設定値情報である。また、監視サービス情報テーブル312は、監視サービス機能と、監視サービス機能に関する監視の契約有無と、を対応づけた監視サービス情報である。
【0079】
また、機器設定値テーブル112は、ネットワーク機器10を識別するネットワーク機器識別情報(機器ID)と、機器設定対象と、機器設定値と、を対応付けた機器設定値情報であるとともに、変更時機器設定値情報である。変更前機器設定値テーブル313は、変更前機器設定値情報である。機器設定値差分テーブル314は、機器設定値差分情報である。
【0080】
また、機器構成関係テーブル318は、ネットワークに追加または削除された配置変更機器の種別と、配置変更機器の追加または削除かの情報を含む変更情報と、監視サービス機能および監視設定値と、を対応づけた機器構成関係情報である。機器設定値差分テーブル314の機器ID1202は、機器それぞれを特定する機器識別情報である。
【0081】
機器構成情報テーブル317は、設定変更前のトポロジ情報である。
【0082】
監視支援装置300は、
図4~
図15を用いて以上で説明したテーブルを用いて、以下に説明する、監視設定変更処理を実行する。
【0083】
<<監視支援装置300の処理手順>>
次に、監視支援装置300の処理手順について説明する。ネットワーク機器管理者は、設定装置100に、ネットワーク機器10への変更する設定を設定装置100に入力する。すると、設定装置100は、ネットワーク機器10の設定を変更するとともに、設定変更後のネットワーク機器10の設定の情報を機器設定値テーブル112に保存する。また、設定装置100は、例えば、メッセージング基盤やWeb API(Application Programming Interface)を介して、ネットワーク機器10の設定を変更した旨の通知を監視支援装置300に送信するようになっている。監視支援装置300は、設定装置100から送信されるネットワーク機器10の設定を変更した旨の通知の受信を待ち受けることで、ネットワーク機器10に設定変更がされることを常時監視する。
【0084】
監視支援装置300は、設定装置100から、ネットワーク機器10の設定を変更した旨の通知を受信すると、監視支援装置300は、監視装置200にネットワーク機器10を監視するための監視設定を変更させる、監視設定変更処理を開始する。
【0085】
次に、
図4~
図15を参照しつつ、
図16を用いて監視支援装置300の設定変更検出部301および監視設定算出部302により実行される監視設定変更処理について説明する。
【0086】
図16は、監視設定変更処理の例を示すフローチャートである。監視支援装置300は、監視設定変更処理を開始すると、設定装置100から対象機器情報テーブル111を取得して、副記憶装置323の対象機器情報テーブル311に上書き保存して、対象機器情報テーブル311を更新する。
【0087】
監視支援装置300は、設定変更後と設定変更前のネットワーク機器10の設定情報を取得し、差分(設定変更分)を算出し、設定変更前のネットワーク機器10の設定情報を更新する(ステップS1601)。具体的には、監視支援装置300は、設定変更後のネットワーク機器10の設定情報である、機器設定値テーブル112を設定装置100から取得し、保存する。また、設定変更前のネットワーク機器10の設定情報である、変更前機器設定値テーブル313を副記憶装置323から読み出す。そして監視支援装置300は、機器設定値テーブル112と変更前機器設定値テーブル313との差分(設定変更分の設定情報)を算出して、機器設定値差分テーブル314に保存する。
【0088】
そして、取得した機器設定値テーブル112を変更前機器設定値テーブル313に上書き保存して、変更前機器設定値テーブル313を更新する。
【0089】
次に、監視支援装置300は、ネットワーク機器10の設定変更分の設定情報に対する監視ルールを取得し、取得した監視ルールに、設定変更前の監視ルールからの変更がある場合に、監視ルールと契約有無を、監視設定項目集計テーブル316に保存する(ステップS1602)。具体的には、監視支援装置300は、まず、設定変更前の監視ルールを含む監視設定項目テーブル211を監視装置200から取得して保存する。そして、監視支援装置300は、設定変更分の設定情報が保存されている機器設定値差分テーブル314それぞれのレコードに対して、次の1~3の処理を行う。
【0090】
1、設定変更後の監視ルールの取得。監視支援装置300は、設定項目関係データベース315(
図10参照)から、機器設定値差分テーブル314の機器ID901に対応付けられた設定項目関係テーブル315iを取得する。そして、監視支援装置300は、設定項目関係テーブル315iから、機器設定値差分テーブル314の機器設定対象902および機器パラメータ903に対応付けられた、監視サービス機能1004と、監視設定項目1005と、監視設定規則1006と、を取得する。
【0091】
そして、監視支援装置300は、機器設定値差分テーブル314の機器パラメータ903および機器設定値904を、取得した設定項目関係テーブル315iの監視設定規則1006に当てはめ、得られる値を監視設定値とする。以上で取得した、監視サービス機能1004と、監視設定項目1005と、監視設定値との3つを、設定変更後の監視ルールとする。
【0092】
2、設定変更後の監視ルールに対する設定変更前の監視設定値の取得。監視支援装置300は、設定変更前の監視ルールを含む監視設定項目テーブル211(
図6参照)から、設定変更後の監視ルールに含まれる監視サービス機能および監視設定項目に対応付けられた、監視設定値を設定変更前監視設定値として取得する。
【0093】
3、設定変更前後で監視設定値が異なる場合に、契約有無を取得し、契約有無を設定変更後の監視ルールとともに、監視設定項目集計テーブル316(
図11参照)に保存。監視支援装置300は、設定変更後の監視ルールに含まれる監視設定値と、設定変更前監視設定値とを比較して、異なる場合には、監視の設定が変わるため、監視の変更する設定を保存する。すなわち、監視支援装置300は、監視サービス情報テーブル312(
図7参照)から、設定変更後の監視ルールに含まれる監視サービス機能に対応付けられた、契約有無703を取得し、取得した契約有無と、設定変更後の監視ルールと、を対応付けて、監視設定として監視設定項目集計テーブル316に保存する。
【0094】
なお、設定変更後の監視ルールに含まれる監視設定値と、設定変更前監視設定値とが、同じ場合には、設定変更前後で監視の設定が変わらないため、監視支援装置300は、監視ルールと契約有無を、監視設定項目集計テーブル316に保存しない。
【0095】
以上の1~3の処理を、監視支援装置300が、機器設定値差分テーブル314それぞれのレコードに対して行うことで、監視支援装置300は、ネットワーク機器10の設定変更により変更する監視サービスの設定情報を、監視設定項目集計テーブル316に保存する。
【0096】
以上の1~3の処理の例を説明する。例えば、
図9に示す機器設定値差分テーブル314のレコードで、機器ID901「CC9K-1」に対して、機器設定対象902は「GigabitEthernet1/0/1」で、機器パラメータ903は「I/F有効化」で、機器設定値904は「enable」である。
【0097】
1、設定変更後の監視ルールの取得。監視支援装置300は、設定項目関係データベース315(
図10参照)から、機器設定値差分テーブル314の機器ID901「CC9K-1」に対応付けられた設定項目関係テーブル315aを取得する。そして、監視支援装置300は、設定項目関係テーブル315aから、これらの機器設定対象902「GigabitEthernet1/0/1」および機器パラメータ903「I/F有効化」に対応付けられた、監視サービス機能1004「ポート状態監視」、監視設定項目1005「有効化」、監視設定規則1006「If 機器パラメータ=enable then 監視設定値=有効」を取得する。
【0098】
そして、監視支援装置300は、機器設定値差分テーブル314の機器パラメータ903「I/F有効化」および機器設定値904「enable」を、取得した設定項目関係テーブル315aの監視設定規則1006「If 機器パラメータ=enable then 監視設定値=有効」に当てはめ、得られる値「有効」を監視設定値「有効」とする。以上で設定項目関係テーブル315aから取得した、監視サービス機能1004「ポート状態監視」と、監視設定項目1005「有効化」と、監視設定値「有効」との3つを、設定変更後の監視ルールとする。
【0099】
2、設定変更後の監視ルールに対する設定変更前の監視設定値の取得。監視支援装置300は、設定変更前の監視ルールを含む監視設定項目テーブル211(
図6参照)から、設定変更後の監視ルールに含まれる「ポート状態監視」および監視設定項目「有効化」に対応付けられた、監視設定値「有効」を設定変更前監視設定値「有効」として取得する。
【0100】
3、設定変更前後で監視設定値が異なる場合に、契約有無を取得し、契約有無を設定変更後の監視ルールとともに、監視設定項目集計テーブル316(
図11参照)に保存。監視支援装置300は、設定変更後の監視ルールに含まれる監視設定値「有効」と、設定変更前監視設定値「有効」とを比較する。設定変更後の監視ルールに含まれる監視設定値「有効」と、設定変更前監視設定値「有効」とは、同じく「有効」である。そこで、設定変更前後で監視設定値が変わらず、監視の設定が変わらないため、監視支援装置300は、監視ルールと契約有無を、監視設定項目集計テーブル316に保存しない。
【0101】
仮に、設定変更後の監視設定値が「有効」で、設定変更前監視設定値「無効」で、監視設定値が設定変更前後で変わる(異なる)場合は、設定変更前後で監視の設定が変わるため、監視の変更する設定を保存する。すなわち、監視支援装置300は、監視サービス情報テーブル312(
図7参照)から、設定変更後の監視ルールに含まれる監視サービス機能「ポート状態監視」に対応付けられた、契約有無703「有」を取得し、取得した契約有無「有」と、設定変更後の監視ルールと、を対応付けて、監視設定として監視設定項目集計テーブル316(
図11参照)に保存する。
【0102】
次に、監視支援装置300は、設定変更後のトポロジの情報を取得し、設定変更前後のトポロジを比較して、設定変更前後の間にネットワークNW1に追加または削除された配置変更機器(ネットワーク機器10、接続機器11)の情報を取得する(ステップS1603)。具体的には、監視支援装置300は、まず、ネットワークNW1に接続された機器のトポロジ(設定変更後トポロジとする)をネットワークディスカバリツールを使用して検出するとともに、機器それぞれのIPアドレスおよびOS(Operating System)名の情報収集をする。そして、監視支援装置300は、設定変更後トポロジの情報のノードID(
図12A参照)それぞれと、IPアドレスと、OS名の情報とを対応付けて、設定変更後トポロジの情報とともに、設定変更後機器構成トポロジ情報として保存する。
【0103】
そして、監視支援装置300は、対象機器情報テーブル311から、設定変更後にネットワークNW1に接続されたネットワーク機器10の、IPアドレス(アクセス情報404から)と、機器IDとを対応付けた情報を取得する。
【0104】
さらに、監視支援装置300は、設定変更後機器構成トポロジ情報に含まれるIPアドレスに基づいて、設定変更後機器構成トポロジ情報に、取得したネットワーク機器10の、機器IDと、IPアドレスと、種別「ネットワーク機器」とを対応付けて保存する。
【0105】
監視支援装置300は、設定変更後機器構成トポロジ情報で、種別「ネットワーク機器」に対応付けられていないIPアドレスの機器の種別を、IPアドレスに対応付けられたOS名の情報から以下の様に算出し、IPアドレスと対応付けて設定変更後機器構成トポロジ情報に保存する。監視支援装置300は、OSが、「Windows Server(登録商標)」や「Linux(登録商標)」などサーバで通常利用されているOSの場合は、種別を「サーバ」とする。また、監視支援装置300は、OSがMacOSや、Windows10、11(登録商標)などクライアントで通常利用されているOSの場合は、種別を「クライアント」とする。以上では、OSの名前の情報を、IPアドレスに対応付けて保存し、OSから種別を算出したが、OSの名前に換えて、種別を算出できる他の情報を用いてもよい。
【0106】
そして、監視支援装置300は、設定変更後機器構成トポロジ情報に基づいて、機器構成情報テーブル317を更新する。
【0107】
そして、監視支援装置300は、設定変更後のトポロジの情報を含む設定変更後機器構成トポロジ情報と、設定変更前のトポロジの情報を含む機器構成情報テーブル317とで、トポロジの情報を比較して、次のように、ネットワーク機器10と接続機器11の情報を算出して保存する。すなわち、監視支援装置300は、ネットワーク機器10の、IPアドレスと、機器IDと、種別「ネットワーク機器」と、変更情報(追加、削除、変更なし)と、を算出し、対応付けて保存する。また、監視支援装置300は、接続機器11の、IPアドレスと、機器IDと、種別(サーバ等)と、変更情報(追加、削除、変更なし)と、さらに、上流側に接続されたネットワーク機器10のIPアドレスと、を算出し、対応付けて保存する。これらのネットワーク機器10と接続機器11の情報は、機器ID(配置変更機器を特定する配置変更機器識別情報)と、配置変更機器の種別と、変更情報と、を対応付けた配置変更機器情報である。
【0108】
次に、監視支援装置300は、配置変更機器に対する監視の変更する設定の情報(監視ルール及び契約有無)を、次のA、Bの様に算出し、監視設定項目集計テーブル316に保存する(ステップS1604)。ここで、配置変更接続機器(追加または削除された接続機器11)が接続されていないネットワーク機器10には、設定変更前後で、設定が変更されていないネットワーク機器10と、設定が変更されたネットワーク機器10とがある。監視支援装置300は、これらに対する監視の設定を算出しない。これは、設定が変更されていないネットワーク機器10は、監視の設定を変更する必要がないからである。また、設定が変更されたネットワーク機器10に対する監視の設定(監視ルール、契約有無)の変更内容は、上述したステップS1602の処理で、監視設定項目集計テーブル316に既に保存されている。
【0109】
A、削除されたネットワーク機器10aに対する監視停止の設定。削除されたネットワーク機器10aは、設定変更後に監視する必要がないため、監視の「停止」を設定する。具体的には、監視支援装置300は、監視設定項目テーブル211から、削除されたネットワーク機器10aの監視ルールと、契約有無を取得する。そして、監視支援装置300は、削除されたネットワーク機器10aの、監視ルールうち、監視設定値を「無効」に変更した監視ルール(監視サービス機能、監視設定項目、監視設定値「無効」)と、契約有無と、機器IDとを対応づけて監視設定項目集計テーブル316に保存する。
【0110】
B、追加または削除された接続機器11(配置変更接続機器)が下流側に接続されたネットワーク機器(配置変更ネットワーク機器)10bに対する監視の設定の変更。ここで、配置変更ネットワーク機器が、設定変更後に、追加されたネットワーク機器10であっても、追加されていないネットワーク機器10であっても、配置変更ネットワーク機器の下流側に追加された接続機器11が接続されている。また、監視支援装置300は、上述した様に、設定変更前後で追加または削除された配置変更接続機器の、IPアドレスと、機器IDと、種別(サーバ等)と、変更情報(追加か削除)と、さらに、上流側に接続されたネットワーク機器10のIPアドレスとを対応付けた情報を保存した。また、監視支援装置300は、この情報と、設定変更後機器構成トポロジ情報に基づいて、ネットワーク機器10b毎に、ネットワーク機器10bの下流側に接続された全ての接続機器11のIPアドレスと、機器IDと、種別(サーバ等)と、変更情報(追加か削除)の情報を取得できる。
【0111】
監視支援装置300は、配置変更接続機器が下流側に接続されたネットワーク機器10b毎に、下のB1~B4の処理を行う。
【0112】
B1、配置変更接続機器それぞれの監視ルールの取得。具体的には、監視支援装置300は、機器構成関係テーブル318(
図13参照)から、配置変更接続機器の種別および変更情報に対応付けられた監視ルール(監視サービス機能1304、監視設定項目1305、監視設定値1306)を取得する。
【0113】
B2、設定変更前後で配置変更(追加、削除)のない接続機器11(配置変更接続機器以外の接続機器11)それぞれに対する監視ルールの取得。具体的には、監視支援装置300は、機器構成関係テーブル318から、配置変更のない接続機器11の種別および変更情報「追加」に対応付けられた監視ルール(監視サービス機能1304、監視設定項目1305、監視設定値1306)を取得する(ここで、配置変更の無い接続機器11の変更情報を「追加」とした)。
【0114】
B3、配置変更接続機器が接続されたネットワーク機器10bに接続された全ての接続機器11の間での、監視設定値の整合性をとった整合性監視設定値の算出と、契約有無の取得。監視支援装置300は、ネットワーク機器10bに接続された全ての機器(B1の配置変更接続機器、B2の配置変更接続機器以外の接続機器11)の監視ルールの間で、同一の、監視サービス機能および監視設定項目の組に対応付けられた、監視設定値が1つでも「有効」となっている場合は、整合性監視設定値を、監視設定値「有効」に設定する。また、整合性監視ルールを、監視サービス機能および監視設定項目の組と、監視設定値「有効」とする。
【0115】
一方、監視支援装置300は、ネットワーク機器10bに接続された全ての機器(B1の配置変更接続機器、B2の配置変更接続機器以外の接続機器11)の監視ルールの間で、同一の、監視サービス機能および監視設定項目の組に対応付けられた、監視設定値がすべて「無効」となっている場合は、整合性監視設定値を、監視設定値「無効」に設定する。また、整合性監視ルールを、監視サービス機能および監視設定項目の組と、監視設定値「無効」とする。
【0116】
以上の様に、監視支援装置300は、監視サービス機能および監視設定項目の全ての組に対して、整合性監視ルールを算出する。さらに、監視支援装置300は、監視サービス情報テーブル312から、整合性監視ルールに含まれる監視サービス機能に対応付けられた、契約有無703を取得し、取得した契約有無703と、ネットワーク機器10bの機器IDおよび整合性監視ルールとを対応付けて保存する。
【0117】
B4、整合性監視ルールの監視設定項目集計テーブル316への保存。監視支援装置300は、ネットワーク機器10bの機器IDおよび整合性監視ルールとの組が、監視設定項目集計テーブル316と、監視設定項目テーブル211との少なくとも一方に保存されているか否かを判定する。そして、保存されていないと判定された場合には、配置変更有ネットワーク機器10b2の機器IDと、整合性監視ルールと、契約有無とを、監視設定として監視設定項目集計テーブル316に保存する。
【0118】
以上のB1~B4を、配置変更接続機器が接続されたネットワーク機器10b毎に行うことで、配置変更接続機器に関するネットワーク機器10の設定の変更が、設定装置100から設定されない場合であっても、監視支援装置300は、監視の設定を変更できる。これにより、監視支援装置300は、より適切に監視の設定を変更できる。
【0119】
次に、監視支援装置300は、監視設定項目集計テーブル316(
図11参照)を用いて、監視装置200に保存された監視設定項目テーブル211(
図6参照)を更新する(ステップS1605)。具体的には、監視支援装置300は、監視設定項目集計テーブル316の機器ID1101、監視サービス機能1102、監視設定項目1104に対応づけられた、上述した様に保存した監視設定項目テーブル211の監視設定値605を取得し、監視設定項目集計テーブル316の監視設定値1105を比較する。そして、監視支援装置300は、監視設定項目テーブル211の監視設定値605と、監視設定項目集計テーブル316の監視設定値1105とが異なる場合には、保存した監視設定項目テーブル211の監視設定値605を、監視設定項目集計テーブル316の監視設定値1105に置き換える。ここで、監視設定項目集計テーブル316の監視設定値1105が「無効」の場合には、監視設定項目集計テーブル316の機器ID1101、監視サービス機能1102、監視設定項目1104に対応づけられた、監視設定項目テーブル211の機器ID601~監視設定値605のレコードを削除する。
【0120】
また、監視支援装置300は、監視設定項目集計テーブル316の機器ID1101、監視サービス機能1102、監視設定項目1104に対応するレコードが、保存した監視設定項目テーブル211に存在しない場合、監視設定項目集計テーブル316の機器ID1101~監視設定値1105を、監視設定項目テーブル211に保存する。
【0121】
次に、監視支援装置300は、監視設定項目集計テーブル316のデータをネットワークI/F324に出力して、ネットワークI/F324に監視設定項目集計テーブル316のデータを監視端末250に送信させる(ステップS1606)。これにより、ネットワーク運用システム1の運用者は、監視端末250を操作して、変更する監視の設定を把握できる。なお、監視支援装置300は、他の情報、例えば、設定変更前後で配置変更(追加、削除)されたネットワーク機器10および接続機器11のIPアドレスと、機器IDと、種別と、変更情報(追加、削除)とを対応付けた情報を、ネットワークI/F324に出力して、監視端末250に送信させてもよい。
【0122】
次に、監視支援装置300は、監視設定の変更を自動実行するためのスクリプトを、契約有無が「有」の監視について生成する(ステップS1607)。具体的には、監視支援装置300は、監視設定項目集計テーブル316で契約有無1103が「有」のレコードそれぞれに対して、次の様に、監視設定スクリプトテンプレート319(
図15参照)に各種の値を当てはめて、監視設定スクリプト320を作成する。
【0123】
監視支援装置300は、監視設定項目集計テーブル316の監視サービス機能1102を、監視サービス情報のひな型に当てはめる。また、監視支援装置300は、監視設定項目集計テーブル316の監視設定値1105や、監視設定項目集計テーブル316の監視サービス機能1102に対応付けられた監視サービス情報テーブル312の監視条件値708等の、監視の条件の情報を設定情報のひな型に当てはめる。
【0124】
また、監視支援装置300は、監視設定項目集計テーブル316の機器ID1101や、監視設定項目集計テーブル316の機器ID1101に対応付けられた、対象機器情報テーブル311のアクセス情報404、ログインID405、パスワード406等のネットワーク機器10にアクセスするための情報を、ネットワーク機器情報のひな型に当てはめる。
【0125】
また、監視支援装置300は、監視設定項目集計テーブル316の監視サービス機能1102に対応付けられた、監視サービス情報テーブル312のアクセス情報704、ログインID705、パスワード706等の監視装置200にアクセスするための情報を、監視装置情報のひな型に当てはめる。また、監視支援装置300は、監視設定項目集計テーブル316の監視サービス機能1102に対応付けられた、監視サービス情報テーブル312のアクセス情報704等、監視設定コマンドのひな型に当てはめる。
【0126】
次に、監視支援装置300は、ステップS1607で生成したスクリプトを実行して、監視装置200の監視の設定を変更して、処理を終了する(ステップS1608)。
【0127】
なお、ステップS1601の処理は、設定変更検出部が実行する設定変更検出処理である。ステップS1602~S1608の処理は、監視設定算出部が実行する監視設定算出処理である。ステップS1603~S1604の処理は、トポロジ変更監視設定算出処理である。ステップS1606の処理は、監視端末送信処理であるとともに、監視サービス機能送信処理である。ステップS1607の処理は、監視設定スクリプト処理である。
【0128】
以上の様に、監視支援装置300は、ネットワーク機器10の変更された機器設定値を取得して、監視装置200がネットワーク機器10を監視するための監視設定を生成する。これにより、監視支援装置300は、ネットワーク機器10の監視装置200の監視設定を設定することを容易にする。そして、ネットワーク機器10の設定変更に伴い必要となる監視設定の工数を削減できると共に、人手による作業ミスを低減することができる。さらに、監視支援装置300は、監視装置200の監視設定生成するために必要となるエネルギーや生成される二酸化炭素の排出量を減らし、地球温暖化を抑制できる。
【0129】
監視支援装置300は、監視サービス機能および監視設定値を、監視端末250に送信する。監視端末250は、監視サービス機能および監視設定値を受信すると、監視サービス機能および監視設定値を表示できる。これにより、監視端末250を使用する運用者が、監視サービス機能および監視設定値を容易に把握できる。
【0130】
監視支援装置300は、監視設定スクリプトを生成することで、ネットワーク機器10の監視装置200の監視設定を設定することを、一層容易にする。
【0131】
監視支援装置300は、契約有無が有りに対応付けられている監視サービス機能とその監視設定値を含む監視設定を生成する。これにより、監視支援装置300は、より適切な監視設定を生成できる。ひいては、監視支援装置300は、ネットワーク機器10をより適切に監視することを可能にする。
【0132】
監視支援装置300は、契約されていない、契約有無が無しの、監視サービス機能および監視設定値を、監視端末250に送信する。監視端末250は、契約有無が無しの監視サービス機能および監視設定値を受信して、契約有無が無しの監視サービス機能および監視設定値を表示できる。これにより、監視端末250を使用する運用者が、実行されておらず、実行可能に設定変更可能な監視サービス機能および監視設定値を容易に把握できる。
【0133】
監視支援装置300は、機器設定値テーブル(変更時機器設定値情報)112と、変更前機器設定値テーブル(変更前機器設定値情報)313との差分の機器設定値差分テーブル(機器設定値差分情報)314に基づいて、ネットワーク機器の変更された機器設定値と、変更された機器設定値に対する機器設定対象とを、取得する。これにより、監視支援装置300は、ネットワーク機器の変更された機器設定値と、変更された機器設定値に対する機器設定対象とを、より容易に取得できる。ひいては、監視支援装置300は、監視支援装置300は、ネットワーク機器10の監視装置200の監視設定を設定することをより容易にする。
【0134】
監視支援装置300は、ネットワークのトポロジを取得して、ネットワーク機器10の設定変更前後で、ネットワーク機器10に接続された全ての接続機器11(機器)によるネットワーク機器10の監視設定を算出する。これにより、これにより、監視支援装置300は、より適切な監視設定を生成できる。ひいては、監視支援装置300は、ネットワーク機器10をより適切に監視することを可能にする。
【0135】
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、または置換をしてもよい。
【0136】
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
【0137】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、IC(Integrated Circuit)カード、SDカード、DVD(Digital Versatile Disc)の記録媒体に格納することができる。
【0138】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。