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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178171
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】保持具
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/00 20060101AFI20231207BHJP
【FI】
B65F1/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173120
(22)【出願日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】U 2022001848
(32)【優先日】2022-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 提示日:令和4年6月15日、提示した場所:メールによるCADデータの送信 提示日:令和4年7月20日、提示した場所:メールによるCADデータの送信、及び、保持具サンプルの提示
(71)【出願人】
【識別番号】722005879
【氏名又は名称】後藤 将之
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】後藤 将之
【テーマコード(参考)】
3E023
【Fターム(参考)】
3E023BA08
3E023BA18
(57)【要約】
【課題】簡易な構成としながらも、ゴミ袋を用いることなく空の容器を保持することのできる保持具、を提供する。
【解決手段】空の容器を保持するための保持具1は、弾性を有する材料により形成され、元の形状に戻ろうとする復元力によって容器を保持する保持部100と、他の部材と連結可能な形状を有する連結部200と、を備える。保持具1では、保持部100と連結部200とが一体に形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空の容器を保持するための保持具であって、
弾性を有する材料により形成され、元の形状に戻ろうとする復元力によって前記容器を保持する保持部と、
他の部材と連結可能な形状を有する連結部と、を備え、
前記保持部と前記連結部とが一体に形成されている保持具。
【請求項2】
前記保持部は、
前記容器の一部を外周側から囲むことで前記容器を保持する外保持部と、
前記容器の穴に入り込むことで前記容器を保持する内保持部と、を有する、請求項1に記載の保持具。
【請求項3】
前記外保持部及び前記内保持部の全体が、一つの環状となるように形成されている、請求項2に記載の保持具。
【請求項4】
前記連結部が2つ設けられている、請求項1に記載の保持具。
【請求項5】
複数の前記保持部が一列に並んだ状態で、全体が一体に形成されている、請求項1に記載の保持具。
【請求項6】
前記連結部と連結する索状体を更に備える、請求項1に記載の保持具。
【請求項7】
前記索状体のうち少なくとも一方側の端部には、他の部材と係合する係合部が設けられている、請求項6に記載の保持具。
【請求項8】
前記保持部は、前記連結部を間に挟んで設けられた第1保持部及び第2保持部を含み、
前記連結部は、
前記第1保持部及び前記第2保持部に加えられる重力により、前記索状体を挟み込んで保持するように構成されている、請求項6に記載の保持具。
【請求項9】
前記連結部のうち前記索状体と対向する部分には、先の尖った突起が複数形成されている、請求項8に記載の保持具。
【請求項10】
前記保持部は、
外側に向けて円弧状に突出している第1部分と、
前記第1部分の両端のそれぞれから前記連結部側に向かって伸びる一対の部分であって、内側に向けて円弧状に後退している第2部分と、を有し、
前記第1部分及び一対の前記第2部分の全体が、一つの環状となるように形成されている、請求項1に記載の保持具。
【請求項11】
前記保持部は、
前記第1部分の途中から分岐し外側に向けて伸びる第3部分、を更に有する、請求項10に記載の保持具。
【請求項12】
前記保持部には前記第3部分が2つ設けられている、請求項11に記載の保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空の容器を保持するための保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば飲料用の缶やペットボトルのような容器は、空になった後に回収され廃棄される。また、一部の容器は、回収された後に資源としてリサイクルされる。下記特許文献1には、空の容器の一時的な保管場所として、複数のゴミ袋を保持することのできるゴミ袋保持器について記載されている。このようなゴミ袋保持器を用いると、リサイクル可能な容器を、回収されるまでの期間において他のゴミとは分けて保管することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-053430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のゴミ袋保持器は、容器を保管するために複数のゴミ袋を必要とするものである。このため、マイクロプラスチックによる海洋汚染の問題や、ゴミ袋の焼却に伴うCO2排出の問題を十分に解決するものではない。これらの問題を解決するためには、ゴミ袋を一切用いることなく容器を保管し得ることが好ましい。
【0005】
そのための対策としては、例えば、市販のペットボトルホルダーを複数用いて、空の容器を吊り下げて保管すること等が考えられる。しかしながら、一般的なペットボトルホルダーは、中身の入った重い容器を保持することを前提としているので、空の容器を保持する目的においては過剰な耐久性を有している。このため、回収までの期間において一時的に保持しておく目的のために、多数のペットボトルホルダーを用いるのは、コスト等の観点から現実的ではない。
【0006】
本発明は、簡易な構成としながらも、ゴミ袋を用いることなく空の容器を保持することのできる保持具、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る保持具は、空の容器を保持するための保持具であって、弾性を有する材料により形成され、元の形状に戻ろうとする復元力によって容器を保持する保持部と、他の部材と連結可能な形状を有する連結部と、を備える。この保持具では、保持部と連結部とが一体に形成されている。
【0008】
このような構成の保持具では、保持部の復元力によって空の容器を保持するため、保持部を含む保持具の全体を簡易な構成とすることができる上、容器を保持させるための操作をも簡単なものとすることができる。また、保持部が容器を直接保持するので、容器を入れておくためのゴミ袋は不要である。
【0009】
更に、他の部材と連結可能な連結部を更に備えるので、複数の保持具を互いに連結させて一纏めにしたり、複数の保持具を索状の部材に連結し吊り下げたりすることができる。これにより、複数の容器を保持した状態のまま、保持具を壁に吊るしておくようなことも可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡易な構成としながらも、ゴミ袋を用いることなく空の容器を保持することのできる保持具、が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態に係る保持具が使用されている状態の例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る保持具の本体部の構成を示す図である。
図3図3は、第1実施形態に係る保持具が使用されている状態の例を示す図である。
図4図4は、第1実施形態に係る保持具が使用されている状態の例を示す図である。
図5図5は、第1実施形態に係る保持具が使用されている状態の例を示す図である。
図6図6は、第1実施形態に係る保持具が使用されている状態の例を示す図である。
図7図7は、第2実施形態に係る保持具の本体部の構成を示す図である。
図8図8は、第2実施形態に係る保持具が使用されている状態の例を示す図である。
図9図9は、第3実施形態に係る保持具の構成を示す図である。
図10図10は、第3実施形態に係る保持具の本体部の構成を示す図である。
図11図11は、第3実施形態に係る保持具が使用されている状態の例を示す図である。
図12図12は、第3実施形態に係る保持具が使用されている状態の例を示す図である。
図13図13は、第3実施形態に係る保持具が使用されている状態の例を示す図である。
図14図14は、第3実施形態に係る保持具が使用されている状態の例を示す図である。
図15図15は、第4実施形態に係る保持具の本体部の構成を示す図である。
図16図16は、第4実施形態に係る保持具の構成を示す図である。
図17図17は、第5実施形態に係る保持具の本体部の構成を示す図である。
図18図18は、第5実施形態に係る保持具の構成を示す図である。
図19図19は、第6実施形態に係る保持具の本体部の構成を示す図である。
図20図20は、第7実施形態に係る保持具の本体部の構成を示す図である。
図21図21は、第7実施形態に係る保持具の構成を示す図である。
図22図22は、第8実施形態に係る保持具の本体部の構成を示す図である。
図23図23は、第8実施形態に係る保持具が使用されている状態の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0013】
第1実施形態について説明する。本実施形態に係る保持具1は、例えば飲料用の缶やペットボトルのような容器を、空の状態となった後に保持しておくためのものである。このような保持具1は、例えば、樹脂製のゴミ袋に替えて、空の容器の一時的な保管場所として用いられる。図1に示されるように、保持具1は、本体部10と、索状体300と、を備える。
【0014】
本体部10は、空の容器を複数保持する部分である。本体部10は、一列に並ぶ複数の保持部100を有しており、その全体が一体に形成されている。複数の保持部100は、本実施形態のように直線状に並んでいてもよいが、曲線状に並んでいてもよい。それぞれの保持部100は1つ以上の容器を保持することができる。本体部10は、例えば樹脂やゴムのような弾性を有する材料により形成されている。その形成方法としては、例えば射出成形や型抜き、3Dプリンター等を用いることができる。本実施形態では、本体部10は7つの保持部100を有しているが、保持部100の個数はこれに限定されない。図1には、7つある保持部のうちの1つに、ペットボトルである容器20が保持されている状態が示されている。本体部10の具体的な構成については後に説明する。
【0015】
索状体300は、可撓性を有する材料からなる細長い紐状の部材である。図1に示されるように、索状体300には本体部10の一端が取り付けられる。図1においては、索状体300が水平方向に沿って配置された例が示されているが、索状体300は、例えば上端のみが保持され、略鉛直方向に沿って垂れ下がっているような状態であってもよい。
【0016】
尚、索状体300は、本実施形態のように保持具1を構成する部品として予め用意されてもよいが、索状体300の代用品として、既成の紐やロープ等が用いられてもよい。この場合、保持具1は本体部10のみを備えることとなる。索状体300の代用品としては、例えば、利用者宅や着衣の紐、ストラップ、電源コード、ハンガー、植物の枝葉等を挙げることができる。
【0017】
図2を参照しながら、本体部10の具体的な構成について説明する。本体部10は、一列に並ぶ7つの保持部100と、その両端部に設けられた一対の連結部200と、を備えており、その全体が一体に形成されている。
【0018】
それぞれの保持部100は、外保持部110と、内保持部120と、を有しており、これらの全体が一つの環状となるように形成されている。本体部10に外力が加えられていない状態においては、環状の保持部100は複数個所において屈曲した形状となっており、概ね矩形の外形を有している。
【0019】
外保持部110は、容器の一部を外周側から囲むことで容器を保持する部分である。外保持部110は、例えば、ペットボトルである容器20の飲み口21(図1を参照)の根元部分に対し、外側から囲むように取り付けられる。外保持部110を含む保持部100の全体は弾性を有する材料により形成されているので、上記のように容器20に取り付けられた状態の外保持部110では、元の形状に戻ろうとする復元力が生じる。外保持部110は、このような復元力によって容器20を保持する。
【0020】
内保持部120は、容器の穴に入り込むことで容器を保持する部分である。「容器の穴」とは、例えば、缶である容器30のプルタブ32に設けられた貫通穴33(図5を参照)である。本体部10に外力が加えられていない状態においては、内保持部120は、容器の穴に挿入可能となるように、いずれかの連結部200に向かうよう突出した形状となっている。本実施形態では、内保持部120として、内保持部121及び内保持部122が、それぞれ2つずつ設けられている。内保持部121は、図2の状態において上方側の連結部200に向かうよう突出した部分であり、内保持部122は、図2の状態において下方側の連結部200に向かうよう突出した部分である。
【0021】
尚、保持部100を構成する外保持部110及び内保持部120は、互いに別の部分として構成されてもよいが、一部又は全部が互いに共通する部分として構成されてもよい。例えば図4の例のように、容器20のうち飲み口21の口径が比較的大きい場合には、保持部100の全体が略円形となるように変形させた状態で、飲み口21の根元部分に取り付ける。この状態においては、保持部100の略全体が「外保持部110」として機能することとなる。このように、保持部100のどの範囲が「外保持部110」や「内保持部120」として機能するのかは、保持部100の変形状態等に応じて変化してもよい。
【0022】
連結部200は、他の部材と連結可能な形状を有する部分である。連結部200には、索状体300を通すための貫通穴201が形成されている。先に述べたように、連結部200は、保持部100が複数並ぶ方向における両方の端部のそれぞれに設けられている。
【0023】
一方の連結部200の貫通穴201に索状体300を通し、本体部10を吊り下げた状態とした後に、保持部100の数(本実施形態では7つ)だけ、本体部に容器20を保持させることができる。図3には、全ての保持部100のそれぞれに容器20を保持させた状態の例が示されている。
【0024】
本実施形態では、保持部100を含む本体部10の全体が弾性を有する部材で構成されているので、多種多様な形状の容器を保持することが可能となっている。図1に示されるのは、飲み口21の口径が比較的小さなペットボトル(例えば28mm口径)の容器20を保持させた状態の例であり、図4に示されるのは、飲み口21の口径が比較的大きなペットボトル(例えば38mm口径)の容器20を保持させた状態の例である。いずれの場合も、変形した状態の保持部100の内側において、飲み口21の根元部分が保持されている。保持部100の変形の態様は、飲み口21の口径に応じて適宜変化する。いずれの場合でも、容器を保持するにあたりゴミ袋を用いる必要は無い。
【0025】
図5には、缶である容器30を内保持部120によって保持させた状態が示されている。この例では、上方側に向けて突出する内保持部120(図1に示される内保持部121)が、プルタブ32の貫通穴33に対し下方側から挿通されており、これにより容器30が保持されている。尚、保持部100を図5とは上下逆方向に吊り下げた状態においては、図1に示される内保持部122を貫通穴33に挿通すればよい。いずれの場合でも、内保持部120は重力の影響により多少変形するが、材料の復元力によって、概ね上方に向けて突出している状態を維持する。つまり、内保持部120も、元の形状に戻ろうとする復元力によって容器を保持する部分、ということができる。
【0026】
それぞれの保持部100では、上方側に向けて突出する内保持部120が2つ存在する。このため、1つの保持部100に2つの容器30を保持させることも可能である。本実施形態では、本体部10に対し計14個の容器30を保持させることができる。一部の保持部100に容器30を保持させ、他の一部の保持部100に容器20を保持させることとしてもよい。
【0027】
更に多くの容器を保持させたい場合には、図6に示されるように、複数の本体部10を互いに連結してもよい。具体的には、本体部10が有する連結部200を、他の本体部10が有する連結部200の貫通穴201に挿通させることで、本体部10同士を互いに連結することができる。このような態様での使用は、本実施形態のように、1つの本体部10に2つの連結部200を設けておくことで実現される。
【0028】
第2実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
【0029】
本実施形態では、本体部10の構成において第1実施形態と異なっている。図7に示されるように、本実施形態に係る本体部10は、保持部100を1つだけ有しており、その両側に連結部200が1つずつ設けられている。保持部100及び連結部200のそれぞれの形状は第1実施形態と同じである。
【0030】
このような構成においては、例えば、図6に示されるものと同様の方法で複数の本体部10を一列に並べて連結し、それぞれの本体部10に容器を保持させることができる。
【0031】
尚、本体部10の連結方法は、上記のように一列に並べるような連結方法に限られない。例えば図8に示される例のように、1つの本体部10が有する内保持部120を、他の本体部10が有する連結部200の貫通穴201に挿通させることで連結したり、1つの本体部10に複数の本体部10を連結したりすることで、複数の本体部10同士を互いに連結することができる。様々な態様での連結を可能とすることで、例えば、形状の異なる複数種類の容器を、互いの干渉が生じない位置で保持することが可能となる。また、空の容器を保持するという本来の用途に加えて、複数の本体部10を知育玩具として用いることも可能となる。
【0032】
第3実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
【0033】
図9に示されるように、本実施形態に係る保持具1は、索状体300と、索状体300に対し連結可能な複数の本体部10と、を有している。本実施形態の索状体300では、一方側の端部に係合部301が設けられており、他方側の端部に係合部302が設けられている。係合部301は円環状(つまりリング形状)の部材であり、係合部302は鉤状(つまりフック形状)の部材である。これらはいずれも、例えばカーテンレールや物干し等の他の部材と係合し、これにより索状体300を吊り下げることを可能とするものである。係合部301、302は、本実施形態のように索状体300の両端のそれぞれに設けられてもよいが、索状体300の一端のみに設けられてもよい。また、係合部301、302の形状は、他の部材に係合することが可能な形状であれば、本実施形態とは異なる形状であってもよい。
【0034】
図10に示されるように、本実施形態の本体部10は、2つの保持部100と、これらの間に設けられた連結部200と、を備えており、これらの全体が一体に形成されている。第1実施形態と同様に、本体部10は、例えば樹脂やゴムのような弾性を有する材料により形成されている。連結部200を間に挟んで設けられた2つの保持部100のうちの一方は、本実施形態における「第1保持部」に該当し、他方は、本実施形態における「第2保持部」に該当する。
【0035】
それぞれの保持部100は、第1部分101と第2部分102とを有しており、これらの全体が一つの環状となるように形成されている。第1部分101は、保持部100のうち連結部200とは反対側の位置にある部分である。第2部分102は、第1部分101の両端のそれぞれから、連結部200側に向かって伸びる一対の部分である。
【0036】
図10に示されるように、本体部10に外力が加えられていない状態においては、第1部分101は外側に向けて円弧状に突出するような形状を有している。一方、それぞれの第2部分102は、内側に向けて円弧状に後退するような形状を有している。
【0037】
それぞれの保持部100は更に、第3部分103を有している。第3部分103は、第1部分101の途中から分岐し外側に向けて伸びるように形成された部分であって、それぞれの第1部分101に2つずつ設けられている。第3部分103の個数は、これとは異なっていてもよい。
【0038】
連結部200は、互いに対向する一対の挟持部202を有しており、これらの間に索状体300を保持することで、索状体300と連結した状態となる。それぞれの挟持部202は、先に述べた第2部分102と繋がっている部分であって、環状の保持部100を閉じている部分ということもできる。それぞれの挟持部202の内面側、すなわち索状体300と対向する部分には、先の尖った突起203が複数形成されている。これにより、連結部200と索状体300との間の摩擦力が大きくなるので、索状体300に沿って連結部200がずり下がってしまうことを防止することができる。
【0039】
図11には、本実施形態の本体部10が2つの容器20を保持している状態、が示されている。図11の左側に示される容器20のことを、以下では「容器20A」とも称する。右側に示される容器20のことを、以下では「容器20B」とも称する。容器20Aは、飲み口21の口径が比較的大きなペットボトル(例えば38mm口径)であり、容器20Bは、飲み口21の口径が比較的小さなペットボトル(例えば28mm口径)である。いずれの容器20も、保持部100の内側において飲み口21の根元部分が保持されている。大口径の容器20Aを保持している方の保持部100では、保持部100の全体が内側から押し広げられることにより、略円環状となった状態で容器20Aを保持している。一方、小口径の容器20Bを保持している方の保持部100では、保持部100のうち概ね第1部分101のみが、内側から僅かに押し広げられた状態で容器20Bを保持している。
【0040】
両側の保持部100のそれぞれが容器20を保持している状態では、重力によってそれぞれの保持部100が引き下げられる。このとき、連結部200では所謂「梃子の原理」により、一対の挟持部202を互いに近づける方向の力が生じる。すなわち、索状体300を挟み込んで保持するような力が生じる。このように、本実施形態の連結部200は、両側の保持部100(第1保持部及び第2保持部)に加えられる重力により、索状体300を挟み込んで保持するように構成されている。これにより、挟持部202の間に索状体300を挟み込むだけの簡単な操作を行うだけで、索状体300に本体部10を連結することが可能となっている。
【0041】
尚、保持部100に対し容器を保持させる方法としては、図11に示される例に限られず、様々な方法を用いることができる。例えば図12の左側に示される例のように、缶である容器30の飲み口に、保持部100の第1部分101を挿入してもよい。外力が加えられていない状態における第1部分101の形状は、飲み口の形状よりも大きいので、図11のように容器30は保持されることとなる。このとき、第3部分103の先端が、飲み口の周囲の部分に裏側から当たり「抜け止め」として機能するので、容器30は更に外れにくくなっている。
【0042】
図12の右側に示されるように、缶ではなくボトル型の容器20であっても、飲み口21から保持部100の第1部分101を挿入することで、上記と同様に容器20を保持することができる。
【0043】
図13に示される例のように、索状体300に1つの本体部10を連結し、当該本体部10の保持部100に対し、他の本体部10の連結部200を連結させてもよい。また、缶である容器30のプルタブ32に設けられた貫通穴33に対し、第1部分101を挿入することで、容器30を保持することとしてもよい。
【0044】
このように、本体部10には、様々な方法で1つ以上の容器を保持させることができる。索状体300に複数の本体部10を連結し、それぞれの本体部10に容器を保持させることで、図14に示される例のように、1本の索状体300に多数の容器を保持させることができる。
【0045】
第4実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
【0046】
図15に示されるように、本実施形態に係る保持具1の本体部10は、第1実施形態(図2)と同一形状の保持部100を複数有している。本実施形態では、連結部200Aの左右両側のそれぞれに、3つの保持部100が一列に並ぶよう配置されている。一列に並ぶ保持部100のうち連結部200Aとは反対側の端部(図15では下端部)には、第1実施形態と同一形状の連結部200が設けられている。尚、図15の例では、それぞれの保持部100は図2の保持部100と上下逆となるように配置されているが、図2の保持部100と同じ向きに配置されていてもよい。
【0047】
連結部200Aのうち、図15において符号「203」が付されている部分は、連結部200Aの内側に向けて突出するように設けられた突起であり、第3実施形態(図10)の突起203と同様に機能する部分である。図16に示されるように、本実施形態でも、両側の突起203で索状体300を挟み込むことで、索状体300に複数の本体部10を連結することが可能となっている。これにより、第1実施形態や第3実施形態等で説明したものと同様の効果を奏する。
【0048】
第5実施形態について説明する。以下では、第2実施形態(図7)と異なる点について主に説明し、第2実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
【0049】
図17には、本実施形態に係る本体部10の構成が示されている。本体部10は、先に説明した第2実施形態(図7)と同様に、保持部100を1つだけ有しており、その両側に連結部200が1つずつ設けられている。ただし、保持部100の外形は、本実施形態では略楕円形状となっている。保持部100のうち外保持部110は、概ね上記の楕円形状に沿って伸びるように設けられている。内保持部120は、上記の楕円形状の内側に向けて突出するように設けられている。また、連結部200は鉤状(つまりフック形状)となっており、楕円形状の長軸に沿った両端部のそれぞれに設けられている。
【0050】
このような構成の保持部100においては、例えば、ペットボトルである容器の飲み口を外保持部110の内側に挿通して嵌め込むことにより、当該容器を保持することができる。また、例えば、缶である容器のプルタブに設けられた貫通穴に、内保持部120を通すことにより、当該容器を保持することができる。その他、外保持部110と連結部200との間に、容器の一部(例えばプルタブ)を挟み込むことにより、当該容器を保持することもできる。
【0051】
例えば図18のように、連結部200同士を繋いで複数の本体部10を連結した上で、最も上方側にある本体部10の連結部200に索状体300を通すことで、複数の本体部10を索状体300に吊り下げることができる。これにより、図3に示される例と同様に複数の容器を保持することができる。
【0052】
第6実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
【0053】
本実施形態に係る本体部10は、先に説明した第1実施形態(図2)と同様に、一列に並ぶ複数の保持部100と、その両端に1つずつ設けられた連結部200と、を備えており、これらの全体が一体に形成されている。
【0054】
それぞれの保持部100は、全体が猫の顔を表す形状を有している。保持部100は、第1実施形態と同様に、外保持部110と、内保持部120と、を有している。外保持部110は、猫の顔の輪郭に沿った略楕円形状を有している。内保持部120は、猫の耳を表す形状を有しており、2つの内保持部120が外保持部110から外側に突出している。図19に示されるように、内保持部120には切り込みが形成されている。その結果、外保持部110及び内保持部120を含む保持部100の全体が、一つの環状となるように形成されている。
【0055】
例えば、外保持部110の内側に、ペットボトルである容器の飲み口の根元部分を挿通すれば、当該容器を保持することができる。また、本体部10の内保持部120と、他の本体部10の外保持部110との間のスリット部分に、容器の一部(例えばプルタブ)を保持させることとしてもよい。また、容器のプルタブに形成された貫通穴に、内保持部120を挿通し、これにより容器を保持することとしてもよい。
【0056】
本実施形態の連結部200は、図19において上方側となる位置に設けられた連結部200Aと、同図において下方側となる位置に設けられた連結部200Bと、を含む。上方側の連結部200Aは、猫の顔の頭部から更に上方に向かって突出しており、魚を表す形状を有している。連結部200Aには、魚の目の位置に貫通穴201Aが形成されている。下方側の連結部200Bは、外保持部110の内側に設けられている。連結部200Bには、猫の口を表す形状の貫通穴201Bが形成されている。本実施形態においても、貫通穴201A又は貫通穴201Bのいずかに索状体300を通すことで、索状体300に本体部10を吊り下げることができる。また、本体部10の貫通穴201Bに、他の本体部10の連結部200Aを通すことにより、複数の本体部10を互いに連結することもできる。
【0057】
このように、容器を保持するという機能を発揮し得る限りにおいて、本体部10の各部の形状について自由なデザインを採用することができる。
【0058】
第7実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
【0059】
図20には、本実施形態に係る本体部10の構成が示されている。本実施形態では、本体部10は一本の紐状の部材となっており、複数個所において円弧状に屈曲している。本体部10は、3つの外保持部110と、両端に設けられた2つの連結部200と、を備えている。
【0060】
3つの外保持部110は、いずれも円弧状に形成されている。中央の外保持部110(以下では「外保持部110A」とも称する)は、図20における上方側に向けて突出しており、その両側にある2つの外保持部110(以下では「外保持部110B」とも称する)は、図20における下方側に向けて突出している。
【0061】
2つの連結部200は、いずれも円弧状に形成されている。連結部200の内径は、紐状である本体部10の断面における直径(つまり、本体部10の太さ)と概ね等しい。
【0062】
このような構成の本体部10を、例えば図21のように複数連結して索状体300に吊り下げると、それぞれの外保持部110の内側に容器を保持することができる。例えば、ペットボトルである容器の飲み口の根元部分を、外保持部110によって保持すればよい。この場合、外保持部110は僅かに押し広げられるため、元の形状に戻ろうとする復元力によって容器を保持することができる。
【0063】
図21の例においては、本体部10の連結部200を、同じ本体部10のうち外保持部110Aと外保持部110Bとの間の部分に連結している。更に、本体部10の外保持部110Aを、他の本体部10の外保持部110Bの内側に通しており、これにより複数の本体部10を連結している。最も上方側の本体部10の外保持部110には、索状体300が通してある。つまり、当該外保持部110は、本実施形態における「連結部」としても機能するものとなっている。
【0064】
複数の本体部10は、図21とは異なる態様で連結してもよい。例えば、本体部10の外保持部110Bに、他の本体部10の連結部200を連結してもよい。この場合、図21の例と同様に、本体部10の外保持部110Aを、他の本体部10の外保持部110Bに通してもよい。
【0065】
第8実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
【0066】
図22には、本実施形態に係る本体部10の構成が示されている。本実施形態では、本体部10はABS樹脂の射出成形により形成されている。本体部10は、2つの保持部100を備えている。それぞれの保持部100は、第1突出部161と、第2突出部162と、を有している。
【0067】
第1突出部161は、図22における左右両側に設けられた一対の突起であり、第2突出部162は、第1突出部161の内側において、左右両側に設けられた一対の突起である。一対の第2突出部162の間には、連結部200が設けられている。連結部200の内面側、すなわち、第2突出部162のうち互いに対向している部分には、先の尖った突起203が複数形成されている。
【0068】
図23に示されるように、連結部200には索状体300が挟み込まれ、これにより本体部10が連結部200に取り付けられる。このような状態とした上で、第1突出部161と第2突出部162との間(つまり保持部100)に、容器の一部(例えばプルタブ)を保持させることができる。第1突出部161と第2突出部162との間に容器を保持した状態においては、一対の第2突出部162の間(つまり連結部200)が索状体300を挟み込む力はより強くなるので、索状体300に沿って本体部10がずり下がってしまうような事態が防止される。
【0069】
また、図23の例では、環状のゴムバンド400が、第1突出部161と第2突出部162との間に通されており、その結果として本体部10により保持されている。このような状態で、ゴムバンド400の内側に容器を通すことで、当該容器を保持することができる。このように、本実施形態では、第1突出部161と第2突出部162との間に容器を挟み込む方法と、ゴムバンド400を介して容器を保持する方法と、のそれぞれを採用することができる。
【0070】
以上に説明したそれぞれの実施形態に係る保持具1の本体部10は、空の容器を保持することができる他、容器以外の様々な対象物を保持することもできる。以上に説明したそれぞれの実施形態に係る保持具1の連結部200または外保持110等は、保持した空の容器を持ち運ぶ際に、把持部としても使うことができる。
【0071】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0072】
1:保持具
10:本体部
20、30:容器
100:保持部
110:外保持部
120:内保持部
図1
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