(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178186
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】電池モジュールおよび電子デバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 50/289 20210101AFI20231207BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20231207BHJP
【FI】
H01M50/289
H01M50/289 101
H01M50/291
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022204258
(22)【出願日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】202210626382.3
(32)【優先日】2022-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202211203986.3
(32)【優先日】2022-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】白 玉龍
(72)【発明者】
【氏名】宋 之奇
(72)【発明者】
【氏名】付 方凱
(72)【発明者】
【氏名】何 亞飛
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA37
5H040AY05
5H040AY10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】セルの膨張変位、特に、最も外側のセルの膨張変位を有効に吸収し、セルによって生じる側板に対する膨張力を減らし、電池モジュールの安全性を向上させることのできる電池モジュールを提供する。また、前記電池モジュールを適用することによって安全性が向上した電子デバイスを提供する。
【解決手段】電池モジュールは、フレームと、セル2と、位置限定部材3と、緩衝部材4とを含む。複数のセルは、フレーム内に平行に積み重なる。位置限定部材は、フレーム内に配置され、フレームを複数の空間に分割して、セルを均一に配置する。複数の緩衝部材は、それぞれ隣接するセルの間、および/またはセルとフレームの間に配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレーム内に平行に積み重なった複数のセルと、
前記フレーム内に配置され、前記フレームを複数の空間に分割して、前記複数のセルを均一に配置した少なくとも1つの位置限定部材と、
前記隣接するセルの間、および/または前記セルと前記フレームの間にそれぞれ配置された複数の緩衝部材と、
を含む電池モジュール。
【請求項2】
エネルギー吸収部材をさらに含み、前記エネルギー吸収部材が、前記少なくとも1つの位置限定部材に隣接する位置に配置された請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記エネルギー吸収部材が、複数のエネルギー吸収部を備え、前記複数のエネルギー吸収部が、同じ形状で、前記エネルギー吸収部材上に間隔を空けて配置された請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記エネルギー吸収部のそれぞれが、突出形状に形成され、前記隣接するエネルギー吸収部が、反対方向に突出した請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
位置決め部材をさらに含み、前記位置決め部材が、前記エネルギー吸収部材を前記少なくとも1つの位置限定部材に固定する請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記少なくとも1つの位置限定部材の両側が、前記エネルギー吸収部材を備え、前記位置限定部材の前記両側に提供された前記2つのエネルギー吸収部材が、前記少なくとも1つの位置限定部材に対して対称的である請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記少なくとも1つの位置限定部材の両側が、前記エネルギー吸収部材を備え、前記位置限定部材の前記両側に提供された前記2つのエネルギー吸収部材が、前記少なくとも1つの位置限定部材に対して対称的である請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記少なくとも1つの位置限定部材の両側が、前記エネルギー吸収部材を備え、前記位置限定部材の前記両側に提供された前記2つのエネルギー吸収部材が、前記少なくとも1つの位置限定部材に対して対称的である請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記少なくとも1つの位置限定部材の両側が、前記エネルギー吸収部材を備え、前記位置限定部材の前記両側に提供された前記2つのエネルギー吸収部材が、前記少なくとも1つの位置限定部材に対して対称的である請求項5に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記緩衝部材のそれぞれが、外フレーム部および緩衝部を含み、前記外フレーム部の硬度が、前記緩衝部の硬度より大きい請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項11】
前記フレームが、底板および上カバーを含み、前記底板および前記上カバーのうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つの位置限定部材の少なくとも一部を埋め込んで位置決めするための位置決め溝を備える請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項12】
前記少なくとも1つの位置限定部材によって分割された前記複数の空間のそれぞれが、それぞれ3~9個の前記セルを有する請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の前記電池モジュールを含む電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池の技術分野に関するものであり、特に、電池モジュールおよび電子デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
新エネルギー車の3つの重要な技術の核心として、動力電池が次第に注目を浴びている。モジュールのセルの膨張は、迅速に解決すべき課題の1つである。セルの膨張は、電池が熱暴走や老化した時だけでなく、正常な充放電の間にも発生する。セルの膨張によって、動力電池内部の他の構造に変形が生じる。
【0003】
安全性の問題を解決する方案の1つとして、全固体電池(all-solid-state battery)が開発され、液体を含有するセルの熱暴走のリスクが大幅に減少した。しかしながら、全固体電池モジュールのセルは、依然として、電気化学反応過程において膨張する。セルの膨張によって生じる体積の増加やセルの膨張によって生じる周辺構造に対する圧搾力は、無視されるべきではない。全ての内部セルの膨張によって生じた変形変位や推力は、最も外側のセルに伝達されて累積されるため、最終的に、最も外側のセルからモジュール側板に対して非常に大きな推力が加わることになる。従来の側板は、堅く固定された単一の板であるため、このような側板に推力が加わった時に、完全に抵抗または吸収できることを保証することができない。そのため、側板の変形や亀裂、モジュール筐体上の熱伝導性接着剤、構造用接着剤、タブ溶接等の変形や失敗、さらには、側板の接続破断やモジュールの破損さえも起こりうる。
【0004】
そのため、上記の問題を解決するための電池モジュールを開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、セルの膨張変位、特に、最も外側のセルの膨張変位を有効に吸収し、セルによって生じる側板に対する膨張力を減らし、電池モジュールの安全性を向上させることのできる電池モジュールを提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、電子デバイスを提供することである。上述した電池モジュールを電子デバイスに適用することによって、電池モジュールの膨張を吸収し、電池モジュールの性能が安定し、電子デバイスの安全性が向上する。
【0007】
上記の目的を達成するために、以下の技術方案を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様において、フレームと、複数のセルと、少なくとも1つの位置限定部材と、複数の緩衝部材とを含む電池モジュールを提供する。セルは、フレーム内に平行に積み重なる。位置限定部材は、フレーム内に配置され、フレームを複数の空間に分割して、セルを均一に配置する。緩衝部材は、隣接するセルの間、および/またはセルとフレームの間にそれぞれ配置される。
【0009】
電池モジュールの選択的な方案として、さらに、エネルギー吸収部材を含み、エネルギー吸収部材は、位置限定部材に隣接する位置に配置される。
【0010】
電池モジュールの選択的な方案として、エネルギー吸収部材は、複数のエネルギー吸収部を備え、エネルギー吸収部は、同じ形状で、エネルギー吸収部材上に間隔を空けて配置される。
【0011】
電池モジュールの選択的な方案として、各エネルギー吸収部は、突出形状に形成され、隣接するエネルギー吸収部は、反対方向に突出する。
【0012】
電池モジュールの選択的な方案として、位置限定部材の両側は、エネルギー吸収部材を備え、位置限定部材の両側に提供された2つのエネルギー吸収部材は、位置限定部材に対して対称的である。
【0013】
電池モジュールの選択的な方案として、さらに、位置決め部材を含む。位置決め部材は、エネルギー吸収部材と位置限定部材を移動可能な方法で接続するため、エネルギー吸収部材は、セルが配置された方向に沿って、一定距離内で位置限定部材に近づいたり離れたりすることができる。
【0014】
電池モジュールの選択的な方案として、各緩衝部材は、外フレーム部および緩衝部を含み、外フレーム部の硬度は、緩衝部の硬度より大きい。
【0015】
電池モジュールの選択的な方案として、フレームは、底板および上カバーを含み、底板および上カバーのうちの少なくとも1つは、位置限定部材の少なくとも一部を埋め込んで位置決めするための位置決め溝を備える。
【0016】
電池モジュールの選択的な方案として、位置限定部材によって分割された各空間は、それぞれ3~9個のセルを有する。
【0017】
第2の態様において、上述した電池モジュールを含む電子デバイスを提供する。
【0018】
関連技術と比較して、本発明は、以下の有益な効果を有する:
【0019】
本発明によって提供される電池モジュールは、フレームと、複数のセルと、少なくとも1つの位置限定部材と、複数の緩衝部材とを含む。緩衝部材の弾性変形を利用してセルの膨張量を吸収することによって、セルの膨張によって生じる外向きの変位を減らすことができる。同時に、位置限定部材がフレームを複数の独立した空間に分割するため、モジュールのセルの膨張によって生じた変位の合計量が様々な空間に分離され、膨張変位によって生じた膨張力も様々な位置限定部材によって共有される。このようにして、最も外側のセルに蓄積する膨張変位が減少し、膨張変位が生じて側壁に印加される推力が減少するため、最も外側のセルのタブ溶接部が過度な膨張変位によって破裂し故障するのを有効に防ぐことができ、それにより、電池モジュールの安全性を大幅に向上させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によって提供される電子デバイスは、上述した電池モジュールを電子デバイスに適用することによって、電池モジュールの熱膨張の量を減らすことができるため、電池モジュールの性能をより安定させ、電子デバイスの安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
添付図面は、本発明の原理がさらに理解されるために含まれており、本明細書に組み込まれ、且つその一部を構成するものである。図面は、本発明の実施形態を例示しており、説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たしている。
【0022】
【
図1】本発明の1つの実施形態に係る電池モジュールの構造の概略図である。
【
図2】本発明の1つの実施形態に係る電池モジュール内部のセルの積層構造の概略図である。
【
図3】本発明の1つの実施形態に係る緩衝部材の構造の概略図である。
【
図4】本発明の1つの実施形態によって提供される位置限定部材およびエネルギー吸収部材の構成の例の概略図である。
【
図5】本発明の1つの実施形態に係る組み立てた状態の位置限定部材およびエネルギー吸収部材の概略的構造図である。
【
図6】本発明の1つの実施形態に係るエネルギー吸収部材の設置位置および特定構造の概略図である。
【
図7】本発明の1つの実施形態によって提供される位置限定部材およびエネルギー吸収部材の構成の別の例の概略図である。
【
図9】本発明の1つの実施形態によって提供される第1エネルギー吸収機構の概略的構造図である。
【
図10】本発明の1つの実施形態によって提供される第1エネルギー吸収機構内の第1エネルギー吸収アセンブリの概略的構造図である。
【
図11】本発明の1つの実施形態によって提供される第2エネルギー吸収機構の概略的構造図である。
【
図12】本発明の1つの実施形態によって提供される第2エネルギー吸収機構の概略的断面図である。
【
図14】本発明の1つの実施形態によって提供されるエネルギー吸収筐体を有さない第2エネルギー吸収機構の概略的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例の目的、技術方案および利点をさらに明確にするために、本実施形態の図面を参照しながら、本発明の実施形態の技術方案をさらに詳しく説明する。当然ながら、下記の実施形態は、本発明の実施形態の一部であるが、全てではない。本明細書の図面において説明および例示される本発明の実施形態中の構成要素は、様々な形状によって配置および設計されてもよい。
【0024】
そのため、添付の図面において提供される本発明の実施形態の下記の詳細な説明は、本発明の範囲を限定する意図はなく、本発明の選択された実施形態を単に示したものに過ぎない。本発明の実施形態に基づき、当業者が創造的労働をしない前提で得られる全ての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0025】
注意すべきこととして、同様の符号と文字は、以下の図面において同様の項目を表しているため、ある項目が1つの図面において定義されると、後の図面においてそれをさらに定義および説明する必要はない。
【0026】
本発明の説明において、注意すべきこととして、「上部」、「下部」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内側」、「外側」等の用語は、図面に示す方位または位置関係に基づいた方位または位置関係、あるいは本発明の製品が使用時に正常に配置される方位または位置関係を示すものである。上記の用語は、本発明を便利に、または簡単に説明するために使用されるものであり、指定された装置または部品が特定の方位にあり、特定の方位において構造され操作されることを指示または暗示するものではないため、本発明に対する限定として理解すべきではない。
【0027】
本発明の説明において、注意すべきこととして、特に明確に規定および限定されていなければ、用語「配置」および「接続」は、広い意味を有するものとして理解されるべきである。例えば、これらは、固定された接続、取り外し可能な接続、または一体的な接続を指してもよく、接続は、機械的な接続または電気的な接続のいずれであってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて、本発明における上記の用語の具体的な意味を定義することができる。
【0028】
本発明において、特に明確に規定および限定されていなければ、第1の特徴が第2の特徴の「上」または「下」に配置されることは、第1の特徴と第2の特徴が直接接触することを含んでもよく、またはこれらが直接接触するのではなく、これらの間に別の特徴を介して接触することを含んでもよい。さらに、第1の特徴が第2の特徴の「上方」、「上部」、および「上」に配置されることは、第1の特徴が第2の特徴の直上および斜め上方に配置されることを含んでもよく、または第1の特徴が単に第2の特徴より高いレベルにあることを意味してもよい。第1の特徴が第2の特徴の「下方」、「下部」、および「下」に配置されることは、第1の特徴が第2の特徴の直下および斜め下方に配置されることを含んでもよく、または第1の特徴が単に第2の特徴より低いレベルにあることを意味してもよい。
【0029】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を例として詳細に説明する。本文において、同じ、または類似する参照符号は、同じ、または類似する素子、あるいは同じ、または類似する機能を有する素子を示す。以下、添付の図面を参照しながら説明する実施形態は、単なる例にすぎず、本発明を説明するために使用されるものであり、本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【0030】
図1は、本発明の1つの実施形態に係る電池モジュールの構造の基本構造を示したものである。
図2は、電池モジュールの内部構造を示したものである。
図1および
図2を参照すると、本発明の実施形態における電池モジュールは、フレーム1を含む。フレーム1は、底板11と、上カバー12と、左側板13と、右側板14と、前端板15と、後端板16とを含む。上述した部品は、矩形の箱型に構成される。複数のセル2は、フレーム1の内側に配置され、セル2は、実質的に、矩形のパッケージであり、細長い側の表面は、長さ方向に対して平行であり、厚さ方向は、底板11に接触し、長さ方向が左側板13および右側板14の延伸方向と同じ方向になるように、フレーム1内に積み重ねて配置される。左側板13および右側板14の外表面は、また、外側に突出する吊り上げリブ(hoisting rib)を備え、電池モジュール全体を吊り上げる。前端板15および後端板16の内側に格子構造を有するバスバー(busbar)部品が配置され、対応する出力段を固定する。
【0031】
説明を便利にするため、以下、「側板」は、「左側板13」および「右側板14」を指し、「端板」は、「前端板15」および「後端板16」を指す。
【0032】
本発明の電池モジュールのフレーム1は、また、その中に位置限定部材3を備える。
図1に示すように、位置限定部材3は、長い板の形状であり、左側板13および右側板14に対して平行になるように電池モジュールの内側に固定される。このような位置限定部材3を設置することによって、フレーム1の内側が複数の空間に分割されるため、元々順番に配置されて積み重ねを形成する複数のセル2は、複数のセルグループに分割され、様々なセルグループは、固定して配置された位置限定部材3によって分離される。セル2が膨張した時、セル2によって生じた膨張力および膨張変位は、セルグループが位置する独立した空間内の位置限定部材3によって隔離され、固定して配置された位置限定部材3は、位置限定部材3によって分離された空間内のセルグループによって生じた膨張力に抵抗するため、それにより、膨張力および膨張変位が他の電池グループに伝達するのを防ぐことができる。膨張したセル2が側板および位置限定部材3によって分離された空間にあっても、1つの分離空間内のセル2の数は限られているため、発生した膨張力および膨張変位は、側板の強度に耐えられないほどの範囲までは蓄積しない。このようにして、最も外側のセル2のタブ溶接部が過度な膨張変位によって破裂し故障するのを防ぎ、同時に、セル2の膨張方向において側板に加わる膨張力を有効に減らすことができるため、電池モジュールの安全性を大幅に向上させることができる。
【0033】
側板および位置限定部材3の強度限界を考慮すると、位置限定部材3の数は、2~5であってもよく、位置限定部材3によって分離される各空間内のセル2の数は、3~9であってもよく、好ましくは、4~8であってもよい。このような構成によって、左側板13および右側板14に印加される実際の最大膨張力がその強度限界を超えないようにすることができ、同時に、位置限定部材3の数を減らして、電池モジュールの内部空間の利用と軽量化をできるだけ実現することができる。
【0034】
本発明の電池モジュールのフレーム1は、さらに、隣接するセル2の間および最も外側のセル2とそれに隣接する側板の間にそれぞれ挿入された複数の緩衝部材4を含む。隣接するセル2の間に挿入された緩衝部材4は、また、直列接続された2つのセル2の間にのみ挿入されてもよく、平行に接続されたセル2は、両面テープまたはスプレー接着剤によって接着される。当然ながら、別の実施形態において、緩衝部材4は、隣接するセル2の間にのみ挿入されてもよく、緩衝部材4は、セル2の膨張の量を吸収するために使用されてもよい。
【0035】
例示的に、1つまたはそれ以上の緩衝部材4をひとつおきの2つの隣接するセル2の間に配置してもよく、緩衝部材4の位置と数は、セル2が膨張した時に、緩衝部材4によって膨張の量をできるだけ吸収して、他のセル2に伝達する変位の量を減らせることを保証できる限り、実際の必要に応じて設計することができる。ここでは、さらなる説明は提供しない。
【0036】
図3は、緩衝部材4の構造を示したものである。
図3に示すように、本発明は、外フレーム部41および緩衝部42を含む新しい種類の緩衝部材4を提供し、外フレーム部41の硬度は、緩衝部42の硬度より大きい。外フレーム部41は、一定の硬度を有する金属材料で作られ、緩衝部42は、軟質ポリエステル弾性材料で作られるのが好ましい。セル2が膨張した時、セル2の中心における膨張の量は、その周辺の膨張の量よりも遥かに大きいため、周辺において一定の剛性を有し、中心において高い緩衝性能を有する緩衝部材4を提供することによって、緩衝部42を利用してセル2の中心領域の膨張力が完全に吸収された時に、外フレーム部41は、依然として緩衝部材4の元の形状を維持する。そのため、緩衝部材4に対して変形や変位がほぼ発生せず、それにより、膨張したセル2の変位の伝達を有効に減らし、電池モジュール全体の安定性および信頼性を向上させることができる。
【0037】
図4は、位置限定部材3および底板11および上カバー12の組み立て関係を示したものである。
図4に示すように、底板11および上カバー12は、互いに対向して配置される。底板11および上カバー12のうちの少なくとも1つは、位置決め溝111を備え、位置限定部材3を位置決め溝111に埋め込んで位置決めすることにより、位置限定部材3の位置決めアセンブリを容易にする。
図4において、位置限定部材3は、ボルトによって底板11および上カバー12に固定接続される。当然ながら、別の実施形態において、位置限定部材3は、溶接または打鋲によって底板11および上カバー12に固定接続されてもよい。
図4に示した実施形態において、フレーム1に平行に配置された2つの位置限定部材3と、底板11に対応して配置された2つの位置決め溝111が存在する。位置決め溝111に位置限定部材3を固定することによって、フレーム1を3つの分離空間に分割する。明らかに、ここで提供する位置限定部材3および位置決め溝111の数は、単なる例である。上述したように、当業者であれば、使用した電池モジュールにおいて提供されたセル2の数に基づいて、位置決め溝111および位置限定部材3の数を合理的に選択することができる。位置限定部材3は、強度が高く、高品質で軽量な材料で作られるため、いくつかのセルで構成されたセルグループの膨張力に耐えられることを前提として、電池モジュール全体の軽量化を実現することができる。
【0038】
1つの実施形態において、本発明の電池モジュールのフレーム1は、さらに、エネルギー吸収部材5を備える。
図4および
図6に示すように、エネルギー吸収部材5の主体は、細長く、その長さは、位置限定部材3の長さと実質的に同じである。エネルギー吸収部材5は、位置限定部材3に隣接する位置に配置され、セル2の膨張力を吸収するために位置限定部材3の片側または両側に隣接して位置してもよい。
図4および
図5は、エネルギー吸収部材5が位置限定部材3の左側および右側に提供された配置を示したものである。
図4および
図5に示すように、位置限定部材3の隣接する2つの側に配置されたエネルギー吸収部材5の1つの表面は、セル2の1つの表面と接触し、別の表面は、位置限定部材3と接触する。緩衝部材4を提供する目的と同様に、エネルギー吸収部材5を提供する目的は、セル2の膨張によって生じた変位をさらに吸収することである。そのため、エネルギー吸収部材5は、また、緩衝部材4と同じ構造および材料を採用してもよい。しかしながら、本発明の図面に示した実施形態において、別の方案を提供する。具体的に説明すると、エネルギー吸収部材5全体は、一定の剛性を有する材料で作られ、その表面に複数の突出したエネルギー吸収部51が形成される。
図4に示したエネルギー吸収部材5の各エネルギー吸収部51は、突出した矩形であり、複数の矩形の突出したエネルギー吸収部51は、エネルギー吸収部材5の長さ方向に沿って間隔を空けて配置される。各エネルギー吸収部51の形状は、特に限定されないが、等しい間隔に配置された同じ形状(同じサイズおよび形状で、完全に重複することを意味する)の規則形状であるのが好ましい。このような構造によって、隣接するセル2が膨張し、エネルギー吸収部材5に対して圧搾変位をもたらした時、エネルギー吸収部材5の表面から突出するエネルギー吸収部51が先にこのような変位によって生じた推力を受けて、局部変位や局部陥没が発生する。この状況で、突出した構造の元の厚さは、ある程度まで平たく押しつぶされるため、それにより、膨張によって生じた推力の一部を吸収し、膨張力によって生じた影響を低減または排除さえする。エネルギー吸収部材5は、位置限定部材3の両側の隣接する位置に配置される。このような対称的な構造は、さらに、力の均一性および構造的安定性を向上させる。同時に、エネルギー吸収部材5の主体は、剛性材料で作られるため、エネルギー吸収部51に対する力によって生じた局部変形は、主体の設置形状に影響を及ぼしにくく、ある程度まで、位置限定部材3に対する強化効果を実現することができ、電池モジュール全体の内部安定性をさらに強化することができる。
【0039】
上述した実施形態において、
図6は、さらに、エネルギー吸収部材5の特定構造およびエネルギー吸収部材5と位置限定部材3の間の協働関係を示したものである。
図6に示すように、エネルギー吸収部材5に配置された複数のエネルギー吸収部51は、同じ形状でエネルギー吸収部材5上に間隔を空けて配置されるため、全てのエネルギー吸収部51をセル2に接触する表面と並べることができ、各エネルギー吸収部51とセル2が均一に接触することが保証される。図面に示した各エネルギー吸収部51は、突出した矩形の形状に形成されているが、当業者であれば、必要に応じて、エネルギー吸収部51を任意の形状に設定することができる。本発明の実施形態において、隣接するエネルギー吸収部51の突出方向は、逆である。つまり、突起は、交互に配置される。このような設計により、エネルギー吸収部51をエネルギー吸収部材5の両側で上向きに突出させることができるため、部品に力が均一に加わり、安定した構造を有することが保証され、それにより、エネルギー吸収部材5のエネルギー吸収効果を向上させることができる。さらに、
図5および
図6に示したエネルギー吸収部材5と位置限定部材3の間の配置関係は、同じ位置限定部材3の左側と右側に配置された2つのエネルギー吸収部材5が位置限定部材3の軸に相対して対称的になっている。さらに具体的に説明すると、位置限定部材3の左側と右側の2つのエネルギー吸収部材5は、位置限定部材3に対して軸方向に対称的である。このような対称的構造は、さらに、力の均一性および構造的安定性を向上させる。例示的に、エネルギー吸収部材5は、一体形成された金属板であってもよく、エネルギー吸収部51は、打ち抜きにより金属板に形成される。別の実施形態において、エネルギー吸収部材5は、一定の弾性を有するゴム版であってもよく、エネルギー吸収部51は、射出成形によって形成されてもよく、エネルギー吸収部51は、弾性変形によりセル2の膨張力を吸収する。
【0040】
上述した実施形態において、
図4のエネルギー吸収部材5および位置限定部材3は、単に互いに隣接して配置され、これらの間に接続構造はない。
図7および
図8は、エネルギー吸収部材5と位置限定部材3を接続部材によって接続する組み立て構成を示したものである。
図7および
図8に示すように、電池モジュールは、さらに、位置決め部材6を含む。複数の位置決め部材6は、位置限定部材3の長さ方向に沿って配置され、エネルギー吸収部材5を位置限定部材3に固定して組み立てる。例示的に、エネルギー吸収部材5を2行の位置決め部材6により位置限定部材3に組み立ててもよく、2行の位置決め部材6を位置限定部材3の幅方向に沿って並んで配置することにより、エネルギー吸収部材5を安定して組み立てることができることを保証するため、圧搾された時にエネルギー吸収部材5がフレーム1内の位置から離れてエネルギー吸収効果に影響を与えるのを防ぐことができる。
図8の特定の実施形態に示すように、位置決め部材6は、ボルトとして設定され、エネルギー吸収部材5は、位置決め部材6を使用することによって位置限定部材3に打ち付けられる。接続部材を備えていない上述した技術方案と比較して、位置限定部材3に対するエネルギー吸収部材5の側方変位を回避することができ、モジュール構造の信頼性および安定性をさらに向上させることができる。
【0041】
1つの実施形態において、本発明の電池モジュールのフレーム1は、さらに、その中に第1エネルギー吸収機構7を備える。
図9に示すように、第1エネルギー吸収機構7は、第1支持部材71、第2支持部材72、および第1エネルギー吸収アセンブリ73を含む。第1支持部材71および第2支持部材72は、セルの積層方向に沿って平行に間隔を空けて配置され、第1エネルギー吸収アセンブリ73の両側に接続される。セルの積層方向における第1エネルギー吸収アセンブリ73の厚さは、調整可能である。第1エネルギー吸収機構7の機能は、上述した実施形態のエネルギー吸収部材5の機能と同じであるため、ここでは繰り返し説明しない。また、注意すべきこととして、同じ電池モジュールは、第1エネルギー吸収機構7とエネルギー吸収部材5の両方を含んでもよく、あるいは第1エネルギー吸収機構7またはエネルギー吸収部材5のみを含んでもよいが、本発明はこれに限定されない。例示的に、第1支持部材71は、位置限定部材3に当接し、第2支持部材72は、セル2に当接する。セル2が膨張した時、セル2の膨張力が第2支持部材72を押し動かして第1支持部材71の方向に移動し、第1エネルギー吸収アセンブリ73を圧搾するため、第1エネルギー吸収アセンブリ73は、薄く押圧されて、セル2の膨張力を吸収する。セル2の膨張力が消失した時、第1エネルギー吸収アセンブリ73が元の状態に戻るため、それにより、第2支持部材72を押し動かして第1支持部材71から離れる。当然ながら、第1支持部材71は、セル2に当接してもよく、第2支持部材72は、位置限定部材3に当接してもよい。第1エネルギー吸収機構7のエネルギー吸収能力を向上させるために、複数の第1エネルギー吸収アセンブリ73は、セル2の長さ方向に沿って第1支持部材71と第2支持部材72の間で間隔を空ける。複数の第1エネルギー吸収アセンブリ73の構造寸法は、同じであるのが好ましい。例えば、11個の第1エネルギー吸収アセンブリ73は、セル2の長さ方向に沿って第1支持部材71と第2支持部材72の間で間隔を空ける。当然ながら、第1エネルギー吸収アセンブリ73の数は、3~15の間で自由に設定することができる。
【0042】
上述した実施形態において、
図10に示すように、第1エネルギー吸収アセンブリ73は、第1部材731、第2部材732、リセット部材733、回転シャフト734、およびアダプタ735を含む。第1部材731および第2部材732は、回転シャフト734を介して枢接される。具体的に説明すると、第1部材731の中間部および第2部材732の中間部は、回転シャフト734を介して枢接される。リセット部材733の両端は、それぞれ第1部材731および第2部材732に接続され、2つのリセット部材733は、それぞれ回転シャフト734の両側に配置される。第1部材731の両端は、アダプタ735を介してそれぞれ第1支持部材71および第2支持部材72に接続される。第2部材732の両端は、アダプタ735を介してそれぞれ第1支持部材71および第2支持部材72に接続される。
図10において、アダプタ735は、軸支部7351および固定部7352を含み、軸支部7351は、第1部材731または第2部材732に枢接され、固定部7352は、第1支持部材71または第2支持部材72に固定接続される。アダプタ735の設計により、第1支持部材71と第2支持部材72の間の距離が減少または増加した時、第1支持部材71および第2支持部材72は、水平を維持するため、第1支持部材71と第1部材731および第2部材732の間の接続の強度を保証することができ、第2支持部材72と第1部材731および第2部材732の間の接続の強度も保証することができる。セル2が膨張した時、セル2の膨張力は、第2支持部材72を押し動かして第1支持部材71の方向に移動し、第1エネルギー吸収アセンブリ73を圧搾する。第1エネルギー吸収アセンブリ73内のリセット部材733は、圧縮されるため、第1エネルギー吸収アセンブリ73は、薄くなり、セル2の膨張力を吸収する。セル2の膨張力が消失した時、第1エネルギー吸収アセンブリ73内の第1部材731および第2部材732は、リセット部材733の作用の下で互いに相対して回転し、第2支持部材72を押し動かして第1支持部材71から離れることができるため、第1エネルギー吸収機構7は、元の状態に戻る。また、上述した実施形態において、少なくとも1つのリセット部材733は、回転シャフト734の両側に提供される。例えば、回転シャフト734の両側は、2~5個(自由に設定してもよい)のリセット部材733を備える。
【0043】
1つの実施形態において、本発明の電池モジュールのフレーム1は、さらに、その中に第2エネルギー吸収機構8を備える。第2エネルギー吸収機構8の機能は、上述した実施形態のエネルギー吸収部材5の機能と同じであるため、ここでは繰り返し説明しない。また、注意すべきこととして、同じ電池モジュールは、第1エネルギー吸収機構7、第2エネルギー吸収機構8、およびエネルギー吸収部材5を同時に含んでもよく、あるいは、第1エネルギー吸収機構7または第2エネルギー吸収機構8またはエネルギー吸収部材5のみを含んでもよいが、本発明はこれに限定されない。
図11および
図12に示すように、第2エネルギー吸収機構8は、セルの積層方向に沿って間隔を空けたブロックプッシュアセンブリ81および第2エネルギー吸収アセンブリ82を含む。ブロックプッシュアセンブリ81と第2エネルギー吸収アセンブリ82の間の空間は、調整可能であるため、セル2の膨張力を吸収することができる。ブロックプッシュアセンブリ81は、セル2に当接し、第2エネルギー吸収アセンブリ82は、位置限定部材3に当接し、ブロックプッシュアセンブリ81は、セル2の膨張力の作用の下で第2エネルギー吸収アセンブリ82に向かって移動することができる。
【0044】
上述した実施形態において、
図12に示すように、ブロックプッシュアセンブリ81は、プッシュ板811、プッシュブロック812、および弾性部材813を含む。プッシュブロック812は、弾性部材813を介してプッシュ板811に設置され、プッシュブロック812は、プッシュ板811に相対してセル2の積層方向に沿って弾力的に移動し、セル2の膨張力を吸収することができる。
図12に示すように、第2エネルギー吸収アセンブリ82は、エネルギー吸収筐体821、第1当接部材822、第1摺動部材823、第1エネルギー吸収およびリセット部材824、第2当接部材825、第2摺動部材826、および第2エネルギー吸収およびリセット部材827を含む。第1当接部材822および第1摺動部材823は、いずれもエネルギー吸収筐体821内で摺動可能に配置される。第1エネルギー吸収およびリセット部材824は、エネルギー吸収筐体821および第1当接部材822内に圧縮される。第1摺動部材823は、プッシュブロック812の一側に当接する。第2当接部材825および第2摺動部材826は、いずれもエネルギー吸収筐体821内で摺動可能に配置される。第2当接部材825および第1当接部材822は、対称的に配置される。第2摺動部材826および第1摺動部材823は、対称的に配置される。第2エネルギー吸収およびリセット部材827は、エネルギー吸収筐体821と第2当接部材825の間に接続され、第2摺動部材826は、プッシュブロック812の別の側に当接する。セル2の膨張力がプッシュ板811に作用して、プッシュ板811を第2エネルギー吸収アセンブリ82に向かって移動させた時、プッシュブロック812は、第1摺動部材823および第2摺動部材826を互いに離すため、第1当接部材822および第2当接部材825が互いに離れ、それにより、第1エネルギー吸収およびリセット部材824および第2エネルギー吸収およびリセット部材827を圧縮する。
図12において、プッシュブロック812の縦の断面形状は、等脚台形(isosceles trapezoid)であり、第1摺動部材823および第2摺動部材826は、対称的に配置され、第1摺動部材823および第2摺動部材826は、それぞれプッシュブロック812の2つの胴回り側に当接する。プッシュ板811がプッシュブロック812を駆動して第2エネルギー吸収アセンブリ82に近づいた時、プッシュブロック812の2つの胴回り側は、第1摺動部材823および第2摺動部材826を互いに離れるように駆動した後、第1当接部材822および第2当接部材825を押し動かして互いに離すことができる。第1エネルギー吸収およびリセット部材824および第2エネルギー吸収およびリセット部材827は、さらに圧縮される。このプロセスにおいて、第1エネルギー吸収およびリセット部材824、第2エネルギー吸収およびリセット部材827、および弾性部材813は、いずれもセル2の膨張力を吸収することができる。セル2の膨張力が消失した時、第1エネルギー吸収およびリセット部材824と第2エネルギー吸収およびリセット部材827の弾性力が第1当接部材822および第2当接部材825を押し動かして互いに相対して移動するため、それにより、第1摺動部材823および第2摺動部材826を圧搾し、互いに相対して移動することができる。第1摺動部材823および第2摺動部材826の圧搾作用の下で、プッシュブロック812は、第2エネルギー吸収アセンブリ82から離れるように押し動かされる。第2エネルギー吸収機構8の全体の厚さは、第2エネルギー吸収機構8が元の状態に戻るまで増加する。
【0045】
図13は、
図12の部分的拡大図であり、
図13は、第1摺動部材823および第2摺動部材826とプッシュ板811の間の協働関係を示す。
図13に示すように、プッシュ板811は、第1位置限定案内溝8111および第2位置限定案内溝8112を含む。第1位置限定案内溝8111および第2位置限定案内溝8112は、それぞれプッシュブロック812の両側に配置される。第1摺動部材823の一端は、第1位置限定案内溝8111と摺動可能に係合し、第2摺動部材826の一端は、第2位置限定案内溝8112と摺動可能に係合する。このような設計により、第1摺動部材823および第2摺動部材826が特定の方向に沿って安定して移動することを保証することができるため、第2エネルギー吸収機構8のエネルギー吸収効果は、安定性および信頼性を有することができる。
【0046】
図14は、エネルギー吸収筐体821を有さない第2エネルギー吸収機構8の概略的構造図を示したものである。第2エネルギー吸収アセンブリ82に対し、エネルギー吸収筐体821内に1つの第1当接部材822、1つの第2当接部材825、2つの第1摺動部材823、2つの第2摺動部材826、7つの第1エネルギー吸収およびリセット部材824、および7つの第2エネルギー吸収およびリセット部材827が提供される。第1エネルギー吸収およびリセット部材824および第2エネルギー吸収およびリセット部材827の数は、7つに限定されず、2~15の間の任意の数であってもよい。第1摺動部材823および第2摺動部材826の数は、2つに限定されず、1~15の間の任意の数であってもよい。第1当接部材822および第2当接部材825は、好ましくは、1つであり、第1エネルギー吸収およびリセット部材824および第2エネルギー吸収およびリセット部材827の弾性力の出力の安定性および信頼性を保証することができる。
図14において、第1摺動部材823および第2摺動部材826は、対称的に配置され、第1摺動部材823は、プッシュブロック812と協働する凹部を備え、第1摺動部材823とプッシュブロック812の間の安定した協働関係を保証し、第2摺動部材826は、プッシュブロック812と協働する凹部を備え、第2摺動部材826とプッシュブロック812の間の安定した協働関係を保証する。第1摺動部材823および第1当接部材822の合わせ面(matching surface)は、傾斜面であるのが好ましい。第1当接部材822の厚さが一定の時、第1摺動部材823および第1当接部材822の合わせ面の面積が増加するため、両者間の力伝達の安定性を保証することができる。同様に、第2摺動部材826および第2当接部材825の合わせ面は、傾斜面である。第2当接部材825の厚さが一定の時、第2摺動部材826および第2当接部材825の合わせ面の面積が増加するため、両者間の力伝達の安定性を保証することができる。
【0047】
本実施形態は、さらに、上述した電池モジュールを含む電子デバイス(図示せず)を提供する。電子デバイスに電池モジュールを適用することによって、電池モジュールの膨張の量が減少し、電池モジュールの性能が安定し、電子デバイスの安全性が向上する。
【0048】
選択的に、電子デバイスは、電気自動車であってもよい。
【0049】
注意すべきこととして、上記は、本発明の好ましい実施形態および使用された技術的原理の説明に過ぎない。当業者であれば理解できるように、本発明は、上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の保護範囲から逸脱しない範囲で、当業者によって各種明らかな変更、再調整、および置換を行うことができる。そのため、上記の実施形態により本発明を詳細に説明したが、本発明の構想から逸脱しない範囲で、他の同等な実施形態も含むことができる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を基準として定められるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の電池モジュールおよび電子デバイスは、セルの膨張を吸収し、電池モジュールを使用する電子デバイスの安全性を向上させるために使用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 フレーム
2 セル
3 位置限定部材
4 緩衝部材
5 エネルギー吸収部材
6 位置決め部材
7 第1エネルギー吸収機構
8 第2エネルギー吸収機構
11 底板
12 上カバー
13 左側板
14 右側板
15 前端板
16 後端板
41 外フレーム部
42 緩衝部
51 エネルギー吸収部
71 第1支持部材
72 第2支持部材
73 第1エネルギー吸収アセンブリ
81 ブロックプッシュアセンブリ
82 第2エネルギー吸収アセンブリ
111 位置決め溝
731 第1部材
732 第2部材
733 リセット部材
734 回転シャフト
735 アダプタ
811 プッシュ板
812 プッシュブロック
813 弾性部材
821 エネルギー吸収筐体
822 第1当接部材
823 第1摺動部材
824 第1エネルギー吸収およびリセット部材
825 第2当接部材
826 第2摺動部材
827 第2エネルギー吸収およびリセット部材
7351 軸支部
7352 固定部
8111 第1位置限定案内溝
8112 第2位置限定案内溝
【外国語明細書】