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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178220
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】食肉切断装置用安全装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 3/28 20060101AFI20231207BHJP
   A22C 17/00 20060101ALI20231207BHJP
   B26D 7/02 20060101ALI20231207BHJP
   B26D 7/06 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
B26D3/28 610R
A22C17/00
B26D3/28 610J
B26D7/02 Z
B26D7/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080838
(22)【出願日】2023-05-16
(31)【優先権主張番号】10-2022-0067955
(32)【優先日】2022-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522466485
【氏名又は名称】イレ コリア インダストリー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】カン,ソク ジュ
【テーマコード(参考)】
3C021
4B011
【Fターム(参考)】
3C021CC04
3C021DB07
4B011EA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フォーク手段を用いて、横縦方向に移動可能なテーブルに固定した後、前記作業台を移動しながら肉を一定の大きさに簡単かつ便利に切断するとともに、肉切断時に作業者の身体を保護することができる食肉切断装置用安全装置を提供する。
【解決手段】本発明の食肉切断装置用安全装置は、作動レバーによってフォーク手段を上下移動させて肉が動かないように固定する固定手段と、前記固定手段が設置されるフレームに具備された取っ手を取って押し引きする際に移動を容易にする移動ローラが具備された安全移動フレームと、前記安全移動フレームを案内するガイド部を具備し、前記安全移動フレームと直交する方向に移動するベーステーブルと、前記ベーステーブルのガイド部に差し込まれるガイド棒の両端には食肉切断装置の作業台にボルトで固定される連結板を具備しており、前記ベーステーブルを移動案内するベーステーブルガイド手段と、を含んでなる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食肉切断装置用安全装置であって、
作動レバーによってフォーク手段を上下移動させて肉が動かないように固定する固定手段と、
前記固定手段が設置されるフレームに具備された取っ手を取って押し引きする際に移動を容易にする移動ローラが具備された安全移動フレームと、
前記安全移動フレームを案内するガイド部を具備し、前記安全移動フレームと直交する方向に移動するベーステーブルと、
前記ベーステーブルのガイド部に差し込まれるガイド棒の両端には食肉切断装置の作業台にボルトで固定される連結板を具備しており、前記ベーステーブルを移動案内するベーステーブルガイド手段と、を含んでなることを特徴とする、食肉切断装置用安全装置。
【請求項2】
前記固定手段は、
肉を固定するフォーク部材と、
前記フォーク部材がボルトによって固定設置される移動板材と、
前記移動板材の両端に設置され、メインフレームに沿って移動する摺動案内部材と、
前記移動板材を中心にフォーク部材が設置される位置の反対側に設けられるL字形の作動連結部材と、
前記フォーク部材を昇降させる作動レバーと、
前記作動レバーによって上下往復運動するロッド部材と、
前記ロッド部材の端部に固定設置された作動板と、
前記作動レバーと前記ロッド部材との間に設けられる連結部材と、を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の食肉切断装置用安全装置。
【請求項3】
前記安全移動フレームは、
前記摺動案内部材の溝に嵌め込まれて摺動案内部材が上下移動するガイド効果を奏し、固定手段が設置されるメインフレームと、
前記メインフレームの下端に設置され、転覆を防止するとともに一定間隔を維持するようにするスペースフレームと、
前記スペースフレームの両端に固定設置され、移動ローラの離脱を防止する離脱防止板と、
前記メインフレームと前記離脱防止板との間に回転自在に軸設され、テーブル部材の折曲部に沿って走行する移動ローラと、を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の食肉切断装置用安全装置。
【請求項4】
前記ベーステーブルは、テーブル部材の両端が上向きに折り曲げ形成されて移動ローラが案内される折曲部を一体に形成し、前記折曲部の間には、前記安全移動フレームが搭載されて遊動を防止するように設置され、テーブル部材の一側底面には、移動ホイールが設置され、前記移動ホイールと対向する方向には、ガイド棒が差し込まれるガイド部が形成されてなることを特徴とする、請求項1に記載の食肉切断装置用安全装置。
【請求項5】
前記スペースフレームの端部の上面には、肉を固定する固定ピンがさらに形成されてなることを特徴とする、請求項3に記載の食肉切断装置用安全装置。
【請求項6】
前記安全移動フレームに第2フォーク部材が回転可能にさらに具備されていることを特徴とする、請求項1に記載の食肉切断装置用安全装置。
【請求項7】
前記摺動案内部材は、一対の移動ローラを用いてメインフレームに沿って移動することができるようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の食肉切断装置用安全装置。
【請求項8】
前記連結部材は、メインフレームに固定設置された固定ブラケットに設置され、前記作動板と移動板材とを連結しながら、設置されたバネと前記作動板と前記L字形の作動連結部材とが一部分重なるように設置されてなることを特徴とする、請求項2に記載の食肉切断装置用安全装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食肉切断装置用安全装置に関し、フォーク手段を用いて、横方向及び縦方向に移動可能な作業台に固定した後、前記作業台を移動しながら肉を一定の大きさに簡単かつ便利に切断するとともに、肉切断時に作業者の身体を保護することができる食肉切断装置用安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、肉をお店で取り扱うとき、好適な大きさに加工(切断)して流通または保管している。このような肉加工は、作業者が切断用刃物を用いて手作業で進める。
【0003】
したがって、加工(切断)される肉片の大きさが作業者の個人的所見及び趣向によって多種多様に加工されるため、製品の均一性を図ることができなかった。また、骨が含有された家擒肉(キジ、鴨、ニワトリなど)の場合には、作業者が手作業で作業を行いにくいという問題点があった。
【0004】
従来の食肉切断装置は、図1に示されているように、肉が載置され、鋸の刃が移動する溝160が形成されている作業台110と、駆動モーターによって回転して作業台110の面に対して垂直に移動することにより肉を切断する帯鋸120と、肉の位置を決定する位置決め装置130と、前記帯鋸120の回転時、作業者及び帯鋸120を保護する保護用カバー140と、前記これらの装置を支持する支え台150とで構成されている。
【0005】
このように構成された従来の食肉切断装置は、駆動モーターの駆動によって帯鋸120が作業台110の面上において垂直方向に移動して肉を切断するようになっている。
【0006】
作業台110の面上に肉を載置し、肉の位置決め装置130を用いて切断すべき肉の位置及び厚さを決める。例えば、位置決め装置130と帯鋸120との隙間分だけが切断される肉の厚さとなる。
【0007】
作業者が駆動モーターの電源を印加すると、帯鋸120は作業台110に対して垂直方向に移動する。この時、肉を位置決め装置130に密着させた後、帯鋸120に向かって押すと帯鋸120によって肉が切断される。その後、位置決め装置130を用いて肉の位置を再度設定し、肉を押すことにより肉を切断し続けるようになる。
【0008】
上述したように構成された従来の食肉切断装置は、帯鋸120を回転させている状態で、肉を手で直接取って帯鋸120に向かって押さなければならないので、作業者が下手をすると指などが帯鋸120の鋸の刃によって切断されてしまう被害が発生するという問題点がある。
【0009】
さらに、かかる問題を回避するために作業者が肉を取る部位が多くなると、切断時に多量の肉が切断されないようになるため、作業者が取っていた肉の部位は、作業者が直接別途の切断手段、たとえば包丁などを用いて切断しなければならない煩わしさがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国登録特許第1143362号公報
【特許文献2】韓国登録実用新案第0477132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みて案出されたもので、その目的は、肉を取っているフォーク手段を、切断手段として使われる帯鋸の方向に移動可能であり、前記フォーク手段を用いて肉を固定することで安定感があり、作業者の安全事故を防止することができるという利点と、肉が載置された作業台をフォーク手段の移動方向と直交するように交差方向に移動しながら肉を一定の大きさに簡単かつ便利に切断することができるという利点がある食肉切断装置用安全装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的は、食肉切断装置用安全装置であって、作動レバーによってフォーク手段を上下移動させて肉が動かないように固定する固定手段と、前記固定手段が設置されるフレームに具備された取っ手を掴んで押し引きする際に移動を容易にする移動ローラが具備された安全移動フレームと、前記安全移動フレームを案内するガイド部を具備し、前記安全移動フレームと直交する方向に移動するベーステーブルと、前記ベーステーブルのガイド部に差し込まれるガイド棒の両端には食肉切断装置の作業台にボルトで固定される連結板を具備しており、前記ベーステーブルを移動案内するベーステーブルガイド手段と、を含んでなることを特徴とする、食肉切断装置用安全装置によって達成される。
【0013】
前記固定手段が、肉を固定するフォーク部材と、前記フォーク部材がボルトによって固定設置される移動板材と、前記移動板材の両端に設置されてメインフレームに沿って移動する摺動案内部材と、前記移動板材を中心にフォーク部材が設置される位置の反対側に設けられるL字形の作動連結部材と、前記フォーク部材を昇降させる作動レバーと、前記作動レバーによって上下往復運動するロッド部材と、前記ロッド部材の端部に固定設置された作動板と、前記作動レバーと前記ロッド部材との間に設けられる連結部材と、を含んでなることを特徴とする、食肉切断装置用安全装置によって達成される。
【0014】
前記連結部材は、メインフレームに固定設置された固定ブラケットに設置されるが、前記作動板と前記移動板材とを連結しながら、設置されたバネと前記作動板と前記L字形の作動連結部材とが一部分重なるように設置されてなることを特徴とする、食肉切断装置用安全装置によって達成される。
【0015】
前記安全移動フレームは、前記摺動案内部材の溝に嵌め込まれて摺動案内部材が上下移動するガイド効果を奏し、固定手段が設置されるメインフレームと、前記メインフレームの下端に設置され、転覆を防止するとともに一定間隔を維持するようにするスペースフレームと、前記スペースフレームの両端に固定設置され、移動ローラの離脱を防止する離脱防止板と、前記メインフレームと前記離脱防止板との間に回転自在に軸設され、テーブル部材の折曲部に沿って走行する移動ローラと、を含んでなることを特徴とする、食肉切断装置用安全装置によって達成される。
【0016】
前記ベーステーブルは、テーブル部材の両端が上向きに折り曲げ形成されて移動ローラが案内される折曲部を一体に形成し、前記折曲部の間には、前記安全移動フレームが搭載されて遊動を防止するように設置され、テーブル部材の一側底面には、移動ホイールが設置され、前記移動ホイールと対向する方向には、ガイド棒が差し込まれるガイド部が形成されてなることを特徴とする、食肉切断装置用安全装置によって達成される。
【0017】
前記スペースフレームの端部の上面には、肉を固定する固定ピンがさらに形成されてなることを特徴とする、食肉切断装置用安全装置によって達成される。
【0018】
前記安全移動フレームに第2フォーク部材が回転可能にさらに具備されていることを特徴とする、食肉切断装置用安全装置によって達成される。
【発明の効果】
【0019】
このような本発明は、肉を取っているフォーク手段を、切断手段として使われる帯鋸の方向に移動可能であり、前記フォーク手段を用いて肉を固定することで安定感があり、作業者の安全事故を防止することができるという利点と、肉が載置された作業台をフォーク手段の移動方向と直交するように交差方向に移動しながら肉を一定の大きさに簡単かつ便利に切断することができるという利点がある有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一般の食肉切断装置の構造を示す斜視図である。
図2】食肉切断装置に設置して使用する本発明の安全装置の構造を示す斜視図である。
図3】本発明の技術が適用された安全装置の構造を示す断面図である。
図4a】本発明の技術的要旨である固定手段の構造を示す斜視図である。
図4b】本発明の技術的要旨である固定手段の構造を示す背面斜視図である。
図5a】本発明の技術的要旨である固定手段の構造及び作動を示す断面図である。
図5b】本発明の技術的要旨である固定手段の作動を示す側面図である。
図6】本発明の技術的要旨である安全移動フレームの構造を示す斜視図である。
図7a】本発明の技術的要旨である安全移動フレームの構造を示す断面図である。
図7b】本発明の技術的要旨である安全移動フレームの作動を示す断面図である。
図8】本発明の他の実施例を示す安全装置の構造を示す断面図である。
図9】本発明の技術的要旨であるベーステーブルの構造を示す斜視図である。
図10a】本発明の技術的要旨であるベーステーブルの構造を示す断面図である。
図10b】本発明の技術的要旨であるベーステーブルの作動を示す平面図である。
図11】移動ローラがストッパーに係止されて離脱が防止される構造を示す例示図である。
図12a】本発明の安全装置のフォーク部材を用いて肉を固定する作動状態を示す断面図である。
図12b】肉を切断するために本発明の安全装置を帯鋸方向に移動させることを示す側面例示図である。
図12c】肉を切断するために本発明の安全装置を帯鋸方向に移動させることを示す平面例示図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳しく説明する。
【0022】
本発明の食肉切断装置用安定装置の設置構造は、添付図面の図1に示されているように、食肉切断装置の作業台110上に設置してフォーク手段により肉を固定することで安定感があり、作業者の安全事故を防止し得るという利点と、肉が固定された安全装置1を作業台110の上においてX方向とY方向に移動しながら肉を一定の大きさに切断できるようにする便利性と安全性を有する装置である。
【0023】
前述した本発明の食肉切断装置用安全装置1の構造は、添付図面の図2及び図3に示されているように、作動レバー11によってフォーク部材12を上下移動させて肉が動かないように固定する固定手段10と、前記固定手段10が設置されるメインフレーム21に具備された取っ手25を掴んで押し引きするとき、移動を容易にする移動ローラ23が具備された安全移動フレーム20と、前記安全移動フレーム20を案内するガイド部32を具備し、安全移動フレーム20の移動方向が左右方向、すなわち、X方向であれば前記X方向と直交するY方向に移動するベーステーブル30と、前記ベーステーブル30のガイド部32に差し込まれるガイド棒42の両端には、食肉切断装置の作業台110にボルトで固定される連結板41を具備しており、ベーステーブル30を移動案内するベーステーブルガイド手段40と、を含んでなる構造である。
【0024】
前記本発明の技術的要旨である固定手段10の構造は、添付図面の図4及び図5aに示されているように、肉を固定するフォーク部材12がボルトによって固定設置される移動板材13の両端には摺動案内部材14が設置され、前記フォーク部材12が設置される位置の反対側にはL字形の作動連結部材15がボルト固定される。
【0025】
前記摺動案内部材14は、強度のある合成樹脂製またはゴム製のものが好ましい。なぜならば、メインフレーム21が金属からなるので、摩擦によるノイズの発生を防止するためであり、また、振動に伴う衝撃吸収効果も持つことができるからである。
【0026】
前記摺動案内部材14は、合成樹脂製の溝を形成させてメインフレーム21に沿って移動するものと説明しているが、摺動案内部材14を一対の移動ローラを用いてメインフレーム21に沿って移動するように、その構造を変更して使用してもよい。
【0027】
前記フォーク部材12を昇降させる作動レバー11が、安全移動フレーム20に固定設置される固定ブラケット16に設置された連結部材17に回動可能に軸設され、前記連結部材17は上下往復運動するロッド部材18が連結設置され、前記ロッド部材18は、固定ブラケット16に形成された案内孔17aを貫通して設置される。
【0028】
本発明では、作動レバー11が連結部材17に連結設置されて回転運動するものとその構造を説明しているが、シリンダーを用いてもよく、上下往復運動しながら肉を固定する時、一定のトルクがかかれば停止させるようにその構造に変更して使用できる構造に置換して使用してもよい。
【0029】
一方、前記ロッド部材18の端部には、作動板19が設置されて断面形態がT字形に連結されて、前記作動板19の両側端はバネ19aによって連結されており、前記作動板19とL字形の作動連結部材15とが一部分重なるように設置されている構造である。
【0030】
前述のように、作動板19とL字形の作動連結部材15とが一部分重なるように設置されている構造は、肉の大きさに弾力的に対応するためである。すなわち、本発明では肉の最小サイズを想定して説明しているが、添付図面の図5aに示したように、切断すべき肉塊が大きい場合、作動板19とL字形の作動連結部材15とが広げられながらフォーク部材12が肉を固定するようになる。
【0031】
前述した安全移動フレーム20の構造は、添付図面の図6及び図7aに示されているように、前記摺動案内部材14の溝に嵌め込まれて摺動案内部材14が上下移動するガイド効果を奏し、前記フォーク部材12が具備された固定手段10が設置されるメインフレーム21と、前記メインフレーム21の下端に設置され、転覆を防止するとともに一定間隔を維持するようにするスペースフレーム22と、前記スペースフレーム22の両端に固設され、移動ローラ23の離脱を防止する離脱防止板24と、前記メインフレーム21と前記離脱防止板24との間に回転可能に軸設され、テーブル部材31の折曲部33に沿って走行する移動ローラ23とからなる構造である。
【0032】
前記スペースフレーム22は、安全移動フレーム20を押し引きすることにより位置を移動させる時、メインフレーム21の転覆を防止するとともにメインフレーム21の下端を安定に把持する効果がある。
【0033】
未説明の符号25は、取っ手である。前記取っ手25は、安全移動フレーム20をX方向またはY方向に移動させるときに用いられる。この時、前記添付図面の図8に示されているように、前記安全移動フレーム20に、さらに、第2フォーク部材27を回転可能に設置することで、肉をしっかり固定することができるようにして、帯鋸120によって切断する際に、肉の振れを最大限抑えることができるという効果が得られる。
【0034】
前記フォーク部材12のみで肉を固定する場合は、肉を最大限切断することができるという利点があるものの、肉塊それ自体が大きいものである場合、切断時に振れが発生する恐れがあり補助的に第2フォーク部材27を用いることである。
【0035】
前記第2フォーク部材27で固定している部位まで肉の切断が行われると、前記第2フォーク部材27をヒンジ回転させて帯鋸120と衝突しないように取り離すと、フォーク部材12によって固定されていた部位まで切断することができ、作業者が肉を手で取って切断することを防ぐことができるため、安全事故を防止することができるという利点を得る。一方、前記スペースフレーム22の端部の上面には、肉を固定する固定ピン26がさらに形成されている構造である。
【0036】
前記ベーステーブル30の構造は、添付図面の図9及び図10aに示されているように、テーブル部材31の両端が上向きに折り曲げ形成され、移動ローラ23が案内される折曲部33を一体に形成し、前記折曲部33の間には前記安全移動フレーム20が搭載されて遊動を防止するように設置されるが、テーブル部材31の一側底面には移動ホイール35が設置され、前記移動ホイール35と対向する方向にはガイド棒42が差し込まれるガイド部32が形成されている構造であり、この時、前記テーブル部材31の折曲部33の両端にはストッパー34が形成されており、これにより、前記移動ローラ23がストッパー34に係止されて安全移動フレーム20の脱去を防止することができる。
【0037】
前記移動ホイール35は、キャップと前記キャップの通孔を一部貫通する球状のボールからなる構造である。前記移動ホイール35は方向性なしに自由自在に移動可能であるという利点があるからである。もちろん、移動ホイール35は構造が限定されなく、ベーステーブル30が移動可能な構造であればよい。
【0038】
上述した構造を持つ本発明である肉の固定及び固定力の解除は、添付図面の図7bに示されているように、点線の位置まで安全移動フレーム20の取っ手25を取って帯鋸120から遠く退避させて安全を確保したうえで、切断すべき肉(食肉)をスペースフレーム22に形成された固定ピン26を用いて下向きに固定した後、図5a及び図12bに示されているように、肉を固定するために作動レバー11を下向きに取って押し付ける。
【0039】
前述のように、図5a及び図12bに示されているように、肉を固定するために作動レバー11を下向きに取って押し付けると、固定ブラケット16に設置された連結部材17によってヒンジ回動しながら作動レバー11の一端部が下向きに回転移動するとともに端部に連結されたロッド部材18を下部に押圧するようになる。
【0040】
この時、前記下向きに押圧移動したロッド部材18は、固定ブラケット16に形成された案内孔17aに沿って遊動性が防止されて移動し、前記のように下部に移動したロッド部材18の端部には作動板19が設置されているため、T字形に連結されている作動板19も同時に下向きに移動する。
【0041】
前記作動板19が下部に移動すれば、前記作動板19と一部分が重なるように設置された作動連結部材15が下向きに引っ張られ、これに伴い、作動板19に連結されたバネ19aも引っ張られる。
【0042】
したがって、前記バネ19aと作動連結部材15が下向きに移動すると同時に、連結部材17に連結設置された移動板材13と前記移動板材13に設置されたフォーク部材12も連動して下向きに移動する。この時、前記移動板材13の両端に設置されている摺動案内部材14がメインフレーム21に沿って移動して肉を固定するようになる。
【0043】
前述のように、肉をフォーク部材12を用いて固定した後、安全移動フレーム20の取っ手25を取って安全移動フレーム20を肉位置決め装置130の側に密着させる。
【0044】
前記安全移動フレーム20が肉位置決め装置130側に移動すれば、フォーク部材12に固定された肉(食肉)は、位置決め装置130に密着し、この時、安全移動フレーム20は、添付図面の図7bに示されているように、スペースフレーム22と、前記スペースフレーム22の両端に固定設置されて移動ローラ23の離脱を防止する離脱防止板24と、前記メインフレーム21と離脱防止板24との間に回転可能に軸設され、テーブル部材31の折曲部33に沿って走行する移動ローラ23とからなる構造である。
【0045】
一方、前記スペースフレーム22の端部の上面には、肉を固定する固定ピン26がさらに形成されている構造であって、固定ピン26は、下部で肉を固定し、上部はフォーク部材12が固定するから肉をしっかりと固定するようになる。
【0046】
前述のように肉が固定されれば作業者は、メインフレーム21に具備された取っ手25を取って、まず、食肉切断装置に具備されている位置決め装置130に固定された肉を密着させた後、帯鋸120の方向に押すと、前記位置決め装置130と帯鋸120との間隔が肉の厚さとなって肉が切断されるものである。
【0047】
前記食肉切断装置に具備されている位置決め装置130側へ密着させる移動をX方向への移動とすると、安全移動フレームのX方向への移動は、作業者が取っ手25を用いて図面における一側方向に押して位置決め装置130側へ密着させる。この時、安全移動フレーム20の移動をX方向への移動とすると、テーブル部材の両端に具備された折曲部33に沿って移動する。
【0048】
前記X方向への移動について具体的に説明すると、添付図面の図11に示されているように、メインフレーム21と離脱防止板24との間に回転可能に軸設された移動ローラ23が折曲部33に沿って移動する。この時、前記テーブル部材の折曲部33の両端部にはストッパー34が形成されており、前記移動ローラ23がストッパー34に掛止されて安全移動フレーム20の脱去を防止することができるものである。
【0049】
一方、帯鋸方向に本発明の安全装置を押して移動させることをY方向への移動であると定義することができる。前記Y方向への移動方法は、ベーステーブル30を構成するテーブル部材31の一端部に、食肉切断装置の作業台にボルトで固定される連結板41によって設置されたガイド棒42がガイド部32を貫通して設置されており、ガイド棒42に沿って水平に移動するようになる。
【0050】
前記テーブル部材31がガイド棒42に沿って水平に移動する時、テーブル部材31の他側底面には、移動ホイール35が設置されているため、ベーステーブル30が容易に移動することである。
【0051】
前記肉の切断後に、他の新しい肉に入れ替ろうとする時や切断を済ませた後に残っている肉塊を脱去させようとする時、安全装置を帯鋸の設置場所から遠く移動させた後、添付図面の図5に示された作動レバー11を逆方向の上向きに回転移動するとともに端部に連結されたロッド部材18を上部に移動させるようになる。
【0052】
この際、前記下向きに押圧移動したロッド部材18は、固定ブラケット16に形成された案内孔17aに沿って遊動性が防止されて上部に移動し、前記のように上部に移動したロッド部材18の端部には作動板が設置されており、T字形に連結されている作動板19も同時に上向きに移動する。
【0053】
前記作動板19が上部に移動すれば前記作動板と一部分が重なるように設置された作動連結部材15が上向きに引っ張られるとともに、作動板19に連結されたバネ19aを押圧するようになる。
【0054】
したがって、前記バネ19aと作動連結部材15が上向きに移動すると同時に、作動連結部材15に連結設置された移動板材13および移動板材13に設置されたフォーク部材12も連動して上向きに移動する。この時、前記移動板材13の両端に設置されている摺動案内部材14がメインフレーム21に沿って移動することにより、肉を固定していた固定力を解除するようになる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
このような本発明は肉を取っているフォーク手段を切断手段として使われる帯鋸方向に移動可能であり、前記フォーク手段を用いて肉を固定することで安定感があり、作業者の安全事故を防止することができる利点と、肉が載置された作業台をフォーク手段の移動方向と直交するように交差方向に移動するとともに肉を一定の大きさに簡単かつ便利に切断することができる利点などがある有用な発明である。
【符号の説明】
【0056】
1 食肉切断装置用安全装置
10 固定手段
11 作動レバー
12 フォーク部材
13 移動板材
14 摺動案内部材
15 作動連結部材
16 固定ブラケット
17 連結部材
17a 案内孔17a
18 ロッド部材
19 作動板
19a バネ
20 安全移動フレーム
21 メインフレーム
22 スペースフレーム
23 移動ローラ
24 離脱防止板
25 取っ手
27 第2フォーク部材
30 ベーステーブル
31 テーブル部材
35 移動ホイール
40 ベーステーブルガイド手段
41 連結板
42 ガイド棒
110 作業台
120 帯鋸
130 位置決め装置
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10a
図10b
図11
図12a
図12b
図12c