(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178227
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】バックライト装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20231207BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20231207BHJP
F21V 3/12 20180101ALI20231207BHJP
F21V 9/32 20180101ALI20231207BHJP
G02F 1/13357 20060101ALN20231207BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231207BHJP
【FI】
F21S2/00 433
F21S2/00 443
F21S2/00 435
F21V3/00 530
F21V3/12
F21V9/32
G02F1/13357
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084523
(22)【出願日】2023-05-23
(31)【優先権主張番号】63/348,328
(32)【優先日】2022-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮司
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100202142
【弁理士】
【氏名又は名称】北 倫子
(72)【発明者】
【氏名】岩本 健一
(72)【発明者】
【氏名】萩原 沙月
(72)【発明者】
【氏名】根来 和彦
【テーマコード(参考)】
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H391AA15
2H391AB04
2H391AB34
2H391AB40
2H391AC25
2H391AC32
2H391CA02
2H391CA04
2H391CA06
2H391CA08
2H391CA10
3K244AA01
3K244AA02
3K244BA03
3K244BA26
3K244BA31
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA13
3K244EA02
3K244EA12
3K244EC21
3K244ED21
3K244ED22
3K244ED29
3K244GA01
3K244GA11
3K244JA03
3K244KA02
3K244KA07
3K244KA16
3K244LA01
(57)【要約】
【課題】表示装置の表示品位および/または薄型化を含む性能を向上させることができるバックライト装置を提供する。
【解決手段】バックライト装置は、青色光を出射する光源と、導光層と、量子ドット蛍光体層と、反射層と、黄色蛍光体層とを有する。導光層は、第1主面と、第1主面と反対側の第2主面と、光源から出射された青色光を受ける少なくとも1つの受光側面と、光源から出射された青色光を受けない少なくとも1つの非受光側面とを有する。量子ドット蛍光体層は、導光層の第1主面側に設けられており、赤色量子ドット蛍光体および緑色量子ドット蛍光体を含む。反射層は、導光層の第2主面側に配置されている。黄色蛍光体層は、導光層の第2主面と反射層との間に、かつ、第1主面の法線方向から見たとき、少なくとも1つの非受光側面に沿った領域に設けられており、黄色蛍光体を含む。量子ドット蛍光体層は、導光層の第1主面に接している。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
青色光を出射する光源と、
第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、前記第1および第2主面と交わり、前記光源から出射された前記青色光を受ける少なくとも1つの受光側面と、前記第1および第2主面と交わり、前記青色光を受けない少なくとも1つの非受光側面とを有する導光層と、
前記導光層の前記第1主面側に設けられた、前記青色光を受けて赤色光を発する赤色量子ドット蛍光体および前記青色光を受けて緑色光を発する緑色量子ドット蛍光体を含む量子ドット蛍光体層と、
前記導光層の前記第2主面側に配置された反射層と、
前記導光層の前記第2主面と前記反射層との間に、かつ、前記第1主面の法線方向から見たとき、前記少なくとも1つの非受光側面に沿った領域に設けられた、前記青色光を受けて黄色光を発する黄色蛍光体を含む黄色蛍光体層と
を有し、
前記量子ドット蛍光体層は、前記導光層の前記第1主面に接している、バックライト装置。
【請求項2】
前記第1主面の法線方向から前記黄色蛍光体層を見たとき、前記領域の幅は5mm以下である、請求項1に記載のバックライト装置。
【請求項3】
前記黄色蛍光体層は、前記反射層の前記導光層側の主面に接している、請求項1または2に記載のバックライト装置。
【請求項4】
前記黄色蛍光体層と前記導光層の前記第2主面との間に空隙が形成されている、請求項1または2に記載のバックライト装置。
【請求項5】
青色光を出射する光源と、
第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、前記第1および第2主面と交わり、前記光源から出射された前記青色光を受ける少なくとも1つの受光側面と、前記第1および第2主面と交わり、前記青色光を受けない少なくとも1つの非受光側面とを有する導光層と、
前記導光層の前記第1主面側に設けられた量子ドット蛍光体層であって、前記第1主面と対向する第3主面と、前記第3主面と反対側の第4主面と、前記少なくとも1つの受光側面と実質的に平行な少なくとも1つの第1側面と、前記少なくとも1つの非受光側面と実質的に平行な少なくとも1つの第2側面とを有し、前記青色光を受けて赤色光を発する赤色量子ドット蛍光体および前記青色光を受けて緑色光を発する緑色量子ドット蛍光体を含む量子ドット蛍光体層と、
前記導光層の前記第2主面側に配置された反射層と、
前記量子ドット蛍光体層の前記少なくとも1つの第2側面と対向するように設けられた、前記青色光を受けて黄色光を発する黄色蛍光体を含む黄色蛍光体層と
を有する、バックライト装置。
【請求項6】
前記黄色蛍光体層は、前記量子ドット蛍光体層の前記少なくとも1つの第2側面に接している、請求項5に記載のバックライト装置。
【請求項7】
前記量子ドット蛍光体層の前記導光層と反対側に設けられた光学シートをさらに有し、
前記光学シートは、前記量子ドット蛍光体層側の第5主面と、前記第5主面と反対側の第6主面と、前記少なくとも1つの受光側面と実質的に平行な少なくとも1つの第3側面と、前記少なくとも1つの非受光側面と実質的に平行な少なくとも1つの第4側面とを有し、
前記黄色蛍光体層は、前記量子ドット蛍光体層の前記少なくとも1つの第2側面および前記光学シートの前記少なくとも1つの第4側面と対向するように設けられている、請求項5に記載のバックライト装置。
【請求項8】
前記黄色蛍光体層は、前記量子ドット蛍光体層の前記少なくとも1つの第2側面および前記光学シートの前記少なくとも1つの第4側面に接している、請求項7に記載のバックライト装置。
【請求項9】
前記光学シートの前記量子ドット蛍光体層と反対側に設けられた他の光学シートをさらに有し、
前記他の光学シートは、前記光学シート側の第7主面と、前記第7主面と反対側の第8主面と、前記少なくとも1つの受光側面と実質的に平行な少なくとも1つの第5側面と、前記少なくとも1つの非受光側面と実質的に平行な少なくとも1つの第6側面とを有し、
前記黄色蛍光体層は、前記量子ドット蛍光体層の前記少なくとも1つの第2側面、前記光学シートの前記少なくとも1つの第4側面、および前記他の光学シートの前記少なくとも1つの第6側面と対向するように設けられている、請求項7に記載のバックライト装置。
【請求項10】
前記黄色蛍光体層は、前記量子ドット蛍光体層の前記少なくとも1つの第2側面、前記光学シートの前記少なくとも1つの第4側面および前記他の光学シートの前記少なくとも1つの第6側面に接している、請求項9に記載のバックライト装置。
【請求項11】
前記光学シートおよび前記他の光学シートは、稜線が互いに直交するように配置されたプリズムシートである、請求項9に記載のバックライト装置。
【請求項12】
前記量子ドット蛍光体層の前記第3主面は、前記導光層の前記第1主面に接している、請求項5から11のいずれか1項に記載のバックライト装置。
【請求項13】
青色光を出射する光源と、
第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、前記第1および第2主面と交わり、前記光源から出射された前記青色光を受ける少なくとも1つの受光側面と、前記第1および第2主面と交わり、前記青色光を受けない少なくとも1つの非受光側面とを有する導光層と、
前記導光層の前記第1主面側に設けられた量子ドット蛍光体層であって、前記第1主面と対向する第3主面と、前記第3主面と反対側の第4主面と、前記第3および第4主面と交わる側面とを有し、前記青色光を受けて赤色光を発する赤色量子ドット蛍光体および前記青色光を受けて緑色光を発する緑色量子ドット蛍光体を含む量子ドット蛍光体層と、
前記導光層の前記第2主面側に配置された反射層と、
前記導光層の前記少なくとも1つの非受光側面と対向するように設けられた、前記青色光を受けて黄色光を発する黄色蛍光体を含む黄色蛍光体層と
を有し、
前記量子ドット蛍光体層の前記第3主面が前記導光層の前記第1主面に接している、バックライト装置。
【請求項14】
前記導光層を包囲するように設けられているプラスチックフレームをさらに有し、
前記プラスチックフレームは、前記導光層の前記少なくとも1つの非受光側面と対向する第1対向部を有し、
前記黄色蛍光体層は、前記第1対向部上に設けられている、請求項13に記載のバックライト装置。
【請求項15】
前記黄色蛍光体層と前記導光層の前記少なくとも1つの非受光側面との間に空隙が形成されている、請求項13または14に記載のバックライト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置の多くは、LEDを有するバックライト装置を備えている。液晶表示装置が備えるバックライト装置として、青色LEDと蛍光体とを組み合わせた白色LED装置が用いられている。例えば、青色光を発する青色LEDと、緑色蛍光体および赤色蛍光体とを組み合わせたリモートフォスファー方式の白色LED装置が用いられている。具体的には、青色LEDから導光板に向けて出射され導光板に入射した青色光が導光板内を伝搬し、導光板の光出射面から出射された青色光は、緑色蛍光体および赤色蛍光体を含む波長変換層に入射する。このような白色LED装置は、導光板の側面に向けて青色LEDから青色光が出射されるエッジライト型と、導光板の光出射面と反対側の主面に向けて青色LEDから青色光が出射される直下型とがある。特許文献1から3には、エッジライト型の、青色LEDと、緑色量子ドット蛍光体および赤色量子ドット蛍光体とを用いたリモートフォスファー方式のバックライト装置が開示されている。
【0003】
特許文献1から3に記載されているように、エッジライト型の、青色LEDと緑色蛍光体および赤色蛍光体とを用いたリモートフォスファー方式のバックライト装置を用いた表示装置において、表示領域の外周部分が他の部分よりも青色に色付いて見える色むらが発生することがある。このような色むらの発生を抑制するために、特許文献1に記載されたバックライト装置は、波長変換層(光変換層)または反射シートの外縁部に、黄色(すなわち、青色LEDから出射された光の色の補色)を呈する着色層を設けている。着色層は、黄色の顔料または染料を含む。特許文献2に記載されたバックライト装置は、波長変換層(波長変換部材)の外周部分に、波長変換層の側面を覆うように設けられた、黄色を呈する呈色部材を有する。呈色部材は、黄色の顔料または染料を含む。特許文献3に記載されたバックライト装置は、導光板の側面のうち光源(青色LED)から出射された光を受けない側面(非入光端面)上に、青色LEDから出射された青色光を受けて蛍光を発する蛍光体(例えば黄色蛍光体)を含む蛍光体層(端面波長変換シート)を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-26705号公報
【特許文献2】国際公開第2016/158370号
【特許文献3】国際公開第2016/143765号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者の検討によると、特許文献1から3のバックライト装置を用いると、表示装置の表示品位の低下を十分に抑制することができないという問題および/または表示装置を十分に薄型化することができないという問題が生じることがある。詳細は後述する。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、表示装置の表示品位および/または薄型化を含む性能を向上させることができるバックライト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によると、以下の項目に記載の解決手段が提供される。
【0008】
[項目1]
青色光を出射する光源と、
第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、前記第1および第2主面と交わり、前記光源から出射された前記青色光を受ける少なくとも1つの受光側面と、前記第1および第2主面と交わり、前記青色光を受けない少なくとも1つの非受光側面とを有する導光層と、
前記導光層の前記第1主面側に設けられた、前記青色光を受けて赤色光を発する赤色量子ドット蛍光体および前記青色光を受けて緑色光を発する緑色量子ドット蛍光体を含む量子ドット蛍光体層と、
前記導光層の前記第2主面側に配置された反射層と、
前記導光層の前記第2主面と前記反射層との間に、かつ、前記第1主面の法線方向から見たとき、前記少なくとも1つの非受光側面に沿った領域に設けられた、前記青色光を受けて黄色光を発する黄色蛍光体を含む黄色蛍光体層と
を有し、
前記量子ドット蛍光体層は、前記導光層の前記第1主面に接している、バックライト装置。
【0009】
[項目2]
前記第1主面の法線方向から前記黄色蛍光体層を見たとき、前記領域の幅は5mm以下である、項目1に記載のバックライト装置。
【0010】
[項目3]
前記黄色蛍光体層は、前記反射層の前記導光層側の主面に接している、項目1または2に記載のバックライト装置。
【0011】
[項目4]
前記黄色蛍光体層と前記導光層の前記第2主面との間に空隙が形成されている、項目1から3のいずれか1項に記載のバックライト装置。
【0012】
[項目5]
青色光を出射する光源と、
第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、前記第1および第2主面と交わり、前記光源から出射された前記青色光を受ける少なくとも1つの受光側面と、前記第1および第2主面と交わり、前記青色光を受けない少なくとも1つの非受光側面とを有する導光層と、
前記導光層の前記第1主面側に設けられた量子ドット蛍光体層であって、前記第1主面と対向する第3主面と、前記第3主面と反対側の第4主面と、前記少なくとも1つの受光側面と実質的に平行な少なくとも1つの第1側面と、前記少なくとも1つの非受光側面と実質的に平行な少なくとも1つの第2側面とを有し、前記青色光を受けて赤色光を発する赤色量子ドット蛍光体および前記青色光を受けて緑色光を発する緑色量子ドット蛍光体を含む量子ドット蛍光体層と、
前記導光層の前記第2主面側に配置された反射層と、
前記量子ドット蛍光体層の前記少なくとも1つの第2側面と対向するように設けられた、前記青色光を受けて黄色光を発する黄色蛍光体を含む黄色蛍光体層と
を有する、バックライト装置。
【0013】
[項目6]
前記黄色蛍光体層は、前記量子ドット蛍光体層の前記少なくとも1つの第2側面に接している、項目5に記載のバックライト装置。
【0014】
[項目7]
前記量子ドット蛍光体層の前記導光層と反対側に設けられた光学シートをさらに有し、
前記光学シートは、前記量子ドット蛍光体層側の第5主面と、前記第5主面と反対側の第6主面と、前記少なくとも1つの受光側面と実質的に平行な少なくとも1つの第3側面と、前記少なくとも1つの非受光側面と実質的に平行な少なくとも1つの第4側面とを有し、
前記黄色蛍光体層は、前記量子ドット蛍光体層の前記少なくとも1つの第2側面および前記光学シートの前記少なくとも1つの第4側面と対向するように設けられている、項目5または6に記載のバックライト装置。
【0015】
[項目8]
前記黄色蛍光体層は、前記量子ドット蛍光体層の前記少なくとも1つの第2側面および前記光学シートの前記少なくとも1つの第4側面に接している、項目7に記載のバックライト装置。
【0016】
[項目9]
前記光学シートの前記量子ドット蛍光体層と反対側に設けられた他の光学シートをさらに有し、
前記他の光学シートは、前記光学シート側の第7主面と、前記第7主面と反対側の第8主面と、前記少なくとも1つの受光側面と実質的に平行な少なくとも1つの第5側面と、前記少なくとも1つの非受光側面と実質的に平行な少なくとも1つの第6側面とを有し、
前記黄色蛍光体層は、前記量子ドット蛍光体層の前記少なくとも1つの第2側面、前記光学シートの前記少なくとも1つの第4側面、および前記他の光学シートの前記少なくとも1つの第6側面と対向するように設けられている、項目7または8に記載のバックライト装置。
【0017】
[項目10]
前記黄色蛍光体層は、前記量子ドット蛍光体層の前記少なくとも1つの第2側面、前記光学シートの前記少なくとも1つの第4側面および前記他の光学シートの前記少なくとも1つの第6側面に接している、項目9に記載のバックライト装置。
【0018】
[項目11]
前記光学シートおよび前記他の光学シートは、稜線が互いに直交するように配置されたプリズムシートである、項目9または10に記載のバックライト装置。
【0019】
[項目12]
前記量子ドット蛍光体層の前記第3主面は、前記導光層の前記第1主面に接している、項目5から11のいずれか1項に記載のバックライト装置。
【0020】
[項目13]
青色光を出射する光源と、
第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、前記第1および第2主面と交わり、前記光源から出射された前記青色光を受ける少なくとも1つの受光側面と、前記第1および第2主面と交わり、前記青色光を受けない少なくとも1つの非受光側面とを有する導光層と、
前記導光層の前記第1主面側に設けられた量子ドット蛍光体層であって、前記第1主面と対向する第3主面と、前記第3主面と反対側の第4主面と、前記第3および第4主面と交わる側面とを有し、前記青色光を受けて赤色光を発する赤色量子ドット蛍光体および前記青色光を受けて緑色光を発する緑色量子ドット蛍光体を含む量子ドット蛍光体層と、
前記導光層の前記第2主面側に配置された反射層と、
前記導光層の前記少なくとも1つの非受光側面と対向するように設けられた、前記青色光を受けて黄色光を発する黄色蛍光体を含む黄色蛍光体層と
を有し、
前記量子ドット蛍光体層の前記第3主面が前記導光層の前記第1主面に接している、バックライト装置。
【0021】
[項目14]
前記導光層を包囲するように設けられているプラスチックフレームをさらに有し、
前記プラスチックフレームは、前記導光層の前記少なくとも1つの非受光側面と対向する第1対向部を有し、
前記黄色蛍光体層は、前記第1対向部上に設けられている、項目13に記載のバックライト装置。
【0022】
[項目15]
前記黄色蛍光体層と前記導光層の前記少なくとも1つの非受光側面との間に空隙が形成されている、項目13または14に記載のバックライト装置。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施形態によると、表示装置の表示品位および/または薄型化を含む性能を向上させることができるバックライト装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1A】本発明の実施形態1によるバックライト装置100Aを備える液晶表示装置200Aの模式的な断面図である。
【
図1B】液晶表示装置200Aの模式的な平面図である。
【
図2A】バックライト装置100Aが有する導光層112の模式的な斜視図である。
【
図2B】バックライト装置100Aが有する量子ドット蛍光体層122を示す模式的な平面図である。
【
図2C】バックライト装置100Aが有する反射層132および黄色蛍光体層142を示す模式的な平面図である。
【
図3】比較例1のバックライト装置900Aを備える液晶表示装置990Aの模式的な断面図を示す。
【
図4】比較例1の液晶表示装置990Aにおいて生じる問題を説明するための模式的な図である。
【
図5】比較例2のバックライト装置900Bを備える液晶表示装置990Bの模式的な断面図を示す。
【
図6】本発明の実施形態2によるバックライト装置100Bを備える液晶表示装置200Cの模式的な断面図である。
【
図7】本発明の実施形態2の変形例によるバックライト装置100B1を備える液晶表示装置200C1の模式的な断面図である。
【
図8】本発明の実施形態3によるバックライト装置100Cを備える液晶表示装置200Bの模式的な断面図である。
【
図9】色むら評価のためのサンプルパネルに用いた黄色蛍光体の発光スペクトルを示す図である。
【
図10】サンプルパネルAの色むら評価の結果を示す図である。
【
図11A】色むら評価の方法を説明するための模式的な図である。
【
図11B】色むら評価の方法を説明するための模式的な図である。
【
図12】サンプルパネルAの色むら評価の結果を示すグラフである。
【
図13】サンプルパネルB、サンプルパネルB1およびサンプルパネルCの色むら評価の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の図面において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、その説明を省略することがある。
【0026】
(実施形態1)
図1Aは、本発明の実施形態によるバックライト装置100Aを備える液晶表示装置200Aの模式的な断面図であり、
図1Bは、液晶表示装置200Aの模式的な平面図である。
図1Aは、
図1Bの1A-1A’線に沿った断面を示している。
図2Aは、バックライト装置100Aが有する導光層112の模式的な斜視図であり、
図2Bは、バックライト装置100Aが有する量子ドット蛍光体層122を示す模式的な平面図である。
図2Cは、バックライト装置100Aが有する反射層132および黄色蛍光体層142を示す模式的な平面図である。
図2A、
図2Bおよび
図2Cには、光源LSをあわせて示している。
【0027】
図1Aに示すように、液晶表示装置200Aは、液晶表示パネル50と、液晶表示パネル50の背面50rに向けて白色光を出射するバックライト装置100Aとを備える。液晶表示パネル50の背面50rは、液晶表示パネル50の観察者側の前面50fと反対側の面である。
【0028】
液晶表示パネル50は、液晶セル10と、液晶セル10の両側に設けられた偏光板32および34とを有する。液晶セル10は、TFT基板12と、TFT基板12と対向する対向基板14と、TFT基板12と対向基板14との間に配置された液晶層とを有する。液晶表示パネル50は、表示を行う表示領域Rd(
図1Bで破線で囲んだ領域)と、表示領域Rdを包囲する周辺領域Rfとを有する。表示領域Rdは、液晶表示パネル50が有する複数の画素によって画定される。複数の画素のそれぞれには、TFT(薄膜トランジスタ)および画素電極が設けられている。TFT基板12は、複数の画素のそれぞれが有するTFTおよび画素電極と、これらを支持する基板(例えばガラス基板)とを有する。対向基板14は、基板(例えばガラス基板)と、基板に支持されたカラーフィルタ層とを有し、カラーフィルタ層は、周辺領域Rfにブラックマトリクス(遮光層)を有する。液晶表示パネル50の詳細な構造については説明を省略するが、液晶表示パネル50は公知の液晶表示パネルであってよい。液晶表示パネル50の表示領域Rdおよび周辺領域Rfに対応する領域を、液晶表示装置200A全体についても表示領域Rdおよび周辺領域Rfとそれぞれいうことがある。
【0029】
バックライト装置100Aは、青色光を出射する光源LSと、導光層112と、量子ドット蛍光体層122と、反射層132と、黄色蛍光体層142とを有する。
【0030】
導光層112は、第1主面112aと、第1主面112aと反対側の第2主面112bと、第1主面112aおよび第2主面112bと交わる側面112c1~112c4とを有する。側面112c1~112c4は、互いに実質的に平行な第1主面112aおよび第2主面112bの間にある。この例では、第1主面112aおよび第2主面112bは矩形状であり、側面112cは、4つの側面112c1、112c2、112c3および112c4(側面112cと総称することがある。)を含む。導光層112の4つの側面112c1~112c4のうち、光源LSから出射された青色光を受ける側面112c1を受光側面112c1といい、光源LSから青色光を受けない側面112c2~112c4を非受光側面112c2~112c4という。非受光側面112c2~112c4には、光源LSから出射された青色光は実質的に入射されない。非受光側面112c2~112c4は、光源LSから出射された青色光を直接受けることはないが、光源LSから出射された青色光を間接的に(例えば、導光層112に入射された後に)受けてもよい。受光側面の参照符号に括弧付きでR1を付すことがあり、非受光側面の参照符号に括弧付きでR2を付すことがある(
図1A、
図1Bおよび
図2A参照)。光源LSは、矩形の長辺(x方向に延びる辺)の1つを含む受光側面112c1に向けて青色光を出射する。光源LSは、例えば、受光側面112c1に対向して配置されている。ここでは、第1主面112aおよび第2主面112bはxy面に平行な面であり、側面112c1および112c3はxz面に平行な面であり、側面112c2および112c4はyz面に平行な面である。光源LSは、例えば青色LED装置であり、複数の青色LEDチップを有していてもよい。
【0031】
量子ドット蛍光体層122は、導光層112の第1主面112a側に設けられている。導光層112の第1主面112aは、例えば導光層112の光出射面である。量子ドット蛍光体層122は、光源LSから出射された青色光を受けて赤色光を発する赤色量子ドット蛍光体124rと、光源LSから出射された青色光を受けて緑色光を発する緑色量子ドット蛍光体124gとを含む。本明細書において、「蛍光体」は狭義の蛍光体およびりん光体を含む。蛍光体が発する光を「蛍光」ということがある。「蛍光」は、狭義の蛍光およびりん光を含む。量子ドット蛍光体層122は、第3主面122aと、第3主面122aと反対側の第4主面122bと、第3主面122aおよび第4主面122bと交わる4つの側面122c1、122c2、122c3および122c4とを有する。量子ドット蛍光体層122の第3主面122aは、導光層112の第1主面112aに接している。すなわち、量子ドット蛍光体層122の第3主面122aと導光層112の第1主面112aとの間に空隙は形成されていない。量子ドット蛍光体層122は、例えば接着剤層を介して導光層112の第1主面112aに貼り付けられていてもよいし、導光層112の第1主面112a上に載置されていてもよい。量子ドット蛍光体層122の第3主面122aおよび第4主面122bは、例えば、導光層112の第1主面112aおよび第2主面112bと同様の形状(この例では矩形状)である。
【0032】
反射層132は、導光層112の第2主面112b側に配置されている。反射層132は光反射性を有する。反射層132は白色を呈する。この例では、
図2Cに示すように、反射層132の主面は、導光層112の第1主面112aおよび第2主面112bと同様の形状(この例では矩形状)を有する。
【0033】
黄色蛍光体層142は、光源LSから出射された青色光を受けて黄色光を発する黄色蛍光体を含む。黄色蛍光体として、例えば、(Y,Gd)
3(Al,Ga)
5O
12:Ce
3+(通称YAG:Ce
3+)、α-SiAlON:Eu
2+、(Ca,Sr,Ba)
3SiO
4:Eu
2+などを用いることができる。黄色蛍光体層142は、導光層112の第2主面112bと反射層132との間に、かつ、第1主面112aまたは第2主面112bの法線方向から見たとき、非受光側面112c2、112c3および112c4に沿った領域に設けられている。黄色蛍光体層142は、
図2Cに示す例では、反射層132の導光層112側の主面上に、当該主面の外周(つまり矩形の4辺)のうちの、光源LSが配置される長辺を除く3辺に沿った、幅W1の領域に設けられている。幅W1は、光源LSが配置される長辺を除く3辺それぞれに沿った方向に直交するxy面上の方向の幅を示す。図示する例では、黄色蛍光体層142と導光層112の第2主面112bとの間には空隙が形成されているが、黄色蛍光体層142と導光層112の第2主面112bと接していてもよい。黄色蛍光体層142は、導光層112の第2主面112b上に設けられていてもよい。
【0034】
バックライト装置100Aは、導光層112、量子ドット蛍光体層122および反射層132を保持するプラスチックフレーム184と、プラスチックフレーム184を背面側から保持するホルダー182をさらに有する。プラスチックフレーム184は、導光層112の側面112c1~112c4を囲むように、かつ、量子ドット蛍光体層122の側面122c1~122c4を囲むように設けられている。この例では、プラスチックフレーム184は、導光層112の側面112c1~112c4を囲む第1包囲部191と、量子ドット蛍光体層122の側面122c1~122c4を囲む第2包囲部193とを有する。第1包囲部191は、導光層112の非受光側面112c2~112c4と対向する第1対向部192を有する。第2包囲部193は、量子ドット蛍光体層122の側面122c2~122c4と対向する第2対向部194とを有する。プラスチックフレーム184と、導光層112の非受光側面112c2~112c4との間には、空隙が形成されている。
図1Aでは、プラスチックフレーム184の第1対向部192と、導光層112の非受光側面112c4との間の空隙G2を示している。プラスチックフレーム184と、量子ドット蛍光体層122の側面122c2~122c4との間には、空隙(例えば0.6mm程度)が形成されている。
図1Aでは、プラスチックフレーム184の第2対向部194と、量子ドット蛍光体層122の側面122c4との間の空隙G3を示している。図示する例では、液晶表示パネル50はプラスチックフレーム184にテープ(接着剤層)TPaを介して貼り付けられている。プラスチックフレーム184は、ホルダー182と、テープ(接着剤層)TPbを介して貼り付けられている。導光層112の第2主面112bとホルダー182とを固定するテープ(接着剤層)TPcと、反射層132とホルダー182とを固定するテープ(接着剤層)TPdとがさらに設けられていてもよい。
【0035】
バックライト装置100Aは、量子ドット蛍光体層122の導光層112と反対側に設けられた光学シート積層体150をさらに有する。光学シート積層体150は、光学シート152および154を含む。光学シート積層体150は、例えば、稜線が互いに直交するように配置されたプリズムシート152および154を含む。プリズムシート152および154として、例えば3M社製のBEFを用いることができる。この例では、光学シート積層体150と液晶表示パネル50との間、すなわち、光学シート(プリズムシート)154と液晶表示パネル50の背面50r側の偏光板32との間に空隙G1(例えば0.07mm程度)が形成されている。
【0036】
バックライト装置100Aを備える液晶表示装置200Aは、表示品位の低下が抑制され、かつ、薄型化が実現される。
【0037】
比較例のバックライト装置と比較しながら、本実施形態のバックライト装置によって得られる効果を説明する。
【0038】
図3に、比較例1のバックライト装置900Aを備える液晶表示装置990Aの模式的な断面図を示す。
図4は、液晶表示装置990Aにおいて生じる問題を説明するための模式的な図である。
【0039】
比較例1のバックライト装置900Aは、黄色蛍光体層142を有しない点において、実施形態1のバックライト装置100Aと異なる。比較例1のバックライト装置900Aを備える液晶表示装置990Aにおいて、表示領域Rd(
図4において破線で囲まれている矩形状の領域)のうち、光源LSが配置される長辺を除く3辺に沿った領域(
図4においてハッチングが付されている領域Rb)が、表示領域Rdの他の領域よりも青く色付きかつ暗いという表示むらが生じることがある。領域Rbは、表示領域Rdのうち、導光層112の非受光側面112c2、112c3および112c4に沿った領域である。領域Rbを青色むら領域Rbと呼ぶことがある。
【0040】
導光層112の第1主面112a(光出射面)から出射される青色光の輝度は、光源LSから遠ざかるほど低下する。さらに、導光層112の非受光側面112c2~112c4と対向するプラスチックフレーム184に青色光が吸収され得る。従って、青色むら領域Rbにおいて、青色光を受けて緑色量子ドット蛍光体124gが発する緑色光および赤色量子ドット蛍光体124rが発する赤色光の輝度は、他の領域よりも低いので、表示領域Rdのうち、青色むら領域Rbが他の領域よりも青く色付きかつ暗く見えるという表示むらが生じる。
【0041】
さらに、緑色量子ドット蛍光体124gが発する緑色光および赤色量子ドット蛍光体124rが発する赤色光が、量子ドット蛍光体層122の側面と対向するプラスチックフレーム184に吸収されると、青色むら領域Rbが青く色付きかつ暗く見える程度が大きくなる場合がある。なお、図示する例のように、量子ドット蛍光体層122とプラスチックフレーム184との間に、空隙G3が形成されている場合においても、緑色量子ドット蛍光体124gが発する緑色光および赤色量子ドット蛍光体124rが発する赤色光が、量子ドット蛍光体層122の側面と対向するプラスチックフレーム184に吸収され得る。
【0042】
図5に、比較例2のバックライト装置900Bを備える液晶表示装置990Bの模式的な断面図を示す。
【0043】
比較例2のバックライト装置900Bは、黄色蛍光体層142に代えて、黄色呈色層960を有する点において、実施形態1のバックライト装置100Aと異なる。黄色呈色層960は、黄色の顔料または染料を含み、黄色蛍光体は含まない。比較例2のバックライト装置900Bを用いた液晶表示装置990Bにおいては、青色むら領域Rbが青く色付いて見えることは抑制されるが、青色むら領域Rbが暗い(輝度が低い)ことは改善されない。
【0044】
特許文献1のバックライト装置は、黄色の顔料または染料を含む着色層を有するが、着色層は黄色蛍光体を含まない。特許文献1のバックライト装置においては、比較例2のバックライト装置900Bと同様に、青色むら領域Rbが他の領域よりも暗い(輝度が低い)ことが改善されない。
【0045】
実施形態1のバックライト装置100Aを用いると、比較例1および2のバックライト装置に比べて、表示装置の表示品位が改善される。実施形態1のバックライト装置100Aは、青色むら領域Rbに設けられた黄色蛍光体層142を有する。黄色蛍光体層142に含まれる黄色蛍光体は、青色光を受けて黄色光を発するので、青色むら領域Rbが青く色付くことおよび暗く見えることが抑制される。
【0046】
バックライト装置100Aにおいて、量子ドット蛍光体層122は導光層112の第1主面112aに接している。バックライト装置100Aにおいて、量子ドット蛍光体層122と導光層112との間に空隙が形成されていないので、バックライト装置100Aは、表示装置を薄型化することができる。
【0047】
(実施形態2)
図6を参照して、本実施形態によるバックライト装置100Bを備える液晶表示装置200Bを説明する。
【0048】
液晶表示装置200Bは、バックライト装置100Bを備える点において、バックライト装置100Aを備える実施形態1の液晶表示装置200Aと異なる。バックライト装置100Bは、バックライト装置100Aが有する黄色蛍光体層142に代えて黄色蛍光体層146を有する。黄色蛍光体層146は、量子ドット蛍光体層122の4つの側面122c1~122c4のうち、導光層112の非受光側面112c2~112c4と実質的に平行な側面122c2~122c4と対向するように設けられている。黄色蛍光体層146は、光源LSから出射された青色光を受けて黄色光を発する黄色蛍光体を含む。この例では、黄色蛍光体層146は、量子ドット蛍光体層122の側面122c2~122c4上に設けられている。すなわち、黄色蛍光体層146は、量子ドット蛍光体層122の側面122c2~122c4と接している。黄色蛍光体層146は、この例に限られず、量子ドット蛍光体層122の側面122c2~122c4と対向する、プラスチックフレーム184の第2対向部194上に設けられていてもよい。量子ドット蛍光体層122の4つの側面122c1~122c4は、導光層112の側面112c1~112c4とそれぞれ整合していてもよいし、整合していなくてもよい。量子ドット蛍光体層122の側面と導光層112の側面とが整合しているとは、実質的に面一であることをいう。
【0049】
バックライト装置100Bを用いることによっても、バックライト装置100Aと同様に、表示装置の表示品位の低下が抑制される。
【0050】
バックライト装置100Bにおいて、量子ドット蛍光体層122が導光層112の第1主面112aに接しているので、バックライト装置100Bは、バックライト装置100Aと同様に、表示装置を薄型化することができる。なお、量子ドット蛍光体層122と導光層112との間に空隙が形成されていてもよく、量子ドット蛍光体層122と導光層112との間に空隙が形成されている場合においても、青色むら領域Rbが青く色付くことおよび暗く見えることが抑制されるという効果は得られる。
【0051】
図7を参照して、本実施形態の変形例によるバックライト装置100B1を備える液晶表示装置200B1を説明する。
【0052】
バックライト装置100B1が有する黄色蛍光体層148は、量子ドット蛍光体層122の側面と対向するように設けられており、かつ、光学シート(プリズムシート)152の4つの側面のうち、導光層112の非受光側面112c2~112c4と実質的に平行な3つの側面と対向するように設けられており、さらに、光学シート(プリズムシート)154の4つの側面のうち、導光層112の非受光側面112c2~112c4と実質的に平行な3つの側面と対向するように設けられている点で、バックライト装置100Bの黄色蛍光体層146と異なる。この例では、黄色蛍光体層148は、量子ドット蛍光体層122の側面122c2~122c4上、光学シート152の4つの側面のうち、導光層112の非受光側面112c2~112c4と実質的に平行な3つの側面上、および、光学シート154の4つの側面のうち、導光層112の非受光側面112c2~112c4と実質的に平行な3つの側面上に設けられている。すなわち、黄色蛍光体層148は、量子ドット蛍光体層122の側面122c2~122c4、光学シート152の上記の3つの側面、および光学シート154の上記の3つの側面と接している。黄色蛍光体層148は、この例に限られず、量子ドット蛍光体層122の側面122c2~122c4と対向する、プラスチックフレーム184の第2対向部194上に設けられていてもよい。黄色蛍光体層148は、量子ドット蛍光体層122の側面および光学シート152の側面にのみ対向するように設けられ、光学シート154の側面に対向する部分を有しなくてもよい。プリズムシート152および154の側面は、量子ドット蛍光体層122の側面と整合している(実質的に面一である)ことが好ましい。
【0053】
バックライト装置100B1を用いることによっても、バックライト装置100Aと同様に、表示装置の表示品位の低下が抑制される。
【0054】
バックライト装置100B1においても、量子ドット蛍光体層122が導光層112の第1主面112aに接しているので、バックライト装置100B1は、バックライト装置100Aと同様に、表示装置を薄型化することができる。
【0055】
(実施形態3)
図8を参照して、本実施形態によるバックライト装置100Cを備える液晶表示装置200Cを説明する。
【0056】
液晶表示装置200Cは、バックライト装置100Cを備える点において、バックライト装置100Aを備える実施形態1の液晶表示装置200Aと異なる。バックライト装置100Cは、バックライト装置100Aが有する黄色蛍光体層142に代えて黄色蛍光体層144を有する。黄色蛍光体層144は、導光層112の非受光側面112c2~112c4と対向するように設けられている。黄色蛍光体層144は、光源LSから出射された青色光を受けて黄色光を発する黄色蛍光体を含む。この例では、黄色蛍光体層144は、プラスチックフレーム184の、第1対向部192上に設けられている。黄色蛍光体層144と導光層112とは接していない。黄色蛍光体層144と導光層112の非受光側面112c4との間に空隙が形成されている。
【0057】
バックライト装置100Cを用いることによっても、バックライト装置100Aと同様に、表示装置の表示品位の低下が抑制される。
【0058】
バックライト装置100Cにおいて、量子ドット蛍光体層122は導光層112に接しており、量子ドット蛍光体層122と導光層112との間に空隙が形成されていないので、バックライト装置100Cは、特許文献3のバックライト装置に比べて、表示装置を薄くすることができる。特許文献3のバックライト装置は、波長変換層と導光層との間に空隙が設けられているので、十分に薄型化することができない。
【0059】
(色むら評価結果)
サンプルパネルを用いて色むらの程度を評価することによって、本発明の実施形態のバックライト装置によって得られる効果を調べた。
【0060】
図2Cに示したように、反射層132の外周の4辺のうち、光源LSが配置される長辺を除く3辺に沿って幅W1の領域に、黄色蛍光体インク(蛍光量3)を塗布(または印刷)することによって、黄色蛍光体層142を形成し、バックライト装置100Aと同じ構造を有するサンプルパネルAを得た。サンプルパネルAは、13.3型(13.3インチ)の液晶表示パネルに対応するサイズである。「蛍光量」の値は、以下のように定義した。黄色蛍光体層を表面に形成した反射層の全光線反射率を測定し、
図9のような、横軸を波長、縦軸を全光線反射率とするグラフを得る。全光線反射率は、分光測色計(コニカミノルタ株式会社製、CM-3700d)を用いて測定した。
図9では、基準試料における全光線反射率を100%とした値で示している。黄色蛍光体層を表面に形成していない反射層についても同様の測定を行う(
図9中「蛍光体層なし」)。黄色蛍光体層を表面に形成した反射層の全光線反射率の最も高い値(%)(図示する例では570nm付近の波長における値)と、その波長における黄色蛍光体層を印刷していない反射層の全光線反射率(%)との差を「蛍光量」とする。例えば、
図9において矢印で示す部分(波長570nm)における全光線反射率の差が108%-97%=11%であるので、このとき蛍光量11とする。なお、
図9には光源LS(青色LED)の発光スペクトル(
図9中「Blue LED」)もあわせて示している。
【0061】
サンプルパネルAの黄色蛍光体層142の幅W1および蛍光量を変化させて、青色むら領域Rbでの色むらを目視で評価した。黄色蛍光体層142の発光スペクトルを
図9に示し、目視評価の結果を
図10に示す。
図10に示すように、色むらの程度を-5から5の11段階で評価した。数値が小さいほど青色に色付いて見え、数値が大きいほど黄色に色付いて見えることを示す。-2以上2以下の範囲をOK(色むらが抑制されている)とした。
図10の左の表で、OKの範囲を太枠で囲んでいる。黄色蛍光体層142の幅W1は5mm以下が好ましいことが分かる。なお、表示パネルのサイズや構造によっても色むらが発生する範囲は異なり得るので、黄色蛍光体層142の幅W1の好ましい範囲は上記に限られず変更され得る。
【0062】
【0063】
サンプルパネルAの長辺と平行な方向の線(
図11Aの破線)を短辺方向の中心を通るように引き、その線上での色度を、2次元色彩輝度計(コニカミノルタ株式会社製、CA2500)で測定した。測定結果を、例えば
図11Bのグラフのように、x軸がパネルの端からの距離(mm)を示し、y軸が色度yを示すグラフに表示した。グラフから、以下のように青面積および黄面積を見積もった。
青面積:パネル中央部と比較して色度yがマイナス方向に沈んだ部分の面積
黄面積:黄色蛍光体層によって色度yが持ち上がった部分の面積
【0064】
図11Bは、黄色蛍光体層の蛍光量11、幅W1:2mmの場合のグラフを例として示している。
図11Bには、青面積および黄面積をそれぞれ見積もるための領域RbおよびRyをあわせて示している。色むらの程度を黄面積と青面積との差(黄面積-青面積)で表した。黄面積と青面積との差(黄面積-青面積)が小さいほど青色に色付いて見え、大きいほど黄色に色付いて見えることを示す。黄面積と青面積との差(黄面積-青面積)の値が、-0.060以上0.005以下の範囲で色むらが抑制されていると表すことができた。
【0065】
バックライト装置100B、100B1および100Cに対応するサンプルパネルB、サンプルパネルB1、サンプルパネルCを同様に作製して、色むらの評価を行った。ここでは蛍光量18の黄色蛍光体層を用いた。結果を
図13に示す。サンプルパネルB、サンプルパネルB1、サンプルパネルCのいずれも、色むらが抑制されていた。
図13に示すように、サンプルパネルB、サンプルパネルB1、サンプルパネルCのいずれにおいても、黄面積と青面積との差(黄面積-青面積)の値が、-0.060以上0.005以下の範囲内にあることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の実施形態のバックライト装置は、表示装置の表示品位および/または薄型化を含む性能を向上させることができる。
【符号の説明】
【0067】
10 :液晶セル
12 :TFT基板
14 :対向基板
32 :偏光板
50 :液晶表示パネル
50f :前面
50r :背面
100A、100B、100B1、100C :バックライト装置
112 :導光層
112a :第1主面
112b :第2主面
112c、112c1、112c2、112c3、112c4 :側面
122 :量子ドット蛍光体層
122a :第3主面
122b :第4主面
122c1、122c2、122c3、122c4 :側面
124g :緑色量子ドット蛍光体
124r :赤色量子ドット蛍光体
132 :反射層
142、144、146、148 :黄色蛍光体層
150 :光学シート積層体
152、154 :光学シート
200A、200B、200B1、200C、200C1 :液晶表示装置