(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178228
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】原動機付き車両における走行方向指示器のライト機能を生成するための方法及び方法を実行するための原動機付き車両
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/26 20060101AFI20231207BHJP
B60Q 1/02 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
B60Q1/26 Z
B60Q1/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023084645
(22)【出願日】2023-05-23
(31)【優先権主張番号】22176992
(32)【優先日】2022-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】591037096
【氏名又は名称】フオルクスワーゲン・アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】VOLKSWAGEN AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・シュトゥデニー
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339AA04
3K339AA16
3K339AA22
3K339AA25
3K339AA26
3K339AA34
3K339AA43
3K339BA03
3K339BA22
3K339BA25
3K339BA30
3K339CA01
3K339CA03
3K339CA12
3K339CA25
3K339CA30
3K339DA01
3K339EA05
3K339EA07
3K339EA09
3K339EA10
3K339GB01
3K339GB21
3K339HA01
3K339JA23
3K339KA02
3K339KA06
3K339KA11
3K339KA27
3K339KA28
3K339KA37
3K339LA06
3K339MA05
3K339MA10
3K339MC03
3K339MC17
3K339MC43
3K339MC48
3K339MC65
3K339MC77
(57)【要約】
【課題】追加的に走行方向指示器の光機能を生成するために生成される路面ライト投影の視認性が改善された走行方向指示器の光機能を生成するための方法を提供する。
【解決手段】原動機付き車両Kにおける走行方向指示器FRAのライト機能を生成するための方法であって、走行方向指示器FRAのライト機能の作動が、原動機付き車両Kが動作可能な状態にあり、原動機付き車両Kにおいて操作要素が操作されるときに行われ、走行方向指示器FRAのライト機能の生成に加えて、原動機付き車両Kの直近で路面ライト投影BLPを生成することが可能である、前記方法において、原動機付き車両Kの周囲照度UHが所定の限界値を下回るときにのみ路面ライト投影BLPが生成される。
【選択図】
図1c
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機付き車両(K)における走行方向指示器(FRA)のライト機能を生成するための方法であって、走行方向指示器(FRA)のライト機能の作動が、原動機付き車両(K)が動作可能な状態にあり、原動機付き車両(K)において操作要素(112)が操作されるときに行われ、走行方向指示器(FRA)のライト機能の生成に加えて、原動機付き車両(K)の直近で路面ライト投影(BLP)を生成することが可能である、前記方法において、
原動機付き車両(K)の周囲照度(UH)が所定の限界値(UHG1)を下回るときにのみ路面ライト投影(BLP)が生成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
路面ライト投影(BLP)を生成するための周囲照度(UH)の限界値(UHG1)が、コーナリングライト(AL)のライト機能を生成するための周囲照度(UH)の限界値(UHG2)とは異なっていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
路面ライト投影(BLP)を生成するための限界値(UHG1)が、コーナリングライト(AL)のライト機能を生成するための限界値(UHG2)よりも高い照度に相当することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
路面ライト投影(BLP)が所定のグラフィックパターンであり、該グラフィックパターンが所定の輪郭を有する複数の平坦で明るい範囲(HB1~HB3)によって形成されており、該明るい範囲が、少なくとも1つの暗い範囲(DB)によって互いに離間されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
コーナリングライト(AL)のライト機能と路面ライト投影(BLP)のライト機能が同時に生成される場合に、路面ライト投影(BLP)と重なるコーナリングライト(AL)の少なくとも1つの部分が、より低い照度を有する照度値(DW,DWS1)へ静的に減光されることを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
コーナリングライト(AL)のライト機能と路面ライト投影(BLP)のライト機能が同時に生成される場合に、照度値(DW,DWD,DWS1,DWS2)が周囲照度(UH)へ調整されるように、路面ライト投影(BLP)と重なるコーナリングライト(AL)の少なくとも1つの部分が、より低い照度を有する照度値(DW,DWS1)へ静的に減光されることを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
照度値(DW,DWD)が周囲照度(UH)へ継続的に適合されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
周囲照度(UH)が第1の限界値(UHG2)に到達するときに照度値(DW)が第1の値(DWS1)に設定され、周囲照度(UH)がより低い第2の限界値(UHG3)に到達するときに照度値(DW)が第2の値(DWS2)に設定されるように、照度値(DW)が周囲照度(UH)に適合され、第2の照度値(DWS2)が第1の照度値(DWS1)よりも低いことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
路面ライト投影(BLP)が初期状態が最終状態まで動的に増進され、路面ライト投影(BLP)の照度が、初期状態の時点での最初は初期値から最終状態の時点での照度の最大値まで連続的に増大されることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
フロント側及びリヤ側の照明装置(BF及びBH)を有する、方法を実行するための原動機付き車両(K)であって、照明装置(BF,BH)によって走行方向指示器(FRA)のライト機能が生成可能であり、走行方向指示器(FRA)のライト機能が操作要素(112)の操作によって生成可能であり、コーナリングライト(AL)のライト機能を生成するための照明装置(10a,10b,10c)が設けられており、コーナリングライト(AL)のライト機能を生成するための照明装置(10a,10b,10c)と信号技術的に接続された少なくとも1つの光センサ(110)が設けられており、路面ライト投影(BLP)を生成するための少なくとも1つの照明装置(10a,10b,10c)が更に設けられている、前記原動機付き車両において、
路面ライト投影(BLP)を生成するための照明装置(10a,10b,10c)も同様に少なくとも1つの光センサ(110)と信号技術的に接続されていること、及び少なくとも1つの光センサ(110)の信号を評価するための制御及び評価装置(109)が設けられており、路面ライト投影(BLP)を生成するための照明装置(10a,10b,10c)と、コーナリングライト(AL)のライト機能を生成するための照明装置(10a,10b,10c)とが、少なくとも1つの光センサ(110)の信号に依存して、制御及び評価装置によって制御可能であることを特徴とする原動機付き車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分の特徴による、原動機付き車両における走行方向指示器のライト機能を生成するための方法に関するものである。また、本発明は、請求項11の前提部分の特徴を有する方法を実行するための原動機付き車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このような方法及びこのような原動機付き車両は、特許文献1及び特許文献2から公知となっている。
【0003】
すなわち、特許文献1には、複数のライト機能の空間的な画定のためのライト制御装置が記載されている。ライト機能の少なくとも1つは、原動機付き車両用のロービーム、コーナリングライト又は投影ライトとして形成されている。ライト制御装置は、光源と、光強度及び発光ユニットの光の放射特性を調整するための制御ユニットとを有する発光ユニットを含んでいる。制御ユニットは、照明可能な範囲の部分範囲のみをライト機能に依存して照明するように発光ユニットを制御し、当該部分範囲には、ライト機能のうち1つが割り当てられている。光源の光は、ライト制御部を用いて異なるライト機能に割り当てられることが可能である。これにより、ライト制御装置を備えた1つのヘッドライトを用いて複数のライト機能を路面へ投影することが可能である。これにより、1つのヘッドライトが、走行路の照明と同時に、例えばコーナリングライトの一部としての右左折矢印のような情報提供的なシンボルの投影に用いられることが可能である。
【0004】
特許文献2には、投影光学系及び光源を備えた、原動機付き車両用の照明装置が記載されている。投影光学系に割り当てられた各光源は、ライトセグメントを生成することで、所定の照明機能に寄与する。それぞれ所定の照明機能に寄与するライトセグメントは、隣り合う投影光学系によって生成可能なライトセグメントが直接隣り合って位置するように、対応する投影光学系によって路面投影の形態で投影され、各光源は、他の光源とは無関係に制御可能である。照明機能は、例えば、コーナリングライト、追加-コーナリングライト-路面投影又は追加-ウインカライト-路面投影である得る。投影光学系は、リフレクタ及び/又はライトガイドを含み得る。個々のライトセグメントのシーケンシャルな切換によって、アニメーション式の路面投影の生成が可能である。例えば、黄色のワイパ式の走行方向指示器がコーナリングライトの白色の路面投影において動き、走行方向指示器がコーナリングライトのセグメントと重なる場合に、当該セグメントがオフされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102017223441号明細書
【特許文献2】オーストリア国特許出願公開第518343号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の基礎となる課題は、追加的に走行方向指示器の光機能を生成するために生成される路面ライト投影の視認性が改善された走行方向指示器の光機能を生成するための方法を提供することにある。本発明の別の課題は、方法を実行するために適した原動機付き車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1の特徴を有する方法によって、及び請求項11の特徴を有する原動機付き車両によって解決される。
【0008】
本発明の有利な形成及び発展形成は、各従属請求項から見て取れる。
【0009】
したがって、本発明は、まず第一に、原動機付き車両における走行方向指示器のライト機能を生成するための方法を基礎とするものである。ここで、走行方向指示器のライト機能の作動は、原動機付き車両が動作可能な(動作準備された)状態にあるとともに、原動機付き車両において操作要素が操作される場合に作動される。操作要素は、例えば原動機付き車両のステアリングコラムに配置されたウインカレバーとして形成されることが可能である。
【0010】
動作が可能な状態として、本発明では、内燃エンジンの場合にはイグニションがオンされた状態と理解される。これは、電動車両の場合には、走行用バッテリが車両に存在する高電圧回路と電気的に接続された状態である。
【0011】
方法においては、走行方向指示器のライト機能を生成することに加えて、路面ライト投影を車両の直近に生成することが可能である。
【0012】
路面は、走行路、道路又は原動機付き車両の地面(床下)であり得る。「原動機付き車両の直近」という用語は、路面ライト投影が原動機付き車両から最大で数メートルのみ離れて生成されることと定めることとする。
【0013】
本発明による方法は、原動機付き車両の周囲照度が所定の限界値を下回る場合にのみ路面ライト投影が生成されることを特徴としている。
【0014】
このようにして、走行方向指示器のライト機能に加えて生成される路面ライト投影がその生成時には常に良好に認知され得ることを保証することが可能である。したがって、周囲と路面ライト投影の間のコントラストができる限り大きいことが確保される。これとは無関係に、原動機付き車両が動作可能であれば、操作要素を操作すればいつも走行方向指示器のライト機能が生成される。
【0015】
方法の第1の発展形成によれば、路面ライト投影を生成するための周囲照度の限界値が、コーナリングライトのライト機能を生成するための周囲照度の限界値とは異なっていることが提案される。
【0016】
このようにして、方法の適合におけるより高いフレキシビリティを達成することが可能である。したがって、特に、路面ライト投影をより目的に合わせて周囲照度に適合させることが可能である。
【0017】
このような方法態様において、本発明の思想の別の一形態によれば、路面ライト投影を生成するための限界値が、コーナリングライトのライト機能を生成するための限界値よりも高い(大きな)照度に相当すれば非常に有利である。換言すれば、このようにして、路面ライト投影は、通常、コーナリングライトのライト機能よりも更に早期に生成される。このことは、例えば車線変更のような車両のより小さな走行方向変更も交通参加者にとってより早期かつより良好に認識可能であるため、交通の安全性を高めることに寄与する。
【0018】
他の有利な発展形態によれば、路面ライト投影は所定のグラフィックパターンである。当該パターンは、平坦な所定の輪郭を有する複数の明るい部分によって形成されており、当該明るい部分は、少なくとも1つの暗い範囲によって互いに離間している。明るい範囲と暗い範囲を含むこのようなパターンは、明るい範囲と暗い範囲の間の大きなグラデーションを有しており、したがって、一般的に、不規則な照明範囲に比べて良好に認知可能である。そのうえ、このようなパターンは、規定された放射(照射)角度において規定されたコーナリングライトに比べて非常に良好に画定される。なぜなら、このようなコーナリングライトは、路面(例えば道路)のみならず更に離れた範囲も照明するためである。
【0019】
好ましくは、単純なパターンが用いられる。なぜなら、当該パターンは、より迅速に認識され得るためである。例えば、パターンを複数の四分円又は三角形で構成することが考えられる。これら四分円又は三角形は、方向指示を表すように共に配置されることが可能である。しかし、パターンが、細長く湾曲しているか、又は細長く矢印状に折り曲げられて形成された複数の(すなわち少なくとも2つの)平坦で明るい範囲で構成されることも考えられる。当該列挙は、限定的なものとみなされるべきではない。
【0020】
本発明の合目的な構成では、コーナリングライトのライト機能と路面ライト投影のライト機能が同時に生成される場合に、コーナリングライトの全体又は路面ライト投影と重なるコーナリングライトの少なくとも1つの部分が、より低い照度を有する照度値へ静的に減光されることが更に提案される。例えば、コーナリングライトのライト機能を複数のライトセグメントを生成することで生成されることも考えられる。このとき、個々のライトセグメントは、例えば、それぞれライトセグメントに割り当てられる対応する投影光学系によって生成されることができる。そして、コーナリングライトがセグメント状に生成される場合には、コーナリングライトの全ての範囲が必ずしも減光される必要はなく、路面ライト投影と重なるライトセグメントのみを減光することが必要である。
【0021】
ただし、ウインカサイクル(点滅サイクル)中のコーナリングライトの減光は、好ましくは、走行方向指示器のライト機能がまさに「オン状態」にあり、これに同期する路面ライト投影がこれと同時に照明している時間にのみ行われることに留意すべきである。これに対して、走行方向指示器のライト機能がまさに「オフ状態」にあり、路面ライト投影が照明していない場合には、コーナリングライトは、必ずしも減光されるか、あるいは減光されたままである必要はなく、当該期間中には最大の照度値へ設定されることが可能である。
【0022】
このような形態は、路面ライト投影の生成時に、コーナリングライトのライト機能が同時に生成されるにもかかわらず路面ライト投影がより良好に認知され得ることに寄与する。他方では、コーナリングライトのライト機能の生成を完全に省略する必要はない。
【0023】
別の発展形態によれば、コーナリングライトのライト機能と路面ライト投影のライト機能が同時に生成される場合に、路面ライト投影と重なるコーナリングライトの少なくとも1つの部分が、より低い照度の減光された照度値へ減光されることが提案される。当該発展形態では、これは、減光された照度値が周囲照度へ調整されるように行われる。周囲照度への調整によって、減光をより有効に構成することが可能である。したがって、減光された照度値は、比較的低い周囲照度(例えば夕暮れ)よりも高い周囲照度(例えばたそがれ)ではより大きいことが考えられる。
【0024】
換言すれば、コーナリングライトは、夕暮れ時よりもたそがれ時のほうがより明るく照明する。
【0025】
ただし、路面ライト投影を周囲照度に適合することも考えられる。例えば、路面ライト投影は、暗闇時(例えば夜)には、街灯がある市街地では、地方における交差点の場合よりも明るくてもよい。
【0026】
周囲照度への調整は、好ましくは以下の態様で行われ得る:
【0027】
一つには、減光された照度値が継続的に、好ましくはリアルタイムで周囲照度へ適合されることが考えられる。したがって、コーナリングライトの照度値の定常的な適合が行われ、照度値は、周囲照度の上昇と共に同様に上昇し、周囲照度の低下と共に同様に低下する。
【0028】
しかし、制御の手間をより小さく維持することができるように、周囲照度が第1の限界値に到達するとき(例えばたそがれ時)に照度値がまずは第1の値(例えば最大照度の80%まで)に設定され、周囲照度がより低い第2の限界値に到達するとき(例えば夕暮れ時)に照度値が第2の値(例えば最大照度の40%まで)に設定されるように、減光された照度値が周囲照度に適合されることも考えられる。したがって、減光された第2の照度値は、減光された第1の照度値よりも小さい。
【0029】
換言すれば、当該発展形態では、コーナリングライトの照度値の二段階の適合のみが行われ、コーナリングライトの照度は、低下する周囲照度により段階的に低減(減光)される。
【0030】
路面ライト投影をその視認性において更に改善するために、方法の別の一態様によれば、路面ライト投影が、初期状態(例えば初期量又は初期形状)が最終状態(例えば最終量又は最終形状)まで動的に増進されることが可能である。このとき、初期状態の時点で最初は初期値を有する路面ライト投影の照度は、最終状態の時点での照度の最大値まで連続的に増大され得る。
【0031】
最終的に、上述のように、本発明により、方法を実行するための原動機付き車両も提案されるべきである。ここで、フロント側及びリヤ側の照明装置を有する原動機付き車両を基礎とする。照明装置によって走行方向指示器のライト機能を生成可能であり、走行方向指示器のライト機能は、操作要素の操作によって生成可能である。また、コーナリングライトのライト機能を生成するために照明装置が設けられている。
【0032】
上述のライト機能は、ハウジングにおける照明装置によって実現されることができる。しかし、個々のライト機能を別々のハウジングにおける複数の照明装置によって実現することも考えられる。
【0033】
原動機付き車両は、少なくとも1つの光センサを更に備えている。光センサは、例えば雨滴センサ/光センサとして形成されることが可能である。少なくとも1つの光センサは、コーナリングライトのライト機能を生成するために照明装置と信号技術的に接続されている。さらに、路面ライト投影を生成するための少なくとも1つの装置が設けられている。
【0034】
上記照明装置と、路面ライト投影を生成するための装置とは、異なる光学系コンセプトを含み得る。例えば、リフレクタ、レンズ、ライトガイド、投影システム及び異なる光源を用いることが可能である。これら光学系コンセプトをミックスすることも考えられる。
【0035】
本発明によれば、原動機付き車両は、路面ライト投影を生成するための装置も同様に少なくとも1つの光センサと信号技術的に接続されていることを特徴としている。さらに、好ましくは、少なくとも1つの光センサは、コーナリングライトのライト機能を生成するための照明装置も信号技術的に接続された光センサと同一であってよい。さらに、少なくとも1つの光センサの信号の制御及び評価装置が設けられている。
【0036】
路面ライト投影を生成するための装置も、またコーナリングライトのライト機能を生成するための照明装置も、少なくとも1つの光センサの信号に依存して、制御及び評価装置によって制御可能である。
【0037】
当該特徴に基づき、原動機付き車両が方法を実行するのに適しているという前提が得られる。
【0038】
本発明の好ましい実施例は、各図に図示されているとともに、以下の説明においてこれら図に基づき詳細に説明される。これにより、本発明の更なる別の特徴及び利点も明らかとなる。異なる図であっても、同一の符号は、同一の、あるいは同等の、又は機能的に同一の部材に関連付けられている。ここで、繰り返しの説明又はこれについての参照がなされなくとも、対応する、又は同等の特性及び利点が得られる。各図は、縮尺どおりでないか、又は少なくとも必ずしも縮尺どおりとなっていない。実施例の特徴をより明確に強調することができるように、いくつかの図では、比率又は間隔が誇張して図示されていることがある。「及び/又は」という用語が2つ又はそれより多くの用語あるいは対象物の列挙において使用される場合には、これは、列挙された用語あるいは対象物の任意の1つが単独で用いられることがあることを意味し得る。また、列挙された用語あるいは対象物のうち2つ又は複数の任意の組み合わせが用いられることがあることも意味し得る。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1a】オンされたコーナリングライトを有する原動機付き車両の鳥瞰図である。
【
図1b】オンされた走行方向指示器と、オンされた路面ライト投影を有する原動機付き車両の鳥瞰図である。
【
図1c】原動機付き車両の鳥瞰図であり、走行方向指示器、路面ライト投影及びコーナリングライトが作動している。
【
図2】方法の可能な特色を説明するための信号グラフである。
【
図3】方法の別の特色を説明するための別の信号グラフである。
【
図4】第1の実施例における、コーナリングライト及び路面ライト投影を生成するための照明装置を示す図である。
【
図5】第2の実施例における、コーナリングライト及び路面ライト投影を生成するための照明装置を示す図である。
【
図6】第3の実施例における、コーナリングライト及び路面ライト投影を生成するための照明装置を示す図である。
【
図7】方法により関与する原動機付き車両の構成要素間の信号技術的な接続を説明するための信号フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1aには、方法を実行するための原動機付き車両Kが図示されている。原動機付き車両Kは、フロント側に照明装置BFと、リヤ側に照明装置BHとを備えている。フロント側の照明装置BFは例えばヘッドライトとして形成されることができる一方、リヤ側の照明装置BHはテールランプとして形成されることができる。原動機付き車両Kは、通常の走行方向F、すなわち前方へ走行する。
【0041】
符号Uによって原動機付き車両Kの周囲が表されており、周囲Uは、所定の周囲照度UHを有している。
【0042】
当該図には、コーナリングライトALが作動された状態が図示されている。コーナリングライトALは、複数のセグメントで構成されている。本実施例では、コーナリングライトALは4つのセグメントALS1~ALS4を有している。しかし、コーナリングライトが複数のセグメントに分割されておらず、又は分割不能であることも考えられる。
【0043】
公知のように、原動機付き車両Kのステアリングホイールが所定のステアリング角度を超えると、及び/又は走行方向指示器用の操作要素(例えばステアリングコラムにおけるウインカレバー)が操作されたときにコーナリングライトが作動される。さらに、原動機付き車両Kの速度は、所定の制限値(例えば40km/h)を下回る必要がある。
【0044】
走行方向指示器用の操作要素が操作され、これにより走行方向指示器FRAのライト機能が作動された状態にある原動機付き車両Kが
図1bから見て取れる。
【0045】
さらに、原動機付き車両Kによって追加的に路面ライト投影BLPが生成されることが分かる。路面ライト投影BLPは、複数の明るい範囲で構成されているとともに、例えば明るい範囲HB1~HB3を有することができる。
【0046】
本実施例では、各明るい範囲HB1~HB3は、円環の一部として形成されており、明るい範囲の大きさは、明るい範囲HB1から始まって明るい範囲HB3まで好ましくは連続的に大きくなる。互いに離間した明るい範囲HB1~HB3の間には暗い範囲DBが形成されている。暗い範囲と明るい範囲を交互にすることで、路面ライト投影BLPのコントラスト、ひいては視認性が更に向上する。
【0047】
本実施例とは異なり、他の形状及び/又は他の数の明るい範囲HB1~HB3も考えられる。
【0048】
例えば、互いに離間し、同様に間に暗い範囲が形成される複数の、例えば3つの明るい範囲を四分円又は三角形として形成することが考えられる。当該明るい範囲は、これにより方向指示が認識できるように互いに対して配置されることができる。
【0049】
最後に、路面ライト投影BLPを含む走行方向指示器FRAのライト機能も、またコーナリングライトALのライト機能も作動されている状態にある原動機付き車両Kが
図1cから見て取れる。例えば、これら図には、右のフロント側の照明装置BFについてのみのライト機能が図示されている。
【0050】
この関連において、路面ライト投影BLPが、法的に規定された走行方向指示器FRAのライト機能の、法的に規定されていない光学的な補助であることに言及する必要がある。ここで、路面ライト投影BLPは、作動する走行方向指示器FRAの側における原動機付き車両Kの直近において生成される。
【0051】
直近とは、本発明では、路面ライト投影BLPが原動機付き車両Kから最大で数メートルだけ離れて路面において投影されることを意味する。
【0052】
例えば、路面ライト投影BLPは、車輪経路又は歩行経路を通過する右左折時等に交通弱者に事前に右左折等を知らせるように、例えば70~100cm離れて路面に投影されることが考えられる。
【0053】
また、路面における路面ライト投影BLPと重なるコーナリングライトALのセグメント(ここではALS2及びALS3)がその照度においてより低い照度に減光されることが、
図1cに基づき、より幅の広いハッチングによって明確にされている。このようにして、コーナリングライトALがオンされているにもかかわらず、路面ライト投影BLPの認知性あるいは視認性が改善されることとなる。
【0054】
本実施例では、コーナリングライトALのセグメントALS1及びALS4は減光されていない。本実施例とは全く異なることも同様に考えられる。
【0055】
原動機付き車両Kの周囲照度Uが所定の限界値を下回る場合にのみ路面ライト投影BLPが生成されることを指摘することが重要である。これについて、
図2に基づき詳細に説明する。見て取れるグラフには、時間tにわたる複数の量が記入されている。
【0056】
すなわち、まずは、原動機付き車両Kのイグニションがオフされており(Z0)、後の時点でオンされる(Z1)。
【0057】
周囲照度UHは、所定の若しくは特定可能な第1の限界値UHG1又は所定の若しくは特定可能な第2の限界値UHG2を超える値を有している。周囲照度UHの第1の限界値UHG1は、第2の限界値UHG2よりも高い照度に相当する。
【0058】
時点t1では、走行方向指示器FRAのライト機能を生成するための操作要素が操作され(B1)、この時点で、走行方向指示器FRAが非作動状態(FRA0=走行方向指示器オフ)から作動状態(FRA1=走行方向指示器オン)へ切り換わる。
【0059】
しかし、路面ライト投影BLPの生成は、方法に基づき、あるいは制御技術的に周囲照度UHの第1の限界値UHG1を下回ることに依存するようになっている。
【0060】
これにより、時点t1では路面ライト投影BLPは作動されない(BLP0=路面ライト投影オフ)こととなる。
【0061】
路面ライト投影BLPの生成が周囲照度に、したがって限界値UHG1を下回ることに依存するため、路面ライト投影BLPの良好な認知性をその作動時に保証することができる。時点t2では走行方向指示器FRAが再び非作動となる(FRA0=走行方向指示器オフ)。このことは、原動機付き車両Kのステアリングホイールの所定のステアリング角度が再び下回り、操作要素がリセットされたか(B0)、又は走行方向指示器用の操作要素の一回の操作後の走行方向指示器の再点滅機能(ワンタッチウインカ)が終了した(不図示)ことによるものであり得る。
【0062】
時点t3では、走行方向指示器FRAが操作要素の操作(B1)によって再び作動される(FRA1)。この時点では、周囲照度UHが既に第1の限界値UHG1を下回っている。そのため、この時点では、路面ライト投影BLP(
図1b参照)も既に生成される(BLP1=路面ライト投影オン)。路面ライト投影BLPは、時点t4において走行方向指示器FRAのライト機能も再び非作動となったとき(FRA0)にのみ再び非作動とされる(BLP0)。
【0063】
時点t5では、走行方向指示器のライト機能の新たな作動がなされる(FRA1)。しかし、この時点では、周囲照度UHが第2の限界値UHG2も下回っている。したがって、走行方向指示器FRAのライト機能と共に路面ライト投影BLPも生成される(BLP1)。
【0064】
コーナリングライトALのライト機能も周囲照度UHと関連付けられている。ただし、コーナリングライトALの生成は、周囲照度UHの第1の限界値UHG1よりも低い第2の限界値UHG2と関連付けられている。
【0065】
しかし、時点t5では既に第2の限界値UHG2も到達され、あるいは下回っているため、(その他の条件がある場合に)ここでは更にコーナリングライトALのライト機能が作動される(AL0=コーナリングライトオフからAL1=コーナリングライトオンへの切換)。
【0066】
これは、走行方向指示器FRAのライト機能が再び非作動となる(FRA0)時点t6まで継続される。
【0067】
時点t7では、原動機付き車両Kのイグニションが再びオフされる(Z0=イグニションオフ)ことで、原動機付き車両Kが非動作状態あるいは非走行準備状態へもたらされる。これについて、電動車両においては、車両の走行用バッテリ(Traktionsbattrie)の高電圧回路の分離と同義である。
【0068】
これにより、走行方向指示器用の操作要素の操作(B1)にもかかわらず、時点t8では、走行方向指示器FRAのライト機能も、また路面ライト投影BLPも、またコーナリングライトALも作動されないこととなる。
【0069】
コーナリングライトAL及び路面ライト投影BLP(
図1c参照)が同時に作動する場合に、どのようにコーナリングライトをコーナリングライドのより低い照度を有する照度値へ減光することができるかを
図3に基づき説明する。
【0070】
当該図示では、作動したコーナリングライト(AL1)がコーナリングライトの最大の照度も象徴化されている。コーナリングライトの図示がオフされたコーナリングライト(AL0)の方向へ移動すると、このことは、コーナリングライトALの照度の減光を明確にすることとなり、また逆も同様である。
【0071】
時点t1ではコーナリングライトALを作動させる所定の条件(例えば低い車速及び所定のステアリング角度が存在する)が既に満たされていると仮定される。さらに、時点t1では、周囲照度UHの第2の限界値UHG2も既に到達されているか、あるいは下回っていることが分かる。これにより、時点t1ではコーナリングライトALも作動される(AL1、
図1aも参照)。
【0072】
時点t2では路面ライト投影BLPを生成するための条件も存在し、当該路面ライト投影も作動される(BLP1)と仮定される。
【0073】
しかし、コーナリングライトALと路面ライト投影BLP(
図1c参照)が同時に作動される場合には、路面ライト投影BLPのより良好な視認性を確保するために、コーナリングライトALがその照度において減光される。例えば、路面ライト投影BLPと重なるセグメントALS2,ALS3のみがより低い照度へ減光されることが考えられる。このことが、
図1cにおいてこれらセグメントにおけるより密度の低いハッチングによって示唆されている。
【0074】
図3に基づき、コーナリングライトALも、また路面ライト投影BLPも作動されている(AL1及びBLP1)時点t2ではより低い照度値DWへのコーナリングライトALの照度の減光がなされることが分かる。したがって、減光された照度値DWは、コーナリングライトALの最大限可能な照度値よりも小さい。
【0075】
減光についての2つの可能性が図示されている:
【0076】
第1に、コーナリングライトAL、特に路面ライト投影BLPと重なるセグメントALS2,ALS3をより低い照度値(DW=DWS1)へ静的に減光されることが考えられる。
【0077】
このような減光は、複数の段、例えば2つの段においても行うことが可能である。したがって、時点t2ではコーナリングライトALがまずは第1の照度値DWS1へ静的に減光され、時点t4で周囲照度UHの別の、ここでは第3の限界値UHG3以下になると、更に低い照度値DWS2への更なる減光DWが行われることが考えられる。第3の(好ましくは同様に特定可能な)限界値UHG3は、第2の限界値UHG2よりも更に低い周囲照度UHに相当する。
【0078】
例えば、第2の限界値UHG2がたそがれ(einsetzende Daemmerung)によって形成され、第3の限界値UHG3が夕暮れ(Einbruch der Nacht)によって形成されることが考えられる。
【0079】
換言すれば、コーナリングライトALは、時点t2においてまずは減光された第1の照度値DWS1へ減光され、周囲照度UHがより暗くなると、具体的には時点t4で限界値UHG3を下回ると、より低い第2の照度値DWS2へ更に低減される。同様に、限界値UHG3へ再び到達する時点t5では、照度値DWがより高い第1の照度値DWS1へ再び高められる。
【0080】
路面ライト投影BLPが非作動となる(BLP0)時点t6では、その他の条件が存在するときに、コーナリングライトALが最大の照度(AL1)へ再び高められる。ただし、時点t7においてコーナリングライトALを生成するための条件(ここでは周囲照度UHが第2の限界値UHG2を上回ること)が存在しなくなると、コーナリングライトALも再び非作動とされる(AL0)。
【0081】
減光された照度値の静的な調整に代えて、減光された照度値DWを周囲照度UHへ動的に、すなわち継続的に適合させることも考えられる。
【0082】
このことは、より大きな制御の手間を前提とし、動的に調整される減光される照度値DWDのあり得る推移を示す点線に基づいて示唆されている。
【0083】
すなわち、時点t3では、周囲照度UHの推移が更なる低下を示している。同時に、照度値DWDも、周囲照度UHの推移と同様により低い照度の方向に下方へ推移される。照度値DWDの推移は、時点t6において路面ライト投影BLPが調整され、したがってコーナリングライトの最大の照度(AL1)が生成されるまで周囲照度UHの推移と同様に追従される。周囲照度UHが限界値UHG2以上となると、コーナリングライトALも非作動とされる(AL0)。
【0084】
このようにして、コーナリングライトALと路面ライト投影BLPが同時にオンされるときに、コーナリングライトALの静的又は動的な減光によって、路面ライト投影BLPの認知性あるいは視認性を大幅に改善することが可能である。
【0085】
図4には、コンパクトに取付可能な光モジュールによって形成された照明装置10aが図示されている。照明装置10aは、コーナリングライトALを生成するための複数の発光ダイオード101と、路面ライト投影BLPを生成するための少なくとも1つの発光ダイオード102とが設けられた回路基板100を含んでいる。発光ダイオード101が好ましくは白色光を発出する一方、発光ダイオード102は好ましくは黄色光を発出する。発光ダイオード101,102は、複数の光チャンバ103が形成されるように、光が入らないように(lichtdicht)ハウジング構造部によって互いに分離されている。光放射方向では、光チャンバ103がレンズ104又は同等の光学要素によって覆われている。コーナリングライトALのセグメントは、発光ダイオード101を有する光チャンバ103によって生成されることが可能である。この目的のために、発光ダイオードの対応したシーケンシャル制御が必要である。例えば、個々のセグメントALS1~ALS4(
図1a参照)のオンを検出されたステアリング角度センサに依存させることが考えられる。発光ダイオード102を有する光チャンバ103は、路面ライト投影BLPを生成するために用いられる投影ユニット105も含んでいる。
【0086】
投影ユニット105は、例えば、いわゆるグラフィカルオプティカルブラックアウト(Grafical Optical Blackout(Gobo))によって形成されることができ、投影は、スライド投影に類似したように、あるいは影投影として行われる。投影ユニット105は、マイクロレンズアレイ(Micro Lens Array(MLA))として形成されることも可能である。動的な撮像素子(光を通すことが可能LCD要素)の使用も考えられる。
【0087】
照明装置10aは、好ましくはフロント側の照明装置BFのハウジングに配置され、及び取り付けられており、ハウジングにおける照明装置10aの位置は、好ましくはコーナリングライト及びハイビーム(不図示)よりも中央へ、したがって原動機付き車両Kのラジエータグリルへ向けて位置決めされている。本実施例(
図5~
図7)では、フロント側の照明装置BFは、走行方向に見て左前方のヘッドライトである。当該ヘッドライトは、走行方向Fにおける前方に対して、ガラスパネル(レンズ)11によって覆われている。
【0088】
前図(
図4)と同様にフロント側の照明装置BFのハウジングに取り付けられた照明装置10bの別の一態様が
図5から分かる。
【0089】
照明装置10bは、照明装置10aとは異なり、白色のコーナリングライトALを生成するための複数の光源107と、黄色の路面ライト投影BLPを生成するための1つの光源108とを備えている。光源107,108には、それぞれリフレクタ106が割り当てられている。リフレクタ106は、好ましくはフリーフォームリフレクタとして形成されており、当該フリーフォームリフレクタによって、光源107,108により生成される光ビームを所望する方向へ正確に反射させることが可能である。
【0090】
最後に、
図6には、上記両図(
図4及び
図5)に示された解決手段の組み合わせで形成された照明装置10cが図示されている。すなわち、回路基板100が設けられており、当該回路基板には、白色光を発出する発光ダイオード101と、黄色光を発出する発光ダイオード102とが配置されている。発光ダイオード101には、それぞれ好ましくはフリーフォームリフレクタとして形成されたリフレクタ106が割り当てられている。発光ダイオード102は、ここでも、最終光学系としての後続配置されたレンズを有する投影ユニット105の構成部材である。
【0091】
本実施例とは異なり、照明装置10a~10cがフロント側の照明装置BFのハウジングではなく、これとは別個に固有の光モジュールとして原動機付き車両Kに取り付けられることも考えられる。
【0092】
最後に、
図7には、本発明の理解にとって本質的な構成要素が信号技術的にどのように互いに接続されているかが図示されている。
【0093】
すなわち、光センサ110が見て取れ、当該光センサは、好ましくは原動機付き車両の雨滴センサ/光センサとして形成されている。光センサ110は、周囲Uの周囲照度UH(
図1a~
図1c参照)を検出するために用いられる。
【0094】
さらに、入力及び表示装置111が見て取れ、当該入力及び表示装置111は、好ましくは接触感応式のタッチスクリーンとして形成されることが可能である。入力及び表示装置111は、例えば、好ましくは調整を行うために用いられることが可能である。ユーザは、入力及び表示装置111を介して、例えば周囲照度UHの上述の限界値UHG1~UHG3及び/又は静的に減光される照度値DWS1,DWS2(
図3参照)の大きさを設定することが可能である。
【0095】
また、操作要素112が図示されており、当該操作要素は、走行方向指示器FRAをユーザ側で操作するために用いられる。操作要素112は、好ましくは原動機付き車両Kのステアリングコラムにおける操作レバーとして形成されている。最後に、更に評価及び制御装置109が存在し、当該評価及び制御装置は、上述の構成要素により生じる信号を検出し、評価する。評価及び制御装置109は、検出された信号に依存して、フロント側の照明装置BFあるいはその中にある照明装置10a,10b又は10cと、同様にリヤ側の照明装置BHとを制御する。上述の構成要素は、好ましくはCANバスとして形成されることが可能なデータバスCを介して信号技術的に互いに接続されている。
【符号の説明】
【0096】
AL コーナリングライト
ALS1~ALS4 コーナリングライトのセグメント
AL0 コーナリングライトオフ
AL1 コーナリングライトオン
B0 走行方向指示器用の操作要素が操作されない
B1 走行方向指示器用の操作要素が操作される
BH リヤ側の照明装置
BLP 路面ライト投影
BLP0 路面ライト投影オフ
BLP1 路面ライト投影オン
BF フロント側の照明装置
C データバス、CANバス
DB 路面ライト投影の暗い範囲
DW 減光された照度値
DWS1,DWS2 減光された照度値
DWD 減光された照度値
f,f1,f2 走行方向指示器の点滅周波数
F 走行方向
FRA0 走行方向指示器オフ
FRA1 走行方向指示器オン
HB1~HB3 路面ライト投影の明るい範囲
K 原動機付き車両
t 時間
t1~t8 時点
U 周囲
UH 周囲照度
UHG1 周囲照度の第1の限界値
UHG2 周囲照度の第2の限界値
UHG3 周囲照度の第3の限界値
Z0 イグニションオフ(車両が動作可能な状態でない)
Z1 イグニションオン(車両が動作可能な状態である)
10a,10b,10c 照明装置、光モジュール
11 ガラスパネル
100 回路基板
101 発光ダイオード
102 発光ダイオード
103 発光ダイオード
104 レンズ
105 投影ユニット
106 リフレクタ
107 光源
108 光源
109 評価及び制御装置
110 光センサ
111 入力及び表示装置
112 操作要素
【手続補正書】
【提出日】2023-07-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0095】
また、操作要素112が図示されており、当該操作要素は、走行方向指示器FRAをユーザ側で操作するために用いられる。操作要素112は、好ましくは原動機付き車両Kのステアリングコラムにおける操作レバーとして形成されている。最後に、更に評価及び制御装置109が存在し、当該評価及び制御装置は、上述の構成要素により生じる信号を検出し、評価する。評価及び制御装置109は、検出された信号に依存して、フロント側の照明装置BFあるいはその中にある照明装置10a,10b又は10cと、同様にリヤ側の照明装置BHとを制御する。上述の構成要素は、好ましくはCANバスとして形成されることが可能なデータバスCを介して信号技術的に互いに接続されている。
なお、本発明は、以下の態様も包含し得る:
1.原動機付き車両(K)における走行方向指示器(FRA)のライト機能を生成するための方法であって、走行方向指示器(FRA)のライト機能の作動が、原動機付き車両(K)が動作可能な状態にあり、原動機付き車両(K)において操作要素(112)が操作されるときに行われ、走行方向指示器(FRA)のライト機能の生成に加えて、原動機付き車両(K)の直近で路面ライト投影(BLP)を生成することが可能である、前記方法において、
原動機付き車両(K)の周囲照度(UH)が所定の限界値(UHG1)を下回るときにのみ路面ライト投影(BLP)が生成されることを特徴とする方法。
2.路面ライト投影(BLP)を生成するための周囲照度(UH)の限界値(UHG1)が、コーナリングライト(AL)のライト機能を生成するための周囲照度(UH)の限界値(UHG2)とは異なっていることを特徴とする上記1.に記載の方法。
3.路面ライト投影(BLP)を生成するための限界値(UHG1)が、コーナリングライト(AL)のライト機能を生成するための限界値(UHG2)よりも高い照度に相当することを特徴とする上記2.に記載の方法。
4.路面ライト投影(BLP)が所定のグラフィックパターンであり、該グラフィックパターンが所定の輪郭を有する複数の平坦で明るい範囲(HB1~HB3)によって形成されており、該明るい範囲が、少なくとも1つの暗い範囲(DB)によって互いに離間されていることを特徴とする上記1.~3.のいずれか1つに記載の方法。
5.コーナリングライト(AL)のライト機能と路面ライト投影(BLP)のライト機能が同時に生成される場合に、路面ライト投影(BLP)と重なるコーナリングライト(AL)の少なくとも1つの部分が、より低い照度を有する照度値(DW,DWS1)へ静的に減光されることを特徴とする上記2.~4.のいずれか1つに記載の方法。
6.コーナリングライト(AL)のライト機能と路面ライト投影(BLP)のライト機能が同時に生成される場合に、照度値(DW,DWD,DWS1,DWS2)が周囲照度(UH)へ調整されるように、路面ライト投影(BLP)と重なるコーナリングライト(AL)の少なくとも1つの部分が、より低い照度を有する照度値(DW,DWS1)へ静的に減光されることを特徴とする上記2.~5.のいずれか1つに記載の方法。
7.照度値(DW,DWD)が周囲照度(UH)へ継続的に適合されることを特徴とする上記6.に記載の方法。
8.周囲照度(UH)が第1の限界値(UHG2)に到達するときに照度値(DW)が第1の値(DWS1)に設定され、周囲照度(UH)がより低い第2の限界値(UHG3)に到達するときに照度値(DW)が第2の値(DWS2)に設定されるように、照度値(DW)が周囲照度(UH)に適合され、第2の照度値(DWS2)が第1の照度値(DWS1)よりも低いことを特徴とする上記6.に記載の方法。
9.路面ライト投影(BLP)が初期状態が最終状態まで動的に増進され、路面ライト投影(BLP)の照度が、初期状態の時点での最初は初期値から最終状態の時点での照度の最大値まで連続的に増大されることを特徴とする上記1.~8.のいずれか1つに記載の方法。
10.フロント側及びリヤ側の照明装置(BF及びBH)を有する、方法を実行するための原動機付き車両(K)であって、照明装置(BF,BH)によって走行方向指示器(FRA)のライト機能が生成可能であり、走行方向指示器(FRA)のライト機能が操作要素(112)の操作によって生成可能であり、コーナリングライト(AL)のライト機能を生成するための照明装置(10a,10b,10c)が設けられており、コーナリングライト(AL)のライト機能を生成するための照明装置(10a,10b,10c)と信号技術的に接続された少なくとも1つの光センサ(110)が設けられており、路面ライト投影(BLP)を生成するための少なくとも1つの照明装置(10a,10b,10c)が更に設けられている、前記原動機付き車両において、
路面ライト投影(BLP)を生成するための照明装置(10a,10b,10c)も同様に少なくとも1つの光センサ(110)と信号技術的に接続されていること、及び少なくとも1つの光センサ(110)の信号を評価するための制御及び評価装置(109)が設けられており、路面ライト投影(BLP)を生成するための照明装置(10a,10b,10c)と、コーナリングライト(AL)のライト機能を生成するための照明装置(10a,10b,10c)とが、少なくとも1つの光センサ(110)の信号に依存して、制御及び評価装置によって制御可能であることを特徴とする原動機付き車両。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機付き車両(K)における走行方向指示器(FRA)のライト機能を生成するための方法であって、走行方向指示器(FRA)のライト機能の作動が、原動機付き車両(K)が動作可能な状態にあり、原動機付き車両(K)において操作要素(112)が操作されるときに行われ、走行方向指示器(FRA)のライト機能の生成に加えて、原動機付き車両(K)の直近で路面ライト投影(BLP)を生成することが可能である、前記方法において、
原動機付き車両(K)の周囲照度(UH)が所定の限界値(UHG1)を下回るときにのみ路面ライト投影(BLP)が生成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
路面ライト投影(BLP)を生成するための周囲照度(UH)の限界値(UHG1)が、コーナリングライト(AL)のライト機能を生成するための周囲照度(UH)の限界値(UHG2)とは異なっていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
路面ライト投影(BLP)を生成するための限界値(UHG1)が、コーナリングライト(AL)のライト機能を生成するための限界値(UHG2)よりも高い照度に相当することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
路面ライト投影(BLP)が所定のグラフィックパターンであり、該グラフィックパターンが所定の輪郭を有する複数の平坦で明るい範囲(HB1~HB3)によって形成されており、該明るい範囲が、少なくとも1つの暗い範囲(DB)によって互いに離間されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
コーナリングライト(AL)のライト機能と路面ライト投影(BLP)のライト機能が同時に生成される場合に、路面ライト投影(BLP)と重なるコーナリングライト(AL)の少なくとも1つの部分が、より低い照度を有する照度値(DW,DWS1)へ静的に減光されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
コーナリングライト(AL)のライト機能と路面ライト投影(BLP)のライト機能が同時に生成される場合に、照度値(DW,DWD,DWS1,DWS2)が周囲照度(UH)へ調整されるように、路面ライト投影(BLP)と重なるコーナリングライト(AL)の少なくとも1つの部分が、より低い照度を有する照度値(DW,DWS1)へ静的に減光されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
照度値(DW,DWD)が周囲照度(UH)へ継続的に適合されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
周囲照度(UH)が第1の限界値(UHG2)に到達するときに照度値(DW)が第1の値(DWS1)に設定され、周囲照度(UH)がより低い第2の限界値(UHG3)に到達するときに照度値(DW)が第2の値(DWS2)に設定されるように、照度値(DW)が周囲照度(UH)に適合され、第2の照度値(DWS2)が第1の照度値(DWS1)よりも低いことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
路面ライト投影(BLP)が初期状態が最終状態まで動的に増進され、路面ライト投影(BLP)の照度が、初期状態の時点での最初は初期値から最終状態の時点での照度の最大値まで連続的に増大されることを特徴とする請求項1~3及び5~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
フロント側及びリヤ側の照明装置(BF及びBH)を有する、方法を実行するための原動機付き車両(K)であって、照明装置(BF,BH)によって走行方向指示器(FRA)のライト機能が生成可能であり、走行方向指示器(FRA)のライト機能が操作要素(112)の操作によって生成可能であり、コーナリングライト(AL)のライト機能を生成するための照明装置(10a,10b,10c)が設けられており、コーナリングライト(AL)のライト機能を生成するための照明装置(10a,10b,10c)と信号技術的に接続された少なくとも1つの光センサ(110)が設けられており、路面ライト投影(BLP)を生成するための少なくとも1つの照明装置(10a,10b,10c)が更に設けられている、前記原動機付き車両において、
路面ライト投影(BLP)を生成するための照明装置(10a,10b,10c)も同様に少なくとも1つの光センサ(110)と信号技術的に接続されていること、及び少なくとも1つの光センサ(110)の信号を評価するための制御及び評価装置(109)が設けられており、路面ライト投影(BLP)を生成するための照明装置(10a,10b,10c)と、コーナリングライト(AL)のライト機能を生成するための照明装置(10a,10b,10c)とが、少なくとも1つの光センサ(110)の信号に依存して、制御及び評価装置によって制御可能であることを特徴とする原動機付き車両。
【外国語明細書】