(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178229
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】外科用器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/15 20060101AFI20231207BHJP
A61B 17/56 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
A61B17/15
A61B17/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023084763
(22)【出願日】2023-05-23
(31)【優先権主張番号】10 2022 205 694.9
(32)【優先日】2022-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フランツ-ペーター ファームバッハ
(72)【発明者】
【氏名】スヴェニア アンホーン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL01
4C160LL12
4C160LL29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】脛骨切除ガイド装置を提供する。
【解決手段】脛骨切除ガイド装置であって、脛骨(T)の近位部における切断をガイドする脛骨切断ブロック(400)に取り外し可能に固定されるように構成された本体(100)と、第1のスタイラス(200)及び第2のスタイラス(300)であって、各々が、本体(100)に対して可動であるように本体(100)に取り付けられており、第1の端(201、301)と第2の端(202、302)との間で長手軸(L1、L2)に沿って延び、第1の端(201、301)の各々が脛骨(T)の脛骨プラトー(TP)と接触するように設計されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膝関節置換術で使用する外科用器具(1、1a)であって、
脛骨(T)の近位部における切断をガイドする脛骨切断ブロック(400)に取り外し可能に固定されるように構成された本体(100、100a)と、
第1のスタイラス(200)及び第2のスタイラス(300)であって、各々が、前記本体(100、100a)に対して可動であるように前記本体(100、100a)に取り付けられており、第1の端(201、301)と第2の端(202、302)との間で長手軸(L1、L2)に沿って延び、前記第1の端(201、301)の各々が前記脛骨(T)の脛骨プラトー(TP)と接触するように設計されている、前記第1のスタイラス(200)及び前記第2のスタイラス(300)と、
を備え、
前記第1のスタイラス(200)は、前記本体(100、100a)及び前記第2のスタイラス(300)に対して第1の回動軸(D1)を中心に回動可能に前記本体(100、100a)に取り付けられており、前記第2のスタイラス(300)は、前記本体(100、100a)及び前記第1のスタイラス(200)に対して第2の回動軸(D2)を中心に回動可能に前記本体(100、100a)に取り付けられていることを特徴とする、外科用器具(1、1a)。
【請求項2】
前記第1の回動軸(D1)及び前記第2の回動軸(D2)は、内外側方向距離(C)だけ互いに離間するように前記本体(100、100a)に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項3】
前記第1の回動軸(D1)と前記第2の回動軸(D2)とは互いに平行であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項4】
前記第1の回動軸(D1)は前記第1のスタイラス(200)の前記長手軸(L1)と直交し、
前記第2の回動軸(D2)は前記第2のスタイラス(300)の前記長手軸(L2)と直交することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項5】
前記第1の回動軸(D1)及び前記第2の回動軸(D2)は、共通の第1の平面(E1)上に配置されており、
前記第1の平面(E1)は、前記外科用器具(1、1a)が前記脛骨切断ブロック(400)に固定された状態において、前記脛骨切断ブロック(400)の切断ガイド面(SF)と直交することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項6】
前記第1のスタイラス(200)は、前記本体(100、100a)及び前記第2のスタイラス(300)に対して第1のガイド軸(F1)に沿って直線的に可動であるように前記本体(100、100a)に取り付けられており、
前記第2のスタイラス(300)は、前記本体(100、100a)及び前記第1のスタイラス(200)に対して第2のガイド軸(F2)に沿って直線的に可動であるように前記本体(100、100a)に取り付けられることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項7】
前記第1のガイド軸(F1)は、前記第1のスタイラス(200)の前記長手軸(L1)に平行であり、
前記第2のガイド軸(F2)は、前記第2のスタイラス(300)の前記長手軸(L2)に平行であることを特徴とする、請求項6に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項8】
前記第1のガイド軸(F1)及び前記第2のガイド軸(F2)は、共通の第2の平面(E2)上に配置されており、
前記第2の平面(E2)は、前記外科用器具(1、1a)が前記脛骨切断ブロック(400)に固定された状態において、前記脛骨切断ブロック(400)の切断ガイド面(SF)に平行であることを特徴とする、請求項6又は7に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項9】
前記本体(100、100a)は、第1の軸受ピン(101)と第2の軸受ピン(102)とを有し、
前記第1のスタイラス(200)は、第1のスロット(203)を有し、
前記第1の軸受ピン(101)は、前記第1の回動軸(D1)を中心とする相対運動及び前記第1のスロット(203)の長手延在方向(L1´)に沿う相対運動のために、前記第1のスロット(203)と係合しており、
前記第2のスタイラス(300)は、第2のスロット(303)を有し、
前記第2の軸受ピン(102)は、前記第2の回動軸(D2)を中心とする相対運動及び前記第2のスロット(303)の長手延在方向(L2´)に沿う相対運動のために、前記第2のスロット(303)と係合していることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項10】
前記第1の軸受ピン(101)及び前記第2の軸受ピン(102)の各々は、軸方向に間隔をあけて配置された2つのラジアルカラー(1011、1012;1021、1022)を有し、それらの間でそれぞれの前記スタイラス(200、300)が軸方向に形状嵌合するように保持されていることを特徴とする、請求項9に記載の外科用器具(1)。
【請求項11】
前記2つのラジアルカラー(1011、1012;1021、1022)の少なくとも1つは、回転非対称であり、前記回動軸(D1、D2)と直交する方向に細長いことを特徴とする、請求項10に記載の外科用器具(1)。
【請求項12】
前記第1のスタイラス(200)及び前記本体(100a)に動作可能に接続され、前記第1のスタイラス(200)の回動能力及び/又は直線運動能力を解除可能に固定するように構成されている第1の固定装置(501)が設けられており、
前記第2のスタイラス(300)及び前記本体(100a)に動作可能に接続され、前記第2のスタイラス(300)の回動能力及び/又は直線運動能力を解除可能に固定するように構成されている第2の固定装置(502)が設けられることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の外科用器具(1a)。
【請求項13】
前記本体(100、100a)は、平面状の後面(1031)を有するプレート部(103)を有し、
前記後面(1031)は、前記外科用器具(1、1a)が前記脛骨切断ブロック(400)に固定された状態において、前記脛骨切断ブロック(400)の切断ガイド面(SF)に平行であることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項14】
前記本体(100、100a)は、バネ付勢されたラッチレバー(104)を有し、
前記ラッチレバー(104)は、前記外科用器具(1、1a)が前記脛骨切断ブロック(400)に固定された状態において、前記脛骨切断ブロック(400)のラッチ部(403)に形状嵌合で取り外し可能に係止されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項15】
膝関節置換術で使用するための外科用器具システム(10、10a)であって、請求項1から14のいずれか一項に記載の外科用器具(1、1a)と、前記外科用器具(1、1a)が取り外し可能に固定される脛骨切断ブロック(400)と、を備える、外科用器具システム(10、10a)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膝関節置換術で使用する外科用器具であって、脛骨の近位部における切断をガイドするための脛骨切断ブロックに取り外し可能に固定されるように構成された本体と、第1のスタイラス及び第2のスタイラスであって、これらの各々が、本体に対して可動であるように本体に取り付けられ、第1の端と第2の端の間で長手軸に沿って延び、第1の端の各々は脛骨の脛骨プラトーと接触するように設計されている、第1のスタイラス及び第2のスタイラスと、を備える外科用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
膝関節置換術(人工膝関節全置換術(TKA)とも呼ばれる)では、摩耗したり、病気や怪我によって影響を受けた大腿骨及び/又は脛骨の関節面が、人工膝関節の人工関節面に置き換えられる。このような人工膝関節は、通常、大腿骨コンポーネントと脛骨コンポーネントとを備える。大腿骨コンポーネントは、大腿骨の遠位端に配置される。脛骨コンポーネントは、脛骨の近位端に配置される。
【0003】
人工コンポーネントが配置される前に、大腿骨遠位部と脛骨近位部が切除される。そのために、外科医は、さまざまな切除切開を行い、それぞれの骨から骨及び/又は軟骨材を取り外す。この切除により、それぞれの骨の形状を、組み込まれる予定の人工コンポーネントに適合させることができる。
【0004】
切除は、さまざまな概念に基づいて行なわれ得る。1つの概念は、関節の動きに合わせて膝の靭帯の伸長をバランスよく保つことを目的とする。これは、人工膝関節のより良い機能を保証することを目的とする。この概念は、一般的に「ギャップバランス」と呼ばれる。他の概念では、外科医は、切除によって、特定の量の骨及び/又は軟骨材料を除去する。このような概念は、一般的に「測定切除(measured resection)」と呼ばれる。患者の解剖学的構造に対する切除切開のアライメントによって、その後配置されるコンポーネントの向き、ひいては、人工関節軸の方向が決まる。したがって、切除切開のアライメントは、特に重要である。
【0005】
切除切開のアライメントは、主に、メカニカル、アナトミック、キネマティックの3つのアプローチに区別される。メカニカルアライメントの場合、脛骨近位部は、脛骨の長手軸に対して垂直に切除される。これに対応するように、大腿骨遠位部の切除が行われる。必要であれば、靭帯リリースが行われる。アナトミックアライメントの場合、3°の内反角度で脛骨を切除する試みが行われる。脚の股関節-膝関節-足首軸を直線的にすることを目指して、大腿骨の切除と靭帯リリースが行われる。キネマティックアライメント(以下、KAと略す)は、人工コンポーネントの人工関節面を、関節炎になる前の欠損のない状態の自然関節面と同じ位置に配置することを目指すものである。臨床試験によると、KAは、人工膝関節の機能が非常に自然に感じられるので、患者の満足度が高い場合が多いということが分かっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような背景から、できる限り正確で、使いやすく、費用対効果の高い、KAを実施するための外科用器具が、基本的に求められている。
【0007】
本発明は、そのような外科用器具に関し、特に、脛骨切除をガイドする外科用器具に関する。このような器具は、脛骨切除ガイド装置とも呼ばれる。
【0008】
このような外科用器具は、WO 2020/049421 A1から知られており、本体と2つのスタイラスとを備える。本体は、ピン又はスタブの形態で構成されており、この目的のために設けられた脛骨切断ブロック部に固定可能である。2つのスタイラスの各々は、本体及び互いに対して共通の回動軸を中心に回動可能なように本体に取り付けられている。2つのスタイラスの各々は、第1の端と第2の端との間で長手方向に延びている。第1の端の各々は、脛骨近位部、より具体的には脛骨プラトーと接触するように設計されている。公知の外科用器具の場合、2つのスタイラスは、共通の回動軸に沿って、軸方向で一方のスタイラスが他方のスタイラスの上方に位置するように、異なる平面上に配置される。さらに、2つのスタイラスは、長手方向で交差するように配置されている。
【0009】
US 2019/0231365 A1は、脛骨切断をガイドする別の外科用器具を開示している。この既知の外科用器具も、ピン形状又はスタブ形状の本体と2つのスタイラスとを有する。2つのスタイラスは、ここでも、共通の回動軸を中心に回動可能であるようにピン形状又はスタブ形状の本体に取り付けられており、軸方向で一方が他方の上方に配置され、長手方向で交差している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、先行技術に対して利点を与える、特に、脛骨近位部における切断のより良いアライメントを可能にする、冒頭で述べたタイプの外科用器具を提供することである。
【0011】
この目的は、第1のスタイラスは、本体及び第2のスタイラスに対して第1の回動軸を中心に回動可能であるように本体に取り付けられ、第2のスタイラスは、本体及び第1のスタイラスに対して第2の回動軸を中心に回動可能であるように本体に取り付けられることにより、達成される。本発明は、2つのスタイラスを1つの同じ回動軸に一緒に取り付けることが不利になり得るという洞察に基づいている。なぜなら、2つのスタイラスを1つの回動軸に一緒に取り付けるということは、2つのスタイラスを、一方が他方の上方にくるように、及び/又は交差するように、直接隣接して配置することを意味するからである。これは、一方のスタイラスの回動位置を調整する時に、既に調整されたもう一方のスタイラスの回動位置が、意図せず調整されてしまうかもしれないことを意味する。このような望ましくない誤った調整が見過ごされてしまうと、脛骨切断の誤ったアライメントにつながる可能性がある。本発明は、これを防ぐ。この目的のために、2つのスタイラスは、別々の回動軸上で、互いに独立して本体に取り付けられる。スタイラスは、共通の平面上で長手方向に延びることが好ましい。スタイラスは、交差して配置されないことが好ましい。第1のスタイラスの第1の端は、脛骨プラトーの内側部分と接触するように構成されており、第2のスタイラスの第1の端は、脛骨プラトーの外側部分と接触するように構成されている、又はその逆である。1つの構成では、2つの回動軸の各々は、幾何学的(軸)であると理解されるべきである。さらなる構成では、代替的又は追加的に、2つの回動軸の各々は、本体の部品又は一部によって形成される心棒によって形成されている。2つの回動軸は、近遠位方向に方向づけられることが好ましい。
【0012】
本明細書で使用される位置的及び方向的な用語は、患者の身体、特に脛骨に関するものであり、この点において、通常の解剖学的意味に従って理解されるものとする。したがって、「前方」は前又は前に位置することを示し、「後方」は後又は後に位置することを示し、「内側」は内側又は内側に位置することを示し、「外側」は外側又は外側に位置することを示し、「近位」は身体の中心に向かうことを示し、「遠位」は身体の中心から遠ざかることを示す。さらに、「近遠位方向」は、近位-遠位軸に沿うこと、好ましくそれに平行であることを示し、「前後方向」は、前方-後方軸に沿うこと、好ましくはそれに平行であることを示し、「内外側方向」は、内側-外側軸に沿うこと、好ましくはそれに平行であることを示す。前述の軸は、互いに対して直交するように方向づけられ、もちろん、患者の解剖学的構造とは関連しないX、Y、及びZ軸に関連して理解することも可能である。例えば、近位-遠位軸は、代替的にX軸と呼ばれてよい。内側-外側軸は、Y軸と呼ばれてよい。前方-後方軸は、Z軸と呼ばれてよい。より良い説明と用語の簡略化のために、以下で使用されるのは、主に前述の解剖学的位置及び方向に関する用語である。さらに、コンポーネント又は外科用器具の一部、例えば本体の「後面」などの用語は、遠位視認方向との関連で使用される。対照的に、「前面」などの用語は、近位視認方向との関係で使用される。
【0013】
本発明の一実施形態では、第1の回動軸と第2の回動軸は、内外側方向距離だけ互いに離間するように本体に配置されている。2つの回動軸が内外側方向に離間していることによって、2つのスタイラスの第1の端をより効果的に配置できる。内外側方向の距離は、脛骨プラトー内側部と脛骨プラトー外側部との間の慣用的な距離に対応することが好ましい。したがって、第1の端のそれぞれが脛骨プラトーの対応する部分に配置された状態では、2つのスタイラスはほぼ平行に配置される。内外側方向の距離は、好ましくは4cmから12cmの間であり、好ましくは5cmから10cmの間であり、特に好ましくは6cmから8cmの間である。
【0014】
本発明のさらなる実施形態では、第1の回動軸と第2の回動軸とは互いに平行である。このような平行配置は、利点をもたらす。さらなる実施形態では、回動軸は、互いに平行に配置されない。
【0015】
本発明のさらなる実施形態では、第1の回動軸は第1のスタイラスの長手軸と直交し、第2の回動軸は第2のスタイラスの長手軸と直交する。第1のスタイラスの長手軸は、以下では、第1の長手軸とも呼ばれる。第2のスタイラスの長手軸は、以下では、第2の長手軸とも呼ばれる。それぞれの長手軸に対するそれぞれの回動軸のこのような直交配置は、有利であることが証明されている。代替として、非直交配置も考えられる。
【0016】
本発明のさらなる実施形態では、第1の回動軸及び第2の回動軸は、共通の第1の平面に配置されており、第1の平面は、外科用器具が脛骨切断ブロックに固定された状態において、脛骨切断ブロックの切断ガイド面と直交する。切断ガイド面は、脛骨切断ブロックによるアライメントによって脛骨切除を達成することができる平面である。例えば、脛骨切断ブロックは、切除切開を行うための鋸刃を受容してガイドするように構成された受容スリットを有する。この場合、受容スリットが、切断ガイド面を画定する。代わりに又は加えて、脛骨切断ブロックは、鋸刃が当接し、鋸刃をガイドすることが可能な当接面を有してよい。この場合、当接面が、切断ガイド面を画定する。脛骨切断ブロックの使用中、切断ガイド面は、前後方向及び内外側方向に延びる、つまり横断面である。2つの回動軸が配置される第1の平面は、切断ガイド面及び/又は前面に平行である。
【0017】
本発明のさらなる実施形態では、第1のスタイラスは、本体及び第2のスタイラスに対して第1のガイド軸に沿って直線的に可動であるように本体に取り付けられ、第2のスタイラスは、本体及び第1のスタイラスに対して第2のガイド軸に沿って直線的に可動であるように本体に取り付けられている。本発明のこの実施形態では、2つのスタイラスの各々は、回動可能であることに加えて、直線的にも可動である。回動位置を調整することができることに加えて、直線位置を調整することもできる。言い換えれば、2つのスタイラスは、互いに独立して、それぞれの長手軸に沿って変位可能である。スタイラスが長手方向に変位可能であることにより、特に、サイズの異なる脛骨への使用が可能となる。一実施形態では、2つのガイド軸は幾何学的である。さらなる実施形態では、2つのガイド軸は、代わりに又は加えて、構造軸である。
【0018】
本発明のさらなる実施形態では、第1のガイド軸は、第1のスタイラスの長手軸に平行であり、第2のガイド軸は、第2のスタイラスの長手軸に平行である。それぞれの長手軸に対するそれぞれのガイド軸のこのような平行配置は、有利であるが、必須ではない。したがって、さらなる実施形態は、それぞれの長手軸に対して非平行なガイド軸を含む。
【0019】
本発明のさらなる実施形態では、第1のガイド軸及び第2のガイド軸は、共通の第2の平面上に配置され、第2の平面は、外科用器具が脛骨切断ブロックに固定された状態において、脛骨切断ブロックの切断ガイド面に平行である。脛骨切断ブロックの切断ガイド面に関して既に述べたことが、ここでも適用される。外科用器具の使用中、第2の平面は横断面である。外科用器具が、2つの回動軸が共に配置される第1の平面を有する場合、第2の平面は、第1の平面に直交するように方向づけられる。切断ガイド面に対する第2の平面の平行配置は、有利である。さらなる実施形態は、非平行配置を提供する。
【0020】
本発明のさらなる実施形態では、本体は、第1の軸受ピンと第2の軸受ピンとを有し、第1のスタイラスは、第1のスロットを有し、第1の軸受ピンは、第1の回動軸を中心とする相対運動及び第1のスロットの長手延在方向に沿う相対運動のために、第1のスロットと係合し、第2のスタイラスは、第2のスロットを有し、第2の軸受ピンは、第2の回動軸を中心とする相対運動及び第2のスロットの長手延在方向に沿う相対運動のために、第2のスロットと係合する。これは、本発明の特に好ましい実施形態である。第1の軸受ピンは、第1の回動軸と同軸上に配置される。第2の軸受ピンは、第2の回動軸と同軸上に配置される。言い換えれば、2つの軸受ピンのそれぞれの長手方向の延在が、対応する回動軸を画定する。第1のスロットは、第1の回動軸と平行に第1のスタイラスに形成されている。第2のスロットは、第2の回動軸と平行に第2のスタイラスに形成されている。第1のスロットの長手延在方向は、第1の回動軸と直交する。第2のスロットの長手延在方向は、第2の回動軸と直交する。第1のスロットの長手延在方向は、第1のガイド軸を画定する。第2のスロットの長手延長方向は、第2のガイド軸を画定する。この実施形態では、このような設計によって、本体に2つのスタイラスを、簡単に、正確に、しっかりと、回動可能かつ直線運動可能に取り付けることができる。
【0021】
本発明のさらなる実施形態では、第1の軸受ピン及び第2の軸受ピンの各々は、軸方向に間隔をあけて配置された2つのラジアルカラーを有し、それらの間でそれぞれのスタイラスが軸方向に形状嵌合するように保持されている。第1の軸受ピンの2つのラジアルカラーは、第1のスタイラスの望ましくない軸方向変位を防ぐ。同じことが、第2の軸受ピンの2つのラジアルカラーにも当てはまる。第1の軸受ピンの2つのラジアルカラーは、第1の回動軸に沿って互いに間隔をあけて配置されている。第2の軸受ピンの2つのラジアルカラーは、第2の回動軸に沿って互いに間隔をあけて配置されている。
【0022】
本発明のさらなる実施形態では、2つのラジアルカラーの少なくとも1つは、回転非対称であり、回動軸と直交する方向に細長い。この回転非対称で細長い構成は、それぞれの接触要素の傾動を防ぐ。これにより、スタイラス、より具体的にはその第1の端を特に正確に配置することが可能になる。
【0023】
本発明のさらなる実施形態では、第1のスタイラス及び本体に動作可能に接続され、第1のスタイラスの回動能力及び/又は直線運動能力を解除可能に固定するように構成された第1の固定装置と、第2のスタイラス及び本体に動作可能に接続され、第2のスタイラスの回動能力及び/又は直線運動能力を解除可能に固定するように構成された第2の固定装置と、が設けられる。この2つの固定装置により、2つのスタイラスを互いに独立して解除可能に固定することができる。これは、従来技術から知られている解決策とは正反対である。2つの固定装置によって、位置決めされた後に2つのスタイラスが意図せず調整されてしまうことを防止できる。2つの固定装置は、異なる実施形態において、例えば、ねじ接続機構、クランプ機構、ラッチ機構、スナップフィット機構などの形態の異なる設計を有する。第1の固定装置により、第1のスタイラスは、本体に対して力嵌合及び/又は形状嵌合で解除可能に固定される。同じことが、第2の固定装置にも当てはまる。
【0024】
本発明のさらなる実施形態では、本体は、平面状の後面を有するプレート部を有し、後面は、外科用器具が脛骨切断ブロックに固定された状態において、脛骨切断ブロックの切断ガイド面に平行である。本発明のこの実施形態では、本体は、板状の構成である、及び/又は板状である。外科用器具の使用中、プレート部は、内外側方向及び前後方向に延びる。後面は近位方向を向いている、すなわち後面の法線方向は近位方向である。後面は、平面状であり、切断ガイド面に平行である。脛骨切断ブロックの切断ガイド面に関連して既に述べたことが、ここでも当てはまる。平面状で平行な後面により、外科用器具の向きを視覚的に確認しやすくなる。後面は、のちに配置される脛骨コンポーネントの顆線の位置に対応する近遠位方向の位置に配置される。それに対応するように、後面と切断ガイド面との間の近位方向の距離が適合されることが好ましい。この距離は、好ましくはX1mmとX2mmの間であり、好ましくはX3mmとX4mmの間であり、特に好ましくはX5mmとX6mmの間である。
【0025】
本発明のさらなる実施形態では、本体は、バネ付勢されたラッチレバーを有し、レバーは、外科用器具が脛骨切断ブロックに固定された状態において、脛骨切断ブロックのラッチ部に取り外し可能に係止される。本発明のこの実施形態では、外科用器具を脛骨切断ブロックに、非常に簡単に、確実に、取り外し可能に固定することができる。ラッチレバーは、手動で操作されるように構成されている。ラッチレバーは、プレート部の後面と遠位方向で反対側に位置するプレート部の前面に配置されることが好ましい。ラッチレバーは、プレート部に対して、固定位置と非係止位置との間で変位可能であることが好ましい。固定位置において、ラッチレバーは、ラッチ部に解除可能に係止される。非係止位置では、前述の係止が解除されているので、本体を脛骨切断ブロックから取り外すことができる。
【0026】
本発明は、さらに、上記の外科用器具と、外科用器具が取り外し可能に固定される脛骨切断ブロックと、を備える、膝関節置換術で使用するための外科用器具システムに関する。一実施形態では、外科用器具システムは、さらに、髄外ガイドロッドを有し、この髄外ロッドは、このために設けられた脛骨切断ブロック部に取り外し可能に固定される。
【0027】
本発明のさらなる利点及び特徴は、特許請求の範囲、及び図面を参照して説明される本発明の好ましい例示的な実施形態の説明から理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明による外科用器具の一実施形態を備えた本発明による外科用器具システムの一実施形態を示す概略斜視図である。
【
図2】
図1による外科用器具システムが脛骨近位部に配置されている術中状況を示す概略斜視図である。
【
図3】
図2による術中状況のさらなる概略斜視図である。
【
図4】
図1~
図3による外科用器具システムの概略平面図である。
【
図5】
図4の断面線A-Aに沿う概略断面図である。
【
図6】本発明による外科用器具システムのさらなる実施形態の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1~
図5は、膝関節置換術で使用され、本体100と、第1のスタイラス200と、第2のスタイラス300とを有する外科用器具1を示す。
【0030】
外科用器具1は、以下でより詳細に説明されるように、脛骨切断ブロック400に取り外し可能に固定される。髄外ガイドロッド600は、脛骨切断ブロック400に取り外し可能に固定される。外科用器具1は、脛骨切断ブロック400及び髄外ガイドロッド600とともに、外科用器具システム10を形成する。
【0031】
脛骨切断ブロック400は、当業者に知られているように、脛骨T(
図2及び
図3参照)の近位部における切断をガイドするように構成されている。この目的のために、脛骨切断ブロック400は、脛骨Tの近位部を切除するために鋸刃を受容してガイドするように構成された受容スリット401を備える。受容スリット401は、脛骨切断ブロック400によって前述の切除切開がガイドされる切断ガイド面SF(
図4及び5参照)を画定する。脛骨切断ブロック400は、固定部402をさらに有する。固定部402は、当業者に知られているように、髄外ガイドロッド600を取り外し可能に固定するように構成されている。髄外ガイドロッド600は、特に図示しない方法で固定部402と相互作用する固定機構601を有する。髄外ガイドロッド600は、脛骨切断ブロック400を脛骨Tの前方縁(これ以上具体的には言及しない)にアライメントするために使用される。
【0032】
外科用器具1は、脛骨Tの近位部の解剖学的目印に対して脛骨切断ブロック400をアライメントするために提供される。外科用器具1は、脛骨切除ガイド装置又は脛骨切断アライメント装置とも呼ばれる。外科用器具1の具体的な機能をより詳細に説明する前に、まず、その設計のさらなる詳細を説明する。
【0033】
本体100は、以下でより詳細に説明されるように、脛骨切断ブロック400に取り外し可能に固定されるよう構成されている。
【0034】
第1のスタイラス200及び第2のスタイラス300の各々は、本体100に対して可動であるように本体に100に取り付けられており、第1の端201、301及び第2の端202、302を有する。第1のスタイラス200は、第1の長手軸L1に沿って長手方向に延びる。第2のスタイラス300は、第2の長手軸L2に沿って長手方向に延びる。2つの長手軸L1、L2はそれぞれ、スタイラス200、300の主延在方向を画定する。2つの第1の端201、301の各々は、脛骨Tの近位部の脛骨プラトーTP(
図2及び
図3参照)と接触するように構成されている。本実施例では、第1のスタイラス200の第1の端201は、脛骨プラトーTPの外側部分と接触するように構成されている。以下、脛骨プラトーTPのこの部分を外側脛骨プラトーTPLと呼ぶ。第2のスタイラス300の第1の端301は、脛骨プラトーTPの内側部分と接触するように構成されている。以下、脛骨プラトーTPのこの部分を内側脛骨プラトーTPMと呼ぶ。図示される術中状況に関して、スタイラス200、300を外側接触要素200及び内側接触要素300と呼ぶことも可能である。
【0035】
第1のスタイラス200は、本体100及び第2のスタイラス300に対して第1の回動軸D1を中心に回動可能であるように本体100に取り付けられている。第2のスタイラス300は、本体100及び第1のスタイラス200に対して第2の回動軸D2を中心に回動可能であるように本体100に取り付けられている。2つのスタイラス200、300が別々に及び/又は互いに独立して回動可能に取り付けられていることにより、特に、脛骨プラトーTP上での2つの第1の端201、301の配置を改善することができる。この配置の改善は、脛骨切断ブロック400、ひいては切断ガイド面SFの特に正確な配置につながる。
【0036】
外科用器具1の使用中、2つの回動軸D1、D2は、近遠位方向に方向づけられている。切断ガイド面SFは、内外側方向及び前後方向に延びる。
【0037】
図示の実施形態では、第1の回動軸D1と第2の回動軸D2は、互いに平行である。さらに、第1の回動軸D1と第2の回動軸D2は、内外側方向距離C(
図4参照)だけ互いに離間するように本体100に配置されている。図示の実施形態では、内外側方向距離Cは、内側脛骨プラトーTPMと外側脛骨プラトーTPLとの間の内外側方向距離(参照符号なし)に相当する。したがって、2つの第1の端201、301が必要に応じて脛骨プラトーTPの対応する部分と接触する場合、2つのスタイラス200、300は、少なくとも実質的に互いに対して平行に、長手方向に延びる。
【0038】
図示の実施形態では、第1の回動軸D1は、第1の長手軸L1に直交する。第2の回動軸D2は、第2の長手軸L2に直交する。
【0039】
図示の実施形態では、第1の回動軸D1及び第2の回動軸D2は、共通の第1の平面E1(
図3及び
図5参照)上に配置される。第1の平面E1は、切断ガイド面SFと直交する。その結果、スタイラス200、300それぞれが回動するときには、2つの第1の端201、301はそれぞれ切断ガイド面SFから一定の距離で動く。
【0040】
図示の実施形態では、2つのスタイラス200、300の前述の回動能力に加えて、2つのスタイラス200、300の直線運動も可能である。本体100及び互いに対する2つのスタイラス200、300の直線運動能力によって、脛骨プラトーTP上での2つの第1の端201、301の配置をさらに改善することができる。
【0041】
本実施例では、第1のスタイラス200は、本体100及び第2のスタイラス300に対して第1のガイド軸F1に沿って直線的に可動であるように本体100に取り付けられている。第2のスタイラス300は、本体100及び第1のスタイラス200に対して第2のガイド軸F2に沿って直線的に可動であるように本体に取り付けられている。
【0042】
図示の実施形態では、第1のガイド軸F1は、第1の長手軸L1と平行である。第2のガイド軸F2は、第2の長手軸L2と平行である。したがって、第1のガイド軸F1は第1の回動軸D1に直交し、第2のガイド軸F2は第2の回動軸D2に直交する。さらに、第1のガイド軸F1は、第2の回動軸D2と直交する。第2のガイド軸F2は、第1の回動軸D1と直交する。
【0043】
本体100及び/又は第2のガイド軸F2に対する第1のガイド軸F1の向きは、第1の回動軸D1に関する第1のスタイラス200の回動位置によって決まる。同じことが、第2のガイド軸F2の向きにも準用される。
【0044】
第1のガイド軸F1と第2のガイド軸F2は、共通の第2の平面E2(
図4及び
図5参照)上に配置される。第2の平面E2は、切断ガイド面SFに平行である。したがって、外科用器具1の使用中、第2の平面E2は、前後方向及び内外側方向に延びる。第2の平面E2の前述の平行配置によって、スタイラス200、300がそれぞれ直線運動するときに、2つの第1の端201、301が切断ガイド面SFに対して一定の距離にあることが保証される。図示の実施形態では、共通の第2の平面E2上に配置されるのは、2つのガイド軸F1、F2だけではない。これは、2つのスタイラス200、300にも適用される。2つのスタイラス200、300は、内外側方向で一方が他方の隣に配置されているが、近遠位方向で一方が他方の上方にくるようには配置されておらず、かつ/又はオフセットされておらず、かつ/又は交差していない。
【0045】
異なる実施形態では、2つのスタイラス200、300の回動可能な取り付けは、異なるように設計されている。直線運動可能な取り付けに関しても、同じである。
【0046】
図示の実施形態では、本体100は、第1の軸受ピン101と第2の軸受ピン102とを有する。第1のスタイラス200は、第1のピン101に、回動可能かつ直線運動可能に取り付けられている。第2のスタイラス300は、第2の軸受ピン102に、回動可能かつ直線運動可能に取り付けられている。この目的のために、第1のスタイラス200は、第1のスロット203を有する。第1の軸受ピン101は、第1の回動軸D1を中心とする相対運動及び第1のスロット203の長手延在方向L1´に沿う相対運動のために、第1のスロット203と係合している。第2のスタイラス300に関しても、同じことが準用される。第2のスタイラス300は、第2のスロット303を有する。第2の軸受ピン102は、第2の回動軸D2を中心として回動可能に、第2のスロット303の長手延在方向L2´に沿う相対運動のために、第2のスロット303と係合している。
【0047】
第1の軸受ピン101は、第1の回動軸D1に沿って長手方向に延びる。言い換えれば、第1の軸受ピン101の軸方向は、第1の回動軸D1を画定する。第2の軸受ピン102についても、同じことが準用される。その軸方向は、第2の回動軸D2を画定する。
【0048】
第1のスロット203の長手延在方向L1´は、第1のガイド軸F1を画定する。第2のスロット303の長手延在方向L2´は、第2のガイド軸F2を画定する。
【0049】
図示の実施形態では、第1のスロット203の長手延在方向L1´は、第1の長手軸L1と同軸である。第2のスロット303の長手延在方向L2´は、第2の長手軸L2と同軸である。
【0050】
2つのスタイラス200、300の各々は、対応する軸受ピン101、102上で摺動運動するようにガイドされる。
【0051】
第1のスロット203は、第1の端2031と第2の端2032との間で長手方向に延びる。第1の端2031は、第1のスタイラス200の前方相対変位の停止部として機能する。第2の端2032は、第1のスタイラス200の後方相対変位の停止部として機能する。第2のスロット303は、第1の端3031と第2の端3032との間で長手方向に延びる。第2のスロット303の機能について、第1のスロット203の機能に関連して既に述べたことが、準用される。第1のスロット203は、第1の軸受ピン101の軸方向及び/又は第1の回動軸D1に沿って、第1のスタイラス200を貫通して延びる。したがって、第1のスロット203は、貫通孔である。同じことが、第2のスロット303にも準用される。
【0052】
図示の実施形態では、2つのスタイラス200、300と2つの軸受ピン101、102の両方は、それぞれ互いに対して同一に構成されている。したがって、以下では、2つの軸受ピン101、102のさらなる構造的及び機能的特徴を、主に第1の軸受ピン101に関して説明する。第1の軸受ピン101に関して述べられることは、第2の軸受ピン102にも準用される。
【0053】
第1の軸受ピン101は、第1のラジアルカラー1011と第2のラジアルカラー1012とを有する。2つのラジアルカラー1011、1012は、第1の回動軸D1に沿って互いに間隔をあけて配置されている。第1のスタイラス200は、第1の回動軸D1に沿って、2つのラジアルカラー1011、1012の間において形状嵌合で保持されている。さらに、第1のスタイラス200は、第1の回動軸D1を中心とする摺動運動及び第1のガイド軸F1に沿う摺動運動のために、2つのラジアルカラー1011、1012の間でガイドされる。2つのラジアルカラー1011、1012は、互いに平行に配置されている。
【0054】
さらに、第1の軸受ピン101は、中央部1013を有する。中央部1013は、第1の回動軸D1に沿って、第1のラジアルカラー1011と第2のラジアルカラー1012との間に配置されている。中央部1013は、回転対称の断面を有する。第1のスタイラス200は、第1の回動軸D1を中心とする摺動運動のために中央部1013上でガイドされる。また、第1のスタイラス200は、第2の平面E2上の第1のガイド軸F1に垂直な方向において、形状嵌合で(並進運動可能に)中央部1013上に保持される。
【0055】
2つのラジアルカラー1011、1012の各々は、回転非対称であり、細長い。回転非対称性は、第1の回動軸D1に関する。細長い設計は、図示される前方-後方軸に関連する。2つの回転部1011、1012の回転非対称性及び/又は細長い構成は、第1のスタイラス200の可動な取り付けに関して利点をもたらす。特に、第1のスタイラス200の望まれない傾動が防がれる。
【0056】
第1の軸受ピン101に対応するように、第2の軸受ピン102は、第1のラジアルカラー1021と第2のラジアルカラー1022とを有し、さらに中央部(参照符号なし)を有する。他のすべての点では、第1の軸受ピン101に関して開示されたものが参照される。
【0057】
図示の実施形態では、本体100は、プレート部103を有する。プレート部は、内外側方向及び前後方向に延びている。第1の軸受ピン101及び第2の軸受ピン102は、プレート部103から軸方向に突出している。プレート部103は、後面1031を有する。軸受ピン101、102は、具体的には、後面1031から突出している。後面1031は近位方向を向いている、すなわち、後面1031の法線方向(これ以上具体的には言及しない)は近位方向に方向づけられている。さらに、プレート部103は、後面1031と遠位方向で反対側に位置する前面1032を有する。図示の実施形態では、後面1031は、平面状であり、切断ガイド面SFに平行である。後面1031の前述の方向付けによって、切断ガイド面SFの向きを視覚的に分かりやすく確認することが可能になる。
【0058】
異なる実施形態では、本体への脛骨切断ブロックの取り外し可能な固定が異なる。基本的には、ラッチ、クランプ、ねじ接続、スナップフィット機構、及び/又は他の何らかのタイプの解除可能な形状嵌合及び/又は力嵌合の接合接続を有することが考えられる。
【0059】
図示の実施形態では、本体100は、ラッチレバー104を有する。図示の構成では、ラッチレバー104は、脛骨切断ブロック400のラッチ部403に解除可能に係止される。ラッチレバー104は、プレート部103に対して係止位置と非係止位置との間で変位可能である。係止位置は、特に
図5で詳細に見ることができる。係止位置において、ラッチレバー104は、ラッチ部403と形状嵌合で取り外し可能に相互作用する。非係止位置(図示せず)において、ラッチレバー104はプレート部103に対して変位しており、係止接続は解除されている。図示の実施形態では、ラッチレバー104は、プレート部103に対して回動軸(これ以上具体的には言及しない)を中心に回動可能である。さらに、ラッチレバー104は、バネ要素105によって係止位置の方向にばねで付勢されている。バネ要素105は、意図しない係止接続の解除を防ぐ。図示の実施形態では、バネ要素105は、コイルバネである。バネ要素105は、一端がプレート部103に支持され、他端がラッチレバー104に支持されている。
【0060】
図6は、本発明による外科用器具1aのさらなる実施形態を示し、外科用器具1aは、脛骨切断ブロック400と共に、本発明による外科用器具システム10aのさらなる実施形態を形成する。さらに、外科用器具システム10aは、髄外ガイドロッド600を備えてよい。外科用器具1aは、構造及び機能に関して、
図1~
図5による外科用器具1と本質的に同じである。したがって、繰り返しを避けるために、以下では、
図1~
図5による外科用器具1に対する外科用器具1aの本質的な相違点のみを議論する。機能的に同一のコンポーネント及び/又は部については、別に説明しない。その代わりに、外科用器具1の説明が明示的に参照される。
【0061】
図1~
図5による外科用器具1とは対照的に、外科用器具1aは、第1の固定装置501と第2の固定装置502とを有する。2つの固定装置501、502によって、2つのスタイラス200、300の回動能力及び直線運動能力を固定することが可能となる。デザイン及び機能に関して、2つの固定装置501、502は同一である。したがって、繰り返しを避けるために、主に第1の固定装置501について説明する。第1の固定装置501に関して説明されることは、第2の固定装置502にも準用される。
【0062】
第1の固定装置501は、第1のスタイラス200及び本体100aに動作可能に接続されている。第1の固定装置501は、固定ホイール5011とねじ部5012とを有する。固定ホイール5011は、雌ねじ(これ以上具体的には言及しない)を有し、ねじ運動のためにねじ部5012に螺合される。ねじ部5012は、本体100aの第1の軸受ピンの一端に配置されている。固定ホイール5011は、第1の回動軸に沿うねじ運動のために、ねじ部5012に螺合される。第1のスタイラス200の相対運動能力を固定するために、固定ホイール5011は、時計回り方向にきつく螺合される。その結果、固定ホイール5011は、第1のスタイラス200の後面(これ以上具体的には言及しない)を押圧する。その結果、第1のスタイラス200は、固定ホイール5012と本体100aの第2のラジアルカラー(参照符号なし)との間にしっかりと挟まれる。固定を解除するには、固定ホイール5011が反時計回り方向に回される。
【0063】
本体100aは、
図1~
図5による外科用器具1の本体100と本質的に同じである。本質的な違いは、本体100aの2つの軸受ピンの設計にある。2つの軸受ピン101、102とは対照的に、軸受ピン101a、102aの各々は、第1のラジアルカラーを有さない。その代わりに、ねじ部5012、5022が設けられている。簡単に言えば、2つの固定ホイール5011、5021はそれぞれ、第1のラジアルカラーにとって代わるものである。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膝関節置換術で使用する外科用器具(1、1a)であって、
脛骨(T)の近位部における切断をガイドする脛骨切断ブロック(400)に取り外し可能に固定されるように構成された本体(100、100a)と、
第1のスタイラス(200)及び第2のスタイラス(300)であって、各々が、前記本体(100、100a)に対して可動であるように前記本体(100、100a)に取り付けられており、第1の端(201、301)と第2の端(202、302)との間で長手軸(L1、L2)に沿って延び、前記第1の端(201、301)の各々が前記脛骨(T)の脛骨プラトー(TP)と接触するように設計されている、前記第1のスタイラス(200)及び前記第2のスタイラス(300)と、
を備え、
前記第1のスタイラス(200)は、前記本体(100、100a)及び前記第2のスタイラス(300)に対して第1の回動軸(D1)を中心に回動可能に前記本体(100、100a)に取り付けられており、前記第2のスタイラス(300)は、前記本体(100、100a)及び前記第1のスタイラス(200)に対して第2の回動軸(D2)を中心に回動可能に前記本体(100、100a)に取り付けられていることを特徴とする、外科用器具(1、1a)。
【請求項2】
前記第1の回動軸(D1)及び前記第2の回動軸(D2)は、内外側方向距離(C)だけ互いに離間するように前記本体(100、100a)に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項3】
前記第1の回動軸(D1)と前記第2の回動軸(D2)とは互いに平行であることを特徴とする、請求項1に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項4】
前記第1の回動軸(D1)は前記第1のスタイラス(200)の前記長手軸(L1)と直交し、
前記第2の回動軸(D2)は前記第2のスタイラス(300)の前記長手軸(L2)と直交することを特徴とする、請求項1に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項5】
前記第1の回動軸(D1)及び前記第2の回動軸(D2)は、共通の第1の平面(E1)上に配置されており、
前記第1の平面(E1)は、前記外科用器具(1、1a)が前記脛骨切断ブロック(400)に固定された状態において、前記脛骨切断ブロック(400)の切断ガイド面(SF)と直交することを特徴とする、請求項1に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項6】
前記第1のスタイラス(200)は、前記本体(100、100a)及び前記第2のスタイラス(300)に対して第1のガイド軸(F1)に沿って直線的に可動であるように前記本体(100、100a)に取り付けられており、
前記第2のスタイラス(300)は、前記本体(100、100a)及び前記第1のスタイラス(200)に対して第2のガイド軸(F2)に沿って直線的に可動であるように前記本体(100、100a)に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項7】
前記第1のガイド軸(F1)は、前記第1のスタイラス(200)の前記長手軸(L1)に平行であり、
前記第2のガイド軸(F2)は、前記第2のスタイラス(300)の前記長手軸(L2)に平行であることを特徴とする、請求項6に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項8】
前記第1のガイド軸(F1)及び前記第2のガイド軸(F2)は、共通の第2の平面(E2)上に配置されており、
前記第2の平面(E2)は、前記外科用器具(1、1a)が前記脛骨切断ブロック(400)に固定された状態において、前記脛骨切断ブロック(400)の切断ガイド面(SF)に平行であることを特徴とする、請求項6に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項9】
前記本体(100、100a)は、第1の軸受ピン(101)と第2の軸受ピン(102)とを有し、
前記第1のスタイラス(200)は、第1のスロット(203)を有し、
前記第1の軸受ピン(101)は、前記第1の回動軸(D1)を中心とする相対運動及び前記第1のスロット(203)の長手延在方向(L1´)に沿う相対運動のために、前記第1のスロット(203)と係合しており、
前記第2のスタイラス(300)は、第2のスロット(303)を有し、
前記第2の軸受ピン(102)は、前記第2の回動軸(D2)を中心とする相対運動及び前記第2のスロット(303)の長手延在方向(L2´)に沿う相対運動のために、前記第2のスロット(303)と係合していることを特徴とする、請求項1に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項10】
前記第1の軸受ピン(101)は、軸方向に間隔をあけて配置された2つのラジアルカラー(1011、1012)を有し、それらの間で前記第1のスタイラス(200)が軸方向に形状嵌合するように保持されており、
前記第2の軸受ピン(102)は、軸方向に間隔をあけて配置された2つのラジアルカラー(1021、1022)を有し、それらの間で前記第2のスタイラス(300)が軸方向に形状嵌合するように保持されていることを特徴とする、請求項9に記載の外科用器具(1)。
【請求項11】
前記第1の軸受ピン(101)の前記2つのラジアルカラー(1011、1012)の少なくとも1つは、回転非対称であり、前記第1の回動軸(D1)と直交する方向に細長く、
前記第2の軸受ピン(102)の前記2つのラジアルカラー(1021、1022)の少なくとも1つは、回転非対称であり、前記第2の回動軸(D2)と直交する方向に細長いことを特徴とする、請求項10に記載の外科用器具(1)。
【請求項12】
前記第1のスタイラス(200)及び前記本体(100a)に動作可能に接続され、前記第1のスタイラス(200)の回動能力及び/又は直線運動能力を解除可能に固定するように構成されている第1の固定装置(501)が設けられており、
前記第2のスタイラス(300)及び前記本体(100a)に動作可能に接続され、前記第2のスタイラス(300)の回動能力及び/又は直線運動能力を解除可能に固定するように構成されている第2の固定装置(502)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の外科用器具(1a)。
【請求項13】
前記本体(100、100a)は、平面状の後面(1031)を有するプレート部(103)を有し、
前記後面(1031)は、前記外科用器具(1、1a)が前記脛骨切断ブロック(400)に固定された状態において、前記脛骨切断ブロック(400)の切断ガイド面(SF)に平行であることを特徴とする、請求項1に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項14】
前記本体(100、100a)は、バネ付勢されたラッチレバー(104)を有し、
前記ラッチレバー(104)は、前記外科用器具(1、1a)が前記脛骨切断ブロック(400)に固定された状態において、前記脛骨切断ブロック(400)のラッチ部(403)に形状嵌合で取り外し可能に係止されることを特徴とする、請求項1に記載の外科用器具(1、1a)。
【請求項15】
膝関節置換術で使用するための外科用器具システム(10、10a)であって、請求項1に記載の外科用器具(1、1a)と、前記外科用器具(1、1a)が取り外し可能に固定される脛骨切断ブロック(400)と、を備える、外科用器具システム(10、10a)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
本体100aは、
図1~
図5による外科用器具1の本体100と本質的に同じである。本質的な違いは、本体100aの2つの軸受ピンの設計にある。2つの軸受ピン101、102とは対照的に、軸受ピン101a、102aの各々は、第1のラジアルカラーを有さない。その代わりに、ねじ部5012、5022が設けられている。簡単に言えば、2つの固定ホイール5011、5021はそれぞれ、第1のラジアルカラーにとって代わるものである。
以下の項目は、出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
膝関節置換術で使用する外科用器具(1、1a)であって、
脛骨(T)の近位部における切断をガイドする脛骨切断ブロック(400)に取り外し可能に固定されるように構成された本体(100、100a)と、
第1のスタイラス(200)及び第2のスタイラス(300)であって、各々が、前記本体(100、100a)に対して可動であるように前記本体(100、100a)に取り付けられており、第1の端(201、301)と第2の端(202、302)との間で長手軸(L1、L2)に沿って延び、前記第1の端(201、301)の各々が前記脛骨(T)の脛骨プラトー(TP)と接触するように設計されている、前記第1のスタイラス(200)及び前記第2のスタイラス(300)と、
を備え、
前記第1のスタイラス(200)は、前記本体(100、100a)及び前記第2のスタイラス(300)に対して第1の回動軸(D1)を中心に回動可能に前記本体(100、100a)に取り付けられており、前記第2のスタイラス(300)は、前記本体(100、100a)及び前記第1のスタイラス(200)に対して第2の回動軸(D2)を中心に回動可能に前記本体(100、100a)に取り付けられていることを特徴とする、外科用器具(1、1a)。
(項目2)
前記第1の回動軸(D1)及び前記第2の回動軸(D2)は、内外側方向距離(C)だけ互いに離間するように前記本体(100、100a)に配置されていることを特徴とする、項目1に記載の外科用器具(1、1a)。
(項目3)
前記第1の回動軸(D1)と前記第2の回動軸(D2)とは互いに平行であることを特徴とする、項目1又は2に記載の外科用器具(1、1a)。
(項目4)
前記第1の回動軸(D1)は前記第1のスタイラス(200)の前記長手軸(L1)と直交し、
前記第2の回動軸(D2)は前記第2のスタイラス(300)の前記長手軸(L2)と直交することを特徴とする、項目1から3のいずれか一項に記載の外科用器具(1、1a)。
(項目5)
前記第1の回動軸(D1)及び前記第2の回動軸(D2)は、共通の第1の平面(E1)上に配置されており、
前記第1の平面(E1)は、前記外科用器具(1、1a)が前記脛骨切断ブロック(400)に固定された状態において、前記脛骨切断ブロック(400)の切断ガイド面(SF)と直交することを特徴とする、項目1から4のいずれか一項に記載の外科用器具(1、1a)。
(項目6)
前記第1のスタイラス(200)は、前記本体(100、100a)及び前記第2のスタイラス(300)に対して第1のガイド軸(F1)に沿って直線的に可動であるように前記本体(100、100a)に取り付けられており、
前記第2のスタイラス(300)は、前記本体(100、100a)及び前記第1のスタイラス(200)に対して第2のガイド軸(F2)に沿って直線的に可動であるように前記本体(100、100a)に取り付けられることを特徴とする、項目1から5のいずれか一項に記載の外科用器具(1、1a)。
(項目7)
前記第1のガイド軸(F1)は、前記第1のスタイラス(200)の前記長手軸(L1)に平行であり、
前記第2のガイド軸(F2)は、前記第2のスタイラス(300)の前記長手軸(L2)に平行であることを特徴とする、項目6に記載の外科用器具(1、1a)。
(項目8)
前記第1のガイド軸(F1)及び前記第2のガイド軸(F2)は、共通の第2の平面(E2)上に配置されており、
前記第2の平面(E2)は、前記外科用器具(1、1a)が前記脛骨切断ブロック(400)に固定された状態において、前記脛骨切断ブロック(400)の切断ガイド面(SF)に平行であることを特徴とする、項目6又は7に記載の外科用器具(1、1a)。
(項目9)
前記本体(100、100a)は、第1の軸受ピン(101)と第2の軸受ピン(102)とを有し、
前記第1のスタイラス(200)は、第1のスロット(203)を有し、
前記第1の軸受ピン(101)は、前記第1の回動軸(D1)を中心とする相対運動及び前記第1のスロット(203)の長手延在方向(L1´)に沿う相対運動のために、前記第1のスロット(203)と係合しており、
前記第2のスタイラス(300)は、第2のスロット(303)を有し、
前記第2の軸受ピン(102)は、前記第2の回動軸(D2)を中心とする相対運動及び前記第2のスロット(303)の長手延在方向(L2´)に沿う相対運動のために、前記第2のスロット(303)と係合していることを特徴とする、項目1から8のいずれか一項に記載の外科用器具(1、1a)。
(項目10)
前記第1の軸受ピン(101)及び前記第2の軸受ピン(102)の各々は、軸方向に間隔をあけて配置された2つのラジアルカラー(1011、1012;1021、1022)を有し、それらの間でそれぞれの前記スタイラス(200、300)が軸方向に形状嵌合するように保持されていることを特徴とする、項目9に記載の外科用器具(1)。
(項目11)
前記2つのラジアルカラー(1011、1012;1021、1022)の少なくとも1つは、回転非対称であり、前記回動軸(D1、D2)と直交する方向に細長いことを特徴とする、項目10に記載の外科用器具(1)。
(項目12)
前記第1のスタイラス(200)及び前記本体(100a)に動作可能に接続され、前記第1のスタイラス(200)の回動能力及び/又は直線運動能力を解除可能に固定するように構成されている第1の固定装置(501)が設けられており、
前記第2のスタイラス(300)及び前記本体(100a)に動作可能に接続され、前記第2のスタイラス(300)の回動能力及び/又は直線運動能力を解除可能に固定するように構成されている第2の固定装置(502)が設けられることを特徴とする、項目1から11のいずれか一項に記載の外科用器具(1a)。
(項目13)
前記本体(100、100a)は、平面状の後面(1031)を有するプレート部(103)を有し、
前記後面(1031)は、前記外科用器具(1、1a)が前記脛骨切断ブロック(400)に固定された状態において、前記脛骨切断ブロック(400)の切断ガイド面(SF)に平行であることを特徴とする、項目1から12のいずれか一項に記載の外科用器具(1、1a)。
(項目14)
前記本体(100、100a)は、バネ付勢されたラッチレバー(104)を有し、
前記ラッチレバー(104)は、前記外科用器具(1、1a)が前記脛骨切断ブロック(400)に固定された状態において、前記脛骨切断ブロック(400)のラッチ部(403)に形状嵌合で取り外し可能に係止されることを特徴とする、項目1から13のいずれか一項に記載の外科用器具(1、1a)。
(項目15)
膝関節置換術で使用するための外科用器具システム(10、10a)であって、項目1から14のいずれか一項に記載の外科用器具(1、1a)と、前記外科用器具(1、1a)が取り外し可能に固定される脛骨切断ブロック(400)と、を備える、外科用器具システム(10、10a)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【外国語明細書】