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特開2023-178254ロボットアームの関節、コネクタ固定具及びロボットアーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178254
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】ロボットアームの関節、コネクタ固定具及びロボットアーム
(51)【国際特許分類】
   B25J 17/00 20060101AFI20231207BHJP
   B25J 19/00 20060101ALI20231207BHJP
   B25J 9/08 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
B25J17/00 A
B25J19/00 F
B25J9/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090239
(22)【出願日】2023-05-31
(31)【優先権主張番号】111120688
(32)【優先日】2022-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】512304009
【氏名又は名称】直得科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】許 明哲
(72)【発明者】
【氏名】呉 軒俊
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS12
3C707CX01
3C707CY03
3C707CY06
3C707CY12
3C707HS27
3C707KV01
3C707KX10
(57)【要約】
【課題】ロボットアームの関節、コネクタ固定具及びロボットアームを提供する。
【解決手段】ロボットアームの関節は関節本体11及び関節ワイヤー群14を有し、関節本体11は固定端111及び駆動端112を含み、関節ワイヤー群14は関節本体11に内設されていると共に所定の接続経路上で延伸されている。所定の接続経路は直線経路Sを含む。関節ワイヤー群14はねじり回転部分140及び固定部分141を含む。ねじり回転部分140の一端は駆動端112の駆動端モジュラー接点台1127に接続され、固定部分141の一端は固定端111の固定端モジュラー接点台1117に接続されている。コネクタ固定具はコネクタ固定具本体及びコネクタ固定具ワイヤー群を有する。関節ワイヤー群14及びコネクタ固定具ワイヤー群は互いに直列接続されている。駆動端112が回転すると、ねじり回転部分140が直線経路S上でねじり回転するように同時に連動する。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定端接続面(1113)を有している固定端(111)及び駆動端接続面(121)を有している駆動端(112)を含む関節本体(11)と、
前記関節本体内に固定され、動力を前記駆動端に出力するモーター(13)と、
前記固定端接続面に固定されている固定端モジュラー接点台(1117)であって、複数の固定端電源接点(1111)及び複数の固定端信号接点(1112)を含み、前記固定端電源接点及び前記固定端信号接点は前記固定端接続面に露出されている前記固定端モジュラー接点台と、
前記駆動端接続面に固定されている駆動端モジュラー接点台(1127)であって、複数の駆動端電源接点(1121)及び複数の駆動端信号接点(1122)を含み、前記駆動端電源接点及び前記駆動端信号接点は前記駆動端接続面に露出されている前記駆動端モジュラー接点台と、
前記関節本体内に設置されている関節ワイヤー群(14)であって、複数の関節ワイヤーを含み、複数の前記関節ワイヤーは予め設定する接続経路上で延伸され、予め設定する前記接続経路は直線経路(S)を含み、前記関節ワイヤー群はねじり回転部分(140)及び固定部分(141)を含み、前記ねじり回転部分の一端は前記駆動端モジュラー接点台に接続され、前記固定部分の一端は前記固定端モジュラー接点台に接続され、前記駆動端が回転すると、前記ねじり回転部分が前記直線経路上でねじり回転するように同時に連動され、前記直線経路の両端には固定具(17)をそれぞれ有し、2つの前記固定具の間に前記ねじり回転部分が形成され、前記固定部分は前記駆動端から離れている固定具と前記固定端との間に位置し、前記駆動端が回転する際に、前記固定部分は関節本体内部でねじり回転しない前記関節ワイヤー群と、を備えていることを特徴とするロボットアームの関節。
【請求項2】
前記駆動端は駆動部材(12)を備え、前記モーターは駆動組立部材(131)により前記駆動部材に接続され、前記駆動部材が前記関節本体に対し回転し、前記駆動端接続面は前記駆動部材に位置し、前記駆動端接続面は前記関節本体に露出されていることを特徴とする請求項1に記載のロボットアームの関節。
【請求項3】
前記固定端モジュラー接点台の前記固定端電源接点及び前記固定端信号接点は凸状を呈する抜きピンであり、前記駆動端モジュラー接点台の前記駆動端電源接点及び前記駆動端信号接点はスロットであり、前記スロットは前記抜きピンに適合する環状挿着内面を含むことを特徴とする請求項1に記載のロボットアームの関節。
【請求項4】
前記関節本体にはスリップリング(18)が内設され、前記スリップリングは前記ねじり回転部分及び前記固定部分に連結され、前記ねじり回転部分及び前記固定部分が相対的に回転することを特徴とする請求項1に記載のロボットアームの関節。
【請求項5】
前記駆動端は回転軸上で回転し、前記駆動端は前記回転軸上に孔部が設けられ、前記直線経路は前記回転軸に設置され、前記関節ワイヤー群は前記孔部を貫通して前記駆動端モジュラー接点台に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のロボットアームの関節。
【請求項6】
さらに、エンコーダー(15)及びドライブ(16)を備え、前記モーターは前記エンコーダー及び前記ドライブに電気的に接続され、前記モーター、前記エンコーダー、及び前記ドライブは前記回転軸上で前記駆動端に近接する方向から前記駆動端から離れる方向に向けて順次設置され、前記直線経路は前記モーター及び前記エンコーダーを貫通していることを特徴とする請求項5に記載のロボットアームの関節。
【請求項7】
前記固定端には固定端ドッキングユニット(1114)が設置され、前記駆動端には駆動端ドッキングユニット(1123)が設置され、前記固定端及び前記駆動端にはフールプルーフユニットが更に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のロボットアームの関節。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1項に記載の前記ロボットアームの関節に組み立てられているコネクタ固定具であって、
第1端(211、311)及び第2端(212、312)を含み、前記第1端には第1端接続面(2113、3113)が設けられ、第1端モジュラー接点台(2117、3117)は前記第1端接続面に固定され、前記第1端モジュラー接点台は第1端電源接点(2111、3111)及び前記第1端接続面に設置されていると共に露出されている第1端信号接点(2112、3112)を含み、前記第2端には第2端接続面(2123、3123)が設けられ、前記第2端接続面に固定されている第2端モジュラー接点台(2127、3127)を有し、前記第2端モジュラー接点台は第2端電源接点(2121、3121)及び前記第2端接続面に設置されていると共に露出されている第2端信号接点(2122、3122)を含むコネクタ固定具本体(21、31)と、
前記コネクタ固定具本体に内設されているコネクタ固定具ワイヤー群(22、32)であって、複数のコネクタ固定具線材を含み、一端は前記第1端モジュラー接点台に接続され、他端は前記第2端モジュラー接点台に接続されている前記コネクタ固定具ワイヤー群と、を備えていることを特徴とするコネクタ固定具。
【請求項9】
前記第1端モジュラー接点台の前記第1端電源接点及び前記第1端信号接点はスロットであり、前記スロットは環状挿着内面を含み、前記第2端モジュラー接点台の前記第2端電源接点及び前記第2端信号接点はスロットであり、前記スロットは環状挿着内面を含むことを特徴とする請求項8に記載のコネクタ固定具。
【請求項10】
前記第1端モジュラー接点台の前記第1端電源接点及び前記第1端信号接点は抜きピンであり、前記第2端モジュラー接点台の前記第2端電源接点及び前記第2端信号接点はスロットであり、前記スロットは環状挿着内面を含むことを特徴とする請求項9に記載のコネクタ固定具。
【請求項11】
前記第1端には第1端ドッキングユニット(2114、3114)が設置され、前記第2端には第2端ドッキングユニット(2124、3124)が設置されていることを特徴とする請求項8に記載のコネクタ固定具。
【請求項12】
請求項1から7の何れか1項に記載のロボットアームの関節及びコネクタ固定具を含むロボットアームであって、
前記コネクタ固定具は、
第1端(211、311)及び第2端(212、312)を含み、前記第1端には第1端接続面(2113、3113)が設けられ、前記第1端接続面に固定されている第1端モジュラー接点台(2117、3117)を有し、前記第1端モジュラー接点台は第1端電源接点(2111、3111)及び前記第1端接続面に設置されていると共に露出されている第1端信号接点2112、3112)を含み、前記第2端には第2端接続面(2123、3123)が設けられ、前記第2端接続面に固定されている第2端モジュラー接点台(2127、3127)を有し、前記第2端モジュラー接点台は第2端電源接点(2121、3121)及び前記第2端接続面に設置されていると共に露出されている第2端信号接点(2122、3122)を含むコネクタ固定具本体(21、31)と、
前記コネクタ固定具本体に内設されているコネクタ固定具ワイヤー群(22、32)であって、複数のコネクタ固定具線材を含み、一端は前記第1端モジュラー接点台に接続され、他端は前記第2端モジュラー接点台に接続されている前記コネクタ固定具ワイヤー群と、を備え、
前記関節本体の前記固定端は下記の何れか1つの接続関係を有し、
前記第1端に接続され、同時に前記固定端電源接点及び前記固定端信号接点が前記第1端電源接点及び前記第1端信号接点にそれぞれ接続され、
前記第2端に接続され、同時に前記固定端電源接点及び前記固定端信号接点が前記第2端電源接点及び前記第2端信号接点にそれぞれ接続され、或いは、
他の関節本体の駆動端に接続され、同時に前記固定端電源接点及び前記固定端信号接点が他の関節本体の前記駆動端電源接点及び前記駆動端信号接点にそれぞれ接続され、
前記関節本体の前記駆動端は下記の何れか1つの接続関係を有し、
前記第1端に接続され、同時に前記駆動端電源接点及び前記駆動端信号接点が前記第1端電源接点及び前記第1端信号接点にそれぞれ接続され、
前記第2端に接続され、同時に前記駆動端電源接点及び前記駆動端信号接点が前記第2端電源接点及び前記第2端信号接点にそれぞれ接続され、或いは、
他の関節本体の固定端に接続され、同時に前記駆動端電源接点及び前記駆動端信号接点が他の関節本体の前記固定端電源接点及び前記固定端信号接点にそれぞれ接続され、
前記関節ワイヤー群及び前記コネクタ固定具ワイヤー群は上記の接続関係により互いに直列接続されていることを特徴とするロボットアーム。
【請求項13】
各接点の接続関係は抜きピンがスロット中に挿着され、前記スロットの環状挿着内面に適合すると共に前記抜きピンを被覆することを特徴とする請求項12に記載のロボットアーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットアームの関節、コネクタ固定具及びロボットアームに関し、より詳しくは、ロボットアームは電力及び信号を伝送するためのワイヤーがロボットアームの関節及びコネクタ固定具内部に設置され、電源接点及び信号接点がロボットアームの関節及びコネクタ固定具の端部で連結されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットアームは多くの関節が連結されることで構成されており、例えば、最もよくあるロボットアームとして6軸ロボットアームがある。ロボットアームの各関節の間は電源線及び信号線により接続され、ロボットアームの各軸が電力により駆動されると共に入力された信号に基づいて予め設定された動作を順次完遂する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第20210370498号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第7206666号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の特許文献では、例えば、下記特許文献1には「Assembly for a Robot, and Robot Device」が開示されている。この特許文献において、ロボットアームの隣接する2つの関節の接続には以下の特徴を含む。
(1)第1回路基板11及び第2回路基板12を直接ドッキング平面とする。但し、この特徴は強度不足という問題があり、組み立て過程において、第1回路基板11及び第2回路基板12が大きな外力の衝突を受けると毀損しやすかった。
(2)第1回路基板11の電源用端子31には凹型設計を採用し、第2回路基板12の電源用端子34は突出状シート体である。この特徴において、突出状の電源用端子34は異物がぶつかる、或いはドッキング時の位置の誤差により容易に湾曲したり、破壊されてしまい、ドッキングを正確に実行できず、電源を伝送できなくなった。また、突出状の電源用端子34を凹型の電源用端子31に挿入すると、凹型の電源用端子31が突出状の電源用端子34を不完全に被覆し、接触面積が限定され、同じ電圧でも電流が小さくなり、且つ電気抵抗が高くなって過熱しやすくなった。
(3)第1回路基板11の信号用端子32は触点であり、第2回路基板12の信号用端子35はばねである。この特徴において、ばね式の信号用端子35も異物がぶつかると容易に偏移し、ドッキングを正確に実行できなくなり、電源を伝送できなくなった。或いは、触点式の信号伝送を採用する場合、信号強度が弱いという問題があった。
【0005】
また、例えば、下記特許文献2には「Actuator unit and multi-axis robot」が開示されている。この特許文献において、ロボットアームの隣接する2つの関節の接続は以下の特徴を含む。この文献の明細書の段落(0092)には、電気接点56から延伸されているワイヤーハーネス57が出力軸55を数回巻回した後、アクチュエーターユニットの制御基板40に接続される。同様に、電気接点46から延伸されているワイヤーハーネス(図示省略)が出力軸45を数回巻回した後、アクチュエーターユニット中の制御基板40に接続される(図5参照)ことが記載されている。また、この文献の明細書の段落(0093)には、ワイヤーハーネス57がモーターに接続されている出力軸55を巻回し、出力軸55の回転時(約-180度から約+180度)に範囲内にあるワイヤーハーネス57が切断されるのを防止している。また、出力軸55が複数回回転し、巻回構造がワイヤーハーネス57の金属疲労を抑制することも記載されている。すなわち、特許文献2は『ワイヤーハーネス57が出力軸55を数回巻回する』技術によりワイヤーハーネス57の金属疲労を回避しているが、但し、『ワイヤーハーネス57が出力軸55を数回巻回する』には以下の欠陥があった。
(1)出力軸55が回転する際に、ワイヤーハーネス57が出力軸55の螺旋経路に沿って引っ張られるか緩められ、ワイヤーハーネス57が引っ張られた際の可動許容度を保つために、ワイヤーハーネス57は出力軸55に緩く巻き付けられる必要があり、且つより長いワイヤーハーネス57を使用して複数回巻き付けることで、出力軸55の回転に対応する必要がある。
(2)マイクロ型または小型のロボットアームは、ロボットアームの関節内の空間に限りがあり、ロボットアームの関節内の部材が密接しており、『ワイヤーハーネス57が出力軸55を数回巻回する』方式はマイクロ型または小型のロボットアームに使用するには不適合である。
(3)図10に示すように、『ワイヤーハーネス57が出力軸55を数回巻回する』方式は、ワイヤーハーネス57と出力軸55の回転軸心との間に巻回半径Rが形成され、出力軸55が頻繁に回転する状態において、ワイヤーハーネス57が頻繁に引っ張られる状態及び緩められる状態になり、巻回半径Rの距離が大きいため、ワイヤーハーネス57が出力軸55を数回巻回すると、ワイヤーハーネス57が金属疲労を起こしやすかった。
【0006】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みて本発明者の鋭意研究により成されたものであり、その目的は、ロボットアームの関節、コネクタ固定具及びロボットアームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施態様によれば、ロボットアームの関節が提供される。本発明に係るロボットアームの関節は、固定端接続面(1113)を有している固定端(111)及び駆動端接続面(121)を有している駆動端(112)を含む関節本体(11)と、前記関節本体内に固定され、動力を前記駆動端に出力するモーター(13)と、前記固定端接続面に固定されている固定端モジュラー接点台(1117)であって、複数の固定端電源接点(1111)及び複数の固定端信号接点(1112)を含み、前記固定端電源接点及び前記固定端信号接点は前記固定端接続面に露出されている前記固定端モジュラー接点台と、前記駆動端接続面に固定されている駆動端モジュラー接点台(1127)であって、複数の駆動端電源接点(1121)及び複数の駆動端信号接点(1122)を含み、前記駆動端電源接点及び前記駆動端信号接点は前記駆動端接続面に露出されている前記駆動端モジュラー接点台と、前記関節本体内に設置されている関節ワイヤー群(14)であって、複数の関節ワイヤーを含み、複数の前記関節ワイヤーは予め設定する接続経路上で延伸され、予め設定する前記接続経路は直線経路(S)を含み、前記関節ワイヤー群はねじり回転部分(140)及び固定部分(141)を含み、前記ねじり回転部分の一端は前記駆動端モジュラー接点台に接続され、前記固定部分の一端は前記固定端モジュラー接点台に接続され、前記駆動端が回転すると、前記ねじり回転部分が前記直線経路上でねじり回転するように同時に連動される前記関節ワイヤー群と、を備えている。
【0009】
また、本発明に係るロボットアームの関節において、前記駆動端は駆動部材(12)を備え、前記モーターは駆動組立部材(131)により前記駆動部材に接続され、前記駆動部材が前記関節本体に対し回転し、前記駆動端接続面は前記駆動部材に位置し、前記駆動端接続面は前記関節本体に露出されている。
【0010】
また、本発明に係るロボットアームの関節において、前記固定端モジュラー接点台の前記固定端電源接点及び前記固定端信号接点は突出状を呈する抜きピンであり、前記駆動端モジュラー接点台の駆動端電源接点及び駆動端信号接点はスロットであり、前記スロットは抜きピンに適合する環状挿着内面を含む。
【0011】
また、本発明に係るロボットアームの関節において、前記直線経路の両端には固定具をそれぞれ有し、前記関節ワイヤー群は2つの固定具固定具の間に前記ねじり回転部分が形成されている。
【0012】
また、本発明に係るロボットアームの関節において、前記関節本体にはスリップリング(18)が内設され、前記スリップリングは前記ねじり回転部分及び前記固定部分に連結され、前記ねじり回転部分及び前記固定部分が相対的に回転する。
【0013】
また、本発明に係るロボットアームの関節において、前記駆動端は回転軸上で回転し、前記駆動端は前記回転軸上に孔部が設けられ、前記直線経路は前記回転軸に設置され、前記関節ワイヤー群は前記孔部を貫通して前記駆動端モジュラー接点台に接続されている。
【0014】
また、本発明に係るロボットアームの関節において、エンコーダー(15)及びドライブ(16)を備え、前記モーターは前記エンコーダー及び前記ドライブに電気的に接続され、前記モーター、前記エンコーダー、及び前記ドライブは前記回転軸上で前記駆動端に近接する方向から前記駆動端から離れる方向に向けて順次設置され、直線経路は前記モーター及び前記エンコーダーを貫通している。
【0015】
また、本発明に係るロボットアームの関節において、前記固定端には固定端ドッキングユニット(1114)が設置され、前記駆動端には駆動端ドッキングユニット(1123)が設置され、前記固定端及び前記駆動端にはフールプルーフユニットが更に設置されている。
【0016】
また、本発明の他の実施態様によれば、前記ロボットアームの関節に組み立てられるコネクタ固定具が提供される。前記コネクタ固定具は、第1端(211、311)及び第2端(212、312)を含み、前記第1端には第1端接続面(2113、3113)が設けられ、第1端モジュラー接点台(2117、3117)は前記第1端接続面に固定され、前記第1端モジュラー接点台は第1端電源接点(2111、3111)及び前記第1端接続面に設置されていると共に露出されている第1端信号接点(2112、3112)を含み、前記第2端には第2端接続面(2123、3123)が設けられ、前記第2端接続面に固定されている第2端モジュラー接点台(2127、3127)を有し、前記第2端モジュラー接点台は第2端電源接点(2121、3121)及び前記第2端接続面に設置されていると共に露出されている第2端信号接点(2122、3122)を含むコネクタ固定具本体(21、31)と、前記コネクタ固定具本体に内設されているコネクタ固定具ワイヤー群(22、32)であって、前記コネクタ固定具ワイヤー群は複数のコネクタ固定具線材を含み、前記コネクタ固定具ワイヤー群の一端は前記第1端モジュラー接点台に接続され、前記コネクタ固定具ワイヤー群の他端は前記第2端モジュラー接点台に接続されている前記コネクタ固定具ワイヤー群と、を備えている。
【0017】
また、本発明に係るコネクタ固定具において、前記第1端モジュラー接点台の第1端電源接点及び第1端信号接点はスロットであり、前記スロットは環状挿着内面を含み、前記第2端モジュラー接点台の前記第2端電源接点及び前記第2端信号接点はスロットであり、前記スロットは環状挿着内面を含む。
【0018】
また、本発明に係るコネクタ固定具において、前記第1端モジュラー接点台の前記第1端電源接点及び前記第1端信号接点は抜きピンであり、前記第2端モジュラー接点台の前記第2端電源接点及び前記第2端信号接点はスロットであり、前記スロットは環状挿着内面を含む。
【0019】
また、本発明に係るコネクタ固定具において、前記第1端には第1端ドッキングユニット(2114、3114)が設置され、前記第2端には第2端ドッキングユニット(2124、3124)が設置されている。
【0020】
さらに、本発明のさらなる他の実施態様によれば、前記ロボットアームの関節及び前記コネクタ固定具と互いに組み立てられるロボットアームが提供される。前記組み立ては、
前記関節本体の前記固定端は下記の何れか1つの接続関係を有し、
前記第1端に接続され、同時に前記固定端電源接点及び前記固定端信号接点が前記第1端電源接点及び前記第1端信号接点にそれぞれ接続され、
前記第2端に接続され、同時に前記固定端電源接点及び前記固定端信号接点が前記第2端電源接点及び前記第2端信号接点にそれぞれ接続され、或いは、
他の関節本体の駆動端に接続され、同時に前記固定端電源接点及び前記固定端信号接点が他の関節本体の前記駆動端電源接点及び前記駆動端信号接点にそれぞれ接続されることを含む。
【0021】
前記関節本体の前記駆動端は下記の何れか1つの接続関係を有し、
前記第1端に接続され、同時に前記駆動端電源接点及び前記駆動端信号接点が前記第1端電源接点及び前記第1端信号接点にそれぞれ接続され、
前記第2端に接続され、同時に前記駆動端電源接点及び前記駆動端信号接点が前記第2端電源接点及び前記第2端信号接点にそれぞれ接続され、或いは、
他の関節本体の固定端に接続され、同時に前記駆動端電源接点及び前記駆動端信号接点が他の関節本体の前記固定端電源接点及び前記固定端信号接点にそれぞれ接続され、
前記関節ワイヤー群及び前記コネクタ固定具ワイヤー群は上記の接続関係により互いに直列接続されている。
【0022】
さらに、各接点の接続関係は抜きピンがスロット中に挿着され、前記スロットの環状挿着内面は前記抜きピンに適合すると共に被覆する。
【発明の効果】
【0023】
このように、本発明によれば、次のような効果がある。
1.関節ワイヤー群は直線経路に沿って駆動端に接続され、駆動端が回転する際に、関節ワイヤー群は『直線経路上でねじり回転する』形態を呈することによって、関節ワイヤー群が最小の変形を有し、駆動端が大きな角度で正回転または逆回転するのを支持し、よって、関節ワイヤー群が更に長い耐用年数を有する。関節ワイヤー群は予め設定する接続経路(特に回転軸の直線経路)上でのみ自身がねじり回転を発生させ、ワイヤーが軸の周りを巻回する連続的な引っ張りと緩みを発生させず、容易に金属疲労問題が発生しない。
2.駆動端の関節ワイヤー群は螺旋巻回式の組み立てを放棄し、直線経路に沿って敷設するように改変し、ロボットアームの関節内部に関節ワイヤー群の動作過程での螺旋巻回による変形に対応するための過大な空間を保留する必要がない。こうすることで、特に関節内部の空間に限りがある小型ロボットアームやマイクロ型ロボットアームに適用する。先行技術と比較すると、関節ワイヤー群自身が発生させるねじり回転のねじり回転半径rは特許文献2の明細書のものよりも遥かに小さく、ワイヤーハーネスが発生させる巻回の巻回半径Rは(r<R)であり、よって、本発明は小型の関節本体に適用可能である。
3.本発明のロボットアームの関節をコネクタ固定具と組み立てた後、各電源接点及び各信号接点の自動ドッキングが完成し、これにより電源及び信号がロボットアームの各軸の関節に確実に伝送され、ロボットアームがスムーズに駆動する。
4.ロボットアームの関節内部の関節ワイヤー群が2つの固定具により固定されることで、関節ワイヤー群の両端の接点箇所が駆動端の回転時に応力を受けて接点箇所の接触不良や断裂が生じることがなくなる。関節ワイヤー群がねじり回転部分及び固定部分に区分され、そのうちのねじり回転部分は実質的に直線経路に沿って設置され、関節ワイヤー群に更に大きな範囲のねじり回転空間及びねじり回転許容度を提供し、ねじり回転部分が頻繁に正方向及び逆方向にねじり回転するのを許容する。
5.スリップリングを更に利用して関節ワイヤー群のねじり回転部分及び固定部分に接続し、駆動端を無制限に回転させる。スリップリング中で関節ワイヤー群の回転が完結し、関節ワイヤー群のねじり回転が発生しない。
6.全てのワイヤー群はロボットアーム内部に隠されて外に露出せず、ロボットアームの移動過程において、外に露出するワイヤー群に邪魔されない。
7.本発明のロボットアームの関節をコネクタ固定具と組み立てる際に、関節本体の固定端及び駆動端が固定端接続面及び駆動端接続面をそれぞれのドッキング平面とし、コネクタ固定具の第1端及び第2端は第1端接続面及び第2端接続面をそれぞれのドッキング平面とし、ドッキング平面は、例えば、関節本体及びコネクタ固定具本体が同じ剛性の金属材質を採用し、回路基板(PCB基板)を採用せずにドッキングを行う。このため、高い構造強度を有している。
8.本発明のロボットアームの関節とコネクタ固定具とを組み立てる際に、各電源接点及び各信号接点は突出状シート体及び凹型の配置を採用しておらず、触点及びばねの配置も採用しておらず、衝突して湾曲し毀損する問題が発生しない。
9.本発明の関節本体及びコネクタ固定具本体を相互に接続する場合、各接点の接続関係はスロット中に挿着される抜きピンであり、スロットの環状挿着内面は抜きピンに適合すると共に被覆するため、相対する接点が最大の接触面積を有する。信号を伝送する際に、高い信号強度を有する。電流を伝送する際に、小さな電気抵抗を有し、過熱して昇温するのを回避する。
【0024】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施例に係るロボットアームを示す外観斜視図である。
図2】本発明の一実施例に係るロボットアームをある角度から見た一部の分解斜視図である。
図3】本発明の一実施例に係るロボットアームを他の角度から見た一部の分解斜視図である。
図4】本発明の一実施例に係るロボットアームの関節を示す外観斜視図である。
図5図4に示す一実施形態の傾斜断面図である。
図5A図4に示す一実施形態を概略的に説明する平面断面図である。
図6】本発明の一実施例に係るロボットアームの第1コネクタ固定具の外観斜視図である。
図6A】本発明の一実施例に係るロボットアームの第1コネクタ固定具をある角度から見た外観斜視図である。
図6B】本発明の一実施例に係るロボットアームの第2コネクタ固定具を示す外観斜視図である。
図7】本発明の一実施例に係るロボットアームを示す平面図である。
図8】本発明の実施形態において、関節本体とコネクタ固定具本体とを接続した際の各の接点関係を概略的に示し、一方の関節本体の固定端が他方の関節本体の駆動端に接続されている一例を例にとり説明する断面図である。
図8A図8において、固定端電源接点と固定端信号接点が駆動端の電源接点と駆動端の信号接点を凹型にするスロットに突出状の抜きピンで差し込まれ、スロットの環状挿着内面に適合すると共に抜きピンを被覆する概略図である。
図9】本発明の実施形態において、関節本体の駆動端が回転すると、予め設定された接続経路上で関節ワイヤー群がねじれる概略図である。
図10】従来のロボットアームの出力軸が回転する際に、ワイヤーハーネスが出力軸の螺旋経路に沿って巻き取られたり、引っ張られたり緩められたりする様子を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明のロボットアームの関節、コネクタ固定具及びロボットアームの実施形態を説明する。本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に説明する部材、材料等は、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0027】
まず、図1図3を参照しながら、本発明に係るロボットアームAを詳しく説明する。本発明に係るロボットアームAは、6軸ロボットアームであり、6個のロボットアームの関節10及び2個のコネクタ固定具が組み立てられることで構成されている。2個のコネクタ固定具は第1コネクタ固定具20及び第2コネクタ固定具30に分けられ、第1コネクタ固定具20及び第2コネクタ固定具30の構造は同じであるが、本実施例の6軸ロボットアームを構成するために異なる外形を有している。ロボットアームの関節10は関節本体11を備え、関節本体11は固定端111及び駆動端112を含み、第1コネクタ固定具20は第1コネクタ固定具本体21を含み、第1コネクタ固定具本体21は第1端211及び第2端212で構成されている。第2コネクタ固定具30は第2コネクタ固定具本体31を備え、第2コネクタ固定具本体31は同様に第1端311及び第2端312で構成されている。
【0028】
本実施例のロボットアームの関節10及びコネクタ固定具の組み立て方式は、隣接する2つの関節本体11において、そのうちの1つの関節本体11の固定端111は他の関節本体11の駆動端112に接続されることを含む。隣接する関節本体11及び第1コネクタ固定具本体21において、第1コネクタ固定具本体21の第1端211及び第2端212は隣接する関節本体11の固定端111にそれぞれ接続されている。隣接する関節本体11及び第2コネクタ固定具本体31において、第2コネクタ固定具本体31の第1端311は隣接する関節本体11の駆動端112に接続され、第2コネクタ固定具本体31の第2端312は隣接する関節本体11の固定端111に接続されている。
【0029】
図4図5及び図5Aに示すように、関節本体11の固定端111には固定端電源接点1111及び固定端信号接点1112が設置され、具体的には、固定端電源接点1111及び固定端信号接点1112は固定端モジュラー接点台1117に統合されている。関節本体11の駆動端112には駆動端電源接点1121及び駆動端信号接点1122が設置され、具体的には、駆動端電源接点1121及び駆動端信号接点1122は駆動端モジュラー接点台1127に統合されている。駆動端112は駆動部材12を備え、駆動部材12は駆動端接続面121を含み、駆動端接続面121は関節本体11に露出され、駆動端モジュラー接点台1127は駆動端接続面121に固定され、且つ駆動端電源接点1121及び駆動端信号接点1122は駆動端接続面121に露出されている。固定端111は固定端接続面1113を有し、固定端モジュラー接点台1117は固定端接続面1113に固定され、且つ固定端電源接点1111及び固定端信号接点1112は固定端接続面1113に露出されている。本実施例では、さらに、固定端111には固定端ドッキングユニット1114が設置され、駆動端112には駆動端ドッキングユニット1123が設置され、固定端111及び駆動端112にはフールプルーフユニットが設置されている。具体的には、固定端ドッキングユニット1114は嵌入部であり、駆動端ドッキングユニット1123は駆動部材12が関節本体11に突出することで形成されている突出部である。固定端ドッキングユニット1114及び駆動端ドッキングユニット1123の周縁には複数のピンホール1115/1124がそれぞれ設けられ、固定端111にあるフールプルーフユニットは凸部1116であり、駆動端112にあるフールプルーフユニットは凹部1125であり、フールプルーフユニットにより隣接する関節本体11の固定端111が互いに接触するのを回避し、隣接する関節本体11の駆動端112が互いに接触するのを回避している。
【0030】
ロボットアームの関節10はモーター13及び関節ワイヤー群14を更に備え、エンコーダー15及びドライブ16が更に設置されている。モーター13、エンコーダー15、及びドライブ16は互いに電気的に接続されている。モーター13は関節本体11内に固定されていると共に駆動組立部材131により駆動部材12に接続されることで、モーター13が駆動端112に動力を出力し、駆動部材12が関節本体11に対し回転する。関節ワイヤー群14は関節本体11に内設され、関節ワイヤー群14は複数の関節ワイヤーを含み、関節ワイヤー群14の一端は固定端モジュラー接点台1117に接続され、関節ワイヤー群14の他端は駆動端モジュラー接点台1127に接続されている。関節ワイヤー群14の複数の関節ワイヤーは予め設定する接続経路上で延伸され、好ましくは、予め設定する接続経路は直線経路Sを含む。本実施例では、具体的には、駆動端112の駆動部材12は回転軸P上で回転し、駆動端112は回転軸P上に孔部1126が設けられ、直線経路Sは回転軸Pに設置されている。関節ワイヤー群14は孔部1126を貫通して駆動端モジュラー接点台1127に接続され、駆動組立部材131、モーター13、エンコーダー15、及びドライブ16は回転軸P上で駆動端112に近接する方向から駆動端112から離れる方向に向けて順次設置され、直線経路Sは駆動組立部材131、モーター13、及びエンコーダー15を貫通している。さらに、直線経路Sの両端には固定具17をそれぞれ有し、関節ワイヤー群14を固定するために用いられている。関節ワイヤー群14は2つの固定具17をそれぞれ貫通した後にねじり回転部分140及び固定部分141を形成している。ねじり回転部分140は2つの固定具17の間に位置し、ねじり回転部分140は実質的に直線経路Sに沿って設置され、ねじり回転部分140の一端は駆動端モジュラー接点台1127に接続されている。固定部分141は駆動端112から離れている固定具17と固定端111との間に位置し、固定部分141の一端は固定端モジュラー接点台1117に接続され、固定部分141は関節本体11内部で移動またはねじり回転しない。好ましくは、関節本体11内にはスリップリング18が設置され、スリップリング18はねじり回転部分140及び固定部分141に接続され、スリップリング18自体は回転状態において電源及び信号を伝送する。
【0031】
図6及び図6Aに示すように、第1コネクタ固定具本体21の第1端211には第1端電源接点2111及び第1端信号接点2112が設置され、具体的には、第1端電源接点2111及び第1端信号接点2112は第1端モジュラー接点台2117に統合されている。第1コネクタ固定具本体21の第2端212には第2端電源接点2121及び第2端信号接点2122が設置され、具体的には、第2端電源接点2121及び第2端信号接点2122は第2端モジュラー接点台2127に統合されている。第1端211は第1端接続面2113を有し、第1端モジュラー接点台2117は第1端接続面2113に固定され、且つ第1端電源接点2111及び第1端信号接点2112は第1端接続面2113に露出されている。第2端212は第2端接続面2123を有し、第2端モジュラー接点台2127は第2端接続面2123に固定され、且つ第2端電源接点2121及び第2端信号接点2122は第2端接続面2123に露出されている。本実施例では、さらに、第1端211には第1端ドッキングユニット2114が設置され、第2端212には第2端ドッキングユニット2124が設置され、具体的には、第1端ドッキングユニット2114及び第2端ドッキングユニット2124は共に突出部であり、第1端ドッキングユニット2114及び第2端ドッキングユニット2124の周縁には複数のピンホール2115/2125がそれぞれ設けられている。第1端211及び第2端212には、関節本体11の固定端111のフールプルーフユニット(凸部1116)に対応する複数の凹部2116/2126を有している。
【0032】
第1コネクタ固定具20は第1コネクタ固定具ワイヤー群22を更に備え、第1コネクタ固定具ワイヤー群22は第1コネクタ固定具本体21に内設されている。第1コネクタ固定具ワイヤー群22は複数のコネクタ固定具ワイヤーを含み、第1コネクタ固定具ワイヤー群22の一端は第1端モジュラー接点台2117に接続され、第1コネクタ固定具ワイヤー群22の他端は第2端モジュラー接点台2127に接続されている。
【0033】
図6Bに示すように、第2コネクタ固定具本体31の第1端311には第1端電源接点3111及び第1端信号接点3112が設置され、具体的には、第1端電源接点3111及び第1端信号接点3112は第1端モジュラー接点台3117に統合されている。第2コネクタ固定具本体31の第2端312には第2端電源接点3121及び第2端信号接点3122が設置され、具体的には、第2端電源接点3121及び第2端信号接点3122は第2端モジュラー接点台3127に統合されている。第1端311は第1端接続面3113を有し、第1端モジュラー接点台3117は第1端接続面3113に固定され、且つ第1端電源接点3111及び第1端信号接点3112は第1端接続面3113に露出されている。第2端312は第2端接続面3123を有し、第2端モジュラー接点台3127は第2端接続面3123に固定され、且つ第2端電源接点3121及び第2端信号接点3122は第2端接続面3123に露出されている。本実施例では、さらに、第1端311に第1端ドッキングユニット3114が設置され、第2端312に第2端ドッキングユニット3124が設置され、具体的には、第1端ドッキングユニット3114は嵌入部であり、第2端ドッキングユニット3124は突出部であり、第1端ドッキングユニット3114及び第2端ドッキングユニット3124の周縁には複数のピンホール3115/3125がそれぞれ設けられている。第1端311には、関節本体11の駆動端112のフールプルーフユニット(凹部1125)に対応する複数の凸部3116を有し、第2端312には、関節本体11の固定端111のフールプルーフユニット(凸部1116)に対応する複数の凹部3126を有している。
【0034】
第2コネクタ固定具30は第2コネクタ固定具ワイヤー群32を更に備え、第2コネクタ固定具ワイヤー群32は第2コネクタ固定具本体31に内設されている。第2コネクタ固定具ワイヤー群32は複数のコネクタ固定具ワイヤーを含み、第2コネクタ固定具ワイヤー群32の一端は第1端モジュラー接点台3117に接続され、第2コネクタ固定具ワイヤー群32の他端は第2端モジュラー接点台3127に接続されている。
【0035】
上述の各図及び図7を併せて参照し、隣接する2つの関節本体11において、関節本体11の固定端111は他の関節本体11の駆動端112に接続され、固定端ドッキングユニット1114及び駆動端ドッキングユニット1123により隣接する2つの関節本体11が精確にドッキングし、複数のピンが固定端ドッキングユニット1114の周縁にあるピンホール1115及び駆動端ドッキングユニット1123の周縁にあるピンホール1124を貫通することで、ドッキングされている2個の関節本体11が固定され、同時にそのうちの1つの関節本体11の固定端電源接点1111及び固定端信号接点1112が他の関節本体11の駆動端電源接点1121及び駆動端信号接点1122にそれぞれ接続される。図8及び図8Aを参照し、ちなみに、固定端電源接点1111及び固定端信号接点1112は抜きピンを採用し、駆動端電源接点1121及び駆動端信号接点1122に採用されているスロットに挿着され、スロットの環状挿着内面が抜きピンに適合すると共に被覆することで、相対する接点が最大の接触面積を有する。信号の伝送に用いる場合、高い信号強度を有し、電流の伝送に用いる場合、小さい電気抵抗を有し、過熱して昇温するのを回避する。
【0036】
隣接する関節本体11及び第1コネクタ固定具本体21中で、第1コネクタ固定具本体21の第1端211及び第2端212が隣接する関節本体11の固定端111にそれぞれ接続され、固定端ドッキングユニット1114、第1端ドッキングユニット2114、及び第2端ドッキングユニット2124により、隣接する関節本体11及び第1コネクタ固定具本体21が精確にドッキングし、複数のピンが固定端ドッキングユニット1114の周縁にあるピンホール1115及び第1端ドッキングユニット2114の周縁にあるピンホール2115を貫通し、固定端ドッキングユニット1114の周縁にあるピンホール1115及び第2端ドッキングユニット2124の周縁にあるピンホール2125を貫通することで、ドッキングされている関節本体11及び第1コネクタ固定具本体21が固定され、同時に第1端電源接点2111及び第1端信号接点2112、並びに第2端電源接点2121及び第2端信号接点2122が隣接する関節本体11の固定端電源接点1111及び固定端信号接点1112にそれぞれ接続される。接点の接続は同様にスロットの環状挿着内面が抜きピンに適合すると共に被覆する挿着方式を採用している。
【0037】
隣接する関節本体11及び第2コネクタ固定具本体31中で、第2コネクタ固定具本体31の第1端311が隣接する関節本体11の駆動端112に接続され、第2コネクタ固定具本体31の第2端312が隣接する関節本体11の固定端111に接続され、駆動端ドッキングユニット1123及び第1端ドッキングユニット3114、並びに固定端ドッキングユニット1114及び第2端ドッキングユニット3124により、隣接する関節本体11及び第2コネクタ固定具本体31が精確にドッキングし、複数のピンが駆動端ドッキングユニット1123の周縁にあるピンホール1124及び第1端ドッキングユニット3114の周縁にあるピンホール3115を貫通し、固定端ドッキングユニット1114の周縁にあるピンホール1115及び第2端ドッキングユニット3124の周縁にあるピンホール3125を貫通することで、ドッキングされている関節本体11及び第2コネクタ固定具本体31が固定され、同時に第1端電源接点3111及び第1端信号接点3112が隣接する関節本体11の駆動端電源接点1121及び駆動端信号接点1122にそれぞれ接続され、第2端電源接点3121及び第2端信号接点3122が隣接する関節本体11の固定端電源接点1111及び固定端信号接点1112にそれぞれ接続される。上記の接点の接続は同様にスロットの環状挿着内面が抜きピンを適合すると共に被覆する挿着方式を採用している。
【0038】
このようにすることで、ロボットアームの関節10、第1コネクタ固定具20、及び第2コネクタ固定具30をロボットアームAとして組み立て、且つ関節ワイヤー群14、第1コネクタ固定具ワイヤー群22、及び第2コネクタ固定具ワイヤー群32が上記接続関係により相互に直列接続されることで、ロボットアームAが電力及び命令を受けて予期する動作を完遂する。
【0039】
図5A及び図9を参照し、ロボットアームAに電力及び命令が入力され、駆動端112の駆動部材12が関節本体11に対し回転すると、駆動部材12が関節ワイヤー群14のねじり回転部分140を同時に連動して予め設定する接続経路上で自身がねじり回転を発生させる。具体的には、駆動部材12の回転軸P上の直線経路S上でねじり回転を発生させ、且つ関節ワイヤー群14は巻回を発生させない。図9及び図10を参照し、関節ワイヤー群14のねじり回転部分140自身が発生させるねじり回転のねじり回転半径rは特許文献2のものよりも遥かに小さく、ワイヤーハーネスが発生させる巻回は巻回半径R(r<R)であるため、小型の関節本体11に適用可能である。本実施例では、さらに、固定具17により固定端電源接点1111及び固定端信号接点1112、並びに駆動端電源接点1121及び駆動端信号接点1122が駆動端112の回転時に応力を受けて接点箇所の接触不良や断裂を生じることがない。スリップリング18を設置しなければ、ねじり回転部分140が実質的に直線経路Sに沿って設置されているため、ねじり回転部分140が関節ワイヤー群14に十分なねじり回転空間及びねじり回転許容度を提供し、こうすることで、必要な正回転及び逆回転を行う。スリップリング18を設置すると、スリップリング18が駆動端112を無限制に回転させ、関節ワイヤー群14の回転はスリップリング18中で完結し、関節ワイヤー群14の他の部分が力を受けてねじり回転することはない。
【0040】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0041】
A ロボットアーム
10 ロボットアームの関節
11 関節本体
111 固定端
1111 固定端電源接点
1112 固定端信号接点
1113 固定端接続面
1114 固定端ドッキングユニット
1115 ピンホール
1116 凸部
1117 固定端モジュラー接点台
112 駆動端
1121 駆動端電源接点
1122 駆動端信号接点
1123 駆動端ドッキングユニット
1124 ピンホール
1125 凹部
1126 孔部
1127 駆動端モジュラー接点台
12 駆動部材
121 駆動端接続面
13 モーター
131 駆動組立部材
14 関節ワイヤー群
140 ねじり回転部分
141 固定部分
15 エンコーダー
16 ドライブ
17 固定具
18 スリップリング
20 第1コネクタ固定具
21 第1コネクタ固定具本体
211 第1端
2111 第1端電源接点
2112 第1端信号接点
2113 第1端接続面
2114 第1端ドッキングユニット
2115 ピンホール
2116 凹部
2117 第1端モジュラー接点台
212 第2端
2121 第2端電源接点
2122 第2端信号接点
2123 第2端接続面
2124 第2端ドッキングユニット
2125 ピンホール
2126 凹部
2127 第2端モジュラー接点台
22 第1コネクタ固定具ワイヤー群
30 第2コネクタ固定具
31 第2コネクタ固定具本体
311 第1端
3111 第1端電源接点
3112 第1端信号接点
3113 第1端接続面
3114 第1端ドッキングユニット
3115 ピンホール
3116 凸部
3117 第1端モジュラー接点台
312 第2端
3121 第2端電源接点
3122 第2端信号接点
3123 第2端接続面
3124 第2端ドッキングユニット
3125 ピンホール
3126 凹部
3127 第2端モジュラー接点台
32 第2コネクタ固定具ワイヤー群
P 回転軸
S 直線経路
図1
図2
図3
図4
図5
図5A
図6
図6A
図6B
図7
図8
図8A
図9
図10