(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178269
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】ラメラ試料調製のための対象構造体の自動選択
(51)【国際特許分類】
H01J 37/22 20060101AFI20231207BHJP
H01J 37/317 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
H01J37/22 502H
H01J37/317 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023091514
(22)【出願日】2023-06-02
(31)【優先権主張番号】17/832,212
(32)【優先日】2022-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】303043704
【氏名又は名称】エフイーアイ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】ラディム・クリッツ
(72)【発明者】
【氏名】マテイ・ドルニク
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・ブラベル
【テーマコード(参考)】
5C101
【Fターム(参考)】
5C101AA03
5C101AA32
5C101CC14
5C101CC17
5C101DD02
5C101DD03
5C101EE73
5C101FF22
5C101FF47
5C101FF56
5C101FF57
5C101GG04
5C101GG05
5C101GG36
5C101HH33
5C101HH36
5C101JJ01
5C101JJ02
5C101JJ08
5C101KK18
(57)【要約】
【課題】支援装置が、荷電粒子顕微鏡のために提供される。
【解決手段】支援装置は、ラメラ試料を表す画像に自動画像処理を適用して、画像を複数のセグメント化クラスへとセグメント化するように構成される。支援装置はまた、複数のセグメント化クラスに基づいて、ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットを識別し、ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットから、フライス加工のための選択対象構造体を選定するように構成される。支援装置はまた、フライス加工のための選択対象構造体に基づいて、科学機器のための少なくとも1つのフライス加工パラメータを設定するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子顕微鏡のための支援装置であって、
ラメラ試料を表す画像に自動画像処理を適用して、前記画像を複数のセグメント化クラスへとセグメント化するように構成される第1のロジックと、
第2のロジックであって、
前記複数のセグメント化クラスに基づいて、前記ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットを識別し、
前記ラメラ試料内の前記対象構造体のサブセットから、フライス加工のための選択対象構造体を選定するように構成される、第2のロジックと、
前記フライス加工のための選択対象構造体に基づいて、前記荷電粒子顕微鏡のための少なくとも1つのフライス加工パラメータを設定するように構成される第3のロジックと
を備える支援装置。
【請求項2】
前記第1のロジック、前記第2のロジック、および前記第3のロジックは、共通のコンピューティングデバイスによって実施される、請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記第1のロジック、前記第2のロジック、および前記第3のロジックのうちの少なくとも1つは、前記荷電粒子顕微鏡内で実施される、請求項1または2に記載の支援装置。
【請求項4】
前記第1のロジックは、前記荷電粒子顕微鏡に、前記荷電粒子顕微鏡の電子ビームおよび前記荷電粒子顕微鏡のイオンビームからなる群から選択される少なくとも1つで前記ラメラ試料を走査させることによって、前記ラメラ試料を表す画像を取得するようにさらに構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の支援装置。
【請求項5】
前記複数のセグメント化クラスは、複数の対象構造体、複数のグリッド方形枠、複数のクラック、複数の汚染物質、および背景からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の支援装置。
【請求項6】
前記第2のロジックは、
前記複数のグリッド方形枠、前記複数のクラックおよび前記複数の汚染物質に基づいて、二次グリッド方形枠のサブセットを決定することであって、前記二次グリッド方形枠のサブセットの各々がクラックまたは汚染物質の一方または両方を含む、ことと、
前記複数の対象構造体の各々について、前記対象構造体の位置および前記対象構造体のサイズを決定することと、
前記複数の対象構造体の各々について、前記対象構造体の前記位置および前記対象構造体の前記サイズに基づいて、前記対象構造体が前記複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれるかどうかを決定することと、
前記複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる前記複数の対象構造体の各々について、前記対象構造体が前記二次グリッド方形枠のサブセットのうちの1つの中に位置しないときは、前記対象構造体候補のサブセットへの包含のために前記対象構造体を選択することによって、前記対象構造体候補のサブセットを識別することと
を行うようにさらに構成される、請求項5に記載の支援装置。
【請求項7】
前記第2のロジックは、
前記複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる前記複数の対象構造体の各々について、
前記対象構造体と同じグリッド方形枠と共に含まれる前記複数の対象構造体の別のものと前記対象構造体との間の距離を決定し、
同じグリッド方形枠と共に含まれる前記複数の対象構造体の別のものと前記対象構造体との間の距離が、対象構造体用距離しきい値を下回るときは、前記対象構造体を前記対象構造体候補のサブセットから除外するようにさらに構成される、請求項6に記載の支援装置。
【請求項8】
前記第2のロジックは、前記複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる前記複数の対象構造体のうちのどれが、前記対象構造体を含む前記グリッド方形枠の中心の最も近くに位置するかに基づいて、前記選択対象構造体を選定することによって、フライス加工のための前記選択対象構造体を選定するようにさらに構成される、請求項6または7に記載の支援装置。
【請求項9】
前記第3のロジックは、フライス加工角度、フライス加工時間、およびフライス加工パターンからなる群から選択する少なくとも1つを設定することによって、前記荷電粒子顕微鏡のための少なくとも1つのフライス加工パラメータを設定するようにさらに構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載の支援装置。
【請求項10】
前記第3のロジックは、イオンビーム機器に、前記少なくとも1つのフライス加工パラメータに従って、前記選択対象構造体をフライス加工させるようにさらに構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の支援装置。
【請求項11】
科学機器支援を提供するためのコンピューティングデバイスにより実施される自動化方法であって、
ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットを識別するステップと、
前記ラメラ試料内の前記対象構造体候補のサブセットから、フライス加工のための選択象構造体を選定するステップと、
前記フライス加工のための選択対象構造体に基づいて、荷電粒子顕微鏡のための少なくとも1つのフライス加工パラメータを設定するステップと
を含む、方法。
【請求項12】
ラメラ試料を表す画像に自動画像処理を適用して、前記画像を複数のセグメント化クラスへとセグメント化するステップをさらに含み、
前記複数のセグメント化クラスは、複数の対象構造体、複数のグリッド方形枠、複数のクラック、複数の汚染物質、および背景からなる群から選択される少なくとも1つを含み、
前記ラメラ試料内の前記対象構造体候補のサブセットを識別するステップは、前記複数のセグメント化クラスに基づいて前記対象構造体候補のサブセットを識別することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記対象構造体候補のサブセットの各々について、
前記対象構造体と前記対象構造体を含む前記グリッド方形枠のグリッドバーとの間の距離を決定するステップと、
前記対象構造体と前記グリッドバーとの間の距離が、グリッドバー用距離しきい値を下回るときは、前記対象構造体を前記対象構造体候補のサブセットから除外するステップと、をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のセグメント化クラスは、グリッド端をさらに含み、
前記方法は、
前記対象構造体候補のサブセットの各々について、
前記対象構造体と前記グリッド端との間の距離を決定するステップと、
前記対象構造体と前記グリッド端との間の距離が、グリッド端用距離しきい値を下回るときは、前記対象構造体を前記対象構造体候補のサブセットから除外するステップと、をさらに含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記対象構造体候補のサブセットの各々について、
前記対象構造体の位置の位置およびフライス加工ビームエミッタの場所に基づいて、前記対象構造体のためのフライス加工区域を決定するステップと、
前記複数の対象構造体のいずれかが前記フライス加工区域内に存在するかどうかを決定するステップと、
前記複数の汚染物質のいずれかが前記フライス加工区域内に存在するかどうかを決定するステップと、
対象構造体または汚染物質の一方または両方が前記フライス加工区域内に存在することを決定することに応答して、前記対象構造体を前記対象構造体候補のサブセットから除外するステップと、をさらに含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
フライス加工のための選択対象構造体を選定するステップは、
前記対象構造体候補のサブセットの各々について、
蛍光顕微鏡画像スタックを取得するステップと、
前記蛍光顕微鏡画像スタックに基づいて、対象領域が前記対象構造体内に存在するかどうかを決定するステップと、
前記対象領域が前記対象構造体内に存在することを決定することに応答して、前記対象構造体を前記選択対象構造体として選定するステップと、を含む、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
光学顕微鏡から前記画像を取得することによって、前記ラメラ試料を表す画像を取得するステップをさらに含む、請求項12~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
自動画像処理を適用して前記画像をセグメント化するステップは、ラメラ試料の複数の注釈付き画像を使用して訓練される畳み込みニューラルネットワークを用いて前記画像を処理するステップを含む、請求項12~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
科学機器支援装置の1つまたは複数の処理デバイスによって実行されるとき、前記科学機器支援装置に請求項11に記載の方法を実施させる命令が格納されている1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
荷電粒子顕微鏡であって、
電子ビーム機器と、
イオンビーム機器と、
コンピューティングデバイスと
を備え、
前記コンピューティングデバイスは、
ラメラ試料を表すデータセットを取得するように前記電子ビーム機器を制御し、
前記データセットを複数のセグメント化クラスへとセグメント化し、
前記複数のセグメント化クラスから、前記ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットを識別し、
前記ラメラ試料内の前記対象構造体候補のサブセットから、フライス加工のための選択対象構造体を選定し、
前記選択対象構造体をフライス加工するように前記イオンビーム機器を制御するように構成される、荷電粒子顕微鏡。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]顕微鏡法は、裸眼では見ることが困難な物体をもっとよく見るために顕微鏡を使用する技術分野である。荷電粒子(例えば、電子および/またはイオン)顕微鏡法として知られる顕微鏡法の1つの分科は、加速した荷電粒子のビームを照明源として使用することに関与する。荷電粒子顕微鏡法のタイプとしては、例えば、透過電子顕微鏡法(TEM)、走査電子顕微鏡法(SEM)、走査透過電子顕微鏡法、およびイオンビーム顕微鏡法が挙げられる。組織の薄層、膜またはプレートであるラメラ(lamella:層状)試料は、TEM顕微鏡で使用される。ラメラ試料は、電子顕微鏡検査用グリッド上に置かれる対象構造体(例えば、細胞、微結晶電子回折(MicroED)結晶、および同様のもの)から、SEMカラムおよびイオンビームカラムを含む二重ビーム顕微鏡などの荷電粒子顕微鏡の上で調製される。場合によっては、高速凍結を通じてガラス化した試料を含む低温ラメラ試料が使用される。
【発明の概要】
【0002】
[0002]実施形態は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明により容易に理解されるものとする。この説明を促進するために、同じ参照番号は、同じ構造要素を示す。実施形態は、添付の図面の図において、例として例示されるが、限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】[0003]様々な実施形態による、支援動作を実施するための例となる科学機器支援モジュールのブロック図である。
【
図2】[0004]様々な実施形態による、科学機器によって操作されるラメラ試料を例示する図である。
【
図3】[0005]様々な実施形態による、支援動作を実施する例となる方法のフロー図である。
【
図4A】[0006]様々な実施形態による、ラメラ試料の例となる画像を示す図である。
【
図4B】[0007]様々な実施形態による、
図3の方法を使用して生成される、
図4Aの画像の例となるセグメント化画像を示す図である。
【
図5】[0008]様々な実施形態による、画像セグメント化を実施するための例となるニューラルネットワークのブロック図である。
【
図6A】[0009]様々な実施形態による、
図3の方法の動作の態様を例示する画像を示す図である。
【
図6B】様々な実施形態による、
図3の方法の動作の態様を例示する画像を示す図である。
【
図6C】様々な実施形態による、
図3の方法の動作の態様を例示する画像を示す図である。
【
図7】[0010]様々な実施形態による、本明細書内に開示される科学機器支援方法の一部またはすべてを実施し得る例となるコンピューティングデバイスのブロック図である。
【
図8】[0011]様々な実施形態による、本明細書内に開示される科学機器支援方法の一部またはすべてが実施され得る例となる科学機器支援システムのブロック図である。
【
図9】[0012]様々な実施形態による、
図8の科学機器支援システムに含まれる例となる科学機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
[0013]本明細書内に開示されるのは、科学機器支援システム、ならびに関連方法、コンピューティングデバイス、およびコンピュータ可読媒体である。例えば、1つの実施形態によると、支援装置は、科学機器(例えば、荷電粒子顕微鏡)のために提供される。科学機器に含まれる、もしくは科学機器から離れた共通のコンピューティングデバイスによって実装され得るか、または科学機器に含まれる、もしくは科学機器から離れた複数のコンピューティングデバイスによって実装または実装されるか、またはそれらの組み合わせである支援装置は、ラメラ(lamella:層状)試料を表す画像に自動画像処理を適用して、画像を複数のセグメント化クラスへとセグメント化(分割)するように構成される。本支援装置はまた、複数のセグメント化クラスに基づいて、ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットを識別し、ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットから、フライス加工のための選択対象構造体を選定するように構成される。本支援装置はまた、フライス加工のための対象構造体に基づいて、科学機器のための少なくとも1つのフライス加工パラメータを設定するように構成される。そのような科学機器支援を提供するためのコンピューティングデバイスにより実施される自動化方法も提供される。
【0005】
[0014]本明細書内に開示される科学機器支援の実施形態は、従来の手法に対して改善した性能を達成し得る。例えば、ラメラ(lamella)調製に対する従来の手法は、手動ステップを伴う。手動のユーザ相互作用が、例えば、さらなる調製に好適である組織試料内の細胞(または低温ラメラ試料内の他のタイプの対象構造体)を選択することにおいて、必要とされる。このステップは、訓練された顕微鏡使用者を必要とし、時間がかかり、誤りが生じやすい。故に、本明細書内に開示される実施形態は、機械学習モデルにより適用される画像セグメント化を使用したラメラ調製に好適な対象構造体の自動検出の使用を通じて、科学機器技術に対する改善(例えば、いくつかある改善の中で特に、そのような科学機器を支援するコンピュータ技術における改善)をもたらし、自動的に検出された対象構造体は、例えば、フライス加工角度など、試料のためのフライス加工パラメータを設定するために使用される。したがって、本明細書内に開示される実施形態は、低温ラメラ試料調製を改善する。
【0006】
[0015]本明細書内に開示される実施形態は、従来の手法に対して、改善された速度、正確性、および信頼性を達成し得る。例えば、従来の手法は、人間の顕微鏡使用者が、フライス加工および調製のための対象構造体を手動で選択するためにラメラ(lamella)画像を視覚的に分析することに依拠する。この手法は、人間の顕微鏡使用者の限られたワークフロー能力に起因して、調製前に試料のための貯蔵時間の増加を必要とすることを含め、いくつかの技術的問題および制限に悩まされる。貯蔵の増加は、費用の増加、および試料の劣化または試料に対する意図しない損傷の機会の増加につながる。手動の対象構造体選択は、初期ステップにおいて調製プロセスを遅くし、始めからラメラ試料の調製に依存する他のプロセスまで遅延をもたらす。
【0007】
[0016]本明細書内に開示される実施形態の様々なものは、調製のための対象構造体を自動的に選択することによって、低温ラメラ調製プロセスの後続ステップにおいて実施される動作の正確性の改善、より高いスループット、および費用効率の増加という技術的利点を達成するために、従来の手法を改善し得る。そのような技術的利点は、ルーチンおよび従来の手法によって達成することはできず、そのような実施形態を含むシステムのすべてのユーザが、(例えば、機械学習モデルを使用した自動プロセスを用いて、低温ラメラ試料調製などの技術的タスクの実施においてユーザを支援することによって)これらの利点から利益を得ることができる。本明細書内に開示される実施形態の技術的特徴は、故に、低温ラメラ試料調製の分野において、明らかに慣例通りではなく、本明細書内に開示される実施形態の特徴の組み合わせも然りである。本明細書内でさらに論じられるように、本明細書内に開示される実施形態の様々な態様は、コンピュータ自体の機能性を改善し得、例えば、本明細書に説明されるように、コンピューティングデバイスは、ラメラ試料の画像をセグメント化するために機械学習を採用し、過去の結果に対するフィードバックを受信することによって将来の動作の正確性を改善し得る。本明細書内に開示される計算およびユーザインターフェース特徴は、情報の収集および比較に関与するだけでなく、低温ラメラ試料調製において使用される科学機器の動作を変更するために新規の分析的および技術的な技法を適用する。故に、本開示は、従来のコンピューティングデバイスも人間も実施することのできなかった機能性をもたらす。
【0008】
[0017]したがって、本開示の実施形態は、特定の技術的システムもしくはプロセスを制御すること、機械をどのように制御するかを測定から決定すること、画像強化もしくは分析、生体試料のために推定および信頼区間を提供すること、または技術的な事項もしくはプロセスの挙動をシミュレートすることなど、いくつかの技術的目的のいずれかを果たし得る。特に、本開示は、低温ラメラ調製に好適な対象構造体の自動選択を含むがこれに限定されない、技術的問題に対する技術的解決策を提供する。このように、本明細書内に開示される実施形態は、科学機器と関連付けられた低温ラメラ調製技術に対する改善(例えば、数ある改善の中でも低温ラメラ調製技術を支援するコンピュータ技術における改善)を提供する。
【0009】
[0018]以下の詳細な説明においては、本明細書の一部を形成する添付の図面に対して参照がなされ、同じ数字は全体を通して同じ部分を示し、図面には、例示として、実践され得る実施形態が示される。他の実施形態が利用され得ること、および、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的またはロジック的な変更がなされ得ることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定の意味でとられるべきではない。
【0010】
[0019]様々な動作は、本明細書内に開示される主題を理解することにおいて最も役に立つ方法で、複数の別個の行為または動作として順番に説明され得る。しかしながら、説明の順序は、これらの動作が必ず順序に依存することを示唆するものと解釈されるべきではない。特に、これらの動作は、提示の順に実施されなくてもよい。説明される動作は、説明された実施形態とは異なる順序で実施され得る。様々な追加の動作が実施され、および/または、説明された動作は、追加の実施形態において省略され得る。
【0011】
[0020]本開示の目的のため、表現「Aおよび/またはB」および「AまたはB」は、(A)、(B)、または(AおよびB)を意味する。本開示の目的のため、表現「A、B、および/またはC」、および「A、B、またはC」は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)、または(A、B、およびC)を意味する。いくつかの要素は、単数形で言及され得るが(例えば、「処理デバイス(a processing device)」)、任意の適切の要素は、その要素の複数例によって表されてもよく、またその逆も然りである。例えば、ある処理デバイスによって実施されるものとして説明される動作のセットは、異なる処理デバイスによって実施される動作のうちの異なるものを伴って実施され得る。
【0012】
[0021]本説明は、表現「実施形態」、「様々な実施形態」、および「いくつかの実施形態」を使用するが、それらの各々は、同じまたは異なる実施形態のうちの1つまたは複数を指し得る。さらに、用語「備える」、「含む」、「有する」、および同様のものは、本開示の実施形態に関して使用される場合、同義である。寸法の範囲を説明するために使用されるとき、表現「X~Y」は、XおよびYを含む範囲を表す。本明細書で使用される場合、「装置」は、個々のデバイス、デバイスの集合、デバイスの一部、またはデバイスの一部の集合を指し得る。図面は必ずしも縮尺通りではない。
【0013】
[0022]
図1は、様々な実施形態による、支援動作を実施するための科学機器支援モジュール1000のブロック図である。科学機器支援モジュール1000は、プログラムされたコンピューティングデバイスなど、回路(例えば、電気および/または光学構成要素を含む)によって実施され得る。科学機器支援モジュール1000のロジックは、単一のコンピューティングデバイスに含まれ得るか、または、適切な場合に互いと通信状態にある複数のコンピューティングデバイスに分散され得る。科学機器支援モジュール1000を単独で、または組み合わせて実施し得るコンピューティングデバイスの例は、
図7のコンピューティングデバイス7000を参照して本明細書に論じられ、科学機器支援モジュール1000がコンピューティングデバイスのうちの1つまたは複数にわたって実施され得る、相互接続されたコンピューティングデバイスのシステムの例は、
図8の科学機器支援システム8000を参照して本明細書内で論じられる。
【0014】
[0023]科学機器支援モジュール1000は、例えば、低温ラメラ試料などのラメラ試料を調製するために使用される、
図9に関して以下に説明される、例えば、二重ビーム機器などの科学機器のための、本明細書に説明されるような支援方法を実施するために、第1のロジック1002、第2のロジック1004、および第3のロジック1006を含み得る。本明細書で使用される場合、用語「ロジック」は、ロジック(論理)と関連付けられた動作のセットを実施することになる装置を含み得る。例えば、支援モジュール1000に含まれる論理素子のいずれかは、関連した動作セットをコンピューティングデバイスの1つまたは複数の処理デバイスに実施させるための命令でプログラムされた1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって実装され得る。特定の実施形態において、論理素子は、1つまたは複数のコンピューティングデバイスの1つまたは複数の処理デバイスによって実行されるとき、関連した動作セットを1つまたは複数のコンピューティングデバイスに実施させる命令を有する1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体を含み得る。本明細書で使用される場合、用語「モジュール」は、モジュールと関連付けられた機能を一緒に実施する1つまたは複数の論理素子の集合を指し得る。モジュール内の論理素子のうちの異なるものは、同じ形態をとり得るか、または異なる形態をとり得る。例えば、モジュール内のいくつかのロジックは、プログラムされた汎用処理デバイスによって実施され得る一方、モジュール内の他のロジックは、特定用途向け集積回路(ASIC)によって実施され得る。別の例において、モジュール内の論理素子のうちの異なるものは、1つまたは複数の処理デバイスによって実行される命令の異なるセットと関連付けられ得る。モジュールは、関連付けられた図面に描写される論理素子のすべてに含まれなくてもよく、例えば、モジュールは、そのモジュールが、そのモジュールに関連して本明細書内で論じられる動作のサブセットを実施するためのものであるとき、関連付けられた図面に描写される論理素子のサブセットを含み得る。
【0015】
[0024]第1のロジック1002は、ラメラ試料を表す画像に自動画像処理を適用して、画像を、セグメント化クラス、例えば、複数の対象構造体、複数のグリッド方形枠(グリッドスクエア)、複数のクラック、および複数の汚染物質へとセグメント化(分割)し得る。
図2は、例となるラメラ試料2000を例示する。
図2に例示されるラメラ試料は、3つの層を含む。第1の層は、垂直に配置されるグリッドバーによって画定される電子顕微鏡検査用グリッドにより充填されるリングを含む、グリッド層2002、例えば、「オートグリッド」である。グリッドバーは、本明細書に説明されるように、交差して「グリッド方形枠」を生成する。いくつかの実施形態において、グリッド層2002は、金メッシュから部分的に作製される。第2の層は、グリッド層2002の上に配置される炭素フォイル(例えば、「クオンティフォイル(quantifoil)」)からなるフォイル層2004である。第3の層は、フォイル層2004の上に配置される対象構造体(例えば、低温ラメラ試料を調製する場合はガラス化細胞)からなる組織層2006である。
図1に戻ると、第1のロジック1002は、画像の各画素を分析して、対象構造体、グリッドバー、クラック、汚染物質(例えば、氷)、グリッド端、および背景(すなわち、フォイル層)を含む所定のカテゴリのグループのうちの1つへ分類し得る。
【0016】
[0025]いくつかの実施形態において、第1のロジック1002は、科学機器(例えば、
図9の科学機器9000)に、科学機器の電子ビームまたはイオンビームでラメラ試料を走査させることによって、ラメラ試料を表す画像(例えば、
図4Aの画像4000)を取得し得る。いくつかの実施形態において、第1のロジック1002は、ラメラ試料を表す画像を光学顕微鏡から取得し得る。いくつかの実施形態において、第1のロジック1002は、
図5に関して本明細書に説明されるように、ラメラ試料の複数の注釈付き画像を使用して訓練される畳み込みニューラルネットワークを用いて画像を処理することによって、自動画像処理を適用して画像をセグメント化する。
【0017】
[0026]第2のロジック1004は、複数のセグメント化クラスに基づいて、ラメラ試料内の対象構造体(例えば、細胞)候補のサブセットを識別し得る。例えば、
図3および方法3000に関してより詳細に説明されるように、第2のロジック1004は、どの対象構造体がグリッド方形枠(グリッドスクエア)の中に含まれるか(すなわち、グリッドバー上に位置付けられない)を識別し、それらを対象構造体候補として識別する。第2のロジック1004は、ラメラ試料内の二次グリッド方形枠のサブセットを識別し、対象構造体候補のサブセットから、それらの方形枠内に位置する対象構造体を除外する。二次グリッド方形枠は、フライス加工目的のために不適切または使用不可能であるものとして特徴付けられる。例えば、グリッド方形枠の中に位置するフォイルがクラックを含む場合、そのグリッド方形枠は、使用不可能と見なされ得る。別の例において、あまりに多くの汚染物質(例えば、氷晶)を含むグリッド方形枠は、使用不可能と見なされ得る。
図3および方法3000に関してより詳細に説明されるように、対象構造体候補はまた、グリッドバー、他の対象構造体、およびグリッド端からのそれらの距離に基づいて選択され得る。
図3および方法3000に関してより詳細に説明されるように、いくつかの対象構造体は、対象構造体と(フライス加工のために使用される)イオンビーム源との間の他の対象構造体または汚染物質の存在が理由で、対象構造体候補のサブセットから除外され得る。
【0018】
[0027]第2のロジック1004はまた、ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットから、フライス加工のための1つまたは複数の選択対象構造体を選定し得る。当業者によって理解されるように、すべての対象構造体候補が、フライス加工を含む低温ラメラ調製の後続ステップに等しく好適であるわけではない。例えば、グリッド方形枠の中に位置する2つの対象構造体が与えられたとき、そのグリッド方形枠の中心に最も近い対象構造体がより好適であり得る。別の例において、対象構造体は、対象領域(例えば、蛍光顕微鏡画像において識別されるような)を含み得るか、または対象領域内にあり得、このことが、対象構造体を対象領域内にない他のものよりも好適にし得る。
図3および方法3000に関してより詳細に説明されるように、第2のロジック1004は、対象構造体を、数ある中でも、その位置、および1つまたは複数の対象領域に基づいて、選択するために、自動動作を実施する。
【0019】
[0028]第3のロジック1006は、フライス加工のための選択対象構造体に基づいて、科学機器のための少なくとも1つのフライス加工パラメータを設定し得る。例えば、第3のロジック1006は、選択対象構造体の場所およびサイズに基づいて、フライス加工角度、フライス加工時間、フライス加工パターン、または同様のものを生成し得る。いくつかの実施形態において、第3のロジック1006は、科学機器に選択対象構造体をフライス加工させるために、(例えば、少なくとも1つのフライス加工パラメータに基づいて)制御コマンドを生成し、および/またはこれを科学機器に伝送し得る。
【0020】
[0029]
図3は、様々な実施形態による、支援動作を実施する方法3000のフロー図である。方法3000の動作は、本明細書内に開示される特定の実施形態(例えば、
図1を参照して本明細書内で論じられる科学機器支援モジュール1000、
図7を参照して本明細書内で論じられるコンピューティングデバイス7000、および/または
図8を参照して本明細書内で論じられる科学機器支援システム8000)を参照して例示され得るが、方法3000は、任意の好適な支援動作を実施するために任意の好適な設定で使用され得る。動作は、一度ずつ、および
図3内の特定の順序で例示されるが、動作は、所望の通りに、および適切に、並び替えられ得、および/または繰り返され得る(例えば、実施される異なる動作は、適切な場合、並行して実施され得る)。例として、方法3000の動作は、科学機器支援モジュール1000の第1、第2、または第3のロジック1002、1004、および1006のうちの1つによって実施されるものとして説明され得る。しかしながら、動作は、任意の数のロジックまたは処理デバイスにおいて様々な方式で分散され得るということを理解されたい。方法3000の実施形態は、例えば、ガラス化細胞および微結晶電子回折(MicroED)結晶などのグリッド上の対象構造体を選定するために使用され得るということを理解されたい。
【0021】
[0030]ブロック3002において、第1のロジック1002は、ラメラ試料を表す画像に自動画像処理を適用して、画像を複数のセグメント化画像へとセグメント化する。例えば、第1のロジック1002は、画像を複数の対象構造体(例示した例では、細胞)、複数のグリッド方形枠、複数のクラック、および複数の汚染物質へとセグメント化し得る。いくつかの実施形態において、第1のロジック1002は、荷電粒子顕微鏡(例えば、二重ビーム機器9000)に、荷電粒子顕微鏡の電子ビーム(例えば、電子ビーム9014)または荷電粒子顕微鏡のイオンビームでラメラ試料を走査させることによって、ラメラ試料を表す画像を取得する。いくつかの実施形態において、第1のロジック1002は、ラメラ試料を表す画像を光学顕微鏡から取得する。いくつかの実施形態において、第1のロジック1002は、(例えば、第1のロジック1002の外側でデジタル走査および事前処理されている場合がある)ラメラ試料を表す画像を画定するデータセットを取得および操作する。
図4Aは、例となる画像4000を例示する。
図4Bは、第1のロジック1002によって生成される例となるセグメント化画像4002を例示する。第1のロジック1002は、画像の各画素を分析して、対象構造体(例示した例では、細胞)、グリッドバー、クラック、汚染物質(例えば、氷)、グリッド端、および背景(すなわち、フォイル層)を含む予め定められたカテゴリのグループのうちの1つへ分類することによって、画像4000をセグメント化する。同じカテゴリ(すなわち、セグメント化クラス)の隣接画素は、例えば、対象構造体4004、グリッド線4006、クラック4008、汚染物質4010、および背景4012として分類される物体を形成する「ブロブ」へとグループ化される。いくつかの実施形態において、第1のロジック1002は、グリッド方形枠の角を形成するグリッドバーの交差点を識別および位置特定するためにグリッドバーを分析することによって、グリッド方形枠(およびそれらの互いに対する位置)を識別する。メッシュは、実質的に均一であると仮定され得ることから、第1のロジック1002は、閉塞した、または不完全に検出されたグリッドバーおよびグリッド方形枠を再構築し得る。いくつかの実施形態において、第1のロジック1002は、画像セグメント化中にラメラ試料に関する既知の情報を適用し得る。例えば、グリッド方形枠のサイズおよび場所、グリッドバーの幅、ならびにラメラ試料の他の同様の特徴は、セグメント化プロセスを改善するために画像セグメント化中に考慮され得る。
【0022】
[0031]いくつかの実施形態において、第1のロジック1002は、機械学習、例えば、複数のラメラ試料を使用して訓練される畳み込みニューラルネットワークを用いて画像を処理することによって、自動画像処理を適用して画像をセグメント化する。例えば、第1のロジック1002は、
図5に例示されるように、Uネットアーキテクチャ5000を実装し得る。第1のロジック1002は、入力画像5002(例えば、画像4000)をニューラルネットワーク5004へ供給し、ニューラルネットワーク5004がセグメント化マップ5006(例えば、画像4002)を生成する。他の実施形態において、第1のロジック1002は、他のニューラルネットワークアーキテクチャまたは他の自動画像処理技術を適用して画像をセグメント化する。
【0023】
[0032]いくつかの実施形態において、Uネットアーキテクチャ5000は、各々の後に正規化線形ユニット(ReLU)が続く2つの3×3畳み込み(パディングなしの畳み込み)の繰り返し適用、およびダウンサンプリングのためのストライド2での2×2最大値プーリング処理を含む。各ダウンサンプリングステップにおいて、特徴チャネルの数は倍にされる。拡張パス内のすべてのステップは、特徴マップのアップサンプリング、それに続く、特徴チャネルの数を半分にする2×2畳み込み(「アップ畳み込み(up-convolution)」)、縮小パスからの相応のクロッピングされた特徴マップとの連結、および、各々の後にReLUが続く2つの3×3畳み込みからなる。クロッピングは、すべての畳み込みにおける縁画素の損失に起因するものである。最終層において、1×1畳み込みが、各々の64成分特徴ベクトルを所望の数のクラスにマッピングするために使用される。合計で、例示されたネットワークは、23個の畳み込み層を有する。
【0024】
[0033]各々の影付きボックスは、マルチチャネル特徴マップに対応し、チャネルの数はボックスの上に示される。白いボックスは、コピーされた特徴マップを表す。矢印(凡例5008に定められるような)は、ニューラルネットワーク5004の異なる処理を示す。
【0025】
[0034]ニューラルネットワーク5004は、ラメラ試料の画像およびそれらの試料に対応するグラウンドトゥルース (ground truth)画像を使用して訓練される。訓練中、入力画像は、高さ、幅、チャネル数についてそれぞれ、形状(512、768、1)のものである。ネットワークの出力は、形状(512、768、6)のものであり、6は、予測された二値セグメント化マップの数を示す。最終マルチクラスセグメント化マップは、ネットワークの出力に対する画素ごとのargmax処理を実施することによって獲得される。同じ形状の入力および出力を確実にするために、パディングが、アップ畳み込み(アップコンボリューション)中に導入される。
【0026】
[0035]いくつかの実施形態において、訓練中、訓練画像は拡張され、各バッチは、異なって拡張された画像を有する。これは、入力画像の量を人工的に増量するために行われ、そしてこれにより、「異なる」画像がイテレーションごとにネットワークに供給されることから、過剰な適合を防ぐ。各々の拡張は、何らかの確率pで実施される。可能性のある訓練画像拡張の例としては、均一の高さおよび幅へのサイズ変更(p=1);水平反転(p=0.5);垂直反転(p=0.5);粗いドロップアウト(p=0.2);コントラスト制限適応ヒストグラム平坦化(Contrast Limited Adaptive Histogram Equalization)(p=0.5);ガウスぼかし、ダウンスケール、ガウス雑音および先鋭化処理(Sharpen)のうちの1つ(p=0.3);ならびに、ランダム明暗対比、ランダムガンマ、エンボス加工および標準的な正規化のうちの1つ(p=0.3)、が挙げられる。
【0027】
[0036]画像がセグメント化された後、ブロック3004において、第2のロジック1004は、複数のセグメント化クラスに基づいて、ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットを識別する。第2のロジック1004は、対象構造体のうちのどれが、低温ラメラ調製プロセス中にさらなる処理(例えば、フライス加工)のために選定され得るかを決定するために、以下に説明されるように、画像に対して後処理を実施する。
【0028】
[0037]いくつかの実施形態において、第2のロジック1004は、複数のグリッド方形枠、複数のクラック、および複数の汚染物質に基づいて、二次グリッド方形枠のサブセットを決定する。二次グリッド方形枠は、例えば、組織層の適用、凍結、およびラメラ試料のその後の貯蔵および輸送の間、フォイル層が損傷される(例えば、割れる)こと、または汚染物質(例えば、氷晶、ちり粒子、および同様のもの)が導入されることが可能であるため、フライス加工目的には不適切または使用不可能であるものと特徴付けられる。本明細書に説明される実施形態において、二次グリッド方形枠のサブセットの各々は、クラックまたは汚染物質の一方または両方を含む。第2のロジック1004は、どのグリッド方形枠が使用不可能であるかを決定するために画像分析を使用し得る。
図6Aは、ラメラ試料の一部分の例となるセグメント化画像6000を例示する。
図6Aに例示されるように、クラックがグリッド方形枠(例えば、グリッド方形枠6002)内に完全にまたは部分的に存在する場合、第2のロジック1004は、そのグリッド方形枠が二次グリッド方形枠のサブセットに追加されるべきであることを決定し得る。同様に、汚染物質がグリッド方形枠内に完全にまたは部分的に存在する場合、第2のロジック1004は、そのグリッド方形枠が二次グリッド方形枠のサブセットに追加されるべきであることを決定し得る。いくつかの実施形態において、汚染物質(個々に、または全体として)は、グリッド方形枠を使用不可能にするためにしきい値量を超えなければならない場合がある。画素のサイズが分かっているため、第2のロジック1004は、汚染物質を含む、分析下の画像の任意の部分のサイズを決定し得る。例えば、
図6Aに例示されるように、汚染物質6024は、グリッド方形枠6004内に存在し、このグリッド方形枠6004は、汚染物質がしきい値サイズを下回ることから、使用可能なグリッド方形枠として依然として分類される。
【0029】
[0038]いくつかの実施形態において、第2のロジック1004は、複数の対象構造体の各々について、対象構造体の位置および対象構造体のサイズを決定し、対象構造体の位置および対象構造体のサイズに基づいて、対象構造体が複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれるかどうかを決定する。記されるように、既知の画素サイズを使用することにより、物体の寸法および画像内の距離が測定され得る。
図6Bは、ラメラ試料の一部分の例となるセグメント化画像6006を例示する。対象構造体がフライス加工されるためには、それはグリッド方形枠内に完全に含まれなければならず、またグリッドバーの上に層化されてはならない。
図6Bに例示されるように、グリッド方形枠の中に含まれる対象構造体6008および6010は、対象構造体候補として識別されるが、グリッド方形枠の中に含まれない対象構造体6012および6014は、除外される。第2のロジック1004は、グリッド方形枠の中に含まれるそれらの対象構造体を、フライス加工のための対象構造体候補として識別し得る。しかしながら、対象構造体が使用不可能なグリッド方形枠の中に含まれる場合、それはフライス加工されることができない。したがって、第2のロジック1004は、二次グリッド方形枠のサブセットのうちの1つの中に位置しない対象構造体のみを、対象構造体候補のサブセットへの包含のために選択することによって、対象構造体候補のサブセットを識別し得る。
【0030】
[0039]第2のロジック1004は、他のパラメータに基づいて対象構造体候補のサブセットをさらに狭め得る。いくつかの実施形態において、例えば、第2のロジック1004は、対象構造体とグリッドバーとの間の距離が、グリッドバー用距離しきい値を下回るときは、対象構造体を対象構造体候補のサブセットから除外し得る。そのような実施形態において、第2のロジック1004は、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体の各々について、対象構造体を含むグリッド方形枠のグリッドバーと対象構造体との間の距離を決定し、その距離をグリッドバー用距離しきい値と比較し得る。いくつかの実施形態において、グリッドバー用距離しきい値は、1~2マイクロメートルに設定される。
【0031】
[0040]いくつかの実施形態において、第2のロジック1004は、対象構造体とグリッド端との間の距離が、グリッド端用距離しきい値を下回るときは、対象構造体を対象構造体候補のサブセットから除外する。そのような実施形態において、第2のロジック1004は、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体の各々について、対象構造体とグリッド端との間の距離を決定し、その距離をグリッド端用距離しきい値と比較し得る。例えば、
図6Cに例示されるように、第2のロジック1004は、セグメント化画像6015内でグリッド端6016を分類した。対象構造体6018がグリッド端用距離しきい値6020内にあるため、第2のロジック1004は、それがグリッド方形枠の中に含まれるとしても、フライス加工のための候補としてそれを排除する。いくつかの実施形態において、グリッド端用距離しきい値は、100~200マイクロメートルに設定される。
【0032】
[0041]いくつかの実施形態において、第2のロジック1004は、同じグリッド方形枠と共に含まれる複数の対象構造体の別のものと対象構造体との間の距離が、対象構造体用距離しきい値を下回るときは、対象構造体を対象構造体候補のサブセットから除外する。そのような実施形態において、第2のロジック1004は、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体の各々について、対象構造体と同じグリッド方形枠と共に含まれる複数の対象構造体の別のものと対象構造体との間の距離を決定し、その距離を対象構造体用距離しきい値と比較し得る。いくつかの実施形態において、対象構造体用距離しきい値は、5~10マイクロメートルに設定される。対象構造体距離は、選択対象構造体のタイプに基づいて異なり得る。
【0033】
[0042]いくつかの実施形態において、第2のロジック1004は、対象構造体が、イオンビームによって実施されるべきフライス加工の方向において任意の障害物(例えば、別の対象構造体または汚染物質)によって遮られるときは、対象構造体を対象構造体候補のサブセットから除外する。そのような実施形態において、第2のロジック1004は、対象構造体の位置およびフライス加工ビームエミッタ(例えば、イオンビーム9024)の場所に基づいて対象構造体のためのフライス加工区域を決定し得る。フライス加工区域は、フライス加工ビームエミッタの配向における領域を表し、そこでは障害物は、フライス加工プロセスに干渉することになる。第2のロジック1004は、複数の対象構造体のいずれかまたは複数の汚染物質のいずれかがフライス加工区域内に存在するかどうかを決定する。対象構造体または汚染物質の一方または両方がフライス加工区域内に存在することを決定することに応答して、第2のロジック1004は、対象構造体を対象構造体候補のサブセットから除外する。例えば、
図6Aに例示されるように、対象構造体6022は、グリッド方形枠内に含まれるが、汚染物質6024が、対象構造体6022のためのフライス加工区域内にあり得るため、そうでなければそれが使用可能なグリッド方形枠であるとしても、対象構造体を対象構造体候補のサブセットから除外する。
【0034】
[0043]第2のロジック1004は、ブロック3006~3012において、ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットから、フライス加工のための1つまたは複数の選択対象構造体を選定する。ブロック3006において、第2のロジック1004は、対象構造体候補のサブセットの第1の対象構造体を評価する。
【0035】
[0044]いくつかの実施形態において、第2のロジック1004は、対象構造体候補を、それらのそれぞれのグリッド方形枠内の場所に基づいて評価し、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体のうちのどれが、対象構造体候補を含むグリッド方形枠の中心の最も近くに位置するかに基づいて、対象構造体を選択する。
【0036】
[0045]いくつかの実施形態において、第2のロジック1004は、隣接するグリッド方形枠が対象構造体候補を含むかどうかに基づいて、対象構造体候補を評価し、複数の対象構造体のうちのどれが、分離したグリッド方形枠(すなわち、近傍の対象構造体候補を含まない方形枠)の中に含まれるかに基づいて、対象構造体を選択する。
【0037】
[0046]いくつかの実施形態において、第2のロジック1004は、対象構造体候補を、それらが対象領域(例えば、セグメント化画像によって表される同じラメラ試料の蛍光顕微鏡画像スタックによって画定されるような)を含むか、または対象領域内に含まれるかに基づいて評価する。対象領域は、低温ラメラ試料の識別された領域であり、それは、例えば、低温ラメラ試料がフライス加工されるときに分析されるべき腫瘍の輪郭、細胞異常、または他の生物学的構造体を含み得る。そのような実施形態において、第2のロジック1004は、対象構造体またはラメラ試料のための蛍光顕微鏡画像スタックを(例えば、リモートコンピューティングデバイス8040または別の好適なソースから)取得する。第2のロジック1004は、蛍光顕微鏡画像スタックの画像分析に基づいて、対象領域が対象構造体内に存在するかどうかを決定し、対象領域が対象構造体内に存在することを決定することに応答して、対象構造体を選択対象構造体として選定する。
【0038】
[0047]対象構造体候補が、(ブロック3006における)評価の際に好適であると(ブロック3008にて)識別されるときは、いくつかの実施形態において、第3のロジック1006または別の処理デバイス(例えば、処理デバイス7002)は、フライス加工のための選択対象構造体に基づいて、二重ビーム機器のための少なくとも1つのフライス加工パラメータを設定する。例えば、第3のロジック1006は、選択対象構造体の場所およびサイズに基づいて、フライス加工角度、フライス加工時間、フライス加工パターン、または同様のものを生成し得る。いくつかの実施形態において、第3のロジック1006は、二重ビーム機器のイオンビーム(例えば、イオンビーム9024)を使用して、選択対象構造体をフライス加工するように、(例えば、電子コマンドを発行することによって)二重ビーム機器(例えば、二重ビーム機器9000)を制御する。
図3に例示されるように、対象構造体候補が、(ブロック3010にて)好適であるまたは(ブロック3008にて)好適ではないと識別された後、第3のロジック1006は、すべての対象構造体候補が評価され、方法3000が終了するまで、(ブロック3012にて)残りの対象構造体候補を評価し続ける。
【0039】
[0048]本明細書内に開示される科学機器支援方法は、(例えば、
図8を参照して本明細書内で論じられるユーザローカルコンピューティングデバイス8020を介した)人間のユーザとの相互作用を含み得る。これらの相互作用は、情報(例えば、
図8の科学機器8010などの科学機器の動作に関する情報、分析されている試料または科学機器によって実施される他の試験もしくは測定に関する情報、ローカルもしくはリモートデータベースから取得される情報、または他の情報)をユーザに提供すること、あるいは、ユーザがコマンド(例えば、
図8の科学機器8010などの科学機器の動作を制御するため、または科学機器によって生成されるデータの分析を制御するため)、クエリ(例えば、ローカルまたはリモートデータベースに対する)、または他の情報を入力するための選択肢を提供することを含み得る。いくつかの実施形態において、これらの相互作用は、ユーザに出力を提供する、および/または(例えば、
図7を参照して本明細書内で論じられる他のI/Oデバイス7012に含まれる、キーボード、マウス、トラックパッド、またはタッチスクリーンなどの1つまたは複数の入力デバイスを介して)入力を提供するようにユーザを促すディスプレイデバイス(例えば、
図7を参照して本明細書内で論じられるディスプレイデバイス7010)上に視覚ディスプレイを含むグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を通じて実施され得る。本明細書内に開示される科学機器支援システムは、ユーザとの相互作用のための任意の好適なGUIを含み得る。
【0040】
[0049]上に記されるように、科学機器支援モジュール1000は、1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって実施され得る。
図7は、様々な実施形態による、本明細書内に開示される科学機器支援方法の一部またはすべてを実施し得るコンピューティングデバイス7000のブロック図である。いくつかの実施形態において、科学機器支援モジュール1000は、単一のコンピューティングデバイス7000によって、または複数のコンピューティングデバイス7000によって実施され得る。さらに、以下に論じられるように、科学機器支援モジュール1000を実施するコンピューティングデバイス7000(または複数のコンピューティングデバイス7000)は、
図8の科学機器8010、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020、サービスローカルコンピューティングデバイス8030、またはリモートコンピューティングデバイス8040のうちの1つまたは複数の一部であってもよい。
【0041】
[0050]
図7のコンピューティングデバイス7000は、いくつかの構成要素を有するものとして例示されるが、これらの構成要素のうちの任意の1つまたは複数は、用途および設定に好適であるように、省略または重複され得る。いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス7000に含まれる構成要素の一部またはすべては、1つまたは複数のマザーボードに装着され、ハウジング(例えば、プラスチック、金属、および/または他の材料を含む)で囲まれ得る。いくつかの実施形態において、いくつかのこれらの構成要素は、単一のシステム・オン・チップ(SoC)上へ製作され得る(例えば、SoCは、1つまたは複数の処理デバイス7002および1つまたは複数のストレージデバイス7004を含み得る)。追加的に、様々な実施形態において、コンピューティングデバイス7000は、
図7に例示される構成要素のうちの1つまたは複数を含まなくてもよいが、任意の好適なインターフェース(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、高精細マルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標))インターフェース、コントローラーエリアネットワーク(CAN)インターフェース、シリアル周辺インターフェース(SPI)インターフェース、イーサネットインターフェース、ワイヤレスインターフェース、または任意の他の適切なインターフェース)を使用して1つまたは複数の構成要素に結合するためのインターフェース回路(図示せず)を含み得る。例えば、コンピューティングデバイス7000は、ディスプレイデバイス7010を含まなくてもよいが、ディスプレイデバイス7010が結合され得るディスプレイデバイスインターフェース回路(例えば、コネクタおよびドライバ回路)を含み得る。
【0042】
[0051]コンピューティングデバイス7000は、処理デバイス7002(例えば、1つまたは複数の処理デバイス)を含み得る。本明細書で使用される場合、用語「処理デバイス」は、レジスタおよび/またはメモリからの電子データを処理してその電子データをレジスタおよび/またはメモリに格納され得る他の電子データへと変換する任意のデバイスまたはデバイスの部分を指し得る。処理デバイス7002は、1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、暗号プロセッサ(ハードウェア内の暗号アルゴリズムを実行する特殊プロセッサ)、サーバプロセッサ、または任意の他の好適な処理デバイスを含み得る。
【0043】
[0052]コンピューティングデバイス7000は、ストレージデバイス7004(例えば、1つまたは複数のストレージデバイス)を含み得る。ストレージデバイス7004は、ランダムアクセスメモリ(RAM)(例えば、スタティックRAM(SRAM)デバイス、磁気RAM(MRAM)デバイス、ダイナミックRAM(DRAM)デバイス、ReRAM(RRAM)デバイス、または導電性ブリッジRAM(CBRAM)デバイス)、ハードドライブベースのメモリデバイス、ソリッドステートメモリデバイス、ネットワーク化ドライブ、クラウドドライブ、またはメモリデバイスの任意の組み合わせなど、1つまたは複数のメモリデバイスを含み得る。いくつかの実施形態において、ストレージデバイス7004は、処理デバイス7002とダイを共有するメモリを含み得る。そのような実施形態において、メモリは、キャッシュメモリとして使用され得、例えば、埋め込み型ダイナミックランダムアクセスメモリ(eDRAM)、またはスピン注入トルク磁気ランダムアクセスメモリ(STT-MRAM)を含み得る。いくつかの実施形態において、ストレージデバイス7004は、1つまたは複数の処理デバイス(例えば、処理デバイス7002)によって実行されるとき、コンピューティングデバイス7000に、本明細書内に開示される方法のうちの任意の適切な1つまたは部分を実施させる命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体を含み得る。
【0044】
[0053]コンピューティングデバイス7000は、インターフェースデバイス7006(例えば、1つまたは複数のインターフェースデバイス7006)を含み得る。インターフェースデバイス7006は、コンピューティングデバイス7000と他のコンピューティングデバイスとの間の通信を統治するために、1つまたは複数の通信チップ、コネクタ、ならびに/または他のハードウェアおよびソフトウェアを含み得る。例えば、インターフェースデバイス7006は、コンピューティングデバイス7000への、またはそこからのデータの転送のためのワイヤレス通信を管理するための回路を含み得る。用語「ワイヤレス」およびその派生語は、非固体の媒体を通じた変調された電磁放射の使用によりデータを通信し得る回路、デバイス、システム、方法、技術、通信チャネルなどを説明するために使用され得る。この用語は、関連デバイスがいかなるワイヤも含まないことを示唆するものではないが、いくつかの実施形態において、関連デバイスはそれらを含まない場合がある。ワイヤレス通信を管理するためのインターフェースデバイス7006に含まれる回路は、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリ)、IEEE802.16規格(例えば、IEEE802.16-2005改正)、ロング・ターム・エボリューション(LTE)プロジェクトを、任意の改正、更新、および/または改訂(例えば、アドバンストLTEプロジェクト、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)プロジェクト(「3GPP2」とも称される)など)と一緒に、含む、電気電子学会(IEEE:Institute for Electrical and Electronic Engineers)規格を含むがこれらに限定されない、いくつかのワイヤレス規格またはプロトコルのいずれかを実装し得る。いくつかの実施形態において、ワイヤレス通信を管理するためのインターフェースデバイス7006に含まれる回路は、Global System for Mobile Communication(GSM)、汎用パケット無線サービス(GPRS:General Packet Radio Service)、Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)、高速パケットアクセス(HSPA:High Speed Packet Access)、発展型HSPA(E-HSPA)、またはLTEネットワークに従って動作し得る。いくつかの実施形態において、ワイヤレス通信を管理するためのインターフェースデバイス7006に含まれる回路は、GSM進化型高速データ(EDGE:Enhanced Data for GSM Evolution)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN:GSM EDGE Radio Access Network)、Universal Terrestrial Radio Access Network(UTRAN)、または発展型UTRAN(E-UTRAN)に従って動作し得る。いくつかの実施形態において、ワイヤレス通信を管理するためのインターフェースデバイス7006に含まれる回路は、符号分割多重アクセス(CDMA:Code Division Multiple Access)、時分割多重アクセス(TDMA:Time Division Multiple Access)、デジタル強化無線電気通信(DECT:Digital Enhanced Cordless Telecommunications)、Evolution-Data Optimized(EV-DO)およびその派生物、ならびに3G、4G、5G、およびそれ以上が指定される任意の他のワイヤレスプロトコルに従って動作し得る。いくつかの実施形態において、インターフェースデバイス7006は、ワイヤレス通信の受信および/または伝送のための1つまたは複数のアンテナ(例えば、1つまたは複数のアンテナアレイ)を含み得る。
【0045】
[0054]いくつかの実施形態において、インターフェースデバイス7006は、電気、光、または任意の他の好適な通信プロトコルなど、有線通信を管理するための回路を含み得る。例えば、インターフェースデバイス7006は、イーサネット技術による通信に対応するために回路を含み得る。いくつかの実施形態において、インターフェースデバイス7006は、ワイヤレス通信および有線通信の両方に対応し得、ならびに/または、複数の有線通信プロトコルおよび/または複数のワイヤレス通信プロトコルに対応し得る。例えば、インターフェースデバイス7006の回路の第1のセットは、Wi-Fiまたはブルートゥース(登録商標)などのより短距離のワイヤレス通信に専念してもよく、インターフェースデバイス7006の回路の第2のセットは、全地球測位システム(GPS:global positioning system)、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、EV-DO、またはその他など、より長距離のワイヤレス通信に専念してもよい。いくつかの実施形態において、インターフェースデバイス7006の回路の第1のセットは、ワイヤレス通信に専念してもよく、インターフェースデバイス7006の回路の第2のセットは、有線通信に専念してもよい。
【0046】
[0055]コンピューティングデバイス7000は、バッテリ/電源回路7008を含み得る。バッテリ/電源回路7008は、1つもしくは複数のエネルギー貯蔵デバイス(例えば、バッテリまたはコンデンサ)、および/またはコンピューティングデバイス7000の構成要素を、コンピューティングデバイス7000とは別個のエネルギー源(例えば、ACライン電源)に結合するための回路を含み得る。
【0047】
[0056]コンピューティングデバイス7000は、ディスプレイデバイス7010(例えば、複数のディスプレイデバイス)を含み得る。ディスプレイデバイス7010は、ヘッドアップディスプレイ、コンピュータモニタ、プロジェクタ、タッチスクリーンディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ、またはフラットパネルディスプレイなど、任意の視覚インジケータを含み得る。
【0048】
[0057]コンピューティングデバイス7000は、他の入力/出力(I/O)デバイス7012を含み得る。他のI/Oデバイス7012は、例えば、1つもしくは複数の音声出力デバイス(例えば、スピーカ、ヘッドセット、イヤホン、アラームなど)、1つもしくは複数の音声入力デバイス(例えば、マイクまたはマイクアレイ)、ロケーションデバイス(例えば、当該技術分野において知られるような、コンピューティングデバイス7000の場所を受信するために衛星ベースのシステムと通信状態にあるGPSデバイス)、音声コーデック、ビデオコーデック、プリンタ、センサ(例えば、熱電対または他の温度センサ、湿度センサ、圧力センサ、振動センサ、加速度計、ジャイロスコープなど)、カメラなどの画像キャプチャデバイス、キーボード、マウス、スタイラス、トラックボール、もしくはタッチパッドなどのカーソル制御デバイス、バーコードリーダ、QR(Quick Response)コードリーダ、または無線周波数識別(RFID)リーダを含み得る。
【0049】
[0058]コンピューティングデバイス7000は、ハンドヘルドもしくはモバイルコンピューティングデバイス(例えば、対象構造体の電話、スマートフォン、モバイルインターネットデバイス、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ウルトラブックコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータなど)、デスクトップコンピューティングデバイス、もしくはサーバコンピューティングデバイス、または他のネットワーク化コンピューティング構成要素など、その用途および設定のための任意の好適な形状因子を有し得る。
【0050】
[0059]本明細書内に開示される科学機器支援モジュールまたは方法のいずれかを実施する1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、科学機器支援システムの一部であってもよい。
図8は、様々な実施形態による、本明細書内に開示される科学機器支援方法の一部またはすべてが実施され得る例となる科学機器支援システム8000のブロック図である。本明細書内に開示される科学機器支援モジュールおよび方法(例えば、
図1の科学機器支援モジュール1000および
図3の方法3000)は、科学機器支援システム8000の科学機器8010、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020、サービスローカルコンピューティングデバイス8030、またはリモートコンピューティングデバイス8040のうちの1つまたは複数によって実施され得る。
【0051】
[0060]科学機器8010、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020、サービスローカルコンピューティングデバイス8030、またはリモートコンピューティングデバイス8040のいずれかは、
図7を参照して本明細書内で論じられるコンピューティングデバイス7000の実施形態のいずれかを含み得、科学機器8010、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020、サービスローカルコンピューティングデバイス8030、またはリモートコンピューティングデバイス8040のいずれかは、
図7を参照して本明細書内で論じられるコンピューティングデバイス7000の実施形態のうちの任意の適切なものの形態をとり得る。
【0052】
[0061]科学機器8010、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020、サービスローカルコンピューティングデバイス8030、またはリモートコンピューティングデバイス8040は各々、処理デバイス8002、ストレージデバイス8004、およびインターフェースデバイス8006を含み得る。処理デバイス8002は、
図7を参照して本明細書内で論じられる処理デバイス7002のいずれかの形態を含む、任意の好適な形態をとり得、科学機器8010、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020、サービスローカルコンピューティングデバイス8030、またはリモートコンピューティングデバイス8040のうちの異なるものに含まれる処理デバイス8002は、同じ形態または異なる形態をとり得る。ストレージデバイス8004は、
図7を参照して本明細書内で論じられるストレージデバイス7004のいずれかの形態を含む、任意の好適な形態をとり得、科学機器8010、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020、サービスローカルコンピューティングデバイス8030、またはリモートコンピューティングデバイス8040のうちの異なるものに含まれるストレージデバイス8004は、同じ形態または異なる形態をとり得る。インターフェースデバイス8006は、
図7を参照して本明細書内で論じられるインターフェースデバイス7006のいずれかの形態を含む、任意の好適な形態をとり得、科学機器8010、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020、サービスローカルコンピューティングデバイス8030、またはリモートコンピューティングデバイス8040のうちの異なるものに含まれるインターフェースデバイス8006は、同じ形態または異なる形態をとり得る。
【0053】
[0062]科学機器8010、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020、サービスローカルコンピューティングデバイス8030、およびリモートコンピューティングデバイス8040は、通信経路8008を介して科学機器支援システム8000の他の要素と通信状態にあり得る。通信経路8008は、示されるように、科学機器支援システム8000の要素のうちの異なるもののインターフェースデバイス8006を通信可能に結合し得、(例えば、
図7のコンピューティングデバイス7000のインターフェースデバイス4006を参照して本明細書内で論じられる通信技術のいずれかに従う)有線またはワイヤレス通信経路であってもよい。
図8に描写される特定の科学機器支援システム8000は、科学機器8010、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020、サービスローカルコンピューティングデバイス8030、およびリモートコンピューティングデバイス8040の各対の間の通信経路を含むが、この「完全に接続された」実装形態は、単に例示であり、様々な実施形態において、通信経路8008のうちの様々なものは存在しない場合がある。例えば、いくつかの実施形態において、サービスローカルコンピューティングデバイス8030は、そのインターフェースデバイス8006と科学機器8010のインターフェースデバイス8006との間に直接通信経路8008を有さなくてもよいが、代わりに、サービスローカルコンピューティングデバイス8030とユーザローカルコンピューティングデバイス8020との間の通信経路8008、およびユーザローカルコンピューティングデバイス8020と科学機器8010との間の通信経路8008を介して科学機器8010と通信し得る。
【0054】
[0063]科学機器8010は、例えば、二重ビーム機器など、任意の適切な科学機器を備え得る。
図9は、いくつかの実施形態による、二重ビーム機器9000として実装される科学機器8010を例示する。二重ビーム機器9000は、例えば、SEM機器またはカラム9002などの電子ビーム機器、および例えば、FIBまたはPFIB機器またはカラム9004などのイオンビーム機器を含み得、SEMカラム9002およびFIBカラム9004は共に、真空チャンバ9008に結合される。真空チャンバ9008は、可動試料ホルダ9010を収納し、1つまたは複数の真空ポンプ(
図9には明示的に示されない)を使用して真空にされる。例となる実施形態において、ホルダ9010は、XY座標面に平行、およびZ座標軸に平行に、独立して移動可能である(
図9に例示される座標系を参照)。二重ビーム機器9000を使用して処理されるべき試料Sは、
図9に示されるようにホルダ9010に取り付けられ得る。
図9に例示されるように、例となる実施形態は、
図7に関して上に概して説明されるようなコンピューティングデバイス7000を含む。コンピューティングデバイス7000は、以下に説明されるように1つまたは複数の制御信号を送信および受信するように構成され得、また、いくつかの実施形態において、本明細書に説明される支援方法を実施し得る。しかしながら、上に記されるように、他の実施形態において、本方法は、1つまたは複数の外部コンピューティングデバイス7000を介して科学機器8010から離れて実施され得る。したがって、二重ビーム機器9000へのコンピューティングデバイス7000の包含は、そのような科学機器の1つの可能な実施形態を表す。
【0055】
[0064]SEMカラム9002は、電子源9012および1つまたは複数のCPBレンズを備え得、それらレンズのうちの2つのみ(例えば、対物レンズ9006および焦光レンズ9016)が
図9に示される。代替の実施形態において、SEMカラム9002は、異なる数のCPBレンズを含み得る。例となる実施形態において、対物レンズ9006は、超高分解能(UHR)レンズ(時として液浸レンズとも称される)を備えるが、他のタイプのCPBレンズが使用されてもよい。SEMカラム9002のCPBレンズのうちの少なくとも1つは、CPBレンズを介して印加される磁力を制御する(例えば、ATレベルを変化させることにより)調節可能な設定を有する。
【0056】
[0065]SEMカラム9002はまた、制御信号9054に応答して電子ビーム9014を操縦する偏向装置9018を備え得る。そのようなビーム操縦は、電子ビーム9014の集束部分を試料Sにわたって所望の経路に沿って移動させるために(例えば、試料Sのラスターまたはベクトル走査を実施するために)使用され得る。
【0057】
[0066]動作中、電子源9012は、SEMカラム9002の長手方向軸9015に概して沿って伝搬する電子ビーム9014を生成する。対物レンズ9006および集光レンズ9016は、電子ビーム9014の電子軌跡に影響を及ぼす電場および磁場を生成する。制御信号9052、9056は、対物レンズ9006および集光レンズ9016を介して生成される場の強度および/または空間構成を変化させて電子ビーム9014に所望の性質を付与するために使用され得る。一般に、対物レンズ9006および集光レンズ9016、制御信号9052および9056、ならびに二重ビーム機器9000の他の関連構成要素は、様々な動作を実施し、ビーム集束、収差軽減、開口クロッピング、フィルタリングなど、様々な機能を支援する。
【0058】
[0067]FIBカラム9004は、イオン源9020およびイオンビーム光学素子9022を備え得る。例示した実施形態において、イオン源9020は、ガスマニホールド9026を用いて複数のガス容積部9042に接続されるプラズマ源である。例示の目的のため、およびいかなる示唆される制限もなしに、
図9は、4つのガス容積部9042A、9042B、9042C、および9042Dを例示する。マニホールド9026を通るガス流は、弁9040および9041A~9041Dによって制御される。より詳細には、弁9041A~9041Dは、容積部9042A~9042Dにそれぞれ貯蔵される個々のガスを選択するため、またはイオン源9020のためにそれらの混合物を作製するために使用される。弁9040は、ガスマニホールド9026からイオン源9020への選択されたガス(複数可)の流れを制御するために使用され得る。例として、
図9は、容積部9042A~9042Dを、それぞれ、キセノン、アルゴン、酸素、および窒素ガスを含有するものとして例示する。他の好適なガスが、同様に、容積部9042A~9042Dの一部またはすべての中に充填され得る。また、他の実施形態において、ガスマニホールド9026は、異なる数のガス容積部9042に接続され得る。また、他の実施形態において、イオン源9020は、FIBカラム9004と、および一般に二重ビーム機器9000と互換性のある、液体金属イオン源(LMIS)または任意の他のイオン源を含み得る。
【0059】
[0068]動作中、イオン源9020は、ガスマニホールド(ガス分岐管)9026から弁9040を通じて受容されるガス(複数可)をイオン化し、これよりプラズマを形成する。プラズマから抽出されるイオンは、次いで、FIBカラム9004を通じて加速されて、FIBカラム9004の長手方向軸9025に概して沿って伝搬するイオンビーム9024を形成する。例となる実施形態において、長手方向軸9025は、長手方向軸9015に対して非ゼロ角度に(例えば、およそ30度~60度の範囲に)配向される。
図9に例示される例となる実施形態において、軸9015は垂直軸である一方、軸9025は傾斜軸である。他の実施形態において、カラム9002および9004の他の空間配置も可能である。
【0060】
[0069]イオンビーム光学素子9022は、数ある中でも、イオンビーム9024を試料Sに集束させるために、およびイオンビーム9024の集束部分を試料Sにわたって所望の経路に沿って移動させるために(例えば、試料Sのラスターまたはベクトル走査を実施するために)使用され得る。上に示されるように、イオンビーム9024は、試料Sの撮像、ならびに/または、例えば、切開、フライス加工、エッチング、堆積、および同様のものなどの機械加工動作を実施するために使用され得る。
【0061】
[0070]二重ビーム機器9000はまた、真空チャンバ9008内に位置する検出器9060、9070を備え得る。特定のタイプの検出器9060、9070は、二重ビーム機器9000の実施形態に依存し得、電子ビーム9014および/またはイオンビーム9024に応答した試料Sからの異なるタイプの「誘導」放出および/または放射を検出するのに好適な様々な検出器タイプから選択され得る。例えば、1つの可能な実施形態において、検出器9060は、試料Sから出る陰極線発光を検出することができるソリッドステート検出器(例えば、フォトダイオード)であってもよく、検出器9070は、試料Sから出る後方散乱および/または二次電子を検出することができる電子検出器であってもよい。
【0062】
[0071]試料Sの表面にわたって電子ビーム9014またはイオンビーム9024で走査することによって、試料の異なる部分が、制御可能かつ空間分解された方法でプローブされ得る。対応する誘導放出/放射が、典型的には位置依存であるため、検出器9060、9070によって生成される測定結果は、空間分解された情報を生成するために走査経路情報と結合され得る。例えば、測定結果および走査経路情報は、試料Sの画像、情報の他の好適な表現、またはそれらの組み合わせを生成するために処理され得る。
【0063】
[0072]
図8に戻ると、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020は、科学機器8010のユーザに対してローカルであるコンピューティングデバイス(例えば、本明細書内で論じられるコンピューティングデバイス7000の実施形態のいずれかによる)であってもよい。いくつかの実施形態において、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020はまた、科学機器8010に対してローカルであってもよいが、必ずしもそうでなくてもよく、例えば、ユーザの自宅またはオフィスにあるユーザローカルコンピューティングデバイス8020は、ユーザがユーザローカルコンピューティングデバイス8020を使用して科学機器8010を制御すること、および/またはそこからデータにアクセスすることができるように、科学機器8010から離れているが、これと通信状態にあり得る。いくつかの実施形態において、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020は、ラップトップ、スマートフォン、またはタブレットデバイスであってもよい。いくつかの実施形態において、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020は、ポータブルコンピューティングデバイスであってもよい。
【0064】
[0073]サービスローカルコンピューティングデバイス8030は、科学機器8010にサービス提供をするエンティティに対してローカルであるコンピューティングデバイス(例えば、本明細書内で論じられるコンピューティングデバイス7000の実施形態のいずれかによる)であってもよい。例えば、サービスローカルコンピューティングデバイス8030は、科学機器8010の製造業者に対して、またはサードパーティサービス企業に対してローカルであってもよい。いくつかの実施形態において、サービスローカルコンピューティングデバイス8030は、科学機器8010、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020、および/またはリモートコンピューティングデバイス8040の動作に関するデータ(例えば、科学機器8010の自己診断の結果、科学機器8010によって使用される較正係数、科学機器8010と関連付けられたセンサの測定値など)を受信するために、科学機器8010、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020、および/またはリモートコンピューティングデバイス8040と通信し得る(例えば、上に論じられるように、直接通信経路8008を介して、または複数の「間接」通信経路8008を介して)。いくつかの実施形態において、サービスローカルコンピューティングデバイス8030は、科学機器8010、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020、および/またはリモートコンピューティングデバイス8040にデータを伝送するため(例えば、科学機器8010内の、ファームウェアなどのプログラムされた命令を更新するため、科学機器8010内の試験または較正シーケンスの実施を開始するため、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020またはリモートコンピューティングデバイス8040内の、ソフトウェアなどのプログラムされた命令を更新するため、など)、科学機器8010、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020、および/またはリモートコンピューティングデバイス8040と通信し得る(例えば、上に論じられるように、直接通信経路8008を介して、または複数の「間接」通信経路8008を介して)。科学機器8010のユーザは、科学機器8010またはユーザローカルコンピューティングデバイス8020に関する問題を報告するため、科学機器8010の動作を改善するために技術者の訪問を要求するため、科学機器8010と関連付けられた消耗品もしくは交換部品を注文するため、または他の目的のために、科学機器8010またはユーザローカルコンピューティングデバイス8020を利用してサービスローカルコンピューティングデバイス8030と通信し得る。
【0065】
[0074]リモートコンピューティングデバイス8040は、科学機器8010から、および/またはユーザローカルコンピューティングデバイス8020から離れたコンピューティングデバイス(例えば、本明細書内で論じられるコンピューティングデバイス7000の実施形態のいずれかによる)であってもよい。いくつかの実施形態において、リモートコンピューティングデバイス8040は、データセンタまたは他の大規模サーバ環境に含まれ得る。いくつかの実施形態において、リモートコンピューティングデバイス8040は、ネットワーク接続型記憶装置を(例えば、ストレージデバイス8004の一部として)含み得る。リモートコンピューティングデバイス8040は、科学機器8010によって生成されるデータを格納し、科学機器8010によって生成されるデータの分析を実施し(例えば、プログラムされた命令に従って)、ユーザローカルコンピューティングデバイス8020と科学機器8010との間の通信を促進し、および/またはサービスローカルコンピューティングデバイス8030と科学機器8010との間の通信を促進し得る。
【0066】
[0075]いくつかの実施形態において、
図8に例示される科学機器支援システム8000の要素のうちの1つまたは複数は、存在しない場合がある。さらに、いくつかの実施形態において、
図8の科学機器支援システム8000の要素のうちの様々なものが複数個存在し得る。例えば、科学機器支援システム8000は、複数のユーザローカルコンピューティングデバイス8020(例えば、異なるユーザと関連付けられた、または異なる場所における、異なるユーザローカルコンピューティングデバイス8020)を含み得る。別の例において、科学機器支援システム8000は、すべてがサービスローカルコンピューティングデバイス8030および/またはリモートコンピューティングデバイス8040と通信状態にある複数の科学機器8010を含み得、そのような実施形態において、サービスローカルコンピューティングデバイス8030は、これらの複数の科学機器8010を監視し得、サービスローカルコンピューティングデバイス8030が更新を引き起こし得るか、または他の情報が複数の科学機器8010へ同時に「配信」され得る。科学機器支援システム8000内の科学機器8010のうちの異なるものは、互いの近くに(例えば、同じ室内)または互いから離れて(例えば、建物の異なる階、異なる建物、異なる都市など)に位置し得る。いくつかの実施形態において、科学機器8010は、ウェブベースのアプリケーション、仮想もしくは拡張現実アプリケーション、モバイルアプリケーション、および/またはデスクトップアプリケーションを通じた科学機器8010のコマンドおよび制御を可能にするモノのインターネット(IoT)スタックに接続され得る。これらのアプリケーションのいずれかは、介在するリモートコンピューティングデバイス8040によって科学機器8010と通信状態にあるユーザローカルコンピューティングデバイス8020をユーザが動作させることによってアクセスされ得る。いくつかの実施形態において、科学機器8010は、ローカル科学機器コンピューティング装置8012の一部として1つまたは複数の関連ユーザローカルコンピューティングデバイス8020と一緒に製造業者によって販売され得る。
【0067】
[0076]いくつかの実施形態において、科学機器支援システム8000に含まれる科学機器8010のうちの異なるものは、異なるタイプの科学機器8010であってもよい。いくつかのそのような実施形態において、リモートコンピューティングデバイス8040および/またはユーザローカルコンピューティングデバイス8020は、科学機器支援システム8000に含まれる異なるタイプの科学機器8010からのデータを組み合わせ得る。
【0068】
[0077]上に開示される例となる実施形態によると、例えば、
図1~9の一部またはすべての任意の1つまたは任意の組み合わせを参照すると、ラメラ試料を表す画像に自動画像処理を適用して、画像を複数のセグメント化クラスへとセグメント化するように構成される第1のロジックと、第2のロジックであって、複数のセグメント化クラスに基づいて、ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットを識別し、ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットから、フライス加工のための選択対象構造体を選定するように構成される、第2のロジックと、フライス加工のための選択対象構造体に基づいて、科学機器のための少なくとも1つのフライス加工パラメータを設定するように構成される第3のロジックとを含む装置が提供される。
【0069】
[0078]上記装置のいくつかの実施形態において、第1のロジック、第2のロジック、および第3のロジックのうちの少なくとも2つは、共通のコンピューティングデバイスによって実施される。
【0070】
[0079]上記装置のいずれかのいくつかの実施形態において、第1のロジック、第2のロジック、および第3のロジックのうちの少なくとも1は、科学機器から離れたコンピューティングデバイスによって実施される。
【0071】
[0080]上記装置のいずれかのいくつかの実施形態において、第1のロジック、第2のロジック、および第3のロジックのうちの少なくとも1つは、科学機器において実施される。
【0072】
[0081]上記装置のいずれかのいくつかの実施形態において、第1のロジックは、科学機器に、科学機器の電子ビームおよび科学機器のイオンビームからなる群から選択される少なくとも1つでラメラ試料を走査させることによって、ラメラ試料を表す画像を取得するようにさらに構成される。
【0073】
[0082]上記装置のいずれかのいくつかの実施形態において、第1のロジックは、ラメラ試料の複数の注釈付き画像を使用して訓練される畳み込みニューラルネットワークを用いて画像を処理することによって、自動画像処理を適用して画像をセグメント化するようにさらに構成される。
【0074】
[0083]上記装置のいずれかのいくつかの実施形態において、複数のセグメント化クラスは、複数の対象構造体、複数のグリッド方形枠、複数のクラック、複数の汚染物質、および背景からなる群から選択される少なくとも1つを含む。
【0075】
[0084]上記装置のいずれかのいくつかの実施形態において、第2のロジックは、複数のグリッド方形枠、複数のクラックおよび複数の汚染物質に基づいて、二次グリッド方形枠のサブセットを決定することであって、二次グリッド方形枠のサブセットの各々がクラックまたは汚染物質の一方または両方を含む、ことと、複数の対象構造体の各々について対象構造体の位置および対象構造体のサイズを決定することと、複数の対象構造体の各々について、対象構造体の位置および対象構造体のサイズに基づいて、対象構造体が複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれるかどうかを決定することと、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体の各々について、対象構造体が二次グリッド方形枠のサブセットのうちの1つの中に位置しない場合、対象構造体候補のサブセットへの包含のために対象構造体を選択することによって、対象構造体候補のサブセットを識別することとを行うようにさらに構成される。
【0076】
[0085]上記装置のいずれかのいくつかの実施形態において、第2のロジックは、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体の各々について、対象構造体を含むグリッド方形枠のグリッドバーと対象構造体との間の距離を決定し、対象構造体とグリッドバーとの間の距離が、グリッドバー用距離しきい値を下回るときは、対象構造体を対象構造体候補のサブセットから除外するようにさらに構成される。
【0077】
[0086]上記装置のいずれかのいくつかの実施形態において、第1のロジックは、自動画像処理を画像に適用して、画像をグリッド端へとさらにセグメント化するようにさらに構成され、第2のロジックは、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体の各々について、対象構造体とグリッド端との間の距離を決定し、対象構造体とグリッド端との間の距離が、グリッド端用距離しきい値を下回るときは、対象構造体を対象構造体候補のサブセットから除外するようにさらに構成される。
【0078】
[0087]上記装置のいずれかのいくつかの実施形態において、第2のロジックは、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体の各々について、対象構造体と同じグリッド方形枠と共に含まれる複数の対象構造体の別のものと対象構造体との間の距離を決定し、同じグリッド方形枠と共に含まれる複数の対象構造体の別のものと対象構造体との間の距離が対象構造体用距離しきい値を下回るときは、対象構造体を対象構造体候補のサブセットから除外するようにさらに構成される。
【0079】
[0088]上記装置のいずれかのいくつかの実施形態において、第2のロジックは、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体の各々について、対象構造体の位置の位置およびフライス加工ビームエミッタの場所に基づいて対象構造体のためのフライス加工区域を決定し、複数の対象構造体のいずれかがフライス加工区域内に存在するかどうかを決定し、複数の汚染物質のいずれかがフライス加工区域内に存在するかどうかを決定し、対象構造体または汚染物質の一方または両方がフライス加工区域内に存在することを決定することに応答して、対象構造体を対象構造体候補のサブセットから除外するようにさらに構成される。
【0080】
[0089]上記装置のいずれかのいくつかの実施形態において、第2のロジックは、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体のうちのどれが、対象構造体を含むグリッド方形枠の中心の最も近くに位置するかに基づいて選択対象構造体を選定することによって、フライス加工のための選択対象構造体を選定するようにさらに構成される。
【0081】
[0090]上記装置のいずれかのいくつかの実施形態において、第2のロジックは、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体の各々について、対象構造体のための蛍光顕微鏡画像スタックを取得し、蛍光顕微鏡画像スタックに基づいて、対象領域が対象構造体内に存在するかどうかを決定し、対象領域が対象構造体内に存在することを決定することに応答して、対象構造体を選択対象構造体として選定するようにさらに構成される。
【0082】
[0091]上記装置のいずれかのいくつかの実施形態において、第3のロジックは、フライス加工角度、フライス加工時間、およびフライス加工パターンからなる群から選択する少なくとも1つを設定することによって、荷電粒子顕微鏡のための少なくとも1つのフライス加工パラメータを設定するようにさらに構成される。
【0083】
[0092]上記装置のいずれかのいくつかの実施形態において、第3のロジックは、イオンビーム機器に、少なくとも1つのフライス加工パラメータに従って、選択対象構造体をフライス加工させるようにさらに構成される。
【0084】
[0093]上に開示される別の例となる実施形態によると、例えば、
図1~9の一部またはすべての任意の1つまたは任意の組み合わせを参照すると、科学機器支援を提供するためのコンピューティングデバイスにより実施される自動化方法が提供され、本方法は、ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットを識別するステップと、ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットから、フライス加工のための選択対象構造体を選定するステップと、フライス加工のための選択対象構造体に基づいて、科学機器のための少なくとも1つのフライス加工パラメータを設定するステップと、を含む。
【0085】
[0094]上記方法のいくつかの実施形態において、本方法は、ラメラ試料を表す画像に自動画像処理を適用して、画像を複数のセグメント化クラスへとセグメント化するステップを含む。画像を複数のセグメント化クラスへとセグメント化することは、画像を、複数の対象構造体、複数のグリッド方形枠、複数のクラック、複数の汚染物質、および背景からなる群から選択される少なくとも1つへとセグメント化することを含む。ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットを識別することは、複数のセグメント化クラスに基づいて対象構造体候補のサブセットを識別することを含む。
【0086】
[0095]上記方法のいずれかのいくつかの実施形態において、ラメラ試料上の対象構造体候補のサブセットを識別することは、複数のグリッド方形枠、複数のクラック、および複数の汚染物質に基づいて、二次グリッド方形枠のサブセットを決定することであって、二次グリッド方形枠のサブセットの各々がクラックまたは汚染物質の一方または両方を含む、ことと、複数の対象構造体の各々について対象構造体の位置および対象構造体のサイズを決定することと、複数の対象構造体の各々について、対象構造体の位置および対象構造体のサイズに基づいて、対象構造体が複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれるかどうかを決定することと、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体の各々について、対象構造体が二次グリッド方形枠のサブセットのうちの1つの中に位置しないときは、対象構造体候補のサブセットへの包含のために対象構造体を選択することによって、対象構造体候補のサブセットを識別することとを含む。
【0087】
[0096]上記方法のいずれかのいくつかの実施形態において、本方法は、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体の各々について、対象構造体を含むグリッド方形枠のグリッドバーと対象構造体との間の距離を決定するステップ、および対象構造体とグリッドバーとの間の距離が、グリッドバー用距離しきい値を下回るときは、対象構造体を対象構造体候補のサブセットから除外するステップを含む。
【0088】
[0097]上記方法のいずれかのいくつかの実施形態において、本方法は、自動画像処理を画像に適用して、画像をグリッド端へとさらにセグメント化するステップ、ならびに、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体の各々について、対象構造体とグリッド端との間の距離を決定するステップ、および対象構造体とグリッド端との間の距離が、グリッド端用距離しきい値を下回るときは、対象構造体を対象構造体候補のサブセットから除外するステップを含む。
【0089】
[0098]上記方法のいずれかのいくつかの実施形態において、本方法は、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体の各々について、対象構造体と同じグリッド方形枠と共に含まれる複数の対象構造体の別のものと対象構造体との間の距離を決定するステップ、および、同じグリッド方形枠と共に含まれる複数の対象構造体の別のものと対象構造体との間の距離が、対象構造体用距離しきい値を下回るときは、対象構造体を対象構造体候補のサブセットから除外するステップを含む。
【0090】
[0099]上記方法のいずれかのいくつかの実施形態において、本方法は、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体の各々について、対象構造体の位置の位置およびフライス加工ビームエミッタの場所に基づいて対象構造体のためのフライス加工区域を決定するステップ、複数の対象構造体のいずれかがフライス加工区域内に存在するかどうかを決定するステップ、複数の汚染物質のいずれかがフライス加工区域内に存在するかどうかを決定するステップ、および対象構造体または汚染物質の一方または両方がフライス加工区域内に存在することを決定することに応答して、対象構造体を対象構造体候補のサブセットから除外するステップを含む。
【0091】
[0100]上記方法のいずれかのいくつかの実施形態において、フライス加工のための選択対象構造体を選定することは、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体のうちのどれが、対象構造体を含むグリッド方形枠の中心の最も近くに位置するかに基づいて、選択対象構造体を選定することを含む。
【0092】
[0101]上記方法のいずれかのいくつかの実施形態において、フライス加工のための選択対象構造体を選定することは、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体の各々について、対象構造体のための蛍光顕微鏡画像スタックを取得すること、蛍光顕微鏡画像スタックに基づいて、対象領域が対象構造体内に存在するかどうかを決定すること、および対象領域が対象構造体内に存在することを決定することに応答して、対象構造体を選択対象構造体として選定することを含む。
【0093】
[0102]上記方法のいずれかのいくつかの実施形態において、本方法は、科学機器に、科学機器の電子ビームおよび科学機器のイオンビームからなる群から選択される少なくとも1つで試料を有するラメラ試料を走査させることによって、ラメラ試料を表す画像を取得するステップを含む。
【0094】
[0103]上記方法のいずれかのいくつかの実施形態において、本方法は、二重ビーム機器のイオンビームを使用して、選択対象構造体をフライス加工するように二重ビーム機器を制御するステップを含む。
【0095】
[0104]上記方法のいずれかのいくつかの実施形態において、自動画像処理を適用して画像をセグメント化することは、ラメラ試料の複数の注釈付き画像を使用して訓練される畳み込みニューラルネットワークを用いて画像を処理することを含む。
【0096】
[0105]上に開示されるさらに別の例となる実施形態によると、例えば、
図1~9の一部またはすべての任意の1つまたは任意の組み合わせを参照すると、二重ビーム機器のための支援装置の1つまたは複数の処理デバイスによって実行されるとき、複数のグリッド方形枠、複数のクラック、および複数の汚染物質に基づいて、二次グリッド方形枠のサブセットを決定するステップであって、二次グリッド方形枠のサブセットの各々は、クラックまたは汚染物質の一方または両方を含む、決定するステップ、複数の対象構造体の各々について、対象構造体の位置および対象構造体のサイズを決定するステップ、複数の対象構造体の各々について、対象構造体の位置および対象構造体のサイズに基づいて、対象構造体が複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれるかどうかを決定するステップ、ならびに、複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる複数の対象構造体の各々について、対象構造体が二次グリッド方形枠のサブセットのうちの1つの中に位置しないときは、対象構造体候補のサブセットへの包含のために対象構造体を選択することによって、対象構造体候補のサブセットを識別するステップを含む自動化方法を、支援装置に実施させる命令を有する1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体が提供される。
【0097】
[0106]上に開示されるさらに別の例となる実施形態によると、例えば、
図1~9の一部またはすべての任意の1つまたは任意の組み合わせを参照すると、電子ビーム機器、イオンビーム機器、およびコンピューティングデバイスを備える科学機器が提供される。コンピューティングデバイスは、ラメラ試料を表す画像を取得するように電子ビーム機器を制御し、自動画像処理を画像に適用して画像を複数のセグメント化クラスへとセグメント化し、複数のセグメント化クラスから、ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットを識別し、ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットから、フライス加工のための選択対象構造体を選定し、選択対象構造体をフライス加工するようにイオンビーム機器を制御するように構成される。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子顕微鏡のための支援装置であって、
ラメラ試料を表す画像に自動画像処理を適用して、前記画像を複数のセグメント化クラスへとセグメント化するように構成される第1のロジックと、
第2のロジックであって、
前記複数のセグメント化クラスに基づいて、前記ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットを識別し、
前記ラメラ試料内の前記対象構造体のサブセットから、フライス加工のための選択対象構造体を選定するように構成される、第2のロジックと、
前記フライス加工のための選択対象構造体に基づいて、前記荷電粒子顕微鏡のための少なくとも1つのフライス加工パラメータを設定するように構成される第3のロジックと
を備える支援装置。
【請求項2】
前記第1のロジック、前記第2のロジック、および前記第3のロジックは、共通のコンピューティングデバイスによって実施される、請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記第1のロジック、前記第2のロジック、および前記第3のロジックのうちの少なくとも1つは、前記荷電粒子顕微鏡内で実施される、請求項1に記載の支援装置。
【請求項4】
前記第1のロジックは、前記荷電粒子顕微鏡に、前記荷電粒子顕微鏡の電子ビームおよび前記荷電粒子顕微鏡のイオンビームからなる群から選択される少なくとも1つで前記ラメラ試料を走査させることによって、前記ラメラ試料を表す画像を取得するようにさらに構成される、請求項1に記載の支援装置。
【請求項5】
前記複数のセグメント化クラスは、複数の対象構造体、複数のグリッド方形枠、複数のクラック、複数の汚染物質、および背景からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の支援装置。
【請求項6】
前記第2のロジックは、
前記複数のグリッド方形枠、前記複数のクラックおよび前記複数の汚染物質に基づいて、二次グリッド方形枠のサブセットを決定することであって、前記二次グリッド方形枠のサブセットの各々がクラックまたは汚染物質の一方または両方を含む、ことと、
前記複数の対象構造体の各々について、前記対象構造体の位置および前記対象構造体のサイズを決定することと、
前記複数の対象構造体の各々について、前記対象構造体の前記位置および前記対象構造体の前記サイズに基づいて、前記対象構造体が前記複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれるかどうかを決定することと、
前記複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる前記複数の対象構造体の各々について、前記対象構造体が前記二次グリッド方形枠のサブセットのうちの1つの中に位置しないときは、前記対象構造体候補のサブセットへの包含のために前記対象構造体を選択することによって、前記対象構造体候補のサブセットを識別することと
を行うようにさらに構成される、請求項5に記載の支援装置。
【請求項7】
前記第2のロジックは、
前記複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる前記複数の対象構造体の各々について、
前記対象構造体と同じグリッド方形枠と共に含まれる前記複数の対象構造体の別のものと前記対象構造体との間の距離を決定し、
同じグリッド方形枠と共に含まれる前記複数の対象構造体の別のものと前記対象構造体との間の距離が、対象構造体用距離しきい値を下回るときは、前記対象構造体を前記対象構造体候補のサブセットから除外するようにさらに構成される、請求項6に記載の支援装置。
【請求項8】
前記第2のロジックは、前記複数のグリッド方形枠のうちの1つの中に含まれる前記複数の対象構造体のうちのどれが、前記対象構造体を含む前記グリッド方形枠の中心の最も近くに位置するかに基づいて、前記選択対象構造体を選定することによって、フライス加工のための前記選択対象構造体を選定するようにさらに構成される、請求項6に記載の支援装置。
【請求項9】
前記第3のロジックは、フライス加工角度、フライス加工時間、およびフライス加工パターンからなる群から選択する少なくとも1つを設定することによって、前記荷電粒子顕微鏡のための少なくとも1つのフライス加工パラメータを設定するようにさらに構成される、請求項1に記載の支援装置。
【請求項10】
前記第3のロジックは、イオンビーム機器に、前記少なくとも1つのフライス加工パラメータに従って、前記選択対象構造体をフライス加工させるようにさらに構成される、請求項1に記載の支援装置。
【請求項11】
科学機器支援を提供するためのコンピューティングデバイスにより実施される自動化方法であって、
ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットを識別するステップと、
前記ラメラ試料内の前記対象構造体候補のサブセットから、フライス加工のための選択象構造体を選定するステップと、
前記フライス加工のための選択対象構造体に基づいて、荷電粒子顕微鏡のための少なくとも1つのフライス加工パラメータを設定するステップと
を含む、方法。
【請求項12】
ラメラ試料を表す画像に自動画像処理を適用して、前記画像を複数のセグメント化クラスへとセグメント化するステップをさらに含み、
前記複数のセグメント化クラスは、複数の対象構造体、複数のグリッド方形枠、複数のクラック、複数の汚染物質、および背景からなる群から選択される少なくとも1つを含み、
前記ラメラ試料内の前記対象構造体候補のサブセットを識別するステップは、前記複数のセグメント化クラスに基づいて前記対象構造体候補のサブセットを識別することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記対象構造体候補のサブセットの各々について、
前記対象構造体と前記対象構造体を含む前記グリッド方形枠のグリッドバーとの間の距離を決定するステップと、
前記対象構造体と前記グリッドバーとの間の距離が、グリッドバー用距離しきい値を下回るときは、前記対象構造体を前記対象構造体候補のサブセットから除外するステップと、をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のセグメント化クラスは、グリッド端をさらに含み、
前記方法は、
前記対象構造体候補のサブセットの各々について、
前記対象構造体と前記グリッド端との間の距離を決定するステップと、
前記対象構造体と前記グリッド端との間の距離が、グリッド端用距離しきい値を下回るときは、前記対象構造体を前記対象構造体候補のサブセットから除外するステップと、をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記対象構造体候補のサブセットの各々について、
前記対象構造体の位置の位置およびフライス加工ビームエミッタの場所に基づいて、前記対象構造体のためのフライス加工区域を決定するステップと、
前記複数の対象構造体のいずれかが前記フライス加工区域内に存在するかどうかを決定するステップと、
前記複数の汚染物質のいずれかが前記フライス加工区域内に存在するかどうかを決定するステップと、
対象構造体または汚染物質の一方または両方が前記フライス加工区域内に存在することを決定することに応答して、前記対象構造体を前記対象構造体候補のサブセットから除外するステップと、をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
フライス加工のための選択対象構造体を選定するステップは、
前記対象構造体候補のサブセットの各々について、
蛍光顕微鏡画像スタックを取得するステップと、
前記蛍光顕微鏡画像スタックに基づいて、対象領域が前記対象構造体内に存在するかどうかを決定するステップと、
前記対象領域が前記対象構造体内に存在することを決定することに応答して、前記対象構造体を前記選択対象構造体として選定するステップと、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
光学顕微鏡から前記画像を取得することによって、前記ラメラ試料を表す画像を取得するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
自動画像処理を適用して前記画像をセグメント化するステップは、ラメラ試料の複数の注釈付き画像を使用して訓練される畳み込みニューラルネットワークを用いて前記画像を処理するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
科学機器支援装置の1つまたは複数の処理デバイスによって実行されるとき、前記科学機器支援装置に請求項11に記載の方法を実施させる命令が格納されている1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
荷電粒子顕微鏡であって、
電子ビーム機器と、
イオンビーム機器と、
コンピューティングデバイスと
を備え、
前記コンピューティングデバイスは、
ラメラ試料を表すデータセットを取得するように前記電子ビーム機器を制御し、
前記データセットを複数のセグメント化クラスへとセグメント化し、
前記複数のセグメント化クラスから、前記ラメラ試料内の対象構造体候補のサブセットを識別し、
前記ラメラ試料内の前記対象構造体候補のサブセットから、フライス加工のための選択対象構造体を選定し、
前記選択対象構造体をフライス加工するように前記イオンビーム機器を制御するように構成される、荷電粒子顕微鏡。
【外国語明細書】