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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178278
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】タッチ装置およびその駆動方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20231207BHJP
   G06F 3/046 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
G06F3/041 510
G06F3/046 C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092557
(22)【出願日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】10-2022-0068382
(32)【優先日】2022-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0131771
(32)【優先日】2022-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.DLNA
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】523206769
【氏名又は名称】株式会社 ハイディープ
【氏名又は名称原語表記】HiDeep Inc.
【住所又は居所原語表記】10F DTC Tower,49,Daewangpangyo-ro 644beon-gil,Bundang-gu,Seongnam-si,Gyeonggi-do 13493(KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】金 基徳
(72)【発明者】
【氏名】李 煥熙
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スタイラスペンによるタッチ感知性能を向上させることができるタッチ装置およびその駆動方法を提供する。
【解決手段】本発明によるタッチ装置は、それぞれ第1端および第2端を有する複数のタッチ電極111、121と、複数のタッチ電極のうちの複数の第1タッチ電極111それぞれの第1端に連結された複数の第1トレース112と、複数のタッチ電極のうちの複数の第2タッチ電極121それぞれの第2端に連結された複数の第2トレース122a、122bと、複数の第1トレースを通して受信された複数の第1出力信号のうちの複数の第2タッチ電極に隣接した第1タッチ電極の第1基準出力信号と複数の第2トレースを通して受信した複数の第2出力信号のうちの複数の第1タッチ電極に隣接した第2タッチ電極の第2基準出力信号を使用して複数の第1出力信号および/または第2出力信号を補正するタッチコントローラーと、を含む。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ第1端および第2端を有する複数のタッチ電極と、
前記複数のタッチ電極のうちの複数の第1タッチ電極それぞれの第1端に連結された複数の第1トレースと、
前記複数のタッチ電極のうちの複数の第2タッチ電極それぞれの第2端に連結された複数の第2トレースと、
前記複数の第1トレースを通して受信された複数の第1出力信号のうちの前記複数の第2タッチ電極に隣接した第1タッチ電極の第1基準出力信号と前記複数の第2トレースを通して受信された複数の第2出力信号のうちの前記複数の第1タッチ電極に隣接した第2タッチ電極の第2基準出力信号を使用して前記複数の第1出力信号および/または前記第2出力信号を補正するタッチコントローラーと、を含む、タッチ装置。
【請求項2】
前記タッチコントローラーは、前記複数の第1出力信号のうちの少なくとも1つの第1出力信号と前記複数の第2出力信号のうちの少なくとも1つの第2出力信号とを2つのグループに分け、前記2つのグループそれぞれをn次関数で近似し、nは正数である、請求項1に記載のタッチ装置。
【請求項3】
前記タッチコントローラーは、前記複数の第1出力信号のうちのn個の第1出力信号と前記第2基準出力信号とを前記2つのグループのうちの1つのグループにグルーピングし、前記第1基準出力信号と前記複数の第2出力信号のうちのn個の第2出力信号を前記2つのグループのうちの他の1つのグループにグルーピングする、請求項2に記載のタッチ装置。
【請求項4】
前記タッチコントローラーは、前記2つのn次関数の係数を計算し、前記2つのn次関数を使用して前記複数の第1出力信号および/または前記第2出力信号を補正する、請求項1に記載のタッチ装置。
【請求項5】
前記タッチコントローラーは、前記補正された前記複数の第1出力信号および/または前記第2出力信号のうちの2つを差分してタッチ位置を決定する、請求項1に記載のタッチ装置。
【請求項6】
前記複数のタッチ電極に隣接したスタイラスペンの共振回路によって前記複数のタッチ電極のうちの一部のタッチ電極に第1方向の電流が誘導され、前記複数のタッチ電極のうちの他の一部のタッチ電極に前記第1方向と反対の第2方向の電流が誘導される、請求項1に記載のタッチ装置。
【請求項7】
前記タッチコントローラーは、前記複数のタッチ電極のうちの隣接する2つのタッチ電極に誘導された電流の方向が互いに異なると、前記隣接する2つのタッチ電極間を前記スタイラスペンの位置として決定する、請求項5に記載のタッチ装置。
【請求項8】
前記共振回路によって、前記複数の第2タッチ電極に隣接した第1タッチ電極および前記複数の第1タッチ電極に隣接した第2タッチ電極には同じ方向の電流が誘導される、請求項6に記載のタッチ装置。
【請求項9】
複数のタッチ電極と、
前記複数のタッチ電極のうちの複数の第1タッチ電極それぞれに連結され、第1方向に延長された複数の第1トレースと、
前記複数のタッチ電極のうちの複数の第2タッチ電極それぞれに連結され、第1方向と反対の第2方向に延長された複数の第2トレースと、
前記複数の第1トレースを通して受信された複数の第1出力信号のうちの前記複数の第2タッチ電極に隣接した第1タッチ電極の第1基準出力信号と前記複数の第2トレースを通して受信された複数の第2出力信号のうちの前記複数の第1タッチ電極に隣接した第2タッチ電極の第2基準出力信号を使用して前記複数の第1出力信号および/または前記第2出力信号を補正するタッチコントローラーと、を含む、タッチ装置。
【請求項10】
前記タッチコントローラーは、前記複数の第1出力信号のうちの少なくとも1つの第1出力信号と前記複数の第2出力信号のうちの少なくとも1つの第2出力信号とを2つのグループに分け、前記2つのグループそれぞれをn次関数で近似し、前記nは正数である、請求項9に記載のタッチ装置。
【請求項11】
前記タッチコントローラーは、前記複数の第1出力信号のうちのn個の第1出力信号と前記第2基準出力信号を前記2つのグループのうちの1つのグループにグルーピングし、前記第1基準出力信号と前記複数の第2出力信号のうちのn個の第2出力信号を前記2つのグループのうちの他の1つのグループにグルーピングする、請求項10に記載のタッチ装置。
【請求項12】
前記タッチコントローラーは、前記2つのn次関数の係数を計算し、前記2つのn次関数を使用して前記複数の第1出力信号および/または前記第2出力信号を補正する、請求項9に記載のタッチ装置。
【請求項13】
前記タッチコントローラーは、前記補正された前記複数の第1出力信号および/または前記第2出力信号のうちの2つを差分してタッチ位置を決定する、請求項9に記載のタッチ装置。
【請求項14】
前記複数のタッチ電極に隣接したスタイラスペンの共振回路によって前記複数のタッチ電極のうちの一部のタッチ電極に第1方向の電流が誘導され、前記複数のタッチ電極のうちの他の一部のタッチ電極に前記第1方向と反対の第2方向の電流が誘導される、請求項9に記載のタッチ装置。
【請求項15】
前記タッチコントローラーは、前記複数のタッチ電極のうちの隣接する2つのタッチ電極に誘導された電流の方向が互いに異なると、前記隣接する2つのタッチ電極間を前記スタイラスペンの位置として決定する、請求項14に記載のタッチ装置。
【請求項16】
前記共振回路によって前記複数の第2タッチ電極に隣接した第1タッチ電極および前記複数の第1タッチ電極に隣接した第2タッチ電極には同じ方向の電流が誘導される、請求項14に記載のタッチ装置。
【請求項17】
前記共振回路によって前記複数の第1トレースと複数の第2トレースには同じ方向の電流が誘導される、請求項14に記載のタッチ装置。
【請求項18】
複数のタッチ電極のうちの複数の第1タッチ電極それぞれに連結された複数の第1トレースから第1出力信号を受信し、前記複数のタッチ電極のうちの複数の第2タッチ電極それぞれに連結された複数の第2トレースから第2出力信号を受信する段階と、
前記複数の第1トレースを通して受信された複数の第1出力信号のうちの前記複数の第2タッチ電極に隣接した第1タッチ電極の第1基準出力信号と前記複数の第2トレースを通して受信された複数の第2出力信号のうちの前記複数の第1タッチ電極に隣接した第2タッチ電極の第2基準出力信号を使用して前記複数の第1出力信号および/または前記第2出力信号を補正する段階と、
前記補正された前記複数の第1出力信号および/または前記第2出力信号を使用してタッチ位置を決定する段階と、を含む、タッチ装置の駆動方法。
【請求項19】
前記複数の第1出力信号および/または前記第2出力信号を補正する段階は、
前記複数の第1出力信号のうちの少なくとも1つの第1出力信号と前記複数の第2出力信号のうちの少なくとも1つの第2出力信号を2つのグループに分ける段階と、
前記2つのグループそれぞれをn次関数で近似する段階-前記nは正数である-と、
前記2つのn次関数の係数を計算する段階と、
前記2つのn次関数を使用して前記複数の第1出力信号および/または前記第2出力信号を補正する段階と、を含む、請求項18に記載のタッチ装置の駆動方法。
【請求項20】
前記タッチ位置を決定する段階は、
前記補正された前記複数の第1出力信号および/または前記第2出力信号のうちの2つを差分してタッチ位置を決定する段階を含む、請求項19に記載のタッチ装置の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ装置およびその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、スマートフォン(smart phone)、ノートパソコン(laptop computer)、デジタル放送用端末機、PDA(personal digital assistants)、PMP(portable multimedia player)、ナビゲーション、スレートPC(slate PC)、タブレットPC(tablet PC)、ウルトラブック(ultrabook)、ウェアラブルデバイス(wearable device)のような多様な電子デバイスにはタッチセンサーが備えられる。
【0003】
このような電子デバイス内でのタッチセンサーは、イメージを表示する表示パネル上に位置するか、または電子デバイスの一部分に位置し得る。ユーザがタッチセンサーをタッチして電子デバイスと相互作用することによって、電子デバイスは、直観的なユーザインターフェースをユーザに提供することができる。
【0004】
ユーザは精巧なタッチ入力のために、スタイラスペンを使用することができる。スタイラスペンは、内部にバッテリーおよび電子部品が備えられているかどうかによってアクティブ(active)スタイラスペンとパッシブ(passive)スタイラスペンに区分される。
【0005】
アクティブスタイラスペンは、パッシブスタイラスペンに比べて基本性能が優れ、付加的な機能(筆圧、ホバリング、ボタン)を提供できる長所があるが、バッテリーの充電中には使用しにくい短所がある。
【0006】
パッシブスタイラスペンは、アクティブスタイラスペンに比べて価格が安く、バッテリーを必要としない長所があるが、アクティブスタイラスペンに比べて精巧なタッチ認識が難しい短所がある。
【0007】
特に、パッシブスタイラスペンのうち、EMR(Electro-Magnetic Resonance)方式のペンの場合、デジタイザ(digitizer)がペンに電磁信号を伝達した後、デジタイザにペンから共振信号が入力される。このようなデジタイザには、ペンによるタッチ情報を受信するために磁気信号によって電流を誘導することができるコイルを細かく配列することができる。このようなデジタイザは、電子デバイスの小型化、薄型化に対応できず、柔軟に設計することもできないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、1つの層の上で実現できるタッチ装置およびその駆動方法を提供する。
【0009】
本発明は、スタイラスペンによるタッチ感知性能を向上させることができるタッチ装置およびその駆動方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るタッチ装置は、それぞれ第1端および第2端を有する複数のタッチ電極、複数のタッチ電極のうちの複数の第1タッチ電極それぞれの第1端に連結された複数の第1トレース、複数のタッチ電極のうちの複数の第2タッチ電極それぞれの第2端に連結された複数の第2トレース、および複数の第1トレースを通して受信された複数の第1出力信号のうちの複数の第2タッチ電極に隣接した第1タッチ電極の第1基準出力信号と複数の第2トレースを通して受信された複数の第2出力信号のうちの複数の第1タッチ電極に隣接した第2タッチ電極の第2基準出力信号を使用して複数の第1出力信号および/または第2出力信号を補正するタッチコントローラーを含む。
【0011】
タッチコントローラーは、複数の第1出力信号のうちの少なくとも1つの第1出力信号と複数の第2出力信号のうちの少なくとも1つの第2出力信号とを2つのグループに分け、2つのグループそれぞれをn次関数で近似し、nは正数であり得る。
【0012】
タッチコントローラーは、複数の第1出力信号のうちのn個の第1出力信号と第2基準出力信号とを2つのグループのうちの1つのグループにグルーピングし、第1基準出力信号と複数の第2出力信号のうちのn個の第2出力信号を2つのグループのうちの他の1つのグループにグルーピングすることができる。
【0013】
タッチコントローラーは2つのn次関数の係数を計算し、2つのn次関数を使用して複数の第1出力信号および/または第2出力信号を補正することができる。
【0014】
タッチコントローラーは、補正された複数の第1出力信号および/または第2出力信号のうちの2つを差分してタッチ位置を決定することができる。
【0015】
複数のタッチ電極に隣接したスタイラスペンの共振回路によって複数のタッチ電極のうちの一部のタッチ電極に第1方向の電流が誘導され、複数のタッチ電極のうちの他方の一部のタッチ電極に第1方向と反対の第2方向の電流が誘導される。
【0016】
タッチコントローラーは、複数のタッチ電極のうちの隣接する2つのタッチ電極に誘導された電流の方向が互いに異なると、隣接する2つのタッチ電極間をスタイラスペンの位置として決定することができる。
【0017】
共振回路によって、複数の第2タッチ電極に隣接した第1タッチ電極および複数の第1タッチ電極に隣接した第2タッチ電極には同じ方向の電流が誘導される。
【0018】
本発明に係るタッチ装置は、複数のタッチ電極と、複数のタッチ電極のうちの複数の第1タッチ電極それぞれに連結され、第1方向に延長された複数の第1トレースと、複数のタッチ電極のうちの複数の第2タッチ電極それぞれに連結され、第1方向と反対の第2方向に延長された複数の第2トレースと、複数の第1トレースを通して受信された複数の第1出力信号のうちの複数の第2タッチ電極に隣接した第1タッチ電極の第1基準出力信号と複数の第2トレースを通して受信された複数の第2出力信号のうちの複数の第1タッチ電極に隣接した第2タッチ電極の第2基準出力信号を使用して複数の第1出力信号および/または第2出力信号を補正するタッチコントローラーと、を含む。
【0019】
タッチコントローラーは、複数の第1出力信号のうちの少なくとも1つの第1出力信号と複数の第2出力信号のうちの少なくとも1つの第2出力信号とを2つのグループに分け、2つのグループそれぞれをn次関数で近似し、nは正数であり得る。
【0020】
タッチコントローラーは、複数の第1出力信号のうちのn個の第1出力信号と第2基準出力信号を2つのグループのうちの1つのグループにグルーピングし、第1基準出力信号と複数の第2出力信号のうちのn個の第2出力信号を2つのグループのうちの他の1つのグループにグルーピングすることができる。
【0021】
タッチコントローラーは2つのn次関数の係数を計算し、2つのn次関数を使用して複数の第1出力信号および/または第2出力信号を補正することができる。
【0022】
タッチコントローラーは、補正された複数の第1出力信号および/または第2出力信号のうちの2つを差分してタッチ位置を決定することができる。
【0023】
複数のタッチ電極に隣接したスタイラスペンの共振回路によって、複数のタッチ電極のうちの一部のタッチ電極に第1方向の電流が誘導され、複数のタッチ電極のうちの他の一部のタッチ電極に第1方向と反対の第2方向の電流が誘導される。
【0024】
タッチコントローラーは、複数のタッチ電極のうちの隣接する2つのタッチ電極に誘導された電流の方向が互いに異なると、隣接する2つのタッチ電極間をスタイラスペンの位置として決定することができる。
【0025】
共振回路によって、複数の第2タッチ電極に隣接した第1タッチ電極および複数の第1タッチ電極に隣接した第2タッチ電極には同じ方向の電流が誘導される。
【0026】
共振回路によって、複数の第1トレースおよび複数の第2トレースには同じ方向の電流が誘導される。
【0027】
本発明に係るタッチ装置の駆動方法は、複数のタッチ電極のうちの複数の第1タッチ電極それぞれに連結された複数の第1トレースから第1出力信号を受信し、前記複数のタッチ電極のうちの複数の第2タッチ電極それぞれに連結された複数の第2トレースから第2出力信号を受信する段階と、複数の第1トレースを通して受信された複数の第1出力信号のうちの複数の第2タッチ電極に隣接した第1タッチ電極の第1基準出力信号と複数の第2トレースを通して受信された複数の第2出力信号のうちの複数の第1タッチ電極に隣接した第2タッチ電極の第2基準出力信号を使用して複数の第1出力信号および/または第2出力信号を補正する段階と、補正された複数の第1出力信号および/または第2出力信号を使用してタッチ位置を決定する段階と、を含む。
【0028】
複数の第1出力信号および/または第2出力信号を補正する段階は、複数の第1出力信号のうちの少なくとも1つの第1出力信号と複数の第2出力信号のうちの少なくとも1つの第2出力信号を2つのグループに分ける段階と、2つのグループそれぞれをn次関数で近似する段階(nは正数である)と、2つのn次関数の係数を計算する段階と、2つのn次関数を使用して複数の第1出力信号および/または第2出力信号を補正する段階と、を含む。
【0029】
タッチ位置を決定する段階は、補正された複数の第1出力信号および/または第2出力信号のうちの2つを差分してタッチ位置を決定する段階を含む。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、タッチ装置の製造費用を下げる長所がある。
【0031】
本発明によれば、より薄く、小さいフォームファクターを提供できる長所がある。
【0032】
本発明によれば、スタイラスペンから出力される信号のSNR(signal-noise-ratio)を改善できる長所がある。
【0033】
本発明によれば、タッチ入力の受信感度を向上させることができる長所がある。
【0034】
本発明によれば、より正確なタッチ位置を計算できる長所がある。
【0035】
本発明によれば、パームリジェクションを行うことができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1a】スタイラスペンと電子デバイスを示す概念図である。
図1b】スタイラスペンと電子デバイスを示す概念図である。
図2】スタイラスペンと電子デバイスとの間の信号伝達動作を概略的に示す図である。
図3a図1aの電子デバイスの一部積層構造を概略的に示す図である。
図3b図1bの電子デバイスの一部積層構造を概略的に示す図である。
図3c図1bの電子デバイスの一部積層構造を概略的に示す図である。
図4】電子デバイスを概略的に示すブロック図である。
図5】実施形態によるスタイラスペンを示す図である。
図6】一実施形態によるタッチ装置の一部を概略的に示す図である。
図7】一実施形態によるタッチ装置の電極およびトレースの配置形態の一例を示す図である。
図8a】一実施形態によるタッチ装置の第1電極を示す図である。
図8b】一実施形態によるタッチ装置の受信機を示す図である。
図9a】一実施形態によるタッチ装置の出力信号および差分データを示すグラフである。
図9b】一実施形態によるタッチ装置の出力信号および差分データを示すグラフである。
図9c】一実施形態によるタッチ装置の出力信号および差分データを示すグラフである。
図9d】一実施形態によるタッチ装置の出力信号および差分データを示すグラフである。
図10a】一実施形態によるタッチ装置の第2電極を示す図である。
図10b】一実施形態によるタッチ装置の受信機を示す図である。
図11a】一実施形態によるタッチ装置の出力信号および差分データを示すグラフである。
図11b】一実施形態によるタッチ装置の出力信号および差分データを示すグラフである。
図11c】一実施形態によるタッチ装置の出力信号および差分データを示すグラフである。
図11d】一実施形態によるタッチ装置の出力信号および差分データを示すグラフである。
図12】一実施形態によるタッチ装置の駆動方法を示すフローチャートである。
図13】タッチモジュールおよびホストを示すブロック図である。
図14】タッチモジュールからホストに提供されるタッチデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本明細書の多様な実施形態を添付した図面を参照して記載する。しかし、これは本明細書に記載された技術を特定の実施形態に限定するものではなく、本明細書の実施形態の多様な変更(modifications)、均等物(equivalents)、および/または代替物(alternatives)を含むものと理解しなければならない。図面の説明で、類似の構成要素に対しては同一の参照符号が用いられる。
【0038】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図面に示されたところに限定されない。図面において、様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0039】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする時、これは他の部分の「直上に」ある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上に」あるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。また、対象部分の「上に」というのは、対象部分の上または下に位置することを意味するものであり、必ずしも重力方向を基準として上側に位置することを意味するものではない。
【0040】
本明細書において、「有する」、「有し得る」、「含む」、または「含み得る」などの用語は相応する特徴(例えば、数値、機能、動作または部品のような構成要素)の存在を示し、追加機能の存在を排除しない。
【0041】
本明細書において、「AまたはB」、「Aまたは/およびBのうちの少なくとも1つ」、または「Aまたは/およびBのうちの1つまたはそれ以上」などの用語はそれらと共に列挙された項目のすべての可能な組み合わせを含む。例えば、「AまたはB」、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」、または「AまたはBのうちの少なくとも1つ」は(1)少なくとも1つのAを含むか、(2)少なくとも1つのBを含むか、(3)少なくとも1つのAおよび少なくとも1つのBを含むことを意味する。
【0042】
本明細書で使用される「第1」および「第2」のような用語は、手順および/または重要度にかかわらず多様な構成要素を用いることができ、構成要素を制限せず1つの構成要素を他の構成要素と区別するために用いられる。例えば、第1ユーザ装置および第2ユーザ装置は手順または重要度にかかわらず互いに他のユーザ装置を示す。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素で命名されることができ、同様に、第2構成要素も第1構成要素で命名されることができる。
【0043】
構成要素(例えば、第1構成要素)が他の構成要素(例えば、第2構成要素)と「(作動的または通信的に)結合される((operatively or communicatively)coupled with/to)」、または「連結される(connected to)」場合、構成要素は、他の構成要素と直接結合されてもよく、他の構成要素(例えば、第3構成要素)を介して連結されてもよいことを理解するだろう。反対に、ある構成要素(例えば、第1構成要素)が他の構成要素(例えば、第2構成要素)と「直接結合されて」いるか、「直接接続されて」いる時、構成要素と他の構成要素の間に他の構成要素(例えば、第3構成要素)が中間に存在しないことが理解されるだろう。
【0044】
本明細書で使用される「構成される(または設定される)(configured to)」という表現は、状況に応じて、例えば、「適合な(suitable for)」、「能力を有する(having the capacity to)」、「設計された(designed to)」、「適応する(adapted to)」、「作られる(made to)」、または「可能である(capable of)」と相互交換的に用いられる。「構成(または設定)」という用語は、必ずしもハードウェア水準で「特別に設計された(specifically designed to)」を意味するものではない。代わりに、「~から構成された装置」という表現は装置が特定状況で他の装置または部品と共に「可能である」ということを意味する。例えば、「A、BおよびCを行うように構成された(または設定された)プロセッサー」は当該動作を行うための専用プロセッサー(例えば、エンベデッドプロセッサー)、またはメモリ装置に記憶された1つ以上のソフトウェアプログラムを実行することによって当該動作を行うことができる汎用プロセッサー(generic-purpose processor)(例えば、CPUまたはアプリケーションプロセッサー(application processor))を意味する。
【0045】
本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するためのことで他の実施形態の範囲を限定しようとするものではない。単数の表現は文脈上明白に異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。技術的や科学的な用語を含んでここで用いられる用語は、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書で使用される用語中、一般的に用いられる辞典に定義されている用語は、関連技術の文脈上で有する意味と同一または類似の意味を有することと解釈すべきであり、本明細書で明白に定義されない限り、理想的な意味や過度に形式的な意味に解釈されない。場合によっては、本明細書で定義された用語であっても、本明細書の実施形態を排除するように解釈してはいけない。
【0046】
本明細書の多様な実施形態による電子デバイスは、例えば、スマートフォン、タブレットPC(tablet personal computer)、携帯電話(mobile phone)、ビデオフォン、電子書籍リーダー(e-book reader)、ラップトップPC(laptop personal computer)、ネットブックコンピュータ(netbook computer)、モバイル医療機器、カメラ(camera)、またはウェアラブル装置(wearable device)のうちの少なくとも一つを含み得る。多様な実施形態によれば、ウェアラブル装置はアクセサリータイプ(例えば、時計、指輪、腕輪、アンクレット、ネックレス、メガネ、コンタクトレンズまたはヘッドマウントディスプレイ(head mounted device、HMD)、織物または衣類一体型(例えば、電子衣類)、身体装着型(例えば、スキンパッド(skin pad)またはタトゥー)、および生体移植型(例えば、植込み型回路(implantable circuit))のうちの少なくとも一つを含み得る。
【0047】
以下、図面を参照して、実施形態による電子デバイスおよびその駆動方法について説明する。
【0048】
図1aおよび図1bは、スタイラスペンと電子デバイスを示す概念図である。
【0049】
図1aを参照すると、スタイラスペン10は、電子デバイス2のタッチスクリーン20の周りで電子デバイス2またはタッチスクリーン20から出力される信号を受信し、タッチスクリーン20に信号を送信することができる。
【0050】
図1bを参照すると、電子デバイス2は折り畳み可能である。スタイラスペン10は、フォルダブル電子デバイス2のタッチスクリーン20の周りで電子デバイス20またはタッチスクリーン20から出力される信号を受信し、タッチスクリーン20に信号を送信することができる。
【0051】
長方形状のフォルダブル電子デバイス2またはそれに含まれるタッチスクリーン20などの部材において、平面上で左側に位置する長辺を第1長辺LS1、右側に位置する長辺を第2長辺LS2、上側に位置する短辺を第1短辺SS1、下側に位置する短辺を第2短辺SS2と称する。
【0052】
フォルダブル電子デバイス2は、第1短辺SS1および第2短辺SS2を横切るフォールディング軸AXIS_Fを基準にして所定のフォールディング方向に沿ってフォールディングされる。つまり、フォルダブル電子デバイス2は、フォールディング軸AXIS_Fを基準にしてフォールディング方向に沿ってフォールド状態(folded state)とアンフォールド状態(unfolded state)の間の状態転換が可能となる。
【0053】
図2は、スタイラスペンと電子デバイスとの間の信号伝達動作を概略的に示す図である。図2の(a)を参照すると、タッチスクリーン20aは、デジタイザ29、ディスプレイパネル251、タッチ電極層21、およびウィンドウ22を含む。
【0054】
パッシブスタイラスペンのうちのEMR(Electro-Magnetic Resonance)方式のペンの場合、デジタイザ(digitizer)29がEMR方式のスタイラスペン10aに磁気信号Bを伝達すると、スタイラスペン10aに含まれている共振回路は磁気信号Bに共振することができる。そうすると、デジタイザ29がスタイラスペン30から共振された磁気信号Bが入力される。
【0055】
デジタイザ29は、ディスプレイパネル251の下に取り付けられ、導電性のアンテナループが複数本形成されているFPCB(Flexible Printed Circuit Boardd)とアンテナループによって生成された磁場を遮断し、アンテナループが磁場を形成すると、他の電気的素子、構成要素で生成され得る渦電流を遮断するフェライトシート(ferrite sheet)とを含む。
【0056】
FPCBには、共振信号が入力される位置を感知するための複数のアンテナループが複数のレイヤーで構成される。1つのアンテナループは、少なくとも1つの他のアンテナループとZ軸方向に重畳した形態を有する。これによってFPCBの厚さが厚くなる。したがって、デジタイザ29を使用する場合、電子デバイス2の薄型化、小型化が難しくなる。
【0057】
このようなデジタイザ29がフォルダブル/フレキシブル電子デバイス2に搭載される場合、フォールディングが発生する時にフォールディングされる領域に取り付けられたFPCBの変形が発生することがある。反復的なフォールディングによってアンテナループを形成する配線部材にストレスが加われ、結果的には配線部材の損傷をもたらす。フェライトシートは、アンテナループによって発生した磁場が電子デバイス2内部に及ぼす影響を遮断する。フェライトシートも厚さが厚く、電子デバイス2のフォールディングが発生する場合変形が発生しやすく、反復的なフォールディングによって損傷をもたらすことになる。
【0058】
図2の(b)を参照すると、タッチスクリーン20cは、ディスプレイパネル251、タッチ電極層21、およびウィンドウ22を含む。
【0059】
共振回路を含むスタイラスペン10の場合、タッチ電極層21の電極がスタイラスペン10に磁気信号Bを伝達すると、スタイラスペン10に含まれている共振回路は磁気信号Bに共振することができる。そうすると、タッチ電極層21の電極がスタイラスペン10から共振された電磁信号(Eおよび/またはB)が入力される。抵抗が小さいメタルメッシュ(metal mesh)でタッチ電極層21の電極が形成される場合、スタイラスペン10からの磁気信号を検出することができる。
【0060】
同様に、デジタイザ29と比較すると、タッチスクリーン20cは、磁気信号をスタイラスペン10に伝達するための追加的なユニットやモジュールを必要としないので、タッチスクリーン20bの薄型化が可能であり、製造費用においても長所がある。
【0061】
図2の(c)を参照すると、タッチスクリーン20bは、ループコイル264、ディスプレイパネル251、タッチ電極層21、およびウィンドウ22を含む。
【0062】
共振回路を含むスタイラスペン10の場合、ループコイル264がスタイラスペン10に磁気信号Bを伝達すると、スタイラスペン10に含まれている共振回路は磁気信号Bに共振することができる。そうすると、タッチ電極層21の電極がスタイラスペン10から共振された電磁信号(Eおよび/またはB)が入力される。
【0063】
デジタイザ29と比較すると、ループコイル264は、タッチ位置を検出するための磁気信号Bを受信しないので、配線構造が簡単であり、タッチスクリーン20bの薄型化が可能である。したがって、電子デバイス2の薄型化、小型化が可能である。また、ループコイル264は多様なサイズで様々な位置に形成されるので、このようなタッチスクリーン20bは、フォルダブル/フレキシブル電子デバイス2にも適用可能である。
【0064】
ループコイル264は、アンテナループが位置した基板およびフェライトシートを含んでもよい。アンテナループは、銅、銀などの導体材料からなる。アンテナループは、基板以外にもタッチ電極層21と同一層に位置することができ、この場合、アンテナループは、メタルメッシュ、ITO、グラフェン、銀ナノワイヤなどの高い透過率、低インピーダンスを示す導体材料からなる。また、アンテナループはウィンドウの下に位置し、この場合、基板はループコイル264に含まれないことがある。
【0065】
前記でタッチ電極層21は、第1方向のタッチ座標を検出するための複数の第1タッチ電極と、第1方向と交差する第2方向のタッチ座標を検出するための複数の第2タッチ電極とを含む。図2ではタッチ電極層21を1つの層として示しているが、第1タッチ電極と第2タッチ電極は互いに異なる層にそれぞれ配置されてもよく、互いに重畳して配置されてもよく、互いに重畳せずに配置されてもよく、第1タッチ電極と第2タッチ電極の間に別の層を介してもよいが、これらに限定されない。
【0066】
図2の(d)を参照すると、タッチスクリーン20dは、ディスプレイパネル251、タッチ電極層21、およびウィンドウ22を含む。
【0067】
共振回路を含むアクティブスタイラスペン10’ の場合、アクティブスタイラスペン10’に含まれている共振回路は、アクティブスタイラスペン10’内の電源(例えば、電力を貯蔵するためのバッテリー(二次電池を含む)およびEDLC(electric double layered capacitor)などのキャパシタ)を使用して共振することができる。そうすると、タッチ電極層21の電極がスタイラスペン10’から共振された電磁信号(Eおよび/またはB)が入力される。抵抗が小さいメタルメッシュでタッチ電極層21の電極が形成される場合、スタイラスペン10’からの磁気信号を検出することができる。アクティブスタイラスペン10’は電磁信号を生成するために共振回路だけでなく、電源を使用して所定の周波数を有する電磁信号(Eおよび/またはB)を出力する回路を含んでもよい。また、アクティブスタイラスペン10’は、共振回路と所定の周波数を有する電磁信号(Eおよび/またはB)を出力する回路を全て含むこともできる。
【0068】
タッチスクリーン20dは、磁気信号をスタイラスペン10’に伝達せずとも、スタイラスペン10’から電磁信号を受信できる。つまり、タッチスクリーン20dは、スタイラスペン10’に含まれている共振回路を共振させるための信号を生成するための追加的なユニットやモジュールを必要としないので、タッチスクリーン20dの薄型化、小型化が可能であり、消費電力および製造費用においても長所がある。
【0069】
次に、図3a~図3cを参照して、図2の(b)においてのタッチスクリーン20bの構造について詳細に説明する。
【0070】
図3aは、図1aの電子デバイスの一部積層構造を概略的に示す図である。
【0071】
図3aを参照すると、ディスプレイパネル251は、基板2510上に配置された回路駆動層2512を含んでもよい。回路駆動層2512は、映像を表示する画素の発光層2514を駆動する回路を含んでもよい。例えば、回路駆動層2512は、複数の薄膜トランジスターとキャパシタとを含む。
【0072】
回路駆動層2512上には発光層2514が配置される。発光層2514は、有機発光層を含んでもよい。発光層2514は、回路駆動層2512から伝達される駆動信号によって多様な輝度で発光する。
【0073】
発光層2514上には共通電極層2516が配置される。共通電極層2516は、スリット形状の少なくとも1つの開口を有する。
【0074】
共通電極層2516上には封止層2516が配置される。封止層2516は、無機膜または無機膜と有機膜との積層膜を含むことができる。他の例として、封止層2516としてガラスや封止フィルムなどを適用することもできる。
【0075】
封止層2516上には、タッチ電極層21またはタッチ電極などが配置される。タッチ電極層21は、タッチ入力を認識する層であって、タッチ部材の機能を行うことができる。タッチ電極層21は、複数のタッチ領域とタッチ電極を含むことができる。
【0076】
タッチ電極層21上には偏光層23が配置される。偏光層23は、外光反射を減らす役割を果たすことができる。偏光層23は、粘着層を介してタッチ電極層21上に取り付けられる。偏光層23は省略することもできる。
【0077】
偏光層23上には保護層22が配置される。保護層22は、例えば、ウィンドウ部材を含んでもよい。保護層22は、光学透明接着剤などによって偏光層23上に取り付けられる。
【0078】
ディスプレイパネル251の下には磁場遮蔽層24が配置される。磁場遮蔽層24は、磁場を遮断するフェライトシートを含んでもよい。また、磁場遮蔽層24は、基板2510の下に接着されたフェライト粉末を含んでもよい。磁場遮蔽層24は、タッチ電極層21および/またはスタイラスペン10が磁場を形成すると、他の電気的素子、構成要素で生成され得る渦電流を遮断することができる。
【0079】
図3bおよび図3cは、図1bの電子デバイスの一部積層構造を概略的に示す図である。
【0080】
図3bの積層構造は、図3aの積層構造と同一であるが、フォールディング軸AXIS_Fを基準にしてフォルダブル電子デバイス2のフォールディングが発生するときにフォールディングされる領域(以下、フォールディング領域)FAに磁場遮蔽層24が位置する。
【0081】
図3cの積層構造は、図3bの積層構造と比較して、フォールディング領域FAまたはフォールディング領域FAに含まれる一領域を除いて、磁場遮蔽層24が位置する。例えば、磁場遮蔽層24は、フォールディング領域FAと長辺LS1との間の領域に位置する第1シート24aおよびフォールディング領域FAと長辺LS2との間の領域に位置する第2シート24bを含み得る。フェライトシート24は、2つのシート以外に複数のシートを含むことができ、この場合にも磁場遮蔽層24は、ディスプレイパネル251の後面のフォールディング領域FAを除いた領域またはフォールディング領域FAの一部を除いた領域に位置する。
【0082】
次に、図4を参照して、実施形態による電子デバイス2について説明する。
【0083】
図4は、電子デバイスを概略的に示すブロック図である。
【0084】
図4に示すように、電子デバイス2は、無線通信部210、メモリ220、インターフェース部230、電源供給部240、ディスプレイ部250、タッチモジュール260、および制御部270などを含む。図4に示した構成要素は電子デバイスを具現するために必ずしも必要なものではないので、本明細書で説明する電子デバイスは、前記に列挙された構成要素より多いか、または少ない構成要素を有する。
【0085】
より具体的には、前記構成要素のうち、無線通信部210は、電子デバイス2と無線通信システムの間、電子デバイス2と他の電子デバイス2の間、または電子デバイス2と外部サーバの間の無線通信を可能にする一つ以上のモジュールを含み得る。また、前記無線通信部210は、電子デバイス2を一つ以上のネットワークに連結する一つ以上のモジュールを含み得る。
【0086】
このような無線通信部210は、無線インターネットモジュール211および近距離通信モジュール212などを含み得る。
【0087】
無線インターネットモジュール211は、無線インターネット接続のためのモジュールであって、電子デバイス2に内蔵される。無線インターネットモジュール211は、無線インターネット技術による通信網から無線信号を送受信するように構成される。無線インターネット技術としては、例えば、WLAN(Wireless LAN)、Wi-Fi(Wireless-Fidelity)、Wi-Fi(Wireless Fidelity)Direct、DLNA(Digital Living Network Alliance)、WiBro(Wireless Broadband)、WiMAX(World Interoperability for Microwave Access)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)、NR(New Radio)、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(Long Term Evolution-Advanced)などがあり、前記無線インターネットモジュール211は前記に列挙されていないインターネット技術まで含む範囲で少なくとも一つの無線インターネット技術によりデータを送受信することになる。
【0088】
近距離通信モジュール212は、近距離通信(Short range communication)のためのものであって、ブルートゥース(BluetoothTM)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association;IrDA)、UWB(Ultra Wideband)、ZigBee、NFC(Near Field Communication)、Wi-Fi、Wi-Fi Direct、Wireless USB(Wireless Universal Serial Bus)の技術のうちの少なくとも一つを使用して近距離通信を支援することができる。このような、近距離通信モジュール212は、近距離無線通信網(Wireless Area Networks)を介して電子デバイス2と無線通信システムの間、電子デバイス2と無線通信可能なデバイスの間、または電子デバイス2と外部サーバが位置したネットワークの間の無線通信を支援することができる。前記近距離無線通信網は近距離無線個人通信網(Wireless Personal Area Networks)であり得る。
【0089】
ここで、無線通信可能なデバイスは、本発明に係る電子デバイス2とデータを相互交換可能な(または連動可能な)移動端末(mobile terminal、例えば、スマートフォン、タブレットPC、ノートブック(notebook)など)であり得る。近距離通信モジュール212は、電子デバイス2周辺に前記電子デバイス2と通信可能な無線通信可能デバイスを感知(または認識)することができる。さらに、制御部270は、前記感知された無線通信可能なデバイスが一実施形態による電子デバイス2と通信するように認証されたデバイスの場合、電子デバイス2で処理されるデータの少なくとも一部を、前記近距離通信モジュール212を介して無線通信可能なデバイスに伝送できる。したがって、無線通信可能なデバイスの使用者は、電子デバイス2で処理されるデータを、無線通信可能なデバイスを介して利用することができる。
【0090】
また、メモリ220は、電子デバイス2の多様な機能を支援するデータを保存する。メモリ220は、電子デバイス2で駆動される多数の応用プログラム(application program)またはアプリケーション(application))、電子デバイス2の動作のためのデータ、命令語を保存できる。
【0091】
インターフェース部230は、電子デバイス2に連結される多様な種類の外部機器との通路の役割を果たす。このようなインターフェース部230は、有/無線ヘッドセットポート(port)、外部充電器ポート(port)、有/無線データポート(port)、メモリカード(memory card)ポート、識別モジュールが備えられた装置を連結するポート(port)、オーディオI/O(Input/Output)ポート(port)、ビデオI/Oポート(port)、イヤホンポート(port)のうちの少なくとも一つを含み得る。
【0092】
電源供給部240には制御部270の制御下で外部の電源、内部の電源が印加され、電子デバイス2に含まれている各構成要素に電源を供給する。このような電源供給部240はバッテリーを含み、前記バッテリーは、内蔵型バッテリーまたは取り外し可能なバッテリーであり得る。
【0093】
ディスプレイ部250は、電子デバイス2で処理される情報を表示(出力)する。例えば、ディスプレイ部250は、電子デバイス2で駆動される応用プログラムの実行画面情報、またはこのような実行画面情報によるUI(User Interface)、GUI(Graphic User Interface)情報を表示することができる。
【0094】
ディスプレイ部250は、LCDディスプレイ(liquid crystal displayay)、OLED(organic light emitting diode)ディスプレイ、電子インクディスプレイ(e-ink display)、量子ドット(quantum dot)発光ディスプレイ、マイクロLED(Light emitting diode)ディスプレイなどを含み得る。
【0095】
ディスプレイ部250は、映像を表示するディスプレイパネル251と、ディスプレイパネル251と連結されて映像を表示するための信号をディスプレイパネル251に供給するディスプレイコントローラー252と、を含む。例えば、ディスプレイパネル251には複数のスキャン線、複数のデータ線などの信号線で連結された複数の画素と、スキャン線でスキャン信号を供給するスキャン駆動/受信部が配置され、ディスプレイコントローラー252は、データ線に印加するデータ信号を生成するデータ駆動ICと映像信号を処理してディスプレイ部250の全般的な動作を制御するタイミングコントローラー、電源管理(power management)ICなどを含み得る。
【0096】
タッチモジュール260は、静電容量方式を利用してタッチ領域に加わるタッチ(またはタッチ入力)を感知する。一例として、タッチモジュール260は、特定部位に発生する静電容量、電圧、または電流などの変化を電気的な入力信号に変換するように構成される。タッチモジュール260は、タッチ領域上にタッチを加えるタッチ客体がタッチモジュール260上にタッチされる位置、面積、タッチ時の静電容量などを検出できるように構成される。ここで、タッチ客体は、前記タッチセンサーにタッチを印加する物体であって、例えば、使用者の身体部位(指、手のひらなど)、パッシブ(passive)またはアクティブ(active)方式のスタイラスペン10などであり得る。
【0097】
タッチモジュール260は、タッチ電極が位置するタッチセンサー261と、タッチセンサー261に駆動信号を印加し、タッチセンサー261から感知信号を受信して、制御部270および/またはディスプレイコントローラー252にタッチデータを伝達するタッチコントローラー262と、を含む。
【0098】
タッチコントローラー262は、複数の第1タッチ電極のうちの少なくとも一つに連結されて駆動信号を印加し、感知信号を受信する第1駆動/受信部、複数の第2タッチ電極のうちの少なくとも一つに連結されて駆動信号を印加し、感知信号を受信する第2駆動/受信部、および第1駆動/受信部と第2駆動/受信部の動作を制御し、第1および第2駆動/受信部から出力される感知信号を使用してタッチ位置を取得するMCU(micro control unit)を含み得る。
【0099】
ディスプレイパネル251はタッチセンサー261と相互レイヤー構造をなすか、または一体型に形成され、タッチスクリーン20と称することもある。
【0100】
制御部270は電子デバイス2の駆動を制御し、電子デバイス2のタッチ感知結果に対応してタッチ座標情報を出力することができる。また、制御部270は、タッチ感知結果に対応して駆動信号の周波数を変更することができる。
【0101】
制御部270は前記応用プログラムに関連した動作以外にも、通常、電子デバイス2の全般的な動作を制御する。制御部270は、上述した構成要素を介して入力または出力される信号、データ、情報などを処理するか、またはメモリ220に貯蔵された応用プログラムを駆動することによって、使用者に適切な情報または機能を提供または処理することができる。
【0102】
また、制御部270は、メモリ220に貯蔵された応用プログラムを駆動するために、図4と共に見た構成要素のうちの少なくとも一部を制御することができる。さらに、制御部270は前記応用プログラムの駆動のために、電子デバイス2に含まれている構成要素のうちの少なくとも二つ以上を互いに組み合わせて動作させることができる。
【0103】
前記でタッチモジュール260はディスプレイ部250と共に電子デバイス2に含まれるものとして説明したが、電子デバイス2はタッチモジュール260のみを含むこともできる。
【0104】
図5は、実施形態によるスタイラスペンを示す図である。
【0105】
図5のスタイラスペンは共通してハウジング内の共振回路部12を含む。
【0106】
共振回路部12はLC共振回路であって、タッチスクリーン20から出力される駆動信号に共振できる。駆動信号は、共振回路部12の共振周波数に対応する周波数を有する信号(例えば、サイン波、矩形波など)を含み得る。共振のため、共振回路部12の共振周波数と駆動信号の周波数は同一または極めて類似しなければならない。スタイラスペン10a、10bの共振周波数は、スタイラスペン10a、10bの共振回路部12の設計値による。図2の(b)の電極21または図2の(c)のループコイル264が駆動信号による磁場を発生させると、スタイラスペン10a、10bの共振回路部12は、磁場の変化によって受信した信号を利用して共振する。
【0107】
スタイラスペン10a、10bの素子はハウジングに収容される。ハウジングは、円柱、多角柱、少なくとも一部分が曲面である柱形態、エンタシス(entasis)形態、角錐台(frustum of pyramid)形態、円錐台(circular truncated cone)形態などを有してもよく、その形態に限定されない。ハウジングは内部が空いているので、その内部に共振回路部12のようなスタイラスペン10a、10bの素子を収容できる。このようなハウジングは非導電性物質からなる。
【0108】
図5の(a)に示すように、EMR方式のスタイラスペン10aは、芯体11aと共振回路部12とを含む。共振回路部12は、インダクタ部14とキャパシタ部13とを含む。インダクタ部14は、芯体11aが貫通するフェライトコア115と、フェライトコア115の外面に巻かれているコイル116とを含む。
【0109】
芯体11aの一端はペン先であって、フェライトコア115から突出している。芯体11aは、導体、例えば、導電性金属や導電性粉末を混入した硬質樹脂からなる電極芯から構成することができる。
【0110】
フェライトコア115には、例えば、円柱形状のフェライト材料に、芯体11aを挿入通過させるための所定の直径(例えば、1mm)の軸心方向の貫通孔を形成することができる。
【0111】
コイル116は、フェライトコア115の軸心方向の全体長さにわたって巻かれているか、一部の長さにわたって巻かれている。コイル116は、キャパシタ部13に電気的に連結される。
【0112】
キャパシタ部113は、並列に連結された複数のキャパシタを含んでもよい。プリント基板上の各キャパシタは、互いに異なるキャパシタンスを有することができ、製造工程内でトリミング(trimming)することができる。
【0113】
図5の(b)に示すように、ECR(Electrically Coupled Resonance)方式のスタイラスペン10bは、導電性チップ11bと共振回路部12とを含む。共振回路部12は、インダクタ部14とキャパシタ部13とを含む。インダクタ部14は、フェライトコア115と、フェライトコア115の外面に巻かれているコイル116とを含む。
【0114】
導電性チップ11bは、少なくとも一部が導電性物質(例えば、金属、導電性ゴム、導電性織物、導電性シリコーンなど)からなり、これらに限定されない。
【0115】
コイル116は、フェライトコア115の軸心方向の全体長さにわたって巻かれているか、一部の長さにわたって巻かれている。コイル116は、キャパシタ部13に電気的に連結される。
【0116】
キャパシタ部113は、並列に連結された複数のキャパシタを含んでもよい。プリント基板上の各キャパシタは、互いに異なるキャパシタンスを有することができ、製造工程内でトリミング(trimming)することができる。
【0117】
以下、図5で説明したスタイラスペンからの共振信号を使用してタッチを検出する方法について説明する。
【0118】
図6は、一実施形態によるタッチ装置の一部を概略的に示す図である。
【0119】
本発明の一実施形態によるタッチモジュール(つまり、タッチ装置)260はタッチセンサー261と、タッチセンサー261を制御するタッチコントローラー262とを含む。タッチコントローラー262は、タッチセンサー261と信号を送受信する第1駆動/受信部2620と、第2駆動/受信部2622と、制御部2624とを含む。
【0120】
タッチセンサー261は、第1方向のタッチ座標を検出するための複数の第1タッチ電極111-1~111-mと、第1方向と交差する第2方向のタッチ座標を検出するための複数の第2タッチ電極121-1~121-nとを含む。例えば、複数の第1タッチ電極111-1~111-mは、第2方向に延長された形態を有することができ、複数の第2タッチ電極121-1~121-nは、第1方向に延長された形態を有することができる。タッチセンサー261内において、複数の第1タッチ電極111-1~111-mは第1方向に沿って配列され、複数の第2タッチ電極121-1~121-nは第2方向に沿って配列される。
【0121】
第1駆動/受信部2620は、複数の第1タッチ電極111-1~111-mに駆動信号を印加することができる。第2駆動/受信部2622は、複数の第2タッチ電極121-1~121-nから感知信号を受信することができる。
【0122】
前記でタッチセンサー261が相互キャパシタンス方式で具現されることで説明したが、タッチセンサー261はセルフキャパシタンス方式で具現することができ、相互キャパシタンス方式でのタッチ電極111-1~111-m、121-1~121-n、第1駆動/受信部2620、および第2駆動/受信部2622を適切に変形するか、または新たなコンポーネントを追加するか、一部の構成要素を省略してセルフキャパシタンス方式に適合するように修正することは通常の技術者にとっては容易であるだろう。
【0123】
つまり、タッチセンサー261は、セルフキャパシタンス方式のタッチ電極を複数個含むことができ、この場合、タッチ電極はドット(dot)形態で配列されてもよく、上記で説明した通り、一方向に延長された形態で配列されてもよい。
【0124】
次に、図7を参照して電極およびトレースについて説明する。
【0125】
図7は、一実施形態によるタッチ装置の電極およびトレースの配置形態の一例を示す図である。
【0126】
タッチセンサー内のタッチ電極111、121は、タッチ領域の周縁に位置する周辺領域のトレース112、122a、122bを通じて複数のパッド1131に連結される。複数のパッド1131は、パッド領域113に位置する。第1タッチ電極111-0、...、111-15は、それぞれのトレース112に対応して連結されており、第2タッチ電極121-0、...、121-31は、それぞれのトレース122a、122bに対応して連結されている。
【0127】
タッチ電極111、121とトレース112、122a、122bは同一層に形成することができる。タッチ電極111、121とトレース112、122a、122bはメタルメッシュ、銀ナノワイヤなどの高い透過率、低インピーダンスを示す導体材料からなる。しかし、タッチ電極111、121とトレース112、122a、122bは異なる層に位置することができ、ITO、グラフェンで製造することができ、これらに限定されない。
【0128】
パッド1131は、タッチコントローラー262に接続されており、タッチコントローラー262の信号(例えば、駆動信号)をタッチ電極111、121に伝達し、タッチ電極111、121からの信号(例えば、感知信号)をタッチコントローラー262に伝達する。
【0129】
図7において、第1タッチ電極111は16個であり、第2タッチ電極121は32個であることで説明したが、第1タッチ電極111と第2タッチ電極121の個数はこれらに限定されない。以下、第1タッチ電極111は16個であり、第2タッチ電極121は32個であることで説明する。
【0130】
次に、図8a、図8b、図9a、図9b、図9c、および図9dを参照して、タッチ電極121から感知信号を受信する場合、第2駆動/受信部2622の作動について説明する。
【0131】
図8aは、一実施形態によるタッチ装置の第1電極を示す図であり、図8bは、一実施形態によるタッチ装置の受信機を示す図であり、図9a、図9b、図9c、および図9dは、一実施形態によるタッチ装置の出力信号および差分データを示すグラフである。
【0132】
図8aを参照すると、スタイラスペン10a、10bのインダクタ部14はタッチスクリーン20上で、2つの隣接した第2タッチ電極121-2、121-3の間に位置する。
【0133】
一実施形態において、第2タッチ電極121-0、...、121-15の第1端(-X軸方向端部)に対応する第1トレースRA0、...、RA15が連結される。この時、第2タッチ電極121-0、...、121-15の第2端(X軸方向端部)は開放されている。第2タッチ電極121-16、...、121-31の第2端に対応する第2トレースRA16、...、RA31が連結される。この時、第2タッチ電極121-16、...、121-31の第1端は開放されている。
【0134】
一実施形態において、スタイラスペン10a、10bは、2つの信号入力端を有するタッチ電極(例えば、121または図7の111)に印加された駆動信号によって共振される。共振によってインダクタ部14のコイルに流れる電流Irが流れる。このような電流Irは、タッチ電極121に渦電流(eddy current)を発生させることができる。このような渦電流は、電流Ir方向の反対方向に形成される。
【0135】
例えば、インダクタ部14の上側方向(+Y軸方向)に位置した第2タッチ電極121-0、121-1、121-2には-X軸方向に電流Ib0、Ib1、Ib2が形成され、インダクタ部14の下側(-Y軸方向)に位置した第2タッチ電極121-3、...、121-31には+X軸方向に電流Ib3、...、Ib31が形成される。つまり、第2タッチ電極121-0、121-1、121-2に誘導される電流Ib0、Ib1、Ib2の方向と第2タッチ電極121-3~121-31に誘導される電流Ib3、...、Ib31の方向が互いに反対であり得る。
【0136】
一時点で第2タッチ電極121-0、...、121-31とトレースRA0、...、RA31との間の電流の方向をみると、第2タッチ電極121-0、121-1、121-2から第1トレースRA0、RA1、RA2に電流Ib0、Ib1、Ib2を引き込むことができ、第1トレースRA3~RA15から第2タッチ電極121-3~121-15に電流Ib3、...、Ib15を引き込むことができ、第2タッチ電極121-16~121-31から第2トレースRA16~RA31に電流Ib16、...、Ib31を引き込むことができる。
【0137】
図8bを参照すると、第2駆動/受信部2622は、複数の増幅器(AMP)を含み得る。増幅器(AMP)それぞれは、シングルエンデッド増幅器(single ended amplifier)であり得る。増幅器(AMP)それぞれは、1つの入力端および1つの出力端を有する。複数のトレースRA0~RA31それぞれは、対応する増幅器(AMP)の入力端に連結される。各増幅器(AMP)の出力信号SA0、...、SA31はコントローラー(図6の2624)に伝達される。コントローラー2624は出力信号SA0、...、SA31を受信し、タッチ地点を決定することができる。
【0138】
タッチ地点を決定する方法に関連して、図9aおよび図9bを参照して説明する。図9aに示すように、出力信号SAは電圧として表現される。図8aにおいて、インダクタ部14が第2タッチ電極121-2と第2タッチ電極121-3との間に位置しているので、出力信号SA2と出力信号SA3が他の出力信号SA0、SA1、SA4、...、SA31に比べてもっと0に近い値を有する。第2タッチ電極121-2に連結された第1トレースRA2には電流が引き込まれ、第2タッチ電極121-3に連結された第1トレースRA3には電流が引き出される。したがって、出力信号SA2の符号と出力信号SA3の符号が異なる。
【0139】
タッチコントローラー(図6の2624)は、出力信号SA0、...、SA31を互いに差分した結果を用いてタッチ位置を決定することができる。図9bを参照すると、出力信号SA0、...、SA31のうちの配列方向に隣接する2つのタッチ電極からの出力信号を差分した差分データDAで示す。タッチコントローラー2624は、出力信号SA0、...、SA31をADC(analog-to-digital converter)などによってデジタルデータに変換し、差分データを生成することができる。タッチコントローラー2624は、差分データDA0、...、DA30を使用して重心法などのタッチ位置計算方法によりタッチ位置を決定することができる。差分データDA0、...、DA30を使用してタッチ位置を決定する場合、重心法によって計算されるタッチ位置は、差分データの基礎となる2つの出力信号を出力する第2タッチ電極121-0、...、121-31の間のそれぞれの位置として計算することができる。つまり、重心法は、信号の大きさと当該信号が感知された位置を乗算した値で重心を計算してタッチ位置を決定するが、差分データDA0、...、DA30が感知された位置が実在しないので、それぞれの差分データDA0、...、DA30の基礎となる2つの出力信号を出力する2つの第2タッチ電極の間の位置として重心法を使用してタッチ位置を決定することができる。
【0140】
一実施形態において、第2駆動/受信部2622が複数の差動増幅器(differential amplifier)を含み、それぞれの差動増幅器によって2つの第2タッチ電極からの差分信号が出力されると、タッチコントローラー2624は別途の差分データを計算しなくても、差動増幅器から出力された差分信号を使用してタッチ位置を決定することができる。
【0141】
図9aにおいて出力信号SA0、...、SA31については重心法を適用しにくいので、タッチコントローラー2624は出力信号SA0、...、SA31を使用して図9bのように差分データDA0、...、DA30を計算し、差分データDA0、...、DA30の値を使用してタッチ位置を決定することができる。
【0142】
一方、特定の差分データは、電流が同じ方向に流れる2つの第2タッチ電極それぞれに連結された方向が互いに反対の2つのトレースから出力された出力信号を使用して生成される。例えば、差分データDA15は、第2タッチ電極121-15の第1端(-X軸方向端部)に連結された第1トレースRA15から出力された出力信号SA15と第2タッチ電極121-16の第2端(X軸方向端部)に連結された第2トレースRA16から出力された出力信号SA16によって生成される。第2タッチ電極121-15と第2タッチ電極121-16には同じ方向(X軸方向)に電流Ib15、Ib16が流れる。これによって、電流Ib15、Ib16は、第2タッチ電極121-15と第2タッチ電極121-16で同じ方向(X軸方向)に流れるが、これを第2駆動/受信部2622に伝達するトレースRA15、RA16の連結方向が互いに反対であるので、第2駆動/受信部2622の増幅器(AMP)には互いに異なる符号の出力信号SA15、SA16がそれぞれ入力される。互いに異なる符号の出力信号SA15、SA16の差分によって、差分データDA15は異なる差分データDA0、DA1、DA3、...、DA14、DA16、...、DA30に比べてもっと大きい値を有する。したがって、実際にスタイラスペン10a、10bによってタッチされていないが、コントローラー2624は、トレースRA15、RA16に連結された第2タッチ電極121-15と第2タッチ電極121-16の間でもタッチが発生したと決定することができる。
【0143】
一実施形態において、タッチコントローラー2624は、差分データDA0、...、DA30を使用して第2タッチ電極121-0、...、121-15とトレースの連結方向が異なる第2タッチ電極121-16、...、121-31からの出力信号SA16、...、SA31を補正することができる。一実施形態において、タッチコントローラー2624は、第2タッチ電極121-16、...、121-31とトレースの連結方向が異なる第2タッチ電極121-0、...、121-15からの出力信号SA0、...、SA15を補正することもできる。
【0144】
一実施形態において、タッチコントローラー2624は、差分データDA0、...、DA30のうちのトレース連結方向が互いに異なる2つの第2タッチ電極121-15、121-16からの出力信号SA15、SA16を使用して出力信号SA0、...、SA31を補正することができる。
【0145】
まず、差分データDA0、...、DA14は次の数式1で表される。
[数式1]
【数1】
【0146】
差分データDA15は次の数式2で表される。
[数式2]
【数2】
【0147】
差分データDA16、...、DA30は次の数式3で表される。
[数式3]
【数3】
【0148】
上記数式1~3をSAiに対して整理すると、次の数式4~6の通りである。
[数式4]
【数4】
[数式5]
【数5】
[数式6]
【数6】
【0149】
【数6-1】
で表される時、数式5および6は次の通り整理される。
[数式7]
【数7】
[数式8]
【数8】
【0150】
タッチコントローラー2624は、連結されたトレースの方向が互いに異なる第2タッチ電極121-15、121-16が出力信号SA15、SA16および第2タッチ電極121-15、121-16に隣接した第2タッチ電極121-13、121-14、121-17、121-18からの出力信号SA13、SA14、SA17、SA18を使用して出力信号SA0、...、SA31を補正することができる。例えば、タッチコントローラー2624は、複数の出力信号SA13、...、SA18を2つのグループにグルーピングしてそれぞれn次関数で近似し、2つのn次関数の係数を計算することによって、第2タッチ電極121-13、...、121-18それぞれに対するタッチ信号SA13、...、SA18を補正することができる。この時、1つのグループはn+1個の出力信号を含む。以下でn=3の場合、1つのグループは4個の出力信号SA13、...、SA16を含み、他のグループは4個の出力信号SA15、...、SA18を含む。そうすると、タッチコントローラー2624は出力信号SA13、...、SA16を3次関数で近似し、出力信号SA15、...、SA18を3次関数で近似する。以下、第2タッチ電極121-13、...、121-18それぞれに対するタッチ信号SA6、...、SA11を計算する方法について説明する。出力信号SA13、...、SA16と出力信号SA15、...、SA18それぞれを3次関数で近似すると、次の数式9および数式10で表される。
[数式9]
【数9】
[数式10]
【数10】
【0151】
数式9中、x値は第2タッチ電極121-13、...、121-16の位置に対応し、y値はSA13、...、SA16で表される。数式10中、x値は第2タッチ電極121-15、...、121-18の位置に対応し、y値はSA15、...、SA18で表される。
【0152】
数式9を整理すると、次の数式11の通り係数を整理することができる。
[数式11]
【数11】
【0153】
数式10を整理すると、次の数式12の通り係数を整理することができる。
[数式12]
【数12】
【0154】
数式11および数式12を整理すると、次の数式13および数式14の通りである。
[数式13]
【数13】
[数式14]
【数14】
【0155】
数式13および数式14と整理された係数を有する数式9および数式10に数式7および数式8をそれぞれ代入して数式9および数式10の係数を整理し、数式9中、xに1.5を代入する時の値(つまり、YL(x)において、第2タッチ電極121-15と第2タッチ電極121-16との間での出力信号値)と数式10中、xに-0.5を代入する時の値(つまり、YR(x)において、第2タッチ電極121-15と第2タッチ電極121-16との間での出力信号値)が同じであるようにC値を求めると、次の数式15の通りである。
[数式15]
【数15】
【0156】
C値が計算されると、タッチコントローラー2624は、数式7および数式8を用いて出力信号SA0、...、SA31の補正値を計算することができる。
【0157】
図9cに示すように、出力信号SAを補正出力信号CSAで補正することができる。そうすると、図9dに示すように、差分データDAを補正差分データCDAで補正することもできる。
【0158】
つまり、タッチコントローラー2624は、第2タッチ電極121-13、121-14、121-15のトレースの連結方向と異なる方向にトレースが連結された第2タッチ電極121-16、121-17、121-18の出力信号SAを補正出力信号CSAで補正し、補正出力信号を使用して補正差分データCDAを生成することができる。したがって、一実施形態によれば、スタイラスペン10a、10bによってタッチされていないが、タッチ電極に対するトレースの連結方向が変わることによるタッチの誤認識を除去することができる。
【0159】
次に、図10a、図10b、図11a、図11b、図11c、および図11dを参照して、タッチ電極121から感知信号を受信する場合、第1駆動/受信部2620の作動について説明する。
【0160】
図10aは、一実施形態によるタッチ装置の第2電極を示す図であり、図10bは、一実施形態によるタッチ装置の受信機を示す図であり、図11a、図11b、図11c、および図11dは、一実施形態によるタッチ装置の出力信号および差分データを示すグラフである。
【0161】
図10aを参照すると、スタイラスペン10a、10bのインダクタ部14は、タッチスクリーン20上で、2つの隣接した第1タッチ電極111-3、111-4の間に位置する。
【0162】
一実施形態において、第1タッチ電極111-0、...、111-15の第1端(-Y軸方向端部)に対応するトレースRB0、...、RB15が連結される。この時、トレースRB0、...、RB15のうちの第3トレースRB0、...、RB7は-X軸方向に延長され、他の第4トレースRB8、...、RB15はX軸方向に延長される。
【0163】
一実施形態において、スタイラスペン10a、10bは、2つの信号入力端を有するタッチ電極(例えば、111または図7の121)に印加された駆動信号によって共振することができる。共振によってインダクタ部14のコイルに流れる電流Irが流れる。このような電流Irは、タッチ電極111に渦電流を発生させることができる。このような渦電流は、電流Ir方向の反対方向に形成される。
【0164】
例えば、インダクタ部14の左側方向(-X軸方向)に位置した第1タッチ電極111-0、...、111-3には-Y軸方向に電流Ia0、...、Ia3が形成され、インダクタ部14の右側(+X軸方向)に位置した第1タッチ電極111-4、...、111-15には+Y軸方向に電流Ia4、...、Ia15が形成される。つまり、第1タッチ電極111-1、...、111-3に誘導される電流Ia0、...、Ia3の方向と第1タッチ電極111-4~111-15に誘導される電流Ia4、...、Ia15の方向が互いに反対であり得る。
【0165】
スタイラスペン10a、10bのインダクタ部14がトレースRB0、...、RB15に隣接した場合、電流Irは、トレースRB0、...、RB15にも渦電流を発生させることができる。例えば、トレースRB8、...、RB15には+X軸方向に電流Ic8、...、Ic15が形成される。-X軸方向に延長された第3トレースRB0、...、RB7には第1タッチ電極111-0、...、111-7に引き込まれる方向に電流を形成することができ、+X軸方向に延長された第4トレースRB8、...、RB15には第1タッチ電極111-8、...、111-15から引き出される方向に電流が形成される。つまり、トレースRB0、...、RB15の延長方向に沿ってインダクタ部14によって形成される電流の方向が互いに反対であり得る。
【0166】
一時点で第1タッチ電極111-0、...、111-15とトレースRB0、...、RB15との間の電流の方向をみると、電流Ia3と電流Ic3の方向が反対であるが、電流Ia3が電流Ic3よりもさらに大きいので、電流Ia3-Ic3は、第1タッチ電極111-3から第3トレースRB3に引き込まれる。電流Ia4、...、Ia7と電流Ic4、...、Ic7の方向が同じであるので、電流Ia4+Ic4、...、Ia7+Ic7は、第3トレースRB4、...、RB7から第1タッチ電極111-4、...、111-7に引き込まれる。電流Ia8、...、Ia15と電流Ic8、...、Ic15の方向が反対であり、各電流の大きさはインダクタ部14が第4トレースRB8、...、RB15に隣接した程度に応じて異なるので、第1タッチ電極111-8、...、111-15から第4トレースRB8、...、RB15に引き込みまたは引き出し方向に電流が形成される。以下、第1タッチ電極111-8に形成された電流Ia8の大きさが、対応する第4トレースRB8に形成された電流Ic8よりもさらに大きいものと仮定して説明する。
【0167】
図10bを参照すると、第1駆動/受信部2620は、複数の増幅器(AMP)を含み得る。増幅器(AMP)それぞれは、1つの入力端および1つの出力端を有する。複数のトレースRB0~RB15それぞれは、対応する増幅器(AMP)の入力端に連結される。各増幅器(AMP)の出力信号SB0、...、SB15はコントローラー(図6の2624)に伝達される。コントローラー2624は出力信号SB0、...、SB15を受信し、タッチ地点を決定することができる。
【0168】
タッチ地点を決定する方法に関連して、図11aおよび図11bを参照して説明する。図11aに示すように、出力信号SBは電圧として表現される。図10aにおいて、インダクタ部14が第1タッチ電極111-3と第1タッチ電極111-4との間に位置しているので、出力信号SB3と出力信号SB4が他の出力信号SB0、...、SB2、SB5、...、SB15に比べて0に近い値を有する。第1タッチ電極111-3に連結された第3トレースRB3には電流Ia3-Ic3が引き込まれ、第1タッチ電極111-4に連結された第3トレースRB4には電流Ia4+Ic4が引き出される。したがって、出力信号SB3の符号と出力信号SB4の符号が異なる。
【0169】
タッチコントローラー(図6の2624)は、出力信号SB0、...、SB15を互いに差分した結果を用いてタッチ位置を決定することができる。図11bを参照すると、出力信号SB0、...、SB15のうちの隣接する2つのタッチ電極からの出力信号を差分した差分データDBで示す。タッチコントローラー2624は、差分データDB0、...、DB14を使用して重心法などのタッチ位置計算方法によりタッチ位置を決定することができる。差分データDB0、...、DB14を使用してタッチ位置を決定する場合、重心法によって計算されるタッチ位置は、差分データの基礎となる2つの出力信号を出力する第1タッチ電極111-0、...、111-15の間のそれぞれの位置として計算することができる。つまり、重心法は、信号の大きさと当該信号が感知された位置を乗算した値で重心を計算してタッチ位置を決定するが、差分データDB0、...、DB14が感知された位置が実在しないので、それぞれの差分データDB0、...、DB14の基礎となる2つの出力信号を出力する2つの第1タッチ電極の間の位置として重心法を使用してタッチ位置を決定することができる。
【0170】
一実施形態において、第1駆動/受信部2620が複数の差動増幅器を含み、それぞれの差動増幅器によって2つの第1タッチ電極からの差分信号が出力されると、タッチコントローラー2624は別途の差分データを計算しなくても、差動増幅器から出力された差分データを使用してタッチ位置を決定することができる。
【0171】
図11aにおいて出力信号SB0、...、SB15については重心法を適用しにくいので、タッチコントローラー2624は出力信号SB0、...、SB15を差分して図11bのように差分データDB0、...、DB14を計算し、差分データDB0、...、DB14の大きさを使用してタッチ位置を決定することができる。
【0172】
一方、特定の差分データは、延長された方向が互いに反対であるが、電流が同じ方向に流れる2つのトレースから出力された出力信号を使用して生成される。例えば、差分データDB7は、延長された方向がそれぞれ-X軸、および+X軸であるが、同じ方向(+X軸方向)に電流が形成される第3トレースRB7と第3トレースRB8から出力された出力信号SB7、SB8によって生成される。つまり、第1駆動/受信部2620の増幅器(AMP)には互いに異なる符号の出力信号SB7、SB8がそれぞれ入力される。互いに異なる符号の出力信号SB7、SB8の差分によって差分データDB7は、他の差分データDB0、DB2、...、DB6、DB8、...、DB14に比べてもっと大きい大きさを有する。したがって、実際にスタイラスペン10a、10bによってタッチされていないが、コントローラー2624は、トレースRB7、RB8に連結された第1タッチ電極111-7と第1タッチ電極111-8との間でもタッチが発生したと決定することができる。
【0173】
一実施形態において、タッチコントローラー2624は、トレースの延長方向が互いに異なる第1タッチ電極111-5、...、111-7および第1タッチ電極111-8、...、111-10からの出力信号SB5、...、SB10を使用して出力信号SB8、...、SB15を補正することができる。例えば、タッチコントローラー2624は、複数の出力信号SB5、...、SB10を2つのグループにグルーピングしてそれぞれn次関数で近似し、2つのn次関数の係数を計算することによって、第1タッチ電極111-8、...、111-15それぞれに対する出力信号SB8、...、SB15を補正することができる。この時、1つのグループはn+1個の出力信号を含む。以下でn=3の場合、1つのグループは4個の出力信号SB5、...、SB8を含み、他のグループは4個の出力信号SB7、...、SA10を含む。そうすると、タッチコントローラー2624は、出力信号SB5、...、SB8を3次関数で近似し、出力信号SB7、...、SA10を3次関数で近似する。第1タッチ電極111-5、...、111-8それぞれに対するタッチ信号SB5、...、SB10を計算する方法は、前記数式1~数式15を同様に適用して行うことができる。
【0174】
一実施形態において、タッチコントローラー2624は第2タッチ電極121-0、121-31から決定されたタッチ位置がトレースRB0、...、RB15と所定距離以下であると決定されると、出力信号SB8、...、SB15を補正することができる。インダクタ部14の位置がトレースRB0、...、RB15に隣接する場合、つまり、Y軸方向にトレースRB0、...、RB15に隣接する場合、トレースRB0、...、RB15に形成される電流の大きさが第1タッチ電極111-0、...、111-15に印加される電流の大きさだけ大きくなるので、タッチコントローラー2624は出力信号SB8、...、SB15を補正することができる。
【0175】
図12は、一実施形態によるタッチ装置の駆動方法を示すフローチャートである。
【0176】
タッチ装置は、出力信号を決定する(S300)。一実施形態において、それぞれのタッチ電極が対応するシングルエンデッド増幅器に連結されている場合、タッチ装置はタッチ電極それぞれの出力信号を受信することができる。対応する2つのタッチ電極が対応する1つの差動増幅器に一緒に連結されている場合、タッチ装置は数式2のように、タッチ電極それぞれの出力信号を決定することができる。
【0177】
タッチ装置は、出力信号をn次関数で近似する(S310)。タッチ装置は、出力信号をタッチ電極に連結されたトレースの方向が互いに異なる2つのタッチ電極の出力信号をそれぞれ含む2つのグループにグルーピングし、2つのグループをそれぞれn次関数で近似する。タッチ装置は、2つのn次関数を使用してn次関数それぞれの係数を計算することができる。
【0178】
タッチ装置は、n次関数を使用して出力信号を補正する(S320)。タッチ装置は、n次関数の結果値を各タッチ電極の出力信号であるものと補正することができる。
【0179】
タッチ装置は、出力信号を使用してタッチ地点を決定する(S330)。タッチ装置は、2つのタッチ電極の出力信号を差分して差分データを生成し、差分データを使用して重心法などによってタッチ地点を決定することができる。
【0180】
図13は、タッチモジュールおよびホストを示すブロック図であり、図14は、タッチモジュールからホストに提供されるタッチデータの一例を示す図である。
【0181】
図13を参照すると、ホスト270は、タッチモジュール260に含まれているタッチコントローラー262にタッチデータの提供を受けることができる。例えば、ホスト270は、モバイル向けSoC(System on Chip)、アプリケーションプロセッサー(AP:Application Processor)、メディアプロセッサー(Media Processor)、マイクロプロセッサー、中央処理装置(CPU:Central Processing Unitnit)、またはこれと類似した装置であり得る。
【0182】
タッチモジュール260は、1フレームが終了した後、1フレーム中に入力されたタッチに関する情報をタッチデータで生成してホスト270に伝達できる。
【0183】
図13および図14を参照すると、タッチデータ600はタッチモジュール260からホスト270に伝達され、タッチカウントフィールド610および少なくとも一つのタッチエンティティフィールド612、614を含む。また、タッチデータ600には、スタイラスペン10からのセンサー入力データ、共振信号変更を示すデータなどをさらに含み得る。
【0184】
タッチカウントフィールド610には、1フレーム区間の間に入力されたタッチの個数を示す値を書き込むことができる。タッチエンティティフィールド612、614はそれぞれのタッチ入力に対する情報を示すフィールドを含む。例えば、タッチエンティティフィールド612、614はフラグフィールド620、X軸座標フィールド621、Y軸座標フィールド622、Z値フィールド623、面積フィールド624、タッチアクションフィールド625を含む。
【0185】
タッチエンティティフィールド612、614の個数はタッチカウントフィールド610に書き込まれた値と同じ値でもよい。
【0186】
フラグフィールド620にはタッチ客体を示す値が書き込まれる。例えば、指、手のひら、およびスタイラスペンは互いに異なる値がフラグフィールド620に書き込まれる。X軸座標フィールド621とY軸座標フィールド622には計算されたタッチ座標を示す値が書き込まれる。Z値フィールド623には感知信号の信号強度に対応する値が書き込まれる。面積フィールド624にはタッチされた領域の面積に対応する値が書き込まれる。
【0187】
実施形態によれば、タッチデータ600が伝達されたホスト270は面積フィールド624の値を使用して、タッチ面積が臨界値より大きい場合タッチ客体が指であると判断し、タッチ面積が臨界値以下である場合タッチ客体がスタイラスペン10であると判断する。
【0188】
実施形態によれば、タッチデータ600が伝達されたホスト270はフラグフィールド620の値を使用して、タッチ客体が指またはスタイラスペン10であるかを識別することもできる。
【0189】
本明細書に開示された多様な実施形態による電子デバイスは多様な形態の装置であり得る。電子デバイスは、例えば、携帯用通信装置(例えば、スマートフォン)、コンピュータ装置、携帯用マルチメディア装置、携帯用医療機器、カメラ、ウェアラブル装置、または家電装置を含み得る。本発明の実施形態による電子デバイスは上述した装置に限定されない。
【0190】
本明細書の多様な実施形態およびこれに使用された用語は本明細書に記載された技術的特徴を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、当該実施形態の多様な変更、均等物、または代替物を含むことに理解されなければならない。図面の説明で、類似または関連する構成要素に対しては類似の参照符号が用いられる。アイテムに対応する名詞の単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、前記アイテムの1つまたは複数の表現を含む。本明細書において、「AまたはB」、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」、「AまたはBのうちの少なくとも一つ、」「A、BまたはC、」「A、B、およびCのうちの少なくとも一つ」、および「A、B、またはCのうちの少なくとも一つ」などの用語それぞれは、それらと共に列挙された項目のすべての可能な組み合わせを含み得る。「第1」または「第2」のような用語は単に当該構成要素を他の構成要素と区別するために用いられ、当該構成要素は他の側面(例えば、重要性または手順)に限定されない。ある構成要素(例えば、第1構成要素)が他の構成要素(例えば、第2構成要素)と「(作動的または通信的に)という用語とともに、またはそのような用語の記載なく、「結合される」または「連結される」と言及された場合、それは、ある構成要素が他の構成要素と直接的に(例えば、有線で)、無線で、または第3構成要素を介して連結されることを意味する。
【0191】
本明細書で使用される用語「モジュール」は、ハードウェア、ソフトウェアまたはファームウエアで具現されたユニットを含むことができ、例えば、ロジック、論理ブロック、部品、または回路などの用語と相互互換的に用いられる。モジュールは、一体に構成された部品または一つまたはそれ以上の機能を行う、前記部品の最小単位またはその一部であり得る。例えば、一実施形態によれば、モジュールはASIC(application-specific integrated circuit)の形態で具現される。
【0192】
本明細書の多様な実施形態は、装置(machine)(例えば、電子デバイス)によって読み取られる記録媒体(Storage medium)(例えば、内装メモリまたは外装メモリ)に保存された一つ以上の命令語を含むソフトウェア(例えば、プログラム)として具現される。例えば、装置(例えば、電子デバイス)のプロセッサー(例えば、プロセッサー)は、記録媒体で保存された一つ以上の命令語のうちの少なくとも一つの命令を呼び出し、それを実行することができる。これは装置が、前記呼び出された少なくとも一つの命令語によって少なくとも一つの機能を実行するように運営されることを可能にする。前記一つ以上の命令語は、コンパイラによって生成されたコードまたはインタプリタによって実行できるコードを含み得る。装置で読み取られた記録媒体は、非一時的な(non-transitory)記録媒体の形態に提供される。ここで「非一時的」は、記録媒体が実体的な(tangible)装置であり、信号(Signal)(例えば、電磁波)を含まないことを意味し、この用語は、データが記録媒体に半永久的に保存される場合と一時的に保存される場合を区別しない。
【0193】
一実施形態によれば、本明細書に開示された多様な実施形態による方法は、コンピュータプログラム製品(computer program product)に含まれて提供される。コンピュータプログラム製品は、商品として販売者と購買者の間で取引することができる。コンピュータプログラム製品は、装置で読み取られた記録媒体(例えば、compact disc read only memory(CD-ROM))形態で配布されるか、またはアプリケーションストア(例えば、プレイストアTM)を通じて、または2つの使用者装置(例えば、スマートフォン同士)同士で直接またはオンラインで配布(例えば、ダウンロードまたはアップロード)される。オンライン配布の場合、コンピュータプログラム製品の少なくとも一部は、製造会社のサーバ、アプリケーションストアのサーバ、または中継サーバのメモリなどの装置で読み取られた記録媒体に少なくとも一時的に保存または生成される。
【0194】
多様な実施形態によれば、上述した構成要素のそれぞれの構成要素(例えば、モジュールまたはプログラム)は単数または複数の個体を含み得る。多様な実施形態によれば、上述した当該構成要素のうちの一つ以上の構成要素または動作を省略するか、または一つ以上の他の構成要素または動作を付加することができる。代替的または追加的に、複数の構成要素(例えば、モジュールまたはプログラム)は一つの構成要素に統合することができる。このような場合、統合された構成要素は、複数の構成要素それぞれの構成要素の一つ以上の機能を統合以前に複数の構成要素のうちの当該構成要素によって行われるものと同一または類似して行うことができる。多様な実施形態によれば、モジュール、プログラムまたは他の構成要素によって行われる動作は、順次的、並列的、反復的、または発見的に行われるか、前記動作のうちの一つ以上を他の順に実行するか、省略または一つ以上の他の動作を追加することができる。
図1a
図1b
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図3a
図3b
図3c
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図5
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図8a
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図9a
図9b
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