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特開2023-178431インダクタを備えるエアロゾル発生装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178431
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】インダクタを備えるエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20231207BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20231207BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20231207BHJP
   H05B 6/10 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/20
A24F40/40
H05B6/10 371
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023183120
(22)【出願日】2023-10-25
(62)【分割の表示】P 2022045629の分割
【原出願日】2017-07-07
(31)【優先権主張番号】16186683.5
(32)【優先日】2016-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】フルサ オレク
(72)【発明者】
【氏名】ミロノフ オレク
(57)【要約】
【課題】エアロゾル形成基体を加熱するように位置付けられたサセプタ素子(30)を加熱することによって、エアロゾル形成基体(20)を含むエアロゾル発生物品(10)を加熱するための電気的に作動するエアロゾル発生装置(100)を提供する。
【解決手段】装置は、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受けるためのチャンバー(120)を画定するハウジング(110)と、チャンバーの少なくとも一部分の周りに配置されるインダクタコイル(210)を備えるインダクタ(200)と、インダクタコイルに接続され、使用時に、インダクタコイルが、変動電磁場を生成して、サセプタ素子を加熱し、それによりエアロゾル形成基体を加熱するように、インダクタコイルに高周波電流を提供するように構成される、電源(140)と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成基体を加熱するように位置付けられたサセプタ素子を加熱することによって、前記エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を加熱するための電気的に作動するエアロゾル発生装置であって、
前記エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受けるためのチャンバーを画定する、装置ハウジングと、
前記チャンバーの少なくとも一部分の周りに配置されるインダクタコイルを備える、インダクタと、
前記インダクタコイルに接続され、使用時に、前記インダクタコイルが変動電磁場を生成して、前記サセプタ素子を加熱し、それにより前記エアロゾル形成基体を加熱するように、前記インダクタコイルに高周波電流を提供するように構成される、電源と、を備え、
前記インダクタが、前記インダクタコイルの周りに配置され、使用中に前記インダクタコイルにより生成された前記変動電磁場を前記チャンバーに向かって歪ませるように構成される、磁束コンセントレータをさらに備え、前記磁束コンセントレータが、互いに隣接して位置付けられる複数の個別の磁束コンセントレータセグメントを備える、電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記磁束コンセントレータが、6~8MHzの周波数および摂氏25度の温度で、少なくとも5、好ましくは少なくとも20の比透磁率を有する単一の材料または複数の材料から形成される、請求項1に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記磁束コンセントレータが、単一の強磁性材料または複数の強磁性材料を含む、請求項1または2のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記磁束コンセントレータが、0.3mm~5mm、好ましくは0.3mm~1.5mm、より好ましくは0.5mm~1mmの厚さを有する、請求項1~3のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記磁束コンセントレータが、その長さに沿って変わる、またはその周囲で変わる、またはその長さに沿ってかつその周囲に沿って両方において変わる厚さを有する、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記複数の磁束コンセントレータセグメントが、第一の材料から形成される第一の磁束コンセントレータセグメントと、第二の異なる材料から形成される第二の磁束コンセントレータセグメントと、を含み、前記第一および第二の材料が、異なる値の比透磁率を有する、請求項1~5のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記複数の磁束コンセントレータセグメントが管状であり、前記磁束コンセントレータの長さに沿って同軸に位置付けられる、請求項1~6のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記複数の磁束コンセントレータセグメントが、細長であり、前記磁束コンセントレータの周囲に位置付けられる、請求項1~6のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記複数の細長い磁束コンセントレータセグメントが、それらの長軸方向軸が前記インダクタコイルの前記磁気軸と実質的に平行であるように配置される、請求項8に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記インダクタが、前記インダクタコイルを囲み、前記細長い磁束コンセントレータセグメントがその中に保持される複数の長軸方向のスロットを有する、外側スリーブをさらに備える、請求項8または9に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記細長い磁束コンセントレータセグメントが、前記インダクタコイルに対する前記細長い磁束コンセントレータセグメントの長軸方向の位置が選択的に変えられうるように、前記長軸方向のスロットに摺動可能に保持される、請求項10に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記インダクタが、前記インダクタコイルがその上に支持される外側表面を有する内側スリーブをさらに備える、請求項1~11のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記内側スリーブが、前記内側スリーブ上に前記インダクタコイルを保持するための、前記インダクタコイルの一方または両方の端におけるその外側表面上の突出部を備える、請求項12に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、使用中に前記エアロゾル形成基体を加熱するように位置付けられるサセプタ素子と、を備え、前記エアロゾル発生物品が、前記サセプタ素子が、前記エアロゾル発生装置の前記インダクタによって誘導加熱可能であり、それにより前記エアロゾル発生物品の前記エアロゾル形成基体を加熱するように、前記チャンバーに少なくとも部分的に受けられ、かつその中に配置される、電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記エアロゾル形成基体が、加熱に伴い前記エアロゾル形成基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含む、請求項14に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項16】
電気的に作動するエアロゾル発生装置用のインダクタ組立品であって、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受けるためのチャンバーを画定し、
前記チャンバーの少なくとも一部分の周りに配置される、インダクタコイルと、
前記インダクタコイルの周りに配置され、使用中に前記インダクタコイルにより生成された変動電磁場を前記チャンバーに向かって歪ませるように構成される、磁束コンセントレータであって、互いに隣接して位置付けられる複数の個別の磁束コンセントレータセグメントを備える磁束コンセントレータと、を備える、インダクタ組立品。
【請求項17】
エアロゾル形成基体を加熱するように位置付けられたサセプタ素子を加熱することによって、前記エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を加熱するための電気的に作動するエアロゾル発生装置であって、
前記エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受けるためのチャンバーを画定する、装置ハウジングと、
前記チャンバーの少なくとも一部分の周りに配置されるインダクタコイルを備える、インダクタと、
前記インダクタコイルに接続され、使用時に、前記インダクタコイルが変動電磁場を生成して、前記サセプタ素子を加熱し、それにより前記エアロゾル形成基体を加熱するように、前記インダクタコイルに高周波電流を提供するように構成される、電源と、を備え、
前記インダクタが、前記インダクタコイルの周りに配置され、使用中に前記インダクタコイルにより生成された前記変動電磁場を前記チャンバーに向かって歪ませるように構成される、磁束コンセントレータをさらに備え、前記インダクタが、前記磁束コンセントレータと前記装置ハウジングとの間に位置付けられる緩衝要素をさらに備える、電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項18】
前記緩衝要素が、実質的に前記磁束コンセントレータの全周囲に延在する、請求項17に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項19】
前記緩衝要素が、実質的に前記磁束コンセントレータの外側表面全体に接着される、請求項17または18に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項20】
前記磁束コンセントレータが、前記緩衝要素内に包まれる、請求項17~19のいずれか一項に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項21】
前記緩衝要素が、シリコーン、エポキシ樹脂、ゴムまたは別のエラストマー、あるいはそれらの任意の組み合わせから形成される、請求項17~20のいずれか一項に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項22】
前記磁束コンセントレータが、6~8MHzの周波数および摂氏25度の温度で、少なくとも5、好ましくは少なくとも20の比透磁率を有する単一の材料または複数の材料から形成される、請求項17~21のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項23】
前記磁束コンセントレータが、単一の強磁性材料または複数の強磁性材料を含む、請求項17~22のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項24】
前記磁束コンセントレータが、0.3mm~5mm、好ましくは0.3mm~1.5mm、より好ましくは0.5mm~1mmの厚さを有する、請求項17~23のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項25】
前記磁束コンセントレータが、その長さに沿って変わる、またはその周囲で変わる、またはその長さに沿ってかつその周囲に沿って両方において変わる厚さを有する、請求項17~24のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項26】
前記磁束コンセントレータが、互いに隣接して位置付けられる複数の個別の磁束コンセントレータセグメントを備える、請求項17~25のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項27】
前記複数の磁束コンセントレータセグメントが、第一の材料から形成される第一の磁束コンセントレータセグメントと、第二の、異なる材料から形成される第二の磁束コンセントレータセグメントと、を含み、前記第一および第二の材料が、異なる値の比透磁率を有する、請求項26に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項28】
前記複数の磁束コンセントレータセグメントが、管状であり、前記磁束コンセントレータの前記長さに沿って同軸に位置付けられる、請求項26または27に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項29】
前記複数の磁束コンセントレータセグメントが細長であり、前記磁束コンセントレータの周囲に位置付けられる、請求項26または27に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項30】
前記複数の細長い磁束コンセントレータセグメントが、それらの長軸方向軸が前記インダクタコイルの前記磁気軸と実質的に平行であるように配置される、請求項29に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項31】
前記インダクタが、前記インダクタコイルを囲み、前記細長い磁束コンセントレータセグメントがその中に保持される複数の長軸方向のスロットを有する、外側スリーブをさらに備える、請求項29または30に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項32】
前記細長い磁束コンセントレータセグメントが、前記インダクタコイルに対する前記細長い磁束コンセントレータセグメントの長軸方向の位置が選択的に変えられうるように、前記長軸方向のスロットに摺動可能に保持される、請求項31に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項33】
前記インダクタが、前記インダクタコイルがその上に支持される外側表面を有する内側スリーブをさらに備える、請求項17~32のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項34】
前記内側スリーブが、前記内側スリーブ上に前記インダクタコイルを保持するための、前記インダクタコイルの一方または両方の端におけるその外側表面上の突出部を備える、請求項33に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項35】
請求項17~34のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、使用中に前記エアロゾル形成基体を加熱するように位置付けられるサセプタ素子と、を備え、前記エアロゾル発生物品が、前記サセプタ素子が、前記エアロゾル発生装置の前記インダクタによって誘導加熱可能であり、それにより前記エアロゾル発生物品の前記エアロゾル形成基体を加熱するように、前記チャンバーに少なくとも部分的に受けられ、かつその中に配置される、電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項36】
前記エアロゾル形成基体が、加熱に伴い前記エアロゾル形成基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含む、請求項35に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項37】
電気的に作動するエアロゾル発生装置用のインダクタ組立品であって、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受けるためのチャンバーを画定し、
前記チャンバーの少なくとも一部分の周りに配置される、インダクタコイルと、
前記インダクタコイルの周りに配置され、使用中に前記インダクタコイルにより生成された変動電磁場を前記チャンバーに向かって歪ませるように構成される、磁束コンセントレータと、
前記磁束コンセントレータの外側表面上に位置付けられる、緩衝要素と、を備える、インダクタ組立品。
【請求項38】
エアロゾル形成基体を加熱するように位置付けられたサセプタ素子を加熱することによって、前記エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を加熱するための電気的に作動するエアロゾル発生装置であって、
前記エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受けるためのチャンバーを画定する、装置ハウジングと、
前記チャンバーの少なくとも一部分の周りに配置されるインダクタコイルを備える、インダクタと、
前記インダクタコイルに接続され、使用時に、前記インダクタコイルが変動電磁場を生成して、前記サセプタ素子を加熱し、それにより前記エアロゾル形成基体を加熱するように、前記インダクタコイルに高周波電流を提供するように構成される、電源と、を備え、
前記インダクタが、前記インダクタコイルの周りに配置され、使用中に前記インダクタコイルにより生成された前記変動電磁場を前記チャンバーに向かって歪ませるように構成される、磁束コンセントレータをさらに備え、前記インダクタが、前記磁束コンセントレータの周りに配置される導電性シールドをさらに備え、前記インダクタが、前記インダクタコイルがその上に支持される外側表面を有する内側スリーブであって、前記内側スリーブ上に前記インダクタコイルを保持するための前記インダクタコイルの一方または両方の端におけるその外側表面上の突出部を備える、内側スリーブをさらに備える、電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項39】
前記金属シールドが、前記磁束コンセントレータの周りに延在する金属箔、または前記磁束コンセントレータの周りに延在する構成要素に適用される金属被覆である、請求項38に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項40】
前記金属シールドが、6~8MHzの周波数および摂氏25度の温度で、少なくとも5、好ましくは少なくとも20の比透磁率を有する材料から形成される、請求項38または39に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項41】
前記金属シールドが、少なくとも1x10-2Ωm、好ましくは少なくとも1x10-4Ωm、より好ましくは少なくとも1x10-6Ωmの比抵抗を有する材料から形成される、請求項38~40のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項42】
前記磁束コンセントレータが、6~8MHzの周波数および摂氏25度の温度で、少なくとも5、好ましくは少なくとも20の比透磁率を有する単一の材料または複数の材料から形成される、請求項38~41のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項43】
前記磁束コンセントレータが、単一の強磁性材料または複数の強磁性材料を含む、請求項38~42のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項44】
前記磁束コンセントレータが、0.3mm~5mm、好ましくは0.3mm~1.5mm、より好ましくは0.5mm~1mmの厚さを有する、請求項38~43のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項45】
前記磁束コンセントレータが、その長さに沿って変わる、またはその周囲で変わる、またはその長さに沿ってかつその周囲に沿って両方において変わる厚さを有する、請求項38~44のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項46】
前記磁束コンセントレータが、互いに隣接して位置付けられる複数の個別の磁束コンセントレータセグメントを備える、請求項38~45のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項47】
前記複数の磁束コンセントレータセグメントが、第一の材料から形成される第一の磁束コンセントレータセグメントと、第二の、異なる材料から形成される第二の磁束コンセントレータセグメントと、を含み、前記第一および第二の材料が、異なる値の比透磁率を有する、請求項46に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項48】
前記複数の磁束コンセントレータセグメントが管状であり、前記磁束コンセントレータの長さに沿って同軸に位置付けられる、請求項46または47に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項49】
前記複数の磁束コンセントレータセグメントが細長であり、前記磁束コンセントレータの周囲に位置付けられる、請求項46または47に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項50】
前記複数の細長い磁束コンセントレータセグメントが、それらの長軸方向軸が前記インダクタコイルの前記磁気軸と実質的に平行であるように配置される、請求項49に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項51】
前記インダクタが、前記インダクタコイルを囲み、前記細長い磁束コンセントレータセグメントがその中に保持される複数の長軸方向のスロットを有する、外側スリーブをさらに備える、請求項49または50に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項52】
前記細長い磁束コンセントレータセグメントが、前記インダクタコイルに対する前記細長い磁束コンセントレータセグメントの長軸方向の位置が選択的に変えられうるように、前記長軸方向のスロットに摺動可能に保持される、請求項51に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項53】
請求項38~52のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、使用中に前記エアロゾル形成基体を加熱するように位置付けられるサセプタ素子と、を備え、前記エアロゾル発生物品が、前記サセプタ素子が、前記エアロゾル発生装置の前記インダクタによって誘導加熱可能であり、それにより前記エアロゾル発生物品の前記エアロゾル形成基体を加熱するように、前記チャンバーに少なくとも部分的に受けられ、かつその中に配置される、電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項54】
前記エアロゾル形成基体が、加熱に伴い前記エアロゾル形成基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含む、請求項53に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項55】
電気的に作動するエアロゾル発生装置用のインダクタ組立品であって、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受けるためのチャンバーを画定し、
前記チャンバーの少なくとも一部分の周りに配置される、インダクタコイルと、
前記インダクタコイルの周りに配置され、使用中に前記インダクタコイルにより生成された変動電磁場を前記チャンバーに向かって歪ませるように構成される、磁束コンセントレータと、
前記磁束コンセントレータの周りに配置される、導電性シールドと、
前記インダクタコイルがその上に支持される外側表面を有する内側スリーブであって、前記内側スリーブ上に前記インダクタコイルを保持するための前記インダクタコイルの一方または両方の端におけるその外側表面上の突出部を備える、内側スリーブと、を備える、インダクタ組立品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的に作動するエアロゾル発生システムで使用するための電気的に作動するエアロゾル発生装置、およびこうした電気的に作動するエアロゾル発生装置を備える電気的に作動するエアロゾル発生システムに関連する。
【背景技術】
【0002】
たばこプラグなどのエアロゾル形成基体を加熱するために電気ヒーターを有するエアロゾル発生装置が使用されるいくつかの電気的に作動するエアロゾル発生システムが、当技術分野で提唱されてきた。こうしたエアロゾル発生システムの一つの目的は、従来的な紙巻たばこにおけるタバコの燃焼および熱分解によって生成されるタイプの公知の有害な煙成分を減少させることである。一般的には、エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生装置のチャンバーまたはくぼみ内に挿入されるエアロゾル発生物品の部分として提供される。一部の公知のシステムでは、エアロゾルを形成することができる揮発性成分を放出することが可能な温度にエアロゾル形成基体を加熱するために、加熱ブレードなどの抵抗発熱体は、物品がエアロゾル発生装置に受けられた時にエアロゾル形成基体内に、またはその周りに挿入される。その他のエアロゾル発生システムでは、抵抗発熱体ではなく誘導ヒーターが使用される。誘導ヒーターは、一般的には、エアロゾル発生装置の部分を形成するインダクタと、エアロゾル形成基体と熱的に近接するように配置される伝導性サセプタ素子と、を備える。インダクタは、変動電磁場を生成して、サセプタ素子内に渦電流およびヒステリシス損失を生成し、そのことは、サセプタ素子の加熱を引き起こし、それによりエアロゾル形成基体が加熱される。誘導加熱は、ヒーターをエアロゾル発生物品に露出することなく、エアロゾルを発生することを可能にする。これは、ヒーターが洗浄されうる容易さを改善することができる。しかし、誘導加熱を用いて、インダクタはまた、インダクタの外部にあるエアロゾル発生装置の隣接する部品、またはエアロゾル発生装置と近接するその他の伝導性物品における渦電流およびヒステリシス損失を引き起こしうる。これにより、インダクタの効率が低減しうるため、エアロゾル発生装置の効率が低減し、さらに外部構成要素または隣接する物品の望ましくない加熱をもたらしうる。
【0003】
改善した効率を有し、かつ隣接する物品の望ましくない加熱に関する機会を減少する、電気的に作動するエアロゾル発生装置を提供することが望ましいことになる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第一の態様によると、エアロゾル形成基体を加熱するように位置付けられるサセプタ素子を加熱することによって、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を加熱するための電気的に作動するエアロゾル発生装置が提供され、装置は、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受けるためのチャンバーを画定する装置ハウジングと、チャンバーの少なくとも一部分の周りに配置されるインダクタコイルを備えるインダクタと、インダクタコイルに接続され、インダクタコイルに高周波電流を提供し、そのため使用時に、インダクタコイルが、変動電磁場を生成して、サセプタ素子を加熱し、それによりエアロゾル形成基体を加熱するように構成される、電源と、を備え、インダクタは、インダクタコイルの周りに配置され、使用中にインダクタコイルにより生成された変動電磁場をチャンバーに向かって歪ませるように構成される、磁束コンセントレータをさらに備え、磁束コンセントレータは、複数の個別の磁束コンセントレータセグメントを備える。
【0005】
有利には、チャンバーに向かって電磁場を歪ませることによって、磁束コンセントレータはチャンバー内に電磁場を集中、または集結させうる。これは、磁束コンセントレータが提供されないインダクタと比較して、インダクタコイルを通過する所与のレベルの電力に関するサセプタ内に生成された熱のレベルを増大させうる。したがって、エアロゾル発生装置の効率が改善されうる。
【0006】
本明細書で使用される場合、「電磁場を集中させる」という語句は、磁束コンセントレータが、電磁場の密度がチャンバー内で増大するように電磁場を歪ませることが可能であることを意味する。
【0007】
さらに、チャンバーに向かって電磁場を歪ませることによって、磁束コンセントレータはまた、電磁場がインダクタを越えて伝搬する範囲を減少しうる。言い換えれば、磁束コンセントレータは、電磁シールドとしての役目を果たしうる。これは、装置の隣接する伝導性部品(例えば、金属の外側ハウジングが用いられる場合)、または装置の外部の隣接する伝導性物品の望ましくない加熱を減少しうる。インダクタコイルからの望ましくない加熱および損失を減少することによって、エアロゾル発生装置の効率がさらに改善されうる。
【0008】
「エアロゾル形成基体」という用語は本明細書で使用される場合、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関連する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体の加熱によって放出させることができる。エアロゾル形成基体は、好都合なことにエアロゾル発生物品の一部であってもよい。
【0009】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、システムの近位端またはユーザー側端でユーザーがマウスピースを吸うまたは吸煙することによって直接吸入可能なエアロゾルを発生する物品であってもよい。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。たばこを含むエアロゾル形成基体を含む物品は、たばこスティックと呼ばれる。
【0010】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品と相互作用してエアロゾルを発生する装置を指す。
【0011】
本明細書で使用される時、「エアロゾル発生システム」という用語は、本明細書でさらに記述および図示されるエアロゾル発生物品の本明細書でさらに記述および図示されるエアロゾル発生装置との組み合わせを指す。システムでは、物品と装置とは呼吸に適したエアロゾルを発生するように協働する。
【0012】
本明細書で使用される場合、「磁束コンセントレータ」という用語は、インダクタコイルにより生成された電磁場または電磁力線を集中させる、および導くよう機能する、高比透磁率を有する構成要素を指す。
【0013】
本明細書および当技術分野で使用される場合、「比透磁率」という用語は、磁束コンセントレータなどの材料または媒体の透磁率の自由空間の透磁率「μ0」に対する比を指し、ここにおいて、μ0は、4π×10-7NA-2である。
【0014】
本明細書で使用される場合、「高比透磁率」という用語は、摂氏25度で少なくとも5(例えば、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも80または少なくとも100)の比透磁率を指す。これらの例示的な値は、6~8MHzの周波数および摂氏25度の温度に関する比透磁率の値を指すことが好ましい。
【0015】
本明細書で使用される場合、「高周波振動電流」という用語は、500kHz~10MHzの周波数を有する、振動する電流を意味する。
【0016】
磁束コンセントレータは、摂氏25度で少なくとも5、好ましくは摂氏25度で少なくとも20の比透磁率を有する材料または材料の組み合わせを含むことが好ましい。磁束コンセントレータは、複数の異なる材料から形成されてもよい。こうした実施形態では、全体的な媒体としての磁束コンセントレータは、摂氏25度で少なくとも5、好ましくは摂氏25度で少なくとも20の比透磁率を有しうる。これらの例示的な値は、6~8MHzの周波数および摂氏25度の温度に関する比透磁率の値を指すことが好ましい。
【0017】
磁束コンセントレータは任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。磁束コンセントレータは、強磁性材料(例えば、フェライト材料、結合剤に保持されるフェライト粉末など)、またはフェライト鉄、強磁性鋼鉄もしくはステンレス鋼などのフェライト材料を含む任意のその他の適切な材料を含むことが好ましい。
【0018】
磁束コンセントレータの厚さは、それから作られる材料または材料の組み合わせのほか、インダクタコイルおよび磁束コンセントレータの形状、ならびに所望のレベルの電磁場歪みに依存することになる。磁束コンセントレータ材料および寸法の注意深い選択は、インダクタが使用中に結合されるサセプタ素子または複数のサセプタ素子の加熱および所要電力に従って、電磁場の形状および密度が調整されることを可能にする。磁束コンセントレータのこの「調整」は、所定の値の電磁場強度がチャンバー内に達成されることを可能にしうる。例えば、磁束コンセントレータは、0.3mm~5mm、好ましくは0.5mm~1.5mmの厚さを有しうる。一定の実施形態では、磁束コンセントレータは、フェライトを含み、0.3mm~5mm、好ましくは0.5mm~1.5mmの厚さを有する。
【0019】
本明細書で使用される場合、「厚さ」という用語は、エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生物品の構成要素のその長さに沿った、またはその周囲の特定の位置における、横断方向の寸法を指す。磁束コンセントレータを特に参照すると、「厚さ」という用語は、特定の位置における磁束コンセントレータの外径と内径との差の半分を指す。
【0020】
本明細書で使用される「長軸方向」という用語は、エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生物品の主軸に沿った方向を説明するために使用され、「横断方向」という用語は、長軸方向に対して直角である方向を説明するために使用される。
【0021】
磁束コンセントレータの厚さは、その長さに沿って実質的に一定であってもよい。その他の例では、磁束コンセントレータの厚さは、その長さに沿って実質的に一定であってもよい。例えば、磁束コンセントレータの厚さは、一方の端から他方へと、または両方の端に向かって磁束コンセントレータの中央部分から、先細りになっていてもよい、または減少していてもよい。磁束コンセントレータの厚さがその長さに沿って異なる場合、外径または内径のどちらかは、磁束コンセントレータの長さに沿って実質的に一定なままであってもよい。一定の実施形態では、磁束コンセントレータの内径は、外径が磁束コンセントレータの一方の端から他方に向かって減少する一方で、その長さに沿って実質的に一定である。こうした磁束コンセントレータは、「くさび形の」長軸方向断面を有すると言及されうる。
【0022】
磁束コンセントレータの厚さは、その周囲で実質的に一定であってもよい。その他の例では、磁束コンセントレータの厚さは、その周囲で異なっていてもよい。
【0023】
磁束コンセントレータは、インダクタコイルの形状および電磁場の所望のレベルの歪みに基づいて、任意の適切な形状を有しうる。磁束コンセントレータは、インダクタコイルの長さの一部分のみに沿って延在してもよい。磁束コンセントレータは、実質的にインダクタコイルの全長に沿って延在することが好ましい。磁束コンセントレータは、インダクタコイルの一方または両方の端でインダクタコイルを越えて延在してもよい。
【0024】
磁束コンセントレータは、インダクタコイルの周囲の一部分のみに延在してもよい。磁束コンセントレータは、管状であることが好ましい。こうした実施形態では、磁束コンセントレータは、コイルの長さの少なくとも一部分に沿ってインダクタコイルを完全に囲む。磁束コンセントレータは、円筒形であってもよい。こうした実施形態では、磁束コンセントレータは、管状であり、その厚さは、その長さに沿って実質的に一定である。磁束コンセントレータが管状である場合、それは、任意の適切な断面を持ちうる。例えば、磁束コンセントレータは、正方形、楕円形、長方形、三角形、五角形、六角形または同様の断面形状を持ちうる。磁束コンセントレータは、円形断面の形状を持つことが好ましい。例えば、磁束コンセントレータは、環状の円筒形状を持ちうる。言い換えれば、磁束コンセントレータは、円筒形の環状部であってもよい。
【0025】
磁束コンセントレータは、互いに隣接して位置付けられる複数の個別の磁束コンセントレータセグメントを備える。したがって、磁束コンセントレータは、複数の個々の構成要素の組立品である。これは、磁束コンセントレータから一つ以上の磁束コンセントレータセグメントを取り除く、または磁束コンセントレータに一つ以上の磁束コンセントレータセグメントを加えることによって、磁束コンセントレータ、したがって、電磁場が歪まされる度合いを調整することを可能にする。例えば、一つ以上の磁束コンセントレータセグメントは、プラスチックなどの低比透磁率を有する材料から形成されたセグメントと取り替えられて、電磁場が磁束コンセントレータによって歪まされる度合いを減少しうる。磁束コンセントレータのこの「調整」は、例えば、サセプタ素子が使用時に置かれる位置において、所定の値の電磁場強度がチャンバー内に達成されることを可能にしうる。
【0026】
本明細書で使用される場合、「に隣接する」という用語は、「と並んで」または「の隣に」を意味するために用いられる。これは、セグメントが直接接触する構成、ならびにセグメントのうち二つ以上が、空隙または隣接するセグメント間の一つ以上の中間構成要素を含むギャップなどの隙間によって分離される構成を含む。
【0027】
任意の数の個別の磁束コンセントレータセグメントは、所望のレベルの調整に基づいて提供されてもよい。例えば、磁束コンセントレータを形成するために多くの数の小さなセグメントを提供することは、少ない数の大きいセグメントを備える磁束コンセントレータと比較して、磁束コンセントレータにより提供される電磁場歪みの精巧な調整を可能にしうる。複数の磁束コンセントレータセグメントは、二つの個別の磁束コンセントレータセグメント、または二つより多い(例えば、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、九つ、十以上など)磁束コンセントレータセグメントを備えうる。
【0028】
複数の磁束コンセントレータセグメントは、均一な大きさおよび形状を持っていてもよい。その他の例では、複数の磁束コンセントレータセグメントのうち一つ以上は、その他の磁束コンセントレータセグメントのうち一つ以上と比較して、異なる大きさ、形状、または大きさおよび形状を持っていてもよい。これは、セグメントのうち一つ以上を異なる寸法を有するセグメントと取り替えることによる磁束コンセントレータの単純な調整を可能にする。
【0029】
磁束コンセントレータが互いに隣接して位置付けられる複数の個別の磁束コンセントレータセグメントを備える場合、個別の磁束コンセントレータセグメントは、相互に同じ材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。こうした実施形態では、磁束コンセントレータは、異なる寸法を有する磁束コンセントレータセグメントを使用することによって調整されうる。
【0030】
好ましくは、複数の磁束コンセントレータセグメントは、第一の材料から形成される第一の磁束コンセントレータセグメントと、第二の異なる材料から形成される第二の磁束コンセントレータセグメントと、を含み、第一および第二の材料は、異なる値の比透磁率を有する。これは、磁束コンセントレータの寸法を必然的に変えることなく、組み立ての間に磁束コンセントレータが調整されて、それにより、インダクタコイルからの所望のレベルの誘導およびチャンバー内の所望のレベルの電磁束を達成することを可能にする。磁束コンセントレータセグメントのそれぞれは、異なる材料から、または同じ材料から、またはそれらの内の任意の数の組み合わせから作ることができる。
【0031】
磁束コンセントレータセグメントの形状は、結果として生じる磁束コンセントレータの所望の形状に基づいて選択される。
【0032】
一定の実施形態では、複数の磁束コンセントレータセグメントは、管状であり、磁束コンセントレータの長さに沿って同軸に位置付けられる。こうした実施形態では、結果として生じる磁束コンセントレータは、管状であり、コイルの長さの少なくとも一部分に沿ってインダクタコイルを完全に囲む。管状の磁束コンセントレータセグメントは、円筒形でありうる。その他の実施形態では、管状のセグメントのうち一つ以上の厚さは、その長さに沿って異なっていてもよい。磁束コンセントレータセグメントが管状である場合、それらは、任意の適切な断面を持ちうる。例えば、管状の磁束コンセントレータセグメントは、結果として生じる磁束コンセントレータの所望の形状に従って、正方形、楕円形、長方形、三角形、五角形、六角形または同様の断面形状を持ちうる。各管状の磁束コンセントレータセグメントは、円形断面の形状を持つことが好ましい。例えば、管状の磁束コンセントレータセグメントは、環状の円筒形状を持ちうる。言い換えれば、管状の磁束コンセントレータセグメントはそれぞれ、円筒形の環状部を形成しうる。
【0033】
一定のその他の実施形態では、複数の磁束コンセントレータセグメントは、細長であり、磁束コンセントレータの周囲に位置付けられる。本明細書で使用される場合、「細長い」という用語は、その幅と厚さの両方より大きい(例えば、二倍大きい)長さを有する構成要素を意味する。細長い磁束コンセントレータセグメントは、任意の適切な断面を持ちうる。例えば、細長い磁束コンセントレータセグメントは、結果として生じる磁束コンセントレータの所望の形状に従って、正方形、楕円形、長方形、三角形、五角形、六角形または同様の断面形状を持ちうる。細長い磁束コンセントレータセグメントは、平面の、または平坦な断面領域を持ちうる。細長い磁束コンセントレータセグメントは、円弧状の断面を持ちうる。これは、インダクタコイルが湾曲した外側表面を有する場合、例えば、インダクタコイルが円形断面を有する場合に、細長い磁束コンセントレータセグメントが、インダクタコイルの外部形状に密接に従って、インダクタおよび装置自体の全体的な寸法を減少することを可能にするので、特に有益でありうる。
【0034】
複数の磁束コンセントレータセグメントが、細長であり、磁束コンセントレータの周囲に位置付けられる場合、細長いセグメントは、それらのそれぞれの長軸方向軸が非平行であるように配置されうる。好ましい実施形態では、複数の細長い磁束コンセントレータセグメントは、それらの長軸方向軸が実質的に平行であるように、配置される。複数の細長い磁束コンセントレータセグメントは、それらの長軸方向軸がインダクタコイルの磁気軸に対してある角度を有する、すなわち、それと非平行であるように配置されうる。例えば、細長いセグメントは、それらのそれぞれの長軸方向軸が相互に非平行であり、かつ磁気軸と非平行であるように配置されうる。
【0035】
好ましい実施形態では、複数の細長い磁束コンセントレータセグメントは、それらの長軸方向軸がインダクタコイルの磁気軸と実質的に平行であるように、配置される。
【0036】
複数の磁束コンセントレータセグメントは、例えば、接着剤を用いて、インダクタコイルに直接的に取り付けられうる。インダクタは、インダクタコイルと磁束コンセントレータセグメントとの間に一つ以上の中間構成要素をさらに備えてもよく、それによってセグメントは、インダクタコイルに対して所定の場所に保持される。例えば、インダクタは、セグメントが取り付けられるインダクタコイルを囲む外側スリーブをさらに備えうる。外側スリーブは、その中にセグメントが保持されるいくつかのスロットまたは窪みを持ちうる。磁束コンセントレータセグメントが環状である場合、窪みは、環状であり、環状のセグメントを保持するように配置されてもよい。
【0037】
複数の磁束コンセントレータセグメントが、細長であり、磁束コンセントレータの周囲に位置付けられる場合、インダクタは、インダクタコイルを囲み、細長い磁束コンセントレータセグメントがその中に保持される複数の長軸方向のスロットを有する、外側スリーブをさらに備えることが好ましい。
【0038】
細長い磁束コンセントレータセグメントは、外側スリーブに対して所定の場所に固定されうる。例えば、セグメントは、接着剤を用いて外側スリーブに取り付けられうる。
【0039】
細長い磁束コンセントレータセグメントは、インダクタコイルに対する細長い磁束コンセントレータセグメントの長軸方向の位置が選択的に変えられうるように、長軸方向のスロットに摺動可能に保持されることが好ましい。これは、磁束コンセントレータのさらなる調整を可能にして、チャンバー内に所望の電磁場を達成しうる。細長い磁束コンセントレータセグメントは、各長軸方向のスロットと関連付けられ、スロットに受けられた細長いセグメントの外側表面と係合して、スロットからのセグメントの半径方向の取出しを防止するように配置される、一つ以上の非接着保持手段によって、長軸方向のスロットに摺動可能に保持されうる。例えば、外側スリーブは、スロットの幅にわたって部分的に延在する保持タブもしくはクリップ、またはスロットの全幅にわたって延在する保持細片の形態の各長軸方向のスロットのための一つ以上の非接着保持手段を含んでもよく、それは、外側スリーブに対するセグメントの長軸方向の移動が可能である一方で、外側スリーブに対するセグメントの半径方向の位置を保持する。
【0040】
長軸方向のスロットは、細長いセグメントの長さより大きい長さを有することが好ましい。この構成により、セグメントは、外側スリーブに対するその長軸方向の位置が変えられた場合であってもスロットにより支持されうる。その他の例では、スロットは、端の開いた状態であってもよく、その結果、セグメントは、それらの長軸方向の位置が変えられた時にスロットを越えて部分的に延在しうる。
【0041】
細長いセグメントは、それらのそれぞれの長さに沿って実質的に一定の厚さを有しうる。その他の例では、細長いセグメントの厚さは、それらのそれぞれの長さに沿って異なっていてもよい。例えば、セグメントの厚さは、一方の端から他方へと、または両方の端に向かってセグメントの中央部分から、先細りになるか、または減少していてもよい。好ましい実施形態では、細長い磁束コンセントレータセグメントはくさび形である。これは、厚さが一方の端から他方へとセグメントの長さに沿って徐々に減少することを意味する。この構成により、磁束コンセントレータにより提供される電磁場歪みのレベルは、外側スリーブに対する細長いセグメントのうち一つ以上の長軸方向の位置を変えることによって変えられうる。
【0042】
細長い磁束コンセントレータセグメントは、それらがギャップによってそれぞれ分離されるように外側スリーブ上に配置されうる。その他の例では、磁束コンセントレータセグメントのうち二つ以上は、隣接する磁束コンセントレータセグメントのうち一方または両方と直接接触しうる。
【0043】
上記の任意の実施形態において、インダクタは、装置のハウジング内に組み込まれてもよく、例えば、インダクタコイルおよび磁束コンセントレータは、ハウジングがそれから形成される材料に成形されうる。
【0044】
インダクタは、インダクタコイルがその上に支持される外側表面を有する内側スリーブをさらに備えることが好ましい。この構成により、インダクタコイルは、組み立て時に内側スリーブの周りに巻き付けられうる。内側スリーブの内側表面は、チャンバーの長さの少なくとも一部分に沿ってチャンバーの側壁を画定しうる。内側スリーブは、プラスチックなどの任意の適切な材料からなってもよい。内側スリーブは、装置ハウジングの一部を形成しうる。内側スリーブは、装置ハウジングに接続される個々の構成要素であってもよい。内側スリーブは、装置ハウジングから取り外し可能であってもよく、それにより、例えば、インダクタ組立品の修理または取替えを可能にする。
【0045】
内側スリーブは、内側スリーブ上にインダクタコイルを保持するためのインダクタコイルの一方または両方の端におけるその外側表面上の少なくとも一つの突出部を備えることが好ましい。少なくとも一つの突出部は、内側スリーブに対するインダクタコイルの長軸方向の移動を防ぐ、または減少させる。少なくとも一つの突出部は、インダクタコイルの両方の端で内側スリーブ上に提供されることが好ましい。少なくとも一つの突出部は、例えば、パターンで配置されるインダクタコイルの端のいずれかにおける複数の突出部を備えうる。複数の突出部は、インダクタコイルの端のいずれかにおける単一の突出部を備えうる。少なくとも一つの突出部は、インダクタコイルの端のいずれかにおける内側スリーブの全周囲に延在する突出部を備えうる。
【0046】
少なくとも一つの突出部は、外側表面から半径方向に延在する。少なくとも一つの突出部は、インダクタコイルの厚さより大きい距離だけ外側表面の上方に延在することが好ましい。この様に、少なくとも一つの突出部は、インダクタコイルの上方に延在し、それにより、少なくとも一つの突出部を越えるインダクタコイルの長軸方向の移動を防ぐ。インダクタが、複数の磁束コンセントレータセグメントが接続される外側スリーブをさらに備える場合、少なくとも一つの突出部は、所定の場所に外側スリーブを保持するように配置されることが好ましい。例えば、少なくとも一つの突出部は、インダクタコイルと外側スリーブの結合された厚さより大きい距離だけ外側表面の上方に延在することが好ましい。この様に、少なくとも一つの突出部は、外側スリーブとインダクタコイルの両方のいずれかまたは両方の端に当接して、内側スリーブに対するいずれかの長軸方向の移動を防ぎうる。
【0047】
エアロゾル発生装置は携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生装置は従来型の葉巻たばこまたは紙巻たばこと匹敵するサイズであってもよい。エアロゾル発生装置の全長は、およそ30mm~およそ150mmの間であってもよい。エアロゾル発生装置の外径は、およそ5mm~およそ30mmの間であってもよい。
【0048】
電源は再充電可能なリチウムイオン電池などの電池であってもよい。別の方法として、電源はコンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合がある。電源は、装置の一回以上の使用のために十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を持つものとしうる。例えば、電源は従来型の紙巻たばこ一本を喫煙するのにかかる一般的な時間に対応する約六分間、または六分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な生成を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の例では、電源は所定の回数の吸煙、または不連続的な起動を許容するのに十分な容量を持っていてもよい。
【0049】
エアロゾル発生装置は、電源からインダクタへの電力供給を制御するように構成された電子装置をさらに備えてもよい。電子装置は、インダクタへの電力供給を阻止することによって、装置の動作を無効化するように構成されてもよく、インダクタへの電力供給を可能にすることによって、装置の動作を有効化してもよい。
【0050】
装置は、チャンバー内に一つ以上のサセプタ素子を備えてもよく、それは、チャンバーに受けられたエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱するように配置される。例えば、装置は、エアロゾル発生物品に関連して以下に記載されるものと同じ様式で形成された一つ以上のサセプタ素子を備えうる。装置は、くぼみに受けられたエアロゾル発生物品の外部に残留し、インダクタコイルにより活性化された時にエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱するように構成される、一つ以上の外部サセプタ素子を備えうる。例えば、一つ以上の外部サセプタ素子は、エアロゾル発生物品の周囲に少なくとも部分的に延在しうる。装置は、くぼみに受けられたエアロゾル発生物品内に少なくとも部分的に延在し、インダクタコイルにより活性化された時にエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱するように構成される、一つ以上の内部サセプタ素子を備えうる。例えば、一つ以上の内部サセプタ素子は、エアロゾル発生物品がチャンバー内に受けられた時にエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を貫通するように配置されてもよい。一つ以上のサセプタ素子は、チャンバー内にサセプタブレードを備えうる。装置は、上記で説明されたような一つ以上の外部サセプタ素子および一つ以上の内部サセプタ素子を備えうる。
【0051】
装置がチャンバー内に一つ以上のサセプタ素子を備える場合、一つ以上のサセプタ素子は、装置に取り付けられうる。一つ以上のサセプタ素子は、装置から取り外し可能であってもよい。これは、一つ以上のサセプタ素子が装置と無関係に取り替えられることを許容しうる。例えば、一つ以上のサセプタ素子は、一つ以上の個別の構成要素として、または取り外し可能なインダクタ組立品の一部分として、取り外し可能であってもよい。装置は、チャンバー内に複数のサセプタ素子を備えてもよい。チャンバー内の複数のサセプタ素子は、チャンバー内に固定されうる。複数のサセプタ素子のうち一つ以上は、それらが取り替えられうるように装置から取り外し可能でありうる。複数のサセプタ素子は、個々に、またはその他のサセプタ素子のうち一つ以上と共に取り外し可能であってもよい。
【0052】
装置ハウジングは細長くてもよい。ハウジングは任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料には例えば、金属、合金、プラスチック、もしくはそれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびポリエチレンなど、食品または医薬品の用途に適切な熱可塑性樹脂が挙げられる。材料は軽量であり、脆くないことが好ましい。
【0053】
装置ハウジングはマウスピースを備えてもよい。マウスピースは少なくとも一つの空気吸込み口と、少なくとも一つの空気出口とを備えうる。マウスピースは二つ以上の空気吸込み口を備えうる。空気吸込み口の一つ以上は、エアロゾルがユーザーに送達される前にその温度を低減することができ、エアロゾルがユーザーに送達される前にその濃度を減少させうる。本明細書で使用される「マウスピース」という用語は、ハウジングのチャンバーに受けられるエアロゾル発生物品からエアロゾル発生装置によって発生されたエアロゾルを直接吸い込むためにユーザーの口に入れられるエアロゾル発生装置の一部分を指す。
【0054】
エアロゾル発生装置は、装置を起動するためのユーザーインターフェース、例えば装置の加熱を開始するボタン、または装置またはエアロゾル形成基体の状態を示すディスプレイを含みうる。
【0055】
本発明の第二の態様によると、上述の任意の実施形態に従う電気的に作動するエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、使用中にエアロゾル形成基体を加熱するように位置付けられるサセプタ素子と、を備え、エアロゾル発生物品は、サセプタ素子が、エアロゾル発生装置のインダクタによって誘導加熱可能であり、それにより、チャンバーに受けられたエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱するように、チャンバーに少なくとも部分的に受けられ、かつその中に配置される、電気的に作動するエアロゾル発生システムが提供される。
【0056】
エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含むことが好ましい。だ、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、高密度で安定したエアロゾルの形成を促進するエアロゾル形成体をさらに備えてもよい。本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を促進する任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物を記述するために使用される。適切なエアロゾル形成体は、エアロゾル発生物品の作動温度で熱分解に対して実質的に耐性があることが好ましい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0057】
エアロゾル形成基体は固体のエアロゾル形成基体であってもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は固体構成要素と液体構成要素の両方を備えてもよい。
【0058】
特に好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含む。本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行した隆起またはしわを有するシートを意味する。
【0059】
エアロゾル発生物品は、使用中にエアロゾル形成基体を加熱するように位置付けられるサセプタ素子を備えうる。サセプタ素子は誘導加熱されうる導体である。サセプタ素子は電磁エネルギーを吸収し、それを熱に変換することができる。使用時に、インダクタコイルにより生成された電磁場を変化させることでサセプタ素子を加熱し、それが次に、主に伝導により、熱をエアロゾル形成物品のエアロゾル形成基体に伝達する。サセプタ素子は、伝導熱伝達、対流熱伝達、放射熱伝達、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つによってエアロゾル形成基体を加熱するように構成されてもよい。この目的で、サセプタはエアロゾル形成基体の材料と熱的に近接している。サセプタの形態、種類、分布および配置はユーザーのニーズに応じて選択されうる。
【0060】
サセプタ素子は、その幅寸法またはその厚さ寸法よりも大きい、例えばその幅寸法またはその厚さ寸法の二倍より大きい長さ寸法を持ちうる。こうして、サセプタ素子は細長いサセプタ素子として描写されうる。サセプタ素子はロッド内に実質的に長軸方向に配置される。これは、細長いサセプタ素子の長さ寸法が、ロッドの長軸方向とほぼ平行に、例えばロッドの長軸方向に平行から±10度以内に配置されることを意味する。望ましい実施形態で、細長いサセプタ素子はロッド内の半径方向に中心の位置に位置してもよく、ロッドの長軸方向に沿って延在する。
【0061】
サセプタ素子は、ピン、ロッド、ブレードまたはプレートの形態であることが好ましい。サセプタ素子は長さ5mm~15mm、例えば6mm~12mm、または8mm~10mmであることが好ましい。サセプタ素子は、幅1mm~5mmであることが好ましく、また厚さ0.01mm~2mm、例えば0.5mm~2mmの厚さを持つことが好ましい。好ましい実施形態は、10マイクロメートル~500マイクロメートルの厚さを持ちうるが、10~100マイクロメートルであることがさらにより好ましい。サセプタ素子が、例えば円形断面などの一定の断面を有する場合、好ましい幅または直径は1mm~5mmとしうる。
【0062】
サセプタ素子は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されうるあらゆる材料から形成されうる。好ましいサセプタ素子は金属または炭素を含む。好ましいサセプタ素子は、強磁性材料、例えばフェライト鉄、または強磁性鋼鉄またはステンレス鋼を含みうる。適切なサセプタ素子はアルミニウムであってよく、またはアルミニウムを含んでもよい。好ましいサセプタ素子は、400シリーズのステンレス鋼、例えばグレード410、またはグレード420、またはグレード430のステンレス鋼から形成されうる。異なる材料は、類似した値の周波数および磁界強度を有する電磁場内に位置付けられた時に、異なる量のエネルギーを分散させる。こうして、材料のタイプ、長さ、幅、および厚さなどのサセプタ素子のパラメータはどれも、公知の電磁場内で所望の電力分散を提供するように変化させうる。
【0063】
好ましいサセプタ素子は摂氏250度を超える温度に加熱されうる。適切なサセプタ素子は、金属層、例えばセラミックコアの表面に形成される金属帯が配置された非金属コアを備えうる。
【0064】
サセプタ素子は、そのサセプタ素子を封入する保護用外部層、例えば保護用セラミック層または保護用ガラス層を有してよい。サセプタ素子は、サセプタ材料のコアの上に形成される、ガラス、セラミック、または不活性金属によって形成される保護被覆を備えうる。
【0065】
サセプタ素子はエアロゾル形成基体と熱的に接触して配置される。こうして、サセプタ素子の温度が高くなると、エアロゾル形成基体は加熱され、エアロゾルが形成される。サセプタ素子は、例えばエアロゾル形成基体内で、エアロゾル形成基体と物理的に直接接触して配置されることが好ましい。
【0066】
エアロゾル発生物品は単一のサセプタ素子を含みうる。別の方法として、エアロゾル発生物品は二つ以上の細長いサセプタ素子を備えうる。
【0067】
エアロゾル発生物品および装置のチャンバーは、物品がエアロゾル発生装置のチャンバー内に部分的に受けられるように配置されうる。装置のチャンバーおよびエアロゾル発生物品は、物品がエアロゾル発生装置のチャンバー内に全体的に受けられるように配置されうる。
【0068】
エアロゾル発生物品は実質的に円筒形の形状としうる。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品はまた、長さと実質的に直交する長さと周囲を有しうる。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル形成セグメントとして提供されてもよい。エアロゾル形成セグメントは実質的に円筒形の形状であってもよい。エアロゾル形成セグメントは、実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成セグメントは、長さと、長さと実質的に直交する周囲とを有してもよい。
【0069】
エアロゾル発生物品の全長は、およそ30mm~およそ100mmとしうる。一つの実施形態で、エアロゾル発生物品の全長はおよそ45mmである。エアロゾル発生物品の外径は、およそ5mm~およそ12mmであってもよい。一つの実施形態において、エアロゾル発生物品は、およそ7.2mmの外径を有しうる。
【0070】
エアロゾル形成基体は、約7mm~約15mmの長さを有するエアロゾル形成セグメントとして提供されうる。一つの実施形態において、エアロゾル形成セグメントは、およそ10mmの長さを有しうる。別の方法として、エアロゾル形成セグメントは、およそ12mmの長さを有しうる。
【0071】
エアロゾル発生セグメントは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。エアロゾル形成セグメントの外径は、およそ5mm~およそ12mmであってもよい。一つの実施形態において、エアロゾル形成セグメントは、およそ7.2mmの外径を有しうる。
【0072】
エアロゾル発生物品は、フィルタープラグを備えうる。フィルタープラグは、エアロゾル発生物品の下流端に位置しうる。フィルタープラグは、酢酸セルロースフィルタープラグであってもよい。一実施形態において、フィルタープラグの長さは、およそ7mmであるが、およそ5mm~およそ10mmであってもよい。
【0073】
エアロゾル発生物品は外側紙ラッパーを備えうる。さらに、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体とフィルタープラグの間の分離部を備えてもよい。分離部は、およそ18mmであってもよいが、およそ5mm~およそ25mmの範囲であってもよい。
【0074】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置で使用する一つ以上のエアロゾル発生物品との組み合わせである。ところが、エアロゾル発生システムは、例えば電気的に作動するまたは電気式エアロゾル発生装置内の搭載型電力供給源を再充電するための充電ユニットなど、追加的な構成要素を含んでもよい。
【0075】
エアロゾル発生装置は、インダクタコイルおよびインダクタコイルの周りに配置される磁束コンセントレータを備える、インダクタを含む。インダクタは、エアロゾル発生装置の一体型の部分であってもよい。インダクタは、エアロゾル発生装置のその他の部分から取り外し可能である個別の構成要素であってもよい。これは、エアロゾル発生装置の残りの構成要素と無関係にインダクタが取り替えられることを可能にする。
【0076】
本発明の第三の態様によると、電気的に作動するエアロゾル発生装置のためのインダクタ組立品であって、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受けるためのチャンバーを画定し、チャンバーの少なくとも一部分の周りに配置されるインダクタコイルと、インダクタコイルの周りに配置され、使用中にインダクタコイルにより生成された変動電磁場をチャンバーに向かって歪ませるように構成される、磁束コンセントレータと、を備え、磁束コンセントレータが、互いに隣接して位置付けられる複数の個別の磁束コンセントレータセグメントを備える、インダクタ組立品が提供される。
【0077】
本発明の第一の態様によるエアロゾル発生装置と、第三の態様による複数のインダクタ組立品と、を備えるキットがまた提供される。
【0078】
本発明の第四の態様によると、エアロゾル形成基体を加熱するように位置付けられるサセプタ素子を加熱することによって、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を加熱するための電気的に作動するエアロゾル発生装置が提供され、装置は、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受けるためのチャンバーを画定する装置ハウジングと、チャンバーの少なくとも一部分の周りに配置されるインダクタコイルを備えるインダクタと、インダクタコイルに接続され、インダクタコイルに高周波電流を提供し、そのため使用時に、インダクタコイルが、変動電磁場を生成して、サセプタ素子を加熱し、それによりエアロゾル形成基体を加熱するように構成される、電源と、を備え、インダクタは、インダクタコイルの周りに配置され、使用中にインダクタコイルにより生成された変動電磁場をチャンバーに向かって歪ませるように構成される、磁束コンセントレータをさらに備え、インダクタは、磁束コンセントレータと装置ハウジングとの間に位置付けられる緩衝要素をさらに備える。
【0079】
本明細書で使用される場合、「緩衝要素」という用語は、衝突の間に変形されて、運動エネルギーを吸収し、それにより、衝突の間に装置ハウジングにより磁束コンセントレータに伝達される衝撃の激しさを低減するように構成される、弾力性の構成要素を指す。
【0080】
この構成により、緩衝要素は、製造、輸送、操作および使用の間の磁束コンセントレータの破壊のリスクを減少させる。さらに、磁束コンセントレータの厚さを減少することも可能にしうる。磁束コンセントレータの厚さを減少することは、エアロゾル発生装置の全体サイズおよび重量を減少することを可能にすることができ、こうした装置がより費用効果的に、かつより少ない原材料の使用で製造されることを可能にしうる。
【0081】
緩衝要素は、単一の構成要素を備えてもよく、または複数の個別の緩衝要素を備えてもよい。緩衝要素は、磁束コンセントレータの周囲に一定間隔で配置される複数の個別の緩衝要素を備えてもよい。緩衝要素は、磁束コンセントレータの長さに沿って一定間隔で配置される複数の個別の緩衝要素を備えてもよい。
【0082】
一定の実施形態では、緩衝要素は、実質的に磁束コンセントレータの全周囲に延在する。「実質的に磁束コンセントレータの全周囲」という用語は、磁束コンセントレータの外周の少なくとも90パーセント、好ましくは少なくとも95パーセント、より好ましくは磁束コンセントレータの外周の少なくとも97パーセントを意味する。こうした実施形態では、緩衝要素は、磁束コンセントレータの外周に延在する一つ以上の弾力性のオーリングを備えうる。
【0083】
好ましい実施形態では、緩衝要素は、実質的に磁束コンセントレータの外側表面全体に接着される。「実質的に磁束コンセントレータの外側表面全体」という用語は、磁束コンセントレータの外側表面領域の少なくとも90パーセント、好ましくは少なくとも95パーセント、より好ましくは磁束コンセントレータの外側表面領域の少なくとも97パーセントを指す。
【0084】
この構成により、磁束コンセントレータと緩衝要素との間の相対的な移動が、緩衝要素の適切な性能を確実にするために回避されうる。さらに、磁束コンセントレータに緩衝要素を接着することにより、磁束コンセントレータの性能は、磁束コンセントレータが衝突の間に偶然折れた場合であっても維持されうる。このことは、磁束コンセントレータの折れた片が、折れる前と実質的に同じ位置に緩衝要素によって保持されることが理由である。
【0085】
特に好ましい実施形態では、磁束コンセントレータは、緩衝要素内に包まれる。本明細書で使用される場合、「包まれる」という用語は、磁束コンセントレータが、磁束コンセントレータと緩衝要素との間の相対的な移動が実質的に防がれるように緊密な関係で緩衝要素内に封入されることを意味する。この構成は、磁束コンセントレータのための特定の保護環境を提供することが分かっている。
【0086】
磁束コンセントレータは、緩衝要素と直接接触してもよく、または一つ以上の中間層を介して間接的に接触してもよい。例えば、本発明によるエアロゾル発生装置またはインダクタ組立品が磁束コンセントレータの周りに配置された導電性シールドを備える場合、緩衝要素は、導電性シールドを介して磁束コンセントレータと接触しうる。言い換えれば、インダクタがエアロゾル発生装置内に取り付けられた時、緩衝要素は、装置ハウジングと磁束コンセントレータおよび導電性シールドの両方との間に配置される。
【0087】
緩衝要素は、任意の適切な単一の弾性材料または複数の弾性材料から形成されうる。
【0088】
一定の実施形態では、緩衝要素は、シリコーン、エポキシ樹脂、ゴムまたは別のエラストマーのうち一つ以上から形成される。
【0089】
本発明の第五の態様によると、本発明の第四の態様に関連する上述の任意の実施形態に従う電気的に作動するエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、使用中にエアロゾル形成基体を加熱するように位置付けられるサセプタ素子と、を備え、エアロゾル発生物品は、サセプタ素子が、エアロゾル発生装置のインダクタによって誘導加熱可能であり、それにより、チャンバーに受けられたエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱するように、チャンバーに少なくとも部分的に受けられ、かつその中に配置される、電気的に作動するエアロゾル発生システムが提供される。
【0090】
本発明の第六の態様によると、電気的に作動するエアロゾル発生装置のためのインダクタ組立品であって、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受けるためのチャンバーを画定し、チャンバーの少なくとも一部分の周りに配置されるインダクタコイルと、インダクタコイルの周りに配置され、使用中にインダクタコイルにより生成された変動電磁場をチャンバーに向かって歪ませるように構成される、磁束コンセントレータと、磁束コンセントレータの外側表面上に位置付けられる緩衝要素と、を備える、インダクタ組立品が提供される。
【0091】
緩衝要素は、単一の構成要素を備えてもよく、または複数の個別の緩衝要素を備えてもよい。緩衝要素は、磁束コンセントレータの周囲に一定間隔で配置される複数の個別の緩衝要素を備えてもよい。緩衝要素は、磁束コンセントレータの長さに沿って一定間隔で配置される複数の個別の緩衝要素を備えてもよい。
【0092】
一定の実施形態では、緩衝要素は、実質的に磁束コンセントレータの全周囲に延在する。こうした実施形態では、緩衝要素は、磁束コンセントレータの外周に延在する一つ以上の弾力性のオーリングを備えうる。好ましい実施形態では、緩衝要素は、実質的に磁束コンセントレータの外側表面全体に接着される。特に好ましい実施形態では、磁束コンセントレータは、緩衝要素内に包まれる。
【0093】
本発明の第四の態様によるエアロゾル発生装置と、第六の態様による複数のインダクタ組立品と、を備えるキットがまた提供される。
【0094】
本発明の第七の態様によると、エアロゾル形成基体を加熱するように位置付けられるサセプタ素子を加熱することによって、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を加熱するための電気的に作動するエアロゾル発生装置が提供され、装置は、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受けるためのチャンバーを画定する装置ハウジングと、チャンバーの少なくとも一部分の周りに配置されるインダクタコイルを備えるインダクタと、インダクタコイルに接続され、インダクタコイルに高周波電流を提供し、そのため使用時に、インダクタコイルが、変動電磁場を生成して、サセプタ素子を加熱し、それによりエアロゾル形成基体を加熱するように構成される、電源と、を備え、インダクタは、インダクタコイルの周りに配置され、使用中にインダクタコイルにより生成された変動電磁場をチャンバーに向かって歪ませるように構成される、磁束コンセントレータをさらに備え、インダクタは、磁束コンセントレータの周りに配置される導電性シールドをさらに備える。
【0095】
導電性シールドは、シールドの外側にあるインダクタの領域の反対方向に電磁場の方向を変えるように構成される。
【0096】
この構成により、シールドは、装置のすぐ近くにおける、または装置自体のハウジングにおける導電性または高磁気感受性材料によって、電磁場の歪みを減少させるよう機能する。これは、インダクタコイルにより生成された電磁場がより一定になることを可能にしうる。さらに、装置の外側ハウジングがそれから作られる材料を考慮する必要なしに、インダクタが一定の所望のレベルの性能に関して較正されることを可能にしうる。例えば、金属シールドは、プラスチックハウジングを有する装置で使用される場合でも、または金属ハウジングを有する装置で使用される場合でも、同じ構成のインダクタが実質的に同じ結果をもたらすことを可能にしうる。言い換えれば、導電性シールドの提供は、インダクタコイルにより生成された電磁場に基づく装置ハウジングの影響がごくわずかになることを意味する。
【0097】
シールドは、適切な任意の導電性材料を含んでもよく、またはそれから形成されてもよい。例えば、シールドは、導電性ポリマーから形成されうる。導電性シールドは、金属シールドであってもよい。例えば、導電性シールドは、磁束コンセントレータの周りに延在する金属箔であってもよい。シールドは、磁束コンセントレータの周りに延在する構成要素に適用される導電性被覆であってもよい。例えば、シールドは、磁束コンセントレータの周りに延在する非金属スリーブの表面に適用される金属被覆であってもよい。金属被覆は、例えば、金属塗料、金属インク、または蒸着プロセスによるなどの任意の適切な様式で適用されうる。好ましい実施形態では、導電性シールドは、導電性箔、導電性被覆またはその両方として、磁束コンセントレータの外側表面に適用される。
【0098】
シールドは、6~8MHzの周波数および摂氏25度の温度で、少なくとも5、好ましくは少なくとも20の比透磁率を有する材料から形成されることが好ましい。
【0099】
シールドは、少なくとも1x10-2Ωm、好ましくは少なくとも1x10-4Ωm、より好ましくは少なくとも1x10-6Ωmの比抵抗を有する材料から形成されることが好ましい。
【0100】
シールドのための適切な材料は、アルミニウム、銅、スズ、鋼鉄、金、銀、または任意のそれらの組み合わせを含む。シールドは、アルミニウムまたは銅を含むことが好ましい。
【0101】
本発明の第八の態様によると、本発明の第四の態様に関連する上述の任意の実施形態に従う電気的に作動するエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、使用中にエアロゾル形成基体を加熱するように位置付けられるサセプタ素子と、を備え、エアロゾル発生物品は、サセプタ素子が、エアロゾル発生装置のインダクタによって誘導加熱可能であり、それにより、チャンバーに受けられたエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱するように、チャンバーに少なくとも部分的に受けられ、かつその中に配置される、電気的に作動するエアロゾル発生システムが提供される。
【0102】
本発明の第九の態様によると、電気的に作動するエアロゾル発生装置のためのインダクタ組立品であって、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受けるためのチャンバーを画定し、チャンバーの少なくとも一部分の周りに配置されるインダクタコイルと、インダクタコイルの周りに配置され、使用中にインダクタコイルにより生成された変動電磁場をチャンバーに向かって歪ませるように構成される、磁束コンセントレータと、磁束コンセントレータの周りに配置される導電性シールドと、を備える、インダクタ組立品が提供される。シールドは、インダクタ組立品の外側の領域の反対方向に電磁場の方向を変えるように構成される。
【0103】
本発明の第七の態様によるエアロゾル発生装置と、第九の態様による複数のインダクタ組立品と、を備えるキットがまた提供される。
【0104】
一つ以上の態様に関して説明した特徴は、本発明の他の態様に等しく適用されてもよい。具体的には、第一の態様の装置に関連して説明した特徴は、第四および第七の態様の装置、第二、第五および第八の態様のシステム、ならびに第三、第六および第九の態様のインダクタ組立品にも同様に適用されてよく、その逆も同様である。
【0105】
添付図面を参照しながら、例証としてのみ、本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0106】
図1図1は、本発明による電気的に作動するエアロゾル発生システムの長軸方向の概略断面図である。
図2図2は、図1のエアロゾル発生システムのためのインダクタの第一の実施形態の長軸方向の断面図である。
図3図3は、図2のインダクタの斜視図である。
図4図4Aは、インダクタの上半分に生成された例示的な電磁場が示され、かつ内側スリーブが明示のために省かれた、図2のインダクタの長軸方向の断面図である。図4Bは、インダクタの上半分に生成された例示的な電磁場が示された、先行技術のインダクタの長軸方向の断面図である。
図5図5は、図1のエアロゾル発生システムのためのインダクタの第二の実施形態の長軸方向の断面図である。
図6図6は、図5のインダクタの斜視図である。
図7図7は、図1のエアロゾル発生システムのためのインダクタの第三の実施形態の長軸方向の断面図である。
図8図8は、図7のインダクタの斜視図である。
図9図9は、図7の線9-9に沿って得られたインダクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0107】
図1は、電気的に作動するエアロゾル発生システムを一緒に形成する、電気的に作動するエアロゾル発生装置100およびエアロゾル発生物品10の概略断面図を示す。電気的に作動するエアロゾル発生装置100は、エアロゾル発生物品10を受けるためのチャンバー120を画定する装置ハウジング110を備える。ハウジング110の近位端は、エアロゾル発生物品10がそれを通じてチャンバー120内へ挿入され、それから取り出されうる、挿入開口部130を有する。インダクタ200は、ハウジング110の外側壁とチャンバー120との間で装置100の内部に配置される。インダクタ200は、チャンバー120の長軸方向軸に対応し、これはまた、この実施形態で装置100の長軸方向軸に対応する、磁気軸を有するらせん状のインダクタコイルを含む。図1に示すように、インダクタ200は、チャンバー120の遠位部分に隣接して位置され、この実施形態では、チャンバー120の長さの一部分に沿って延在する。その他の実施形態では、インダクタ200は、チャンバー120の長さ全体、もしくは実質的に長さ全体に沿って延在してもよく、またはチャンバー120の長さの一部分に沿って延在し、例えば、チャンバー120の近位部分に隣接してチャンバー120の遠位部分から離れるように位置されてもよい。インダクタ200は、図2に関連して以下にさらに記載される。
【0108】
装置100はまた、ハウジング110の遠位領域に共に位置される、内部電源140(例えば、再充電可能電池など)と、電子装置150(例えば、回路を有するプリント回路基板など)と、を含む。電子装置150とインダクタ200はどちらも、ハウジング110を通じて延在する電気的接続(図示せず)を介して、電源140から電力を受ける。チャンバー120は、液密分離部によって、インダクタ200、ならびに電源140および電子装置150を含むハウジング110の遠位領域から分離されることが好ましい。したがって、装置100内の電気的な構成要素は、エアロゾル発生プロセスによってチャンバー120内に生成されたエアロゾルまたは残留物から分離された状態を保ちうる。これはまた、チャンバー120が、エアロゾル発生物品が存在しない時に完全に空の状態でありうるので、装置100の洗浄を容易にしうる。さらに、潜在的な壊れやすい要素がチャンバー120内に露出されないので、エアロゾル発生物品の挿入の間、または洗浄の間のいずれかにおける装置への損傷のリスクを減少しうる。換気穴(図示せず)が、ハウジング110の壁に提供されてもよく、それはチャンバー120内への気流を許容する。
【0109】
エアロゾル形成物品10は、例えば、たばこ材料およびエアロゾル形成体を含むプラグなどのエアロゾル形成基体を収容するエアロゾル形成セグメント20と、エアロゾル形成基体20を加熱するためのサセプタ素子30と、を含む。図1に示すように、サセプタ30は、エアロゾル形成物品10がチャンバー120に受けられた時にインダクタ200によって誘導加熱可能であるように、エアロゾル発生物品内に配置される。
【0110】
装置100が作動する時、高周波の交流電流がインダクタ200のインダクタコイルを通過する。これにより、インダクタ200が装置100のチャンバー120の遠位部分内に変動電磁場を発生させる。電磁場の周波数は1~30MHz、好ましくは2~10MHz、例えば5~7MHzで変動することが好ましい。エアロゾル発生物品10がチャンバー120内に正しく位置付けられた時、物品10のサセプタ30はこの変動電磁場内に位置する。変動電磁場はサセプタ30内に渦電流を発生させ、その結果これが加熱される。さらなる加熱がサセプタ30内の磁気ヒステリシス損失により提供される。加熱されたサセプタ30はエアロゾルを形成するのに十分な温度までエアロゾル発生物品10のエアロゾル形成基体20を加熱する。エアロゾルはエアロゾル発生物品10を通して下流に引き出され、ユーザーによって吸い込まれうる。このような作動は手動動作でもよく、またはエアロゾル発生物品10をユーザーが吸うことに応答して自動的に発生してもよい。
【0111】
図2および図3を参照すると、インダクタ200は、管状であり、管状の内側スリーブ220を囲むらせん状に巻き付けられた円筒形のインダクタコイル210を備える。インダクタコイル210と内側スリーブ220の両方は、インダクタコイル210の長さに沿って延在する管状の磁束コンセントレータ230によって囲まれる。インダクタ200は、磁束コンセントレータ230がその中に包まれて、磁束コンセントレータに耐衝撃性を提供する、緩衝要素(図示せず)をさらに含みうる。緩衝要素は、磁束コンセントレータがその中に保持されるシリコーンゴムのスリーブの形態である。インダクタ200は、磁束コンセントレータ230の周りに配置され、さらに緩衝要素内に包まれる、導電性シールド(図示せず)をさらに含みうる。シールドは、インダクタ200の外側の領域の反対方向に電磁場の方向を変えるように構成される。導電性シールドは、それが磁束コンセントレータの実質的に外側表面全体を通じて延在するように、磁束コンセントレータの外側表面上に付着される、金属被覆として提供される。
【0112】
インダクタコイル210は、ワイヤー212から形成され、その長さに沿って延在する複数の巻または巻回を有する。ワイヤー212は、正方形、楕円形、または三角形などの任意の適切な断面形状を持ちうる。この実施形態では、ワイヤー212は円形断面の形状を持つ。その他の実施形態では、ワイヤーは、平坦な断面形状を持ちうる。例えば、インダクタコイルは、長方形の断面形状を有するワイヤーから形成され、ワイヤーの断面の最大幅がインダクタコイルの磁気軸に対して平行に延在するように巻き付けられてもよい。こうした平坦なインダクタコイルは、インダクタの外径、したがって装置の外径を最小にすることを可能にしうる。
【0113】
内側スリーブ220は、インダクタコイルがその上に配置される外側表面222と、内側表面224と、を有する。内側表面224は、チャンバーの遠位領域に装置のチャンバーの側壁を画定する。この様に、インダクタコイル210は、その長さの少なくとも一部分に沿ってチャンバーを囲む。外側表面222は、内側スリーブ220の周囲に延在する一対の環状の突出部226を有する。突出部226は、インダクタコイル210のいずれかの端に位置され、内側スリーブ220上の所定の場所にコイル210を保持する。内側スリーブは、プラスチックなどの任意の適切な材料からなってもよい。
【0114】
磁束コンセントレータ230は、インダクタコイル210の周りに取り付けられ、またスリーブ220の外側表面222上の突出部226によって所定の場所に保持される。磁束コンセントレータ230は、高い比透磁率を有する材料から形成され、その結果、インダクタコイル210によって生成された電磁場は、磁束コンセントレータ230に引き付けられ、またそれによって導かれる。これは、第一の実施形態のインダクタ200の上側部分により生成された電磁力線を示す図4A、およびインダクタコイル410を有するが磁束コンセントレータを有さない先行技術のインダクタ400の上側部分により生成された電磁力線を示す図4Bを参照しながら示される。図4A図4Bを比較すると、電磁場は、磁束コンセントレータ230によって歪まされ、その結果、電磁力線は、図4Bのインダクタ400と同程度にインダクタ200の外径を越えて伝搬しないことが分かる。したがって、磁束コンセントレータ230は、磁気シールドとしての役目を果たす。これは、先行技術のインダクタ400と比較して、外部物体の望ましくない加熱、またはそれとの干渉を減少しうる。インダクタ200により画定される内部体積内の電磁力線がまた、チャンバー内の電磁場の密度が増大するように磁束コンセントレータによって歪まされる。これは、チャンバー内に置かれたサセプタ内に生成される電流を増大しうる。この様に、電磁場はチャンバーに向かって集中し、それによってサセプタのより効率的な加熱が可能となる。
【0115】
磁束コンセントレータ230は、高い比透磁率を有する任意の適切な単一の材料または複数の材料からなってもよい。例えば、磁束コンセントレータは、一つ以上の強磁性材料(例えば、フェライト材料、結合剤に保持されるフェライト粉末など)、またはフェライト鉄、強磁性鋼鉄もしくはステンレス鋼などのフェライト材料を含む任意のその他の適切な材料から形成されうる。
【0116】
磁束コンセントレータは、高い比透磁率を有する単一の材料または複数の材料から作られることが好ましい。それは、摂氏25度で測定される場合に、少なくとも5(例えば、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも80または少なくとも100)の比透磁率を有する材料である。これらの例示的な値は、6~8MHzの周波数および摂氏25度の温度に関する磁束コンセントレータ材料の比透磁率を意味しうる。この実施形態では、磁束コンセントレータは、単一の構成要素である。その他の実施形態では、磁束コンセントレータは、シート材料の層、または図5図9と関連して以下に記載されるような複数の個別のセグメントから形成されうる。この例では、磁束コンセントレータの厚さは、その長さに沿って実質的に一定であり、磁束コンセントレータおよび必要とされる電磁場歪みの量に関して用いられる材料に基づいて選択される。例えば、磁束コンセントレータがフェライトから作られる場合、その厚さは、0.3mm~5mm、好ましくは0.5mm~1.5mmの範囲でありうる。
【0117】
図5および図6は、第二の実施形態によるインダクタ500を示す。第二の実施形態のインダクタ500は、構造および動作の点で図1図4Aに示すインダクタ200の第一の実施形態と類似しており、同一の特徴が存在する場合、同様の参照番号が使用されている。しかし、第一の実施形態のインダクタ200と異なり第二の実施形態のインダクタ500では、磁束コンセントレータ530は、単一の構成要素でなく、その代わりに、互いに隣接して位置付けられる複数の磁束コンセントレータセグメント531、532、533、534、535から形成される。磁束コンセントレータセグメント531、532、533、534、535は、管状であり、磁束コンセントレータ530の長さに沿って同軸に位置付けられる。この例では、磁束コンセントレータセグメントは、環状の円筒形状を持つ。結果として、磁束コンセントレータ530はまた、環状の円筒形状を持つ。しかし、当然のことながら、その他の形状が、磁束コンセントレータセグメントのうち一つ以上に関して異なる形状を選択することによって達成されてもよい。この例では、磁束コンセントレータセグメントは、それらが同軸配列で当接するように直接的に互いに隣接して位置付けられる。その他の例では、磁束コンセントレータセグメントのうち二つ以上は、ギャップによって隣接する磁束コンセントレータセグメントから分離されうる。
【0118】
有利には、磁束コンセントレータ530を形成するための個別の磁束コンセントレータセグメントの使用は、磁束コンセントレータが異なる比透磁率値を有する異なるセグメントを用いて組み立てられることを可能にする。例えば、磁束コンセントレータは、第一の比透磁率を有する第一の材料から作られる一つ以上の磁束コンセントレータセグメント、および第二の比透磁率を有する第二の材料から作られる一つ以上の磁束コンセントレータセグメントから形成されうる。これは、組み立ての間に磁束コンセントレータが「精巧に調整されて」、それにより、インダクタコイルからの所望のレベルの誘導、およびエアロゾル発生物品のサセプタが使用中に位置されるチャンバー内の所望のレベルの電磁束を達成することを可能にする。磁束コンセントレータセグメントのそれぞれは、異なる材料から、または同じ材料から、またはそれらの内の任意の数の組み合わせから作ることができる。
【0119】
第一の実施形態のインダクタ200と同様に、インダクタ500は、インダクタコイル510および磁束コンセントレータ530がそれによって所定の場所に保持されるその外側表面522上の複数の突出部526を有する、内側スリーブ520を含む。
【0120】
さらに第一の実施形態のインダクタ200と同様に、インダクタ500は、磁束コンセントレータ530の個別のセグメントがその中に包まれて、それにより、磁束コンセントレータに耐衝撃性を提供する、緩衝要素(図示せず)をさらに含んでもよく、磁束コンセントレータ530の周りに配置され、インダクタ500の外部の領域の反対方向に電磁場の方向を変えるように構成される、導電性シールドをさらに含んでもよい。磁束コンセントレータ530が複数の個別のセグメントとして提供されるのに従い、導電性シールドおよび緩衝要素も同様である。これは、磁束コンセントレータセグメントをそれらの対応する導電性シールドセグメントおよび緩衝要素セグメントと一緒に取り替えることによって、磁束コンセントレータが精巧に調整されることを可能にする。
【0121】
図7図9は、第三の実施形態によるインダクタ700を示す。第三の実施形態のインダクタ700は、構造および動作の点で図1図6に示すインダクタの第一および第二の実施形態と類似しており、同一の特徴が存在する場合、同様の参照番号が使用されている。第二の実施形態のインダクタ500と同様に、磁束コンセントレータ730は、単一の構成要素でなく、その代わりに、互いに隣接して位置付けられる複数の磁束コンセントレータセグメント731、732、733、734、735から形成される。第二の実施形態の磁束コンセントレータ530と異なり、磁束コンセントレータセグメント731、732、733、734、735は、細長であり、それらの長軸方向軸がインダクタコイル710の磁気軸と実質的に平行であるように磁束コンセントレータ730の周囲に位置付けられる。磁束コンセントレータ730は、インダクタコイル710を囲み、所定の場所に磁束コンセントレータセグメントを保持するために用いられる、外側スリーブ736をさらに備える。この目的を達成するために、外側スリーブ736は、磁束コンセントレータセグメントがその中に摺動可能に保持される複数の長軸方向のスロット737を含む。この実施形態では、外側スリーブ736は、環状の円筒形状を有し、磁束コンセントレータセグメントは、外側スリーブの外側形状に対応する円弧状の断面を有する。結果として、磁束コンセントレータ730はまた、環状の円筒形状を持つ。しかし、当然のことながら、その他の形状が、外側スリーブおよび磁束コンセントレータセグメントに関して異なる形状を選択することによって達成されてもよい。長軸方向のスロット737は、磁束コンセントレータセグメントの長さより大きい長さを有する。結果として、磁束コンセントレータセグメントはそれぞれ、それらのそれぞれのスロット737内で摺動し、それにより、それらのそれぞれのスロット内にとどまる一方でそれらのそれぞれの長軸方向の位置を変えうる。これは、細長い磁束コンセントレータセグメントのうち一つ以上の長軸方向の位置を変えることによって、電磁場が調整されることを可能にする。この実施形態では、細長い磁束コンセントレータセグメントは、実質的に一定の厚さを有する。その他の実施形態では、細長い磁束コンセントレータセグメントはくさび形であってもよい。すなわち、磁束コンセントレータセグメントのそれぞれの厚さは、その端の一方から他方へとその長さに沿って増大しうる。これは、所望のレベルの誘導に従って、そのそれぞれのスロット内の細長い磁束コンセントレータセグメントのうち一つ以上の長軸方向の位置を調節することによる電磁場のさらなる調整を可能にする。
【0122】
この例では、細長い磁束コンセントレータセグメントは、それらが狭いギャップ738によって分離されるように外側スリーブ736上に配置される。その他の例では、磁束コンセントレータセグメントのうち二つ以上は、その側部のいずれかで磁束コンセントレータセグメントのうち一方または両方と直接接触しうる。
【0123】
第一および第二の実施形態のインダクタ200、500と同様に、インダクタ700は、インダクタコイル710および磁束コンセントレータ730がそれによって所定の場所に保持されるその外側表面722上の複数の突出部726を有する、内側スリーブ720を含む。突出部726は、インダクタコイル710および外側スリーブ736の両側に位置付けられ、外側スリーブ736の長軸方向の移動を防ぐことによって所定の場所に磁束コンセントレータ730を保持する。
【0124】
さらに第一および第二の実施形態のインダクタ200と同様に、インダクタ700は、磁束コンセントレータ570の個別のセグメントがその中に包まれて、それにより、磁束コンセントレータに耐衝撃性を提供する、緩衝要素(図示せず)をさらに含んでもよく、磁束コンセントレータ730の周りに配置され、インダクタ700の外部の領域の反対方向に電磁場の方向を変えるように構成される、導電性シールドをさらに含んでもよい。磁束コンセントレータ730が複数の個別のセグメントとして提供されるのに従い、導電性シールドおよび緩衝要素も同様である。これは、磁束コンセントレータセグメントをそれらの対応する導電性シールドセグメントおよび緩衝要素セグメントと一緒に取り替えることによって、磁束コンセントレータが精巧に調整されることを可能にする。
【0125】
磁束コンセントレータ730を形成するための個別の磁束コンセントレータセグメントの使用は、磁束コンセントレータが異なる比透磁率値を有する異なるセグメントを用いて組み立てられることを可能にする。例えば、磁束コンセントレータは、第一の比透磁率を有する第一の材料から作られる一つ以上の細長い磁束コンセントレータセグメント、および第二の比透磁率を有する第二の材料から作られる一つ以上の細長い磁束コンセントレータセグメントから形成されうる。これは、組み立ての間に磁束コンセントレータが「精巧に調整されて」、それにより、インダクタコイルからの所望のレベルの誘導、およびエアロゾル発生物品のサセプタが使用中に位置されるチャンバー内の所望のレベルの電磁束を達成することを可能にする。この目的を達成するために、細長い磁束コンセントレータセグメントのそれぞれは、異なる材料から、または同じ材料から、またはそれらの内の任意の数の組み合わせから作ることができる。
【0126】
上述の模範的実施形態によって請求の範囲を制限する意図はない。上述の例示的な実施形態と一貫性のあるその他の実施形態は、当業者には明らかであろう。
【0127】
例えば、上述の実施形態では、インダクタは、チャンバーの側壁を形成し、インダクタコイルがその周りに巻き付けられる、内側スリーブを備える。こうした実施形態では、管状のスリーブは、ハウジングの一体型の部分であってもよく、またはインダクタのその他の部分と共にハウジングから取り外し可能であってもよい。その他の実施形態では、インダクタコイルおよび磁束コンセントレータは、例えば、ハウジングがそれから形成される材料に成形されて、装置のハウジング内に組み込まれてもよい。こうした実施形態では、内側スリーブは必要とされない。
【0128】
上述のこの実施形態では、各事例における磁束コンセントレータは、概して、円筒形の環状部である。すなわち、磁束コンセントレータは、円形断面およびその長さに沿って実質的に均一な厚さを有する。しかし、磁束コンセントレータは、任意の適切な形状を有してもよく、これは、例えば、インダクタコイルの形状および所望の電磁場の形状に依存してもよいことが理解されよう。例えば、磁束コンセントレータは、正方形、楕円形、または長方形の断面を有してもよい。磁束コンセントレータはまた、その長さに沿ってまたはその周囲で厚さを変えてもよい。例えば、磁束コンセントレータの厚さは、その端のうち一方または両方に向かって均一に先細りになっていてもよい。
【0129】
さらに、磁束コンセントレータは、単一の構成要素として、または複数の管状の磁束コンセントレータセグメントまたは細長い磁束コンセントレータセグメントから形成されるものとして記述された。しかし、磁束コンセントレータセグメントは、任意の適切な形状または構成を有してもよいことが理解されよう。例えば、磁束コンセントレータは、細長い磁束コンセントレータセグメントと管状の磁束コンセントレータセグメントの両方の組み合わせを備えてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成基体を加熱するように位置付けられたサセプタ素子を加熱することによって、前記エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を加熱するための電気的に作動するエアロゾル発生装置であって、
前記エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受けるためのチャンバーを画定する、装置ハウジングと、
前記チャンバーの少なくとも一部分の周りに配置されるインダクタコイルを備える、インダクタと、
前記インダクタコイルに接続され、使用時に、前記インダクタコイルが変動電磁場を生成して、前記サセプタ素子を加熱し、それにより前記エアロゾル形成基体を加熱するように、前記インダクタコイルに高周波電流を提供するように構成される、電源と、を備え、
前記インダクタが、前記インダクタコイルの周りに配置され、使用中に前記インダクタコイルにより生成された前記変動電磁場を前記チャンバーに向かって歪ませるように構成される、磁束コンセントレータをさらに備え、前記インダクタが、前記磁束コンセントレータの周りに配置される導電性シールドをさらに備え、前記インダクタが、前記インダクタコイルがその上に支持される外側表面を有する内側スリーブであって、前記内側スリーブ上に前記インダクタコイルを保持するための前記インダクタコイルの一方または両方の端におけるその外側表面上の突出部を備える、内側スリーブをさらに備える、電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記金属シールドが、前記磁束コンセントレータの周りに延在する金属箔、または前記磁束コンセントレータの周りに延在する構成要素に適用される金属被覆である、請求項1に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記金属シールドが、6~8MHzの周波数および摂氏25度の温度で、少なくとも5、好ましくは少なくとも20の比透磁率を有する材料から形成される、請求項1または2に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記金属シールドが、少なくとも1x10-2Ωm、好ましくは少なくとも1x10-4Ωm、より好ましくは少なくとも1x10-6Ωmの比抵抗を有する材料から形成される、請求項1~3のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記磁束コンセントレータが、6~8MHzの周波数および摂氏25度の温度で、少なくとも5、好ましくは少なくとも20の比透磁率を有する単一の材料または複数の材料から形成される、請求項1~4のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記磁束コンセントレータが、単一の強磁性材料または複数の強磁性材料を含む、請求項1~5のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記磁束コンセントレータが、0.3mm~5mm、好ましくは0.3mm~1.5mm、より好ましくは0.5mm~1mmの厚さを有する、請求項1~6のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記磁束コンセントレータが、その長さに沿って変わる、またはその周囲で変わる、またはその長さに沿ってかつその周囲に沿って両方において変わる厚さを有する、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記磁束コンセントレータが、互いに隣接して位置付けられる複数の個別の磁束コンセントレータセグメントを備える、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記複数の磁束コンセントレータセグメントが、第一の材料から形成される第一の磁束コンセントレータセグメントと、第二の、異なる材料から形成される第二の磁束コンセントレータセグメントと、を含み、前記第一および第二の材料が、異なる値の比透磁率を有する、請求項9に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記複数の磁束コンセントレータセグメントが管状であり、前記磁束コンセントレータの長さに沿って同軸に位置付けられる、請求項9または10に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記複数の磁束コンセントレータセグメントが細長であり、前記磁束コンセントレータの周囲に位置付けられる、請求項9または10に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記複数の細長い磁束コンセントレータセグメントが、それらの長軸方向軸が前記インダクタコイルの前記磁気軸と実質的に平行であるように配置される、請求項12に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記インダクタが、前記インダクタコイルを囲み、前記細長い磁束コンセントレータセグメントがその中に保持される複数の長軸方向のスロットを有する、外側スリーブをさらに備える、請求項12または13に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記細長い磁束コンセントレータセグメントが、前記インダクタコイルに対する前記細長い磁束コンセントレータセグメントの長軸方向の位置が選択的に変えられうるように、前記長軸方向のスロットに摺動可能に保持される、請求項14に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項16】
請求項1~15のいずれかに記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、使用中に前記エアロゾル形成基体を加熱するように位置付けられるサセプタ素子と、を備え、前記エアロゾル発生物品が、前記サセプタ素子が、前記エアロゾル発生装置の前記インダクタによって誘導加熱可能であり、それにより前記エアロゾル発生物品の前記エアロゾル形成基体を加熱するように、前記チャンバーに少なくとも部分的に受けられ、かつその中に配置される、電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項17】
前記エアロゾル形成基体が、加熱に伴い前記エアロゾル形成基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含む、請求項16に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項18】
電気的に作動するエアロゾル発生装置用のインダクタ組立品であって、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受けるためのチャンバーを画定し、
前記チャンバーの少なくとも一部分の周りに配置される、インダクタコイルと、
前記インダクタコイルの周りに配置され、使用中に前記インダクタコイルにより生成された変動電磁場を前記チャンバーに向かって歪ませるように構成される、磁束コンセントレータと、
前記磁束コンセントレータの周りに配置される、導電性シールドと、
前記インダクタコイルがその上に支持される外側表面を有する内側スリーブであって、前記内側スリーブ上に前記インダクタコイルを保持するための前記インダクタコイルの一方または両方の端におけるその外側表面上の突出部を備える、内側スリーブと、を備える、インダクタ組立品。