IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リフレクション メディカル, インコーポレイテッドの特許一覧

特開2023-178457放射誘導の放射線治療の方法および装置
<>
  • 特開-放射誘導の放射線治療の方法および装置 図1
  • 特開-放射誘導の放射線治療の方法および装置 図2
  • 特開-放射誘導の放射線治療の方法および装置 図3
  • 特開-放射誘導の放射線治療の方法および装置 図4A
  • 特開-放射誘導の放射線治療の方法および装置 図4B
  • 特開-放射誘導の放射線治療の方法および装置 図4C
  • 特開-放射誘導の放射線治療の方法および装置 図4D
  • 特開-放射誘導の放射線治療の方法および装置 図5
  • 特開-放射誘導の放射線治療の方法および装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178457
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】放射誘導の放射線治療の方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/10 20060101AFI20231207BHJP
   G01T 1/161 20060101ALI20231207BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
A61N5/10 M
A61N5/10 H
A61N5/10 E
G01T1/161 A
A61B6/03 377
A61B6/03 F
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023183898
(22)【出願日】2023-10-26
(62)【分割の表示】P 2021147486の分割
【原出願日】2009-03-09
(31)【優先権主張番号】61/036,709
(32)【優先日】2008-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】12/367,679
(32)【優先日】2009-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510246448
【氏名又は名称】リフレクション メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル メイジン
(57)【要約】
【課題】高エネルギ放射線を用いて体内の癌組織を治療する装置および方法を提供すること。
【解決手段】装置は、放射線源と、座標系内に生じる同時陽電子消滅放射を検出するように構成される同時陽電子放射検出器と、放射線源および同時陽電子放射検出器に連結された制御器であって、制御器は、座標系内の1つ以上のボリュームと交差する同時陽電子消滅放射経路を識別することと、識別された同時陽電子消滅放射経路に沿って放射線源を整列させることを行うように構成される、制御器とを備えている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書から理解される課題解決手段を備えた発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本特許出願は、2008年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/036,709号、および2009年2月9日出願された米国特許出願第12/367,679号の優先権の利益を主張し、これらの出願の内容は、その全体が本明細書に参照によって援用される。
【0002】
(技術の分野)
本開示は、放射線治療の装置および方法に関し、より詳細には、高エネルギ放射線を用いて体内の癌組織を治療する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
放射線治療(RT)は、腫瘍細胞を殺す高エネルギ放射線(例えば、x線)を用いて体内の癌性組織を治療する方法である。RTの2つの主要な種類、すなわち体内ビームおよび体外ビームがある。体内ビームRTは、患者の体内または治療されるべき癌性部位の近くに放射性物質を移植することによって達成される。体外ビームRTは、放射線の高エネルギビームが治療されるべき領域を通過するように、患者を通る放射線の高エネルギビームを向けることによって達成される。体外RTは、過去数十年間にわたり著しく進化してきた。健康な組織を温存しながら致死の放射線量を腫瘍に適用する努力において、腫瘍の二次元の投写像を患者の表面上で一致させるために三次元正角ビームRTなどの技術がビームを形作るために用いられる。さらに、ビームは、周囲の健康な組織に対する放射線量を最小にしながら、腫瘍に対する放射線量を最大にするように、患者の周りで様々な角度および変化する強度で適用される。これは、強度変調RT(IMRT)として公知である。
【0004】
しかしながら、腫瘍の位置および運動に関連する不確実性は、体外ビームRTの有効性を制限し得る。静的誤差は、患者設定の変動性ならびに内部器官の移動による腫瘍位置の自然の変化から生じる。これらは治療ごとに変化し得る。動的誤差は、治療中の腫瘍の運動から生じる(例えば、患者の呼吸による)。例えば、肺腫瘍は、通常の患者の呼吸中1cm~2cmのオーダーで動くことが知られている。この継続する問題は、結果として、新しいクラスのRTシステム、すなわち画像誘導RT(IGRT)をもたらした。これらの技術は、腫瘍位置が治療時に知られ得るように、治療前かつ時々治療中同時に、従来の医用描写法(x線、CT、MRI、PETなど)を用いて腫瘍領域を映像化することを含む。
【0005】
しかしながら、IGRT技術は、腫瘍映像化の特異性の欠如(例えば、多くの場合、x線CTから腫瘍境界を視覚化することはほとんど不可能である)か、または不十分な時間的解像度(PETは癌の映像化に最も感度のよい様式であるが、良好な品質のPET画像を作るに数分かかる)のいずれかを被る。いずれの場合においても、RT中に腫瘍を動的に追跡することはなおも非常に困難である。
【0006】
陽電子放射断層撮影法(PET)は、体内の癌性組織を検出するためにしばしば用いられる医用描写法である。PETラジオトレーサとして公知の放射性原子によって標識された分子が、まず患者の中に注射される。患者内の放射性原子は、放射性崩壊を受け、陽電子を放射する。陽電子は、原子から放射されると、すぐに近くの電子と衝突し、その後、両方とも消滅させられる。2つの高エネルギ光子(511 keV)は、消滅の地点から放射され、反対の方向に進む。2つの光子が2つのPETカメラによって同時に検出されるとき、2つのPETカメラを結ぶ線に沿ったどこかにおいて消滅が起ることは公知である。この線は、陽子消滅放射経路と呼ばれている。何千ものこれらの放射経路から収集された情報は、体内におけるPETラジオトレーサ分布の画像を徐々に組み立てるために用いられる。最も一般的に用いられるPETラジオトレーサは、フッ素18フルオロデオキシグルコース(FDG)である。これは、グルコース代用品であり、従って、体内における新陳代謝活動の速度を映像化するために用いられる。癌性組織は健康な組織より新陳代謝的に活動的である傾向があり、正常な組織に対し腫瘍においてFDG吸収の増加があり、従って、PET信号の増加がある。FDG-PETは、癌の存在を検出するために用いられ得る最も感度のある描写法のうちの1つである。これは、癌の診断と治療の監視の両方のために広範囲に用いられる。しかしながら、外部ビームRTと同時にPETを用いることは、非実用的である。妥当な品質の画像を得るためにPET映像法は10分のオーダーの時間を要し、このことは、腫瘍位置の動的追跡のための手段としてPETを使用することを非常に制限する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(概要)
本主題は、同時陽電子消滅放射経路に沿って放射線をスキャンし、整列させる装置および方法に関する。方法は、セッション中に所定のボリュームと交差する放射性事象から同時陽電子消滅放射経路を検出することと、セッション中に放射経路に沿って放射線源を整列させることとを含む。様々な例は、個々の検出された放射事象に応じた、放射線の繰返しのタイムリーな整列を含む。様々な例は、所定のボリュームを識別する位置データを受信し、放射線に敏感な領域に放射線を方向付けることを避けることを含む。
【0008】
放射セッション中に放射線を整列させる装置が提供される。装置は、放射線源と、座標系内に生じる同時陽電子消滅放射を検出するように構成される同時陽電子放射検出器と、放射線源および同時陽電子放射検出器と通信する制御器であって、制御器は、座標系内の1つ以上のボリュームと交差する同時陽電子消滅放射経路を識別することと、識別された同時陽電子消滅放射経路に沿って放射線源を整列させることを行うように構成される、制御器とを備えている。
例えば、本明細書は以下の項目を提供する。
(項目1)
放射線源と、
座標系内に生じる同時陽電子消滅放射を検出するように構成される同時陽電子放射検出器と、
該放射線源および該同時陽電子放射検出器と通信する制御器であって、該制御器は、該座標系内の1つ以上のボリュームと交差する同時陽電子消滅放射経路を識別することと、識別された同時陽電子消滅放射経路に沿って該放射線源を整列させることを行うように構成される、制御器と
を備えている、装置。
(項目2)
前記制御器に接続される運動システムをさらに備え、該運動システムは、前記1つ以上のボリュームの周りで前記放射線源を動かすように構成される、項目1に記載の装置。
(項目3)
前記運動システムは、円形ガントリを含む、項目2に記載の装置。
(項目4)
前記運動システムは、Cアームガントリシステムを含む、項目2に記載の装置。
(項目5)
前記制御器に接続されるマルチリーフ視準アセンブリをさらに備え、該視準アセンブリは、1つ以上の同時陽電子放射経路に沿って前記放射線を同時に方向付けるように適合される、項目1~4のいずれかに記載の装置。
(項目6)
前記制御器は、所定の放射線量が前記1つ以上のボリュームの各ボリュームに加えられるまで、複数の個々の同時陽電子消滅経路に沿って放射線を連続的に適用するように構成される、項目1~5のいずれかに記載の装置。
(項目7)
第2の放射線源をさらに備え、前記制御器は、第2の識別された同時陽電子消滅放射経路に沿って該第2の放射線源を整列させるように構成される、項目1~6のいずれかに記載の装置。
(項目8)
前記放射線源は、高エネルギ光子放射線源を含む、項目1~7のいずれかに記載の装置。
(項目9)
前記放射線源は、高エネルギ電子放射線源を含む、項目1~7のいずれかに記載の装置。
(項目10)
前記放射線源は、陽子ビーム放射線源を含む、項目1~7のいずれかに記載の装置。
(項目11)
前記放射線源の反対側に取り付けられるx線検出器のアレイをさらに備えている、項目1~7のいずれかに記載の装置。
(項目12)
前記制御器は、同時陽電子消滅放射経路を識別する所定の時間内に該同時陽電子消滅放射経路に沿って前記放射線源を整列させるように構成される、項目1~11のいずれかに記載の装置。
(項目13)
セッション中に起こる放射性事象から同時陽電子消滅放射経路を検出することと、
該セッション中に該放射経路に沿って放射線源を整列させることと
を包含する、方法。
(項目14)
所定のボリュームの位置データを受信することをさらに包含する、項目13に記載の方法。
(項目15)
位置データを受信することは、前記放射線源に対して前記ボリュームの位置を合わせることを含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記ボリュームの位置を合わせることは、前記放射線の供給源を用いて該ボリュームの低放射線量の断層撮影スキャンを行うことを含む、項目15に記載の方法。
(項目17)
検出することは、第1の陽電子放射断層撮影(PET)カメラおよび第2のPETカメラを用いて同時陽電子消滅放射経路を検出することを含む、項目13~16のいずれかに記載の方法。
(項目18)
前記放射線源を整列させることは、該放射線源と、少なくとも2つの陽電子放射断層撮影カメラと、x線検出器のアレイとを所定のボリュームの周りに回転させることを包含する、項目13~17のいずれかに記載の方法。
(項目19)
前記放射線源を整列させることは、さらなる同時陽電子消滅放射経路を検出しながら、該放射線源と、少なくとも2つの陽電子放射断層撮影カメラと、x線検出器のアレイとを所定のボリュームの周りに回転させることを包含する、項目13~18のいずれかに記載の方法。
(項目20)
前記放射線源を整列させることは、前記同時陽電子消滅放射経路に沿って放射線を方向付ける視準アセンブリを構成することを含む、項目13~19のいずれかに記載の方法。
(項目21)
前記セッション中に前記放射経路に沿って放射線を方向付けることをさらに包含する、項目13~20のいずれかに記載の方法。
(項目22)
前記x線検出器のアレイを用いて前記同時陽電子消滅放射経路に沿って方向付けられた放射線量を記録することをさらに包含する、項目13~21のいずれかに記載の方法。
(項目23)
放射線を方向付けることは、前記セッション中の所定の時間内に前記放射経路に沿って放射線を方向付けることを含む、項目13~22のいずれかに記載の方法。
(項目24)
さらなる同時陽電子消滅放射経路を検出することと、
前記セッション中の所定の時間内に該検出されたさらなる同時陽電子消滅放射経路の選択された放射経路に沿って前記放射線源を整列させることと、
該セッション中に該放射経路に沿ってさらなる放射線を方向付けることと
をさらに包含する、項目13~22のいずれかに記載の方法。
(項目25)
前記方向付けられたさらなる放射線のさらなる放射線量を記録することと、
蓄積された総放射線量が所定の放射線量を満足するまで、前記方向付けられた放射線の総放射線量を蓄積することと
をさらに包含する、項目24に記載の方法。
【0009】
本概要は、本出願の教示のいくつかの概観であり、本主題の排他的または網羅的処理であることを意図しない。本主題についてのさらなる詳細は、詳細な説明および添付の特許請求の範囲に見出される。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその法的均等物によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本主題の一実施形態に従う陽電子消滅放射経路に沿って放射線を整列させる装置を示す。
図2図2は、本主題の一実施形態に従う同時陽電子消滅放射経路に沿って放射線を整列させる方法のフローチャートである。
図3図3は、本主題の一実施形態に従って、所定の放射線量を調整し、指示する方法のフローチャートである。
図4A図4A図4Dは、本主題の一実施形態に従う陽電子消滅放射経路に沿って放射線を整列させる装置を例示する。
図4B図4A図4Dは、本主題の一実施形態に従う陽電子消滅放射経路に沿って放射線を整列させる装置を例示する。
図4C図4A図4Dは、本主題の一実施形態に従う陽電子消滅放射経路に沿って放射線を整列させる装置を例示する。
図4D図4A図4Dは、本主題の一実施形態に従う陽電子消滅放射経路に沿って放射線を整列させる装置を例示する。
図5図5は、本主題の一実施形態に従うコリメータアセンブリを示す。
図6図6A図6Cは、本主題の一実施形態に従う陽電子消滅放射経路に沿って放射線を整列させるCアームガントリを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(詳細な説明)
本発明の以下の詳細な説明は、添付の図面において主題を参照し、その添付の図面は、本主題が実施され得る特定の局面および実施形態を例示として示す。これらの実施形態は、当業者が本主題を実施することが可能であるほど十分詳細に説明される。本開示における「一、1つの(an)」、「1つの(one)」、または「様々な(various)」実施形態の参照は、必ずしも同じ実施形態の参照ではなく、そのような参照は2つ以上の実施形態を意図する。従って、以下の詳細な説明は、限定する意味で解されるべきではなく、範囲は、添付の特許請求の範囲、ならびに、そのような特許請求の範囲が権利を有する法的な均等物の全範囲によってのみ定義される。
【0012】
本主題は、放射誘導放射線治療(「EGRT」)と称される新しいクラスの技術に関する。1つのEGRT方法は、放射法を用いることを含み、その放射法は、治療段階中、放射の検出された経路に沿って放射線のビームを用いる個々の放射事象に直接応答することによって、癌に対して感度が高い。放射応答が放射検出後十分短い時間内に起こる場合、腫瘍部位は、実質的に動かず、放射線治療される。従って、腫瘍追跡は、放射誘導放射線療法において本来的に達成され、実際の腫瘍の位置または運動を完全に知ることは必要ではない。一連のそれぞれの放射線ビームによって腫瘍部位からの一連の放射事象に応答することによって、治療は、腫瘍位置の不確実性に関わらず効果的に達成され得る。この方法で、2つ以上の腫瘍を同時に治療することも可能である。さらに、現在のRTプロトコルに用いられるものと同じ事前計画処置が、ボリューム(volume)内に腫瘍が常に存在している(腫瘍の運動を含む)ボリュームを識別するために実施され得、その結果、腫瘍が存在していない領域に放射線が適用されないかまたは最小限の放射線しか適用されなく、かつ/または、その結果、治療は体内の放射線に敏感な器官を避ける。
【0013】
図1は、本主題の一実施形態に従う検出された陽電子消滅放射経路に沿って放射線を感知し、整列させる装置を示す。様々な実施形態において、装置130は、フレーム(図示されていない)によって支持される円形の可動ガントリと、放射線源131と、陽電子消滅放射センサ133と、運動システム134と、制御器135とを含む。様々な実施形態において、装置は、放射線源の反対側に位置を決められ、対象とするボリューム138に適用される放射線を測定するためのx線検出器132を含む。放射線源131、x線検出器132および陽電子放射センサ133は、可動ガントリに取り付けられる。陽電子放射センサ133は、放射線源131とx線検出器132との間にガントリ上に取り付けられる。様々な実施形態において、装置は、組み合わされたx線センサと陽電子放射センサとを含み、その結果、陽電子放射検出器は、放射線源の一方の側から他方の側に実質的に全ガントリ円の周りに感知能力を提供する。一実施形態において、x線検出器は、高エネルギメガ電子ボルト(MeV)検出器を含むが、これに限定されない。陽電子放射センサ133は、事象中に放射される同時光子経路136を感知することによって、陽電子消滅事象を検出するように適合される。様々な実施形態において、運動システムは、ガントリおよび付属の装置をボリューム138の周りに動かし、検出された放射の経路に放射線源を整列させる。制御器135は、放射線源131、陽電子放射センサ133、x線検出器132および運動システム134に接続される。制御器135は、識別されたボリューム138と交差する同時光子放射経路136を識別し、放射線源131の整列、構成およびトリガを調整し、識別された放射経路に沿ってボリューム138に放射線を向ける。様々な実施形態において、制御器は、1つ以上の対象のボリューム138のための位置情報を受信し、任意の適用される治療を対象の領域に限定する。様々な実施形態において、制御器は、システムが放射線治療をしない1つ以上のボリュームに対してプログラムされる。これらのボリュームのいくつかの例は、放射線から保護するための放射線感知領域、または、たぶん以前に治療を受け、任意の特定のセッション中、未治療である必要がある領域を含む。いくつかの実施形態において、対象のボリューム138は、いくつかの陽電子消滅放射を検出し、活動をマッピングすることによって放射セッションの第1のフェーズにおいて識別される。様々な実施形態において、放射線源は、放射線源からの放射線を形作り、正確に向けるために視準アセンブリ139を含む。
【0014】
様々な実施形態において、制御器は、一般的な座標系を用いて、放射線源、陽電子放射検出器、または、放射線源および陽電子放射検出器の両方を動かす。一実施形態において、陽電子放射検出器は静止しており、放射線源は一般的な座標系を基準にするロボット運動システムを用いて可動である。いくつかの実施形態において、放射線源および陽電子放射検出器の両方とも可動であり、一般的な座標系を基準にする別個の運動システムを用いる。本主題の範囲から逸脱することなく、放射線源、陽電子放射検出器、または、放射線源および陽電子放射検出器の両方を動かすための様々な運動システムであって、円形ガントリ、直線ガントリ、関節アームロボット、カスタムロボティクスまたはこれらの組み合わせを含む、運動システムが可能であることは理解される。
【0015】
図2は、本主題の一実施形態に従って、放射セッション中にボリュームを走査するための方法250のフローチャートである。しばしば腫瘍は、放射線治療を受ける前の長い期間に映像化される。治療中、放射線は、最後に映像化されたときの腫瘍のあった位置に方向付けられる。腫瘍は比較的短時間に相当な距離を移動し得る。そのような移動は、姿勢の変更、せき、または呼吸でさえなどのような無害な事象に起因し得る。放射線治療の典型的な目標は、非腫瘍組織に適用される放射線を最小限にすると共に、腫瘍組織を殺すほど十分に腫瘍に放射線を適用することである。腫瘍が映像化された後に動くと、一部の放射線は放射中に腫瘍に当りそこない得、従って腫瘍のいくつかの部分は治療から生き残り、一部の健康な組織は致死量の放射線を受け得る。さらに、治療中、放射線が死んだ腫瘍のいくつかの部分に適用されると、患者は必要以上の放射線に耐える。医療用途において、本方法は、リアルタイムの、生きた腫瘍組織の追跡および腫瘍組織への放射線の方向付けを提供する。方法250は、ボリューム251と交差する放射性事象からの同時陽電子消滅放射経路を検出し、放射経路252に沿って放射線源を整列させることを含む。様々な実施形態において、方法は、ボリュームの内容が実質的に動く前に、検出された放射経路に沿って放射線をボリュームに方向付けすることを含む。医療用途において、検出された陽電子消滅放射経路に沿って放射線をタイムリーに適用することは、たとえ腫瘍が最後に映像化されてから移動したとしても、放射線治療が生きた腫瘍組織に適用される確実性を提供する。
【0016】
図3は、本主題の一実施形態に従って、放射セッション中に対象のボリュームに所定の外部放射線量を方向付ける方法360のフローチャートである。方法は、1つ以上の対象のボリューム361を説明する位置データを受信することを含む。様々な状況において、データは、前治療計画段階中に生成される。いくつかの状況において、実質的な映像化は、病的組織の領域などの対象のボリュームを診断し、追跡するために行われた。この映像化は、ボリュームであって、その中に対象の腫瘍が存在し、動く、可能性のあるボリュームを確立するために用いられ得る。データは、診断中に完成された映像化から生成され得る。いくつかの実施形態において、放射線がセッション中にいくつかのボリュームに方向付けられ得るように、2つ以上のボリュームの位置データが受信される。例えば癌性の腫瘍組織などの対象のボリュームを識別することは、X線映像法、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴映像法(MRI)、陽電子放射断層撮影法(PET)またはこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない多数の様式を含み得る。本主題の範囲から逸脱することなく、他の様式が可能である。
【0017】
様々な実施形態において、放射セッション前に、対象のボリュームはラジオトレーサが提供される。ラジオトレーサは、ボリュームのリアルタイム追跡のための陽電子の供給源を提供する。方法は次いで、まだ受信されていない場合、ボリュームの位置データを受信することから開始する361。様々な実施形態において、ボリュームの位置データを受信することは、例えば放射線源などの機械の基準点にボリュームを合わせることを含む。様々な実施形態において、機械にボリュームを合わせることは、機械の放射線源を用いて、低放射線量のCTスキャンを行うことを含む。いくつかの実施形態において、1つ以上のボリュームの位置データを受信すること、および機械に各ボリュームを合わせることは、多数の放射事象を検出することと、ボリュームを識別するために事象をマッピングすることとを含む。外部の放射線機械にボリュームを合わせる他の方法が本主題の範囲から逸脱することなく可能であることは理解される。いくつかの実施形態において、ボリュームの位置データを受信することは、放射線治療しない領域の位置データを受信することを含む。
【0018】
方法は、対象のボリュームと交差する陽電子消滅事象から同時放射経路を検出することをさらに含み362、検出された放射経路に沿って放射線源を整列させ363、次いで検出された放射経路に沿ってボリュームに放射線を方向付ける364。様々な実施形態において、放射事象を検出すると、ダウンロードされた位置データは、事象が対象のボリュームと交差したかどうかを決定するために用いられる。
【0019】
様々な実施形態において、放射線源および放射検出器は、1つ以上のボリュームの周りを動き、複数の角度から放射事象の検出および放射線の方向付けを可能にする。複数の角度からボリュームに放射線を方向付けることは、健康な組織などの介在する物質を放射線に曝露することを最小限にする。様々な実施形態において、事前映像化は、他の物質内のボリュームの深さの原因となる、放射線源の強度を調整するために用いられる。様々な実施形態において、セッションが進行すると、制御器は、セッション中に検出された放射事象から1つ以上の対象のボリュームのマップを分析し、構成する。様々な実施形態において、マップがより詳細になると、マップに基づいて、検出された放射経路に沿って放射線を選択可能に整列させ、方向付ける。
【0020】
ボリュームの方に放射線を方向付けると、制御器は、患者に方向付けられた放射線量を記録する365。様々な実施形態において、放射線源の反対側に位置を決められるx線検出器は、ボリュームの方に、ボリュームを通過するように方向付けられる放射線を記録する。所定の放射線量が対象の各ボリュームに方向付けられるまで366、制御器は、蓄積された放射線を監視し、放射事象を検出し続け、検出された放射経路に沿って放射線を方向付ける。様々な実施形態において、検出された陽電子放射事象の蓄積は、対象のボリュームおよび周囲の物質を映像化するために用いられ得る。医療用途において、検出された陽電子放射事象の蓄積は、ボリュームの新陳代謝活動の映像を構成するために用いられ得る。いくつかの実施形態において、映像データは、後の治療を変更するために用いられ得る。
【0021】
医療用途に用いられる実施形態などの様々な実施形態において、癌性腫瘍組織などの対象のボリュームは、ボリュームのリアルタイムの追跡のための陽電子の供給源としてラジオトレーサが提供される。典型的なラジオトレーサは、陽電子を放射する不安定な核種を含む。陽電子は、軌道電子と同じ質量を有するが、正に帯電している。陽電子の固有の特性は、性質上静止して存在し得ないことである。陽電子がその運動エネルギを喪失すると、陽電子は、負に帯電した電子と直ちに結合し、消滅反応を受け、その消滅反応において、2つの粒子の質量は、2つの0.511-MeVの消滅光子の形態でエネルギに完全に変換され、これらの消滅光子は、それらの生成部位を互いから約180度の位置のままにする。2つの511-keVのγ線の検出は、ラジオトレーサによって、生きた腫瘍組織を標的にする基礎を形成する。
【0022】
臨床業務および癌の研究において一般的に用いられるラジオトレーサは、フッ素18フルオロデオキシグルコース(FDG)、新陳代謝PETラジオトレーサである。FDG、グルコース類似物は、脳、腎臓、および癌細胞などの高グルコース使用細胞によって吸収され、この場合、リン酸化はグルコースが無傷の状態で放射されることを妨げる。従って、生きた病的組織は、新陳代謝PETラジオトレーサを健康な組織より激しく吸収し、濃縮する。死んだ組織はラジオトレーサを吸収しないので、新陳代謝ラジオトレーサのさらなる利益は、新陳代謝ラジオトレーサが腫瘍の生きた組織のリアルタイムの追跡を提供することである。その結果、検出された放射経路に沿って放射線治療を適用する際に、方法は、放射線が腫瘍のみならず腫瘍の生きた組織にも正確に適用されるという高度の確実性を提供する。フッ素-18、炭素-11、酸素-15、および窒素-13を含むがこれらに限定されない、陽電子放射放射性核種を有する他のラジオトレーサを用いることが本主題の範囲から逸脱することなく可能であることは理解される。
【0023】
図4A図4Dは、本主題の一実施形態に従って、同時陽電子消滅放射経路を検出し、放射線を放射経路に整列させる装置401の断面を示す。図4A図4Dは、装置401内に位置を決められる患者420を含む。患者は、放射線治療されるべきボリューム422内の生きた腫瘍組織を有する。装置は、制御器407と、高エネルギ放射能を生成する放射能源402と、高エネルギ放射能を形作り、正確に方向付けることを助ける視準アセンブリ410と、x線検出器408のアレイと、陽電子放射撮影法(PET)センサ404のアレイとを含む。放射能源402、視準アセンブリ410、x線検出器408およびPETセンサ404は、回転するガントリ406上に置かれる。ガントリ406は、静止フレーム(図示されていない)に取り付けられる。様々な実施形態において、制御器407に接続された運動制御システム409は、患者420の周りにガントリ406および取り付けられた装置を動かす。
【0024】
図4Bは、装置401に対して患者の位置を合わせるために低放射線量MeV CTスキャンを行う装置401を示す。解剖学的目印または他のマーキング案が、患者の体の位置を装置に合わせるために用いられ得る。位置合わせ(registration)は、制御器が、放射線治療されるべきではないボリュームを含む対象のボリュームの幾何学座標を装置401の幾何学座標に関連付けることを可能にする。位置合わせ後、制御器407は、ボリューム422と交差する陽電子消滅放射経路を監視し、放射能源を放射経路に整列させ、検出された放射経路に沿って放射線を方向付けする際に、装置401を制御する。陽電子消滅事象を監視しながら、放射能源402、視準アセンブリ410、PETセンサ404および高エネルギ放射能検出器408は、制御器407に接続された運動システム409を用いて患者の周りに回転する。
【0025】
図4Cは、ボリューム422と交差する同時陽電子放射経路412の検出を示す。同時放射事象および経路412を検出すると、制御器407は、同時放射経路の幾何学座標を記録する。検出された経路412が対象のボリューム422と交差する場合、運動システムが放射経路412と整列するように放射線源402を動かした後に、制御器407は、放射線源の整列を開始し、放射の経路に沿って放射線を発射する。放射と同じ経路に沿って放射線を適用することは、放射線が腫瘍の生きた組織に正確に適用されるという高度の確実性を提供する。放射線源を検出された放射の角度に動かすことの他に、整列は、陽電子放射経路に沿って放射線を正確に方向付けるように視準アセンブリ410を構成することを含む。様々な実施形態において、ガントリ406が患者の周りを回転しながら、放射線を正確にかつタイムリーに整列させることは、視準アセンブリを再構成することを含む。
【0026】
図4Dは、本主題の一実施形態に従って検出された放射経路に沿って放射線を方向付ける装置を示す。制御器は、ガントリの運動と、視準アセンブリの構成と、放射線源を発射し、検出された陽電子放射経路と同じ経路に沿って放射線源402から放射線414を提供することとを調整する。視準アセンブリ410は、扇形ビームにおける所望の光線が通過し得、一方他の光線が完全にふさがれるように、放射線ビームが分割されることを可能にする。視準アセンブリの再構成は、新構成がガントリ406の周りに放射線源402の各角度位置に対して可能であるように、速やかに行われる。
【0027】
ガントリ406が回転すると、放射線の検出、整列および発射は、所望の放射線量が対象の各ボリュームにおいて達成されるまで、複数の陽電子放射事象に対して繰り返される。様々な実施形態において、制御器は、総放射線量を検証するためにx線検出器408から受信された読み取りを記録する。x線検出器が、MeV検出器、高エネルギキロ電子ボルト(keV)検出器またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない1つ以上の高エネルギ検出器から形成され得ることは理解される。
【0028】
様々な実施形態において、制御器407は、1つ以上の腫瘍の位置についてのデータを含む。そのような実施形態において、制御器は、放射事象の検出、および複数のボリュームへの放射線の発射および方向付けを調整する。様々な実施形態において、ボリューム位置データは、以前の映像化から制御器にダウンロードされる。このデータは、検出された放射事象経路が対象のボリュームと交差するかどうかを高度の確実性をもって制御器が決定することを可能にする。
【0029】
上記に考察されるように、対象のボリュームと交差する陽電子放射事象が検出されたとき、制御器407は、放射線源402からの放射線が所定の時間内に、検出された放射経路と同じ経路をたどることを可能にするように視準アセンブリ410を再構成する。様々な実施形態において、視準アセンブリの再構成は、ガントリ406が放射線源402およびセンサ404、408を患者420の周りに回転させると、急ぎ完遂される。ガントリ回転の速度、制御器の処理遅延、および放射事象の検出時の放射線源の位置は、放射事象と放射経路に沿って放射線を方向付けそして発射することとの間の遅延を決定するいくつかの要因である。医療用途において、放射経路への放射線源の整列は、呼吸などの通常の体の機能に起因する腫瘍の運動に対してでさえ腫瘍の追跡精度を高める。いくつかの実施形態において、ガントリは複数の放射線源を含む。複数の放射線源は、治療がより速やかに完了することを可能にし、放射事象の検出と放射線源の整列との間の遅延の減少またはより速やかな治療および遅延の減少の両方を可能にする。
【0030】
様々な実施形態において、装置は、個々の陽電子消滅事象に応じて放射線を整列し、方向付けする。様々な実施形態において、ガントリが、回転し、以前に検出された放射経路に放射線を整列させ、方向付けると、制御器は、検出された陽電子消滅放射をキューに入れる。いくつかの実施形態において、放射線源は、選択されキューに入れられた経路に沿って連続的に整列させられ、方向付けられる。いくつかの実施形態において、放射線源は、ボリュームの近くの放射線源の現在の位置に従って、選択されキューに入れられた経路に沿って整列させられ、方向付けられ、その結果、より間近に検出された経路が選択され得る。なぜなら放射線源は、それ以前に検出された経路の前に、その経路に近づくからである。いくつかの実施形態において、制御器は、ある時間間隔の間に、選択された放射経路をキューに入れ、次いでさらなる放射経路をキューに入れることによってプロセスを繰り返す前に、キューの選択された経路に沿って放射線を整列させ、方向付ける。事象を感知することと検出された放射経路に沿って放射線を送達することとの間の所望の時間間隔を調整することによって、装置は、異なる数の放射線送達経路のキューを確立し得る。制御器はまた、装置の最小量の移動を放射線に提供するアルゴリズムを用い得る。本主題の範囲から逸脱することなく、他のアルゴリズムおよび処置が可能である。
【0031】
いくつかの実施形態において、制御器は、呼吸などの患者の周期的機能に放射線源の整列および発射のペースを調節する。例えば、患者の呼吸周期が数秒間ごとに繰り返すと感知されたと仮定されたい。制御器が対象のボリュームと交差する放射事象を感知すると、制御器は、これらの事象が起った呼吸周期のフェーズを記録し、呼吸周期と同じフェーズと一致するように放射線源を動かし、整列させ、発射する際に、調整された遅延を制御する。
【0032】
本主題の様々な実施形態は、2-Dまたは3-D方式で放射線を整列させ、方向付ける。2-D方式において、マルチリーフ放射線コリメータは、放射線源の各特定の角度位置に対して再構成され、その結果、放射線経路は、扇形であって、その頂点が放射線の供給源にある、扇形内にある。図5は、本主題の一実施形態に従うコリメータアセンブリ550を示す。マルチリーフコリメータ553の直前に置かれる一対のコリメータジョー551は、放射線源555の円錐形発散554を特定の平面552に制限する。下部ジョー553の操作は、放射線経路の平面内の複数のボリュームに放射線を整列させることを可能にする。様々な実施形態において、テーブルは、連続的方法または段階的発射(step-and-shoot)方法で平行移動され得、複数のスライスのボリュームを治療し得る。テーブルが連続的に平行移動される場合、テーブル速度は、各ボリュームへの所定の放射線量を可能にする。
【0033】
3-D方式の治療を用いる装置の場合、円錐形放射線ビーム発散554を制限するコリメータジョー551は、視準アセンブリリーフ553と一致して動かされ得る。放射線は特定の平面に制限されるが、視準アセンブリジョーの一致した運動は、放射線源の所定の位置に対して様々な平面の治療を可能にする。円形ガントリおよびCアーム装置に関して、3-D方式は、視準アセンブリが装置の中心軸に対して斜めの角度で放射線を提供することを可能にする。さらに、装置の所定の位置に対して、3-D方式は、2-D方式と比較して、制御器がPETの視野のより大きな部分内で複数の同時放射経路に応答することを可能にする。
【0034】
図6A図6Cは、本主題の一実施形態に従うCアームガントリ装置660を示す。装置660は、放射線源661と、視準アセンブリ662と、装置の回転部664に取り付けられたPETカメラ663とを含む。装置の固定部665は、回転部664に対する支持を提供する。図6Aは、放射線源がテーブル666の上に位置を定められ、PETカメラ663がテーブル666の両側に位置を決められている装置の正面図を示す。制御器(図示されていない)は、放射線源661、視準アセンブリ662、PETカメラ663の制御および調整、ならびに回転部664がテーブル666の周りにデバイスを動かすときの運動を提供する。図6Bは、放射線源661、視準アセンブリ662およびPETカメラ663がテーブル666の周りに90度回転している装置の正面図を示す。3-D方式の治療に関して、マルチリーフx線コリメータは、放射線源の各指定された角度位置に対して再構成され、その結果、放射線経路は、円錐であって、その頂点が放射線の供給源にある、円錐内にある。
【0035】
様々な実施形態において、複数のスライスのボリュームを治療するために、テーブル666は、連続的方法または段階的発射方式で平行移動され得る。図6Cは、テーブル666が装置の方に平行移動されているCアームガントリ装置660の側面図を示す。テーブルが連続的に平行移動される様々な実施形態において、テーブル速度は、所定の放射線量が各ボリュームに方向付けられることを可能にするように制御される。
【0036】
様々な実施形態において、装置660は、各ボリュームに方向付けられる放射線の総量または放射線量を記録し、検証するために、放射線源の反対側に位置を定められる高エネルギ(MeV)検出器を含む。いくつかの実施形態において、MeV検出器の代わりに、組み合わされたMeV/PET検出器が用いられる。組み合わされたMeV/PET検出器は、511 KeV PET放射ならびに高エネルギ放射線の両方を検出することを可能にする。そのような配置は、PET検出器の適用範囲を増加させ、より速い放射線セッションを可能にする。KeV/PET検出器を含むがこれに限定されない、PETおよび高エネルギx線検出器の組み合わせが本主題の範囲から逸脱することなく可能であることは理解される。
【0037】
様々な実施形態において、放射線は、線形加速器(linac)によって生成されるx線を含む。他の放射線タイプおよび放射線源は、本主題の範囲から逸脱することなく放射線を提供することが可能である。そのような放射線および放射線源は、高エネルギ光子と、放射性アイソトープ(例えば、イリジウムまたはコバルト60)によって生成される放射線または粒子と、高エネルギ電子と、光子ビームと、中性子ビームと、重イオンビームとを含むがこれらに限定されない。
【0038】
一実施形態において、装置は、放射性事象から放射された光子の方向付けを検出する、PETセンサの代わりにピンホールカメラおよび/または視準SPECTセンサを有する単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)機構を用いて実装される。
【0039】
一実施形態において、放射線源は回転しない。放射線源(例えば、鉛が入ったコバルト60)がガントリの周りのすべてに配置され、PET検出器と交互に配置される。この場合、特定の放射線源からの放射線は、隣接したPETセンサ対によって検出される放射経路をたどる。
【0040】
一実施形態において、2つ以上の放射線源が、回転するガントリに取り付けられる。制御器は、放射線源の各々を整列させ、まったく異なった放射経路に応答する。複数の放射線源は、1つのみの放射線源が用いられる場合より、放射経路を検出することとその経路に沿って放射線を方向付けることと間に小さい時間窓を可能にする。
【0041】
様々な実施形態において、装置は、スタンドアロン動作の放射線治療、または放射誘導放射線治療と同時動作の放射線治療の他の方式を提供する。放射線治療の他の方式は、治療ボリュームの先行の映像化に基づく放射線治療、三次元正角ビームRT、強度変調RTまたはこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない。
【0042】
本出願は、本主題の改作および変形を含むことが意図される。上記の説明が例示的であり、制限的ではないことは理解されるべきである。本主題の範囲は、添付の特許請求の範囲、ならびに特許請求の範囲が権利を有する法的な均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
【外国語明細書】