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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178506
(43)【公開日】2023-12-15
(54)【発明の名称】遠心分離機
(51)【国際特許分類】
   B04B 11/06 20060101AFI20231208BHJP
   B04B 11/02 20060101ALI20231208BHJP
   B04B 1/02 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
B04B11/06
B04B11/02
B04B1/02
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085758
(22)【出願日】2022-05-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】717001293
【氏名又は名称】角野 俊治
(72)【発明者】
【氏名】角野 俊治
【テーマコード(参考)】
4D057
【Fターム(参考)】
4D057AB01
4D057AB03
4D057AC01
4D057AC06
4D057AD01
4D057AE02
4D057AF05
4D057BC06
(57)【要約】
【課題】
回転体と同期して回転する滞留液状体と連続的に送液する液状体の運動差による衝突で発生する攪乱範囲を最小化して濾過効率を向上させる液状体供給機構を設けた遠心分離機を提供するものである。
【解決手段】
半径方向へ回転体と同じ回転方向に傾けた壁部材を上下複数並列する複数の円盤の間に設け、該複数の円盤の間に液状体を供給可能にする液状体供給管を具備した構成とした。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
比重の異なる物質を含む液状体を遠心力により分離する回転体の内部に、前記液状体を供給し、比重の小さな液状体を連続して回転体の外に流出させる遠心分離装置であって、回転体は遠心力により内面側に滞留した滞留液状体を流出させる流出口を設けた容器であり、前記回転体と同じ回転中心軸で略同回転数で回転して前記回転体の内面側に液状体を供給する液状体供給機構を設け、該液状体供給機構は回転方向側に液状体を案内する案内部を有することを特徴とする遠心分離機。
【請求項2】
前記液状体供給機構は前記回転体の回転中心軸に直交して複数のディスクを間隙を隔てて併設し、当該間隙に液状体を供給する液状体供給管を設け、前記案内部を前記複数のディスクの間隔内に立設した壁部材で構成したことを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機。
【請求項3】
前記液状体供給機構は前記回転体の回転中心軸に直交して複数のパイプを放射状に設け、当該複数のパイプに液状体を供給する液状体供給管を設け、前記案内部を前記複数のパイプの内面で構成したことを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機。
【請求項4】
前記液状体供給機構の複数のパイプは半径方向に外方側に進むに従い断面積が増加するように構成されたことを特徴とする請求項3に記載の遠心分離機。
【請求項5】
前記液状体供給機構の外周部である送出口を遠心分離中において前記遠心力により内面側に滞留した滞留液状体内に位置するように構成したことを特徴とする請求項1~4に記載の遠心分離機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、遠心分離用の回転体に液状体を連続的に送液する際の送液の回転速度を回転体に同期させ、さらに送液流速を減速させて、回転体と同期して回転する滞留液状体との運動差を抑える事で、液状体間の衝突による攪乱を低減して濾過効率を向上させる遠心分離機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に連続的に送液分離する遠心分離機は、高速回転する回転体の端面から処理前の液状体を投入し、投入された液状体が回転体と同期回転となった滞留液状体として遠心力を受けながら比重差濾過を進めながら回転体の投入反対端面から処理後の液状体として流出させている。この時、遠心力による濾過時間が長い方が濾過効率向上する為、投入付近の液状体が攪乱されて混濁した範囲が大きいと、残された遠心力による分離範囲が小さくなり、結果として濾過効率が低下する。
【0003】
これに対する従来技術は、回転体と同期して回転する複数の円盤に間隙を設け、その円盤外周部の前記間隙から送液される液状体を回転体と同期して回転する滞留液状体内部で放出する事で、気泡発生の低減及び攪乱の低減を特徴とした遠心分離機(特許文献1及び2)が提案されている。
【0004】
しかし、回転体と同期する円盤表面の摩擦力で送液に回転力を伝達するので、回転体と完全に同期させる事が出来ず回転方向において運動差があった。さらに、回転体と同期回転するまでには至っていないが、回転による遠心力が作用しており、ポンプ等の送液速度は加速されて高速になった送液と滞留液状体との半径方向(円盤外周から投入される遠心力方向)においても運動差があった。この半径方向の関係でみると、停止している液状体に高速の液状体を送液させて衝突させる状態であり、攪乱を起こす問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6473939号
【特許文献2】特許第6579531号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題を解決する為になされたものであって、事前に滞留液状体と送液を同じ回転にして、回転方向の運動差を最小とする事。さらに、同じ回転にした後においても相対的な作用関係は静止した液状体(滞留液状体)に加速度とポンプ吐出圧力による高速となった送液が衝突して攪乱現象を起こす為、その送液速度を減速させて半径方向(遠心力方向)の運動差を最小とする事。
以上の回転方向と半径方向の2成分における滞留液状体と放出される液状体の運動差を最小にして、運動差による液状体同士の衝突による攪乱領域の拡大を抑えて濾過効率を向上させる事を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は、上記課題を解決する為のものであって、比重の異なる物質を含む液状体を遠心力により分離する回転体の内部に、前記液状体を供給し、比重の小さな液状体を連続して回転体の外に流出させる遠心分離装置であって、回転体は遠心力により内面側に滞留した滞留液状体を流出させる流出口を設けた容器であり、前記回転体と同じ回転中心軸で略同回転数で回転して前記回転体の内面側に液状体を供給する液状体供給機構を設け、該液状体供給機構は回転方向側に液状体を案内する案内部を有することを特徴とする。
【0008】
前記液状体供給機構は前記回転体の回転中心軸に直交して複数のディスクを間隙を隔てて併設し、当該間隙に液状体を供給する液状体供給管を設け、前記案内部を前記複数のディスクの間隔内に立設した壁部材で構成したことを特徴とする。
【0009】
前記液状体供給機構は前記回転体の回転中心軸に直交して複数のパイプを放射状に設け、当該複数のパイプに液状体を供給する液状体供給管を設け、前記案内部を前記複数のパイプの内面で構成したことを特徴とする。
【0010】
前記液状体供給機構の複数のパイプは半径方向に外方側に進むに従い断面積が増加するように構成されたことを特徴とする。
【0011】
前記液状体供給機構の外周部である送出口を遠心分離中において前記遠心力により内面側に滞留した滞留液状体内に位置するように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本願発明の遠心分離機は、比重の異なる物質を含む液状体を遠心力により分離する回転体の内部に、前記液状体を供給し、比重の小さな液状体を連続して回転体の外に流出させる遠心分離装置であって、回転体は遠心力により内面側に滞留した滞留液状体を流出させる流出口を設けた容器であり、前記回転体と同じ回転中心軸で略同回転数で回転して前記回転体の内面側に液状体を供給する液状体供給機構を設け、該液状体供給機構は回転方向側に液状体を案内する案内部を有するので、案内部(8)が液状体を回転体と略同じ回転状態にして回転方向の相対的な運動差も最小とすることができる。即ち、ポンプ吐出力と液状体供給機構により付与される遠心力を前記案内部によって回転方向と半径方向のベクトルに分解されて付与されて液状体供給機構から送液される液状体と滞留液状体との相対的な運動差が起こす攪乱(液体同士の衝突及び送液により遠心分離液層を乱す)範囲を最小限に抑え、遠心分離作用エリアが広くなることで、液状体に掛かる遠心力付加時間が長くなり、結果として濾過効率が大幅に向上する。
【0013】
また、大幅な濾過効率向上は、濾過効率アップの為に大型化された遠心分離機と同等とみなした場合に、大きなコスト低減ともいえる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本願発明を実施した場合の一実施例で、遠心分離機全体の断面図である。
図2】本願発明を実施した場合の一実施例で、2枚の円盤(2)の間にブレード(8)を設けた液状体供給機構を有する遠心分離機の回転体(1)と液状体供給管(4)(回転シャフト兼用)の断面図である。尚、図2には流れ方向を含めた液状体の入りから流出口(6)までの回転方向要素を除いた流れ方向も開矢印で示している。
図3図2の液状体供給機構の2枚の円盤(2)の間にある湾曲したブレード(8)を平面でみた断面で図2のA-A矢視図である。
図4図3に作用方向(逆流方向)を追記した図2のA-A矢視図である。
図5図3の変形例で、真直ぐなブレード(8)を回転体と同じ回転方向に角度を傾けた形状の液状体供給機構の平面からみた断面図で回転により中心に向かって発生する作用方向(逆流方向)も示している。
図6図3の変形例で、屈曲したブレード(8)を平面からみた断面図である。
図7図3の変形例で、湾曲したブレード(8)が円盤中心から円盤(2)の外周部までの長さとなった平面からみた断面図である。
図8図2の液状体供給機構の変形例で、円盤(2)の一方を回転体上蓋部(3)にした場合の断面図で、回転体(1)の回転により中心に向かって発生する作用方向(逆流方向)も図示している。
図9図2の液状体供給機構を簡素化して隠れ線も表示した斜視図である。
図10図9の変形例で、円盤(2)とブレード(8)の間に間隔(9)がある形状を示す図である。尚、2枚の円盤(2)の間を繋ぎ固定する部材の記載は割愛した斜視図である。
図11図2の液状体供給機構の変形例で、図2のブレード(8)と円盤(2)をパイプ(10)に置き替えた断面図である。
図12】真直ぐなパイプ(10)を回転体と同じ回転方向に角度を傾けた液状体供給機構で、図11のD-D矢視図である。
図13図12の変形例で、湾曲したパイプ(10)を示したもので、図11のD-D矢視からみるのと同様の図である。
図14図13の変形例で、湾曲したパイプ(10)が半径方向に進むに従いパイプ(10)の断面積が大きくなるように記した図である。
図15図2の変形例で、液状体供給管(4)と回転シャフトを別設した図で、液状体供給機構である円盤(2)、ブレード(8)及び液状体供給管(4)は回転体(1)の流出口(6)側から設けた断面図である。
図16図2の変形例で、回転シャフトと液状体供給管(4)を別設として、回転シャフト内径部に液状体供給管(4)を設けた断面図である。尚、液状体供給管(4)は無回転に限定せず回転してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願発明を実施するための形態について、図1は一実施例で遠心分離機全体の断面図で詳細は以降の添付図面によって説明する。
【0016】
図2図4に示される実施形態について説明する。図2は本発明に係る遠心分離用の高速で回転する回転体(1)に液状体を連続的に送液する際の送出口である円盤外周部(2a)(ディスク外周部)から送出(回転体への供給)する流速を減速させて、回転体(1)と同期して回転する滞留液状体(5)の攪乱を低減して濾過効率を向上させる遠心分離機の回転部の断面図で、液状体の流れは小さな開矢印で連続的に記載しているが、実際は回転しながら移動しており、その回転要素は割愛している。
液状体供給機構は、回転中心軸(11)に直行して2枚の円盤(ディスク)(2)を間隙を隔てて並列させ、中央に液状体供給管(4)を連結して当該間隙間に液状体を供給するように構成され、壁部材であるブレード(8)を前記2枚の円盤(2)の間隙内に立設して案内部を構成している。
【0017】
尚、前記2枚の円盤(2)の間隙の距離は、遠く離れていてもよく、液状体供給管(4)と連結した円盤(2)が流路(12)として接液しない構造でもよい。前記連結した円盤(2)と液状体供給管(4)は、連通しておればよく、必ずしも接合されている必要はない。
次に、円盤(2)が3枚以上の多重構造としてもよく、回転バランスを考慮した配置であれば、液状体供給管(4)は複数も可能で、その場合は回転中心軸(11)上に位置させる必要もない。
【0018】
又、送出口である円盤外周部(2a)は滞留液状体(5)の内部に位置している事が望ましいが、滞留液状体(5)の外部である滞留液面(5a)より回転中心軸(11)側に位置していてもよい。
【0019】
攪乱の低減について、図2では回転体(1)同期回転する2枚の円盤(ディスク)(2)に挟まれた複数のブレード(8)により回転力を付与された液状体は、送出口である円盤外周部(2a)において、略同じ回転数で送出(回転体への供給)するので、回転に関する運動差は無く撹拌の要素が排除できる。
【0020】
図3図2のA-A矢視図で、ブレード(8)で回転力を付与されて流れる様子を連続した小さな開矢印で示している。
【0021】
次に円盤外周部(2a)から送出する流速は、通常、ポンプ等から送液される流速にプラスして高速回転による遠心力で更に流速は高速化されて滞留液状体(5)と衝突する事になるが、図4に示す通り、半径方向へ回転体と同じ回転方向に湾曲させたブレード(8)を設ける事により、液状体には円盤(2)の中心に向かう逆流方向に作用力が働く。この逆流方向の作用力は、ポンプ等から送液される流速にプラスして遠心力で加速された流速を減速させる。
尚、図3及び図4記載のブレード(8)は、単純な湾曲形状であるが、望ましくは渦巻線形状が最良で、屈曲形状でも回転方向に傾けた直線形状であっても良い。
【0022】
ここで、前記液状体供給管の断面積に対し前記液状体供給機構の外周面の流路断面積をα倍に設計した場合、下記の簡易式のとおり、逆流方向のエネルギー(力)が、遠心力による送液の加速力と液状体供給管の送液速度(ポンプの吐出圧力による)をα分の1に減速させる力を加算したエネルギーより大きくなるようにブレード(8)形状に設計すれば、液状体供給機構内部の空気が押出され、α分の1に減速された液状体が円盤外周部(2a)である送出口の全面から安定的に送液される。
1/αに減速する条件の簡易式 :
逆流方向のエネルギー≧送液の加速力+(1-1/α)×ポンプ送液速度
尚、望ましくは前記条件を満たす場合であるが、満たさない場合であっても減速するので攪乱範囲を小さくすることができる。
【0023】
攪乱範囲について、同重力(遠心力)下においてバケツの水に同じ流量の水を入れるとして、小径のホース口から勢い良く入れた場合と大径のホース口から緩やかに入れた場合と比較して攪乱範囲の大小の差が意外と大きいことは、日常経験的にも想像しやすい。
【0024】
よって、攪乱範囲を最小限にすることで、効力のある遠心分離容積が大きく取れる結果としてろ過時間(遠心力時間)が長くなり、大幅な濾過効率向上を達成させることができる。
【0025】
図5図4の変形例で、半径方向へ回転体(1)と同じ回転方向に角度を傾けたブレード(8)を示しており、円盤(2)の中心から半径方向に距離を取った位置から円盤(2)の外周に向けて伸びている。円盤(2)の中心から半径方向に伸ばすと半径方向線と成す角度が取れない為である。
【0026】
図6図5の変形例で、ブレード(8)を屈曲形状にした場合の実施例である。尚、ブレード(8)が円盤(2)の中心から距離を取った位置から半径方向に伸びた後に角度を取った形状でも良い。
【0027】
図7図4の変形例でブレード(8)が円盤(2)の中心から伸びる形態でも良い。
【0028】
図8は、図2の液状体供給機構の変形例で、円盤(2)の一方を回転体上蓋部(3)にした場合の断面図で、回転体(1)の回転により中心に向かって発生する作用方向(逆流方向)を矢印で示しており、ブレード(8)の形状と回転速度によって、液状体供給管(4)を逆流する力も発生させることが出来る。尚、実際に逆流させるわけではない。
【0029】
図9及び図10図2の液状体供給機構を簡素化して隠れ線も表示した図で図10の様に必ずしもブレード(8)が2枚の円盤(2)に接合されず間隔(9)があっても実施可能で、液状体の性質によって間隔(9)を設ける場合がある。尚、間隔(9)を設けた場合の2枚の円盤(2)の接合部は割愛している。
【0030】
図11図2の液状体供給機構の変形例で、図2のブレード(8)と円盤(2)を案内部としてパイプ(10)に置き替えた実施例である。
【0031】
図12図11のD-D矢視図で半径方向から回転方向に角度を傾けたパイプ(10)を放射状に設けた実施例であり、当該パイプ(10)の内面が案内部として作用する。
【0032】
図13図12の変形例で、回転方向に湾曲したパイプ(10)を設けた実施例であるが、屈曲及び渦巻形状をしていても良い。
【0033】
図14図13の変形例で、湾曲したパイプ(10)が半径方向に行くにしたがって内径断面が多きくなった実施例であるが、真直ぐ、屈曲及び渦巻形状においても、半径方向に行くにしたがって内径断面が大きくなっても良い。
【0034】
図15図2の変形例で、回転シャフトと液状体供給管(4)を別設とし、円盤(2)、ブレード(8)及び液状体供給管(4)を流出口(6)側から回転可能として組入れた実施例である。尚、円盤(2)とブレード(8)で構成された液状体供給機構は回転中心軸(8)上において上下どの位置に設定しても良く、これは図2図11及び図16の場合でも同じである。
又、図11においても、図15と同様に回転シャフトと液状体供給管(4)を別設とし、パイプ(10)及び液状体供給管(4)を流出口(6)側から回転可能として組入れても良い。
【0035】
図16図2の変形例で、回転シャフトと液状体供給管(4)を別設として、回転シャフト内径部に液状体供給管(4)を設けた実施例である。尚、図は無回転としているが、必要に応じて液状体供給管(4)を回転させてもよい。
【0036】
本発明についてある程度詳細にその最も好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の技術思想に反することなしに、より広範に異なる実施形態を構成可能なことは明白なので、この発明は添付請求の範囲において限定した以外は特定の実施形態に制約されるものではない。
【符号の説明】
【0037】
1 回転体
2 円盤(ディスク)
2a 円盤外周部(ディスク外周部)
3 回転体上蓋部
4 液状体供給管
5 滞留液状体
5a 滞留液面
6 流出口
7 ベアリング
8 ブレード(壁部材、案内部)
9 間隔
10 パイプ(案内部)
11 回転中心軸
12 流路
13 ロータリージョイント
14 変速クラッチ
15 ハウジング
16 モーター
17 スクレーパー
18 環状受液先端部
19 気泡発生防止受液ユニット(18と20をセットにした名称)
20 受液円錐筒
21 送液口
22 ろ過液出口
23 スラッジ及び洗浄廃液通り管
24 上下水平動付スライド排水受
25 排水伸縮ホース
26 水平動エアーシリンダー
27 上下動エアーシリンダー
28 Vベルト
29 スラッジ及び洗浄廃液出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2023-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本願発明は、上記課題を解決する為のものであって、比重の異なる物質を含む液状体を遠心力により分離する回転体の内部に、前記液状体を供給し、比重の小さな液状体を連続して回転体の外に流出させる遠心分離装置であって、回転体は遠心力により内面側に滞留した滞留液状体を流出させる流出口を設けた容器であり、前記回転体と同じ回転中心軸で、さらに同回転数で回転して前記回転体の内面側に液状体を供給する液状体供給機構を設け、該液状体供給機構は回転方向側に液状体を案内することで生ずる逆流方向の作用力により、案内される液状体と回転体の内壁に滞留する滞留液状体とが衝突する速度を減速させて滞留液状体の攪乱範囲を抑制する案内部を有することを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本願発明の遠心分離機は、比重の異なる物質を含む液状体を遠心力により分離する回転体の内部に、前記液状体を供給し、比重の小さな液状体を連続して回転体の外に流出させる遠心分離装置であって、回転体は遠心力により内面側に滞留した滞留液状体を流出させる流出口を設けた容器であり、前記回転体と同じ回転中心軸で、さらに同回転数で回転して前記回転体の内面側に液状体を供給する液状体供給機構を設け、該液状体供給機構は回転方向側に液状体を案内することで生ずる逆流方向の作用力により、案内される液状体と回転体の内壁に滞留する滞留液状体とが衝突する速度を減速させて滞留液状体の攪乱範囲を抑制する案内部を有するので、案内部(8)が液状体を回転体と同じ回転状態にして回転方向の相対的な運動差も最小とすることができる。即ち、ポンプ吐出力と液状体供給機構により付与される遠心力を前記案内部によって回転方向と半径方向のベクトルに分解されて付与されると共に逆流方向の作用力による減速により液状体供給機構から送液される液状体と滞留液状体との相対的な運動差が起こす攪乱(液体同士の衝突及び送液により遠心分離液層を乱す)範囲を最小限に抑え、遠心分離作用エリアが広くなることで、液状体に掛かる遠心力付加時間が長くなり、結果として濾過効率が大幅に向上する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
比重の異なる物質を含む液状体を遠心力により分離する回転体の内部に、前記液状体を供給し、比重の小さな液状体を連続して回転体の外に流出させる遠心分離装置であって、回転体は遠心力により内面側に滞留した滞留液状体を流出させる流出口を設けた容器であり、前記回転体と同じ回転中心軸で、さらに同回転数で回転して前記回転体の内面側に液状体を供給する液状体供給機構を設け、該液状体供給機構は回転方向側に液状体を案内することで生ずる逆流方向の作用力により、案内される液状体と回転体の内壁に滞留する滞留液状体とが衝突する速度を減速させて滞留液状体の攪乱範囲を抑制する案内部を有することを特徴とする遠心分離機。
【請求項2】
前記液状体供給機構は前記回転体の回転中心軸に直交して複数のディスクを間隙を隔てて併設し、当該間隙に液状体を供給する液状体供給管を設け、前記案内部を前記複数のディスクの間隔内に立設した壁部材で構成したことを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機。
【請求項3】
前記液状体供給機構は前記回転体の回転中心軸に直交して複数のパイプを放射状に設け、当該複数のパイプに液状体を供給する液状体供給管を設け、前記案内部を前記複数のパイプの内面で構成したことを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機。
【請求項4】
前記液状体供給機構の複数のパイプは半径方向に外方側に進むに従い断面積が増加するように構成されたことを特徴とする請求項3に記載の遠心分離機。
【請求項5】
前記液状体供給機構の外周部である送出口を遠心分離中において前記遠心力により内面側に滞留した滞留液状体内に位置するように構成したことを特徴とする請求項1~4に記載の遠心分離機。