(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178527
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】画像生成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20231211BHJP
G06F 3/04812 20220101ALI20231211BHJP
G06F 3/04847 20220101ALI20231211BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20231211BHJP
【FI】
H04N1/00 Z
G06F3/04812
G06F3/04847
G06F3/0488
H04N1/00 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091251
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】山口 剛
【テーマコード(参考)】
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
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5C062AC04
5C062AC05
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5C062AF11
5E555AA13
5E555BA27
5E555BB27
5E555BC19
5E555CA12
5E555CB14
5E555CB45
5E555CC05
5E555DB06
5E555DC64
5E555DC74
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】より高い精度で変倍の倍率を設定可能な、画像生成装置を提供する。
【解決手段】画像生成装置は、入力画像を表示する、表示部と、前記入力画像における1以上の特徴点を抽出する、特徴点抽出部と、前記表示部に表示された前記入力画像に対し、2つの参照点の位置を選択する入力を受け付ける、入力受付部と、前記入力された位置に基づいて、前記1以上の特徴点のうちいずれかの特徴点の位置を、前記2つの参照点の位置のうち少なくとも1つの参照点として決定する、位置決定部と、前記2つの参照点間の指定された出力サイズに基づいて、前記入力画像に対して適用する倍率を算出する、倍率算出部と、前記算出された倍率で、前記入力画像を変倍した出力画像を生成する、出力画像生成部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像を表示する、表示部と、
前記入力画像における1以上の特徴点を抽出する、特徴点抽出部と、
前記表示部に表示された前記入力画像に対し、2つの参照点の位置を選択する入力を受け付ける、入力受付部と、
前記入力受付部において入力された位置に基づいて、前記1以上の特徴点のうちいずれかの特徴点の位置を、前記2つの参照点のうち少なくとも1つの参照点の位置として決定する、位置決定部と、
前記2つの参照点間の距離と、前記2つの参照点間について指定された出力サイズとに基づいて、前記入力画像に対して適用する倍率を算出する、倍率算出部と、
算出された前記倍率で、前記入力画像を変倍した出力画像を生成する、出力画像生成部と、
を備える、画像生成装置。
【請求項2】
前記特徴点抽出部は、前記入力画像における、複数の線の交点、線の屈折点、線分の端点、及び、円又は楕円の中心、の少なくともいずれかを、前記特徴点として抽出する、請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項3】
前記特徴点抽出部は、前記特徴点の位置を、前記入力画像の座標に基づいて定める、請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項4】
前記位置決定部は、前記入力された位置の近傍に存在する特徴点の位置を、前記参照点の位置として決定する、請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項5】
特徴点抽出部は、前記入力受付部に入力された位置の近傍に線が存在する場合、前記線上において前記入力された位置から最も近い位置を、前記特徴点として抽出する、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項6】
前記位置決定部は、前記入力された位置の近傍に複数の特徴点が存在する場合、前記複数の特徴点から1つの特徴点を選択するための選択表示欄を前記表示部に表示させ、前記選択表示欄において選択された特徴点の位置を、前記参照点の位置として決定する、
請求項4に記載の画像生成装置。
【請求項7】
前記特徴点抽出部は、前記2つの参照点のうち第1参照点の位置が前記位置決定部により決定された場合、前記第1参照点を通る補助線上の点を、追加の特徴点として抽出する、請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項8】
前記特徴点抽出部は、前記入力画像に含まれる線と、前記補助線との交点を、前記追加の特徴点として抽出する、請求項7に記載の画像生成装置。
【請求項9】
前記補助線は、前記入力画像に含まれる線に直交する直線である、請求項7に記載の画像生成装置。
【請求項10】
前記位置決定部は、前記入力受付部に対して入力された位置が、前記追加の特徴点の近傍である場合、前記追加の特徴点の位置を、前記第1参照点とは異なる第2参照点の位置として決定する、
請求項7から9のいずれか一項に記載の画像生成装置。
【請求項11】
前記位置決定部が、前記入力画像に含まれる円の円周上の1点を前記第1参照点の位置として決定した場合、前記特徴点抽出部は、前記第1参照点と前記円の中心とを通る補助線と、前記円との交点を、前記追加の特徴点として抽出する、請求項7に記載の画像生成装置。
【請求項12】
前記位置決定部は、前記入力画像に含まれる円の円周上の1点の位置を前記第1参照点の位置として決定し、前記入力受付部に対して入力された位置が前記第1参照点の位置と同一又は極近傍である場合、前記第1参照点と同一の点の位置を、前記第1参照点とは異なる第2参照点の位置として決定するとともに、前記円の円周の長さを、前記第1参照点と前記第2参照点との間の長さとして決定する、請求項7に記載の画像生成装置。
【請求項13】
前記位置決定部は、前記入力受付部に対して参照点の位置を選択する操作入力が継続している間、前記表示部において、前記操作入力が行われている位置の近傍を拡大表示させる、請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項14】
前記特徴点抽出部は、抽出した前記1以上の特徴点を、前記表示部において、前記入力画像とともに表示させる、請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項15】
前記出力画像生成部は、前記倍率算出部が算出した前記倍率を、前記表示部に表示された前記入力画像以外の他のページに適用する、請求項1に記載の画像生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示画面において2点を指定し、当該2点間の長さに基づいて出力を行う装置が知られている。例えば、表示画像中の2点をタッチにより指定し、2点間の出力時の距離を表示部に表示する装置が知られている。また、例えば、表示画面に表示された回路図の2点を指定すると、この2点を対角とする矩形領域が決定され、矩形領域の縦横又は対角線の実寸を入力すると、実寸に合致するように印刷倍率が変更される装置が知られている。さらに、例えば、原稿画像に対して、輪郭の直線部分に沿って表示される複数の線分から基準となる線分を指定し、基準となる線分に対して出力画像のサイズを指定することで、希望サイズの画像出力を行う装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5373836号公報
【特許文献2】特開平05-197514号公報
【特許文献3】特許第6521614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の装置では、表示部の表示に基づいて、ユーザが倍率を判断し、手動で倍率を調整する必要があった。そのため、倍率の指定が難しく、煩雑であった。また、ユーザは、指によるタッチ操作で2点を指定する必要があるため、本来意図した位置を表示画面上で正確に指定することが難しい。そのため、ユーザが意図した出力結果と、完全に一致するデータを作成することは困難であった。
【0005】
また、従来の装置でも、ユーザは指によるタッチ操作で表示画面上の2点を指定する必要があった。そのため、意図した位置を表示画面上で正確に指定することが難しく、これによってユーザが意図したサイズと一致するデータを作成することは困難であった。
【0006】
また、従来の装置を用いた手法は、原稿画像に直線部分が存在する場合にのみ用いることができ、原稿画像に直線部分がない場合には適用できない。そのため、多様な画像でこの手法を用いることができず、利便性が低かった。
【0007】
本開示は、上述の問題に鑑みてなされたものである。本開示の目的は、より高い精度で変倍の倍率を設定可能な、画像生成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一形態の画像生成装置は、入力画像を表示する、表示部と、前記入力画像における1以上の特徴点を抽出する、特徴点抽出部と、前記表示部に表示された前記入力画像に対し、2つの参照点の位置を選択する入力を受け付ける、入力受付部と、前記入力された位置に基づいて、前記1以上の特徴点のうちいずれかの特徴点の位置を、前記2つの参照点のうち少なくとも1つの参照点の位置として決定する、位置決定部と、前記2つの参照点間の指定された出力サイズに基づいて、前記入力画像に対して適用する倍率を算出する、倍率算出部と、前記算出された倍率で、前記入力画像を変倍した出力画像を生成する、出力画像生成部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る画像生成装置の概略構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図2】
図1の制御部が実行する変倍処理全体の一例を示すフローチャートである。
【
図5】第1参照点の位置決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】第1参照点の位置の選択方法の一例を説明する図である。
【
図7】決定された第1参照点の位置の表示例を示す図である。
【
図8】追加の特徴点の抽出方法について説明する図である。
【
図9】第2参照点の位置決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】タッチ位置の近傍に特徴点が存在するか否かについての判定方法を説明する図である。
【
図11】第2参照点の位置をユーザが意図した位置に決定させるために行う操作の例を説明する図である。
【
図12】決定された第2参照点の位置の表示例を示す図である。
【
図13】倍率算出処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】出力サイズの入力について説明する図である。
【
図15】倍率確定後の表示画面の一例を示す図である。
【
図16】
図1の制御部が実行する変倍処理の一部を示すフローチャートである。
【
図17】
図1の制御部が実行する変倍処理の一部を示すフローチャートである。
【
図18】倍率確定後の表示画面の他の一例を示す図である。
【
図19】第1参照点の位置の選択方法の他の一例を説明する図である。
【
図20】倍率確定後の表示画面のさらに他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面において、同一又は同等の構成要素には同一の符号を付し、同一又は同等の構成要素に関する説明が重複する場合は適宜省略する。
【0011】
図1は、一実施形態に係る画像生成装置1の概略構成の一例を示す機能ブロック図である。画像生成装置1は、入力された画像のデータ(入力画像)に基づいて、出力する画像のデータ(出力画像)を生成する。入力画像は、例えば、画像生成装置1の内部の記憶領域から読み出したり、外部の装置から受信したりすることによって、取得できる。画像生成装置1は、生成した出力画像を、例えば紙などに印刷して出力することができる。本明細書では、一例として、画像生成装置1は、コピー、ファクシミリ(FAX)送受信、スキャン、プリントなどの複数のジョブを実行可能なデジタル複合機(MFP:Multifunction Printer)であるとする。
【0012】
図1に示すように、画像生成装置1は、機能部として、制御部10と、記憶部20と、表示部30と、入力受付部40と、出力部70と、を備える。
【0013】
制御部10は、画像生成装置1の各機能部をはじめとして、画像生成装置1の全体を制御及び管理する。制御部10は、例えば記憶部20に格納された制御プログラムを動作させるなどして、各種制御を行う。例えば、制御部10は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)などの制御デバイスにより構成することができる。
【0014】
本実施形態において、制御部10は、変倍処理を実行する。変倍処理は、入力画像に基づいて、入力画像を変倍した出力画像を生成する処理である。例えば、制御部10は、入力画像を表示部30に表示し、入力受付部40が受け付けたユーザの操作入力に基づいて、入力画像に対して適用する倍率を決定する。そして、制御部10は、決定した倍率で入力画像を変倍することにより、出力画像を生成する。
【0015】
具体的には、本実施形態に係る制御部10は、変倍処理において、入力画像を、例えばプレビュー画像として表示部30に表示させる。制御部10は、表示部30に入力画像を表示させた状態で、2つの参照点(第1参照点及び第2参照点)の位置を選択する操作入力を、入力受付部40で受け付ける。参照点は、出力画像の出力サイズを定めるための基準となる点である。制御部10は、参照点の位置を選択する操作入力に基づき、入力画像における参照点の位置を決定する。
【0016】
制御部10は、2つの参照点間の出力サイズの入力を入力受付部40で受け付ける。出力サイズは、例えば印刷などにより紙などの媒体に出力したときの実際の寸法である。つまり、紙などの媒体に出力されたときに、参照点間の長さは、出力サイズとして入力された長さとなる。
【0017】
制御部10は、入力画像中の参照点間の長さを出力サイズとするための倍率を算出する。この倍率が、入力画像に対して適用される倍率である。そして、制御部10は、算出した倍率で入力画像を変倍することにより、出力画像を生成する。制御部10は、生成した出力画像を、出力部70から例えば紙などの媒体に印刷することにより出力する。
【0018】
図1に示すように、制御部10は、変倍処理を実行する機能部として、特徴点抽出部11と、位置決定部12と、倍率算出部13と、出力画像生成部14と、を備える。特徴点抽出部11、位置決定部12、倍率算出部13及び出力画像生成部14は、それぞれが独立した1つの制御デバイス(例えばCPU又はMPU等)により構成されていてもよい。あるいは、1つの制御デバイスに、特徴点抽出部11、位置決定部12、倍率算出部13及び出力画像生成部14が実行する機能が集約されていてもよい。
【0019】
特徴点抽出部11は、入力画像における1以上の特徴点を抽出する。特徴点は、入力画像に描画された図形における、特徴的な点である。特徴点抽出部11は、公知の手法を用いて特徴点を抽出することができる。例えば、特徴点抽出部11は、入力画像における輝度又は濃度の勾配に基づいて、入力画像の特徴的な点を、特徴点として抽出することができる。例えば、特徴点抽出部11は、Harrisのコーナー検出法を用いて特徴点を抽出することができる。あるいは、例えば、特徴点抽出部11は、SIFT(Scale-Invariant Feature Transform)によって特徴点を抽出することができる。
【0020】
例えば、特徴点抽出部11は、入力画像における、複数の線の交点、線の屈折点、線分の端点、及び、円又は楕円の中心、の少なくともいずれかを、特徴点として抽出する。特徴点抽出部11は、入力画像が表示されている表示部30上の座標ではなく、元の入力画像の座標で特徴点の位置を定めてよい。表示部30上の座標よりも、元の入力画像の座標の方が解像度が高い場合、特徴点抽出部11は、元の入力画像の座標で特徴点の位置を定めることによって、より正確な位置を、特徴点として定めることができる。
【0021】
また、特徴点抽出部11は、入力画像に描画された線上において特徴点を抽出する場合、入力画像に描画された当該線の中央の座標で、特徴点の位置を定めてよい。例えば、入力画像に描画された線は、一定の幅(太さ)を有している。特徴点抽出部11は、このように幅を有する線上において特徴点の位置を定める場合、線の幅方向の中央の座標が特徴点の座標であると決定してよい。これにより、幅を有する線において、より中央部分に近い位置を、特徴点として定めることができる。
【0022】
特徴点抽出部11は、入力画像における第1参照点の位置が決定された後、第1参照点の位置に基づいて、追加の特徴点を抽出してよい。特徴点抽出部11が実行する、追加の特徴点の抽出方法の詳細については、後述する。
【0023】
位置決定部12は、参照点の位置を選択する操作入力によって入力された位置に基づいて、参照点の位置を決定する。本実施形態では、位置決定部12は、特徴点抽出部11が抽出した1以上の特徴点のうちいずれかの特徴点の位置を、参照点の位置として決定する。画像生成装置1では、2つの参照点の位置が選択され、位置決定部12は、特徴点抽出部11が抽出した1以上の特徴点のうちいずれかの特徴点の位置を、2つの参照点のうち少なくとも1つの参照点の位置として決定する。本実施形態では、特徴点抽出部11により複数の特徴点が抽出され、位置決定部12は、複数の特徴点のうちいずれかの特徴点の位置を、選択された2つの参照点の位置として、それぞれ決定する。つまり、本実施形態では、ユーザが参照点の位置を選択する操作入力で入力した位置そのものが参照点の座標となるのではなく、入力した位置に基づいて決定された特徴点の位置(座標)が、参照点の座標となる。言い換えると、位置決定部12は、選択された参照点の位置を、特徴点の位置に補正することができる。
【0024】
位置決定部12は、例えば、参照点に最も近い特徴点の位置を、参照点の位置として決定することができる。あるいは、位置決定部12は、例えば、参照点の位置を選択する操作入力で入力された位置の近傍に存在する特徴点の位置を、参照点の位置として決定してもよい。ここで、参照点の位置を選択する操作入力で入力された位置の近傍は、参照点の位置を選択する操作入力で入力された位置から、所与の長さの範囲内をいう。従って、参照点の位置を選択する操作入力で入力された位置の近傍は、例えば、参照点の位置を選択する操作入力で入力された位置を中心とする、所与の長さを半径とした円内の範囲をいう。
【0025】
位置決定部12は、参照点の位置を選択する操作入力で入力された位置の近傍に複数の特徴点が存在する場合、当該複数の特徴点のうち、いずれかの特徴点の位置を、参照点の位置として決定してよい。この場合、例えば、位置決定部12は、入力された位置と複数の特徴点のそれぞれとの距離に基づいて、参照点の位置を決定することができる。あるいは、例えば、位置決定部12は、当該複数の特徴点のうち、ユーザが選択した特徴点の位置を、参照点の位置として決定することができる。この場合、ユーザは、入力受付部40に対して、1つの特徴点を選択する操作入力を行う。
【0026】
本実施形態では、位置決定部12は、参照点の位置を選択する操作入力で入力された位置の近傍に存在する特徴点の位置を、参照点の位置として決定するとして、以下説明する。ただし、参照点の位置を選択する操作入力で入力された位置の近傍に特徴点が存在しない場合、参照点の位置を選択する操作入力によって入力された位置そのものを、参照点の位置として決定する。つまり、本実施形態では、位置決定部12は、参照点の位置を選択する操作入力で入力された位置の近傍に特徴点が存在する場合は、当該特徴点の位置を、参照点の位置として決定し、存在しない場合は、参照点の位置を選択する操作入力によって入力された位置そのものを、参照点の位置として決定する。
【0027】
倍率算出部13は、前記2つの参照点間の距離と、前記2つの参照点間について指定された出力サイズとに基づいて、入力画像に対して適用する倍率を算出する。倍率を算出する場合、倍率算出部13は、位置決定部12により決定された参照点間の距離を算出する。具体的には、倍率算出部13は、第1参照点と第2参照点との座標から、参照点間の距離を算出することができる。そして、倍率算出部13は、算出した参照点間の距離に対する、ユーザにより入力された出力サイズの比を算出する。出力サイズは、入力受付部40において入力を受け付けた出力サイズであり、すなわち、ユーザにより指定された出力サイズである。倍率算出部13は、このようにして算出した比を、入力画像に対して適用する倍率として決定する。
【0028】
出力画像生成部14は、倍率算出部13により算出された倍率で、入力画像を変倍した出力画像を生成する。つまり、出力画像生成部14は、入力画像を、上記倍率で拡大または縮小することにより、出力画像を生成する。出力画像のデータは、例えば出力部70に提供される。
【0029】
記憶部20は、プログラム及びデータを記憶可能な記憶媒体である。記憶部20は、例えば半導体メモリ又は磁気メモリなどで構成することができる。具体的には、記憶部20は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)により構成することができる。記憶部20は、例えば制御部10を動作させるためのプログラムなどを記憶してよい。記憶部20には、複数の入力画像が記憶されていてもよい。
【0030】
表示部30は、画像を表示するデバイスである。表示部30は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro-Luminescence Display)等の周知のディスプレイにより構成されてよい。表示部30は、制御部10の制御に基づいて、各種情報を表示する。例えば、表示部30は、入力画像を、プレビュー画像として表示する。表示部30は、ユーザから受付可能な操作入力に関するメニューや、例えば出力サイズなどの入力を受け付ける欄を表示してもよい。
【0031】
入力受付部40は、ユーザからの操作入力を受け付ける。本実施形態では、入力受付部40は、ユーザが画像生成装置1に実行させる機能の入力を受け付ける。例えば、入力受付部40は、コピー、FAX、スキャン又はプリントなどの機能を実行させるための操作入力を受けつける。
【0032】
本実施形態では、入力受付部40は、出力画像を生成させるための操作入力を受け付ける。例えば、入力受付部40は、表示部30に表示された入力画像に対し、2つの参照点の位置を選択する入力を受け付ける。また、入力受付部40は、出力サイズの入力を受け付ける。さらに、入力受付部40は、出力画像を紙などの媒体に出力させるための操作入力を受け付ける。
【0033】
入力受付部40は、例えばタッチパネルにより構成することができる。タッチパネルは、静電容量方式、抵抗膜方式、赤外線遮断方式又は超音波表面弾性波方式など、公知の方式により構成することができる。入力受付部40は、タッチパネルにより構成される場合、表示部30上に配置されてよい。入力受付部40であるタッチパネルは、例えば透明なアクリル樹脂などで形成され、表示部30に表示された画像が、タッチパネルを通して視認可能に構成されていてよい。入力受付部40がタッチパネルにより構成されている場合、ユーザがタッチパネルに対して、例えば指などで操作入力のためのタッチを行うと、タッチ位置が検出され、検出されたタッチ位置に応じた処理が実行される。
【0034】
ただし、入力受付部40は、必ずしもタッチパネルにより構成されていなくてもよい。入力受付部40は、例えばマウスなどの入力インタフェースを含んで構成されていてもよい。本実施形態では、入力受付部40がタッチパネルにより構成されているとして、以下説明する。すなわち、本実施形態では、入力受付部40への操作入力が、タッチ操作により行われる。
【0035】
出力部70は、出力画像生成部14にて生成された出力画像を、ユーザの入力に基づいて紙などの媒体に出力する。例えば出力部70は、電子写真方式の画像形成部やインクジェット方式の印刷部、プロッタの描画部など、画像データを紙などの媒体に具現化するものである。このようにして出力された媒体では、参照点間の長さがユーザにより指定された出力サイズになっている。
【0036】
画像生成装置1は、ここで説明した機能部の他、画像生成装置1が実行可能な機能に応じた適宜の機能部を有している。例えば、画像生成装置1は、コピー、FAX、及びスキャンを実行するための機能部を有している。これらの機能部は、公知の構成を有していてよい。
【0037】
次に、画像生成装置1の制御部10が実行する変倍処理の具体的な例について、フローチャート及び表示部30に表示される表示画面例を参照しながら説明する。ここでは、Tシャツの型紙が描画された入力画像を用いて、型紙を所定の出力サイズで出力する場合の例について説明する。Tシャツを製作する際に、Tシャツを着用する人の体の大きさに合わせて作る場合がある。この場合、Tシャツの型紙を、当該着用する人の体の大きさに合わせて出力する必要がある。このような場合に、ここで説明する例により、型紙を所望のサイズで出力することができる。
【0038】
図2は、制御部10が実行する変倍処理全体の一例を示すフローチャートである。
図2に示すフローは、例えば、ユーザが画像生成装置1に対して入力画像を表示させるための操作入力を行った場合に開始される。ここでは、ユーザが、画像生成装置1に対して、Tシャツの型紙が描かれた入力画像を表示させるための操作入力を行った場合を例に、説明する。
【0039】
制御部10の特徴点抽出部11は、例えば特定の入力画像(ここではTシャツの型紙が描かれた入力画像)を表示させる操作入力が行われると、入力画像における1以上の特徴点を抽出する(ステップS11)。
【0040】
図3は、特徴点の抽出例を示す図である。具体的には、
図3は、ユーザの操作入力に基づいて表示部30に表示される入力画像において、抽出された特徴点を示す図である。
図3では、理解しやすいように、抽出された特徴点がドットにより表示されている。
図3に示すように、複数の線の交点、線の屈折点及び線分の端点などが、特徴点として抽出される。
【0041】
特徴点が抽出されると、制御部10は、入力画像を表示部30に表示させる(ステップS12)。
図4は、表示部30に表示される表示画面の一例を示す図である。
図4に示す例では、表示画面50は、入力画像表示領域51と、設定表示入力領域52と、を含む。入力画像表示領域51は、表示画面50において入力画像が表示される領域である。
図4に示す例では、入力画像表示領域51には、入力画像としてのTシャツの型紙の画像が表示されている。設定表示入力領域52は、入力画像表示領域51に表示された入力画像に対して適用される設定を表示し、又は、設定の入力欄を表示する。
【0042】
図4に示す例では、ステップS11で抽出された特徴点が表示画面50に表示されていない。このように、特徴点は、表示部30の表示画面50に表示されなくてよい。一方、抽出された特徴点は、表示部30の表示画面50において、入力画像とともに表示されてもよい。表示される場合は、ユーザが特徴点の位置を認識することができる。
【0043】
次に、制御部10は、入力画像への操作入力を検出したか否かを判定する(ステップS13)。つまり、ここでの例では、制御部10は、入力画像表示領域51への操作入力を検出したか否かを判定する。例えば、ユーザが、タッチパネルにより構成された入力受付部40において入力画像表示領域51へのタッチ操作を行った場合、制御部10は、入力画像への操作入力を検出したと判定する。
【0044】
制御部10は、入力画像への操作入力を検出したと判定した場合(ステップS13のYes)、操作入力に基づいて、第1参照点の位置を決定する(ステップS14)。
【0045】
ここで、第1参照点の位置を決定する位置決定処理の詳細について、
図5に示すフローチャートを参照して説明する。
図5に示すフローチャートは、ステップS14の詳細を示す。
【0046】
まず、位置決定部12は、ユーザによりタッチ操作が行われたタッチ位置を検出する(ステップS31)。位置決定部12は、例えば、ユーザのタッチを検出しているタッチパネル上の座標に基づいて、タッチ位置を検出することができる。
【0047】
位置決定部12は、タッチ位置の近傍に、ステップS11で抽出された特徴点が存在するか否かを判定する(ステップS32)。例えば、位置決定部12は、タッチ位置を中心とする、所与の長さを半径とした円内の範囲に、特徴点が存在するか否かを判定する。
【0048】
図6は、第1参照点の位置の選択方法の一例を説明する図である。
図6に示すように、ユーザは、入力画像表示領域51上で、第1参照点として指定したい位置をタッチする。このとき、ユーザは、指定することを意図している位置を正確にタッチすることは難しく、指定することを意図している位置からずれた位置がタッチされる場合がある。
【0049】
ユーザが、入力画像表示領域51にタッチすると、位置決定部12は、
図6の近傍領域53に示すように、タッチ位置61を中心とする、所与の長さを半径とした円内の範囲に、特徴点が存在するか否かを判定する。つまり、ここでの例では、近傍領域53が、タッチ位置61を中心とする、所与の長さを半径とした円内の範囲を示している。
【0050】
位置決定部12は、例えば、入力受付部40に対して参照点の位置を選択する操作入力が継続している間、つまり、ここでの例では、タッチ操作が継続している間、表示部30において、操作入力が行われている位置の近傍を拡大表示させる。具体的には、例えば
図6に示すように、位置決定部12は、近傍領域53を、入力画像表示領域51に重畳して表示してよい。拡大表示により、ユーザは、タッチ操作を行っている位置の近傍の状態を、より視認しやすくなる。なお、近傍領域53は、ユーザがタッチパネルにタッチしている間も表示されなくてもよい。また、拡大表示される範囲は、必ずしも近傍領域53と一致していなくてもよい。例えば、近傍領域53より広い領域が、拡大表示されてもよい。本実施形態では、位置決定部12が、ユーザがタッチパネルにタッチしている間にのみ、近傍領域53が拡大表示されるとして、以下説明する。
【0051】
特徴点抽出部11は、抽出した特徴点の内、拡大表示された範囲内に存在する特徴点のみを、表示部30において入力画像とともに表示させてもよい。例えば、本実施形態のように、
図4に示す表示画面50に特徴点が表示されず、且つ、近傍領域53が、
図6に示すように入力画像表示領域51に重畳して表示される場合、位置決定部12は、表示される近傍領域53内においてのみ、特徴点を表示してもよい。これにより、ユーザは、タッチ位置の近傍に特徴点が存在するか否かを、表示を確認することによって認識することができる。
【0052】
図6に示す例では、近傍領域53に1つの特徴点62が存在する。この場合、位置決定部12は、近傍領域53に特徴点62が存在すると判定する。
【0053】
位置決定部12は、タッチ位置の近傍に特徴点が存在すると判定した場合(ステップS32のYes)、当該特徴点の位置に第1参照点を示すマークを表示する(ステップS33)。例えば、位置決定部12は、
図6に示すように、第1参照点を示すマークを、ドットにより表示する。ただし、第1参照点を示すマークの表示方法は、これに限られず、ユーザが認識可能な任意の方法で表示することができる。
【0054】
なお、タッチ位置の近傍に特徴点が複数存在する場合、位置決定部12は、複数の特徴点のうち、いずれか1つの特徴点の位置に、第1参照点を示すマークを表示してよい。
【0055】
次に、位置決定部12は、タッチ終了を検出したか否かを判定する(ステップS35)。タッチ終了は、ここでは、入力画像表示領域51へのタッチ操作を終了することを意味する。具体的には、位置決定部12は、入力画像表示領域51へのタッチが検出されなくなったか否かを判定する。位置決定部12は、入力画像表示領域51へのタッチが検出されなくなった場合、タッチ終了を検出したと判定する。
【0056】
位置決定部12は、タッチ終了を検出していないと判定した場合、つまり入力画像表示領域51へのタッチが継続している場合(ステップS35のNo)、ステップS31に移行する。この場合、位置決定部12は、ステップS31におけるタッチ位置の検出を継続して行い、タッチ位置に応じて、ステップS32からステップS34を繰り返す。例えばユーザが指を入力画像表示領域51にタッチさせた状態で、タッチ位置を移動させた場合、位置決定部12は、タッチ位置の移動に応じて、ステップS32において、現在のタッチ位置の近傍に特徴点が存在するか否かを判定する。つまり、タッチ位置の移動に応じて、タッチ位置の近傍の範囲も追従して変化する。
【0057】
位置決定部12は、ステップS32において、タッチ位置の近傍に特徴点が存在しないと判定した場合(ステップS32のNo)、タッチ位置に第1参照点を示すマークを表示する(ステップS34)。例えば、位置決定部12は、第1参照点を示すマークを、ドットにより表示する。この場合、タッチ位置にドットが表示される。
【0058】
ユーザが入力画像表示領域51に指をタッチした状態で指を移動させると、タッチ位置の移動に伴って、第1参照点を示すマーク(ドット)が表示される位置が変化する。ユーザは、自分が意図する位置に第1参照点を示すマークが表示された場合に、入力画像表示領域51から指を離すことによって、タッチを終了することができる。
【0059】
位置決定部12は、ステップS35において、タッチ終了を検出したと判定した場合、つまり入力画像表示領域51へのタッチが検出されなくなった場合(ステップS35のYes)、第1参照点の位置を決定する(ステップS36)。例えば、位置決定部12は、タッチ終了を検出したと判定したときに、第1参照点を示すマークが表示されていた位置を、第1参照点の位置として決定する。
【0060】
具体的には、
図6に示すように、タッチ位置61がタッチされ、特徴点62の位置に第1参照点を示すマークが表示されている状態で、位置決定部12がタッチ終了を検出したとする。この場合、特徴点62の位置を、第1参照点の位置として決定する。位置決定部12は、ステップS36で第1参照点の位置を決定した場合、入力画像表示領域51において、決定した第1参照点の位置に、決定された第1参照点の位置を示すマークを表示してよい。位置決定部12は、例えば
図7に示すように、決定された第1参照点の位置を示すマーク63を、ドットにより表示する。決定された第1参照点の位置を示すマーク63の表示態様は、ステップS33及びステップS34で表示される第1参照点を示すマークの表示態様と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0061】
このようにして、位置決定部12は、第1参照点の位置を決定する位置決定処理を終了する。
【0062】
再び
図2を参照すると、ステップS14において、位置決定部12が第1参照点の位置を決定すると、特徴点抽出部11は、追加の特徴点を抽出する(ステップS15)。追加の特徴点は、ステップS11で抽出された特徴点とは異なる、更なる特徴点である。追加の特徴点は、決定された第1参照点の位置に基づいて抽出される。
【0063】
ここで、特徴点抽出部11による、追加の特徴点の抽出方法の例について、詳細に説明する。特徴点抽出部11は、第1参照点の位置が位置決定部12により決定された場合、決定された第1参照点を通る補助線上の点を、追加の特徴点として抽出する。つまり、特徴点抽出部11は、第1参照点を通る補助線を生成する。補助線は、決定された第1参照点の位置に基づいて生成されてよい。例えば、補助線は、第1参照点を通る、縦方向及び/又は横方向の線として生成されてよい。具体的には、
図8に一例として示すように、第1参照点(マーク63)を通る縦方向の線として、補助線64が生成されてよい。補助線64は、
図8に示すように表示画面50(入力画像表示領域51)に表示されてよい。ただし、補助線64は、表示画面50に表示されなくてもよい。
【0064】
特徴点抽出部11は、補助線を生成した後、入力画像に含まれる線と、生成した補助線との交点を、追加の特徴点として抽出する。例えば、
図8に示す例では、補助線64は、入力画像に描画されているTシャツの型紙の線と、第1参照点以外では6箇所で交差する。この場合、特徴点抽出部11は、入力画像に描画されているTシャツの型紙の線と、補助線64との、6箇所の交点を、追加の特徴点65a~65fとして抽出する。追加の特徴点65a~65fは、表示画面50に表示されなくてよい。一方、追加の特徴点65a~65fは、表示画面50に表示されてもよい。表示される場合は、追加の特徴点65a~65fは、ステップS11で抽出された特徴点とは異なる態様で表示されてもよい。
【0065】
なお、上述の例では、補助線は、第1参照点を通る、縦方向及び/又は横方向の線として生成されると説明した。しかしながら、補助線は、必ずしも縦方向及び/又は横方向の線として生成されなくてもよい。例えば、特徴点抽出部11は、第1参照点が線上に存在する場合、当該第1参照点が存在する線に直交する線を、補助線として生成してもよい。特徴点抽出部11は、例えば入力画像に描画された図形などに合わせて、その他適宜の補助線を生成することができる。
【0066】
補助線は、第1参照点を通り、入力画像に含まれる線に直交する線(垂線)として生成されてもよい。この場合、特徴点抽出部11は、入力画像に含まれる線と、入力画像に含まれる線に直交する補助線(垂線)との交点を、追加の特徴点として抽出することができる。
【0067】
また、例えば位置決定部12が、入力画像に含まれる円の円周上の1点を第1参照点の位置として決定したとする。この場合、特徴点抽出部11は、第1参照点と、第1参照点を含む円の中心とを通る直線を、補助線として生成してもよい。つまり、特徴点抽出部11は、第1参照点を通る円の半径又は直径を含む線を、補助線として生成してもよい。この場合、特徴点抽出部11は、補助線と、当該円との交点を、追加の特徴点として抽出することができる。
【0068】
再び
図2を参照すると、特徴点抽出部11が追加の特徴点を抽出した後、制御部10は、入力画像への操作入力を検出したか否かを判定する(ステップS16)。つまり、ここでの例では、制御部10は、入力画像表示領域51への操作入力を検出したか否かを判定する。ステップS16における判定内容は、ステップS13における判定内容と同一であってよい。
【0069】
制御部10は、入力画像への操作入力を検出したと判定した場合(ステップS16のYes)、操作入力に基づいて、第2参照点の位置を決定する(ステップS17)。
【0070】
ここで、第2参照点の位置を決定する位置決定処理の詳細について、
図9に示すフローチャートを参照して説明する。
図9に示すフローチャートは、ステップS17の詳細を示す。
【0071】
まず、位置決定部12は、ユーザによりタッチ操作が行われたタッチ位置を検出する(ステップS31)。
図9におけるステップS31の処理については、
図5と同様である。
【0072】
位置決定部12は、タッチ位置の近傍に、特徴点が存在するか否かを判定する(ステップS32)。例えば、位置決定部12は、タッチ位置を中心とする、所与の長さを半径とした円内の範囲に、特徴点が存在するか否かを判定する。
【0073】
図9におけるステップS32の処理については、
図5と同様であってよい。ただし、
図9に示すフローにおけるステップS32の処理では、特徴点には、ステップS11で抽出された元の特徴点に加え、ステップS15で抽出された追加の特徴点も含まれる。特徴点に追加の特徴点が含まれる点については、
図9における第2参照点の位置を決定する位置決定処理の説明において、以下同様である。
【0074】
図10は、タッチ位置の近傍に特徴点が存在するか否かについての判定方法を説明する図である。
図10に示すように、ユーザは、入力画像表示領域51上で、第2参照点として指定したい位置をタッチする。このときも、第1参照点を指定する場合と同様に、ユーザは、指定することを意図している位置を正確にタッチすることは難しく、指定することを意図している位置からずれた位置がタッチされる場合がある。
【0075】
ユーザが、入力画像表示領域51にタッチすると、位置決定部12は、
図10の近傍領域53に示すように、タッチ位置61を中心とする、所与の長さを半径とした円内の範囲に、特徴点が存在するか否かを判定する。ここでの例では、近傍領域53が、タッチ位置61を中心とする、所与の長さを半径とした円内の範囲を示している。
図6で説明したものと同様に、位置決定部12は、近傍領域53を入力画像表示領域51に重畳して表示してもよく、表示しなくてもよい。本実施形態では、位置決定部12が、ユーザがタッチパネルにタッチしている間にのみ、近傍領域53を表示するとして、以下説明する。
【0076】
図10に示す例では、近傍領域53に特徴点66と、ステップS15で抽出された追加の特徴点65fとが存在する。この場合、位置決定部12は、近傍領域53に特徴点(ここでは特徴点66及び65f)が存在すると判定する。
【0077】
位置決定部12は、タッチ位置の近傍に特徴点が存在すると判定した場合(ステップS32のYes)、特徴点の位置に第2参照点を示すマークを表示する(ステップS41)。ここで、
図10に示すように、近傍領域53に複数の特徴点が存在する場合、位置決定部12は、当該複数の特徴点のうち、いずれかの特徴点の位置に、第2参照点を示すマークを表示する。例えば、位置決定部12は、
図10に示すように、複数の特徴点のうち、タッチ位置61に最も近い特徴点66の位置に、第2参照点を示すマークを表示する。第2参照点を示すマークの表示態様は、例えば、ステップS33で説明した第1参照点を示すマークの表示態様と同じであってよい。
【0078】
一方、位置決定部12は、タッチ位置の近傍に特徴点が存在しないと判定した場合(ステップS32のNo)、タッチ位置に第2参照点を示すマークを表示する(ステップS42)。
【0079】
次に、位置決定部12は、タッチ終了を検出したか否かを判定する(ステップS43)。位置決定部12は、例えばステップS35と同様に、入力画像表示領域51へのタッチが検出されなくなった場合、タッチ終了を検出したと判定する。
【0080】
位置決定部12は、タッチ終了を検出していないと判定した場合、つまり入力画像表示領域51へのタッチが継続している場合(ステップS43のNo)、ステップS31に移行する。この場合、位置決定部12は、ステップS31におけるタッチ位置の検出を継続して行い、タッチ位置に応じて、ステップS32からステップS42を繰り返す。
【0081】
例えば、ユーザは、第2参照点の位置として、特徴点65fの位置を指定しようとしていたとする。しかしながら、入力画像表示領域51上では、
図10に示すように、特徴点66の位置に第2参照点を示すマークが表示されているとする。この場合、ユーザは、タッチを継続した状態で、指がタッチする位置を、ユーザが意図する特徴点65fの方向へ近づける。
【0082】
ユーザがタッチ位置を移動させると、位置決定部12はタッチ位置の検出を行う(ステップS31)。そして、位置決定部12は、タッチ位置の近傍に、特徴点が存在するか否かを判定する(ステップS32)。ここでは、
図11に示すように、近傍領域53に複数の特徴点が存在するとする。この場合、位置決定部12は、タッチ位置の近傍に特徴点が存在すると判定し(ステップS32のYes)、特徴点の位置に第2参照点を示すマークを表示する(ステップS41)。このとき、
図10で示した場合と異なり、
図11に示す例では、ユーザがタッチ位置を移動させることによって、タッチ位置61に最も近い特徴点が、特徴点66ではなく、特徴点65fとなっている。従って、位置決定部12は、特徴点65fの位置に、第2参照点を示すマークを表示する(ステップS41)。
【0083】
特徴点65fの位置に第2参照点を示すマークが表示されていることを確認したユーザは、自分が意図した位置に第2参照点を示すマークが表示されていることから、表示画面50(入力画像表示領域51)から指を離す。
【0084】
位置決定部12は、ステップS43において、タッチ終了を検出したと判定した場合、つまり入力画像表示領域51へのタッチが検出されなくなった場合(ステップS43のYes)、第2参照点を示すマークが表示された位置が、第1参照点の位置として決定された位置と同じ位置であるか否かを判定する(ステップS44)。
【0085】
位置決定部12は、第2参照点を示すマークが表示された位置が、第1参照点の位置として決定された位置と同じ位置でないと判定した場合(ステップS44のNo)、第2参照点の位置を決定する(ステップS45)。例えば、位置決定部12は、タッチ終了を検出したと判定したときに、第2参照点を示すマークが表示されていた位置を、第2参照点の位置として決定する。
【0086】
具体的には、
図11に示すように、タッチ位置61がタッチされ、特徴点65fの位置に第2参照点を示すマークが表示されている状態で、位置決定部12がタッチ終了を検出したとする。この場合、特徴点65fの位置を、第2参照点の位置として決定する。位置決定部12は、ステップS45で第2参照点の位置を決定した場合、入力画像表示領域51において、決定した第2参照点の位置に、決定された第2参照点の位置を示すマークを表示してよい。位置決定部12は、例えば
図12に示すように、決定された第2参照点の位置を示すマーク67を、ドットにより表示する。決定された第2参照点の位置を示すマーク67の表示態様は、ステップS41及びステップS42で表示される第2参照点を示すマークの表示態様と同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、第2参照点の位置を示すマーク67の表示態様は、第1参照点の位置を示すマーク63の表示態様と同じであってもよい。
【0087】
このようにして、位置決定部12は、第2参照点の位置を決定する位置決定処理を終了する。
図9から
図12を参照して説明したように、位置決定部12は、タッチ位置が、追加の特徴点の近傍である場合、当該追加の特徴点の位置を第2参照点の位置として決定することができる。
【0088】
位置決定部12は、第1参照点及び第2参照点の位置を決定すると、位置を決定した2つの参照点間を結ぶ線を表示画面50に表示してよい。例えば、位置決定部12は、
図12に示すように、2つの参照点間を結ぶ線68を表示画面50に表示してよい。位置決定部12は、線68を強調表示してよい。線68の強調表示とは、線68を、例えば入力画像に描画されている線などの他の線とは、異なる態様で表示することをいう。強調表示は、任意の態様で行うことができ、例えば、線の太さ、色、破線などの態様で行うことができる。
【0089】
なお、位置決定部12は、ステップS44において、第2参照点を示すマークが表示された位置が、第1参照点の位置として決定された位置と同じ位置であると判定した場合(ステップS44のYes)、第1参照点の位置の決定を解除する(ステップS46)。つまり、本実施形態では、位置決定部12は、第1参照点の位置と同じ位置を指定するタッチ操作が行われた場合、当該タッチ操作を、第2参照点の位置を指定する操作ではなく、第1参照点の位置の指定をキャンセルする操作として取り扱う。この場合、位置決定部12は、入力画像表示領域51に表示された、第1参照点の位置を示すマーク63の表示を消してよい。また、この場合、制御部10は、
図2のステップS13に移行する。
【0090】
再び
図2を参照すると、ステップS17において、位置決定部12が第2参照点の位置を決定すると、第1参照点及び第2参照点の位置が確定する。次に、倍率算出部13は、入力画像に対して適用する倍率を算出する(ステップS18)。
【0091】
ここで、倍率を算出する倍率算出処理の詳細について、
図13に示すフローチャートを参照して説明する。
図13に示すフローチャートは、ステップS18の詳細を示す。
【0092】
まず、倍率算出部13は、参照点間の距離を算出する(ステップS51)。つまり、倍率算出部13は、入力画像における第1参照点と第2参照点との間の距離を算出する。倍率算出部13は、例えば、入力画像における第1参照点及び第2参照点の座標を用いて、距離を算出することができる。
【0093】
また、倍率算出部13は、表示画面50に、出力サイズの入力欄を表示する(ステップS52)。例えば、倍率算出部13は、
図14に一例として示すように、出力サイズの入力欄54を、表示画面50の中央に表示させる。入力欄54は、例えば
図14に示すように、入力画像表示領域51及び設定表示入力領域52に重畳して表示されてよい。入力欄54は、例えば設定表示入力領域52内に表示されてもよい。入力欄54は、その他、ユーザが認識可能な任意の態様で、表示画面50に表示されてよい。
【0094】
ユーザは、表示画面50に入力欄54が表示された場合、決定された2つの参照点間の出力サイズを入力する。例えば、ユーザは、入力受付部40から、出力サイズを入力する。ここで示す例では、ユーザは、第1参照点と第2参照点との間の長さを入力する。ユーザは、例えば
図14に示すように、出力サイズとして、480mmと入力したとする。
【0095】
倍率算出部13は、入力欄54を表示した後、入力欄54に出力サイズが入力されたか否かを判定する(ステップS53)。
【0096】
倍率算出部13は、入力欄54に出力サイズが入力されていないと判定した場合(ステップS53のNo)、出力サイズが入力されるまで、ステップS53を繰り返すことにより、待機する。
【0097】
倍率算出部13は、入力欄54に出力サイズが入力されたと判定した場合(ステップS53のYes)、ステップS51で算出した参照点間の距離と、入力された出力サイズとに基づいて、倍率を算出する(ステップS54)。具体的には、倍率算出部13は、参照点間の距離に対する出力サイズの比を算出することにより、倍率を算出する。すなわち、この比が、倍率を示す。
【0098】
倍率算出部13は、算出した倍率を、例えば
図14に示すように、表示画面50に表示してよい。
図14に示す例では、算出された倍率「312.5%」が入力欄54に表示されている。
図14に示す例では、表示された倍率を確認したユーザが、例えば確定ボタンをタッチすることにより、倍率が確定される。
【0099】
このようにして、倍率算出部13は、入力画像に対して適用する倍率を算出する倍率算出処理を終了する。
【0100】
図15は、倍率確定後の表示画面50の一例を示す図である。ユーザが、上述の確定ボタンをタッチした場合、表示画面50には、例えば
図15に示す画像が表示される。
図15に示すように、倍率確定後の表示画面50の入力画像表示領域51には、例えば、入力画像と、第1参照点の位置を示すマーク63と、第2参照点の位置を示すマーク67とが、表示される。
図15に示すように、倍率確定後の表示画面50の設定表示入力領域52には、例えば、確定した倍率が表示される。
【0101】
再び
図2を参照すると、ステップS18で倍率が算出された場合、出力画像生成部14は、出力画像を生成する(ステップS19)。出力画像生成部14は、入力画像を、ステップS18で算出した倍率で拡大または縮小することにより、出力画像を生成する。出力画像生成部14は、例えば、
図15に示す画面において、ユーザがスタートボタンをタッチした場合に、出力画像を生成する。
【0102】
出力画像生成部14は、出力サイズの情報又は倍率算出部13が算出した倍率の情報を、出力画像に組み込んでもよい。例えば、出力画像生成部14は、出力画像の余白部分に、ユーザにより入力された出力サイズの情報(ここでの例では、「480mm」)又は倍率算出部13が算出した倍率の情報(ここでの例では、「312.5%」)を組み込んでもよい。
【0103】
出力画像生成部14は、ステップS19で生成した出力画像を、出力部70を介して紙などの媒体に出力してよい。例えば、出力画像生成部14は、
図15に示す画面において、ユーザがスタートボタンをタッチした場合に、出力画像を生成し、生成した出力画像のデータを出力部70に渡す。出力部70は受け取った出力画像のデータに基づき、出力画像を紙などの媒体に出力してよい。出力画像生成部14が、出力サイズの情報又は倍率の情報を出力画像に組み込んだ場合には、出力画像が紙などの媒体に出力された際に、これらの情報が当該媒体に記載された状態で出力される。これにより、ユーザは、媒体に記載されたこれらの情報を見ることによって、どのような出力サイズ又は倍率で出力したものであるかを確認することができる。
【0104】
なお、
図2のステップS13において、制御部10は、入力画像への操作入力を検出していないと判定した場合(ステップS13のNo)、入力画像が表示されているエリア以外の他のエリアへの操作入力を検出したか否かを判定する(ステップS20)。他のエリアは、例えば、設定表示入力領域52を含む。
【0105】
制御部10は、他のエリアへの操作入力を検出していないと判定した場合(ステップS20のNo)、ステップS13に移行する。
【0106】
一方、制御部10は、他のエリアへの操作入力を検出したと判定した場合(ステップS20のYes)当該操作入力が、特定の操作入力であるか否かを判定する(
図16のステップS61)。特定の操作入力は、表示画面50が表示されている状態でユーザが入力可能な操作入力である。特定の操作入力は、例えば、表示画面50の表示を、拡大、縮小、回転又は移動させるための操作入力を含む。制御部10は、ユーザによる入力受付部40への操作入力を検出することにより、当該操作入力が、特定の操作入力に該当するか否かを判定することができる。
【0107】
制御部10は、他のエリアへの操作入力が特定の操作入力でないと判定した場合(ステップS61のNo)、
図2のステップS13に移行する。
【0108】
一方、制御部10は、他のエリアへの操作入力が特定の操作入力であると判定した場合(ステップS61のYes)、操作入力に基づく処理を実行する(ステップS62)。例えば、制御部10は、他のエリアへの操作入力が、表示画面50の表示を拡大させるための操作入力であると判定した場合、操作入力に基づき、表示画面50の表示を拡大させる。他の処理についても同様である。制御部10は、操作入力に基づく処理を実行した後、
図2のステップS13に移行する。
【0109】
また、
図2のステップS16において、制御部10は、入力画像への操作入力を検出していないと判定した場合(ステップS16のNo)、入力画像が表示されているエリア以外の他のエリアへの操作入力を検出したか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21の処理は、ステップS20の処理と同様である。
【0110】
制御部10は、他のエリアへの操作入力を検出していないと判定した場合(ステップS21のNo)、ステップS16に移行する。
【0111】
一方、制御部10は、他のエリアへの操作入力を検出したと判定した場合(ステップS21のYes)当該操作入力が、特定の操作入力であるか否かを判定する(
図17のステップS61)。制御部10は、他のエリアへの操作入力が特定の操作入力であると判定した場合(ステップS61のYes)、操作入力に基づく処理を実行する(ステップS62)。
図17におけるステップS61及びステップS62の処理は、
図16で説明したステップS61及びステップS62の処理と、それぞれ同様である。
【0112】
一方、制御部10は、他のエリアへの操作入力が特定の操作入力でないと判定した場合(ステップS61のNo)、当該操作入力が、第1参照点の位置の選択をキャンセルする操作入力であるか否かを判定する(ステップS63)。例えば、
図4に示す表示画面50において、キャンセルボタンをタッチする操作が、第1参照点の位置の選択をキャンセルする操作入力に該当する。制御部10は、他のエリアへの操作入力が、例えばキャンセルボタンをタッチする操作入力であると判定した場合、第1参照点の位置の選択をキャンセルする操作入力であると判定する。
【0113】
制御部10は、他のエリアへの操作入力が、第1参照点の位置の選択をキャンセルする操作入力であると判定した場合(ステップS63のYes)、第1参照点の位置の決定を解除する(ステップS64)。ステップS64の処理は、
図9のステップS46と同じである。この場合、位置決定部12は、入力画像表示領域51に表示された、第1参照点の位置を示すマーク63の表示を消してよい。そして、制御部10は、
図2のステップS13に移行する。
【0114】
一方、制御部10は、他のエリアへの操作入力が、第1参照点の位置の選択をキャンセルする操作入力でないと判定した場合(ステップS63のNo)、
図2のステップS16に移行する。
【0115】
このように、画像生成装置1は、入力された位置に基づいて、特徴点の位置を参照点の位置として決定する。そして、決定した2つの参照点間の出力サイズに基づいて倍率を算出し、算出された倍率で出力画像を生成する。そのため、ユーザが、参照点の位置として、特徴点の位置を指定しようとする場合、表示画面50上で正確に特徴点の位置を指摘できなくても、特徴点の位置が参照点の位置として決定される。これにより、ユーザが意図した位置が、参照点の位置として決定される。そして、参照点間の出力サイズに基づいて倍率が算出され、出力画像が生成されるため、出力画像は、ユーザが意図したサイズの画像として出力される。このようにして、画像生成装置1によれば、より高い精度で変倍の倍率を設定可能である。
【0116】
上記実施形態では、Tシャツの型紙が描画された入力画像を用いて、型紙を所定の出力サイズで出力する場合の例について説明する。しかしながら、入力画像は、Tシャツの型紙以外の任意の物とすることができる。ここで、他の入力画像を用いた場合の参照点の位置の決定方法の例について説明する。
【0117】
図18は、倍率確定後の表示画面の他の一例を示す図である。
図18に示す例では、入力画像として、カブトムシの絵が描画された画像が用いられている。例えば、ユーザは、カブトムシの絵が描画された画像を、実際のカブトムシを模した大きさに変倍して出力しようとしているとする。
【0118】
入力画像には、例えば
図18の入力画像表示領域51に示しているように、2匹のカブトムシの絵が描画されているとする。カブトムシの絵は、カブトムシの胴体が楕円形状で描画されている。また、カブトムシの絵では、楕円形状の胴体の長軸の一端側に角が描画されている。特徴点抽出部11は、入力画像について、特徴点を抽出する。具体的には、上記実施形態で説明したように、例えば、複数の線の交点、線の屈折点、線分の端点、及び、円又は楕円の中心などが、特徴点として抽出される。このとき、楕円形状の胴体の長軸及び短軸の端点も、特徴点として抽出されていてよい。
【0119】
ユーザは、第1参照点として、左側に描かれたカブトムシの胴体の長軸の一端(ここでは、角が描画されている側の一端)を、選択する操作入力を行ったとする。この場合、ユーザが、カブトムシの胴体の長軸の一端の正確な位置にタッチ操作ができていなかったとしても、上記実施形態で説明した要領で、位置決定部12は、特徴点の位置を参照点の位置と決定することにより、カブトムシの胴体の長軸の一端の位置を、第1参照点の位置として決定することができる。位置決定部12は、決定した第1参照点の位置に、第1参照点の位置を示すマーク63を表示する。また、特徴点抽出部11は、追加の特徴点を抽出する。
【0120】
次に、ユーザは、第2参照点として、左側に描かれたカブトムシの胴体の長軸の他の一端(ここでは、角が描画されていない側の一端)を、選択する操作入力を行ったとする。この場合も、位置決定部12は、特徴点の位置を参照点の位置と決定することにより、カブトムシの胴体の長軸の他の一端の位置を、第2参照点の位置として決定することができる。位置決定部12は、決定した第2参照点の位置に、第2参照点の位置を示すマーク67を表示する。
【0121】
そして、ユーザは、参照点間の出力サイズを入力する。ここでは、参照点間の出力サイズとして、「42mm」と入力したとする。倍率算出部13は、参照点間の距離と、出力サイズとに基づいて、倍率を算出する。ここでは、倍率が「40.5%」と算出されたとする。そして、出力画像生成部14は、例えばユーザがスタートボタンをタッチした場合に、入力画像を「40.5%」に縮小することにより、出力画像を生成する。このようにして、入力画像から、ユーザが希望する実寸を模したサイズのカブトムシの出力画像が生成される。本実施例では、入力画像としてカブトムシの絵が用いられる場合について説明したが、入力画像としてカブトムシの写真が用いられてもよい。ここで説明した方法と同様の方法を用いて、写真に写ったカブトムシを、実寸を模したサイズに変倍する場合であっても、特徴点の抽出に必要な線分は、例えばカブトムシの写真に対する輪郭抽出処理など公知の画像処理手法で取得できるので、ユーザのタッチ操作で位置決定ができる。
【0122】
図19及び
図20は、さらに他の例について説明する図である。
図19及び
図20に示す例では、入力画像として、天狗のお面の絵が描画された画像が用いられている。例えば、ユーザは、天狗のお面の絵が描画された画像について、両目の間の距離を、お面をかぶる人の両目の間隔に合わせて出力しようとしているとする。
【0123】
図19及び
図20に示すように、天狗のお面の絵において、目は楕円形状で描画されている。特徴点抽出部11は、入力画像について、特徴点を抽出する。具体的には、上記実施形態で説明したように、例えば、複数の線の交点、線の屈折点、線分の端点、及び、円又は楕円の中心などが、特徴点として抽出される。このとき、楕円形状の目の中心も、特徴点として抽出される。
【0124】
ユーザは、第1参照点として、天狗のお面の右目の中央を選択する操作入力を行ったとする。この場合、例えば
図19に示すように、タッチ位置61が、天狗のお面の右目の中央の位置とは異なっていても、天狗のお面の右目の中央の位置は、特徴点69として抽出されているため、位置決定部12は、ユーザのタッチ操作に基づいて、特徴点69の位置を、第1参照点の位置と決定することができる。位置決定部12は、決定した第1参照点の位置に、第1参照点の位置を示すマーク63を表示する。また、特徴点抽出部11は、追加の特徴点を抽出する。
【0125】
次に、ユーザは、第2参照点として、天狗のお面の左目の中央を選択する操作入力を行ったとする。この場合も、同様にして、位置決定部12は、特徴点として抽出された、天狗のお面の左目の中央の位置を、第2参照点の位置として決定することができる。位置決定部12は、決定した第2参照点の位置に、第2参照点の位置を示すマーク67を表示する。
【0126】
そして、ユーザは、参照点間の出力サイズを入力する。ここでは、参照点間の出力サイズとして、「70mm」と入力したとする。倍率算出部13は、参照点間の距離と、出力サイズとに基づいて、倍率を算出する。ここでは、倍率が「151.5%」と算出されたとする。これにより、例えば
図20に示すように、2つの参照点の位置と、算出された倍率とが表示された表示画面50が表示される。出力画像生成部14は、例えばユーザがスタートボタンをタッチした場合に、入力画像を「151.5%」に拡大することにより、出力画像を生成する。このようにして、入力画像から、お面をかぶる人の両目の間隔に合ったサイズの出力画像が生成される。
【0127】
上記実施形態では、特徴点が抽出された後に、位置決定部12が入力画像への操作入力を検出したか否かを判定すると説明した。例えば、ステップS11で特徴点が抽出された後、ステップS13で位置決定部12が入力画像への操作入力を検出したか否かを判定し、ステップS15で追加の特徴点が抽出された後、ステップS16で位置決定部12が入力画像への操作入力を検出したか否かを判定すると説明した。しかしながら、特徴点は、必ずしも、入力画像への操作入力が行われる前に実行されなくてもよい。例えば、入力画像への操作入力が行われたときに、特徴点が抽出されてもよい。
【0128】
具体的には、特徴点は、位置決定部12がステップS31で検出したタッチ位置に基づいて、抽出されてもよい。例えば、位置決定部12がステップS31でタッチ位置を検出すると、特徴点抽出部11は、当該タッチ位置の近傍において、追加の特徴点を抽出する処理を実行してもよい。これは、追加の特徴点の抽出についても同様である。
【0129】
また、特徴点の抽出方法は、上記実施形態で説明した方法に限られない。例えば、特徴点抽出部11は、位置決定部12がステップS31で検出したタッチ位置に基づいて、入力受付部40に入力されたタッチ位置の近傍に線が存在する場合、入力されたタッチ位置から最も近い線上の位置を、特徴点として抽出してよい。つまり、特徴点抽出部11は、タッチ位置の近傍の線上において、タッチ位置に最も近い1点を、特徴点として抽出してよい。
【0130】
また、上記実施形態では、位置決定部12は、タッチ位置の近傍に特徴点が存在する場合、一例として、複数の特徴点のうち、タッチ位置に最も近い特徴点の位置を、参照点の位置として決定すると説明した。しかしながら、位置決定部12は、必ずしもタッチ位置に最も近い特徴点の位置を、参照点の位置として決定しなくてもよい。例えば、位置決定部12は、タッチ位置の近傍に複数の特徴点が存在する場合、当該複数の特徴点から1つの特徴点を選択するための選択表示欄を表示部51(表示画面50)に表示させ、選択表示欄において選択された特徴点の位置を、参照点の位置として決定してもよい。つまり、位置決定部12は、複数の特徴点のうち、ユーザが選択した特徴点の位置を、参照点の位置として決定してもよい。
【0131】
また、位置決定部12は、入力画像に含まれる円の円周上の1点の位置を第1参照点の位置として決定した場合、第2参照点の位置決定処理において、上記実施形態とは異なる別途の処理を実行してもよい。具体的には、位置決定部12は、入力画像に含まれる円の円周上の1点の位置を第1参照点の位置として決定した場合、第2参照点の位置決定処理において検出されたタッチ位置が、第1参照点の位置と同一又は極近傍である場合、第1参照点と同一の点の位置を第2参照点の位置として決定してよい。この場合、
図9におけるステップS44の判定を、「第1参照点が円周上の1点ではなく、かつ、第2参照点を示すマークが表示された位置が第1参照点の位置と同じ?」とするものとする。第1参照点が円周上の1点ではなく、かつ、第2参照点を示すマークが表示された位置が第1参照点の位置と同じである場合(つまりYesの場合)、第1参照点の位置の決定を解除する(ステップS46)。一方、第1参照点が円周上の1点であるか、又は、第2参照点を示すマークが表示された位置が第1参照点の位置と異なる場合(つまりNoの場合)、第2参照点の位置を決定する。ここで、ステップS44のNoと判定された理由が、第1参照点が円周上の1点であるというものである場合、位置決定部12は、第1参照点と同一の点の位置を第2参照点の位置として決定し、円の円周の長さを、第1参照点と第2参照点との間の長さとして決定してよい。つまり、位置決定部12は、タッチ位置が、第1参照点の位置と同一又は極近傍である場合、円の円周が指定されたとして、処理を実行してよい。ここで、第1参照点の位置の極近傍とは、入力受付部40による操作入力において、ユーザが第1参照点の位置を選択したと想定される所定範囲である。極近傍の範囲は、予め定められていてよい。つまり、位置決定部12は、入力受付部40による操作入力で選択されたタッチ位置が、第1参照点の位置の極近傍の範囲内に含まれる場合、タッチ位置が第1参照点の位置の極近傍であると判定してよい。ユーザは、第1参照点の位置と同一の位置をタッチしようとしても、全く同一の位置をタッチすることは難しい。そこで、このように、極近傍の範囲を設定し、当該極近傍の範囲へのタッチが検出された場合に、第1参照点と同一の点の位置を第2参照点の位置として決定することにより、画像生成装置1は、ユーザが意図した入力を受け付けやすくなる。
【0132】
上記実施形態において、制御部10は、入力受付部40に対するタッチ入力の数に基づいて、異なる制御を行ってもよい。例えば、制御部10は、入力受付部40に対する1点のタッチ入力を受け付けた場合、上述した処理によって参照点の位置を決定する処理を実行し、2点以上同時にタッチ入力を受け付けた場合、表示部30に表示された入力画像の表示態様を変更する処理を実行してもよい。即ち、
図2において、ステップS13及びステップS16での操作はシングルタッチのみとし、ステップS20及びステップS21での他のエリアへの操作入力には、入力画像へのマルチタッチによる操作を含めることとしてもよい。1点のタッチ入力は、例えば、ユーザが1本の指でタッチパネルにより構成される入力受付部40にタッチすることにより実現される。2点以上の入力は、例えば、ユーザが2本以上の指で入力受付部40にタッチすることにより実現される。例えば、ユーザは、親指と人差し指で入力受付部40にタッチすることにより、2点同時にタッチ入力を行うことができる。
【0133】
ユーザは、2点以上同時にタッチ入力をしている場合、例えばピンチアウト又はピンチインの操作入力を行うことができる。制御部10は、入力受付部40に対するピンチアウト又はピンチインの操作入力に基づき、表示部30に表示されている入力画像表示領域51に表示される領域を、拡大したり縮小したりすることができる。同様に、2点以上タッチした指の相対位置を固定したまま上下左右に移動することで、入力画像表示領域51に表示される領域の移動をおこなうことができる。同様に、2点以上タッチした指を円周上の点とした回転操作をすることで、入力画像表示領域51に表示される領域の回転をおこなうことができる。
【0134】
上記実施形態において、入力画像が複数のページを含んで構成されている場合、出力画像生成部14は、倍率算出部13が算出した倍率を、表示部30に表示されている入力画像以外の他のページの画像に対しても適用してよい。つまり、出力画像生成部14は、1つのページに対して決定された倍率を、他のページにも適用し、他のページの出力画像を生成してもよい。これにより、入力画像が複数のページを含む場合に、1つのページへの操作のみで、他のページの倍率も定めることができ、利便性が高まる。
【0135】
なお、倍率算出部13は、複数のページのそれぞれに対して個別に異なる倍率を決定し、出力画像生成部14は、それぞれ決定した倍率で出力画像を生成してもよい。この場合、ユーザは、複数のページのそれぞれに対して、所望の倍率を設定することができる。ユーザは、複数のページのそれぞれに対して、同じ倍率を適用するか、それぞれ個別の倍率を設定するかを選択可能であってもよい。
【0136】
上記実施形態では、操作入力がタッチ操作により行われるとして説明した、しかしながら、操作入力は、必ずしもタッチ操作に限られない。例えば、入力受付部40がマウスなどの入力インタフェースを含んで構成されている場合、操作入力は、マウスを用いて行われる。この場合も、ユーザは、例えばマウスを用いて、表示部30に表示されたカーソルを、所望の位置に正確に配置して参照点の位置を入力することは難しい。しかしながら、上記実施形態で説明した処理により、画像生成装置1は、入力された位置に基づいて、特徴点の位置を参照点の位置として決定する。画像生成装置1は、このようにして決定した参照点を用いて、倍率を算出することができるため、より高い精度で変倍の倍率を設定可能である。
【0137】
本開示を諸図面及び実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0138】
1 画像生成装置
10 制御部
11 特徴点抽出部
12 位置決定部
13 倍率算出部
14 出力画像生成部
20 記憶部
30 表示部
40 入力受付部
50 表示画面
51 入力画像表示領域
52 設定表示入力領域
53 近傍領域
54 入力欄
61 タッチ位置
62,66,69 特徴点
63 第1参照点の位置を示すマーク
64 補助線
65a,65b,65c,65d,65e,65f 追加の特徴点
67 第2参照点の位置を示すマーク
68 参照点間を結ぶ線
70 出力部